マニュエル・ルグリの新しき世界:Bプロ
2010.02.09
いつものことだけど、忙しい事を言い訳にして演目や出演者について、さらにルグリがなぜこのプログラムに取り組むことを決めたのか知らないまま観た。だから、偏見かもしれないし、見当違いなのかもしれない。
前半、アニエス・ルテステュがパトリック・ド・バナと踊り始めて真っ先に感じたのは、『こんなレヴェルのパートナリングでルテステュの相手をしていいのか?』、ということ。身体はバレエ・ダンサーのそれだし、踊りが下手ということではない。単に、彼自身のことしか考えていないようにしか見えなかった。
後半、ド・バナによる振り付け『マリー・アントワネット』の幕が上がって、『このプログラムは、僕にとっては失敗だった』。そう思ったのは、ド・バナのタトゥー。左肩のものだけでも十分余計な『個人情報』なのに、衣装のすそから見えるタトゥーからは、そのタトゥーが彼の性器周辺まで施されているであろうことを読み取れてしまう。
タトゥーを入れることは個人の判断。だから、誰が何処に入れようが全く関心はない。しかしながら、その『個人』の情報が舞台で踊られるバレエに、何の意味があるのか?たとえば、『マリー・アントワネット』創作の最大の目的が、そしてインスピレイションのきっかけが、ド・バナのタトゥーだった。そういうことはありえるだろう。何がバレエ創作のきっかけになるかなんてこと、誰にも、振付家だって予想できないことだろう。
だけど、生ぬるい振り付けからは、ド・バナのタトゥーがそこに無ければならない意義は一切感じられなかった。ただの、雑音。
たとえ短いモダンやコンテンポラリーでも、バレエは総合芸術。ダンサー、衣装、舞台セット、振り付け、音楽、そして照明。これらの要素をつなぎ合わせて一つだけでは作りえないものを、それ以上の何かを生み出す舞台に不必要なものを持ち出すこと、持ち出されることほど興ざめなことは無い。
上野水香さんの踊りは初めて観た。彼女のダンサーとしてのオーラより遥かに強く、観客側から瞬時に感じたのは、「彼女の踊りに心からの拍手なんて、絶対に送るものか」という意思。上野さんが上手いのか下手なのか、疎まれているのか愛されているのかは全く知らないけど、客席のテンションが一瞬にして下がったようだった。
上野さんのダンサーとしてのキャリアを知らないので踊りのできにはコメントしようがないけど、気になったことが二つ。回転していても、跳躍していてもなんだか膝から下が緩いというか、きちんとコントロールされていないというか。崩れているとうわけではないけど、しなやかという印象ではなかった。
シューズは硬いのがお好きなのかな。ダンサーの好き好きだからそれは良いとして、カーテンが降りてから、上野さんが何処をどう歩いて、何処の位置にある階段をどうやって下りているかがわかってしまうほどの音を立てる歩き方、というのは一考してみてもいいのではないかと。
前半、アニエス・ルテステュがパトリック・ド・バナと踊り始めて真っ先に感じたのは、『こんなレヴェルのパートナリングでルテステュの相手をしていいのか?』、ということ。身体はバレエ・ダンサーのそれだし、踊りが下手ということではない。単に、彼自身のことしか考えていないようにしか見えなかった。
後半、ド・バナによる振り付け『マリー・アントワネット』の幕が上がって、『このプログラムは、僕にとっては失敗だった』。そう思ったのは、ド・バナのタトゥー。左肩のものだけでも十分余計な『個人情報』なのに、衣装のすそから見えるタトゥーからは、そのタトゥーが彼の性器周辺まで施されているであろうことを読み取れてしまう。
タトゥーを入れることは個人の判断。だから、誰が何処に入れようが全く関心はない。しかしながら、その『個人』の情報が舞台で踊られるバレエに、何の意味があるのか?たとえば、『マリー・アントワネット』創作の最大の目的が、そしてインスピレイションのきっかけが、ド・バナのタトゥーだった。そういうことはありえるだろう。何がバレエ創作のきっかけになるかなんてこと、誰にも、振付家だって予想できないことだろう。
だけど、生ぬるい振り付けからは、ド・バナのタトゥーがそこに無ければならない意義は一切感じられなかった。ただの、雑音。
たとえ短いモダンやコンテンポラリーでも、バレエは総合芸術。ダンサー、衣装、舞台セット、振り付け、音楽、そして照明。これらの要素をつなぎ合わせて一つだけでは作りえないものを、それ以上の何かを生み出す舞台に不必要なものを持ち出すこと、持ち出されることほど興ざめなことは無い。
上野水香さんの踊りは初めて観た。彼女のダンサーとしてのオーラより遥かに強く、観客側から瞬時に感じたのは、「彼女の踊りに心からの拍手なんて、絶対に送るものか」という意思。上野さんが上手いのか下手なのか、疎まれているのか愛されているのかは全く知らないけど、客席のテンションが一瞬にして下がったようだった。
上野さんのダンサーとしてのキャリアを知らないので踊りのできにはコメントしようがないけど、気になったことが二つ。回転していても、跳躍していてもなんだか膝から下が緩いというか、きちんとコントロールされていないというか。崩れているとうわけではないけど、しなやかという印象ではなかった。
シューズは硬いのがお好きなのかな。ダンサーの好き好きだからそれは良いとして、カーテンが降りてから、上野さんが何処をどう歩いて、何処の位置にある階段をどうやって下りているかがわかってしまうほどの音を立てる歩き方、というのは一考してみてもいいのではないかと。
About This Blog
2010.02.06
1999年のクリスマス・イヴにロンドンに来て以来、家族、友人、知人に無理やり送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンをまとめる目的で始めたブログ。
同じ島国のイギリスと日本、似ていると感じることもあれば、今でも驚かされることも結構ある。ということで、これからも不定期に面白いと思ったこと、興味を惹かれたことなどをアップしていければ、と。
最近、メイル経由で質問を戴くことが増えていて、お越しくださる人には感謝します。ただ、例えば、「ロンドンに行こうかと思っているんですが、どうでしょうか?」のようなまる投げの質問の返答は、「行きたいかどうか判らないなら、止めたほうがいいのでは」、です。質問されるのは構いませんが、下調べと覚悟をもってしてください。
[お知らせ:2月6日]
英国ニュースダイジェストの「ウィークリー・アイ」を担当しました。
http://www.news-digest.co.uk/news/content/blogcategory/18/263/
同じ島国のイギリスと日本、似ていると感じることもあれば、今でも驚かされることも結構ある。ということで、これからも不定期に面白いと思ったこと、興味を惹かれたことなどをアップしていければ、と。
最近、メイル経由で質問を戴くことが増えていて、お越しくださる人には感謝します。ただ、例えば、「ロンドンに行こうかと思っているんですが、どうでしょうか?」のようなまる投げの質問の返答は、「行きたいかどうか判らないなら、止めたほうがいいのでは」、です。質問されるのは構いませんが、下調べと覚悟をもってしてください。
[お知らせ:2月6日]
英国ニュースダイジェストの「ウィークリー・アイ」を担当しました。
http://www.news-digest.co.uk/news/content/blogcategory/18/263/
日本のケイキは日本が誇る和食
2010.02.05
前夜、ネットでチェック・インをしたとき、ヘルシンキ・東京間は手続きができたけど、ロンドンとヘルシンキ間のチェック・インが結果に反映されなかった。やり方を変更して出てきた情報では、ロンドン・ヘルシンキ間のステイタスがビジネスになっていて、かつ「ヒースローではBAのカウンターに行け」とのこと。
ビジネスだったらそれはそれでラッキーと思いつつ、ヒースローへ。いってみると、なんだか知らないけど、BAとのコード・シェアになっていた。結局先方の間違いということ。ま、たった3時間のフライトだし、欧州内のBAのフライトであれば、ビジネスとエコノミーの差は、まずい食事かとてもまずい食事のどちらか、という些細なこと。
はらはらしたのは、そのBA離陸が20分も遅れた。予定ではヘルシンキでの乗り継ぎは1時間も無かった。友人・知人いわく、ヘルシンキ空港は大きくないからとのことだけど、さすがに予定出発時刻から20分遅れになろうとしたときには、だめかなと。
結局、偏西風が強かったようで予定の10分遅れで着陸したのはいいけど、乗り継ぎ便のゲイトが一番奥のものだったので、かなり走った。
ヘルシンキ空港で感心したのは、降雪の処理。窓から見ると、滑走路脇の降雪は数メートルもあったようだ。にもかかわらず、飛行機が滑って転んで大惨事、なんてことからは程遠くとてもスムースなオペレイション。もちろん、環境の違いによる経験の違いということもあるけど、たった数センチの雪でうろたえるヒースロー、およびイギリス各地の空港は見習うべきだろう。
フィンエアは、かなり良かった。正直、機内のデザインは無機質に感じられたし、キャビンクルーのサーヴィスも最小限。ある意味、BAと似たようなもので、必要以上にかまわれないという感じが個人的にはとてもよかった。BAとの大きな違いは、日本人クルーだけでなく、フィンランド人クルーを含むすべてのキャビンクルーがとてもフレンドリーということ。キャビンクルーと話して、リンゴンベリーがフィンランドでとてもポピュラーな果物であることを知った。
東京の印象は、まるで『外国』。言葉は判るけど、些細なことでも戸惑う。この過剰なお詫び、サーヴィスに慣れてしまうと、イギリスに戻れなくなりそうな気がしてしまう。
東京都内に入ると、景色の変わりように驚くことが増える。とりわけ秋葉原駅の変わりようといったら。東京にいたころは『帰省』という言葉から湧き上がる感情を理解することは無かったけど、帰省に伴う懐かしさと喪失感とはこんなものか。
銀座ウロウロしていて、銀座三越で堂島ロールを購入。その後有楽町に移動してラ・メゾン・ドゥ・ショコラ(http://www.lamaisonduchocolat.co.jp/)でホットチョコレイトを試した。ねっとりした甘さに、国によって嗜好が違うことを感じる。美味しかったけど、もうちょっと量がほしかった。ヴァレンタインの狂騒を控えて、イート・インはお休み中で、テイク・アウェイのみ。三省堂書店で、HANAKOの「東京スイーツ」を購入。
帰宅。帰国初日のお楽しみは、地元肉屋の餃子。うまかった。見計らったように、空港から送ったスーツケイスが宅配便で届く。イギリスではこんなこと、ありえない。どうしてこんなに素晴らしいことができる日本、日本人が今、元気がないように見えるのは、とても不思議だ。
堂島ロールは、確かに美味しかった。でも、クリームの味、食感は微妙に自分の満足感からは、ずれている。お試しということで、2度と買うことはないかな。食後、HANAKOを熟読。プリンのステイタス向上、種類の豊富なことがとても新鮮。うまいショートケイキは、どこで食べられるだろう。
ビジネスだったらそれはそれでラッキーと思いつつ、ヒースローへ。いってみると、なんだか知らないけど、BAとのコード・シェアになっていた。結局先方の間違いということ。ま、たった3時間のフライトだし、欧州内のBAのフライトであれば、ビジネスとエコノミーの差は、まずい食事かとてもまずい食事のどちらか、という些細なこと。
はらはらしたのは、そのBA離陸が20分も遅れた。予定ではヘルシンキでの乗り継ぎは1時間も無かった。友人・知人いわく、ヘルシンキ空港は大きくないからとのことだけど、さすがに予定出発時刻から20分遅れになろうとしたときには、だめかなと。
結局、偏西風が強かったようで予定の10分遅れで着陸したのはいいけど、乗り継ぎ便のゲイトが一番奥のものだったので、かなり走った。
ヘルシンキ空港で感心したのは、降雪の処理。窓から見ると、滑走路脇の降雪は数メートルもあったようだ。にもかかわらず、飛行機が滑って転んで大惨事、なんてことからは程遠くとてもスムースなオペレイション。もちろん、環境の違いによる経験の違いということもあるけど、たった数センチの雪でうろたえるヒースロー、およびイギリス各地の空港は見習うべきだろう。
フィンエアは、かなり良かった。正直、機内のデザインは無機質に感じられたし、キャビンクルーのサーヴィスも最小限。ある意味、BAと似たようなもので、必要以上にかまわれないという感じが個人的にはとてもよかった。BAとの大きな違いは、日本人クルーだけでなく、フィンランド人クルーを含むすべてのキャビンクルーがとてもフレンドリーということ。キャビンクルーと話して、リンゴンベリーがフィンランドでとてもポピュラーな果物であることを知った。
東京の印象は、まるで『外国』。言葉は判るけど、些細なことでも戸惑う。この過剰なお詫び、サーヴィスに慣れてしまうと、イギリスに戻れなくなりそうな気がしてしまう。
東京都内に入ると、景色の変わりように驚くことが増える。とりわけ秋葉原駅の変わりようといったら。東京にいたころは『帰省』という言葉から湧き上がる感情を理解することは無かったけど、帰省に伴う懐かしさと喪失感とはこんなものか。
銀座ウロウロしていて、銀座三越で堂島ロールを購入。その後有楽町に移動してラ・メゾン・ドゥ・ショコラ(http://www.lamaisonduchocolat.co.jp/)でホットチョコレイトを試した。ねっとりした甘さに、国によって嗜好が違うことを感じる。美味しかったけど、もうちょっと量がほしかった。ヴァレンタインの狂騒を控えて、イート・インはお休み中で、テイク・アウェイのみ。三省堂書店で、HANAKOの「東京スイーツ」を購入。
帰宅。帰国初日のお楽しみは、地元肉屋の餃子。うまかった。見計らったように、空港から送ったスーツケイスが宅配便で届く。イギリスではこんなこと、ありえない。どうしてこんなに素晴らしいことができる日本、日本人が今、元気がないように見えるのは、とても不思議だ。
堂島ロールは、確かに美味しかった。でも、クリームの味、食感は微妙に自分の満足感からは、ずれている。お試しということで、2度と買うことはないかな。食後、HANAKOを熟読。プリンのステイタス向上、種類の豊富なことがとても新鮮。うまいショートケイキは、どこで食べられるだろう。
シルヴィ・ギエムの新しいDVD
2010.02.01
今頃、どこでどんなダンスを踊っているのかな、とふと思って久しぶりにギエムのウェブにアクセスしたら、飛び込んできた画像はこれだった。Amazon UKの情報だと発売は昨年の10月とのことだけど、まったく知らなかった。

(表紙)

(裏側)
http://www2.deutschegrammophon.com/special/?ID=sylvieguillem
中身は、本編よりギエム自身のコレクションからのボーナスのほうが凄すぎる。
EXTRAS
Guillem over the seasons Guillem im Wechsel der Jahreszeiten · Guillem au fil des saisons
Romeo & Juliette (1998)
Sylvie Guillem 1:34
Manon (1991)
Sylvie Guillem · Laurent Hilaire 6:04
Don Quichotte (1998)
Sylvie Guillem · Nicolas Le Riche
With the voice of Ghislaine Thesmar 8:03
Don Quichotte (1999)
Sylvie Guillem 1:02
Don Quichotte (1998)
Sylvie Guillem 1:06
In the Middle Somewhat Elevated (1988)
Sylvie Guillem · Laurent Hilaire
Choreography: William Forsythe 2:10
La Belle au bois dormant (2000)
Dornröschen · The Sleeping Beauty
Sylvie Guillem · Nicolas Le Riche · Laurent Hilaire 4:43
Herman Schmerman (1994)
Sylvie Guillem · Marc Spradling
Choreography: William Forsythe 3:52
特に最後から二つ目の「眠り」。この面子はどこで実現したんだろう。「今」のギエムのローズ・アダージョが観たいぞ!無いものねだりだけど、ロビンスの「コンサート」と、アシュトンの「田園のひと月」があれば。

(表紙)

(裏側)
http://www2.deutschegrammophon.com/special/?ID=sylvieguillem
中身は、本編よりギエム自身のコレクションからのボーナスのほうが凄すぎる。
EXTRAS
Guillem over the seasons Guillem im Wechsel der Jahreszeiten · Guillem au fil des saisons
Romeo & Juliette (1998)
Sylvie Guillem 1:34
Manon (1991)
Sylvie Guillem · Laurent Hilaire 6:04
Don Quichotte (1998)
Sylvie Guillem · Nicolas Le Riche
With the voice of Ghislaine Thesmar 8:03
Don Quichotte (1999)
Sylvie Guillem 1:02
Don Quichotte (1998)
Sylvie Guillem 1:06
In the Middle Somewhat Elevated (1988)
Sylvie Guillem · Laurent Hilaire
Choreography: William Forsythe 2:10
La Belle au bois dormant (2000)
Dornröschen · The Sleeping Beauty
Sylvie Guillem · Nicolas Le Riche · Laurent Hilaire 4:43
Herman Schmerman (1994)
Sylvie Guillem · Marc Spradling
Choreography: William Forsythe 3:52
特に最後から二つ目の「眠り」。この面子はどこで実現したんだろう。「今」のギエムのローズ・アダージョが観たいぞ!無いものねだりだけど、ロビンスの「コンサート」と、アシュトンの「田園のひと月」があれば。
In the Spirit of Diaghilev
2010.01.31
2009年は、ディアギレフがパリでバレエ・リュスを旗揚げしてから100年の記念の年。ということで、ロイヤル・バレエ、イングリッシュ・ナショナル・バレエやパリ・オペラ座バレエ等々バレエ・カンパニーは特別プログラムを組みました。
バレエの枠組みを変えた、言ってみれば当時のバレエ・ダンス界の風雲児であったであろうディアギレフへの想いは、ロンドン・ダンス・パワー・ハウスと称されるサドラーズも同じ。「In the Spirit of Diaghilev」というプログラムを10月に。全て新作のこのプログラムに参加した振り付け家は、4人ともサドラーズのアソシエイト・アーティストです。解説はしたの英文をどうぞ。実際の上演は、マックグレガー、マリファント、チェルカウィ、フルトスの順です。
Formed in 1909 by Sergei Diaghilev, Les Ballets Russes revolutionised the art of dance. One hundred years later, four ground-breaking choreographers pay a thrilling tribute to this unique artistic venture.
For this special event Sadler's Wells has commissioned brand new works from Sidi Larbi Cherkaoui, Javier De Frutos, Russell Maliphant and Wayne McGregor who will each create work inspired by Les Ballets Russes and its spirit of collaboration.
Each artist, working with all or part of his own company, gives their own original response to the famous challenge that Diaghilev once issued to Jean Cocteau: “Surprise me!”
Wayne McGregor: Dyad 1909
Inspired by Shackleton's Nimrod expedition to the South Pole in 1909, the year that Les Ballets Russes was founded, Wayne McGregor creates a brand new Ballet Blanc, Dyad 1909. Wayne McGregor | Random Dance collaborates with acclaimed artists and filmmakers Jane and Louise Wilson, lighting designer Lucy Carter and costume designer Moritz Junge. Music is by acclaimed Icelandic composer Ólafur Arnalds.
Sidi Larbi Cherkaoui: Faun
Sidi Larbi Cherkaoui examines the animalistic nature of human movement and the power of mythology in Faun. This brand new duet, created for two of his company dancers, takes an alternative look at the eponymous creature from Stéphane Mallermé's poem, Claude Débussy's music and Vaslav Nijinsky's choreography. With additional music by Nitin Sawhney and costumes by leading fashion designer Hussein Chalayan.
Russell Maliphant: AfterLight
Using Vaslav Nijinksy's geometric drawings and paintings as a starting point, Russell Maliphant will create a brand new solo entitled AfterLight. Featuring Daniel Proietto from the Russell Maliphant Company, lighting and sound design is from regular Maliphant collaborators Michael Hulls and Andy Cowton. The work has been developed in collaboration with designer Es Devlin and animation company onedotzero industries.
Javier De Frutos: Eternal Damnation to Sancho and Sanchez
Olivier Award-winner Javier De Frutos's Eternal Damnation to Sancho and Sanchez is a cautionary fable inspired by Cocteau's scenarios and designs for Les Ballets Russes and set to Maurice Ravel's La Valse. De Frutos joins forces with theatre designer Katrina Lindsay and lighting designer Michael Hulls.
ロイヤル・バレエの常任振付家でもあるマックグレガーが自身のカンパニーに振付ける度に思うのは、踊れる人が踊らないと彼の作品は焦点がぼやけるということ。観に行った日は、テクニカル・プロブレムで開演後数分でストップ。再び最初からということになり、観る側の緊張も途切れたのでは、という感じでした。この公演にあわせて、ガーディアンに彼のインタヴューが掲載されました。
Wayne McGregor: Zen and the art of dance
http://www.guardian.co.uk/stage/2009/oct/13/wayne-mcgregor-interview
マリファントは後で。3番目の「牧神」は二人のダンサーの身体能力は素晴らしいものの、踊りから感じた印象は、「溢れ出る若さに任せてセックスを楽しんじゃえ」ってな感じしかもてませんでした。個人的に「牧神」はジェローム・ロビンスのものが一番好きです。
このプログラムが始まる数日前に、サドラーズから以下のメイルが送られてきました。
As you are no doubt aware, all of the work featured in this show is brand new. With the programme now in its final stages of development, we felt it would be appropriate to notify all ticketholders that one of the four works, Javier de Frutos’ Eternal Damnation to Sancho & Sanchez, will contain scenes of an adult nature and some violence.
まさかダンサー全員全裸、なんて思いましたが、違いました。肉襦袢をたっぷり仕込んでまるでジャバ・ザ・ハットのように腐敗した脂肪しか体に残っていないような様相の法王が、若い修道僧を強姦し、妊娠している尼僧を強姦し、挙句その尼僧は、二人のほかの尼僧にロザリオで首を絞められて殺される、と。二度と観たいとも、またダンスとも思いませんでした。レヴューによると、最前列に座っていたのでまったく気づきませんでしたが、途中で席を立つ観客がかなりいたそうです。


ジャン・コクトーがディアギレフを挑発した「Surprise me!」に引っ掛けて、これこそバレエ・リュスの本流だ、と褒めちぎるレヴューがある一方で、ただ単に嫌悪感だけを書き連ねたレヴューと真っ二つでした。
このプログラムは、昨年末にBBCで放映されたそうですが、この最後のだけはどうやら放送されなかったようです。
BBC drops ballet featuring a deformed Pope who rapes nuns
http://www.telegraph.co.uk/culture/tvandradio/6663273/BBC-drops-ballet-featuring-a-deformed-Pope-who-rapes-nuns.html
マリファントの「Afterlight」はプロット・レスですが、全体を4つのパートに分けることができると思います。ステイジの真ん中で男性ダンサーがわずかな照明の中心でゆっくりと、まるでスーフィーのように回りだしたときは、「またか」と思ってしまったのですが、ぜんぜん違いました。
第2シークウェンスに入ると、照明が照らしだす空間がほんの少し広がり、ダンサーの動きもまた少し広がりました。ちなみにダンサーはまったく止まることなく回転を続けています。

そして第3シークウェンス。ダンサーが腕を伸ばし、彼の手のひらが光と闇の境に触れると、ダンサーの周りの光がまるでカーテンが広がるようにふわりと範囲を広げた、あたかも光が質量を持っているかのごとくふわりと外側に押され空から降り注ぐ光の帯が照らしだす空間が広がった、ように見えたんです。そして最後、光が照らす空間は次第に狭まり、ダンサーはもう闇を押し返すことが出来ない。ダンサーが闇に完全に沈むと音楽も止まる。
本当に小さな演目でしたが、振り付け家、照明、そしてダンサーの動きが3以上のものを生み出し、大げさに言えばダンスってこれほどの可能性をまだ持っているのか、と。テレグラフだったか、オブサーヴァーだったか、「文句なしの傑作!」としていました。
マックグレガー同様、マリファントの振り付けを彼のカンパニーのダンサーが踊っていいと思ったことはあまりないです。が、これは途中から考えることをやめ、目の前で生み出されている踊りを見逃すまいと。世界に輸出できる水準のダンスだと思います。
バレエの枠組みを変えた、言ってみれば当時のバレエ・ダンス界の風雲児であったであろうディアギレフへの想いは、ロンドン・ダンス・パワー・ハウスと称されるサドラーズも同じ。「In the Spirit of Diaghilev」というプログラムを10月に。全て新作のこのプログラムに参加した振り付け家は、4人ともサドラーズのアソシエイト・アーティストです。解説はしたの英文をどうぞ。実際の上演は、マックグレガー、マリファント、チェルカウィ、フルトスの順です。
Formed in 1909 by Sergei Diaghilev, Les Ballets Russes revolutionised the art of dance. One hundred years later, four ground-breaking choreographers pay a thrilling tribute to this unique artistic venture.
For this special event Sadler's Wells has commissioned brand new works from Sidi Larbi Cherkaoui, Javier De Frutos, Russell Maliphant and Wayne McGregor who will each create work inspired by Les Ballets Russes and its spirit of collaboration.
Each artist, working with all or part of his own company, gives their own original response to the famous challenge that Diaghilev once issued to Jean Cocteau: “Surprise me!”
Wayne McGregor: Dyad 1909
Inspired by Shackleton's Nimrod expedition to the South Pole in 1909, the year that Les Ballets Russes was founded, Wayne McGregor creates a brand new Ballet Blanc, Dyad 1909. Wayne McGregor | Random Dance collaborates with acclaimed artists and filmmakers Jane and Louise Wilson, lighting designer Lucy Carter and costume designer Moritz Junge. Music is by acclaimed Icelandic composer Ólafur Arnalds.
Sidi Larbi Cherkaoui: Faun
Sidi Larbi Cherkaoui examines the animalistic nature of human movement and the power of mythology in Faun. This brand new duet, created for two of his company dancers, takes an alternative look at the eponymous creature from Stéphane Mallermé's poem, Claude Débussy's music and Vaslav Nijinsky's choreography. With additional music by Nitin Sawhney and costumes by leading fashion designer Hussein Chalayan.
Russell Maliphant: AfterLight
Using Vaslav Nijinksy's geometric drawings and paintings as a starting point, Russell Maliphant will create a brand new solo entitled AfterLight. Featuring Daniel Proietto from the Russell Maliphant Company, lighting and sound design is from regular Maliphant collaborators Michael Hulls and Andy Cowton. The work has been developed in collaboration with designer Es Devlin and animation company onedotzero industries.
Javier De Frutos: Eternal Damnation to Sancho and Sanchez
Olivier Award-winner Javier De Frutos's Eternal Damnation to Sancho and Sanchez is a cautionary fable inspired by Cocteau's scenarios and designs for Les Ballets Russes and set to Maurice Ravel's La Valse. De Frutos joins forces with theatre designer Katrina Lindsay and lighting designer Michael Hulls.
ロイヤル・バレエの常任振付家でもあるマックグレガーが自身のカンパニーに振付ける度に思うのは、踊れる人が踊らないと彼の作品は焦点がぼやけるということ。観に行った日は、テクニカル・プロブレムで開演後数分でストップ。再び最初からということになり、観る側の緊張も途切れたのでは、という感じでした。この公演にあわせて、ガーディアンに彼のインタヴューが掲載されました。
Wayne McGregor: Zen and the art of dance
http://www.guardian.co.uk/stage/2009/oct/13/wayne-mcgregor-interview
マリファントは後で。3番目の「牧神」は二人のダンサーの身体能力は素晴らしいものの、踊りから感じた印象は、「溢れ出る若さに任せてセックスを楽しんじゃえ」ってな感じしかもてませんでした。個人的に「牧神」はジェローム・ロビンスのものが一番好きです。
このプログラムが始まる数日前に、サドラーズから以下のメイルが送られてきました。
As you are no doubt aware, all of the work featured in this show is brand new. With the programme now in its final stages of development, we felt it would be appropriate to notify all ticketholders that one of the four works, Javier de Frutos’ Eternal Damnation to Sancho & Sanchez, will contain scenes of an adult nature and some violence.
まさかダンサー全員全裸、なんて思いましたが、違いました。肉襦袢をたっぷり仕込んでまるでジャバ・ザ・ハットのように腐敗した脂肪しか体に残っていないような様相の法王が、若い修道僧を強姦し、妊娠している尼僧を強姦し、挙句その尼僧は、二人のほかの尼僧にロザリオで首を絞められて殺される、と。二度と観たいとも、またダンスとも思いませんでした。レヴューによると、最前列に座っていたのでまったく気づきませんでしたが、途中で席を立つ観客がかなりいたそうです。


ジャン・コクトーがディアギレフを挑発した「Surprise me!」に引っ掛けて、これこそバレエ・リュスの本流だ、と褒めちぎるレヴューがある一方で、ただ単に嫌悪感だけを書き連ねたレヴューと真っ二つでした。
このプログラムは、昨年末にBBCで放映されたそうですが、この最後のだけはどうやら放送されなかったようです。
BBC drops ballet featuring a deformed Pope who rapes nuns
http://www.telegraph.co.uk/culture/tvandradio/6663273/BBC-drops-ballet-featuring-a-deformed-Pope-who-rapes-nuns.html
マリファントの「Afterlight」はプロット・レスですが、全体を4つのパートに分けることができると思います。ステイジの真ん中で男性ダンサーがわずかな照明の中心でゆっくりと、まるでスーフィーのように回りだしたときは、「またか」と思ってしまったのですが、ぜんぜん違いました。
第2シークウェンスに入ると、照明が照らしだす空間がほんの少し広がり、ダンサーの動きもまた少し広がりました。ちなみにダンサーはまったく止まることなく回転を続けています。

そして第3シークウェンス。ダンサーが腕を伸ばし、彼の手のひらが光と闇の境に触れると、ダンサーの周りの光がまるでカーテンが広がるようにふわりと範囲を広げた、あたかも光が質量を持っているかのごとくふわりと外側に押され空から降り注ぐ光の帯が照らしだす空間が広がった、ように見えたんです。そして最後、光が照らす空間は次第に狭まり、ダンサーはもう闇を押し返すことが出来ない。ダンサーが闇に完全に沈むと音楽も止まる。
本当に小さな演目でしたが、振り付け家、照明、そしてダンサーの動きが3以上のものを生み出し、大げさに言えばダンスってこれほどの可能性をまだ持っているのか、と。テレグラフだったか、オブサーヴァーだったか、「文句なしの傑作!」としていました。
マックグレガー同様、マリファントの振り付けを彼のカンパニーのダンサーが踊っていいと思ったことはあまりないです。が、これは途中から考えることをやめ、目の前で生み出されている踊りを見逃すまいと。世界に輸出できる水準のダンスだと思います。



