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LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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The Ear (耳) By Piret Raud

2019.08.07
The Ear

マリルボーン・ハイ・ストリートドーント・ブックスで、絵柄は好きとは言えないが、「」というタイトルに惹かれて手にとったら、面白かった。作者は、エストニア出身のPiret Raud。日本でもすでに幾つか翻訳されている。

https://www.thamesandhudsonusa.com/books/the-ear-hardcover

When Dutch artist Vincent van Gogh cuts off his ear, the ear is suddenly left alone and headless. What will become of her? Where should she go? What should she do? Aware of how small and insignificant she is in the big, wide world, the ear experiences something of an identity crisis. She simply doesn’t know who she is anymore. But thanks to a downcast frog with a heavy heart who simply needs to be listened to, she realizes what she can offer to the world: a sympathetic ear.

News of the ear’s unique ability to listen spreads, and soon animals travel from far and wide just to visit her. But the ear’s newfound happiness is threatened when she is caught up in a spider’s web of gossip and lies. The ear’s new friends, grateful for everything she has done for them, come to her rescue. And from that day on, the ear never feels headless again.

Piret Raud’s hand-drawn artwork is breathtaking for its exquisite detail. Vibrant colors and bold compositions complement this beguiling story about identity, kindness, and friendship.

 イギリスでは出版されたばかりなので、いつ、日本語訳が発売されるのかは全く判らない。英語は平易なので、英語で先に読むと、日本語に翻訳された時に感じるであろう文化と言語の違いが鮮明になるかなと。

 現在、「聞く」ことが仕事の僕には、とても興味深い。蜘蛛って、文化が違っても、異質なものとして観られてしまうんだな。毒を持つ蜘蛛がいる一方で、別の害虫を捕食する益虫でもあるのに。


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植物の彩り:キュウ・ガーデンズ

2019.08.04
Kew 4th Aug 2019

天気は素晴らしいとは言えない白灰色の空が広がっていたものの、友人たちとのんびりと歩き回るキュウ・ガーデンズは、それはそれでとても楽しい。花が少なかったので、樹木や葉の色を中心に。

写真
https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/albums/72157710094439911

https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/albums/72157710094483501

 なんだか、すでに夏の終りが始まっているようなキュウだった。


8月の薔薇

2019.08.03
Double Delight
(Double Delight)

Pink Perfection
(Pink Perfection。今年、初めて観た気がする)

All My Loving
(All My Loving。同じく、これまで観た記憶がない。咲き始めの頃は丈が低かった)

2019年7月は、なんだか予定が全く機能しないまま、いつの間にか終わっていた。猛暑日も有ったので、薔薇を観に行こうという気持ちを意識することがなかった。久しぶりに観に行ったバラ園は、庭園全体の旬は過ぎているなか、いくつかの薔薇は輝いていた。

写真
https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/albums/72157710066578066

https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/albums/72157710067544497

https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/albums/72157710067551547


恫喝と暴力が日常になってしまった国、日本:あいちトリエンナーレ、「表現の不自由展」恫喝に潰される

2019.08.03
芸術祭の内容は全く知らない上で、日本国民、文化をなんだと思っているのだろう?刺激を受けない、議論を呼ばない芸術なんて、存在する意味がない。

 「芸術は、爆発だ」、という精神を受け入れ、咀嚼し、反論し、そして前へ進む意思は、日本には存在しない。存在したことはなかったのかもしれない。

 日本はいつから、受け入れられないことや人物を、暴力と恫喝で排除することが日常の国になってしまったのだろう?

「撤去しなければガソリンの脅迫も」企画展中止に知事
https://www.asahi.com/articles/ASM835SDPM83OIPE01R.html

日本ペンクラブ声明、企画展「展示は続けられるべきだ」
https://www.asahi.com/articles/ASM835TR9M83UCVL00C.html


浜の真砂は尽きるとも、世に猫の写真は尽きまじ

2019.07.28
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猫の仕事:Catching a mouse!

2019.07.28
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About This Blog

2019.07.27
ロンドンに来て以来、家族、友人、知人に無理やり送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンをまとめる目的で始めたブログ。

 同じ島国のイギリスと日本、似ていると感じることもあれば、今でも驚かされることも結構ある。ということで、これからも不定期に面白いと思ったこと、興味を惹かれたことなどをアップしていければ、と。

 最近、メイル経由で質問を戴くことが増えていて、お越しくださる人には感謝します。ただ、例えば、「ロンドンに行こうかと思っているんですが、どうでしょうか?」のようなまる投げの質問の返答は、「行きたいかどうか判らないなら、止めたほうがいいのでは」、です。また、ご自分が知りたいことを僕が知っているとは思い込まないでください。質問されるのは構いませんが、質問された方の期待に沿うことは僕の「義務」ではありません。

2019年1月3日

 Forensic Mental Health/ Psychologyの修士課程を修了したので、ぼちぼちと。ただ、以前のような長いエントリは減ります。ちなみに、Forensic Psychologyは「犯罪」心理学とは違う。なので、筋違いの質問は双方にとって無益な時間になるだけ。


2018年1月31日

 昨年の秋より、心理学の中でそれまで無縁だった分野にシフトし、かなり時間を取ることになりブログを以前ほど頻繁、かつ長い文章での更新ができません。続けていくために、コメント欄を閉めて居るポストへの別のポストからのコメントへは、返信をしません。


2019マーキュリィ・プライズのノミネイション:アイドルズ(IDLES)

2019.07.26
今週、2019年のMercury prizeのノミネイションが発表された。

2019's Mercury prize shortlist is alive to today's politics and pain
https://www.theguardian.com/music/2019/jul/25/2019-mercury-prize-shortlist-is-alive-to-todays-politics-and-pain

 普段、マーキュリィ・プライズに興味を惹かれることはない。ヒット・チャートに誰がいるのなんて全く判らない。しかし、今年は、たった1曲でも、かなり頻繁に聞いているIDLESが選ばれた。彼らは、今年のグラストンベリィに出たようだ。




IDLES - Danny Nedelko (Glastonbury 2019)
https://www.youtube.com/watch?v=vi8gUnBi6DY

 曲全体がキャッチー、そしてこのグラストンベリィの映像を見て知ったのは、この曲は移民のことを歌っているということ。02:11で映るモッシュに巻き込まれるのは嫌だが、会場で体験したかった。更に印象が深まったのは、ヴォーカルのタルボットが、曲が終わって正面を向いたとき、血が流れているのかと思うような目になっていた。彼がなぜ号泣したのかは判らない。でも、号泣するハードコア・ロックバンドのヴォーカルが、同じ人間であることに親近感が湧く。オリジナルのMVもリンクしておく。




IDLES - DANNY NEDELKO
https://www.youtube.com/watch?v=QkF_G-RF66M

 彼らの予定からだと、今年の日本のロック・フェスには参加していない。もう、若くないからあのモッシュに巻き込まれるのは嫌だが、ライヴを体験したいバンド。

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NHSでの日帰り手術2:胆嚢除去手術の当日、術後の経過

2019.07.25
2019年7月18日、ロンドンのベルサイズ・パーク(Belsize Park)地区にあるThe Royal Free London NHS Hospitalhttps://www.royalfree.nhs.uk/) で胆嚢摘出手術を受けた。その1http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-3163.html)で、手術に至るまでの経過を極々簡単にまとめた。このポストでは、手術当日(前夜も少し含む)に経験したこと、病院内で見聞したこと、そして術後数日のことを簡単に。

注意書き。これは、あくまでも、僕個人が体験したこと、その体験の中で感じたことを書き記すに過ぎない。僕の経験が、すべての人に当てはまることなどは全くあり得ないこと、僕が会ってきたGP(General Practitioner)NHSの病院が、すべての人にとって同じような体験になることなども考えられない、ということを強調しておく。また、僕は医者ではないので、健康や病例の質問には答えられる資格は、全くない

5月中旬にコンサルタント・ドクターと話した時に、手術を受けたいことを伝え、医師と僕の双方が同意した。その際、preoperation assessmentの予約とともに、Day Surgery(日帰り手術)についての小冊子を渡された。

http://s3-eu-west-1.amazonaws.com/files.royalfree.nhs.uk/Patient_resources/Corporate/(Final)_Having_an_operation_booklet_v1.2.pdf

数週間後にあった電話でのアセスメントの際、この小冊子の内容をすでに読んでいるかをまず尋ねられた。読んでいたので会話自体はそれほど時間もかからず、手術前日の飲食については明瞭に確認を求められた。

Before your day surgery
https://www.royalfree.nhs.uk/patients-visitors/day-surgery/before-your-day-surgery/

キャンセルが出たので6月18日に手術を受けられるか、との連絡を6月11日に受けたときも前夜は午後11時以降は食べない、飲料水(スティル、スパークリングどちらも可)は当日の午前6時までなら飲んでも良い、ということをすでに理解しているかの確認を求められた。実際、手術を受ける当日に、一体、何時に手術が始まるのかは知らされない、言い換えると病院側も、緊急のことが起きればそちらが優先されるかもしれないから、時間の確約はできない。ということでどのような条件であっても、日帰り手術の際には適用される規則なのだと思う。

6月18日に手術を受けられるかどうかで、最大の懸念は、帰宅する際に誰かが必ず一緒にいなければならない、ということ。

>A hospital patient must be collected from the day surgery unit as you must not drive yourself home or travel by yourself.

これが最難関だった。以前から、手術が決まったら日程を調整して依頼するつもりでいた友人は、あまりにも急ですでに他の予定が入っていた。他の友人も皆働いているか、ロンドンの郊外に住んでいるので、このままだとキャンセル、もしくは病院に一泊になるかもしれないなと。ダメ元でフラット・メイトに連絡すると、午後4時以降なら調整できるとのことだったので、手術を受ける準備ができたことをロイヤル・フリーに伝えた。

[2019年7月18日]
当日は、午前7時30分までに受付を済ませることが必須。単純に、そして運が良ければ、早く受付を済ませれば手術の順番が早くなるかなと全く確証のないことを期待して午前7時に到着、受付完了。すでに、10人ほどが受付を済ませていた。それから30分の間に、次々と患者が到着。僕のように外見からだとどこの手術を受けるのか見当がつかない人もいるし、松葉杖をついている患者も10人ほどいた。

On the day of your operation
https://www.royalfree.nhs.uk/patients-visitors/day-surgery/on-the-day-of-your-operation/

僕の隣りに座った男女二人は、(恐らく)スペイン語で会話していた。通路の反対側のベンチには、South East Asianと思しき初老の夫妻。ロンドンは人種の坩堝だなと。

7時45分頃に名前を呼ばれ、女性看護師とともに小さな部屋へ。そこでは、名前、生年月日、本日受ける手術は何かを訊かれる。さらに、手術前最後の食事はいつか、最後の飲料は何時だったかの確認。

空いている席に戻り、しばらくすると再び名前を呼ばれる。僕が受ける手術で麻酔を担当する女性医師(私服、白人、発音からするとイギリス人かな)。どうやら、それぞれの手術が始まる前の患者との確認には、どこかの部屋が空いていたらそこを使う、つまり予約なんて悠長なことはしていられない、ということのようだった。

別の大部屋の一角で、再び名前、生年月日、住所、どの手術を受けるのか、手術前の最後の飲食時間の確認と続く。さらに、過去、薬でアレルギー反応が出たことがあるかの有無。そして、口を大きく開けたあとに、下顎を前方の押し出して欲しいと。不可解そうな表情をしたからだろう、手術時に、呼吸を補助するチューブを喉に挿入するからだとの説明。質問の有無のあとに、書類に署名する。

再び空いているベンチに戻って今度はすぐに、青い医療服に身を包んだ若い男性(30代前半だろうか?、インド系イギリス人?)に名前を呼ばれる(術後に、彼が執刀医師だと知った)。再び同じ質問のあと、麻酔医師との面談の時に署名した書類を見せられ、手術了承の署名は僕のものかどうかを確認される。

問診が終わり、通路でこのあとどのように進行するのかを尋ねた。男性いわく「これから20分後にチーム・ミーティングがあり、そこで患者の情報の確認等をすることになる。恐らく、君の手術が最初になると思うよ」。手術にかかる時間を尋ねると、30分から90分の間とのこと。

空いているベンチに座って数分後、別の男性(青服、ラテン系、欧州なのか中南米なのかは判らず)に呼ばれ、別の部屋へ。同じ質問に答えたあと、手術前に血液サンプルを採るからとのこと。理由は説明されず、すでに手術を受けることへの高揚感で非現実的になっていたようで、気に留めなかった。

ベンチに戻って座ろうかなと思ったら、女性看護師(白衣、東南アジア系)が来て、別の部屋へ移動。「あなたの手術が最初になったので、準備に入ります。その前に、幾つかの質問と血圧、体温を測ります」。同じ質問に答え、麻酔医師との面談で手術に同意する書類にした署名が僕のものかを確認。血圧、体温を測り、更衣室へ。手術の最中、麻酔からの回復過程で血栓が発生するのを防ぐために締め付けてくるハイ・ソックスがとても心地悪い。ロッカーの鍵には安全ピンがついていて、それで術着の胸元につけておくようにとのことだった。

更衣室で着替えた後、通路に女性看護師がいるかを探す。右手前方に立っていた別の女性看護師(青服、アフロ・カリビアン系)が近づいてきて、名前を確認される。再び別の部屋へ移動して、再び同じ質問に答える。手術同意の署名が僕のものかを確認して、最後に、僕が受ける手術は何かを再び(最後)訊かれる。

Gallbladder removal
https://www.nhs.uk/conditions/gallbladder-removal/

二人で通路に戻り、女性看護師が歩く方向へついて行く。途中、看護師は窓口で枕を一つ受け取る。歩いている途中、男性医師(と思われる。華僑系)が彼女に、術着を取り出したいのだけど、ロッカーの暗証番号を間違ったみたいなので開けてほしいと頼み、彼女はくすくす笑いながらすぐさま暗証番号を打ち込みロッカーが開いた。

彼女から、仕事は何をしているのかを訊かれ、ロンドンの別のNHSのトーキング・セラピィhttp://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-3121.html)部門で働いていると伝える。驚いたようで、「トーキング・セラピィなんて、聞いたことがないわ(註:ロイヤル・フリーでもサイコロジストは勤務しているが、トーキング・セラピィ部門は持っていない)」。

なんだか化学工場の中を歩いているようだなと思い始めたところで、大きなドアの前に到着。手術室(Opearation Theatre)だった。中に歩いて入ると、そこは以前映画やドラマで観たように、照明が煌々と輝く大きな部屋。ストレッチャーで運ばれるわけではないのか、と今更思い浮かべながらベッドへ促される。手術を受けるベッドの幅の狭さに驚く。壁に時計があることに気づき、午前9時だった。ベッドに横たわると、一緒に歩いてきた看護師が途中で受け取った枕を僕の頭にあてがう。そして、胸元につけてあったロッカーの鍵を、枕に留めてくれた。

手術室には、麻酔医師と、一緒に歩いてきた女性看護師を含めて4人の女性が待機していた。チーフ格と思われた女性(アフロ・カリビアン系)が、微笑みながら近づいてきて気分はどうかを尋ねる。その女性から、仕事のことを訊かれて、同じことを説明すると、僕の頭上で準備をしていたスカーフ着用の麻酔アシスタントの女性(ムスリム系)が、トーキング・セラピィではどのような症状を扱うのかを訊いてきた。

彼女だけに話すことにならないようしながら、ベッドに横たわった状態で自分の職務を話していると、麻酔医師の女性が左手の甲に針を指した。これが手術前の唯一の痛み。まだ話しているうちに、なんだかボーッとしてくる。麻酔医師が絶好のタイミングで、なにか変化があるかを訊いてきた。ボーッとしてきたことを伝えると、医師は僕の右側に回り、酸素マスクを口に当てる。それでも話し続ける自分。


鼻呼吸ができない、喉がヒリヒリと痛い、息苦しいと思って目を開けたら、見たことのない女性看護師(白衣、南アジア系?)が僕が寝ているベッドの右側に座っていた。「どうしてここにいるんだ、それより、一体ここはどこなんだ、どうして喉が痛いんだろう」と数秒間、全く位置感覚、時間感覚がなくなり、「そうか、手術を受けたんだ。麻酔で寝ていたのか」と気づく。壁に時計があり午前10時45分だった。

女性看護師が脈拍と体温を測る。腹部に痛みはあるかを訊かれ、ないと答える。喉が痛いし、乾いていると伝えると水を持ってきてくれた。このRecovery Theatreでの記憶が最も曖昧。ろれつは回っている自信があるものの、自分の声が自分の口から発声されている感覚を脳が把握しているかという思考が希薄。手術は無事に終わり、回復室へ戻れるようになるまで、ここにいなければならないと伝えられる。女性が僕の左側に回り、枕に留めてあったロッカーの鍵を手渡してくれた。術着の胸元に留める。

時計を観つつも、時間が経過する感覚を実感できなかった。しばらくして看護師が戻ってきて脈拍と体温を測る。まだだけど、回復室への移動はもうすぐだろうと言われる。

午前11時30分、手術前に最後に問診をした女性看護師が部屋へ来た。回復室へ移動できると話してきた。別の介助の男性がベッドを押し、受付と待合スペイスの近くにある3人部屋の真ん中へ運ばれた。女性看護師(G、フィリピン出身)から、リカヴァリィ・シアターから運ばれて3時間はベッドから動いてはいけない。食事は、2時間後の午後1時半以降なら食べることができる。麻酔の影響を減少させるために水をたくさん飲むのが良いので、すぐにポットで持ってくるから。手術を受けた腹部の痛みの有無の確認。脈拍と体温を測ったあとに、ポットを持ってきてくれた。帰宅できるのは、リカヴァリィ・シアターから移動してきて6時間後なので最短でも午後5時半以降になるだろうとのこと。

右隣には男性患者がいることは判った。カーテン越しに、かなり複雑な症状を入れ代わり立ち代わり来る医師や看護師が何度も確認していた。手術はまだのようだった。

左隣の若い男性(南アジア系、でもインド系ではないな)との間はカーテンが空いたまま。ま、気にならず。男性の鼻は白く、大きく覆われていた。鼻の手術であることは確実。僕より前に移動してきたようで、僕が移動してきてしばらくすると、昼食の許可が出た。麻酔が違うのかなと想像する。

昼食が終わると、すぐに動いても良いと言われたようで、ベッドから立ち上がり部屋の中をゆっくり歩き始めた。ベッドから戻ってきたところで、痛みはあるのかを尋ねたら、無いとのこと。鼻は、サッカーの試合中に、超至近距離から蹴られたボールの直撃を受けたそうだ。当初、ロンドン北部の他のNHSの病院に運ばれて治療が始まったが、とても不満でロイヤル・フリーに変えてもらったとのこと。今日で再構築手術は4回目で、うまく行けば最後になる。4週間後に結婚するので、そうあってほしいと。

男性の回復経過をひっそりと観察しながら、自分の麻酔はどんなふうに減衰していくのかを靄がかかった頭で考えている間に、Gが2回、脈拍と体温を測りに来る。水を飲み始めてから喉の痛みは減ってきた。他方、尿意が強まってくるが、ベッドから動ける時間までまだかなりありそうだ。

午後1時半Gから昼食を食べたいか尋ねられる。選択は、たまごサンド、ツナサンド、野菜サンド、ハムサンドかチーズサンドの中から一つ。たまごサンドと、あればりんごジュースを所望。手術後に初めて食べる食事は涙が出るほど美味いのだろうかと口にしたサンドウィッチは、普通だった。りんごジュースのほうがキーンと冷えていたこともありとても美味かった。

背後の壁に時計がかかっているのを知らなかったので、昼食後、さらに強まる尿意に、何時だろう?、と気が急いてくる。Gが水の追加を尋ねてベッドに来た時に時間を尋ねると、午後2時半だった。トイレへ行くのは可能かを尋ねると、3時間経過しているので、動き始めてよい。でも、走らないようにと念を押される。立ち上がって数秒、めまいのような、平衡感感がずれているような感覚。

トイレから部屋へ戻る前に、更衣室で携帯を取り出して、フラット・メイトへ、午後5時半に病院へ来て欲しいと連絡する。僕は一人なので、Gから携帯等の貴重品はディスチャージの説明まではロッカーに保管しておいてほしいとのこと。寝落ちして誰かが盗ってしまう可能性は否定できないからだろう。

部屋へ戻ると、左側の男性が帰宅するところだった。横になると、しばらく寝てしまった。起きてから再びトイレへ向かう。部屋へ戻る途中、手術前に、3番めに会った男性がいて、話しかけられる。「僕は、君が今日中に帰宅できることは確実なので、嬉しいよ。ディスチャージの手紙を書いておくから」。

説明書では、帰宅を許される前に担当医師との面談があると書かれていた。ということで、「もしかして、あなたが執刀してくれたんですか?」。「言わなかったかな?そうだよ」。「時間はどれくらいかかったんですか?」。「40分くらいだね。すべてが順調だったよ」。

部屋へ戻ったら、Gが待っていた。帰宅時間を僕が理解しているかを再確認したかったそうだ。なので、L医師とたった今通路で話して、彼が僕のディスチャージ・レターを書いているところらしいと伝える。午後3時半過ぎだっただろうか。

いつの間にか、フロアが静かになっている。通路を歩く患者、その家族の姿が減っていることに気づいた。Gに尋ねると、手術の部位によって麻酔が違うので、回復が早い患者から次々にディスチャージしていくからだそうだ。「でも、あなたはまだですからね」。

そこからの1時間半、ゆっくり慎重に歩き回ったり、ベッドに戻って横になることを繰り返す。午後5時15分、Gが「友達が午後5時半に来るんですよね。じゃ、そろそろ着替えてもいいですよ。友達が到着したら、私に知らせてください」。

フラット・メイトが到着したので、Gに来てもらう。彼女から、ディスチャージ・レターに書かれている内容の確認と、手術の同意書の複写を渡される。「帰宅後、万一、耐えられない痛みなどで救急に行く事になったら、この手紙と複写を必ず担当者に見せてください。そうすれば、あなたが受けた手術についての情報がすぐに判りますから」。

手紙の他に、数日分の痛み止めを2種類と胃酸調整薬。交換用の絆創膏(イギリスではdressingと呼ぶ)が入った紙袋を渡される。「シャワーを浴びてもいいですが、ドレッシングを濡らさないように気をつけてください。感染症が発症することがありますから」。腹部前面を広く覆っているガーゼを濡らさないようにシャワーを浴びるのはとても難しい。日本と違って湿気が少ないイギリスの夏で良かった。

食事は、何を食べても平気だけど、脂質が多く重い食材は数日の間、避けたほうがいいだろうとのこと。「痛みがひどくなってしまったら、すぐに私達に連絡するか、111に電話して詳しく説明してください。痛みを我慢しないでください」。

NHS 111
https://www.nhs.uk/using-the-nhs/nhs-services/urgent-and-emergency-care/nhs-111/


After your day surgery
https://www.royalfree.nhs.uk/patients-visitors/day-surgery/after-your-day-surgery/

普段の自分では考えられない程の遅い速度で慎重に歩いて病院の正面へ。午後遅くても、これほどでかい総合病院なら、一台くらいタクシィがいるだろうと思っていたら、全くいなかった。携帯電話から、London Black Cab appで手配。数分後に到着。

ドライヴァーに、「今日、手術を受けたので、できればゆっくり、そして凸凹の少ない道を選んで欲しい」と伝える。ロイヤル・フリーから僕が住んでいる地区への間だと、多くのタクシィ・ドライヴァーは住宅街を走ることを選びがち。そうすると、スピード制限の凹凸がたくさんあるので傷を疼かせたくなかったから。

そのドライヴァー、寡黙だけど道の選択が完璧。うっ、と唸ることなく帰宅。空腹感って、何?という感覚だったので、トーストを一枚食べる。痛み止めを飲んでそのまま熟睡。

[2019年7月19日以降]
7月19日、いつもの時間に目覚め、起床。ガーゼに覆われた腹部を初めてじっくり見たら、傷口は4箇所。痛みはないが、腹部全体から膨張感、傷口は痛みではなくdiscomfortがある。

麻酔の影響ってどんなものだかよく判らない。頭の中に靄が漂っているような妙な浮遊感は、前日よりずっと激減している。

午前中は、身体、思考の双方が予想していたよりも軽い感じで、これならすぐに外出できるかなと慎重に近所を歩いてみること数回。こんなものなのか思いながら昼食をとった直後から、眠くなり横になる。目覚めたら、夕食の時間。夕食後、すぐに就寝、熟睡。

土曜日、午後早い時間。シャワーを浴びるのはもう少し伸ばしてもいいだろうけど、頭を洗いたい。ということで、近所の床屋へ。痛みはないが、腹部の膨張感によって椅子の上で動くのが億劫だった。

土曜日から月曜日は、食事を取り、朝、昼、夜に寝る毎日。原則、病気ではなかったが、小さいとはいえ内臓の一つがなくなり、手術を受けた衝撃からの回復を、身体が必要としているのだろう。

火曜日、目覚めたら、気分爽快。絆創膏を押してもdiscomfortを感じなかった。外を歩いていて怖いのが、スマフォだけしか見ていない歩行者が突っ込んでくること。携帯電話の利用は、歩道の限られた場所で立ち止まってのみ、という法律を整備して欲しい。

帰宅して数日、最も辛かったのは、咳、くしゃみ、そして鼻をかむこと。腹部に力が入ると痛くはないのだが、ウッ、と一瞬息が詰まる。


終わってみれば、手術が開腹ではなくて腹腔鏡下ということで、回復は早く、手術前日までの不安を抱く必要なかったな思うほど。僕が受けた手術は、すでに術式が確立されているはず。よほどの予測不可のことが起きない限り医者や看護師の皆さんからすれば、術式から外れることがなければ、手術後の回復段階までを予測することは難しいことではないと思う。

病院に滞在していた11時間、深い感銘を受けたのは、Day Surgeryに勤務する皆さんが、患者の質問にはできるでけ答えるようにしていたこと。患者がすべてを理解することはないかもしれないが、appproachableな姿勢は、不安解消につながる。

NHSというと、「無料」という言葉で語られることが多い。現実として、診療・治療の場で金銭を支払うことは、歯科医療以外ではほぼ無いだろう。しかしながら、イギリスで働いている人たちは、税金を払い、支払われた税金がNHSの運営予算に分配される。病気になったとき、手術を受けなければならなくなったとき、GPとの診断から始まり、検査、手術、入院の費用をすべて払うとなると、Cash poorな人が多いイギリスではとても厳しいことになるだろう。

僕が手術をためらった理由の一つは、予定を立てるのが難しいということ。日常生活の中で、GPとの予約を取るのが困難。専門病院に紹介状を送ってもらっても、専門医に会えるまでに規則上、最長で12週間待つことがある。そこからまた検査、検査結果の確認、手術の予定が決まる等々。今回、キャンセルが有ったことで結果として自分が思っていたよりも早く手術を受けることができた。2月にロイヤル・フリーで最初のコンサルタント会ったときには、9月までに手術が終わっていれば良いかなと思っていた。実際は、胆嚢除去手術の意思確認が5月上旬で、7月中旬に手術を受けて、およそ10日で普段の生活に戻れる。命の危険がある状況、深刻な病気ではないとはいえ、手術の意思確認から2ヶ月ですべてが終わったのは幸運なケイスだろう。

もちろん、NHSで待たされるのが嫌で、且つ自分で保険を払える、もしくは会社が払ってくれる恵まれた環境にある人は、プライヴェイトですぐに診療・治療を受けられるだろう。ロンドン市内だけでなく、全国を分断する形で貧富の格差が拡大し続けているイギリスでは、待たされることによりさらなる悪循環に足元を掬われる人が増えていくのではないかと考える。

全く民主的でないやり方で、ボリス・ジョンソンがイギリスの首相になった。彼がNHSをどうしたいのか全く判らない。しかし、移民排斥を推し進める印象が強まるばかりの保守党政権で、国外からの医療専門家に多く頼るNHS、そしてイギリス社会が急激に発展するとは思い難い。僕を担当してくれた看護師Gは、フィリピンからの移民。勤務体系がどうなっているかまでは訊かなかったが、勤務する日は午前7時から午後8時まで。ボリスを選んだ保守党員には、彼らの存在など全く異世界のことだろう。しかし、ボリスを選んだ、保守党を支持する初老の男性たちが住む環境こそ、今のイギリスの中では異世界。

長くなったので、ここまで読んでくれる人がいるかどうか。最後は、イギリスらしいなと思った文章で。

Getting back to normal
Have sex as soon as you feel up to it – but try not to place weight on your wounds until they have healed.


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NHSでの日帰り手術1:胆嚢除去手術へ道のり

2019.07.21
2019年7月18日、ロンドン北西部(になるのだろう)、ベルサイズ・パーク(Belsize Park)地区にあるThe Royal Free London NHS Hospitalhttps://www.royalfree.nhs.uk/) で胆嚢摘出手術を受けた。理由は、猛烈な痛みを数年に渡って引き起こした胆石の除去。命に関わる状況ではないからこその日帰り手術なのだろう。終わってみれば、手術当日はとりわけ、NHSという、その存在意義、将来像の議論が尽きない医療制度のポジティヴな面を鮮明に感じることができた。

原則、極私的な体験に過ぎないが、イギリス国内でも、国外からでも分かりづらい事が多々あるNHSでの経験を、記録として残しておきたい。また、僕個人の体験に限られていても、何かしら参考になることもあるかなと考えて、書き記す。

注意書き。これは、あくまでも、僕個人が体験したこと、その体験の中で感じたことを書き記すに過ぎない。僕の経験が、すべての人に当てはまることなどは全くあり得ないこと、僕が会ってきたGP(General Practitioner)NHSの病院が、すべての人にとって同じような体験になることなども考えられない、ということを強調しておく。また、僕は医者ではないので、健康や病例の質問には答えられる資格は、全くない


胆石があると診断を受けたのは2013年秋。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2066.html

登録してあるGP Surgeryの、日本風に言うと副院長のGPから、胆石が減量や食事療法で消滅することはないので痛みの再発を避けたいのであれば、手術で胆嚢を取り除くことを勧められた。しかし、症状が重篤(黄疸が出るとかのレヴェル)ではないので、痛みの再発をコントロールするために食事内容の見直しを希望するのであれば、NHSの栄養士との面談の予約をとることもできる、と伝えられる。

手術を受けたことがなかったのと、全身麻酔の手術(正式な術式名は、Laparoscopic cholecystectomy)後にその日のうちに帰宅するということへの不安を消し去ること、またその衝撃を想像することができなかったので、栄養士との面談を選択し、手術を担当するであろう専門病院への紹介は止めてもらった。

栄養士との面談で、主に使われた資料はこれ。

https://www.nhs.uk/live-well/eat-well/the-eatwell-guide/

この情報、近い将来、大きな変更があるとの報道を読んだ記憶があるが思い出せない。栄養士との面談で、無秩序に摂取しすぎていた脂質がどの食材からなのかが明瞭になり、それにより、かなり大きな変更をした。その結果、あの時は半年で10キロの減量になった。胆石はなくならなかったが、コレステロール値も平常に下がり、これを維持できれば手術を受ける必要はないだろうと期待した。

現実は、そのようには行かず。精神的に、そして身体的に快適なレヴェルまで落ちた体重を維持するのは、思った以上に難しい。また、気を抜くと、胆石による痛みが戻ることも数回会った。

2016年から2018年8月までに、徐々にまた体重が増加してきた。2013年のときの体重までは戻らなかった、戻さないように努力したものの、自分の中では、減量もここが限界かなと思い始めていた2018年の夏に、脂肪分が高い食材を食べていなかったにもかかわらず、胆石による痛みにほぼ1年ぶりに襲われた。衝撃は、とても大きかった。

GPと相談し、胆嚢除去手術を視野に入れて、でも、まずは肝臓の専門医に会うことを勧められ、その面談は12月24日、クリスマス・イヴの午後1時。そんな時間に働きたいと思う医者がいるのか、と思ったのが悪かったのか、PaddingtonにあるSt Mary’sで本当にひどい医者に遭遇した。

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書き加えておくべきことは、St Mary’sで素晴らしい医療サービスを受けている隣人がたくさんいるのは事実。彼、彼女の素晴らしい経験と、僕が経験した呆れる事例の差が起きる原因は何なのか、どこにあるのかなどは全く判らない。プライヴェイトとはいえ、ケンブリッジ家が利用しているのだから質は高いのだと思う。僕の場合、相性が全く合わないとしか言いようがない。

あまりにもひどい経験だったので、St Mary’sでは絶対に診療を受けたくないと思い、GPに、可能ならUCL病院に替えて欲しいと依頼する。UCL病院はこんなところ。10年前の経験であり、このポストで書いた情報の幾つかはすでに廃止になっている。

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UCL病院はロンドンだけでなく、イングランド内でも屈指の総合病院だから、多くの患者が希望する。時間かかっても受けて入れてもらえればいいなと思っていたら、手紙はロイヤル・フリーから届いた。落胆したものの、どうやらロイヤル・フリーUCLHは提携したとのこと。で、1月下旬に届いた手紙では、肝臓専門医(専門はアルコール性肝臓障害)との面談は3月中旬とのことだった。

2月中旬、コーンウォールからロンドンへ戻る列車の中でロイヤル・フリーから電話。キャンセルが出たので、2日後に専門医と面談ができるけど、来られる?、と。幸運なことに時間を調整できたので、予定よりひと月はやく専門医に会えることになった。

専門医は、名前からギリシャ系だと思っていて、そのとおりだった。彼の説明は快刀乱麻、僕の疑問、誤解に全て答えてくれた。St Mary’sのあのイギリス人の医者との違いを反芻しつつ、面談の結果は、肝臓は脂質の摂取に十分な配慮をすれば心配するほどではないので、この段階でロイヤル・フリーから提案することははない。しかし、2018年8月の胆石による痛みが、原因となる食材を摂取していないにもかかわらず起きたことは看過できないので、ロイヤル・フリー内の別のグループで診断して、除去手術をする方向で進める、ということになった。

ここからがしばらくかかった。胆石除去手術の意思を確認するための専門医との面談予定が5月上旬に設定されたという手紙が届いたのが4月。この時点で、年内の手術はないだろうと思った。グループ内の医師との面談でわかったことは、これまで最低でも2回は撮影したはずの胆石の映像が、St Mary’sから転送されていないという事実。公平に書けば、誰の責任になるのか、それともそもそも、違うNHS病院間での患者デイタを共有するシステムはあるのか、ということは僕には判らない。

面談終了後に、ロイヤル・フリーでの胆石のスキャンの予約が2週間後に設定された。また、手術前に患者が読んでおく資料と、手術前日の夜、当日の朝に体を拭き取る衛生ワイプを渡された。さらに、pre-operation telephone assessmentの予約も確定。これは、手術のリストに入った患者に、手術前に読んでおかねばならない資料をすでに読んだか、また、その内容への質問や疑問の有無を電話で確認するというもの。

そしてここから、またちょっと揺れた。スキャンの実施前日、いきなりキャンセルの連絡。ロイヤル・フリー側でその数日後に再設定したからとのことだったが、その日はすでに僕のほうが業務でpatientとの予約でいっぱい。自分の都合ですべての予約をキャンセルすることはできない、してはいけない。同じ週の別の日であれば都合がつくと伝えるも、ロイヤル・フリーが再設定した日時が駄目なら、次の機会は6月下旬。年内どころか、2020年春まで手術は実現しないのではなかろうかと。

スキャン当日。機材の素晴らしさに驚く。ロイヤル・フリーが大規模な改築を行っているのは知っていたが、あれほどまでとは予想していなかった。待合室からしても、St Mary’sの立ち遅れ感を感じる。

1週間後に、スキャンの結果が手紙で届く。判っていたことの再確認だが、小さいもののかなり多くの胆石があり、胆嚢除去が望ましい。手術のリストに入れました。NHSの義務として、この手紙の発行日から18週間以内に手術の連絡をすることになっているはずだから、これなら年内には手術があるかなと。

6月11日、ロイヤル・フリーから電話。翌週、6月18日の手術予定にキャンセルが出た。僕がすでにプレアセスメントを終わらせているので、受けますか?、と。仮予約にして、1時間以内に折り返すとして電話を切る。速攻で各方面に電話した。調整ができたので、ロイヤル・フリーに電話して、手術を受ける意思を伝える。すでに、手術前日、当日にすべきことは理解していたので、電話での確認もかなりスムーズに進んだ。

この突然の手術日の確定をキャンセするしたくなかった理由が3つある。まず、分野、そして立場は違えど、現在、NHSで働く僕には、僕がこの突然のキャンセルを埋められず、結果としてすべてがキャンセルになった時にNHSが被る予算の損失を見過ごすことは難しい。このポストを書くために調べたところ、2014年の資料で僕が受けた手術でNHSが負担する費用はおよそ£1,700−。現在だと、£2、000から£2,500の間くらいだろうか。NHS全体の予算からすれば微々たるものだが、それでも無駄にしたくない。

現在、NHSを翻弄しているトラブルがある。

https://www.theguardian.com/society/2019/jul/19/nhs-cancer-scans-unread-pension-row

医師が超過勤務で収入が増え、それに伴い、将来受け取るであろう年金の総額が増加し、それに税金が課税されることを避けたい医師が、超過勤務を拒否することにより、手術のキャンセルがイングランド全土で急増している。この機会を逃したら、手術の機会が巡ってくるのは1年先どころか、数年先になってしまうのではないかとの危惧があった。

そして、この数年越しの健康不安を、一日でも早く解消して、先に進みたかった。


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