LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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Societyの記事一覧

男だから仕方ない、では済まされない:男性だけのチャリティ・ガラ・パーティーでセクハラ

2018.01.24
日本でも報道されるだろうけど、イギリス社会が表面上だけかもしれないけど、報道を真剣に受け止めている状況が日本には伝わるのだろうか。

 先週、ロンドンの豪華ホテルが並ぶパーク・レインの一角にあるドーチェスター・ホテルで、The Presidents Clubという(実態をよく知らないし、さらにこのスキャンダルで解散が決まった)、ジェントルメン・クラブのように思える団体が、33年続くチャリティ・ガラ・パーティーを開いた。参加者は男性だけ。そしてサーヴするのは「背が高くて、痩せている、可愛い」女性だけ。

 そこにファイナンシャル・タイムスの記者二人が入り込み、セクハラが横行していたことを報道したのが今日。

Men Only: Inside the charity fundraiser where hostesses are put on show
https://www.ft.com/content/075d679e-0033-11e8-9650-9c0ad2d7c5b5
(FTの記事は、登録すれば一般の記事なら3つくらいは無料で読めるはず)

 記事は難しい英語でないから読んでもらうとして、この時勢で問題にならないと思ったほどイギリスのエスタブリッシュメントは一般社会の暮らしからはかけ離れているということだろう。

 このパーティーが大きく報道された理由はセクハラだけではない。このセクハラ横行パーティーのオークションで集まった「募金」を、イギリス国内だけでなく、世界でも知られているグレイト・オーモンド・ストリート小児病院に寄付したこと。病院は、セクハラ横行の場で集まった「募金」とは知らされていなかったそうで、報道の直後に、即座に募金の返還を発表した。

The charities rejecting Presidents Club donations over scandal
https://www.theguardian.com/society/2018/jan/24/the-charities-rejecting-presidents-club-donations-over-scandal

 いくら予算が逼迫しているとはいえ、このような状況で集められた「金」を受け取ることをよしとはしなかった姿勢は筋が通っている。この影響で、真に「チャリティ」による資金が病院に届くことになればいいなと思う。また、このスキャンダルを機に、慈善目的の資金集めのやり方についての議論がすでに始まっている。

 驕ってしまった「ふみはる」君や、傍若無人の首相にまるこめられている日本のメディアがこんなことをできる時代は、来ないと思う方がいいのかもしれない。

[追記:1月26日]
Ben Jennings on the Presidents Club scandal – cartoon
https://www.theguardian.com/commentisfree/picture/2018/jan/25/ben-jennings-presidents-club-scandal-cartoon
PresidentsClub.jpg

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円形の£1ー硬貨の流通は10月15日まで

2017.09.28
poundcoins.jpg

When does the old £1 coin expire? British shoppers have less than one month to their spend round pounds
https://www.standard.co.uk/news/uk/when-does-the-old-1-coin-expire-british-shoppers-have-less-than-one-month-to-their-spend-round-a3641981.html

 10月16日以降にイギリスに来られる方で、円形の£1ー硬貨をたくさん持っている人は、しばらくの間は銀行で交換してもらえるようだ。

 9月14日からは、ポリマー製の新しい£10- banknoteの流通が始まった。紙の£10ーの取引停止は、2018年の春を予定しているらしい。

Frequently Asked Questions
http://www.bankofengland.co.uk/banknotes/Pages/about/faqs.aspx

How long can I continue to use paper £10 notes?
You can continue to use the paper £10 note until its legal tender status is withdrawn in Spring 2018. Notice will be given at least 3 months prior to the withdrawal date.


Disclosure and Barring Service:世田谷区で起きたこと

2017.09.08
2002年にケンブリッジ近郊のSohamで起きた児童殺害事件をきっかけの一つとして、イングランドでは、子供や弱い立場にいる大人を支援する活動に携わる人については、教育機関、行政、医療機関はDBSという個人情報の記録の確認が義務づけられている。これを怠ると、採用側は違法行為をしたとして厳しく罰せられる。

Disclosure and Barring Service
https://en.wikipedia.org/wiki/Disclosure_and_Barring_Service

Apply to check someone else's criminal record
https://www.gov.uk/dbs-check-applicant-criminal-record

 このシステムが「完璧」だとは思わない。実際、児童虐待や、ケア・ホームでの虐待事件は続いている。しかし、これがあることによって、犯罪歴の有無は精査される。

 世田谷で起きた未成年への、公衆の場での「暴行」。イギリスで起きたとしたら、凄まじい裁判になることは明らか。殺人未遂として捉えられても不思議ではない。さらに、起きたとして、メディアが追求するのは行政の責任、そして暴行を行なった大人の責任であり、子供の人格、生活は厳重に守られる。

 日本は全く逆。僕は、この男子学生への社会全体からの「いじめ」、拷問のごとく叩かれる現状が、とても心配だ。守られるのは彼であって、音楽家ではない。

 音楽家は、自分がしでかした事の重大さを考えるべきだろう。成長途上の子供の首から上の部位に、不意打ちのような衝撃を与えて、学生が半身不随になったとしたら、なんと言うのだろう。それでも「愛の鞭」とメディアはもてはやすのだろうか。

 BBCで子供番組を担当していたことがある年上の友人に意見を訊いた。絶句していた。友人曰く、「公衆の面前で暴行を振るうと言うなら、その音楽家と学生が二人きりの場で何が起きるか誰にもわからない。大人ですら、公衆の面前で顔を殴られたら身体的な痛みだけでなく、心理的な衝撃がある。未成年の子供がそんなことをされて、さらにメディアが子供を責めるなんてこと、考えられないし、考えたくもない」。

 子供を擁護する意見もある。でも、それは「学生の方がジャズを知っていたのではないか」という方向違いの意見。

 最も重要、かつ失敗してならないのは、子供への支援。責めることではない。責められなければならないのは、責を負うのは世田谷区であり、音楽家。

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「特に」ロンドンで増えるナイフ犯罪、強酸による犯罪

2017.07.10
テロが続き、グレンフェル・タワーの火災があり、なんとなく社会が忘れたかった、そして警戒が強化されて、ほんのしばらくの間、報道件数が減っていたナイフによる殺人事件、腐食性の強酸に夜傷害事件が、特にロンドンで急増している。車で信号待ちをしていたイスラム系の男女の従兄弟に、無差別に強酸で大怪我を負わせた白人男性逮捕のニュースが日本語でも報道された。被害者の写真は、とてもひどい傷跡を写していることを先に警告しておく。

ロンドン東部で2人に酸攻撃 容疑者出頭
http://www.bbc.com/japanese/40553512

Surge in acid attacks in England leads to calls to restrict sales
https://www.theguardian.com/uk-news/2017/jul/07/surge-in-acid-attacks-in-england-leads-to-calls-to-restrict-sales

 強酸による犯罪を上回るスピードで増えているのがナイフによる殺人事件。とりわけ、10代、20代前半の若い男性が犠牲になっている。

Romford stabbing: Young man stabbed to death in front of girlfriend after leaving cinema
https://www.standard.co.uk/news/crime/young-man-stabbed-to-death-in-front-of-girlfriend-after-leaving-cinema-in-romford-a3543061.html

'When knife victims arrive at hospital in school uniform, it brings it home to you'
https://www.theguardian.com/membership/2017/may/04/when-knife-victims-arrive-in-school-uniform-it-brings-it-home-to-you

 イヴニング・スタンダードとガーディアンの記事は、主にロンドン東部でのことが書かれているが、ロンドンでのナイフ犯罪は、ほぼ全域で起きている。この危機的な状況を受けて、ロンドンのセカンダリィ・スクールでは生徒の持ち物検査が強化されている。

All secondary schools in London to be offered knife detectors
https://www.theguardian.com/uk-news/2017/jun/27/all-secondary-schools-in-london-to-be-offered-knife-detectors

 余計なお節介かもしれないが、ロンドンへ来られる人へ。

 不案内な地域へは行かない。どうしても行くなら、一人では行くな。

 大きな鞄は持ち歩かない。ひったくられそうになり、かつ路上に引きずり倒されたら、抵抗しないで諦める。引きずり倒されてなおひったくられないようにすると、重傷を負う危険が高まる。

 路上でスマフォを使いながら歩かない。

 不案内な場所で、人種、性別を問わず騒がしい若者グループに気づいたら、近づかない、近づくな。

 ロンドン中心地でも、夜は人通りが途切れる場所がたくさんある。夜間、宿泊先に戻るときは、人通りがある通りを歩く。

 ロンドン東部、南部等で急に発展してメディアで「最先端」のエリアと言われている地区は、ひとつ曲がり角を間違えると、通りの雰囲気、暮らしている住民の宗教、人種が全く変わってしまうことがある。それはおしゃれな冒険ではなく、危険を理解していない愚行。


 今のロンドンは、「旅の恥」はかき棄てでなく、「一生の後悔」になる。

 僕が暮らしている地域では、幸運にも、まだ殺人事件は起きていないものの、放火事件は増えているし、傍若無人な若者グループが普通に大声をあげてお互いを威嚇しあっている。日本人観光客を滅多に見かける地域ではないが、最近は、日本人だけでなく、東洋人観光客が行き先を探しあぐねているのに遭遇した時は、尋ねるようにしている。

 ロンドンのガイドブックでエッジウェア・ロードのチャーチ・ストリート・マーケットが今でも紹介されているかどうかは判らない。

 今、急激に変わりつつある地域だが、チャーチ・ストリート・マーケットは体験する意義はない。エッジウェア・ロードなんかよりずっと見応えのある場所はロンドンにはたくさんあるので、とりわけ北部エッジウェア・ロードへは入り込まないことを勧める。

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London's Air Ambulance: ロンドンの救急ヘリコプター

2017.06.18
Red Helicopter of London's Air Ambulance

最近、近所のガソリン・スタンドが緊急の場合、このヘリコプターの離着陸を受け入れるということになったのを知ったので、興味が湧いていた。本当に偶然に遭遇して、しかも、見学者の質問に答えていたのは、East London NHS Trust(蜘蛛の糸より細い縁がある、切れそうだが)の医師だった。彼によると、年間の運営費用はおおよそで£6,000,000-。その全てを寄付に頼っているので、ファンド・レイジングは必須とのこと。話していて、この救急ヘリコプターがチャリティと知り、「でも、患者に課金はしないんですよね?」と訊いた。

 「しないよ」、とにっこり。

https://londonsairambulance.co.uk/

 グレンフェル・タワーの火災ではヘリコプターの出動はなかったようだが、医師たちは現場で救急チームに加わったようだ。

"Our thoughts are with everyone who has been affected by the devastating tragedy at Grenfell Tower.

"We sent multiple teams of doctors and paramedics to the scene to support our emergency service colleagues at the London Fire Brigade, London Ambulance Service and Metropolitan Police.

"I would like to thank all of teams involved in the response, with a special mention to the London Fire Brigade for their incredible work which sadly continues.

“We are also indebted to the many organisations and members of the community who came together to support the victims and rescuers in and around this terrible incident.”


 グレンフェル・タワーの火災では、政府、地方行政の不手際が甚だしい一方で、消防士、医師、看護師等の活動は、素晴らしかったようだ。NHSの存在意義を、改めて多くの人が考えることになったのではないかと願う。

写真
https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/albums/72157685215959825

ロンドンの住環境の酷さ

2017.06.18
ロンドンでの経験しかないことを強調しておきます。

 グレンフェル・タワーの火災については、詳しい状況がわかるたびに、高層住宅が増えている日本でも、他人事ではないと感じる人が増えているのではと推測する。

 日本の状況はわからないし、イギリス各地の公営高層住宅のことは知らない。しかし、ロンドンの住宅環境が劣悪なのは、グレンフェル・タワーだけではない。ほんの数ヶ月前、今年の春にロンドン東部から報道された、新しい住宅の酷さについてのニュース。

Housing associations face storm of complaints over new-build homes
https://www.theguardian.com/society/2017/apr/11/housing-associations-face-storm-of-complaints-over-new-build-homes

Housing association agrees to buy back homes on 'substandard' development
https://www.theguardian.com/society/2017/feb/06/substandard-housing-association-scheme-facing-hundreds-of-complaints

'No one calls the housing association repairs line. There's no point'
https://www.theguardian.com/society/2017/apr/11/no-one-calls-the-housing-association-repairs-line-theres-no-point

 これまで、長年にわたって読んできた情報から言えることは、少なくともイングランド、さらに絞ってロンドンでは、新しい住宅が建設される際、必ず低所得者層が購入できるフラットを建設するという条件を企業は実行しなければならない。

 2012年のロンドン・オリンピック、パラリンピックの跡地の一部は、特に高所得ではない人たちが購入できる、定住できる住宅をということで、建設が進み、そして入居が始まった。

 環境の劣悪さ、維持・運営を行政から「購入」した企業のやる気のなさは、グレンフェル・タワーと全く同じ。

 住宅だけではなく、現在のイギリスで、全国でくまなく感じられるであろう、「ターゲット至上主義」、「責任を取ることは自分の責任ではない」という風潮を見直さない限り、何も変わらない。

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高層住宅火災と、ロンドンでの貧富の差

2017.06.16
火災により、ほんの銃数時間でまるで何十年も放置されて廃墟になったかのようなロンドンのグレンフェル・タワー。日本でこの火事の報道を読んで、この場所がケンジントン・アンド・チェルシィ区(以下、ケンジントン)の一部であることを想像できなかった人はたくさんいるだろうと思う。BBCがよくわかる図を掲載している。

スクリーンショット 2017-06-16 15.15.52

London fire: A tale of two tower blocks
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-40290158

 ロンドンだけでなく、イギリス国内で最も裕福なカウンシルの一つであるケンジントン区内に、貧困にあえぐ人が暮らしている事実を、ガイドブックの情報だけでは得ることはできない。しかし、現実として、ロンドンの他の区同様、ケンジントン区もまた、富裕層と貧困層にはっきりと、そして大きく分断されている。ロイターの記事がわかりやすい。

アングル:高層住宅火災で露呈、英国が抱える「貧富の格差」
http://jp.mobile.reuters.com/article/idJPKBN1970GN

 この記事を読むと、先週の総選挙(すでにずっと昔のよう)で、ケンジントン区で労働党が議席を奪取したことは理解できないことでは、ない。

'Unforgivable': local Labour MP vents fury over Grenfell Tower fire
https://www.theguardian.com/uk-news/2017/jun/15/unforgivable-local-labour-mp-vents-fury-over-grenfell-tower-fire

 2011年8月にロンドンから始まった暴動は、観光客に人気の高いノッティング・ヒル(ケンジントン区)でも起きた。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1426.html

 ロンドンでの普段の生活は、テロを除けば安全とほぼ言い切れる(説得力はないな)。しかし、保守党政権による数年に及ぶ福祉切り捨てへの不満が、突然、吹き出すことはあり得る、とも感じている。

 イギリス・メディアの映像報道を観ていると、当然だろう、火災現場では保守党議員に怒声が飛ぶのは当然として、ロンドン市長、そして被害にあった人々の慰問の為に現地へ速攻で訪れたエリザベス女王にも悲しみの声が浴びせられた。

Distraught man beckons Queen as she leaves Grenfell Tower area - video
https://www.theguardian.com/uk-news/video/2017/jun/16/distraught-man-beckons-queen-as-she-leaves-grenfell-tower-area-video

 怒りが渦巻いている。物見遊山で現地に行くことなんてことはとても愚かな行為だ。

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一般社会がその存在を知らない人たち、知ろうとしない人たち

2017.06.11
このポストは、特に自分のためでありまた、議論できるほど自分の中で理解が深くはないので、メイルでの質問にも答えるつもりはないです。

 先週、ある研修で交わされたケイス・ディスカッションは、学習障害と診断されている男性の今後の治療方針の検討というものだった。実は、この男性とは一度会って話した。普段はとても物静かで、一見では、何が彼にとって問題なのか判らない。

 彼が帰属するのは、イギリス国内で定住しないで暮らす、アイリッシュ系のトラヴェラー・コミュニティ。さすがに驚かなかったが、彼の学習障害も一要因だが、トラヴェラー・コミュニティで生まれ・育ったことで、子供の頃に彼の適性に合う教育を全く受けていない。彼は、読み、書きができない。そのために、小さな犯罪を引き起こし、現在、精神医療に直結する法律の下で治療を受けている。

 トラヴェラー・コミュニティで暮らす人が定住したくないという意思は、この国では尊重されている。言い換えると、問題を起こさない限り、トラヴェラーたちとは関わりたくないという感情が定住している人々にはあるだろう。年上の友人に尋ねたところ、80年代、90年代でも、地方の農場等では、「No blacks, no Irish, no dogs」という看板があるのは普通だったとのこと。

 トラヴェラー・コミュニティで子供がネグレクトされるのかどうかは、知らない。まだ、僕が何かをできるわけではない。しかし、仮に教育を受ける機会がなくて、後年、本人が受け止めなければならない身体的、心理的重圧、そして社会が避けられたであろう負担を考えると、トラヴェラー・コミュニティの子供に、彼らのために、社会のために教育を受けさせる、ということを余計なことと考える人たちがイギリスにいるのは、普通なのだろうか?、と

 そんなことをずっと思考の片隅で考えていた昨日、ガーディアンで興味深い記事が掲載された。

'They were entwined': the twins found at Dover's white cliffs
https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2017/jun/10/they-were-entwined-the-twins-found-at-dovers-white-cliffs

 今年の元日、イングランド南東にあるドーヴァーの崖下で、男女の遺体が発見された。男性の身元はすぐにわかったが、女性は身分証明になるものを一切所持しておらず、当初は誰だかわからなかった。男性の名前から判明した住所にあたり、ようやく女性は、男性と双子の妹(もしくは姉)であることが判った。

 警察が彼らの住まいを訪れて判ったことは、二人が親戚や社会との関係を一切持とうとしなかったこと。二人のパスポートはずっと昔に失効したままで、最近のミュリエルの面影を知るための写真は全くなかった。二人が携帯電話を持っていなかったことも、身元をすぐに判明できなかった、そして彼らの最後の足取りが全くわからない要因の一つ。

 この記事と、研修でのケイス・ディスカッションに共通点は全く存在しない。しかし僕にとって、政府やオーソリティにより社会の管理、つまり個人情報がもはや個人のものではなく、権力のものである社会にあって、是非や、有効性の議論は置いておいて、「福祉」ですらおいきれない人々が存在する社会。そしてそのような社会がすべきことはあるのか、という堂々巡りの思考が止まらない。

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The power of ignorance

2017.04.19
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イギリスの公衆衛生のレヴェル:子供に手を洗うことを教えましょう(今更?)

2017.01.25
この冬、かなり暖かだった12月から、1月になってグンと冷え込んだ。この温度の差が関係あるのどうか判らないが、今年の冬の風邪の傾向は、咳がこれまでの風邪より長く続く。だから、3週間以上咳が続いても、医者に来ないで蜂蜜やレモンで自力で治してね、という趣旨の記事がThe Timesに掲載されたのは2週間ほど前。インディペンデント紙にはこんな記事が。

Hacking cough epidemic cannot be cured with antibiotics, doctors warn
http://www.independent.co.uk/life-style/health-and-families/hacking-cough-epidemic-cannot-be-cured-antibiotics-doctors-warn-nhs-wales-a7514991.html

 本題。今日のガーディアンの記事。

Children should be taught how to wash hands, says watchdog
https://www.theguardian.com/society/2017/jan/25/children-taught-wash-hands-hygiene-antibiotics

Good hygiene techniques could help prevent illness and slow use of antibiotics, says national health institute.

Children and young people need to be taught how to wash their hands properly to reduce the risk of infection, a UK medicines watchdog has advised.

The National Institute for Health and Care Excellence (Nice) said good handwashing and drying techniques should be encouraged to help lower the likelihood of spreading germs and therefore limit the use of antibiotics.


 「手洗いなんて基本中の基本、家庭で教えないのか?」と思われる方、「イギリスの家庭は手洗いをすること、何故しなければならないのかを教えない」、と断言しても反論は来ないだろう。親が外出から戻ると必ず手洗いをすることすらあまり想像できない。

 このようなことが公的に言われなければならないほど、NHSや国の医療予算が逼迫していて、やっと予防医療の重要さに気づいたのか。

 3年ほど前、日本でも報道されたことを覚えている人はいるだろう。

Ugh! Single men change bed sheets just four times a YEAR... and two thirds have 'several' guests stay in that time
http://www.dailymail.co.uk/femail/article-2398721/Ugh-Single-men-change-bed-sheets-just-times-YEAR--thirds-guests-stay-time.html

 寝具のシーツを年に4回しか代えなくても死に至ることはないかもしれない。しかし、この衛生感覚がすべてを説明すると思う。

 以前、公衆衛生に関して同じようなことをポストした記憶があったので、探したらあった。2007年12月のポスト。

イギリス人よ、手を洗おう
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-596.html

 イギリス、もしかしたらイングランドだけかもしれないが、公衆衛生の大切さを自覚するのに10年近くもかかったのか。このポストに張り付けてあるリンクは切れているので、ポスターの画像を添付する。

CatchitBinitKillit.jpg

straplineround.png

[追記:1月28日]
ほぼ一週間、自分のブログに自分でコメントを書き込めない状況になっているので、こちらに返信を。

イレーヌ・ジョリオ さん

 こんにちは。イギリスでも、風邪、インフルエンザ、ノロ・ヴァイルスは今年は大流行しています。日本と違うと思われる点は、ガーディアンの記事でもか書かれているように、風邪とインフルエンザの症状の違いを知らない人が多い、ということだと思います。

 昨日、ある医療関係の方と話す機会があって、その方曰く、「イギリスは先進国の中の途上国」であると。NHSの現場で必死に患者を治療している医師や関係者を非難するのではありません。が、基本中の基本であろう公衆衛生に限れば、イギリスはこの分野の教育が非常に遅れていると感じます。


ハマちゃん さん

 それは、極端な例だったと思いたいです。大きなデパートなどのトイレは以前と較べれば格段に良くなってきていると思います。みたことないから判りませが、乳児用の保護椅子をしつらえているトイレの数はまだそれほど多くないのかなと。

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