LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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2002年07月の記事一覧

ネガティヴな気分ではないです。

2002.07.31
この前の送りつけた国際化云々を読んでいて、かなり言葉足らずだと思いまして。

 まず、スウェーデンでの悲劇ですが、父親に殺された女性は、普通にスウェーデン語を話し、確実に国に、社会に溶け込んでいたそうです。話せなかったのは、いわゆる第一次世代、つまり親の世代ということです。移民・難民の流入が続く北欧やオーストリアでは、社会全体で今後どのような方向に進んでいくのかを議論しているところでしょう。難しい課題だと思います。極右のル・ペン氏の高支持率で注目されたフランスでは、やはり移民が多い南部では彼への支持率が2割以上でした。望んで難民になったわけでもなく、市井レヴェルでは望んで難民を受け入れているわけではなく。国際化、という言葉が世界の混乱の結果と同じ意味であるなら、なんとなく理解できる感じです。

 決して、ロンドンでの生活に疲れた、という理由でこれを書いているわけではないです。文化の衝突、といった高等な事を経験しているわけではなく、文化の大いなるすれ違いの中で生活しているんだと思います。改めて最近考えることは、暮らしていく中で、人に期待しない、ということ。決してネガティヴな気分、もしくは負の面を見ているわけではありません。人に期待して、人の行動を待ちながら時間が過ぎていくことに飽きただけです。自分で出来ることをして人が喜ぶならそれもいい、しかしそこで見返りを期待することは自分を悪循環に陥れてしまうことが多いのに気付きました。無償の愛、無償の心意気などもっていません。ただ、人に期待して無為に過ごすほど人生は長くないです。例えば、誰かが後で電話するからといったからずっと待っているなんて、出来ません。自分でかけたほうがずっと楽。それが自分の役割ならやるし、それに飽きれば、「いつもいつも電話するといいながら、したことないでしょ。もう、そんな役割をする気はないから」、といってしまうのは、思っているほど難しいことではないです。

 英語が喋れれば国際人なのか、何かヴィジョンを持つべきなのか、正直、よく判りません。すれ違いの中から、お互いが歩み寄れるポイントを探せる能力が必要なのかな、と思います。それで悲劇が少なくなるわけではないけど、歩み寄る努力は、お金がかかるものではないはずですし。

 さかしらなことを書いたと思います。ただ、21世紀を生きていくのは、難しそうだし、でも、楽しいといいですね。
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ロンドンに住めば国際化するか?

2002.07.31
親愛なる皆さん

 おはようございます。東京ほど暑くありませんが、結構蒸し暑くなってきたロンドンです。外を歩く分には善いんですけど、空調がない地下鉄に乗るのは拷問です。

 昨日、住んでいるところで、面白い、かつ後々考えていかなければならないことがありました。現在、住まわせもらっているフラットのビルの約1/4は、難民とされる人々が住んでいます。イギリスに来た理由はいろいろあると思いますが、問題は、集合住宅で住むために守らなければならない約束事を彼等がまったく、ことごとく無視すること。まあ、それとは直接関係ないんですが、昨夜、同じ階の反対の端っこに住むイラン人母子(彼等がイランからということは昨夜知りました)が初めて訪ねてきました。下の男の子と一緒に鍵を持たないで出てしまったので道具を貸して欲しいとのこと。結局僕等で空けられなかったので、彼女の妹にきてもらうまで、ここで待ってもらうことしました。裸足だったし。イランから来て4年とのことでしたが、30代後半に見える母親は、片言の、しかもあまり明瞭でない英語、方や彼女の9歳と4歳の息子は子供なりに流暢な英語を喋るんです。不安だからこそ同じ国籍同士がつるむのは理解できるんですが、4年住んであの英語でこの国に溶け込むことは出来るのか?これは僕が経験したことですが、こんなことが積み重なって、オーストリアでは今後、一定期間の後ドイツ語を喋れない外国人は退去、なんて法律ができましたし。

 更にこのことは別の悲劇を思い出させました。現在、ドイツ同様スウェーデンにはたくさんのトルコからの移民・難民がいます。今年、クルド難民の家族の娘が、父親に射殺されました。彼女が親が決めた結婚に従わず、スウェーデン人のボーイフレンドと結婚しようとしたからです。このボーイフレンドは不可解な交通事故で死んでいます。彼女の両親は全くスウェーデン語を話せず、又この家族の唯一の息子も、彼女が殺されたのは当然のことだとのこと。父親が唯一後悔しているのは、この娘のために恥をかいたので二度と同じ部族のもとには帰れないことだそうです。クルド難民のトルコでの不当な扱いは知っているつもりですが、理解できません。

 よく、海外を知って国際化を計ろう、といわれますが、ロンドンにただ住んでいるだけでは国際化なんて計れないし、逆に、国際化って何のためなのか、判らなくなります。ロンドンは、東京と比べるべくもなく、多文化都市です。たくさんの文化、人々を見ることが出来ます。でも、それが国際化なのかというと、違うと思う。日本語で生活できるし、前述のイラン人の母親は、ファルシー(イランの言葉)でこと足りているようだし。

 日本は、西洋文化を受け入れる一方で、こと人間になると、アメリカ人だろうと、イギリス人だろうと、イラン人だろうと国籍に関係なく日常生活には受け入れない傾向がまだ続いているんだと思います。これはある意味、公平ですけど、難民・移民を受け入れるのが国際化の一歩になるのか。マルチカルチャーと国際化は、同じ意味じゃないんだ、そう思いはじめたところです。


つい最近(2004年10月)、パキスタンではこのような「名誉の殺人」を犯罪とすることにしたそうです。

クリームティーとアフタヌーンティー

2002.07.26
以前の会社のWEBマガジンに書いた紅茶のことで同じ質問を戴きましたので。

 クリーム・ティー、というのはミルクの代わりにクリームを紅茶に入れる、というのではありません。多分、あっていると思うんですが、メニューに「クリームティー」とある場合、出てくるのは紅茶、スコーン、クロテッド・クリーム、それと各種ジャム。で、アフタヌーン・ティーだと、これにキュウリや、スモーク・サーモン、チキンのパテのサンドウィッチ、ケーキがつきます。値段はやはりロンドンが高いです。例えばフォトナム&メイスンの場合、選んだ紅茶のクォリティによって上下しますが、サーヴィス抜きで20ポンドくらいからですかね。

 あと、地域によって、クロテッド・クリームの質がかなり変わります。有名なところでは、イングランド西部のデヴォンシャーのクリーム、コーンウォールのコーニッシュ・クリームなど。特に後者はいい香りがする上に濃い割にさっぱりしていて、スコーンにぬらずにそのまま食べても本当に美味しい。

 ついでに、田舎のティー・ルームで食べられる食事。僕はキドニー・パイは駄目ですが、さっくり温めてあるステーキ・パイは、当たればこれは美味しいです。ステーキ・パイをお茶と一緒に食べる、というのは普通のことらしいです。お店によりますが、とってもジューシーなラム・ステーキ、手作りのソーセージをはさんだだけのパイなど。以前書いた気もしますが、キュー・ガーデンそばのニューナムズというティー・ルームのステーキ・パイは本当に美味しいです。そのためだけに行くには遠いですが。

I have a catholic taste in music

2002.07.26
 おはようございます。ぎらぎら照りつける太陽が懐かしいです。

 趣味や考えが多岐にわたる場合、British English ではタイトルのようにいいます。エッセイを書きながらオペラも聴けば、三波春夫の「俵星玄藩」を聞いたりしています。何が言いたいかというと、現在、友人から戴いた元ちとせと、家族に送ってもらったモンゴル800にはまってしまいました。ちとせさんの声は本当に美しい。癒される感じはしないけど、人間の声の美しさに圧倒されています。更に、モンゴル800、僕がこんなこと書くまでもなく売れているそうですが、二十歳そこそこの若者が書いた真摯な歌詞に、頭を殴られた感じです。歳をとっていくとこんな真っ直ぐな言葉を読むとすかしたくなりますが、素晴らしい。特に「琉球愛歌」、若者にこんな歌詞を書かせる今の日本、ひいては小泉に聞かせたい。

 先日書いた、ロンドンの牛ですが、どうやら世界中で何か行われているようですね。www.cowparade.net のロンドンの項目からロンドンで見ることの出来る牛を見ることが出来ます。来週、どんな風に飾られているか写真を送ります。それと、お気に入りの派手な洋服屋のアドレス間違っていました。www.favourbrook.comでした。

 今日の朝刊に、イギリスで最も美しい景色のトップ・ファイヴが決まったとのニュースがありました。トップは、ソールズベリー大聖堂、2位に湖水地方のどこか、3位はイングランド南西、ドーセットの海岸線、4位は南ウェールズのガウアー半島、5位は再び湖水地方のどこか。大聖堂を近くの原っぱから撮った写真は、どこか法隆寺をススキの原っぱから撮った有名な写真を思わせます。更に、スコットランドに初めて国立公園が制定され、第一号は歌でお馴染み、ロッホ・ローモンドを中心としたグラスゴー近辺の山岳地帯だそうです。8年前の初めてのイギリス旅行のときに行きましたが、期待を裏切らない、幻想的な原野でした。

 取り留めなく。皆さん、どうかご自愛のほどを。

イギリスの日曜紙

2002.07.20
親愛なる皆さん

 こんにちは、暑いそうで。どうも、「海の日」といわれてもぴんと来なくて。それよりも「土用丑の日」、銀座竹葉亭の鰻が食べたい。更に、銀座中の鰻屋を制覇したい。

 先日、新聞に付いて書きましたが、少しご質問を戴きましたので。この間買ったのはサンデー・タイムズ、サンデー・テレグラフ、インディペンデント・オン・サンデー、ザ・オブザーヴァーの4紙、〆て4ポンド60ペンス。このうち、オブザーヴァーは日曜のみで、平日はザ・ガーディアンになります。こちらの大学院でジャーナリズムを専攻した友人から聞いたところ、平日と日曜日の編集部は全く違うんだそうです。毎日、新聞は読んでいますが、特に週末、特に日曜日は、いろいろなセクションに分かれていて、たった1紙でも十分半日は過ごせます。テレグラフだと、アート&ブックス、ガーデニング(これは土曜日)、トラヴェル、ウィークエンド、ユアマネー、カルチャーレヴュー、これに種種の情報を集めた雑誌。オブザーヴァーは、月一でスポーツの雑誌と食べ物の雑誌。ちなみに雑誌では、土曜日のファイナンシャル・タイムズに月一でつく「How to Spend」が、昔のバブリーな頃を思い出させてくれて、一番好きです。

 勿論重なる情報、トピックもありますが、ある新聞で一面に取り上げられている記事が、他では囲み記事だったりと、全く情報ソースが違っていたりと、気になる情報をいろいろな角度から知りたいとき、英語の勉強になると同時に重層的にニュースを知ることができるように思います。個人的には、文化面が一番好きなセクションですが、プロパティー(不動産)セクションなども、現実を忘れたいとき、もしくは腹を立てたいときにはもってこいです。また、旅行セクションも、全く知識が無いエリアが如何に美しいかなど、何もしなくていい日曜日に部屋で寝そべって、紅茶を飲みながら新聞を読んで過ごすのは贅沢な時間だと思っています。旅行セクションで見つけたうち、お金があったら、本当に信じられないくらい綺麗なクロアチアのリゾートに行ってみたいものです。もうひとつのお楽しみは、たまに新聞についているクーポンを集めると何かあたる、というもの。本来なら、インディペンデントは買わないんですが、先週偶然買ったら、先週、明日、その次の日曜日についてくるクーポンを集めて、「10ポンドで、キャセイパシフィックでアジアに行こう」、と行く企画がありました。東京も含まれていたので、当たることを信じて、明日もその次も買います。

 で、今日、土曜日のテレグラフのウィークエンドセクションで、観光客時代に通いつめた、ベストのお店が紹介されていました。深紅のヴェルヴェットに薔薇の刺繍、星の刺繍がちりばめられたベストなどを購入したバブリーな頃の自分を思い出してしまいました。今の顧客には、俳優のケヴィ・スペイシー等もいるそうです。
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地下鉄の走らない日

2002.07.18
 こんにちは、懲りずにロンドンから、最新のニュースです。

 ちょろっと書きましたが、昨日水曜日の午後8時から、予定では今日の午後8時まで、ロンドンの地下鉄はストライキ。昨日の夕刊紙に出ていたスポークス・ウーマンのコメントでは、「正直なところ、今晩動くとは思わない。われわれは金曜日の朝に、きちんと動くことを目標とする」、とありました。つうことはですね、明日金曜日の午前中も混乱は続くことでしょう。このストライキによる経済への影響は約100万ポンドの損失とのこと。ストライキだけでなく、最近は毎週末ロンドン東部、シティ・エリアに近い「ファリンドン」駅の改修でシティ、メトロポリタン、サークル、ディストリクトラインは止まるし。大学行くのにこのうちのどれかを使わないとならず、平日でもそのファリンドン駅直前で閉じ込められるのもしばしばです。今週の報道では、毎週末どこかしらで改修工事を行って、改修が終わるのに約7年。今の季節みたいに晴れが多ければ歩くのはいとわないんですが、やはり雨の多いロンドン、気が滅入ります。東京で丸一日地下鉄が止まったら、どうなるんでしょうかね。

 また、アンケートに答えたということで、ロンドン交通局からの最新の公共交通機関の状況、というリーフレットが届きました。それによると、現在、ケン・リヴィングストン市長のもと、ロンドンではトラム(路面電車)の設置が進んでいるとのこと。これは知っていたんですが、完成するのが予定では2009年と2011年。無理でしょう。ワールドカップで、イングランドが札幌でゲームしましたよね。その際、札幌ドームの建設費用、期間が詳しく報道されて「何で日本人にできて、われわれはできないんだ」、との声があがっていました。僕の感想は、「だって君たち、ものぐさじゃん。働くのが嫌いでしょ」、これにつきます。

 といつつ、本当に夏のロンドンは美しいです。勿論、晴れれば秋も冬も春も美しいんですが、夏の空の高さ、輝く緑は格別です。次の一年を乗り切るエネルギーを蓄えるつもりです。

近況

2002.07.18
親愛なる皆さん

 おはようございます。台風が去った後、かなり暑いそうですね。ロンドンは、先週の土曜日から漸く天気が安定し始め、既に秋だと思って夏は諦めていましたが、夏が来たようです。

 「近況」のタイトルのときはたいてい勉強の愚痴でしたが、とりあえず、1年目は全て通りました。なので、9月からの2年目に進めます。意外だったのは、後期の試験結果で、統計学のスコアのほうが脳神経行動心理学よりよかったこと。といっても、平均の少し上程度ですが。ばりばりの科学系のトピックは、自分が思っているより書くのは難しい、ということだと思います。ちなみに、同じコースにいる僕を含む日本人5人のうち、二人が完全にドロップアウト、一人は再試。僕は本当にぎりぎりのスコア。自分で選んだ道とはいえ、険しすぎたかもしれないです。でもいまさら、やめる気はないです、念のため。

 2年目は、前期に「Individual Differences」、「Developmental Psychology」、「上級統計学」、「Memory, Attention, Language」、後期が Psychopathology 」、「社会心理学」、そしてリサーチ・プロジェクト(=卒論)です。この夏は、怠惰に過ごすか、アルバイトでも、と思っていたんですが、アルバイトは無く、かつ、卒論の準備を、もうはじめなければならないとのお達しを担当教官から下され、週に3回大学のコンピューター・ルームでデータベースを睨んでいる毎日です。今週の金曜日に、その担当教官に自分のアイデアを説明するんですが、そこで許可を得られないと、かなりまずいです。当初は単純な文化の違いをやるつもりだったんですが、社会心理学のエッセンスも混じったものになりそうなので、そのときは皆さんにもご協力を強要すると思います。どうか、よろしくお願いします。締め切りは来年の5月の第一水曜なので、お送りするのは多分1月か2月だと思います。金曜日に許可を得られればの話ですけど。

 友人が、通ったお祝いにということで日本料理屋でお昼をご馳走してくれました。小さな鉄火巻を一つ口に入れただけで、やはり、食べ物は和食が一番。こんなに勉強が長くなるとは思っていなかったので、炊飯器を購入していないんですが、いまさらですが、買おうかと思っています。

 今晩8時から、ロンドンの地下鉄は24時間(実質36時間)のストライキ。平和なんだか、現実をわかっていないんだか、いずれにしても明日は大学にいけないので、リージェンツ・パークで、読書。ロンドンの夏、空が高くて、本当に美しいです、晴れれば。では。

イギリスのあれこれ

2002.07.15
二つ目です。

 今日、日曜日、読み比べたい記事があったので、奮発して4種類の新聞を購入したんですが、面白い記事があったので。まず、サンデー・テレグラフでは、新卒のサラリーマン、特に上位校の法律、金融関係に直結する学部卒業生の初年度の給料がなんと4万£。平均の2倍以上だそうです。どういうところが払うかというと、例に挙がっていたのは米系投資銀行のゴールドマンサックスなど。記憶違いでなければ、こういった企業は日本では余り新卒をとりませんでしたよね。これは、オックスフォード、ケンブリッジなどは、即戦力となる教育を行っているということでしょうか。はじめてみた言葉で、オックスブリッジに続く上位校として幾つかの地方大学の名前があったんですがそのグループの名前が、Russell Group というんだそうです。これの理由をご存知の方、教えてください。

 タイムズに出ていたのが、教育費の高騰。そのオックスフォードや、新聞の評価で必ず上位3校の中に入るロンドン大学インペリアルカレッジの授業料がここ数年のうちに2万ポンドになるだろうとのこと。アメリカと比べて、イギリスの大学の自己資産ははるかに少なく、それを補う目的もあるようですが、高い。ことあるごとに、イギリスの大学生が抱える負債額が年々大きくなるとの報道を読んでいると、近い将来、イギリスで高等教育を受けるのはアメリカ並に高くなりそうな感じです。

 先週の日曜日のタイムズだったと思いますが、その高等教育を受けたであろう、有名企業のCEOの評価ランキングが出ていました。日本同様、こちらでも通信業界の凋落が激しく、ヴォーダフォンのCEOは、その巨額報酬に見合う仕事をしていないとか、押しなべてコンピュータ・通信関係が槍玉にあがっていました。今日の報道とこの報道を考えると、イギリスの実体経済の不透明さを感じます。

 同じくタイムズから。医者・看護婦不足、医療サーヴィスの低下・悪化が続くイギリスでは、ヨーロッパ圏内からの多くの医師・看護婦が来ています。ドイツとチェコから短期で来ていた医師へのインタヴューで、両者とも「イギリスの医療体制の旧態さに驚いた」そうです。ドイツはともかく、旧共産圏と比べてもお粗末なイギリスの医療制度、健康を維持しないと。でも、フランスでチーズを食べ過ぎたせいか、戻ってきて早々に受けた3年ぶりの健康診断で、「尿酸値が高く、通風になりかねないです」とのこと。いいんです、今また粗食だし。

 お気楽な話題二つ。理由を知りたいんですが、現在ロンドンの中心のあちこちに、沢山の牛の像が置かれています。色とりどりに塗られ、中には帽子をかぶっていたり。狂牛病駆逐のためだったりして。
 先週、久しぶりにコンサート形式のオペラを観てきました。ドラマティックで大変楽しんだんですが、最後、主役のソプラノが一人舞台に残り、美しいアリアを熱狂的に歌っているうちに、何だか身振りがおかしいことに気付きました。なんだろうなと思ったら、彼女の周りを一匹の羽虫が飛び回っていて、感情を表す身振りの中に時折その羽虫を追い払う手振りが混じっていました。さすがにプロ、一音たりともはずしませんでしたが。

フランス紀行、追記

2002.07.14
 どうも、こんにちは、台風が多いですね。

 さて、何か書き忘れたな、ということで思い出しました。友人が住んでいる村、Selonnet から車で約30分くらい、イタリア・スイスに近いところにバルセロネットという町があります。アルプスの玄関口、といった趣でしたが、そこで見かけたもの、それはシベリアン・ハスキー。町のいたるところにいて、かつ、絵葉書にもあしらわれていたくらいです。アルプスの犬といえば、僕の世代では「アルプスの少女ハイジ」の影響でしょう、セントバーナードだと思います。時間があったので土産屋の店先でいろいろ比べたんですが、セントバーナードが使われていた葉書は2種類、ハスキーのほうは十数種類でした。何かもう、アルプスの犬としてのステイタスを確立している感じでした。まあ、蒸し暑い東京で飼われているよりは似合っているようでした
が。

 ご存知の方もいると思いますが、現在フランスは、週35時間労働です。この影響が何に出ているかというと、あらゆる店の営業時間。地方都市の町、村は当然として、パリでも小規模の店は月曜日も営業していません。実際に経験したのは、土曜日の午前中に新鮮な牛乳を買いそびれると、翌週の火曜日の午前中まで牛乳なし。この夏に限らず、フランスを長期で訪れる方、月曜日のショッピングは、余り現実的ではありません。

 知り合いには、「もう、ロンドンは秋」、と愚痴っていましたが、漸く夏が来た感じです。しばらくはお天道様の下を、何の心配も無く歩いて居たいです。

ヨーロッパの王室

2002.07.09
親愛なる皆さん

 おはようございます。先に送ったメールがご迷惑になっていないことを祈りつつ。フランスで購入したある雑誌に刺激されたこと。

 もうはるか昔のような気がしますが、エリザベス女王の即位50周年行事は続いていまして、17日に、ガーター(これがなんなのか何度説明されても善くわかりません)のセレモニーがウィンザー城で行われこれに任命されているヨーロッパ各国の王室のトップがロンドンを訪れた記事が、フランスのゴシップ雑誌に出ていました。現在、女王がトップの国は幾つだかご存知でしょうか?イギリス、デンマーク、そしてオランダ、のはず。その3人が表紙だったので華やかなこと。特に、デンマークのマルガレーテ女王が着ていたポピーをちりばめたサマー・ドレス、爽やかな気品に溢れていました。別に僕は王室が好きな訳ではなく、エリザベス女王が好きなんですが、マルガレーテ女王にも惹かれます。ビアトリクスさんは、肝っ玉母さんぽくて、ちょっと。

 イギリスのゴシップ雑誌で大きく取り上げられたのは、そのデンマーク女王の旦那が、今年行われたオランダ皇太子の結婚式をドタキャンしたこと。エンリケさんというフランス出身の方だそうで、何をしたかというと、一人フランスに行ってデンマークの雑誌記者を呼びつけ、如何に自分が女王、皇太子の影に隠れて報われないかを愚痴ったそうです。それを心配した女王は結婚式のあとすぐに旦那の下の駆けつけ慰めたとか。こんな話題を読むと、ヨーロッパの王室って、開かれているなと思います。日本の皇太子さんも同じ雑誌に出ていてスェーデンの王女(次期女王)と一緒に写真に収まっていたんですが、もっと開く努力をしないと。

 日本同様、男性が後を継ぐことが条件になっているモナコでは、女性でも跡を継げるような話が出ているとか、各王室も生き残りをかけて懸命のようです。フランスに行く直前に、イギリス王室の面白い記事がありました。女王の従兄弟に、ケント公夫妻というのがいて、これがケンジントン・パレスの、寝室が何室もあるフラットを週にたった75ポンドで借りているのはけしからん、というものです。新聞では、彼らのことを「マイナーな王室メンバー」と表現していました。現在、労働者の住宅不足が問題になりつつあるロンドンでは、かなりホットな話題だったようです。しかし、「マイナーな王室メンバー」なんて、日本でまだまだ使えない表現でしょうね。

 最後に最愛のエリザベス女王さんのはなし。先週末、王室の馬車パレードなどを仕切ってきた方が引退されたそうです。そのセレモニーで、女王が涙をぬぐっている写真が掲載されていました。また、急ぎでない郵便は安く送るなどの涙ぐましい努力の結果、王室の経費は削減されているそうです。親しみを感じてしまいます。


今では、ヨーロッパ王室の話題は、バレエと同じくらい情熱を注ぐようになってしまいました。随分知識が深まった現在と比べると、このメールのあやふやなこと。

食べたもの、あった人

2002.07.08
食べ物、言わずもがなで、美味しい、リーズナブル。子牛、子羊、チキン、フォワグラ、メロン、桃、イチゴ、ラズベリー、各種ハムなどなど。甘いものだって、たとえひなびた村とはいえ、大き目のブリオッシュにカスタードクリームを溢れんばかりに詰めたお菓子、マカロン、趣向を凝らしたヨーグルト、プリン。それとローヌ地方で食べたラヴェンダーの蜂蜜、全てがそのものの味がして、素晴らしかったです。今回はかなりご馳走になったし。面白いところでは、リプトンが桃味のアイスティーを売っているんですが、これまた美味。何でリプトンがイギリスでこれを売らないのかねー、といっていたら、ある友人曰く、「リプトンはアメリカの会社で、イギリスでは販売を禁止されているから」、とのことでした。一番楽しんだのはチーズ、それと漸く飲めるようになってきた赤ワイン。駄目だったのは、煮たソーセージ。同じのが焼いてあれば食べられるんですけどね。

 アルデシュ地方に行ったとき、ある村のカフェで、アルザスと国境を接するドイツから来た初老のカップルと会いました。ドイツ語とフランス語しか喋らず、何とか話そうともがいていたら、約18年前、大学で叩き込まれたドイツ語がほんの少しだけ蘇り、ちょっと使ったら嬉しかったらしく、あとはドイツ語の嵐。久しぶりにドイツ人と接し、彼らが如何におしゃべり好きかを思い出しました。しかもよく飲む。彼らがこちらに白ワインをご馳走してくれたので、赤ワインを提供したら、あとは6人でトータル4本、しかもコニャックつき。楽しかったです、酔いましたけど。

 今回は19日間もフランスにいるということで、テキストを持っていきましたが、不思議な言葉ですね、特に数詞。何で80が「4と20」、しかも91は「4と20と11」。不思議だ。友人に尋ねたら、フランス語圏スイス人は違う数え方とのこと。現在、「フェルマーの最終定理」を読んでいるんですが、フランスが多くの数学の天才を輩出している理由はこの数え方にあるのかも、などと思っています。

 最後に。今回は車で、ということはフェリーを使ったんですが、ご参考までに。一人、たった5ポンド余分に払うだけで、フェリーのラウンジを使うことができ、紅茶、シャンペン飲み放題、行き届いたサーヴィス。使う価値は十分にあります。



リプトンの紅茶の話、すっかり友人達にかつがれました。ロンドンでも売られています。

泊まったところ、いったところ

2002.07.08
今回は、車でフランスに行きましたが、これが楽しい。僕の日本のパスポートはやはりどちらでも通るのに時間がかかりましたけど、フランスのいろいろな地方を見ることができました。さすがに一日でフランス南部までは運転した友人たちが嫌がったので、行きは一泊、帰りは二泊途中で宿泊して戻りました。

 最初の2枚は、戻るときに泊まったお城のホテル。英語で言うところの the middle of nowhere で、途中、本当に迷ったかと思うくらい森の奥にありました。パリで成功したビジネスマンが、会社を売り払ってこのゲストハウス(ホテルではないそうです)を経営しています。勿論、近くにレストランなど無く晩御飯はここで食べたんですが、ゲストと一緒にこの経営者も食べるんです。なぜならゲストをおもてなしするから。この方が、喋るしゃべる。別に自慢話ではないし、楽しいおしゃべりでしたが、圧倒されました。たった4部屋しかなく、これ以上増やすとゲストをもてなせなくなるから、増やしたくないとのこと。丘でのんびり草を食む牛を眺めながら朝ご飯はテラスで。4月から10月の週末は結婚式でいっぱいとのことでした。もし日本からも来るなら、全てアレンジするから、何の心配もいらない、と自信たっぷりでした。
www.chateau-de-pramenoux.com 。

 初日とラストは、Troyes にとまり、これも友人が見つけた、1460年に建てられたらしい宿を改築したところです。部屋じゅうに梁がめぐっていたり、と中世の趣きたっぷり。パリからもそんなに遠くないので、時間に余裕のあるフランス旅行の際は、訪れるのはそんなに難しくないと思います。街中にもたくさん中世の建物が残されていて建築が好きな方には面白でしょう。www.champdesoiseaux.com 。

 他に、3日間、アルデシュ地方にいったり、あちこちで壮大な聖堂を見たりと、車で回るフランス、かなり楽しいものでした。一番面白かったのは、友人を病院に見舞いに行った帰り、いつもとは違う道で戻ろうときめ、地図を見ないであちこち登っているうちに、まるでこの世の果てのような、村にたどり着いたときでした。別に、廃れている、という意味ではなく、こんな急斜面に家を建てて、あんな険しい、しかもうねっている道を一時間以上もかけてたどり着けるこんな場所にどうして人は住むのか。眺めは、素晴らしく、そして怖いくらいでした。

 フランスのモーターウェイ、有料ですが、よく手入れされていて、思いっきり飛ばしたい方、堪能できますよ。

フランス紀行 シリアス編

2002.07.08
 おはようございます。そろそろ東京は梅雨明けでしょうか?フランスから戻ってきて以来、ロンドンはまるで二ヶ月くらい戻ったような肌寒さです。

 今回のフランス行きのメインは、フランス・アルプスのふもとの小さな村、Selonnetで長期療養中の友人を訪ねるものでした。天気が素晴らしく、それと同じく気温が急上昇し、湿気は無いものの最高気温が35度を越える日が続き、その友人は病院に戻ってしまいました。東京を離れて以来、知人・友人が少なからず鬼籍に入りましたが、今回のように少しづつ衰えていく友人を見ているのは辛いものでした。付き合いが長いし、僕が心理学を勉強しているから何かを求められる、ということはありませんでしたが、毎日の会話で何を話すべきなのか、難しかったです。

 現在は治療中なんですが、一緒にいった友人が、「彼が決断すべき時だろう」、といったときは、少なからず驚きました。日本でもクォリティ・オブ・ライフという言葉は既になじみのあるものだと思います。この言葉が初めて現実として突きつけられ、それに対する自分の考えはいまだに持てません。

 今思うことは、簡単です。先週の金曜日、3年ぶりに健康診断を受けました。診察室に世界地図があったんですが、それを見て改めて気付いたことがあります。日本も、イギリスも小さい。まだまだ知らないことがたくさんある。できること以上のことをしたい、そんな思いです。

 こんなことを書きつつ、いつもどおりのメールもこのあとに送ります。

4本目

2002.07.03
親愛なる皆さん

 こんにちは。大荒れのチャネル海峡を何とか生き延び、昨夜遅くロンドンに戻りました。行っている間、フランス南部は異常に暑く、雨のロンドンには似つかわしくなく、真っ黒になってしまっています。

 先週、フランスに行く前に仕上げて置いた4本目の原稿が掲載されました。掲載されたものを見て、自分でつけたタイトルの大仰な響きに腰が少し引けました。校正のほうが掲載されたものです。

 フランスは、楽しくもあり、やはりちょっと悲しくもありでした。

元原稿の著作権は、著者本人にあるものとして。

オネーギン:愛をもてあそんだ者の報い

 今月、3週間にわたるロイヤルバレエの特別プログラムは、カンパニーの創始者で昨年なくなったニネッテ・デ・ヴァロワにゆかりのある三つの作品が一週間ごとに取り上げられる。中でもジョン・クランコ振り付けの「オネーギン」は、見逃せないパフォーマンスといえるだろう。プーシキンの原作を元に、1965年。シュツットガルトバレエ団のために創作され、ロイヤルバレエでは2001年が初演ということで大きく注目された。
 19世紀ロシア、田舎の裕福な家庭で育った姉妹、タチアナとオルガのもとに、オルガの許婚で詩人のレンスキーが、オネーギンをつれてくる。タチアナはオネーギンに心惹かれるが、彼にとってタチアナの愛は幼すぎ、彼女の手紙を破り捨てる。オネーギンはレンスキーを挑発し、決闘で友人を殺してしまう。数年後、美しい人妻となったタチアナにオネーギンは愛を告白するが、彼女は拒絶し、彼の手紙を破り捨てる。
 筆者も昨年観るまでは、どんな舞台か知らなかったが、目の当たりにしたのは美しく、胸に迫る素晴らしいドラマだった。一幕のガーデンパーティーの躍動的な群舞、1幕、3幕でのタチアナとオネーギンのパ・ド・ドゥ(主役二人の踊り)が見せる愛に翻弄される悲しみ。原作があるとはいえ、バレエだからこそ表現できた愛の物語だろう。批評家、観客双方から高い評価を受け、2001年のロイヤルバレエを語る上で、見逃せない素晴らしい舞台である。
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