LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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2003年05月の記事一覧

Love is Torture

2003.05.31
親愛なる皆さん

 おはようございます。試験の終わりとともに、ロンドンの天気、素晴らしく、昼間のパブ通いが習慣になりそう。

 タイトル、驚いていただこうと思いました。僕のことじゃないですよ。昨晩観てきたオペラ「ハムレット」が余りに素晴らしかったので、オペラに興味の無い方が大多数だとは思いますが、まぁ、どうぞ。
 今月の1本目の原稿で書いた「ハムレット」、筋は飛ばします。ハムレットはサイモン・キーンリサイド、オフィーリアがフランス人のナタリー・デッセイ。ハムレットのお母さんをやった方も素晴らしかったんですが、この二人の演技、歌に圧倒されました。気がふれた振りをするハムレット、彼に「もう愛していない」といわれたオフィーリアの苦悩、瞬きするのも惜しいくらい、濃密な舞台。特にデッセイの見せ場、第4幕の悲しみの余りの狂乱の末、自殺するオフィーリアの歌、表情、演技。トータル15分くらいですか、字幕を気にする余裕も無く、デッセイの歌と演技に魅せられました。小柄な、時に本当に少女のように見える彼女が、舞台上に花を散らしながら歩き、歌い、その細い腕にナイフを押し付け血が吹き出し(勿論偽物)、その間中、ハムレットと結婚する幸せを歌う、極上のコロラトゥーラ・ソプラノがオペラ・ハウスに響き渡る。花が敷き詰められた広いステージ、たった一人の本当に小柄なソプラノ歌手が生み出す一瞬の美に、誰一人として身じろぎしていない感じでした。目頭が熱くなると同時に、タイトルが浮かんできました。
 彼女が舞台に横たわり、歌い終わると、当然の如く大喝采、ブラヴォーが3分くらい続き、周りの観客からはStunning, amazing, fantastic, marvelous, superb, brilliant ありとあらゆる感嘆の単語が飛び交っていました。最後、オフィーリアの亡骸を抱き上げた直後のハムレットの、あらゆる感情が入り混じったような、また、全ての感情を失ったようなキーンリサイドの演技にオペラを好きでよかった、と思いました。カーテンが下りて、主役二人だけが最初出てきたんですが、兄弟のように楽しそうに戯れながら出てきた二人、特にデッセイのはちきれんばかりの明るさに、一層ひきつけられました。彼女がキャンセルした「ナクソス島のアリアドネ」のツェルビネッタをどうしても見たい。久々に、おかっけ虫がうずうずしてきたけど、それをするには一千万単位のお金が必要でしょう。

 惜しかったのは、空席が目立ったこと。理由の一つが、プレスがこき下ろしたからだと思います。歌手は誉めたんですが、舞台が暗いとか(確かにライティングはひどかった)、ハムレットが死なないのは「ハムレット」じゃないとか。批評の出だしが「Disappointing」とか「Please get me out of here now」とか、誉め言葉ではじめろよ。あと、聴衆。携帯電話が鳴り捲り、最低。

 フランス語オペラを舞台で観るのは久しぶりでしたが、よかった。たかだか10年ちょっとのオペラ人生ですが、この喜びは暫く余韻を残しそうです。ミュージカルとオペラはどう違う、なんて古臭い質問はしまって、観にいってみてくださいな。


携帯電話は、第一幕でなることはまれです。幕間にスイッチを入れてそのまま、というのが原因ですね。なので、最近は、ロイヤルは各幕が上がる前に必ずアナウンスを入れています。
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一応の一区切り

2003.05.30
 おはようございます(イギリス時間)、もう、台風が出始める季節なんですね。

 昨日、木曜日に最後の試験が終わりました。前にも書きましたが、今回は社会心理学と精神病理学を選択しました。試験はどちらもかなり難しく、正直なところ、力強く「通りました」、とはいえないです。3問の質問に答えなければならないところ、2問は書き終え残る1問が半分までいったかどうか、というところでどちらも終わってしまったので。今回の試験の結果を含め、全ての結果が届くのが7月の終わりか8月の初め、そこで追試を受けることになるのかが判ります。余りにひどいと追試すら受けられないんですが、追試を受けられるくらいの点数を取れることには自信があります。
 昨日、終わってから余りに僕が自信なさげだったのでしょう、クラスメートの何人かから一緒にパブに行こうと誘われ、珍しくついていきました。天気は素晴らしく、ある公園の入り口の脇にあるかなり小奇麗なパブの外で僕はレモネード、他はワイン、ビール、シャンペンを飲みながら、話し笑って、気持ちよく日光を浴びていると、思った以上にさっぱりした気分になりました。日本での大学生時代はアルバイトに忙しくてクラスメートと飲みに行くなんてなかったです。今回、ロンドンで世代、国籍はばらばらながら、クラスメート、というか友人と一緒に勉強できて、2回目の学生生活は、結構いいものだったなと。もしパブに行かないで、どん底の気分のままだったら、このメールはもっともっと沈んだものだったことでしょう。
 喋って、日光を沢山浴びて、よく食べて、よく寝たら、いつもの自分ですな。鬱病になったらどうしよう、と思う人間は、鬱病にはならないでしょう。友人は、財産ですね。

 ここまでみなさんに読むことを強要してきたんですから、勿論全ての結果は報告しますので。ということで、この夏は試験の結果を待ちつつ、ロンドンの夏を楽しむことになりそうです。ロンドンでもまだ行ったことがないエリアは沢山あるので。

 よい週末を。

無残なリージェンツ・パーク

2003.05.27
親愛なる皆さん

 おはようございます。明日は試験、なので、これ以降数日は届かないと思います。

 今朝は、気持ち寒かったんですが、抜けるような青空が広がった(世の中は休日)ので、午後から図書館に移動し、緑を見たくなったのでリージェンツパークをつっきって帰ることにしました。
 今日はどの道を通っていこうかな、と思っていた目の前に広がっていたのは、フェンスに囲まれ、芝生を引っ剥がされたサッカーのピッチでした。何でも、子供用のピッチを作るとか、でこぼこだったグラウンドを平らにするとか書いてありましたが、公園の中心、つまり公園全体の半分近くがフェンスに囲まれ赤茶けた風景が広がっているのは、脱力感しかありませんでした。誰かが決めたことなんでしょうけど、これから緑が美しい時期なのに、こんなことよくやるなと。期間は2004年の9月まで、絶対に終わらないと思う。僕にとってのロンドンの魅力が半減したような感じです。

 で、気を取り直して、そのままリージェンツ運河のほとりを歩いて戻ってきたんですが、ロンドンに来た折、この運河のほとりを歩いたことありますか?カムデンからリトル・ヴェニスの間がいいコースになっています。で、この季節、木々の緑は輝き、幾つかあるプライヴェートガーデンは手入れが終わって、ここはやっぱり「イギリス」だなと思えます。都市部の運河というと、暗渠を思い浮かべたりします。それはそれで、江戸川乱歩の「怪人二十面相」の世界を思い出したりて好きなんですが、この運河沿いは明るくて、危険も無さそうだしロンドンの魅力の一つでしょう。
 この時期は、ロンドンが一番綺麗な時期だと思っています。今日も、ほとりの芝生とそこに広がる小さな黄色い花を見ていたら、肩の緊張が少し軽くなりました。昔サンディー(&サンセッツ)のライヴで聞いた「花咲く丘に涙して」という歌を思い出したりして。今すぐ、ウェールズか、北部イングランドの緑広がる丘陵地帯にすっ飛んでいきたいです。

 で、明日は精神病理学の試験。お時間があったら、添付の過去問を是非。結局、正解がない分野なので、ひたすら覚え、過去の問題をもとにどんな答案を書こうかと構成を考える、その繰り返しです。たかがテストですけど、こちらに来てからやってきたことの総まとめ、と思うと緊張します。

 地震で怪我をされた方が居ないことを祈りつつ。なんか、地震が多いそうで。

心理学で使う英語

2003.05.26
親愛なる皆さん

 おはようございます。何通めだか?でも、書いていると気が落ち着く。

 これは試験が終わるまでは、と思っていたんですが、ねたが尽きたので。それと、まぁ、もしかしたら少しは役に立つかなと思いまして。

 留学経験がある皆さんには目新しさはないですが、イギリスの大学でエッセイを書く場合、必要とされる英語は、「アカデミック・イングリッシュ」になります。何が違うかというと、幾つかあるんですが、僕にとって一番厄介なのが、ラテン語から派生した単語を使うこと。勿論、日常会話の英語も使いますが、要するに口語より文語をより使うべし、ということです。基本中の基本は、同じ単語を連続で使わない。似たような意味をもつ幾つかの単語をフルに使って、繰り返しを極力避ける。一例、show, display, demonstrate とか、分析ソフトを使ったという表現には compute, operate, perform。
 それと、人物を表す主語は何が何でも避け、受身を多様する。でも、今回卒論に使ったアメリカの専門誌ではかなりIとかWEが使われていたので、アメリカはいいのかもしれません。更に未だに自分のものにならないのが、文中でサインポストになる単語。例えば、hence, nevertheless, thus, thereby, in line with など。ロンドンに来るまで、これらを使ったことはなかったです。これらを上手く使いこなすことが、見栄えのよいエッセイを書く秘訣だ、といわれた記憶があります。

 ここから本題。分野によって勿論専門用語は違ってくるので、心理学にも馴染みのない単語はかなりあります。それでもやっぱり、イギリス人が読んでも、「これ、使っていいの?」ということがたくさんあります。卒論の中で「self-esteem(自己高揚感)の程度」と書くときに、degree, level は問題なかったんですが、繰り返しを避けるために何度か magnitude を使いました。プルー・フリーディングをやってくれた友人(もと政治学の教師)が首をひねっていたんでが、よく使うんです心理学では。他に、実験を元にしているので experiment も何度か使いましたがこれも「なんとなく変だ」といわれました。僕は既に何度も目にしているので全く違和感はなかったんですが。実験の種類として、between participants と within participants という表現があります。例えば2種類の実験をやる場合、前者は被験者がグループごとに違い、後者は同じ被験者が両方ともやる、という意味です。更に、実験結果を強調する為に、significantもよく使います。こんなことはどんな言語でも、まま在ることだとも思いますが。あと、未だに違和感を感じるのは、to what extent, extent to which, locus of control, nurture, postulate などです。つうことで、アンケートをまとめてくださった皆さん、馴染みのない単語は、そんなもんだと思ってください。で、間違ってこんな英語を会話で使うと、「pompous」と非難する知り合いが居るので、そんなときは一言日本語で、「やかましい」、と切り返すようにしています。

 試験が終わったら、リージェントのバラ園で昼寝。そろそろ、暑くなるころですね。皆さん、ご自愛のほどを。

ロイヤル・バレエの新作

2003.05.25
すいません、送りすぎ、且つ電話しすぎなんですが、これでバランスをとっています。大物の器じゃないな。

 1月下旬に予約したとき、試験期間中だけどどうにかなるだろうと思ったのが間違いで、予約した全てが試験とかち合い、「ハムレット」(オペラ)と「マノン」(バレエ)は手数料を払ってどうにか他の日に移せたんですが、新作を含む今日のマチネだけが、他の日も駄目、しかもたくさん売れ残っているので払い戻しも不可能、迷った挙句、行ってきました。で、行って良かったです。気分転換にもなったし。

 今回の売りは、今シーズン、唯一の新作で、バーミンガム・ロイヤル・バレエの芸術監督のデイヴィッド・ビントレーがロイヤルの為に振付けた「Les Saisons」。他にアシュトンの「バレエの情景」と、マクミランの「大地の歌」とのカップリングでこの二つと比べて批評家には今ひとつのようですが、古典の小品を見ているようで楽しかったです。音楽はグラズノフ。
 冬から始まって、冬で終わるという流れですが、正直、でだしは不安でした。というのもマリアネラ・ヌニェスとヴァネッサ・パルマーという、僕からするとかなりがっちりした二人が冬のパートで、且つ始まって1分でプリンシパルのヌニェスが何もないとこで足を滑らせ一瞬両手をついてしまったんです。で、なんかちょっとしらけたところで春がはじまり、夏になったところで素晴らしかった。まず、チュチュが華やか、夏のメインを踊ったLauren Cuthbertson(新人だけど、上手でした)のチュチュがオレンジとレモンイエローのグラデーション、群舞は2種類で軽い感じのワイン・レッドとライラック・パープルのチュチュ。最近群舞が今ひとつのロイヤルにしてはかなりの水準だったし。秋、男性がなんかどんぐりの蔕をかたどった帽子をかぶって踊り、ヌニェスと男性3人のシークェンスが続き、冬で終わりました。ロイヤル・バレエの雰囲気に合っている、楽しい作品だと思います。秋で、日本人のクラケンタ君が踊ったんですが、彼は熊川に次ぐ日本人プリンシパルになれるかも。佐々木君は、無理でしょう。次が、アリーナ・コジョカルによるアシュトンで、彼女は伝説になる資格充分です。多分これを受け取られる方で、この夏の「世界バレエ・フェスティヴァル」にいかれる方5人もいないと思いますが、もし彼女がテューダーの「葉は色褪せて」を踊るなら必見でしょう。

 昨年の後半くらいから、オペラ・バレエを見に行く度に、「一期一会」という言葉をよく考えます。きっかけはシルヴィ・ギエムの存在ですが。歌手、ダンサーは機械じゃないですから、同じダンサーでも日によって全く違うだろうし、前回の声のニュアンスと今日のニュアンスは違うでしょう。そして、今日は劇場に居ること自体も「一期一会」だと思うことが在りました。隣に座った男性が話し掛けてきたのであれこれ楽しく話しました。来週の月曜日は昼・夜「マノン」を観るとか、昨年ブエノスアイレスまで観にいった「ルチア」は素晴らしかった、ロイヤル・オペラ・ハウスが在ることは、僕等にとって大きな財産だとか。で、僕がヌニェスの失敗を口にしたとき、彼は「怪我していなければいいけど」、と。頭をがつんと叩かれた感じでした。僕は彼女の失敗に腹を立て、彼は彼女を心配する。こういう方が居てオペラ・バレエの文化が培われてきたのかな、と。

 長々と。来年のロイヤル・バレエのテーマの一つは、バランシーンです。もう、観られないだろうな。

人助け?

2003.05.24
親愛なる皆さん

 おはようございます。よい週末をお迎えだと思います。

 昨日、小切手を入れにシティバンクに行ったら、学生と思しき日本人女性が、カウンターでなにやら困っている様子を隣で見ていて、丁度一緒にカウンターを離れたので、「トラブルのようですけど、判りましたか?」、と。半年間の語学留学でロンドンに来て、学生ヴィザは取れたけど、口座を開けようと思ったら何処の銀行からも「あなたの語学学校は余り評判がよくないので、開けられません」、とのこと。で、偶然アルバイトが出来たんだけど、アルバイト料が小切手だったと。ロンドンに来る前に東京でシティに口座を作ってきたから何とかなると思ったんですが、駄目でした、とのこと。
 シティの場合、イギリスと東京で口座を開いていない限り、相互でデポジットが出来ない(オンラインでは駄目)、ということを知らないのは仕方ないとしても、そんな語学学校に引っかかるなんて、このご時世に。で、考えられる解決法を幾つか教えてあげたんですが、小切手は日本では日常生活では使わないですからね。もし東京に送っても、キャッシュになるのはデポジットしてから28日後だよ、と言ったら泣きそうでした。人助けなんだろうか、まあ、彼女にしてみればこれも勉強でしょう。

 最近、こちらの経済面での大きな話題の一つ。製薬大手のグラクソのCEOの今後2年間の給料が、年平均約8億円という計画に株主が待ったをかけたという話題。人員は削減し、株価は急落、売上は伸びない、なのになんでこんな給料を出すんだと。こういう給料プランを、FAT-CATプランというそうです。どんなデータをもとにこの給与が支払われるのかは勿論判りませんが、個人的には待ったを掛けられて当然だと思います。
 上手くつながりませんが、現在夏季のアルバイトを探しています。で、先週「Bridge Water」という食器の店が土曜日だけのアルバイトを募集、というのみつけました。この内容が凄い。「何事にも積極的で、接客能力に優れ、あらゆる局面でリーダーシップを発揮し、この店で働くことにとても熱心である人」、だそうです。そんな人間、土曜日だけの食器店に来るもんか、と思った次第です。最近よくご登場願う弁護士の友人にこのことを話したら、笑い飛ばしたあとで、「景気悪いし、土曜日だけ働きたい人はたくさん居ると思うよ」。彼の奥さんはコンサルティング会社を経営していて、最近、雇用者のミスマッチに悩んでいるんですが、先日、「僕の元同僚の皆さんは、凄い優秀だし、よく働くよー」、といったら、まんざらでも無さそうでした。何方か、応募されます?そうそう、その食器屋の向かいにアニエスbが在り、ここも「男性衣料」での正社員を募集していました。アニエスがメンズをやっているなんて知らなかったんですが、試験が終わっても募集していたら、応募するつもり。

 ロンドン、漸く晴れました。


今でも、シティバンクのオックスフォードストリート支店に行くと、口座の違いがわからなくて困っている学生を時折見かけます。でも、日本人だけではないです。日本のシティバンクの説明不足だと思うんですが、日本で口座を開いても、イギリスでも口座を開かなければ送金できません。シティバンクで聞いてみたら、外国人学生はもはやシティバンクUKでは口座を開けないそうです。仮にUKのシティで口座を開きたいのであれば、給与振り込み口座にした場合、最低年収は20,000ポンド。単に個人口座を開くのであれば、税込み年収が最低で30,000ポンド、イニシャルデポジットが2,000ポンドだそうです。
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切手

2003.05.23
 こんちには、ロンドンは、まぁいつもの事ですが、結構寒い日が続いています。

 「有事なんたら法」とかSARSの感想を書きましたが、戴いたメールを読み終わって、もどかしいです。自分はロンドンにいて高見の見物をしているだけなのかなとか。試験勉強の合間に、将来のことを考えて、自分のやっていることと現在の日本の状況がかみ合うのかどうかを調べています。結構いろいろ変わっているのを見つけて、それによるもどかしさもあって。現在頭に浮かんだ選択肢は二つ。速攻で日本に戻るか、高飛車なカウンセラーになって、有無を言わせず日本の制度を変える、冗談です。

 本題。基本的に、イギリスでは月に一度記念切手が発行されます。ですが、来月は二回。2日、月曜日に女王のなんかの記念、17日に先日も書きましたが、ウィリアム王子の21歳の記念。女王のほうは1stクラスのみです。このようにメールを送るの大好きですが、イギリスらしい切手が出ると、筆まめの血が騒ぎます。日本向けには、ウィリアムのほうが喜ばれそうですね。既に何度も宣伝が打たれているし、ウィリアムのほうはテレグラフが大々的に紹介していたから、売り切れは必至でしょうね。これで、お小遣い稼ぎでもしようかな。

 試験は、来週です。昨日も、ラテン語から派生した病名の単語(不整脈とか)や鬱病の人が示す症状(7種類)の定義を必死に覚えようともがいていたら、一瞬、気を失いそうになりました。でも、痩せない。

日本の話題がたくさん

2003.05.21
親愛なる皆さん

 こんちは、東京にも晴れ間が戻ったそうで。ロンドンは完全に晴れたわけじゃないですが、まぁ、そこそこの天気。

 勉強の場所を変えようと図書館にいったら、暫くして停電になっちゃったので戻ってきました。で、そこでたまっていた新聞を読んでみて見つけた「有事なんたら法」の可決。北朝鮮、イラク「侵略戦争」もあって、治安に関する不安が高まっているのは想像できます。が、まず思うのは、「何で、日本の政治家って、戦争のことを考えるのがこんなにすきなんだろう」、と。こんなことを書くと、不愉快に思う方もいることでしょう。でもでも、戦争のことを考える前に、考えなきゃいけないことってたくさんあるはず。子供を育てやすい国にして、人口減に歯止めをかけるとか。戦争する前に、国がなくなっちゃうんじゃないのかと、たまに思います。

 デフレになって10数年、海外メディアで日本のことが取り上げられるのが少なくなっていると最近善く聞きます。特に、経済ニュース。でも、先週末はイギリスの新聞は結構日本のことを取り上げていました。先週の金曜日は、ヘラルド・トリビューン(イギリスじゃないですね)が大手町の屋台のお弁当屋さんの話題。上手く行くと一日の売上が5万円だそうです。土曜日は、FTがお鮨の話題と、イアン・フレミングが行った両国にある熊、狸の料理を出す店を取り上げていました。そんな店、存在すら知りませんでした。テレグラフは、「タマちゃん」と例の変なグループのこと、ガーディアンは何でこの時期なのか「お受験」と家族。その前の週は、タイムスが矢張りあの変なグループを大きく取り上げていました。テレグラフは2週間前に、「スチュワーデス神話」となんか最近終わったらしいドラマを引っ掛けて、「日本人の女の子は例え不安定な契約でもスチュワーデスになりたい」、と結構上手に書いていましたね。それと、ニューヨークで売れた、今年ヴィトンのバッグにキャラクターを提供した村上某のフィギュアとか。彼については「アンディ・ウォーホールへの、日本からの返答」なんて書かれていましたけど。
 確かに、経済の話題は減っているけど、日本の出来事をこんだけ丁寧に書いているんだから、卑下することもないと思うんですけどね。個人的にはテレグラフのコリンさんは愛情があるように思うんだけど、ガーディアンのワッツさんは、the sense of British Humour がありすぎて早く交代して欲しいもんです。イギリス人のユーモアは決して人を楽しませるものではなく、からかうほうに重きをおいていると、僕は信じています。

 励まされた話題。マルティナ・ナヴラティロヴァが先週のイタリアでのダブルスで優勝したこと。46歳にしてその原動力は、の問いに、「人生について学ぶことが楽しいから」、だそうです。勉強、頑張ろう。

よい週末を、と書いておきながら

2003.05.16
親愛なる皆さん

 こんばんわ。ロンドンは雨。初夏の雨は、鬱陶しくなくていい感じです。

 とうとう、SARSの感染者がイギリスでも確認されたそうで。個人的には、この国の公衆衛生の基準を余り信頼していないので、しっかり情報を追いかけるつもり。朝日や共同のWEBを見る限り、手洗いとうがいをしっかりしていれば問題はないのかな、と思っています。それとロンドンオリンピック、実現するとエリザベス女王のダイヤモンドジュビリーなんですよね。聖火台を点すのは、女王をおいて他に居ないでしょう。

 精神病理学の件で、幾つかメールを戴きました。今回個人的に避けたトピックは、精神病理学の基礎、これが広すぎ。この講座の広範なテーマが、発症のシステムと、何故悪化するか、ということなんですが、発症のシステム一つをとっても、環境(家族、社会を含む)、遺伝、脳内の化学物質からのアプローチと多岐にわたり、試験の為に絞り込むことはとても難しいです。他は、閉所恐怖症とパニック症候群、自殺、境界性精神病理学、そしてアルコール依存症という具合です。まあ、学部レヴェルですから、こういったトピックの基礎をやっただけですが、カウンセリングの勉強を続けるのであれば、知らなければならないことです。
 幾つかカウンセリング・セラピーについても講義は在ったんですが、知れば知るほど、大変。なので、今聞かれても無責任になりそうで。一つ確実ななのは、ただ聞いてあげるだけ、アドヴァイスはしない、というのは基本の一つのようです。

 僕にとっては、このような、長いメールを書いているのが気分転換です、皆さんには、時折ご迷惑なのかもしれませんが。

今月は2本

2003.05.15
 こんちは。沖縄が入梅だそうで。ロンドンはひと月くらい戻ったような寒さですが、それでもいい天気。

 来週だったはずが、今日、「ロミオとジュリエット」の記事が掲載されました。今回から写真がカラーになりました。その関係で、校正より先に写真が先に入稿ということになり、足首の手術で降板したダーシー・バッセルの写真が麗しく映っているのが皮肉です。限定のに書きましたが、バッセルの代わりにアレッサンドラ・フェリが踊ることになった途端、ほぼ売り切れです。ロンドンのバレエファンも、変化を望んでいるのかな、と。ちなみに、ロイヤルオペラ・バレエとも、今シーズンまでは週末(金曜・土曜)のほうが平日よりチケットが安かったんですが、来シーズンからは、その区分けはなくなり、夜の公演は全て高いです。
 今シーズンは、来月掲載予定のあるオペラを残すのみ。で、これで、多分もう終わりみたいです。結構楽しく書いてきたので残念ですが、まあ、また何かを探します。

 閑話休題。今朝、図書館で朝日新聞の社会面を広げたら、「タマちゃん、横浜市民から朝霞市民に」、横浜市長曰く「朝霞市長から正式な申しいれがあったら検討します」。なにこれ?他に考えて、やるべきことはないの?保護する、もしくは静かに見守る、というところまでは理解できるけど、ここまで来ると、変。これが癒し、というなら、日本はおかしい、とおもわざろう得ないです。世界中に、変な国は他にもあるけど、ひときわ変な感じがします。反面、こんなことを書いていると、かつてのぼやき漫才の人生行路のおじさんになった気分も、しなくはないです。

 漸く、筆記試験のためのノートを書き終わり、これから暗記です。社会心理学は何とかなりそうですが、精神病理学が深すぎて溺れそうです。とりあえず、やまはスキゾフレニア、拒食症、Depression。1月の筆記試験のとき、台所で大声出してノートを読んでいたら、結構覚えられたので、今回もキッチンで。

 早いですが、よい週末を。

6月17日

2003.05.11
親愛なる皆さん

 おはようございます。いい天気なのに、日曜日なのに、筆記試験の準備。

 6月17日に、ウィリアム王子の写真を使った4種類の切手と、硬貨が発売されます。これは彼の21歳の誕生日を記念したものだそうです。このこと大袈裟に考えると、チャールズの王位継承はなかったりして。
 記念切手は大体6種類発行されるのが普通ですが今回は、1st、EU向け、47ペンスと68ペンスの4枚。新聞には2000万枚発行とありましたが、セットではなくトータルの印刷枚数でしょうね。お母さん譲りの、世界一の上目遣いは健在、4枚中3枚が彼の正面から取った写真が使われていて、目線はダイアナ日を髣髴とさせる感じです。皮肉っぽそうな唇はチャールズのものですな。記念セットは2ポンド20ペンス、売れるでしょうね。勿論、僕は買います、並ばないと思いますが。
 逆にコインは、作らなければ善かったのに、って感じです。気持ち悪いの一言。ダイアナにもチャールズにも似ていないし、第一、言われなければ、ウィリアムとは思えない、不気味な肖像です。

 今朝のThe Sunday Times の特集。アメリカ全土では、ペットとして飼われているトラが1万2千頭も居るそうです。これは自然の中の個体数より多いそうで。僕もトラ好きだし、特に子供の頃は可愛いけど、矢張り大きくなると飼えない人が続出しているそうです。固体の違いを無視しためちゃくちゃな交配のため、自然では生きられず、どうするかというと毛皮業者に売られたり、狩猟を体験する為のターゲットして売られて殺されたりだそうです。更に、過去4年間で全米で9人が逃げ出したり、もしくは飼われているトラに殺され、現在、19州でトラをペットとして飼うことを禁じているそうです。この場合、トラは幸せなのかな、と。ちなみに、一番高いホワイトタイガーの子供は1万5千ドルだそうです。

 目指せ、今年の卒業。

巷のニュース

2003.05.10
 こんにちは。今週末は、「母の日」ですな。親不孝が身に沁みる。

 さて、先日の「遺言状」についてメール、不快に思われた方もいて、でも、避けて通れないと思います。でもまあ、難しい話題です。お口直しになりませんが、巷の、といっても新聞に出ていた話題を幾つか。

 今朝の新聞から。個人的には漸くか、と思ったニュース。こちらの裁判官が鬘をかぶるのはご存知の方も多いと思います。新聞には何故かぶるのかも説明してありましたが、あんなのに金をかけることにイギリス人のつまらない意地を感じつつ、「鬘が人を裁くわけじゃないだろう」、といつも思っていたので、今後鬘を廃止、衣装もシンプルなものになるとの報道には、溜飲が下がる(大袈裟)思いです。無意味なことが必要なときもあるでしょうけど、(多分)税金を使ってまで国家的に無意味なことをする必要ないと思います。ちなみに、廃止は調査の結果、半数以上がいらないと答えたからだそうです。

 日本でも当然報道されたようですが、ベッカムが南仏に買った土地つきの家、本当に広いです。来週のゴシップ誌の表紙はこの家でしょう。

 今日のイヴニング・スタンダード紙から。女王の娘、アン王女の二度目の結婚が危機に陥っているらしいです。二人は既に別居。でも、女王は、これ以上の「離婚」を望まないそうです。そりゃそうでしょ。4人の子供のうち、3人までが離婚して、長男は不倫、次男は如何なくプレイボーイ・ライフを満喫している現状では、長女の二度目の離婚が王室に及ぼす影響は大きいでしょうね。同時に、先日も登場していただいた弁護士の友人曰く、「全ての兄弟が離婚なんて、さして珍しくないと思うけど。話したと思うけど、僕の奥さんの兄弟は彼女も含めて全員離婚経験者だよ」、だそうです。ちなみに、女王の三男、エドワードさんのところに12月にお子さんが生まれるそうですが、規定と王子夫妻の意向で、生まれてくる子供には「王子」、もしくは「王女」のタイトルはつかないんだそうです。

 イングランド南東部、テムズの河口付近に最近まで開発の途中で見捨てられた土地があるそうです。そこが、今やイギリス・レッド・データに載っている昆虫のパラダイスになっているとのこと。個人的に、うち捨てられた土地、廃墟、荒地ってもの凄く心惹かれるので、是非言ってみたいんですが。再び開発の手が入ることになっているそうで、貴重な、とくに熊蜂はこのままでは絶滅だそうです。

 よい週末を。


裁判官の「鬘」、まだまだなくなりません。伝統を全て保存したら、保存したいものを全て「伝統」で括りたがるのが、人間でしょう。それと、アン王女の離婚は、ちょっとした危機的状況になっていただけのようです。

バレエ

2003.05.10
親愛なる皆さん

 こんちは、卒論締切日の夜に息抜きのために買っておいたケネス・マクミラン振り付けの「マノン」をロイヤルで観てきました。なんと今年3回目。

 複雑な夜でした。僕にとって「マノン」はシルヴィ・ギエムであり、今まで彼女でしか観たことがなく、その夜の「マノン」、タマラ・ロホのパフォーマンスにどうしてもギエムのイメージを追いかけてばかりでした。かつ、改めて彼女の存在の大きさを感じました。新聞で批評家が、「プリセツカヤはどうだった」とか、「カラスはどうだった」と過去の、もう見ることの出来ない皆さんと比較する態度は嫌いだったはずなのに、自分が同じことをやっているんだなと。でも、矢張りバレエを観始めた頃にギエムの演技を見たことでバレエにはまってしまったので、彼女のイメージを払拭するのはかなり時間がかかりそうです。

 で、実際、ロホの演技は水準以上だったと思います。背が低いのと化粧は厚いけど結構童顔なので「高級娼婦」の設定が「児童売春」に時折見えてしまったのは僕だけではないと思っています。今回の売りは、ロイヤルを担う新しいプリンシパルの「マノン」デビューということで、ファースト・キャストはこの夏東京に行く、アリーナ・コジョカルでした。いつも辛口のガーディアンが五つ星でコジョカルを大絶賛していました。彼女のパートナーは、いつも通りヨハン・コボー。何やかやいいながら、このカップルのも試験終了直後に観にいきます。いつまでここに居られるか、判りませんから。この二人のパートナーシップは既に揺るぎないものになっている上に、コジョカルの評価はコボーのサポートがあってこそ、という評も時折見かけます。なので、日本舞台芸術振興会がこの夏の「バレエ・フェスティヴァル」にコボーをよばないで、怪我から復帰してぼてぼてのウルレザーガにしたのか不思議。

 それと昨日、この秋からのプログラムが正式に送られてきたんですが、二つ驚きました。古典バレエのファーストキャスト全てが新しい世代になっていること。もう一つ、チケット代。クリスマス・新年の時期にやるフレデリック・アシュトンの「シンデレラ」の一番高い席が85ポンド!!、他の古典も軒並み80ポンド。東京よりも高いような気がします。もしロンドンにいたら、一つだけ、どうしても見たいものがあります。バランシーンの「放蕩息子」。昔、パリ・オペラ座の東京公演で観た、エリザベット・プラテルの神々しい、かつ人とは思えない美しい踊り。ロイヤルがこれをやるのちょっと以外だし、第一、踊れる男性舞踊手が居るのか心配。そうそう、バッセルが足首の手術で来月の「ロメジュリ」を降板、代わりはアレッサンドラ・フェリです。


タマラ・ロホとは何度か遭遇していて、実際の彼女はけっこう身長がある。どうして舞台の上ではあんなに丸く見えてしまうのか?

財産を残す、という責任

2003.05.07
親愛なる皆さん

 こんにちは、締め切り前日にして卒論提出、気分爽快。

 先々週、友人を訪ねた折、腹が立った話。何年も交流のなかった彼の親戚(主に従兄弟連中)がいきなり訪ねてきては、「元気?実は君のあの家具が欲しいんだけど」、とせっついているということ。資産は知らないけど、確かに友人は土地も持っているし(ただしど田舎)、母親から譲り受けた年代物の家具も沢山持っているそうです。

 彼の従兄弟連中の浅ましさはおいといて、問題は彼が「遺言状」を書いていないこと。僕はてっきり書いているものだとばかり思っていたので、少々驚きました。今回一緒に行ったイギリス人の友人(企業弁護士)によると、例えばイギリス国内でも遺言状を作成しているのはまだマジョリティではないそうで、これにも少なからず驚きました。一般に普及しているとばかり思っていたので。彼がまだ駆け出しの頃、遺言状にまつわるケースをかなり経験したそうですが、人々の反応はネガティヴなんだそうです。曰く、「遺言状を書く、という事は死を意識してしまう」、とか「家族を信頼しているし、また、誰にこれを残したいと家族には伝えてあるから、遺言状なんて必要ない」とか。家族は「自分」じゃないですからね。

 このことを今日、英会話の先生に話したら、「私はもうとっくに作ってある。死んだあとに子供達が争うのなんか見たくないわ」。「ネガティヴにはならない?」と尋ねたら、「私は財産を持っているし、遺言状を書くのは母親としての私の責任だから」とのこと。続けて、「例えば、知り合いの同性のカップルは30年一緒に住んでいたけど、片方が死んだら残された方には何も残らなかった。死後、何も残さない人なんて少数。遺言状は法律によって効力を発揮するんだから、誰かに何かを残したいなら、また残すものがあるなら遺言状は書いておくべき。財産の多少なんて、関係ない」、だそうです。日本では、遺言状って完璧に効力を発揮するんでしたっけ?どうもアガサ・クリスティーの小説に影響されてか、未だに「遺言状」って自分には縁がないものと思いがちなんですが。ただ、自分の人生の節目に遺言状を書いたり、書き直したりすることは、自分のやってきたことを確認にする作業になるのかな、というきもします。自分に対する契約書、という感じもします、味気ないけど。実は、こちらに来て以来、2回、遺言状のWitnessとしてサインしているので、抵抗がなくなりつつあるのも事実です。

 法律に関して。更にその弁護士の友人に聞いて驚いたのは、同じEUないでも、例えばイギリスとフランスでは全く違うということ、当然なのかもしれませんが。例えば、イギリスでは罪が確定するまでは収監されないけど、フランスでは自分の罪が晴れるまでは収監されるとか。法の違いをいちいち心配していたら海外旅行なんて出来ないけど、「旅の恥は掻き捨て」、は日本以外では通用しない、ということ。

 後は筆記試験のみ。頑張ろう。
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卒論、ほぼ書き終わり、と思いたい

2003.05.05
 連休をのんびり過ごされていることと思います。ロンドンも今週末は3連休、天気も素晴らしいです。

 ここ暫くおとなしかったのは、卒論を書き上げることに全ての時間を取られていたからです。2回目の下書きを出すところまでは問題なかったのに、それが教官から戻ってきたとき、「ここのデータがない、駄目。ということでディスカッションのところのこことあそこも駄目」、ってそれは最初の下書きのところで言ってよ。この時点で締め切りまで10日足らず、ちょっとしたパニック状態に。以前、書いたと思いますが、僕の担当教官はロンドン大学、ロイヤル・ホロウェイカレッジで社会心理学、およびオキュペイショナル・サイコロジーの博士号をとったオーストリア人女性。いい人なんですが、問題が。僕の悪筆はおいといて、彼女の手書きの英語が読めない。ドイツ語の筆記体(ひげ文字)と英語の筆記体がいり混じり、且つ、冗談でなくこちらの皆さんの手書きって、千差万別。脱線しますが、特に「n」、「r」、「w」、「u」の区別がつかない人ってかなり居るんです。他に、身近な経験だと、フランス人の数字、「1」と「7」、「4」と「9」の区別ってかなり難しいです。

 僕の担当教官の場合、前述の4つの他に大文字の「I」と「J」、小文字の「a」と「o」、且つ小文字の「t」がただの記号。彼女の解説を解読するのに丸一日費やし、質問を送ったらあっさり「これだけやれば善いから」って、それがまた時間のかかる分析。これが終了した時点で既に先週の金曜日の午後5時過ぎ。よく土曜日(昨日)には以前大学で政治学を教えていた友人に英語を直してもらう約束だったので急いでタイプしなおし(教官にとっても英語は外国語、にもかかわらず、彼女は自分の英語のレヴェルには自信ありあり)。この時点で、解読した解説の中でどうしても意味が通らないところがあったんですが、もしかしたら僕の知識不足と思い、友人に望みを託したら、「これ英語じゃない」、とあっさり。で、戻ってきて小1時間、他の単語と見比べて、漸く解読できて、たった3箇所その単語を入れ替えてすっきり。

 改めて友人がオーストリアン英語からブリティッシュ・イングリッシュにしてくれたところを書き直し、今日の午後2時過ぎに終わったと思って別の友人二人に電話した後に、友人が指摘した間違いを直していなかったのに気付き、落ち着いて読み直し、現在にいたっています。明日、すっきりした頭でもう一度読んでみて、そこで問題がなかったら、漸く一息出来そうです。

 学部レヴェルの卒論だからたいしたものではないでしょうが、矢張りこの3年間の積み重ねと思うと、できるだけ善い成績とりたいですし。アンケートを取りまとめていただいた皆さん、締め切り(7日)後に本編を送ります。たった24ページ、でも長い24ページでした。

Luberon

2003.05.05
で、時間的にパニックになったのは、4月20日から28日まで友人を見舞いにプロヴァンスのちょっと上あたりの、Luberonエリアの小さな村、Cucuronというところに行っていたからです。最初の写真は村の真ん中にある池と、それを囲むように植えられているリンデン(日本語名、度忘れ)です。2枚目は遠景です。村の位置は、www.provencebeyond.com/map のD2で確認できます。マルセイユ空港から車で45分くらい。余談ですが、フランスに行くと、戻るときにいつもパスポート・コントロールで引っ掛かります。今回も、まずパスポートを隅から隅まで、なめるように確認され、挙句数々の質問。そんなに、変な格好していなかったんですけど。

 地域の皆さん曰く、Luberonはプロヴァンスではない、とのこと。で、ピーター・メイルの影響でプロヴァンスがイギリス人に荒らされたのは有名な話。現在、その侵攻はLuberonまで来ていて、3年前と比べると全てが高くなっていました。3年前、村で買えなかったイギリスの新聞が毎日買えることに、その変化を感じました。土産屋まで開店していたし。でも、食べ物は相変わらず美味しい。今回は来る前に卒論でかなり疲労していたのでワインは余り飲めませんでしたが、友人の友人にご馳走になったフォワグラ、旬のアスパラガス、チョコレートケーキ、ブリオッシュ、全てが美味でした。

 でも、この村、および周辺の他の村の開放的でのんびりした雰囲気は変わっていなかったように思います。3枚目の教会は、Bonnieux(ボニュー、oにアクセントです)、というところです。村の中心にあるカフェに入ったところ、店の親父が超おしゃべり、且つ「世界の歩き方」を出してきて本人の写真を見せてくれました。お礼代わりに、音声的に日本語でBonnieuxは「ブレストフィーディング」だと通訳してもらったら大笑いしていました。

 友人の見舞いに関しては、腹の立つ話を聞いたんですが、それに関することは後日。2回、お昼を一緒にすることが出来たし。英語で話すのはかなり億劫だったみたいですが、他の友人が間に入ってくれたので、何とか話すことも出来たし。

 勉強の方は、筆記試験を残すのみ。いろいろな経験が、血肉になっていることを祈りつつ。

5月の原稿

2003.05.01
親愛なる皆さん

 今日は、皆さんお健やかに過ごされていることと思います。

 卒論の締め切りまで一週間を切り、数年前のY2K対応で青山に篭っていたときと同じくらいのストレスを感じています。で、約ひと月半前、元気だった頃に書いた3本の原稿のうちの一つ目、「ハムレット」が今日出ました。フランス語によるオペラって、これと「ホフマン物語」しか見たことなくて、編集の方からは「ドイツ語オペラと、イタリア語オペラと、フランス語オペラの違いを書いてください」、と言われたんですが、ちょっと今の自分には無理だし、まして600字で書ける訳がない。いずれにしても、ナタリー・デッセイさんがキャンセルしないことを祈っています。

 今日はロンドンの中心では大規模なストがあるそうですが、それをかいくぐって、これから図書館です。
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