LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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2004年03月の記事一覧

夏時間、その他

2004.03.29
現在、日本時間午後1時半、ロンドンは午前5時半、先週だったら午前6時半でした。

 ということで、実際に夏時間が始まったと感じる方の数は今日の方が多いと思います。昨日、日曜日の午前2時(だったはず)に時計の針が1時間早められました。昨日の朝、知り合いと一緒にマリルボーン・ハイ・ストリートで毎日曜日の午前10時から始まるファーマーズ・マーケットにいったんですが、ガラガラ。同じ通りの、平日は観光客の方も多いカフェ・ヴァレリーは、日曜日の午前中は地元の皆さんが新聞を読むために占拠しているんですが、これまたガラガラ。「みんなオーヴァースリープしているよね」、と言いつつ。
 日本でも導入するのしないのと言っているようですが、面倒くさいですよ。僕は腕時計と目覚し時計を土曜日寝る前に調整するだけと至って楽ですが、1時間起きる時間が早まるのに慣れるには2日はかかります。これが、一般家庭になれば、時計を内蔵している電化製品が多く、年2回、「マニュアルどこにしまった?」、との揉め事が絶えないことでしょう。パソコンは勿論時計を内蔵していますが、既にお気づきの方も居るように、僕はこれは日本時間にしています。今は、パソコンの右下の時計を眺めて、「ロンドンは今何時、アメリカは今何時」、と計算するほうが楽です。ちなみに、夏時間が終わるときは問題にならないことが、始まるときには、大西洋を挟んで起こります。ヨーロッパ(ロシアや中東は知りません)は既に夏時間が始まりましたが、北米は今週末。つうことでこの1週間だけ、混乱が生じます。例えば、この1週間以外、ロンドンとアメリカ西海岸の時差は8時間。が、今は9時間。たった1週間だからこそ、この1時間の余計な時差は喉に刺さった小骨みたいに感じます。それと、確か、アリゾナともう一つの州が夏時間をとっていないと聞いたことがありますが、ちょっとこれはあやふやです。
 確かに、夏時間導入によって、諸外国との時差がいつも同じになるのなら、それは楽でしょう。まぁ、利便性を追求する日本なら、自動夏時間調整システムを創り出すかもしれないですね。でも、体内時計までは。今朝もいつも通り、5時半におきましたが、先週までは午前4時半。いくら早朝型でも、きついです。

 バッキンガムでのインタヴューについて書き忘れたこと。行く前に、こちらの友人たちからは、「やっぱり日本人は大事なお客様だから、日本語で対応できる人が必要なんじゃないかな」、といっていました。本人もそう思っていました。でも、インタヴューでは、日本人だからとか、と言う話題は一切出てきませんでした。日本語のパンフレットを販売しているくらいですから日本人観光客が多いのは彼らも認識しているんだと思います。ただ、実数、毎年どれくらいの日本人が訪れるのか、日本からインターネットでのチケット販売にどれくらいアクセスがあるのかは、多分把握していないんだと思います。

 東京の桜はもう散ってしまったんでしょうね。昔、通いつめた京都の花背峠で見かけた桜はこれからだろうな、と。皆さん、お元気で。


自分のパソコンに、夏時間表示機能があるのを全く知りませんでした。友人にやり方を聞くまで、そんな機能があるわけないと思い込んでいたので、電話でやり方を聞きながら赤面してしまいました。2007年からは、ブッシュのせいで、アメリカのサマー・タイムのシステムが変わってしまいました。
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インタヴュー at Buckingham Palace

2004.03.28
タイトル、「ついに潜入、バッキンガム宮殿」のほうがよかったかもしれませんが。

 約6週間前(丁度風邪を引き始めた頃)、この夏のバッキンガム宮殿公開の為の、期間限定アルバイトの広告を見つけました。確か5種類の職種があり、その中で8月末で終わる「チケット販売アシスタント」に応募しました。どうせ今回も駄目だろうと思っていたら、なんと、先週連絡があり、木曜日の午後にインタヴューをバッキンガム宮殿で受けてきました。こんな楽しい経験、黙っているなんて出来ないし、どうせ採用されそうもないので。
 インタヴューは午後3時。電話で確認したときに、身長、生年月日、国籍、血液型を聞かれ、更に、「受付には2時55分には来ないで。2時56分に来るよう」に念を押されました。セキュリティの為かなと思いつつ、2時55分に表の警察官が詰めている受付に到着。4回名前を聞かれ、中のきちんとした受付に通されました。そこで二つ身分を証明する書類を提出し、待つこと2分、担当の女性が受付に迎えに着ました。気付いたのが、建物の中に入るときも、外に出るときも扉の鍵を開けられるのは、受付に居るセキュリティー担当の係官だけ。でも、その割には僕のバッグやコートのポケットなんかは検査されませんでした。
 で、彼女に案内されて入ったバッキンガム宮殿の裏側のオフィス・セクションのうら寂しいこと。天井は低いし、廊下なんか本当にディプレッシングでした。いつか映画で見たちょっと大き目の塹壕、ってな感じでした。が、通されたインタヴュー・ルームには、理解不能とはいえ抽象画が飾られ、緑もありこんなもんだろう、と思いつつインタヴューが始まりました。
 インタヴューアーは二人、迎えにきてくれた女性と彼女の上司の男性。二人とも僕よりかなり若いのは直ぐわかりました。最初の質問は男性から、「どうしてこれに応募したのか?」でした。本当は「エリザベス女王が好きだからです」と答えたかったんですが、「接客業が好きだし、カウンセリングを勉強しているんで、沢山の人に会うのは役に立つと思って」、と。接客業、嫌いじゃないです。大学生時代、新宿紀伊国屋書店本店の新書・文庫売り場で1年半くらいバイトして結構向いているかと思ったし。辞める日に課長から、「君の強気(もしくは傲慢?)の接客態度にクレームもあったんだけどね」、と言われたのは驚きましたけど。
 ここからが、以前受けたインタヴューとかなり違っていました。生まれてから現在まで何をしてきたのか、何らかのギャップがあれば、月単位で説明を求められ、アプリケーションに書く必要もないと思っていた予備校の名前まで、「念のために教えて」、と。続いて、「電話の向こうでお客さんが怒っていたらどうする?」(普通の質問ですな)、「君が今まで一番感動した顧客サーヴィスはどこで?」、「小さなチームで働くことは、君にとってどんなモチヴェイションなのか?」、「バッキンガムでのチケットセールスと、他のチケットセールス会社との違いを説明して?」、「ここで働くに当たって、君が考える重要だと思うポイントを三つ挙げて?」、「バッキンガム宮殿のチケットを売るとき、他のエキシビションの説明をすることもある。これは、誰にとってどんな意味がある?」など。これって、夏の間約8週間のバイトでしょ、ここまで聴くか、っていうくらいでインタヴューは約1時間でした。
更に、5人の身元保証人、更に更にセキュリティに関する質問表(後日郵送)を求められました。これがまた凄い、「貴方は過去テロリスト・グループとかかわりがありましたか?」だそうです。最後が、「採用されたら、制服を着ることになるから全身のサイズ」が必要とのこと。
 面白かったです。採用されるのは無理だと思いますが、楽しい経験でした。どんな風にバッキンガム宮殿のコマーシャルな部分が運営されているのかを聞けたし。宮殿の中には、郵便局や映画館まであるそうです。
 暫くは余韻に浸れます。それと、早く風邪を完治させないと。

ロンドン地下鉄が止まる日

2004.03.28
親愛なる皆さん

 おはようございます。ここ数日の寒の戻りで、風邪がぶり返し、今度はおなかを直撃。熱が出ないだけましですが。2本続きますので。

 金曜日のロンドの夕刊紙、イヴニング・スタンダードの一面は、ごく近いうちに、大規模な改修工事の為にロンドンの全地下鉄を木曜日の夜から翌火曜日の朝まで閉鎖するかも、と言うものでした。この工事がたった1回で済むのなら、社会全体が協力すれば何とか乗り越えることが出来るかもしれないと思います。でもまぁ、無理でしょうね。予定通りに工事が済むなんて信じられませんからね。1月下旬から始まった週末毎のピカデリー線のヒースロー空港部分の工事はまだ終わっていないし。いずれにしろ、5月からディストリクト線とサークル線の週末ごとの閉鎖はほぼ確定のようです。
 同じ紙面には、テロ対策で地下鉄構内を警備している警察官の無線が、使えない、と。更に、救急隊員の無線も全く機能しないそうです。未だロンドンでテロが起きないのは、奇蹟のように思えてしまいます。それと、火災を起こした新型バス、金曜日から一斉点検の為、全車両撤収、となっています。

 別の意味で腹が立つ話。イギリスの4大銀行の一つ、バークレイズのチーフ・エグゼクティヴが日本円にして約4億円のボーナスを支給されたそうです。これに対して銀行業界の監視団体からはクレームがつきました。確かに、バークレイズは史上最高益を上げたそうだし、役員会は、「彼はバークレイズをイギリスの銀行から世界の銀行にした」と評していますが、やり方が。
 昨年、他の金融機関と差をつけるため、バークレイズは新規のクレジット顧客に対して一見ユニークな特典をつけました。「クレジットカードを作って、且つ貴方のほかのカードの負債をバークレイズ・カードに移したら、月最低50ポンドだけ使ってくれれば、生涯その負債の利息はゼロです」。そりゃ飛びつくでしょう、皆さん。
 ここからが姑息。聞いた話ですが、確かに利息はつかない、でも、負債を含めた全残高に「ペイメント・プロテクション」という強制の保険がかかり、これが実質利息。更に、海外で使うと、1回のトランザクションのたびに使った額に応じて手数料(勿論換算レートは別)。イギリス人の習慣、「Spend now, pay late」を徹底的に逆手に取った商法だと思います。最高益は当然の結果でしょう。ちなみにこのCEO、あるところでこう発言したそうです。「クレジットカードのキャッシュ・ローンの利率は高すぎるから自分は絶対に使わないし、子供たちにも絶対に使うなと言ってある」。

 木曜日、久々のエンタメは、ウィグモア・ホールでドイツ人ソプラノ、ドロテア・レシュマンのリサイタル。よかったです。初めてマーラーの歌曲に感動しました。この方を初めて見たのは、昨年冬のロイヤルの「魔笛」のパミーナ。あごが美しいんです。がっかりしたのが、ドレスのセンス。栗色の髪に合わせたんでしょうが、シルクの茶色のドレスが彼女の体を実際より大きく見せてしまっていました。更に、同じ色でスパンコールが飛び散ったビスチェ。これがチープに見える上に、本人が着慣れていないのは明らかで、上半身の動きが超不自然。次ロンドンで歌う前に、フェリシティ・ロットに着こなしを伺うべきですな。


地下鉄の愚痴は、もう言うまい、言っても仕方ない、と自分を納得させようとしても、止まりませんね。全く何の工事も、信号故障も無い日は、ないでしょう。

最近、バスで見かけること

2004.03.24
 おはようございます。桜が見たい。2年位前までは、誰かが桜の写真を送ってくれたんですけど、今年はいただけるのかな、と催促してみました。

 以前書いた、最新のベンディング・バス(Bendy Busと呼ばれているそうです)について二つ。全部で乗降口が三つあるので、パスを持っていなくても現実として乗り降り自由状態、と以前書いた気がします。実際、今でもその状況には余り変わりないです。が、流石にこれではよくないと思ったのか、最近よく抜き打ちの乗車券チェックに遭遇します。制服を着ているので直ぐに判りますから、抜け目のないのはバスを降りてしまいます。それでも一人二人は、矢張り罰金を払わされ、且つ住所を書くように要請されているようです。観光で来られる皆さん、面倒でもきちんと一日乗車券を買っておきましょう。
 先週土曜日の話題。現在、ベンディング・バスの路線は確か4つ。そのうち、ロンドン西部のパディントンと、南部のルイシャムを結ぶ路線でのみ、バスが火を噴く事件が3件続いたそうです。4件目が、先週の土曜日の夜に起こり、そのときは、ハイドパークの東側のホテル街の一角、ヒルトンホテルの前で火を噴き全焼したそうです。幸いにも死傷者は居なかったそうですが、これはこれでちょっとびびりますな。まぁ、ロンドン滞在中にルイシャムに行くことなんて絶対にないだろうけど、このような事故や、テロにロンドンで巻き込まれないようにするには、矢張り歩くことが一番かなと思います。

 えー、落ち込んだ、落ち込んだとばかり書いたことですが。10日ほど前にチュートリアルがあり、そこでチューターから、こう言われました。
「We (department) decided not to put you further into the clinical placement for the moment, because you are highly likely to be rejected by the counselling organisation. We do not want you to have such a huge rejection」。
ここまでしっかり考えてもらっていることはありがたい反面、実際の経験を他のクラスメートと同じ時期に出来ない、と言う現実は哀しかったです。何がいけないのか?何をし忘れたのか?大袈裟ですが、置き去りにされた感じがずしりとのしかかり、「漸くカウンセリングを勉強できる機会を手にしたのに、何がいけないんだよー」、と毎日吼えていました。で、昨日のクラスで、このことを話し、クラスメートが受け止めてくれた、と感じて這い上がり始めた所です。実際、状況は何も変わっていませんが、別に辞めろといわれた訳じゃないし、今はいけるところまで行く、と言う気分です。ある友人からの励ましで、この歳になってこんなに気を許せる友人がたくさん出来るなんて素晴らしいことだよね、とのメールをもらったんですが、そのとおりだと思います。と言うことで、この愚痴はもう止めます。
 気分転換代わりに。近所のインド料理とインドネシア料理を混ぜ合わせたようなレストランに行きました。デザートに、大好きなタピオカを見つけ、注文。でてきたのは、ココナッツミルクの中に、緑色のタピオカ。友人が言うまでもなく、まさに、カエルの卵状態。一瞬躊躇しましたが、口に入れちゃえば同じだし、と言うことでカエルの卵かなと思いつつ、タピオカを堪能しました。

 春はもう直ぐ、ブルーベルも今年ははやそうだし、リージェンツのバラ園が芳しい薔薇の香りに包まれるのも、そんなに先のことではないし。皆さんお元気で。



昨年、習った中で、Acting Out という行動があります。自分のフラストレイションを減らす為に、他の人を少ない情報によってじらしたり、自分のフラストレイションをぶつけたりして、自分の心の平静を保とうとする行為。ここで僕がやったことは、まさしくこの行為。深く反省。

20世紀の終わり;オランダ編

2004.03.23
親愛なる皆さん

 おはようございます。先週末のロンドンは西風が吹き荒れて大変でしたが、今日はちょっと風が強いながらもいい天気でした。来週から夏時間も始まるし。

 既に日本でも報道されていると思いますが、先週の土曜日に、オランダのベアトリクス女王のお母さん、ユリアナ王女(80年までは女王)が94歳でなくなられたそうです。ユリアナ女王が80年に退位して、ベアトリクスが女王になったこと、また、オランダはベアトリクス女王まで3代続けて女王を戴いていたことなどを知りました。
 大変気さくな方だったらしく、オランダ国民から広く深く愛されたそうです。反面、50年代と70年代にマイナーながらもスキャンダルに巻き込まれたこともあるそうですが、それを間違いと認める潔さも持ち合わせていた感じです。第二次大戦中はカナダに避難しつつも、社会に貢献しつづけたそうで、どこでかは書いていないですが、献血が始まって直ぐに自分もドナーになったんだそうです。50年代初期に、南部オランダを襲った大洪水では、陣頭で救助活動を指揮したとも。お悔やみ記事ですから、功績を誇張している部分もあると思います。が、ヨーロッパの片隅、且つ多文化が入り乱れる所に住んでいると、ヨーロッパのどこで、20世紀のどの時代に、どんな人が、どのようなことをしたのかを知るのは、現在の社会を理解する助けになるように思います。そろそろベアトリクスさんも退位するのかな。

 もう一つ、今朝の新聞で面白かった特集。The Daily Telegraph からです。The Art Newspaperによると、2003年、世界中で開催された美術展のうち、どれが一番人気があったかを、毎日の来場者数でランキングを集計したそうです。トップは、メットの「ダ・ヴィンチ展」で、一日の来館者は平均約7000人だったそうです。トップ10のうち、ニューヨークはMoMAも含めて五つの展覧会がランクイン。が、ロンドンは30位に漸く一つ入った程度。更に同じ美術展でも、ウィーンでの「デューラー展」が一日4500人だったのに対し、ロンドンはたった837人。
 記者は、一つの要因として、各美術館が手狭であることを強調していましたが、これは主要因ではないと思います。なんせ、入場料金が高すぎ。更に、いつもではないですが、本当にキュレーターが居るのか、と不思議に思うくらい統一感のない展覧会もありますし。一般論にしてしまうのは無理があるかもしれませんが、要するに見に来る皆さんのことを全く考えていない。つまり、不入りの美術展は、イギリスでのカスタマー・サポートのお粗末な現状の一例なのかな、なんて。

 勉強で落ち込んだことは、現状は何にも変わっていませんが、今日、全員が集まったときに思いのたけをぶちまけたので、ちょっと軽くなりました。正直な所、グループ・カウンセリングは、個人的に居心地のいいものではありませんでした。気分的にはかなり難しかったですが、今日初めて、グループ・カウンセリングの役割・意義を認識し、且つ助けられました。勉強すればするほど、本当にカウンセラーになれるのか断言できなくなる感じですが、続けられる所までは続けたいもんです。ちなみに、今日のセオリーは、思春期と青年期。これがまたもう、一筋縄では行きません。

テロの現実味

2004.03.20
親愛なる皆さん

 こんちは、皆さんお健やかにお過ごしのことと思います。未だ風邪が治らず、体力の衰えを実感するこのごろ。

 結果としては何てことなかったんですが、今日の午後、ヴォランティア活動を終えて帰宅時にバス乗りました。ダブル・デッカーです。始発で、「たまには2階の最前列でも」、と思っていってみたら、誰もいない最前列の席に、黒いリュックサックが置いてあるじゃありませんか。マドリッドの悲劇が無かったら何とも思わなかったでしょうが、ロンドンでも連日テロ対策の強化が報道され、特に公共の場での不審物に対する警戒感が急上昇している折、思わず立ち止まってしまいました。後ろの女性も僕が急に立ち止まったもんだから先を覗き込み、二人してお互いを探るように見つめたあとそそくさと下に降り車掌に連絡。すったもんだの挙句、15分で戻れる所、1時間かかりました。
 足下の平穏が本当に崩れるような不安感をはじめて現実のものとして感じました。話はすっ飛びますが、能天気な小泉首相に言いたい。「誰がラディンの仲間かわからないのが、今回のテロの現実。首相自身、更にブッシュが仲間でないと、証明できますか?」、と。危険なのは、ロンドンだけではないですから。実は、先週末以来、勉強のことでこれまでなかったくらい落ち込むことがありまして、漸く吹っ切れてきた所に、この騒動はちょっと重苦しかったです。
 で、その落ち込みについては、これまでなかったくらいに落ち込んでしまいまして。本当は勉強したこと(特に思春期前の非常に微妙な年頃)を皆さんに書きたいんですが、筆も進まず。思うのは、カウンセラーになるのは、大変。あちこち電話したり、こちらの友人と他愛も無いことを話したりしたのもいい気分転換になったんですが、今回なんと言っても助けてくれたのは、同じコースの皆さん。改めてこんなこと書くと、何を今更と思われる方も居ると思いますが、ライヴァルであると同時に、助け合えるクラスメートと一緒に勉強できるのは幸福なことなんだと思いました。頑張ろう。

 閑話休題。恐らく日本でも大きく報道されたと思いますが、とうとうルチアーノ・パヴァロッティがオペラからの引退を表明したようで。13日のニューヨークメトロポリタン歌劇場での「トスカ」が最後のオペラになったようです。ロンドンでも大きく報道されていましたが、米紙のヘラルド・トリビューン(だったはず?!)によると、舞台上ではほぼ置物状態、ほんの少しでも動こうとするだけで、かなり大儀そうだったようです。更に、どうしても動かなければならないときは、共演者がそれとなくサポートし、最後、カヴァラドッシ(パヴァロッティの役)が撃たれる場面では、足下にクッションがあてがわれていたそうです。皮肉好きなこちらの新聞では、「これで二人目の大きな(偉大、ではなく巨体)オペラ歌手が去った」なんて書かれていました。聴きたいと思わないけど、パヴァロッティが居たからこそのオペラは沢山あったわけだし、お疲れ様でした、ですね。もう一つオペラの話題。現在、ロイヤルではサン・サーンスの「サムソンとダリラ」が上演されています。で、ダリラを演じているソプラノの方、現在妊娠7ヶ月だそうです。いずれにしろ、デボラ・ヴォイトが再びロイヤルに立つ日が来るのを心待ちにしています。
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医者を求めて

2004.03.12
 おはようございます。日照時間は長くなってきているのに、冬が足踏みしたままの感じのロンドンです。

 4週目に突入し、でも漸く治りかけてきた風邪。周りの友人たちから今回は絶対に医者にいけ、と言われ今日、やっと医者に巡り会えました。イギリスの医療事情に詳しい方もいらっしゃると思いますが、面倒臭がり屋が如何に医者に巡り会えたか。
 まず、昨日水曜日、朝8時過ぎから近所の比較的規模の大きいクリニックに行ったんですが、最初の3軒はいずれも「今日は込んでいるから、明日また来て」と言われ、「治り掛けてきたからいくのやめ」、と思ったんですが4件目で、「今日は駄目だけど、基礎データのチェックをしてあげる」からといわれ、そこで名前を登録。本当に久しぶりに、血圧、尿などを検査され、看護婦から「貴方なら、明日来なくても治るから」、と太鼓判を押されました。まぁ、それでも漸く名前を登録したし、どんなもんだか経験したくなったので、今朝8時に受付に電話、アポをとりました。
 白衣を着ていないのにまずちょっと吃驚。くたびれたコーデュロイのズボンに、それ以上にくたびれた感じのセーター、一見、医者には見えませんでした。ちょっとずれますが、イギリス人の多くが、ズボンからシャツが大きくはみ出していても、一向直す気配もなく、あんなだらしなく着ていて、気にならないのか、いつも不思議に思います。が、質問はてきぱき、余計な愛想も無く、こんなもんかと。最初にもらったパンフレットには、基本的に一人10分の制限があり、問診に6分、処方箋に1分、と言う感じでした。最後に、知ってはいたけど、念のために質問しました。「どこで、支払うんですか?」。答えは、「無料だよ」。
 いい国。こちらに来て約4年、VATはたくさん払っていますが、基本的に税金を払っていない外国人学生にまでこんな恩恵があるなんて。こんなことなら、多くの国からイギリスに来たがることでしょう。専門医療に行くと手術を受けるまで1年待ちとかたくさん批判がありますが、日本で外国人学生が無料で医者に会えるか?と言うか、日本人ですら、払わなければならないんですからね。ちなみに、風邪は、治ってきたようです。昨晩は久しぶりにぐっすり眠れましたから。今年は既に二つ目標(たいした目標ではないです)を設定しましたが、三つ目に基礎体力回復を目指そうかと思っています。

 先日、吉田さんがでるはずだったので予約したロイヤル・バレエの「眠れる森の美女」をまた観て来ました。吉田さんの代役はアリーナ・コジョカルと同じく客を呼べるタマラ・ロホ。小柄、と言う点を除けば、これまた瞬きするのが惜しいほど素晴らしいオーロラでした。ローズ・アダージョの最後でバランスをキープするまでに少し時間をとったんですが、結果は約4秒ほど微動だにしませんでした。で、吉田さんが当初キャスティングされていたからか、日本人のお客さんがたくさん。平土間の中央2列を日本人女性が占めている光景は壮観でした。他にもご夫婦連れといった感じの方も居たんですが、明らかに旦那はバレエに興味なし。ロイヤルの受付でゴルフの素振りなんかしないで欲しかったです。

オペラ歌手は太っているべきか

2004.03.09
親愛なる皆さん

 おはようございます。まだまだ寒いロンドン、風邪の治りも時速1メートルくらいの早さです。こんな状況なんで、医者に登録しようとしたら一軒目の医者には「今忙しいから、新規の患者は受け付けていない」、とすげなく断られました。ある友人は、昨年のクリスマスの後インフルエンザに罹り、医者にこういわれたそうです、「貴方の症状はあと二日するともっと悪くなるから、今薬出しても意味が無い。だから二日後にきてください」。確かに彼の症状は本当に二日後に最悪になったそうですが、矢張りこの国では自分で自分を守らないと。

 本題です。オペラに興味のない方が多数、と言うことは承知しています。が、オペラ歌手、とりわけソプラノ歌手の体重の話題が全国紙第3面を占めましたので。発端は、先週金曜日のイブニング・スタンダードでしたが、昨日のサンデー・テレグラフ(ご丁寧にも本紙とレヴュー・セクションの2箇所)にアメリカ人ソプラノ、デボラ・ヴォイトがその大きな身体を理由に、ロイヤル・オペラと契約を交わしたこの夏に上演されるシュトラウスの「ナクソス島のアリアドネ」のプリマ・ドンナ/アリアドネ役を、下ろされた、と。僕は彼女を舞台で見たことは無いですが、記事によれば、シュトラウスとヴァークナー唄いとしては現在世界でもトップだそうです。オペラ・デビュー以来約10年、アリアドネは彼女の当たり役の一つでもあるそうです。
 ヴォイト曰く、「ロイヤルは、2002年に上演した新演出のアリアドネの黒いドレスを作り直したくない」とか。記事は、現在のオペラは、歌手よりも演出家を重視するからこんなことになるんだ、との論調でした。今朝のガーディアンではロイヤル側の反論が。ヴォイトと契約したのは5年前、そのときは演出家の要求が、スリムな歌手になるとは想像していなかった、と。
 ロイヤル・オペラに限れば、作品によってはかなり歌手に動きを要求しますからね。先月の「テンペスト」のエリアルは宙吊りで唄っていたし、バルトリもハイドンの「詩人の魂」では結構派手に動いていたように記憶しています。昨年、ウィーンでヴァークナーの「トリスタンとイゾルで」のイゾルデを唄ったときのヴォイトの写真が出ていたんですが、修正するには無理がありすぎるほどのふくよかな体、と言えると思います。ヴォイトも、「トスカは嫌い、だって最後に飛び降りるでしょ」、と暗に容姿が役を限定することを認めているような発言も。それと、ロイヤル・オペラにとっては、このニュースは痛いでしょう。今シーズン、これまでのところ「テンペスト」以外の新演出オペラは評判が押しなべて悪いですから。
 歌手の声の美しさと体積の関係は、昔からよく語られているようですし。歌も大切だし、かといって容姿も重要だし。個人的には、シュトラウスに限れば、ヴォイトが今年ロール・デヴューを飾る「薔薇の騎士」の元帥夫人は、フェリシティ・ロットとルネ・フレミング(二人ともずっと細身です)のイメージがあるし、まして最後に月桂樹の木になる「ダフネ」は、想像できないです。「影の無い女」や「エレクトラ」ならいいのかもしれませんが。3年前かな、ロイヤルでプッチーニの「トゥーランドット」を観たとき、タイトルロールはイギリス人ソプラノの、ジェーン・イーグレン、彼女が輿にのって出てきたとき、鏡餅かと思いました。いずれにしろ、この騒動でアリアドネを唄うことになっているドイツ人ソプラノ(細身)がキャンセルしないことを祈るばかりです。

未知のロンドン

2004.03.05
親愛なる皆さん

 おはようございます。3週目に突入して漸く風邪が治りかけてきたような。あと2年で四十路、と言うことは自分の健康を過信してはいけないんでしょうね。

 時事ねた、とかではありません。如何に自分がロンドンを歩いていないか。カウンセラーを替えなければならないことを以前書いたと思います。で、紹介されたカウンセラー(女性)、本人曰くサイコアナリスト、が住んでいるのは、鉄道のHarrigay駅のそば。区はHaringayと言うことになっています。区分けとしてはロンドン北部になります。ロンドンに住んで4年3ヶ月、そんな区があるなんてことすら知りませんでした。一応ゾーン2と3の境、最寄の地下鉄の駅はFinsbury Park、バスと地下鉄の乗り継ぎが上手くいけばオックスフォードサーカスから約30分。
 が、ロンドンに来て以来、主にゾーン1の西側、しかも最初の2年は曲がりなりにもサークル・ラインの内側でしか生活してこなかった僕からすると、まるで「世界の果て」、もしくは「彼岸」。実際、もしあんな所で暮す羽目になったら、そのときは速攻で東京に戻ります。別にスタバなんか無くても良いけど、活気が無い。住みたい、とは絶対に思わない所です。ちなみに、彼女の家は坂の頂点にあるんですが、そこから更に北に谷を一つ隔てた丘に、Alexander Palace と言う建物があります。今年の7月24日、ここでNHKの「のど自慢」があるそうです。申し込んでみようかな、なんて。
 今日から、改めてヴォランティア活動が再開の運びになりました。今度、週一で訪問することになった方も、それなりにメンタル・イルネスを抱えている方ですが、僕にとってはその方が住んでいる場所が問題。ゾーン2、しかもThe Royal Borough of Kensington and Chelseaの一部。ケンジントン&チェルシーと言えば、ロンドンの区の中でもトップクラスの裕福な区。ハロッズ、ハーヴェイ・ニコルズ、スローン・スクェアがあるところです。が、そんなイメージを裏切るが如くの、Ladbroke Grove。ゾーン1からちょいと外れただけ、しかもチェルシーの一部、なのにスタバもマックも無い。まぁ、東京に生まれ、住んでいたときも、例えば葛飾区、江戸川区には実際足を踏み入れたのは3回くらいのはず。目的が無かったですから。面倒くさがり屋にとっては、今まで知らなかったロンドンを知るいい機会に、なるかどうか。

 エンタメの話題。今週初め、ロイヤル・オペラ・ハウスから会員向の情報誌が届きました。やったー、今年の夏の特別興行はボリショイ・バレエ。仮にギエムと吉田さんが居なくなったら、その魅力が半分以下になるであろうロイヤル・バレエより、現在超売れっ子の一人、スヴェトラーナ・ザハロワを見られるかもしれない、と思えば勉強も仕事探しも張りが違ってきますね。今日のイヴニング・スタンダード紙の付録にアメリカ人ソプラノ、デボラ・ヴォイトのインタヴューが。今年の初夏にロイヤルオペラで上演されるシュトラウスの「ナクソス島のアリアドネ」は、当初ヴォイトがタイトルロールをやるはずだったそう。が、ロイヤルがこれを白紙に戻したと。何故なら、ヴォイトのそのふくよかな、ありていに言えば大きな体が役にふさわしくない、と判断されたからだそうです。
 更に「アリアドネ」ねた。あるオペラ雑誌の表紙は、ナタリー・デッセイがオレンジのつんつんヘアに、ショッキングオレンジと蛍光緑のビキニで舞台に。その横には、ビーチサンダルにアロハシャツ、お揃いの変てこな麦わら帽子を被った男性4人が笑っているものでした。パリ・オペラ座での新演出による「アリアドネ」とのこと。デッセイのツェルビネッタは観たいけど、そんな格好のツェルビネッタを観るのは、嫌です。

 皆さん良い週末を。


サークルラインの内側、というのは山手線の内側と同じような感覚です。
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