LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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2004年05月の記事一覧

ニュースつれづれ

2004.05.31
で、続きですが。巷のニュースに行く前に、もう一つエンタメ。今年9月に、東京のオペラシティでフランス人ソプラノ歌手、ナタリー・デッセイのソロリサイタルがあります。彼女を生で観たのは昨年、ロイヤルでの「ハムレット」だけですが、絶品の声でした。コロラトゥーラソプラノの旬は短いですから。

 明日、月曜日はイングランドとウェールズはバンク・ホリデーで祝日です。マーケット休みですよ、日本橋の皆さん。今朝のThe Sunday Telegraphの一面トップニュースは、Bank of Ireland のCEO(だったかな)が、オフィスで直前のラスヴェガス出張時のお楽しみのために、エスコート・サーヴィスをウェブで探していたそうです。そのときに、本人曰くアクシデントだったそうですが、ポルノサイトにアクセスしてしまい、それが記録に残り、かつ社内の規律が強化された直後だったということで、年収2億円の地位を追われたそうです。他人事じゃないでしょうね、会社勤務だと。
 ここ数日、あらゆるメディアで取り上げられているのが、子供の肥満。性別を忘れてしまいましたが、3歳児が太りすぎによる心臓麻痺で死亡したのがきっかけです。ジャンクフードの広告が規制されるとか、学校で子供に食べることが如何に大事かをもっと教えるべきだとか、喧喧囂囂ですが。だからって、今更またコテージ・パイとかシェパーズ・パイを見直そう、というのはちょっと変。大人の肥満の原因はこれらのパイ、および油たっぷりのフィッシュ・アンド・チップス(好きです)とビールなんだから。イギリス人の味覚を根本から変えないと、解決しないような気がします。
 ハリポタの新作が封切りされましたが、それにともない主役3人の顔写真がシリーズとともにどう変わったかが掲載されていました。これが、冬学期に扱ったトピックそのまま。第1作は「潜在期」のあどけなさ、2作目は「思春期」の、子供の瑞々しさと第2性徴期の猛々しさが同居した表情、そして3作目は既に「青年期」に。3人が3人とも凄まじい変わりようです。特に赤毛の方、偏見を承知で、典型的な純イギリス人(もしかしたらウェールズかな)のどこにでも居る赤毛の青年になっています。女の子は、シャネルのイヤリングを誇らしげに、既に老成した感すらあります。やっぱり成長するときは、段階を追ってきちんと成長するのが基本、というのをカウンセリングを勉強していると、強く思います。

 お持ち帰り試験は、下書きに5日を要し、そのタイプアウトに丸二日。500字のエッセイは本当に久しぶりで、字数制限に四苦八苦しています。明日からは書き直しの日々になりそうです。でも今は、カウンセリングの勉強、本当に楽しいです。どうにか、受かりたいです。
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タイトルを考えられないほど嬉しいニュース:ギエムの去就

2004.05.31
親愛なる皆さん

 おはようございます。日本は暑かったそうですね。はしゃいだメールの前に。イラクで亡くなられた記者の方のご冥福を祈ります。

 今日も「持ち帰り試験」と格闘か、と溜息つきつつラジオからはお気に入りの「ラクメ」のフラワー・デュエット(昔BAが使った女声の二重唱です)や、「真珠とり」のテンプル・デュエットが流れる中、The Sunday Telegraphに久しぶりにシルヴィ・ギエムのインタヴューを見つけ、発売されたDVDやら写真がどうのこうのと続く中、いきなり「She has renewed her guest contract with the Royal Ballet」の一行が。
 くーーーーーーーーーー、嬉しい、来年も居るんだ。何を踊るか一切コメントしていません。渾名が「マドモワゼル・ノン」ですから、「シンデレラ」や「眠れる森の美女」はたくさん踊ったから、今踊っても退屈だろうから踊らないそうです。2000年を最後に「白鳥の湖」は踊らない、と以前宣言しその通りだったんですが、3月にパリ・オペラ座バレエ学校のクロード・ベッシー校長(ギエムをオリンピック体操候補からバレエ学校に引き抜いた名伯楽)の引退ガラで、抜粋ですが踊ったんです。多分それがあったからインタヴューアーも「白鳥」のことを尋ねたんでしょう。
 予想通り、ギエム曰く、「Swan Lake can be a nightmare. 技術的に凄い難しいこんな風に(といって、片方の拳をもう片方の拳を包む仕種をしたそう)。(オデット・オディールという役は)非現実的でなければならないのに、技術は現実的でなければならない。そんなギャップ、もう十分」なんだそうです。そこまで考えてこれを踊る人が他にいるんかいな、との突っ込みを入れたくなりますが。
 インタヴューアーも指摘していますが、契約延長とはいえ、来シーズンの演目でギエムが「踊ってあげてもよくってよ」、という可能性があるのは、マクミランの「マノン」、アシュトンの「A month in the country」と「Marguerite and Armand」くらい。でも「シンフォニー・イン・C」と、もし、もし「白鳥」を踊ってくれるなら何を投げ打ってでもロンドンに居る価値あり。何年の延長かは書いていなかったんですが、仮にさらに数年ロイヤルにいて、バリシニコフ振り付けの「ドン・キホーテ」(NHKホールでジョナサン・コープにリフトされた時の世界の頂点に君臨するかの如くの満面の笑顔、忘れません。あの時ある信託銀行さんの回線トラブルさえ無ければ2回いけたのに)を踊ってくれるならそれでバレエを見納めにしてもいい、とは言わないですが。来年、2005年の7月にロイヤルバレエは6年ぶりに日本に行くそうです。演目はアシュトンの「シンデレラ」とマクミランの「マノン」。吉田さんは来シーズンも居るから、前者で吉田さん、後者でギエムを観られるかもしれませんね。
 今日は、自分の趣味に関して嬉しいニュースが他にも。久しぶりに開いた上々台風のホームページで、彼ら初めてのDVDが、さらにメジャーデビュー前の音源が二つ、この夏に発売されるそうです。この三つを買うためだけに東京に戻りたいです。戸川純も復活しないかな。

 大多数の皆さんには役に立たない内容ですが。もう一つ、短いのを。


戸川純さんも、彼女のバンドヤプーズも活動を再開したようで。

スペインの喜び

2004.05.29
勿論、今週もHELLO! マガジンを買いました。こちらの友人からは、「そんなゴシップ雑誌を買うなんて、信じられない」、と非難されましたが、王室ニュースがあるときだけですから。

 朝日新聞のウェブで結構ましな報道を見ましたが、やはりHELLO!の力の入れ様は凄いです。通常火曜日発売の所、スペイン皇太子の結婚式が先週土曜日だった為に発売を1日ずらし、でもその甲斐あってか売れ行きはいいみたいですね。先週のデンマークの皇太子の結婚式のも売り切れた店があったようです。
 デンマーク皇太子の結婚式での女性人の衣装は豪華でしたが、今回も本当に豪華。雑誌のキャプションは、「結婚式前日のガラ・パーティーは、王室の女性メンバーにとって、自分のドレスを披露するまたとない機会だ」、とのこと。実際その通り、ノルウェー皇太子妃はヴァレンティノのブルーのドレス、ベルギー皇太子妃は目の覚めるピンクのアルマーニ、オランダの皇太子妃はパープルの、たっぷりした感じのヴァレンティノ。更に、モナコのキャロライン王女は、「主役は私よ」といわんばかりのシャネルのオートクチュール。でも、主役のスペイン皇太子妃(この時点ではまだ)のレティツィアさんのプラチナ色のシルクのドレスと、ソフィア女王の渋いゴールドのドレスが、一番美しかったです。一つ残念だったのは、どうやらデンマークのマルガレーテ女王が結婚式には出席しなかったようで。彼女のファッション・センスは好きなので、みたかった。
 翌日の結婚式の写真、ページを開けた途端、何かがおかしい。じっくり数秒間見て、女性がティアラをしていないし、ほぼ皆さん丈の短いスカートであることに気付きました。キャプション曰く、朝に行われる結婚式では、女性は丈の短いドレスに帽子、というのが決まりごとらしいです。これって常識なんですかね?とはいっても流石に王室の結婚式、イギリスのアスコット競馬場のニュースで見るようなへんてこな格好をしている方は居なく、地味だけど高価だとすぐに判るドレスばかりでした。
 今回の結婚式で一番興味を惹かれたのが、ソフィア女王の衣装。象牙色のシンプルなドレスに、スペイン女性の伝統的な衣装の一つ、Mantillaをまとって居ました。ギリシャ王室の出身でありながらこういった振る舞いを通して「スペインの母」と慕われるようになったんだな、と。ウィンザー家からはチャールズ皇太子が出席。一人ぼっちは哀れな感じでしたが、流石にイギリス、モーニングが似合っていました。ちなみに、結婚式が朝だったからか、終わったらさっさとイギリスに戻ったらしく、何をしたかと思えばポロ。
 2週続けてヨーロッパ王室の結婚式を見て思ったことは、数年後には、退位・即位の式典が続くんじゃないかと。オランダ皇太子とノルウェー皇太子の顔つきが随分と威厳がついてきた感じだし。日本の皇太子については、「雅子さんが居れば」。
 近々、イギリスではスペインのカルロス国王についての本が出版されます。タイトルは「People's King」。父親を差し置いてフランコに国王に指名された後、どうやって国民に慕われる国王になったかの半生が綴られているそうです。翻ってイギリス。エリザベス女王の従兄弟に、Prince Michael of Kentという方がいます。彼の奥さん、ドイツ出身のPrincess Michael of Kent, 渾名はPrincess Pushy、今週ニューヨークで人種差別発言問題を引き起こしたんですが、イギリス王室は、エリザベス女王で幕を引いたほうがいいじゃないかなんて、思います。ちなみに、人種差別問題については、2週間後にカウンセリングにおける人種差別、というトピックでプレゼンをやることになっており、ちょっと神経質になっています。

チェルシー・フラワー・ショウ、でも二度と行かない

2004.05.28
親愛なる皆さん

 おはようございます。家に持ち帰っての筆記テストだから楽だろうな、と思っていたら甘かった。100年の眠りにつきたい位です。

 などと泣き言を言っている割に、昨日初めてチェルシー・フラワー・ショウに行ってきました。友人の知り合いが設計に携わった庭がコンペで銀メダルを取ったということで、一緒に連れて行ってもらいました。最初の写真がそれで、既にバーレーンの富豪から噴水だけを買い取りたいとのオファーを受けているそうです。ご興味のある方は、今度値段を聞いておきます。ウェブは、www.rhs.org.uk/chelsea で、庭のタイトルはKnightsbridge Urban Runaissance です。
 毎年、チケットを取るのが大変だと聞かされていたので、行くことも無いだろうと思っていたので、全く何の予備知識も無く行きました。行く前は広大な敷地にコンペ参加の庭があるだけだと思ったんですが、大間違い。プロムナードの両側全てが、ガーデニングに関係する店、店、店。でもって、人、人、人、さらに人。コンペの庭なんて、写真をとるのに一苦労。銀メダルの庭は、関係者の友人ということで特別に庭の中に入れてもらえたので、ゆっくり観ることが出来ました。写真だと見辛いんですが、噴水の後ろに隠れるようにベンチが置いてあり、都市の真中の隠れた、とっておきの憩いの庭、というコンセプトらしいです。植えてある花の色は紫で統一してあり、アイリスや、可憐なスミレが儚げに揺れていて、贔屓目に見てもいい庭でした。ちなみに、3枚目のもコンペに出たものですが、なんだかな、と。
 コンペの庭だけでなく、出店している店のどこでもパンフレットを配っていて、このフラワー・ショウは商品展示、および商取引の場であることに気付きました。だから、庭のコンセプトも売ると。会場の真中には広大なコンベンションセンターがあり、中では薔薇、百合、フーシャ、アンスリューム、盆栽などの店で庭愛好家が競って来年の為の種や苗を注文していました。友人が欲しがったほぼ黒に見えるスミレの種は、初日に売り切れたそうです。2枚目がそのうちの一つで、秋に届けられるアマリリスの球根を売っていました。お約束、カフェで食べたコーニッシュ・パスティが素晴らしく美味しかったです。
 何故、二度と行きたくないか。会場の仕切りが最低。看板は不親切、係員は予想していた通り、自分たちのおしゃべりに夢中。主催者の責任ではないですが、会場を出た後の交通手段が、ひどすぎ。結局スローン・スクウェアまで歩いたんですが、駅のキャパシティがさして大きくないので、あえなく入場制限。オリンピック招致なんて、無謀。まず、サッカーとビールより、働くことを好きにならないと。 
 カメラが壊れて使い捨てで取った為、画質が今ひとつなのと、かなり重いので残りの写真は、ご希望があれば個別に送ります。
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現代のお伽話、もしくはミーハー

2004.05.19
試験期間、始まりました。昨日、チューターから過激にはっぱをかけられたので、なんとしても。

 といいつつ、既に内容を推測されている方もいるかと思います。結婚式大好きヨーロッパ王室ウォッチャー見習としては、今日ほどゴシップ雑誌の一つ、HELLO!マガジンが発売になるのが待ち遠しかったことはないです。
 先週の金曜日、デンマークの皇太子が、オーストラリア人のフィアンセと結婚式を挙げました。結婚式そのものより、招待客の衣装を見るのが本当に、楽しい。特に女性陣。お姑さんになるマルガレーテ女王の白地に赤い花のプリントのドレスと、上に羽織ったチェリー・ピンクの豪華なガウン、スペインのソフィア女王のシックだけど超高価そうな茶色のガウン、スウェーデンのヴィクトリア王女(将来の女王)のティアラが変なデザイン、モナコのキャロライン王女の、映画女優になれそうな位の美貌、でもアップにした髪とでかすぎるティアラがちょっとお水関係に見えなくもなかったり。
 将来の女王になるであろう方の出身地、オーストラリアの盛り上がりも凄いそうです。なんせ、オーストラリア人がヨーロッパ王室のメンバーになるのは初めてな上に、旦那になんかあったらデンマーク女王になることもありうるんですから。一時期、オーストラリアは、英連邦脱退の是非を巡ってで国が二分していたのが嘘のよう、とはタイムズの皮肉。ちなみに、二人の出会いは、シドニー・オリンピックでのレセプションだったそうです。名前は、メアリーさん、この2年デンマーク語の特訓と、女王から直接マナーの特訓を受けたんだそうです。お妃のお父さんはオーストラリアに移住して長いとはいえ、スコットランド出身。なので、かの地の正装、キルトで列席。かなり偏っているとはいえ、文化・民族が妙に混ざり合っていて、予想以上に面白かったです。些細なことですが、一つ気付いたこと。スペインやノルウェーの王様の奥さんの肩書きはクィーンなのに、マルガレーテ女王やエリザベス女王の旦那の肩書きは、プリンス(日本では殿下と訳されていたはず)。何でなのか、ちょっと不思議。
 オランダ、スウェーデン、ノルウェー、スペインからは王族がほぼ総出、逆にイギリスからは女王の三男夫婦のみ。矢張り結婚式には離婚経験者をよびたくなかったのか、遠慮したのかと思っていたら、今週土曜日のスペインの皇太子の結婚式には、チャールズが出るそうです。力関係が垣間見えたりして。まあスペインとイギリスの場合、ジブラルタルの帰属問題があるから、その絡みがあるのかもしれません。オランダは、先月だったか、ベアトリクス女王の次男も結婚しました。奥さんが過去に犯罪者と何らかの関係があり、大統領だったか、議会かが結婚を認めなかったんだそうです。それでも結婚を望んだ王子は、王位継承第二位の立場を放棄したそうです。程度の差はあれ、大陸の王室は世代交代が着々と進んでいる感じです。
 王制復活以来、初めての皇太子の結婚にスペインもかなり盛り上がっているそうで。3月11日のマドリッドでの列車テロで亡くなった国民とその家族のことを思ってかなり規模は縮小されたそうですが、パレードが行われる通りには6千個の花輪(日本風の花輪ではありません、念のため)、通り沿いの建物の窓には、計15万個以上の鉢植えの花が飾られるらしいです。更に、全国から届く記念の品の一部が紹介されていて、牛やロバから、多分何かの象徴なんでしょう、生きた隼まで。来週の発売が今から楽しみだ。ちなみに、ここ暫く、日本の皇室関係の話題も、イギリスの新聞を賑わせています。日本は、変わらない、変われないんですね。

その他と、エンタメ

2004.05.17
 こんにちは、ロンドンも漸く初夏らしい気持ちのいい晴れ間が。この天気が続けば、10日もすればリージェントのバラ園も芳しい香りに包まれることでしょう。

 エンタメに行く前に。昨日の、Sunday Timesに病院のランキングと伴に、イギリスの公衆衛生のレヴェルって、こんなもんなんだ、と改めて思う記事がありました。日本同様に、MRなんとかの院内感染率が高まっているそうですが、それを押さえる一つの手段として、看護婦の手洗いを積極的に励行する、とのこと。そんな、看護婦、および病院関係者が手を洗うことは、無意識レヴェルで常識じゃないのか。言われなきゃ手も洗わない、らしいことかなり驚きました。でも、2年前の夏に当時9歳の女の子の面度を一夏みたときも、家に帰る度に手を洗うように、と小姑の如く言っていましたが、言われた本人は、何で手をそんなに手を洗わなくてはいけないのか、という感じでした。日本での抗菌グッズの流行と全く反対の極端な例でしょうね。あとイギリス人、基本的に頑丈だし。

 昨夜、ウィグモア・ホールで、フェリシティ・ロットとアンゲリカ・キルヒシュラーガーのリサイタルをみてきました。先月のロイヤルでの素晴らしい「薔薇の騎士」、それとロット曰く「アンゲリカとは何度か一緒に唄っているから、楽しみだわ」というインタヴューがあったので、リターンを求めて20回以上通った甲斐がありました。「薔薇の騎士」でも感じましたが、この二人の声の相性が極めてよく、奇蹟の夜ではありませんでしたがこういうコンサートが身近にある幸せを実感した一夜でした。
 演目は、Adelbert von Chamisso の詩にシューマンとCarl Loeweが曲をつけたものを中心に、女性の人生と愛について書かれた歌で構成されていました。この分野には余り詳しくないですが、将来の伴侶となる男性を初めてみたときから、婚約、結婚、出産、それと最愛の人を失った悲しみが、デュエット、ソロで織り成されていくうちに舞台上にその女性と男性の人生が紡がれているようでした。本編の最後を飾ったシューマンのSo wahr die Sonne scheinet での繊細でいて、しなやかな二人の歌声は本当に素晴らしかったです。ロットは企画もののときは余りアンコールに応えないんですが、昨日は2曲もアンコール、どちらも軽快な感じでいい締めくくりでした。後半が始まる前に、ピアニストとロットが、ウィグモアホールへの寄付をお願いしていました。何でも、10月までにあと20万ポンドが必要なんだそうです。宝くじが当ったら幾らでも。そうそう、ロットの地声って、低くって、結構どすが利いているようにも聞こえるので、歌声との落差にはいつも驚きます。
 お約束、二人の衣装。二人とも黒のシンプルなドレスだったんですが、矢張りロットは美しい。恐らく肩が剥き出しになっているであろうドレスの上に、鮮やかな、でも嫌味でない紫色のぴったりしたカクテルジャケット。舞台上で控えめに立っていても、自然と視線が行ってしまいます。キルヒシュラーガーは、淡いオレンジ色のショールをまとっていましたが、なんと言うか、男勝りの妹が手持ち無沙汰にしている感じでした。アンコールに応える度に、ロットが「ほらほら、きちんとそこに立って、ご挨拶して。髪の毛をかきむしらないの」、とキルヒシュラーガーに言っているようでした。
 インターヴァルに、3月にウィグモア・ホールで素晴らしいリートを聞かせてくれた、ドロテア・レシュマンを見つけました。すっぴんだったんですが、大好きなあごですぐに判ったので、話し掛けたら驚かれちゃいました。でも、可愛らしい方でした。ドレスをけなしたことを、ちょっと反省。
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住民税とタクシー

2004.05.13
つい先日、ある方から「面白いです」、と誉められたので、書きそびれていたことと、時事ねたを。

 東京に住んでいた頃、どこそこに住んでいると住民税が安いらしい、なんて話がありましたが、確か実際は殆ど差はなかったはず。ご存知の方も居ると思いますが、ロンドンではその差はかなりでかいです。例えばロンドンでも一、二を争う裕福なウェストミンスターと、隣りのカムデンの税金の差は天と地ほどもあります。前者は、域内に企業が沢山あるから安いといわれ、後者は「Loony Left」が議会の多数を占めるから高いとのこと。高い分、カムデンの公共施設は充実しているようですが、忙しい日本人が使う時間の余裕があるかどうか。ウェストミンスターは、金持ちが多いですから、はっきりいって低額で使えるジムなどの公共施設は少ないです。それを補う為に、申請すれば区内の居住者と労働者(にものはず)にRes Cardを発行します。これをもっていると、ミュージカルの入場料が1割引になったり、特定のレストランでちょっとしたサーヴィスを受けることが出来ます。
 ロンドンのタクシー、空車なのに止まらなかったということを経験した方もいらっしゃると思います。単に、仕事したくなかっただけかもしれませんが、別の理由も。タクシーの免許には2種類あり、「グリーン」と「イエロー」という区分けがあります。後者は、特定の地域での営業を許され、域外へお客を乗せていくのはOKだけど、地元に戻るまでは客を乗せてはいけないんだそうです。ちなみに前者はロンドンのどこでもですが、実際はテリトリーが決まっていて、運転手によっては余り遠くへは行きたがらないかも。
 別に観光の足しになりませんが。ロンドンを走るバス、運行しているのは一社ではありません。Stagecoach, Metroline, First, Arrivaというのが上位4社で、他にUnited(ここのバスは上部が銀色なんで直ぐにわかります)などがあります。車体にロゴがあるので、ロンドンに来られたら確かめてみてくださいな。最近黒、黄色、銀色のバスを見かけます。地下鉄、今後ラッシュアワー時の料金をさらに上げる案があるんだそうですが、既にゾーン1内の片道切符が2ポンド(約400円)になっていたのを知りませんでした。二駅どころか、三つ、四つの駅くらいは歩けるようにしとかないと、あっという間に交通費だけでお財布が軽くなりますね。
 日本ではあって当然のカードのポイント。クレジットカードは大体が飛行機のマイルですが、スーパーなどは独自のポイント換算で、一応消費者に還元しています。一番還元率が悪いのは、セインズベリーの「ネクターカード」。一番お得なのが、日本からは既に撤退したBoots。25ペンスにつき1ポイント(=1ペンス)。時折送っている写真は、ブーツのフィルム(現像すると100ポイント)で、一月に1回はある「トリプルポイント」のときに現像。先日は、気がついたら40ポンド分もポイントが貯まっていました。

 時事ねた。一両日、タブロイド、夕刊紙を賑わせているのが、サッカー、アーセナルのレイ・パーラーの離婚訴訟。元奥さんとの間に3人の子供が居て、別の女性の元に去った。元奥さんは、既に家を2軒(ローンなし)と年5千万円の養育費、さらに巨額のお金を手に入れている。どうやら弁護士に唆されて、新たに、元旦那の将来の収入の半分を要求しているんだそうです。離婚専門の女性弁護士曰く、「私は女性の味方、でもそれもケースバイケース。もし彼女が勝ったら、全国で何人の夫が首を括るか、どれだけの男性が結婚を諦めるか、何人のサッカー選手が引退するか」。ベッカムが離婚したら、どうなるんでしょ。
 6月8日の早朝から昼にかけて、金星が太陽を横切るという、公式な記録としてはこれまで6回だけという珍しい天体ショーがあるそうです。イギリスが、観測に最適なんだそうですが、この国ほど天体観測に向かない国はないでしょう。この間の月蝕も見れなかったし。

 明日から、初夏の陽気になるそうですが、朝になるまではなんとも。



他に顧客への還元率がいいクレジットカードは、スーパー・マーケットのテスコが発行するクレジット・カードや、ブリティッシュ・エアウェイズ・アメリカン・エクスプレス・カードなど。
結局、レイ・パーラーの離婚訴訟は、奥さんの勝訴で終わりました。この件に関しては、女性弁護士の間でも、熱い議論がありました。
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久しぶりに、心理学ねた

2004.05.13
親愛なる皆さん

 おはようございます。ロンドン、本当に寒いです。上着なしでアロハシャツを着た
い。

 http://www.guardian.co.uk/gender/story/0,11812,1214635,00.html

 今朝のガーディアン紙の付録セクションのトップニュースは、もしかすると、小さいお子さんが居る所では不快に思われるかもしれません。60年代に、カナダで生まれた双子の男の子の一人が、北米では普通らしい割礼の手術を受けたとき、病院が失敗しその当時の技術では再生できないほどひどいことになったと。で、そのことを聞きつけたある心理学者が、発達心理学の永遠に終わらない議論、「Nature vs Nurture」での持論を実証する為に、その不幸を被った男の子を女の子として育てるように両親を説き伏せた。でも、結局は女性になれなかった。ここまでは以前、心理学コースで知りました。その方、2週間前に、命を絶ったそうです。複雑。発達心理学自体は、本当に面白い分野なんですが。この議論、正解がない、というか僕としては、共存させなければならない議論だと思います。

 あれこれうだうだ書いていた二つ目のエッセイ、超超低空飛行ながら、通りました。後は来週から始まる筆記試験、なんとしても通らないと。
 プレッシャーは、日増しに大きくなりますが、今学期のトピックは、セオリーを意識しつつも、実際のカウンセリングで遭遇するであろう事を学んでいくので、緊張しながらもわくわくしています。1回目はカップル、今週は家族、続いて中年期のクライシス、老年期、死と続きます。最後のは、昨年亡くなった友人を思い出してしまって、ちょっと抵抗あるんですが、何とか。で、僕がクラスメートとやるのは「カウンセリングにおけるリレイション」と「レイシズム」。まだ、かなり腰が引けています。

 閑話休題。今日、バッキンガム宮殿の人事の方と連絡が取れ、何故採用されなかったを聞きました。曰く、「日本人だからとか、英語が母国語ではないから、という理由では決してない。最大の理由は、電話によるチケット販売の経験がないから」、だったらインタヴューに呼ぶなよ、と思いつつ、「次の機会に別のポジションに応募してもいいんですか?」と尋ねたら、「more than welcome,経験がないことを除けば、君のインタヴューは素晴らしかったからね」、だそうです。話半分以上差し引いたとしても、出す分に構わないみたいです。帰国するまでに、意地でも女王様のお膝元で働きたい。

 もう一つ、続きます。

サッカーにうつつを抜かしているうちに

2004.05.09
親愛なる皆さん

 おはようございます。エッセーが戻される緊張からの逃避です。

 昨日金曜日のイヴニング・スタンダード紙のトップは、悪質なフーリガン17人が収監されたニュース。事の起こりは2年前、ロンドン南部の鉄道の駅で、Charlton とSouthamptonのサポーターが、携帯のテキストメッセージ、メールを駆使して試合当日に喧嘩をすることを決め、決行したそうです。偏見ですけど、フーリガンの喧嘩の連絡如きに暗号を使い、でもそのおかげで警察の裏をかいて、警官が待ち構えていた駅の二つ前で喧嘩して、気がついた警察が到着したときには既に全員が逃げていたと。駅のカメラに写っていたので、2年かけて逮捕、収監に持っていった警察には拍手ですな。フーリガンって、人生のエネルギーを無駄にしている気がする。
 暗号を考えてまで喧嘩したいのかというのも笑っちゃうけど、さらに笑ってしまうのが、Charltonのフーリガンの皆さんの風貌。30代後半から40代前半、頭は完璧にそり上げ、頬とあごはかなりたるみ気味、顔写真しか掲載されていないけど、絶対にはちきれそうなビール腹を抱えているはず。警察のコメント曰く、Many of the Charlton mob were huge; real shaven-head pork-pie eaters、とのこと。この夏、ポルトガルで行われるサッカーの大きなイヴェントを前にイギリス警察は悪質なフーリガンの摘発を進めているそうです。ポルトガルまでいかれる方、「ビール腹、剃り上げた頭のイギリス人らしき」皆さんのそばには近づかないほうが。

 今朝の新聞の大きな話題の一つが、ロンドンを含むイングランド南東部の水道料金が、段階を踏むとはいえ、2010年までに45%も値上がりすること。この地域の水道会社はThames Water。知らなかったんですが、現在はドイツ資本の会社なんだそうです。これに関連するのが、現在ロンドンのCongestion Charge Zone、主にウェストミンスター区で、余りに厳しい取り締まりの為に大顰蹙を買っている、違法駐車の反側切符を発行するのを委託されている会社。5社あるんですが、いずれも係員に反側切符を大量に発行することを奨励し、昨年度の売上は過去最高を記録、各社のCEOは巨額のボーナスを支給されたそうです。で、5社のうち4社が外国資本で、ドイツ、フランス、中東のどこかとロシア。

 落ちはですね、「たかがサッカーに時間とお金を浪費している間に、さらにヒューマン・リソースを無駄遣いしている間に、イギリス資本の会社、なくなっちゃうよ。ビールばかり飲んでいないで、もうちょっと働いたら」、と極々一部のイギリス人の皆さんにこそっと言ってみたいな、と。怖くて言えないですけど。

 リージェンツの薔薇が咲き始めたそうなので、楽しみです。
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サヴォイオペラ、早くも閉鎖

2004.05.08
エンタメです。今年になって、ロンドン3番目のオペラ・ハウス誕生、ということで脚光を浴びたサヴォイ・オペラ、チケットの売上が2割を切るため、6月で休演だそうです。英語に翻訳されて唄われるオペラにはさして興味がないので何ともいえませんが、ロイヤル、ENOがあって更にグラインドボーン(ロンドンじゃないですけど)がもう直ぐ始まる状況では、そりゃ売れないでしょう。先日、演劇に詳しい友人と英語に翻訳されて唄われるオペラについて話したとき、何でそんなに嫌うかを聞かれたので、「ENOは卒業したから」、と言った途端、スノビィッシュといわれてしまいました。速報、終わり。

 本題は、昨夜ロイヤルバレエで観てきた、ケネス・マクミラン振り付けの「アナスタシア」。1967年に創作されたときは、一幕(現在の3幕)のバレエだったのを、71年に現在の1幕と2幕を足して全幕にしたそうです。マクミランのバレエって、とっつきが悪いんで楽しめるかどうかちょっと不安でしたが、面白いバレエでした。あら筋は、ニコライ2世の家族が休暇をすごしている所に戦争勃発の知らせ(1幕)、皇帝のお気に入りのバレリーナを招いての舞踏会と革命の蜂起(2幕)、精神病院の一室で自分をアナスタシアと信じている女性の苦悩(3幕)というものです。大本の題材は、アナ・アンダーソンが自分はアナスタシアと主張した事件とのこと。あとから足された1幕2幕と、元からの3幕の間の雰囲気の差が凄まじいですが、「ロメジュリ」より馴染みました。
 主演は、ヴェテラン・プリンシパルのリアン・ベンジャミン。好きじゃないです。ただ、巷では「マクミラン・ダンサー」と呼ばれている彼女のほうが他のキャストよりは良いだろう、との理由で行ったんですが、自分の傲慢さを反省。素晴らしかったです。ソロのテンションもよかったんですが、同じくマクミランお気に入りだったイレク・ムハメドフ(ラスプーチン役)とのパ・ド・ドゥには圧倒されました。マノンやマイヤーリングでも見られるアクロバティックなリフトがふんだん。どうしてあんなにくるくる回された後にまたジャンプできるわけ、てな感じでした。一幕が始まって直ぐの男性3人によるパートを見て、マクミランの振り付けは難しいことを改めて実感しました。全力でジャンプして3回転しそうな感じなのに途中でスピードを殺してみたりと、怪我させる為の振り付けなのかな、と。
 で、ベンジャミンに余り期待せずに行った昨夜のお目当ては、吉田都さん演じる、皇帝のお気に入りのバレエダンサー(クシェシンスカ)。お相手はヨハン・コボー。役作りのためか、凄まじく濃い化粧にはギョッとしましたが、二人の踊りの優美なこと。流石マクミランだけあって、回転軸が微妙に歪んでいたりと一風変わっていましたが、基本がしっかりしている踊りは、ロイヤル・バレエの至宝ですな。この役、皇帝との間になんかがあったという設定で、ニコライの奥さんとの間に冷たい火花が飛び散るような場面があり、吉田さんって、大人の役もできるんだ、と。

 ロンドン寒いです。

ロイヤル・メールはどこまで落ちるのか

2004.05.06
 おはようございます。学生が連休を羨むのはお門違いですが、良いですね。

 試験期間が近づきつつあるので、大人しく勉強していますが、日本では報道されていないであろう、イギリス、およびロンドンローカルの話題を幾つか。
 矢張り、天気から。4月最後の月曜日、余りに天気がよかったので、上着を羽織っていたとはいえ、アロハシャツで過ごせたのが幻だったのかのような、肌寒い天気が続いています。日曜日は天気がよかったんですが、月曜日以降は、いかにも春のロンドンらしい超不安定な天気。昨日は、図書館の窓から晴れ、雷、豪雨、晴れ、雷のめまぐるしい天気を勉強の合間に楽しみ、今日は豪雨、晴れ、雹、豪雨、晴れでした。驚異的な速さで雲が動く様は、綺麗ですけど。

 実生活に直結している話題を一つ。先週、テレビでも特別番組があったんですが、ロイヤル・メールの質の低下が著しいと。一昔前までは、都市部の郵便は、朝出勤する前に、例えば午前9時前には家に届き、郵便に目を通してからその日が始まる感じだったそうです。が、私企業になったロイヤル・メールは、赤字体質から脱却すべく合理化を図り、その合間に労働者のモラルが低下、配達時間はどんどん遅くなり、配達されない手紙が問題化しているそうです。
手紙の集配所では、英語を喋れない外国人職員が全く指導を受けず、イギリス人労働者はサッカーに興じているとか。更に、アフリカの某国のマフィアによる組織的な郵便の横流しがここに来て明らかになってきたそうです。クレジットカードや小切手帳が本人に届くことなく使えわれたこともあるそうです。個人的には、手紙は届いていると思うんですが、気がついたら、現在手紙が配達されるのが週にたった2回。一時、気のせいかとも思ったんですが、バッキンガムからの「不採用通知」は、日本で言う所の速達で出されたにもかかわらず、9日かかっていました。バスだと15分の距離です。

 どこで読んだか忘れてしまったんですが、イギリスらしい、でも実際に始まると国際的に注目されるであろう事。6月から、ヒースロー空港でチェックインする際、重さ32キロを超えるスーツケースは、チェックインカウンターで受け入れを拒否されることになるそうです。何故か?調査の結果、スーツケースの重さが32キロを超えるとカウンター職員が怪我をする率が高まるとか。どうやってこの因果関係が証明されたのか、が、いかにもイギリスらしい、と納得してしまいます。ただ、旅行者にとっては、笑い事ではないでしょう。実際、既にシンガポール航空を初め長距離フライトを持つ幾つかの航空会社がこのルールを前倒しで適用しているそうです。一番被害を受けるであろう/受けているのが家族、特に子供連れの皆さんだそうです。子供の面倒を見るには荷物をまとめたほうが楽、ということは重量も増える、と。イギリスに、バーゲン目当てで来る方は居るのかどうか判りませんが、余り買い物しすぎると、これに引っかかりそうですね。

 今週末は晴れて欲しいと思いつつ、雨のほうが勉強する気になるでしょう。皆さん、お元気で。


2004年にはいって、地下鉄への愚痴と同じくらい愚痴っているのがロイヤル・メイル。日本のサーヴィスが懐かしい。実は、一度小切手が配送されず、知らないうちに600ポンドも使われていたことが。このときは銀行から確認の電話があって、事なきを得ましたが。

薔薇を再び

2004.05.02
エンタメです。

 偶然、立見席が手に入ったので、「薔薇の騎士」を再度観てきました。先日送ったメールへの返事で、僕にオペラの魅力を教えてくれ方曰く、「フェリシティ・ロットのドイツ語はウィーン訛を反映していなくて、浅い発音と指摘されることもあるんだよ」、とのこと。これで思い出したのが、先日亡くなった俳優のピーター・ユスティノフ。映画、「ナイル殺人事件」でポワロを演じた方です。彼は確か六ヶ国語に堪能でドイツ語も流暢だったそうです。亡くなる数年前までは、ドイツでの人気、知名度はもの凄くたかったそうで、理由の一つが、英語の影響を受けたまろやかなドイツ語の発音、だったとどこかで読んだ記憶が。やっぱりいくら外国語が堪能とはいえ、母国語の発声の仕組みを完璧に変えるのは出来ないでしょう。脱線しますが、仮にまたドイツを話せるようになったとしても、そのドイツ語は日本人のドイツ語以上のものでも以下のものでもないでしょうから。
 ロット以外のメインの歌手は、ドイツ語が母国語の皆さんでしたから、矢張り彼らと比べると違います。ただ、ドイツ語特有の破裂音や、のどの奥から出す音は浅い、というよりしっとりとした、もしくはたおやかな感じで、そこが逆に元帥夫人が表現する特に人生の悲哀を、聴く側の心の琴線を柔らかく刺激する、そんな風に感じました。繰り返しになりますが、ロットの演技の繊細でありつつ、なんと言うか舞台の空気を支配するセンスは今回も素晴らしかったです。軽く手を組んだり、ほんの少し右手を上げてみたり、また視線を5度上げた/下げただけで聴衆の視線を集めてしまう様は、圧巻でした。最後、後ろ手に左手をオクタヴィアンに伸ばし、彼が手を握った刹那の一瞬の背中の震え、「あ、泣いている」、と。
 この役を、他のソプラノで観る気が起きるかどうか、ちょっと不安です。今回のプロダクションでは、第3幕で元帥夫人はスカートの直径が1メートルはあると思われるドレスを着ます。すらっとしたロットが着るからこそ似合うのであって、デボラ・ヴォイト(太っていることを理由にアリアドネ役を降ろされた方)がこの役をやるといっても舞台で観るのは、辛いだろうな。
 来シーズン、ロンドンに居るかどうかは別にして、ロイヤルはリヒャルト・シュトラウスのオペラを全くやりません。今年までは、「エレクトラ」、「ダフネ」、「アリアドネ」、「薔薇」、「アラベラ」、「影のない女」と多かったのは確かですけど。シュトラウスとロッシーニのオペラは、全て舞台で観たいものです。

 興味のある方は既にロイヤル・オペラの来シーズンのプログラムを読んでいることと思いますが、音楽監督のアントニオ・パッパーノのインタヴューで面白かったこと。来シーズン、ミラノスカラ座に君臨するリカルド・ムーティーが20年ぶりにロイヤルオペラで指揮をする「予定」です。楽屋裏では来ないんじゃないかと噂されているそうですが、当のパッパーノも「ムーティーがタクトを振るのをこの目で観るまでは信じない」そうです。2005年5月上演予定のロリン・マゼール(作曲の新作オペラ「1984」、全く一音たりとも出来上がっていないそうです。にもかかわらず、予定上演時間は3時間、不思議だ。今年の新作「テンペスト」も、完全なスコアが出来上がったのは、上演の数日前だったそうですが。ちなみに、キャストはかなり豪華です。

 日本は藤の季節ですね。

結婚式は楽しい

2004.05.02
親愛なる皆さん

 おはようございます。ロンドンもせっかくの連休なのに、天気は今ひとつ。でも、雨が降らなかっただけ良し、の一日でした。

 覚えていらっしゃる方もまだ居ると思いますが、結婚式に出るのが大好き。自分のことは置いといて、働いていた頃は、無理やり招待状をもらったことも何度か。でも、ロンドンに来てからはほぼ皆無でした。が、今日、4年前に語学コースで知り合って以来お付き合いのある日本人の友人(女性)が結婚するという事で、結婚の申請のセレモニーから出てきました。
 最近はイギリスでも日本同様、ホテルで結婚式を挙げる人も増えているらしいですが、友人は一般的に、まず住んでいるバラー(区)のレジストリー・オフィスで結婚の確認と指輪の交換を行いました。ウェディング・ケーキもないし、プロの司会者や、友人代表による歌の披露などはありませんが、家族/友人が見守る中、進行の女性にリードされながら、ほのぼのと進む様を見ているのは良いもんだなと。式の終了後、中庭で記念撮影ですが、デジカメの普及で大仰な写真撮影になることもなく、形式ばらない結婚式で、いっそう楽しかったです。
 そのあと、パブに移ってパーティーでしたが、新郎新婦のちょっとシャイな性格を反映して、お仕着せのスピーチなど全くない、リラックスしたパーティーでした。元からカントリー・サイドのパブで食べる料理は定評がありますが、最近はロンドンにも「ガストロ・パブ」と称される、料理が売りのパブがかなりあります。スターターもメインも選べる上に、アヒルの卵の目玉焼きはどこが普通の目玉焼きと違うのかは判りませんでしたが、メインで食べてチキンが美味しかった。自分の味覚がロンドンのレヴェルにまで下がってしまったのか、という一抹の不安はありますが。
 友人つながりの結婚式って、普段なかなか会えない皆さんにも会えるし、勉強の合間の楽しい息抜きでした。日本に戻ったときは、またたくさん出たいな。
 ところで、友人と旦那が住んでいるのはロンドン北部のHarringay区。カウンセラーを替えるまでは、全く行った事のない地域でした。朝、オフィスの掲示板で面白いものを見つけました。多文化社会になっているロンドン、どの区でも英語を喋れない皆さんのために通訳を用意しています。今朝見つけた中に、どこの言葉?というのが幾つかありました。何方か、Amharic, Sorani, Tigrigna, Twiがどの国/地域で話されているのかご存知でしょうか?うろ覚えですが、現在ロンドンで話されている言語の数は確か300くらいあるはず。知らなくて当然と思いつつ、改めて世界は広いな、と。

 ロンドン観光お助け情報。ロンドン地下鉄は、カタツムリ並みのスピードながら、一応改良が進んでいるようです。今年は特にサークル・ラインとディストリクト・ラインの改修が急務のようで、毎週末、もしくは2週間おきの週末サークル・ラインは前面ストップ、ディストリクトはある区間運休というのが冬まで続くそうです。この影響で、セントラル・ロンドンからキュー・ガーデンに行くのがちょっと厄介。ロンドンに来て週末キュー・ガーデン、というのは避けた方がいいかと。
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