LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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2004年08月の記事一覧

こんなことが起きるんです、イギリスでは

2004.08.26
親愛なる皆さん

 おはようございます。日本の夏は、暑くて大変なようですが、今年のロンドン、異常なくらい集中豪雨が多いです。昨日、今日と日中に、滝壷に立っているのではないか、と思えるほどの豪雨が何度も。合間の空が余りにも美しいので、それを信じて傘を持ってでないと、ずぶ濡れです。

 昨年の11月に現住所に移る際、ロイヤル・メイルの転送サーヴィスを申請しました。2度延長したんですが、落ち着いたことだし、8月の上旬の3度目の更新はしませんでした。現住所に届くものは、他の地域と比べると配達が遅いけど、届くようになったし、小切手などの貴重なものは、前に住まわせてもらっていた友人宅に届くように手配してあって、これもこれまでのところ何も問題が無かったので、サーヴィスのことはさっさと忘却のかなたに行ってしまいました。
 何かおかしい、と思い始めたきっかけは、ロイヤル・オペラ・ハウスから届くはずだった小切手がなかなか以前の住所に届かなかったこと。シルヴィ・ギエムの足首の怪我で、彼女の公演が全部キャンセルになりチケット代が払い戻されることになりました。今回は小切手で払い戻すように頼んだのが、10日ほど前。ロイヤルに電話する前に、編集の方に原稿料のことを問い合わせたら、戻ってきてしまったと。そこですぐにロイヤルに電話してみたら、こちらも戻ってきたとのこと。で、じっくり考えてみたら、先週の金曜日以来、どちらの住所にも何も届いていないことに気付きました。家族が先週の水曜日に出した手紙もまだ。多少のずれはありますが、東京からの郵便は、だいたい2営業日で届きます。それが今回は4営業日を過ぎてもまだ。
 で、昨日ロイヤル・メイルに電話し、調査を依頼しました。「すぐに折り返すから」、とのことだったんですが、何の連絡も無かったので、再度かけてみたところ、こういわれました。「貴方は、転送サーヴィスを延長しなかったから、地域の配送所が、この人物はもうここに住んでいないと思い、全ての手紙を送り主に返送している」。
待たんかい、誰がそんなことを頼んだ?転出・転入を全ての人がロイヤル・メイルに伝えているか?転送サーヴィスの期間が終わって、なんで現住所にも何も届かないわけ?ロイヤル・メイルの今までの仕事って、住んでいようがいまいが郵便物を放り込んでいたじゃないか?じゃ、前の住所から10年以上も前に引っ越した女性の手紙がいまだに配達されるのは何故?なんで僕がいないと断言できて、どうしてこの女性がいないと断言できないんだよ?

 小切手は届かず、もしかしたらお仕事のインタヴューのお知らせがあったかもしれないのにそれも判らず。で、担当者がこう言いました。「この問題の解決には最低10営業日かかります。これがルールです」。怒鳴りはしませんでしたが(電話を受けた人に怒っても仕方ないですから)、久しぶりに沸点を超えました。「10日もまてん、明日返事をするように。さもなければ消費者団体に報告するから」、で今日は終わり。

 今年は、射手座、もしくは巳年の男は、星の巡りあわせが悪いのかな。
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ロンドンに救われた日

2004.08.24
昨日は、ヴァージン・アトランティックのインタヴューに落ちたのを皮切りに、ちょっとしたイライラが積み重なる一日でした。
 スーパーマーケットのレジに並べば、直前のおばさんがお財布が無い、あった、お金が無い、カードが無いのすったもんだ。銀行に行けば、超長蛇の列。それでも、皆さんに愚痴のメールを書き、ほっとした所で、「パスポートをしまっとこう」、と思って午後持ち歩いていた一澤帆布のバッグの中を見たら、無い。無意識に、抽斗の中にしまったんだ、と思ったのに、無い。
 思い出したのは、パスポートをコピーしたこと。次にアプリケイションを送るところが、先にパスポートの本人のサインと、永住ヴィザの部分のコピーを要求したので馴染みのコピー屋に行ってコピーした。で、やっぱりインタヴューの失敗が尾を引いていたのか、コピー機から取り出すのを、すっかり忘れてしまったんです。これに気付いたのが午後九時半。勿論既にお店は閉まり、連絡取れず、少々パニック。自分がしでかしたこととはいえ、警察だけは行っておこうと思って、赴き、紛失のフォームを記入。そこで警察官は「Don't worry, they might hold your passport, there might be a hope」とmightを連発。ご存知だと思いますが、would, could, mightの順に期待度は下がっていくので、「もう、出てこないだろう」とこの時点で諦めました。ちなみに、警察に行ったのは、記憶違いで無ければこれが生まれて初めて。
 警察に行って少し落ち着き、世界が終わるほどのトラブルではないと。が、今度は現実的なことが。パスポート再発行の申請、ヴィザの再発行の申請にかかる費用、時間。たった一度インタヴューに落ちたくらいでこの大失態。とりあえず、ホーム・オフィスのウェブから申請書類をダウンロードして記入。
 で、今朝は4時半には目が覚めて、日本大使館の営業時間を調べたりして時間やり過ごし、8時半、ショップが開いた直後に電話したら、あったんです。2秒間くらい、言葉が出ませんでした。心の底からほっとしました。

 顔なじみ、ということもいい方向に働いたのかもしれませんが、それにしてもこんな幸運。すっ飛んでいき、途中のマークス&スペンサーで売っていた3パック5ポンドのビスケットの大きなパックをお礼に持参。昨日は、自分の弱い面をこれでもかと痛感しましたが、これで厄落としになればいいな、と。

 海外での失敗例、と言うことで。

遠吠えです、どうせ

2004.08.24
親愛なる皆さん

 おはようございます。今朝方、ロンドンはもの凄い土砂降り。その影響で、再開したばかりのダイアナ妃の泉、泥で一部が埋まったらしいです。

 今日、先月中旬に応募して、落ちたと思っていたら、先週お知らせが届いた、Virgin Atlantic のJapanese Passenger Service Agentと言う職種のインタヴューを受けてきました。手紙によれば、先にグループによるテストがあって、それに受かった人のみ午後の個人インタヴューに進めると。手紙と一緒に届いた、セキュリティの為のフォームを書き上げるのにほぼ5時間。これで個人インタヴューにいけなかったらしゃれにならないな、と思っていたら落ちました。今回は余りふれ回らなかったんですが、ある知り合い曰く「君は日本人の範疇に入らないから、受かるよ」、と妙な励ましを受けたんですが。まずは、順に。

 インタヴューは今日と明日の2日間。今日は9人の候補。男性は僕一人で、学生が3人でした。グループ・インタヴューが始まる前に通された部屋でお互い情報交換したんですが、本当に就職難しいそうです。ヴィザのシステムが変わって、結構専門職だと就労ヴィザは以前より簡単に発行される、と聞いたことがありますが、個人で動いていると矢張り難しいし、担当者曰く、今回は千人くらいの応募があったとか。インタヴューアーは、日本人女性二人、内一人はマネージャークラス、それとイギリス人女性二人。イギリス人二人は本当にフレンドリー。逆に日本人の方は、僕の中の、「長く海外で働いてきたとっても冷淡でスノビッシュな日本人女性」(第一の遠吠え)のイメージそのまま。
 まずは、イギリス人担当者から説明。昨年、ヴァージン・アトランティックはかなりの増収だったとか。今年末には、香港経由のシドニー線が就航する予定だそうです。今でも日本人客は大切なお客様だけど、矢張り文化の違い・言葉の壁は大きく、ここにきて日本人スタッフを採用・増やすことにしたと。特にイギリス英語は日本人にはまだなじみが薄いだろうし。
 最初に自己紹介。出だしは僕で、何しているか、応募の理由を簡単に。それと笑顔を忘れず。でも、マネージャークラスの女性は、誰とも視線を合わせようとしませんでした。それが役割なのかもしれないけど、非常に嫌な印象でした。で、最初のタスクは、よく語学学校の初日にあるもの。壁に張ってある紙の上部に自分の名前を書き、グループ全員に質問して、その人の答えをその人の名前がある紙に書いていくというもの。例えば、「イギリスでどこが好きですか?」、と問われて「シリー諸島」、と僕が答えたらその人は僕の所にそれを書く。他愛も無いものです。
 次が、3グループに分かれて、ヴァージンに関連することのラジオ用のジングルを10分間で考え発表する、というもの。これは、恐らくグループ内での協調性、どのようにメンバーの話を聴いているか、と言うことを見ていたのではないかと。これだけ。「こんなもんで判断するの?」と思いつつ、別室で待たされること20分間。で、マネージャーでない方の日本人の方が、初めて日本語で「これから名前を呼ぶ方は、私についてきてください」。呼ばれませんでした。
 多分がっかりしていたんでしょ。帰る道すがらは、「いい経験」と思うようにしていたんですが、落ち着いてきて、一つ気がついたことが。受かった5人、全員が何らかの形で旅行業界の経験がある人ばかり。ANAの地上職、現役のロンドン・ブルー・バッジ・ガイド、ホテルのレセプショニスト等々。「経験者が欲しいなら、呼ぶなよ-ーー-ーー」(第二の遠吠え)。ガイドの方、20年以上住んでいてそんな英語なの(第三の遠吠え、且つ超傲慢)。ということで、皆さんが愚痴を読まされる、と。落ちた理由は答えられない、と言われたけど、これは絶対に知りたい。

 でも、勉強も続けたい、ヴォランティア活動もしなきゃ、更にそれらに影響が出ない程度の仕事が欲しい、と言うのは我儘なんだろう、と思います。これまでヴァージン・アトランティックとは縁が無かったけど、これからも無いでしょう。



イギリスでは、就職試験に関するフィードバックを請求できる権利が保障されています。にもかかわらず、ヴァージンは一切答えませんでした。

ダイアナ妃の思い出

2004.08.22
 おはようございます。映像を見られないのは残念ですが、女子水泳の柴田選手の金メダルに感動。

 今日の午後、ヴォランティア活動の一環、3ヶ月に一回のピクニックに参加。行き先はケンジントン・パレス・パーク。如何にものぐさか、ロンドンに来て約4年半以上、行ったことありませんでした。いい公園。ハイソなケンジントン・エリアが近いからなのか、隣のハイド・パークに観光客が押し寄せているからなのかは判りませんが、絶好のピクニック日和にもかかわらず、静かで時間がのんびり流れていて、良かった。
 で、怪我人が出たために閉鎖されていたダイアナ妃のメモリアル・ファウンテンにいったんですが、非っ常につまらなかったです。昨日から再開されています。まず、一目見て怪我人続出も当然と思われる設計。本当に傾斜がありすぎで、これじゃ足下がおぼつかない幼児だけでなく大人だって足を滑らせること請け合い。さらに説明をされなきゃ全く理解できない、もしくは「そんなコンセプトなんか必要だったのか?」、と思わせるほど貧弱な設計のコンセプト。泉自体はちょっとした傾斜地にありまして、円の頂上から流れ出た水が左右に別れて流れていく設計です。穏やかに流れる所、石ころだらけのところ、急流の所、本当にただの泉。それが設計者曰く、「この泉の流れはダイアナ妃の波乱に満ちた人生の節目を表している」んだそうです。が、こじつけ以外の何物でもない。無駄。こんなのに6億円だなんて、ダイアナ妃が取り組んだチャリティの数々に財政支援したほうが、ダイアナさんも喜んだんじゃないかと思います。一回行けば、十分ですな。日本は箱もの建設で無駄遣いしているけど、イギリスは訳判らない記念建築物で金、人、時間を無駄遣いしている気がする。

 ピクニックは、大変疲れましたが、貴重な経験をつめたと思います。現在参加しているBefriending Schemeは、軽度の学習障害や鬱に悩んでいて社会から隔絶されがちな人(Befriendee)を、organised friend としてサポートする、と言うのがメイン・タスクです。ヴォランティア期間は10ヶ月と決まっていて、僕はこの12月に終わります。同じグループで研修を一緒に受けても、仕事が替わったり、故国に帰らなければならなくなったとの理由で、続けられなくなるヴォランティアもいて、今日参加したヴォランティアの中では、僕が一番経験あるヴォランティアになっていました。
 僕が定期的に訪問している方とだけだったらなんかあったとしても、今では落ち着いて対処できます。が、今日初めて会う、つい半月前にヴォランティアを始めたばかりで不安げな方、初めて会うBefriendeeが混在していると、自分のことだけでは終わらない状況でした。他の皆さんの話を聴いて、聴いて、聴いて。さすがに、4時間たったところで、ちょっとスイッチが切れかかりました。でも、今後もカウンセリングの勉強を続けるのであれば、このようなことはきっとまたあるだろうし、焦らず、経験を積まなきゃと。

 そうそう、今朝おきて、新聞を買いに出たら、吐く息が白かったです。

変わっていく暮らし2

2004.08.21
親愛なる皆さん

 おはようございます。ロンドン、涼しいですよ。是非、お越しください。避暑地としては最適だと思います。

 今朝のテレグラフ紙に、大都市から地方都市に移住した人の生活についての記事がありました。ちょっと、日本との違いを感じた記事です。日本だと、何かと言えば東京への一極集中ですが、イギリスでは、本当に中流の上クラスの収入やステイタスがある人・家族のロンドン流出が続いています。ロンドン郊外の犯罪率の少ない地域への移住の他に、イングランド北部のヨーク近郊の静かな小都市や村への移住も、最近は顕著とのこと。
 以前からこういう流れはあったようですが、大きく違う点が最近は見られると。以前だと、近郊や田舎に移住しても、働くのは大都市で、移り住んだ地域への貢献や溶け込もうとする努力が少なかったと。が、最近は、移住と同時に大都市への通勤をやめ、自分で会社を興したり、余り大都市に行く必要も無い会計士として開業するなどして、地域経済の発展の牽引車になる方が多いんだそうです。
 勿論、目を見張るような大きな貢献ではないでしょう。日本同様に、一つの会社でずっと働くことを選択する人のほうが多勢いると思います。ただ、日本と大きく違う点だと思うのは、「自立」「独立」することが、特別なこととして見られない。どうも今でも日本では、「自立」イコール、「会社人間になれなかった人」、と言うラベルを張られそうな気がするんです。このように、懐が深い、というのではなく選択肢がきっちり機能しているというのは生きていく上で、結構良いことだと思えます。

 先日お知らせしたBAのストについて、一つ訂正。ストライキが予定されているのは30日でなく27日、金曜日です。が、30日が祝日なので、混乱は必至でしょう。先ほどテレグラフのウェブの速報で、BAが来週末前後の予約を受けることを実質、止めたとの報道が。なので、状況はまだ良くないです。でも、今回は僕は経営陣のほうを応援します。呆れたのは、BAの地上職員の病欠を取る割合、全国平均の2倍強なんだそうです。平均、20日弱の病欠だそうです。それで賃上げだと?休職して、療養せんかい、と。しかも、今のBAのトップ3人は、この春に提示された特別ボーナスを辞退したそうです。なぜなら、業績が上がったのは、人員の削減など従業員が痛みを分け合った結果。そんなときにボーナスをもらう理由は無い、と。偉い。この国の組合、全くシンパシーをもてません。

 最後にちょっと自分のこと。進路に関しては、そろそろどうするかを決めました。今は、仕事探しに集中しています。ここにきて、インタヴューに進むのは増えているんですが、なかなか突破できなくて。3週間前に、ロンドン大学のカレッジの一つ、LSEの図書館の総務に応募してインタヴューに呼ばれたんですが、そこで現実を突きつけられました。
 インタヴューの間中、インタヴューのクォリティの高さと、LSE側が要求する仕事のスタンダードの高さにまず吃驚。これって、本当に週17時間の職場か?、と。結果として落ちました。イギリスでは、職探しのとき、会社に対して採用に至らなかった理由を問うことが出来、問われたら会社側は答えなければなりません。これは法律で決められています。幾つかの理由のうち、もっともインパクトがあったのは、「貴方のヴァーバル・コミュニケイションのレヴェルは、こちらが要求する水準に達していない」、と。5年近く、必死に英語で生活してきても、まだなんだ、と。でも、まだ諦めない。
 もう一つ。恐らく、「ヴィザはどうなっているんだ?」、と心配されている方もいるのかな、と思っています。最近、悟りました。出だしで正直でないと、その後の状況が今更言うのを許してくれなくなることが多い、と。ちょっと、遅きに失した感もありますが、既に永住ヴィザを取得しています。勿論、独身です。なので、働けるし、もう少しロンドンでサヴァイヴするつもりです。ただ、どうなるか判りませんが。

 皆さん、良い週末を。
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記号としての国籍

2004.08.18
親愛なる皆さん

 こんちは、また暑いそうで。ロンドンは、夏が戻らないかと淡い期待を寄せつつ、毎朝秋の訪れを感じています。

 テレヴィが無いので映像を観ることが出来ず、イギリスが銀メダルを取った「シンクロナイズド飛び込み」(これ、いつ追加されたんですか?)が見れなくて残念ですが、イギリスでもオリンピックがらしく盛り上がっているようです。日本と違って前半の成績は余り芳しくないようで、今朝のThe Guardianのスポーツ特集では、サッカーとラグビー以外に誇れるスポーツが無いイギリスを悲しんでいる感じです。
 そんな中、特に目を惹いたのが卓球選手としてオリンピックに出るために、世界各国に散らばり国籍を取得しオリンピック出場権を獲得した中国人選手たち。記事の中でメインで取り上げられているのは、中米のドミニカ国籍を取得した男性選手。他に、オーストリア、イタリア、ニュージーランド、オーストラリアの卓球代表は中国人選手のようですね。選手として知名度の高い大会に出てアピールしたい気持ちは理解できるけど、ドミニカ代表になった選手曰く「僕は中国人であって、ドミニカ人ではない」、という趣旨の発言を読むと、特例として異例の速さで国籍を取得し、ドミニカの期待を背負っている彼が仮に優勝したら、彼はどの国の人になるのかな、と。
 海外で暮らしていると、時に国籍って重くのしかかることがあるので、なんかこう、株の売買のようにも取れるこの状況に違和感を感じます。近い将来、アフリカや中東からも中国人選手が、その国の代表として出場することもあり得るでしょう。

 日本でも報道されているようですが、ドイツのシュレーダー首相がロシア人の女の子を養子にしたニュースはイギリスでもかなり大きく報道されています。それがあったからかどうか、もう一つ面白いドイツに関するニュース。ドイツのスーパーマーケットの男性用お手洗いに新しい便器が広まっているそうです。個室で、男性が立ったまま用を足そうとすると、シュレーダー首相や、コール前首相の合成音声で「座ってやりなさい」、と注意されるんだそうです。これは、お手洗いの清掃にかかる人件費・時間を節約する為だそうです。で、イギリスへの輸出も考えているらしく、その際はエリザベス女王の声を採用するかもしれないそうです。こういう発想に文化の違いを感じます。

 最後は宝くじが発売されている国ではどこでもあるであろう調査結果。イギリスの宝くじで高額当選者が出るのは、北部、特にニューキャッスルがだんとつだそうです。逆に、過去の高額賞金のトップ20にはロンドンは入っていないそうです。学費捻出の為に、宝くじ当選を目指すなら、北部移住しかなさそうです。

変わっていく暮らし

2004.08.17
 おはようございます。BBCのお天気情報を見ていると、既に日の出は午前5時半を回る季節。残暑なんて、今年はなさそうです。

 イギリスは、伝統的にチャリティが日々の暮らしと密接につながっている国。世界を股にかけて発言力の強いチャリティとして例えば、Oxfamという団体をご存知の方もいることでしょう。こういったチャリティの一つの活動として、一般家庭で不要になった洋服・本・レコードなどが善意で持ち込まれ、あるものは手直しされたあとチャリティショップで販売されます。それが活動資金として、またそういった活動が彼らの存在をアピールする場です。
 が、ここに来てインターネットがそういった活動を、このチャリティの国、イギリスをさえ脅かし始めたそうです。昨日の新聞、確かテレグラフだったか、チャリティに持ち込むより、インターネットオークションに不要となったものを出品し利益を得ることを選ぶ人が増えつつあると。この流れに拍車をかけたと思えるニュースがちょっと前にありました。パキスタンの国民的英雄だったクリケット選手、イムラン・ハーンとつい最近離婚した、ゴールドスミス(ジューイッシュですな)家の娘、ジェマイマ・ハーン(勿論Aリストセレヴの一人です)がeBayでヴィンテージのドレスを購入、それをパーティーに着てきたと。Aリストセレヴがやるなら、自分だって、と思う人もいたのではないかと。オックスフォード・ストリートやリージェント・ストリートなどは別として、どんな華やかな通りでも少なくとも一つはチャリティの店があるロンドン。彼らの活動が脅かされているのは、イギリス社会の変化の速度が加速しているのかな、なんて思います。
 もう一つ、今週中らしいですが、スーパーの中にある薬局が24時間営業できるようになる法律が施行されるそうです。つうことは、スーパーも24時間営業になるのかな、と。今でも例えば、セインズベリーやテスコなどの大手スーパーの大規模店舗は24時間営業と謳っていますが、実際は月曜日の午前中から土曜日の午後11時まで。日曜日はたった6時間の営業しか許されていません。コンビニの恩恵に与ってきた身としては、日曜日の営業時間の短さにはちょっと、どうにかして欲しいと思っています、いつも。これでデパートなんかも日曜日の朝10時から開くようになったりするのではないかと。

 閑話休題。戸川純がそろそろ活動を開始したと風の噂で聞いていたので、いろいろと探っていたら、彼女がNHKの「みんなの歌」でかつて唄った、CD未収録、且つライヴでも聞いたことが無い「ラジャ・マハラジャ」がDVDで発売された、とのニュースに狂喜し、でそのDVD購入のページに行って更に狂喜乱舞。「コンピューターおばあちゃん」(これは確か坂本龍一が作曲したはず)、「メトロポリタン美術館」など厳選された曲がオリジナルの映像と共に蘇る。「コンピューターおばあちゃん」以降、結構(当時は)ぶっ飛んだ曲がたまにあって、好きでした。勿論「ラジャ・マハラジャ」は外せませんが、「風のオルガン」や「キャベツUFO」をまた聞けるなんて。購入できればですけど。個人的に「みんなの歌」史上、最高の変な曲・思いで深い曲は「うちゅうのうた」。何でこの歌が採用されたのか、今でも不思議ですけど、美しく歪んだ曲が好きな僕にはたまりませんでした。歌詞も変だったし。
http://www.musicsea.net/minnanouta/

 最後に。賃上げ交渉が決裂して、BAの地上職員組合が、30日に大規模なストライキを計画しているそうです。どうなるかは流動的ですが、前後にBAを利用するのはちょっとリスクが高いかもしれません。
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海外旅行の楽しみ

2004.08.12
先日、身辺整理をしていたら、過去に訪れた幾つかのレストランの情報が出てきたので、自慢にならない程度に、ご紹介。

 まず、フランス。昨年亡くなった友人がプロヴァンスのちょっと上、ルベロン地方に住んでいたので、そのあたりが中心です。一つ、Cucuronという村に、寸年前にプロヴァンスブームを巻き起こしたピーター・メイルの現在一番の気に入りのレストランがあるんですが、これだけ見つからなくて。

 まず、L'Hostellerie du Lac Bleu。マルセイユからエクサン・プロヴァンスへの国道をちょっと脇にそれたところに有って、場所はちょっと判り辛いです。料理は、素晴らしいの一言です。手の込んだとか、きらびやかなとかではないんですが、食材の鮮度のよさは、新鮮な味わいを重視する日本人には強く訴えると思います。で、もしフレッシュフォワグラが平気な方であれば、なおさらです。10年程前、まだバブリーだった頃、日本で食べるフォワグラは、いつもソテーされたものでした。それもいいんですが、出来立て(とはいわないですね)、というか生産者から直接持ってきたようなフォワグラって、甘いんですよ、しかも舌の上にのせるととろけるし。元々レヴァーが大好きなんで、もう食べることも無いだろうけど、ここのは大変美味しかったです。貴重なことに、マダムがたいそう流暢な英語を話すので、コミュニケイ
ションも問題ないはず。名前のとおり、宿泊も可能です。
 Address: 13480 Cabries/Calas, 04 42 69 07 81(Tel), 04 42 69 07 82(Fax)。

 次は、Lurs という、かなり高い丘の頂上に位置する村の何とか平野(名前度忘れ)に面する崖のふちにある、La Bello Visto。ミシュランなどのガイドブックには無縁の、でも地元の皆さんから深く愛されている、そんなレストランです。入ってまず目を捕らえるのは、その眺望の素晴らしさ。これだけで、高速からは目と鼻の先なのに、麓から到達するまで30分以上も登るこの場所に来る価値ありです。
 料理は、はっきり言って洗練されている、とは言い難いです。が、ローカルの食材がふんだんに使われていて、美味しいし、なんと言うかフランスの日常生活を彩るレストラン、といった感じかな。行ったとき地元の、結婚50年を迎えたご夫婦を、家族がそろってお祝いしていて、そんな感じがしたのかもしれません。イギリス人の友人の中にも、エスカルゴが駄目な方は結構います。が、大好きです。あのプリップリとした感触が鮑とかさざえを思い出すので。ここで食べた、地元で取れたトマトをじっくり煮込んで作ったソースに絡めたガーリックまみれのエスカルゴ、衝撃でした。それと、付け合せの野菜も美味しかったです。デザートが今二つだったのを除けば、目福舌福でした。英語、全く通じません。
 Address: 04700 Lurs, 04 92 79 95 09(Tel), 04 92 79 11 34(Fax)。
 両方とも、独自のウェブを作るとは聞いたんですが、見つかりませんでした。もしかしたら、地域の観光案内のウェブにはでているかもしれません。

 最後は、先日行ったマヨルカから。Es Faro。Port de Sollerの灯台の脇に有ります。ここは歩いて到達することは出来ても、食後に歩いて戻るのは、無理な所に有ります。送った写真の中にもありますが、ここも眺望が絶品。ここではチーズ以外は全て美味しかったです。特に海老、こんな新鮮な海老、ロンドンでは見たことないし、払えないだろうな、というくらいのものでした。それと、テラスの装飾がシンプルながら、旅行情緒をくすぐる感じです。
www.solleronline.com/esfaro

 3軒とも、一皿の量は、ロンドンとは比べられないほど充実しています。予約は必須。日本からは遠いです。でも、仮にこれらのレストランの近くまで行く機会があったら、僕の戯言と片付けずに、是非お試しください。


残念なことに、La Bello Vistoは閉店しました。眺めは絶品だったし、エスカルゴだっておかわりしたかったのに。

家族史狂奏曲

2004.08.12
 おはようございます。3日と晴れが続かないロンドン。矢張り、今年の夏は余り天気が良くないようです。

 今朝のBBCのウェブで見つけた記事。同じ島国とはいえ、イギリスと日本の間には違う点があるな、と思うのが、こちらの皆さんの、会った事も無い、もはや会う事は不可能な家族のことを知ろうとする情熱。記事でも、Obsessiveを使っていますが、ちょっと過熱気味のように思います。自分のアイデンティティの為に、祖先が何をしてきたかを知ることがそんなに大事なのか、疑問に思います。が、この情熱が普通なのかな、とも。カウンセリングのコースでも、一度自分の祖先と自分を重ね合わせて自己を探る、そんなテキストを使いました。
http://news.bbc.co.uk/go/em/fr/-/1/hi/uk/3552748.stm

 趣旨は違いますが、最近になって頻繁に見かける記事が、生まれてすぐに生き別れた子供を見つけたとか、両親を探し当てたとか。日本でいう、「お涙頂戴」の記事。日本に、そんなテレヴィ番組があったように記憶していますし、現在でもあるのかなと思っています。日本とかなり違う点は、大英帝国の名残でしょう、時に世界を股にかけて探し出すこと。
 でも、全てが感動、バラ色になるとは限りません。成功例だと、以前書いた、ブレア政権一の強面、ジョン・プレスコット副首相の奥さんの話。未婚で生んだ息子さんを育てることが経済的に困難で、3歳のときに養子に出した。ずっと気になっていて、漸く3年前に消息が判って会ったそうです。残念なことに、息子さんは保守党支持者だそうですが、結構上手くいっている、とのこと。
失敗例が、確か過去半年以内に読んだ記事。イングランド中部在住の50代後半のビジネスマンが、生まれてすぐに生き別れた母親がニュージーランドにいることを突き止めたそうです。嬉しさの余り、母親と存在すら知らなかった姉妹をイギリスに招待したそうですが、結果は、「悪夢」以外の何物でもなかったと。彼らが滞在した数日間はまるでエイリアンとの生活だったそうです。せめて手紙のやり取りが有ったのならともかく、ウン十年のギャップを、「家族だから」というマジックワードが埋めるなんて、ちょっと現実的でないでしょう。それでも、この手の番組やウェブサイトが増えているそうです。

 今朝の話題から。産休に入った直後、会社を首になった30台半ばの女性が、ジョブ・センター(ハローワークです)でこういわれたそうです。「(再就職したかったら)履歴書から、子供がいることを削除しなさい」、と。洋の東西を問わず、働くお母さんを取り巻く環境は厳しいようです。

 書こうと思っていて忘れていた、他愛もない記事。先月、The Guardianで見かけたある特集記事は、「ファッションブランドを脅かすBリストセレブ」。有名ファッションブランドは、トレンド・セッターになるため、売上を伸ばす為に、洋服やアクセサリーをセレヴが身につけ、メディアに露出することは大切だと判っている。でもそれはAリストセレブのみ、Bリスト以下の自称セレブはむしろ彼らの売上を散々なものにする、と。例えば、ベッカムとの情事をメディアに売った女性が着たドレス、バーゲンで叩き売ろうとしても全く売れなかったとか。あるテレヴィ
ドラマの出演者(かなりふっくらした方)で、プライヴェイトに問題ありの女性が、クロエ(ステラ・マッカートニーが以前のデザイナー)の今年の夏一押しのバナナプリントのトップを着た写真が雑誌に掲載された直後、全く売れなくなってしまったそうです。

 皆さんの、暑さしのぎになれば幸いです。

ボリショイバレエ3:ファラオの娘

2004.08.10
マリウス・プティパが1862年に振付けた「ファラオの娘」(3幕7場)。長らく忘れ去られていたこの作品を、ピエール・ラコットという方が2000年にボリショイのために再振付(再構築?)したもので、イギリス初演でした。ちなみに、幾つかの場面では、ラコットさんがパリ・オペラ座のために再振付した「パキータ」という演目と全く同じような踊りが合ったんですが、ご愛嬌ですな。

 長らく忘れ去られていた、ということで全然知りませんでした。粗筋を超簡単に。エジプトを訪れたイギリス人、ウィルソン卿が砂嵐に遭い避難したピラミッドは、ファラオの娘アスピシアの霊廟。そこでアヘンをすって意識を失い、気がつくと本人はタオールという人間になっていてライオン狩りの途中のアスピシア一行と遭遇。ライオンに襲われそうになったアスピシアを救い、ファラオの誤解をとき宮殿にご招待。タオールとアスピシアは相思相愛に。が、そこで待っていたのは、アスピシアとヌビアの王との政略結婚。悲嘆に暮れる二人はアスピシアの侍女を身代わりにナイル河畔の漁村に逃避行。そこまで追って来たヌビアの王に襲われそうになったアスピシアはナイルに身投げ。ナイル河の支配者に救われたアスピシアは宮殿に戻り、ヌビアの王の本性をファラオにつげ、アスピシアとタオールは結ばれる。そこでウィルソン卿は目覚めて、終わり。

 古典バレエにありがちな荒唐無稽のストーリー。批評によっては、その筋のことを欠点のようにみなしているのがありましたが、それを言い始めたら「白鳥」や「眠り」、更に幾つかのオペラだって成り立たなくなるし。心理的な葛藤を観たいなら、それに合ったバレエを観ればいいわけだし。
 個人的には、小道具の使い方が大味だな、と。まず、何ででてきたのか判らない気ぐるみのサル、更に張りぼてのライオン。ライオンとサルって、エジプトのいたのか?花壇から飛び出すコブラは、まるで東京コミックショーのよう。特に会場から大きな失笑が起きたのが、アスピシアがナイルに身投げし、舞台がナイルの底に転換したとき、天井からチュチュをまとった、あからさまにマネキン人形。
 もしかしたら考えすぎなのかもしれないんですが、一つ気になったのが、あるキャラクターの使い方。アスピシアとタオールが逃げる際、手引きしたのが「黒人の奴隷」。踊り手は、濃い茶色の全身タイツに目の周りだけが白。このキャラクター、第3幕アスピシアが宮殿に戻る前に、一人花壇に追い詰められ、そこに潜んでいたコブラに噛まれて、死んでしまうんです。滑稽と映るかもしれないけど、人種差別に過敏な国、要するにアメリカ、では上演は無理なんじゃないかと。

 これらのことを差っぴいても尚、楽しいバレエでした。余りボリショイのことは知りませんが、現在のこのカンパニーの実力を過不足無く見せることができる演目だと思います。プリンシパルからコール・ドに至るまで、踊りにつぐ踊り、宮殿の場面での群舞なんか、50人くらいのコール・ドが踊っていたように見えました。衣装もとっかえひっかえ、アスピシアは都合7回の衣装替え。ある方が言っていたんですが、娯楽作品としてはかなりの水準です。
 観にいった日のアスピシアは、昨年キーロフからボリショイに移籍し、既にボリショイを代表するプリマ・バレリーナとなった感のあるスヴェトラーナ・ザハロワ。彼女の魅力全開の上に、ある意味体力勝負のこの演目を完璧にそして優美に踊りきったのは流石です。ソロの場面も勿論たくさんある上に、タオールとのパドドゥでは、同じ振付を男性と完璧に同じ間、スピードで踊りきっていました(3場面)。タオールは、セルゲイ・フィーリンという方。こちらも、「何でそんなことができるのか?」、っつうくらいで。特に第2幕、観客のほうに向いて舞台をジャンプしながら横切っていく場面、ジャンプしている間は足を細かく捌き、横切るまでそのスピードも高さも全く衰えず。大きな拍手が、自然と沸き起こりました。できれば、月一回は観たいものです。

 ボリショイは、イギリスに来るより日本に行くほうが多いと思うので、「ファラオの娘」は、面白いと思います。

ボリショイバレエ2:スパルタカス

2004.08.10
ロイヤル・バレエとの違い、もしくはそれぞれのカンパニーの特徴は「ドンキ」と「白鳥」でも見えたものの、これぞボリショイ、というのは「スパルタカス」(3幕12場)を観るまでは感じられませんでした。

 1968年に、グリゴローヴィッチによって振付けられたこの作品、古典とはいえないでしょうけど、全てに良い意味でカンパニーが擁するダンサーの数に圧倒されました。この後に書くであろう「ファラオの娘」を観たときにも思ったんですが、ロイヤル・バレエがこの演目をやろうとしても(やらないでしょうけど)、無理。男性コール・ドの数が違いすぎ。最初から最後まで、ローマ軍とスパルタカス率いる反乱軍の群舞の見事なこと。こんなに筋肉がきしむ舞台、今までロイヤルの舞台で観たこと無いです。
 主要登場人物は4人。スパルタカス、その恋人のフリギア、クラッスス(ローマ軍のリーダー)、エギナ(それを手玉にとる女性)。女性の踊りは、先の二つに比べると技術をみせるより、心象を表す踊りが多かったです。でも、エギナは自分の男に権力を握らせるために色々と画策し、その踊りは本当に妖艶で、かつ多弁でした。白鳥でしか観たことが無かったガリーナ・ステパネンコさんが、あんなに演技力があるなんて。
 で、男性。スパルタカスもクラッススも、スタミナがどれだけあるのか知りたくなるくらい、踊って、踊って、更にもっと踊って、という感じでした。双方とも舞台をジャンプしながら横切る振付け(同じ類のジャンプに限りません)がふんだんに盛り込まれ、特に群舞と一緒のときなんか、ロイヤルの舞台に穴があくんじゃないかと思ってしまいました。が、主役のスパルタカスはもっとありでして。フリギアを片手リフトが2回、これが「はい、持ち上げました」、というようなあっという間に終わってしまうものではなく、ぶれもしなければよろめかないで歩きまわる。更に思わず唖然としたのが、第2幕の後半の回転。なんか、余りに速い回転に、速すぎてダンサーが窒息するんじゃないかと思うくらいでした。まぁ、これは振付、というよりもダンサー個人の資質なんだと思いますが。「白鳥」のときは、チャイコフスキーが草葉の陰で悲しみの余り失神しているのではないかと思うくらいひどかったオーケストラも頑張っていたし。

 バレエ絡みの他の話題を。今日、月曜日から、ボリショイの公演の後を受ける形で始まるはずだったシルヴィ・ギエムの特別公演が、本人怪我の為、最初の3日間はキャンセル。怪我も心配だけど、やっぱり観たい。余りに急な発表だったので、日本からこの公演を観にロンドンに来られた方は、本当に残念だと思います。全8公演、全てがほぼ完売状態だったので、新聞でも報道されています。バレエ専門の記者が書いた記事ですから説得力ありますが、矢張りダンサーのキャリアは短いし、だからこそ、できるだけ観たいし。ということで、食わず嫌いの皆さん、この秋からも、日本には沢山の海外のバレエ・カンパニーが行くらしいので、是非お試しください。

笑顔は駄目

2004.08.09
親愛なる皆さん

 おはようございます。ロンドンも暑くなりました。コルセットも取れたし。

 最近、イヴニング・スタンダードからの記事が多いですが。先週の木曜日、ある記事のタイトル「Security chiefs ban smiles from passports」を見つけたとき思ったのは、「漸くイギリス政府も、イギリス人がこぞってやりたがる、お間抜けな顔写真をパスポートに貼るのを禁止するんだ。品性に欠けるし」、と。他人のパスポートを見たことはないですが、運転免許書におどけた感じの顔写真を張っている人がいる、ということを以前聞いたかがします。いつも書いていますが、イギリス人が誇る・誇りたがるsense of humour、本当に非生産的としか言い様がないです。
 実際は、ふざけた写真を品性がないから排除する、というのではなく、テロの脅威、いつどこで誰が引き起こすか予想できない状況が益々高まる中、税関に新しいスキャンを導入すると。で、そのスキャン、パスポートの写真が笑っていて歯を見せていると、其の歯がフラッシュしてスキャンが壊れるかもしれないんだそうです。壊れるかもしれないのなら、今から改良すればいいじゃん、という発想はイギリスにはないみたいです。ということで、先週、8月5日から発行されるパスポートに使う写真を撮る際のお達しは、「まっすぐに前を見て、普通の表情をして、口は堅く閉じる」だそうです。

 金曜日のテレグラフの経済面。イギリスが誇る国際優良企業、Vodafone、日本で苦戦しているみたいですね。日本の携帯電話を取り巻く環境がどれほどイギリスより進んでいるのかわかりませんが、記事から察するに、どうやらイギリスの本社は日本の消費者の動向を全く考慮していなかったようですね。いずれにしろ、既にイギリス・日本の間で非難合戦が始まっているそうです。思い出すのがBootsの撤退。そうそう、最近ロンドンでも携帯をストラップに結んで首から下げている人が増えてきたようです。

 閑話休題。先週末茨城のどこかで開催されていたJapan Rock Festivalに出ていたバンドのうち、The Back Horn、Lost in Time、Polysics、それとGO!GO!7188というのが気になっているんですが、ご存知の方、どんなバンドだか教えてください。

 朝夕、涼しくなっているような気がする、というメールをもらったんですが、どうか皆さん夏ばてなどされぬように。
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ボリショイバレエ1:ドンキ、白鳥

2004.08.09
エンタメ受け取っても、嫌でないであろうみなさん、

 去る7月19日から先週の土曜7日まで、ボリショイ・バレエがロイヤル・オペラ・ハウスで、夏巡業。持ってきた5演目のうち、「ドン・キホーテ」、「白鳥の湖」、「スパルタカス」と「ファラオの娘」を観てきました。ロシア以外で始めて上演されると鳴り物入りだった新振付の「ロメジュリ」は行きませんでしたが、この選択は正解でした。どのプレスも押しなべて「スパルタカスは国外に持ってくる価値は今でもあるが、このロメジュリは国内に留めておくべきだったね」、と。
 ボリショイを日本で観たのがいつだったか思い出せませんが、ロイヤルと比べると矢張り持ち味が違うし、プリンシパル・クラスのダンサーからコール・ド(群舞)にいたるまで、その技術の高さには圧倒されました。でも、逆にロイヤルの持ち味も確認できましたが。

 このメールを受け取られる皆さんのうち、熱心にバレエを観るであろう方は恐らく10人もいないので、念のため。古典バレエの代名詞、「ドンキ」、「白鳥」ともに、振付は一つではありません。元々はマリウス・プティパという方が振付けたものを、ルドルフ・ヌレエフが再振付したり、ダウエルが演出したりと結構違いが有ります。
 で、まず「ドンキ」。今回は、(恐らく)ボリショイ・バレエのダンサーだったファデイチェフが1999年に再振付したもの。何が凄いって、上にも書きましたが、主役の二人(キトリ、バジル)を筆頭に、ソロを踊るダンサーの皆さんの技術の高さの凄いこと。男性陣の羽根があるんじゃないのと思うくらいの高いジャンプ・柔らかい着地、竜巻の中心にいるんじゃないかっつうくらいの回転などなど。女性陣だって負けず劣らず超高速のスピン、シルヴイ・ギエムほどじゃないけど、何でそこまで足が上がるのかなど。技術のレヴェルの高さと安定さは、ロイヤルで張り合えるのはほんの数人でしょう。
 ただ、久しぶりに観るドンキに期待が高かった為か、構成自体は今ひとつでした。ロイヤルが2001年からレパートリーに取り入れているヌレエフのヴァージョンは物語としてしっかり構成されているので、それと比べると、今回のボリショイのドンキは特に第2幕が話しとして成り立っていない感じでした。
 
 次に「白鳥」。今回ボリショイが持ってきたのは、60年代にグリゴーロヴィッチという方が振付けたハッピーエンドを、自身で2001年に改定して悲劇ヴァージョンにしたもの。何が凄いって、短い。通常4幕の白鳥が、これは2幕で構成されていました。更に面白かったのは、男性陣が他の振付に比べても格段に踊るシーンが多い。通常他の男性が踊る第1幕のパドトロワをジークフリートが踊ったり、宮廷の道化の踊るパートが多かったりと。特にこの道化役への振付は技術、技術の連続。見ごたえがありました。構成として面白かったのは、ロットバルト(この振付では悪の天才という役名)とジークフリートが全く同じ踊りを完璧にシンクロさせる場面が有り、ジークフリートのドッペルゲンガー、二面性を表現していたように思いました。複数回観たんですが、期待のザハロワ(10月に新国劇場に客演するそうです)が今ひとつだった半面、ヴェテランのステパネンコさんのオディールが良かったです。ゆっくり回る回転、美しかった。でも、何を思っていたかというと、2000年に観たギエムの最後の白鳥。病気ですな。

 続きます。

日本では最初で最後でしょう

2004.08.05
エンタメです。

 2ヶ月ぶりの記事は、9月下旬に、ロンドンのサドラーズ・ウェルズで上演される、シルヴィ・ギエムとバレエ・ボーイズによるラッセル・マリファント作品集。特に、取り上げた「Broken Fall」は2003年12月のロイヤル・バレエのコンテンポラリー特集のときに世界初演されたものですが、記憶力減退にあってなお、いまだに鮮明に思い出します。これ、日本舞台芸術振興会(NBS)の主催で、日本でも11月から12月にかけて上演されます。断言できますが、日本で観られるのは、最初で最後でしょう。是非、行ってください。残念ながら、NBSのバレエの特別会員の最初の枠は既にいっぱいのようですが、まだ機会はあるはず。後は、どこが会場になるかにもよってですが、できるだけ1階席をお勧めします。水平の動きよりも垂直の動きの方がよりいっそうインパクトがあるので、余り遠い上の階だと作品の良さが判り辛いと思います。
 はっきり言って、バレエじゃないです。でも、演じる3人は、育ったカンパニーが違うとはいえ、バレエの基礎をしっかりと学んできた皆さん。全ての動きが本当に、なんと言うか、しなやかな筋肉を持ちえた完璧な肉体美を誇るブロンズ像が身体を動かせる喜びを静かに爆発させた、人間界の一線を超えたような美しさで溢れています。

 来週からロイヤル・オペラ・ハウスで、シルヴィ・ギエム主催のプログラムが上演されるのに先立ち、先週面白いインタヴューを二つ見つけました。これまでのインタヴューとはかなり違った内容で、子供を持ちたくないのかとか、パリオペラ座時代の頃の突っ込んだ質問とか、以前だったらギエムが答えなかっただろう質問にまで率直に答えていて、大変面白かったです。個人的に一番受けたのが、エトワールに任命されたときの話。「エトワールに指名されたとき、漸く学校時代が終わった気がした。それに(エトワールの下のプルミエの大半はそのランクで止まってしまうから)ほっとした。5日も(プルミエのランクに)いたんだから(十分でしょ)」、とのこと。
確かに、パリ・オペラ座のダンサーのランクはロイヤルと比べられないくらい厳密で、誰もが頑張ればエトワールになれることはないです。でも、なりたくて頑張っているダンサーと、そんなダンサーを応援しているファンからすれば、この発言はカチンと来るでしょう。ギエム、大好きですけど、お友達にはなれないですね。使われている写真の中に、ギエムをエトワールに任命したルドルフ・ヌレエフと訪れたセイシェルの海岸で、象ガメの背中に乗ってヌレエフに支えられてアラベスク、というのが有りました。

 まだ詳しく読んでいませんが、この10月に、パヴァロッティの元マネージャーによる、パヴァロッティの真の姿に迫る本が出版されるそうです。ほんの少し内容が紹介されていますが、オペラ歌手の我侭ぶりなんてこんなもんでしょ、といった感じです。

イギリスの(初)夏の味覚

2004.08.05
書き始めると、矢張り止まらず。これは短いです。

 果物は大好きですが、新鮮なもののみ。干したもの、砂糖漬けになっているのは、昔から駄目。小学校時代、給食の時に出た「葡萄パン」のレーズン、天敵でした。干し柿も駄目だし、基本的にジャムもあまり好きじゃないです。スコーンに塗るジャムは別ですが。このときはクロテッド・クリームがメインですから。イギリスに来て困ったのが、新鮮な果物の種類が少ないこと。気候にもよるんでしょうけど、日本での季節ごとに味わう果物の新鮮さ、というのが余りなくて。
 が、初夏だけは別。Berry 類の季節。イチゴは当然ですが、ブラック、ラズベリー、ブルーベリー等の有名な所から始まって、Logan, Tay, Goose, Dew, Lingonberryなどイギリスに来る前はその存在すら知らなかったベリー類がたくさん。バークシャー在住の友人は家庭菜園で素晴らしく甘酸っぱいローガン・ベリーを毎年作っていて、彼らの家を訪れるたびに指先が果汁で真っ赤になるまで楽しんでいます。新鮮な果物が好きと言っておきながら、これらのベリー類をふんだんに使うサマープディングは、数少ない気に入りのイギリスの食べ物です。
 最近では、グースベリーを食べる人は、イギリスでも少なくなっているようです。これ、見た目余り食欲をそそらないし、凄く酸っぱいです。でもグースベリーを使ったクランブル、というケーキもまた美味しい。
 これを書く前に、友人の何人かにスペルを確認したんですが、そこでは更に、Boysen, Cloud, Wine, Elder, Bilberryなどがあると教わりました。が、これらは北米で主にジャムの素材として使われているそうです。
 http://www.nationmaster.com/encyclopedia/List-of-fruit
 このウェブに、結構色々な果物が紹介されています。

 イギリスに来られるなら、矢張り6月ですね。天気も比較的安定しているし、果物も美味しいし。

街中の栄枯盛衰

2004.08.05
親愛なる皆さん

 おはようございます。ロンドンも夏、なのにベイビーシッティングをしたときに、古傷の腰痛が。夏のコルセットは、悪夢です。

 昨日は全国紙に掲載された、過去10年、どんな職業がイエローページから消え、どんな新しい職業が登場して来たか、という統計が発表されました。今日は、ロンドンの夕刊紙、イヴニング・スタンダードにロンドンの詳しい結果が掲載されていました。

 ロンドンと全国のトレンドにそう大きな差はないように思います。過去10年、極端に減っているのは、街中にあったパン屋、魚屋、八百屋など。日本と似たような状況なんでしょうけど、大手スーパーの台頭と価格競争、それと営業時間の違いなどが有って個人経営の店がどんどん減っていると。他に面白い所だと、結婚相談所も減っているそうです。なんか、昔、毎朝豆乳を買いに通った豆腐屋さん、揚げ立てのコロッケが美味しかったあの角の肉屋まだあるかな、なんてちょっと過去を思い出したり。
 逆に台頭しているのは、大きく括ると「Well Being」で表される業種。ロンドン北部では、リフレクソロジーの登録が過去10年で3,800パーセント。他にも、サイコセラピスト、ハーバリスト、マッサージ、鍼灸師など。歴史的に、サイコセラピスとは、ロンドン北部で開業しているのが常識で、サイコセラピストとして名を上げたければ、ハムステッド・ハイゲイト地域に、というのが流れでした。これは、フロイトやメラニー・クラインがその地域に住んでいたのと、メンタルヘルス専門のNHS、タヴィストックがスイス・コテージにあるからです。が、個人的にサイコセラピスト過疎と思っていたロンドン南部や南東部でももの凄い伸び。
 笑ってもいいだろうと思うのが、ロンドン南東部での「手相観・千里眼」の登録が1,400パーセントもの急成長でエリア内一位。ロンドン南部では「ダイエット・体重コントロール」がだんとつ一位の1,700パーセント。
 世の流れなんでしょうけど。皮肉にも、スーパーがしのぎを削るロンドン市内では、ここ数年「Farmer's Market」が人気を博しています。決して安くないんですけど、「今朝リンカンシャーで摘んだばかりのイチゴ」なんて、香りが本当に甘くて。消費者の欲望の根幹は、国の違いに関係なく、余り変わりないように思います。

 閑話休題。再びロンドン地下鉄を誉める、というか感心する日が来るなんて。初めに、夏のロンドン地下鉄、空調がなく拷問です。誉めるのはまたもオイスターカード。以前のメールで書きましたが、駅にあるスクリーンで、自分がどこでどのバス・地下鉄に乗ったかが即座に判ると。すっかり忘れていたんですが、6月に、課金されないゾーンのはずなのにあるバスに乗ったら70ペンス引かれていたんです。その時は、70ペンスを取り返すためのエネルギーと時間を思うとげっそりしてしまったので、忘れたことにしていたら。昨日手紙が届きました。
 曰く、「過去の記録を調べたら、間違って課金していたことがわかりました。迷惑料を含めて3ポンドの小切手を送ります。間違って課金した機械は既に交換しました」、んだそうです。感心半分、でも常にチェックされているんだ、との不安半分です。
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