LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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2004年09月の記事一覧

君の名は

2004.09.28
日本に送った「ニュースダイジェスト」の評判が良くて、嬉しいです。これで、一人くらいは定期購読をしてくれる人が居ればな、と。

 週末は、またも、イースト・アングリア地方、サフォーク県の友人宅にてぬくぬくと。日曜日の夕方近くになって雲が切れてきたので、散歩に出かけた折、最後がいつだったかを思い出せないくらい久しぶりに、太陽が地平線の下に沈んでいくのを見ました、というか見とれていました。完全に沈む直前の、この世で一番綺麗なオレンジであろう輝きを放ち、しかも沈んだあと、空一面に広がる雲を燃え上がらせる光の帯。都会育ちを自認していても、時折こんな静かな時間を田舎で持つことはいいことだと。

 で、本題。その友人宅には、この世で読む人なんかいるんかい、というくらい古ぼけた本がたくさんあります。ちょっと手持ち無沙汰のとき、ふと手にとったのが半世紀前に出版された辞書。その後ろで見つけたのが、「Favourite Christian Names And Their Meanings」、という項目。要するに、英語圏で使われる名前がどの言語体型から派生したもので、本来どんな意味を持っていたか、と言うことです。ギリシャ(Gr)、ラテン(Lat)、ヘブライ(Heb)、ドイツ(Ger)、チュートン(Teut)、サクソン(Sax)、スコット(Scot)、ケルト(Celt)、アイルランド(Ir)、シリア(Syr)、フランス(Fr)、果てはアラブ(Arab)まで。英語って、色々な言語を吸収、もしくはこんがらがっている言語なんだ、と改めて認識しました。以下はほんの一例。

 まずは男性。ヘブライ語由来はADAM(Red Earth:括弧内は意味)、DANIEL(God is Judge)、DAVID(Well-beloved)、JOHN(the grace of the Lord)など。日本でいえば、太郎、一郎であろうDAVIDやJOHNにこんな意味があったなんて驚き。個人的に面白かったのは、GIDEON。ディクスン・カー名義(だったはず、もしかしたらカーター・ディクスンかも)が創作した名探偵の名前が、ギデオン・フェル博士。で、GIDEONの意味は、Breaker。カーはこの意味を知った上でこの名前を使ったのではないかと、ちょいと深読みを。
 あとはランダムに。ADOLF(Sax: Nobel Wolf)、BENEDICT(Lat: Blessed)、BRIAN(Fr: loud-voiced)、CHARLES(Teut: Noble-spirit)、DONALD(Scot: Proud Chief)、EDWARD(Sax: Happy Guardian)、RICHARD(Sax: Powerful)、STEPHEN(Gr: Garland)、ALAN(Celt: Harmony)など。男性名のポピュラーな名前は、ヘブライ語由来が多いように思います。

 女性のほうは、ラテン系とヘブライ語系が拮抗していますが、矢張りこんな意味があったなんて、の連続でした。まずはラテン語系。AMANDA(Worthy of Love)、BARBARA(Foreign)、LETITIA(Joy)、LUCY(shining)、SYLVIA(dwelling in a wood)など。ヘブライだと、マドンナが自分につけたESTHER(Secret)、HANNAH(Gracious)、JANE(John の女性ヴァージョン)、NAOMI(Alluring)、SALOME(Perfect)、SARAH(a princess)、SUSANNAH(Lily)だそう。
 他は、EILEEN(Ir: secret)、DOROTHY(Gr: Gift of God)、TABITHA(Syr: a roe)、OPHELIA(Gr: a serpent)など。オフィーリアの意味が蛇だなんて、ちょっとショック。同じ意味、PearlでもGRETA(Teut)、MARGARET(Gr)。ラテン語系のROSALINDがsweet as a roseに対し、サクソン系のROSAMUNDは rose of peace。個人的に感慨深かったのは、BEATRICE(Lat: making happy)とGISEL(Teut: pledge)。ダンテの「神曲」でのベアトリーチェの存在を思い出すとこの名前が意味する所は何なのかを考えたくなるし。スペルはちょっと違うけど、バレエのジゼルの筋を思えばこの「誓約」という意味によって、ジゼルが何故アルブレヒトを救ったのかが、より深く心に沁みて来る感じです。

 すいません、日本語と英語が入り混じって読み辛いことと思います。が、知り合いの外国人に「君の名前の由来、知っている?教えてあげようか?」、というのは面白い経験になるのではないかと。偶に、ちょっと役に立ちそうなことを書くと、気分良いですな。
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エンタメの秋

2004.09.25
親愛なる皆さん

 こんちは、日本はまだ連休中みたいなもんでしょうね。

 2004/05のロイヤル・オペラの演目の中で、前半の一番の演目は、ミラノ・スカラ座のリッカルド・ムーティが20年ぶりにコヴェント・ガーデンで指揮する「はずだった」ヴェルディの「運命の力」。演目が発表された直後のインタヴューで、ロイヤル・オペラの音楽監督、アントニオ・パッパーノはこう答えていました。「この目で、帝王ムーティがオーケストラ・ピットに居るのを見るまで、信じない」。
 昨日、金曜日の新聞で報道されたし、ロイヤルのウェブでも発表されましたが、ムーティ、全7公演キャンセル。媒体によってもばらつきはありますが、「今後数年間は彼はイギリスでの指揮は出来ないだろう」、とのこと。そんなこと、ムーティは気にしないと思うし、彼の振るオペラやシンフォニーが聞きたい人は、ミラノまで行くのも厭わない事でしょう。きっかけは、舞台装置の些細な変更だったらしいんですが、結局感情論になってしまったように思えます。損をしたのはロイヤルでしょうね。代わりに指揮するのは、パッパーノ。初めて「運命の力」を振るそうだから、それはそれで話題ですが。
 その埋め合わせか、何の脈絡もなく今朝の新聞では、ポスト三大テノールの後継者の一人として、ペルー人テナーの、フローレスが取り上げられていました。フローレスが出るドニゼッティの「ドン・パスクヮーレ」(11月、12月)は面白そうです。

 昨晩、去年の12月、公演の23時間前にキャンセルのメールが届いた、チェチーリア・バルトリのリサイタルに行ってきました。演目は、去年リリースされた「サリエリ・アルバム」から。フライブルク・バロック・オーケストラとでした。
 矢張り、2回も同じ会場でドタキャンをした影響か、結構空席があるのに驚き、「彼女のカリスマも衰えたのかな」、なんて思っていました。今思えば、喉が温まっていなかったからなのか、それとも自分の気分の問題だったのか、1曲目、彼女の声とオーケストラが繰り出す音色が今ひとつ深く交わっていない、「高音がきつそう」なんて思っていました。「もう、言われるように、ピークは過ぎちゃったのかな」、と。
 杞憂でした。バルトリが唄い進むのと同じスピードで自分の中に湧き上がってくる暖かい気持ち。五感を通り越して、全ての感覚が会場中に広がり、バルトリが表現する全ての感情を体全部で受け止めている、そんな気分でした。コロラチューラは健在でした。くちやかましい批評家は、アクロバティックと評することでしょう。昨晩、バルトリの歌を聞いていて初めて、「あ、人間が唄っている」と感じました。勿論、これまで見てきた彼女のオペラやコンサートも素晴らしいものですが、こうやってオペラ歌手はキャリアと自分の希望を実現していくんだ、と思えるコンサートでした。実は「サリエリ・アルバム」はCDで聞いていたときは今ひとつだったんですけど、昨晩、何故バルトリがこれを選んだのか、漸く判った感じです。コンサート後半の2曲目の静かな曲が終わりを迎えたとき、「お願い、その最後の一音を奏でないでくれ」、とオーケストラに叫びたかった。
 聴衆の盛り上がりもすばらしく、アンコールは3回。グルックの恐らく「コロナ」からのアリアと、ハイドンの「詩人の魂」からのアリア。特に後者は、バルトリのロイヤル・オペラ・ハウス・デビューのときに聞いて以来だったので、感動も新たでした。

ムーティーは、2004年11月にはロンドンで指揮するそうです。「イギリスでの音楽活動は暫く無理」、と言い切った評論家の意見を聞きたいものです。
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騙すのも、空港を造るのも人類

2004.09.20
この夏は、メールだし過ぎているんじゃないの、と思っている皆さん、
 
 おはようございます。本人、実感しています。1年目を留年したり、勉強を続ける為の仕事探しがなかなか上手くいかず、フラストレイションがたまっていたんだと思います。でも、もうすぐコースがまた始まりますので、ぐんと減ることでしょう。

 今日、2回くらいメールに書いた今週末のイヴェント、Open House Londonの一環で特別公開された、ヒースロー空港の第5ターミナルの建設現場を見てきました。
 残念だったことから。先日の、バッキンガム宮殿やパーラメントへの進入事件が尾を引いて、セキュリティが格段に厳しくなったそう。述べ400人もの見学者の身元確認をするくらいだったら、いっそのこと工事現場へのアクセスを中止しよう、ということで、現場の見学バスツアーは柵の外側からでした。でも、柵の外からとはいえ、その巨大な建設現場の迫力は、凄かったです。
 国際空港のターミナルの建設現場なんて、おいそれとは見ることが出来ないですからね。本当にでかかったです。バスツアーに先立って、ヴィジターセンターで建設過程や、CGによる完成予想図のヴィデオを観たんですが、実際の大きさを目の当たりにすると、「人間って、こんな大きな建物を造ることが出来るんだ」、と。黒部ダムやアスワンダムを見たときもそんな感想を持ちましたが、いまだ鉄骨が剥き出しのあの場所に数年後には多勢の乗客がごった返すかと思うと、なんだか不思議な感慨、行った甲斐がありました。メインターミナルのオープンは2008年だそうですが、二つのサブターミナルは2011年にならないと完成しないそうです。

 戻ってきて、メール・アカウント開けたら、シティバンクの「課金セクション」から緊急のメールが。曰く、「最近、シティバンクの顧客をターゲットにした、顧客情報の剽窃が急に増えています。皆さんの口座を守る為に、皆さんの口座の確認をお願いします。作業はお客様にやって頂かなければなりません。もし、一定時間を過ぎてもこの作業が確認できないときは、貴方の口座は一定期間凍結されます。以下のウェブにすぐにアクセスしてください」。
 最近シティバンクのシステムトラブルに悩まされているので、「どうしたんだ、この素早い対応」、と思いすぐにアクセスしようとしたとき、以前どこかで読んだ記事を思い出しました。いかにも銀行・クレジットカード会社から送られてきたような、上記の警告がメールで送られてきてアクセスし、個人情報を記入すると、それは詐欺のページだった、と。で、まずインターネット・バンキングにアクセスしたら問題なかったので、カスタマーサポートに電話したらあっさり、「それは詐欺です」、とのこと。危なかった。危うく引っかかる所でした。皆さんもお気をつけください。
 人を騙そうとする熱意も、巨大空港を造る情熱も、同じように、人間の心から生まれるんだから、人間って、面白いと思います。

 結構深刻な詐欺のようです。

知る権利

2004.09.15
親愛なる皆さん

 おはようございます。強風が吹きすさび、ロンドンの夏は終わりました。今日は昼間でも半袖では寒かったです。

 辛気臭い話に行く前に、小市民的な喜びを自慢したく。この夏、上々台風のメジャーデビュー前の音源が2枚、発売されました。我慢できなくて、送ってもらったんですが、そこには懸賞のお知らせが。ロンドンにもファンが居るよ、程度の気持ちで応募し、結果、当りました。
> http://yougey.com/shangshang/newcd/nisimonai.html
 自分の名前が、こんな所に出ているのを見るだけで幸せな気分になれるんだから、可愛いもんだと。ちなみに、来年の愛知万博では、上々が木の実ナナと競演した「阿国」が上演されるそうです。パリオペラ座バレエも行くし、結構楽しそうな万博になりそうな。

 昨日、月曜日の朝刊に出ていた、新たにイギリスに紹介される日本文化。カプセルホテルが、今月末にロンドン西部のEarls Courtに出来るんだそうです。これからチェーンとしてイギリス全土に展開される予定だそうで、記事によれば、一時間10ポンド(約2千円)、お泊りは75ポンドだそうです。働いていたとき、カプセルホテルに泊まる必要がないほど家が会社に近かったので、使ったことがないので相場がわかりませんが、高いんでしょうか?経営は、Yo! Sushiという回転すしレストランを広めた人だそうです。
 実際のホテルの写真は掲載されていませんでしたが、居心地は快適で、備え付けの(恐らくクッション)ものがまるでアストン・マーティンと同じクォリティだとか。でも、イギリスで受け入れられるのか、判りません。ところで、日本語のままの発音で使われている英語って、時々見かけます。個人的に一番目・耳につくのは「Tsunami」。カプセルとホテルは元は英語ですけど、広まればこのまま使われることもあることでしょう。

 先日の、ロシア・北オセチア共和国でおきたテロ。僕はテレヴィでは見ていませんが、逃げ惑う子供達の写真が世界中に報道されました。正直な所、これらの写真、本当にショックでした。恐らく、9・11以降なんでしょうけど、いつから新聞にこんな写真が掲載され、受け入れられるようになったのか、思い出せません。今朝のThe Guardianの付録紙のフロント・ページのバクダッドの写真は、何が写っているのか理解できるまで、30秒くらいかかった気がします。目から入った映像情報を、頭が受け入れるのを拒否していた、受け入れるまで何度もやり取りがあった、そんな感じです。
 以前、マスコミの片隅に居た人間がこんな思いを抱くのは筋違いなのかもしれませんが、「知る権利」、もしくは「知らなければならないと思い込む意識」って、何なのかな、と。マスメディアは「報道する義務」がある、もしくは「報道しなければならない意識」があるでしょう。そうしなければ、正しい情報を知る・知らせることが出来ないし。逆に、昨日バッキンガム宮殿の庇に篭城した男は、メディアを使おうとしたことは明らか。メディアが来なければ、目立たないし、メディアがやって来ない、と判っていればやらなかったなんじゃないかと思います。日曜日のThe Observerのカルチャー面に、ロシアのテロ報道に対する特集記事が出ていたんですが、その中の、「Is it right for TV crews and photographers to satisfy our appetite for horror?」という一文が頭から離れません。自分、という言葉に置き換えられますから。
 ここまで書いてきて、「じゃ、このメールの最初で、自分の名前がウェブ上に出ていて、嬉しい、と書いた気分はこれと大して違わないのでは」、ってな気もして。

 秋の味覚の話題・写真、お待ちしています。
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久しぶりに繁華街を歩いて

2004.09.12
親愛なる皆さん

 おはようございます。全然知らなかったんですが、敬老の日は、もはや9月15日ではないんですね。月曜日ばかりに祝日が集中すると、学校のカリキュラムに支障をきたすと思うんです。実際、心理学をやっていたとき統計学がいつも月曜日で、タームの最後なんか超つめこみでした。

 最初に言ってしまえば、自分も歳をとった、ということなんでしょう。
 家族が来て、ロンドンを案内していると、日ごろの自分の生活範囲には入ってこない繁華街などに足を踏み入れることになりました。判ってはいたんですが、何でこう若者の為だけの店が氾濫しているのか。GAP、TOPSHOP、NEXT、Monsoon、FrenchConnectionなど。何でこうも安っぽく見える服があんなに高いのか、どうして若人の皆さんはわれ先にそんなものを買い漁ることが出来るのか。ま、そんな店に入る気力もありませんでした。逆に、ピカデリー近辺のサヴィル・ロウ、バーリントン・アーケイドやジャーミン通りなど、ほんの10年前、僕がまだ観光客だった頃には賑やかだった昔ながらの名店が並ぶ通りは、寂しい感じでした。
 上手くつながりませんが、こんな気持ちにリンクして思い出したのが、故・江國滋が新潮社の月刊誌、「波」に書いていたこと。
「ちゃらちゃらした子供相手の書店なんかに行きたくない。高い会員料金を払ってもいいから、会員制で、若者を排除した書店が欲しい」、と叫んでいました。こう、客も店員も、お互いの存在を認めつつ、静かに買い物が出来る店があってもいいと思うんですけどね。偶に、現実を忘れる為に、三宅一生や、ヨージ・ヤマモトの店に行くんですが、僕の歳は既に彼らのターゲットからは外れているな、と思います。
 ちなみに、この晩夏から初秋にかけてのロンドン・ストリート・ファッションの必須アイテムは、ポンチョ。猫も杓子もポンチョ。なんとも形容しがたいものもありますが、要は毛糸で編んだひざ掛けを無造作に羽織っているだけ、ってな感じです。この流行は、日本にも伝わるんでしょうか?

 先日のメールで、来週末にロンドンで開催される「Open House London」というイヴェントについて書きましたが、皆さんの周りで丁度ロンドンに来られる方がいたら、これは本当に楽しいイヴェントです。今日のガーディアンでも紹介されていましたが、たくさんの建物が公開されます。最新のオフィスビルの他にも、大規模な改装が予定されているセント・パンクラス駅の前に建つ優美なビルなど。短い間に建築について資料に目を通したあと、ロンドンを歩く楽しさが本当に増えた感じです。滅多に見られないであろうから、ヒースロー空港の第5ターミナルをみに行くつもりです。
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観光情報:その2

2004.09.11
ダ・ヴィンチのなんかの下書きが見たい、ということでナショナル・ギャラリーへ。これまたかなり久しぶりでした。故・有元利夫さんが影響を受けたピエロ・デラ・フランテェスカの絵はまだ有ってほっとしました反面、ルーベンスやベラスケスのコレクションがかなり入れ替わっていたように思います。また、ゴッホの「向日葵」の横に、緑の地に蟹の正面と裏が描かれているのが有ったんですが、なんとゴッホ。隣の「向日葵」や「糸杉」と筆致が違っていて面白かったです。あるプライヴェイト・コレクションから借りている、ということでいつまで有るかは判りません。
 以前、本館の正面地下にあったカフェがなくなったのか、改装中なのか、今はショップの後ろの階段を降りた地階にあります。バッキンガム宮殿と違って音声ガイドは有料ですが、システムは同じようでしたので、使い勝手はいいと思います。

 買い物に関しては、日本人店員の態度が冷たい、とは一概に言えないな、と。観光初日にリバティに行って、キャッシャーのイギリス人女性の、余りに下手な包装に呆れたあと、向かいのバーバリーへ。ここで出会った日本人店員の方の接客態度が素晴らしく、「駄目だ、おばさん相手にこんな風に微笑みながら忍耐強く対応するなんて、今の僕には無理」、と思いました。日本人店員への偏見を捨てよう、と思ったら、翌日行ったハロッズは、ちょっとひどかったです。免税手続きばかりなんて、そりゃつまらないでしょうけど、にこりともしない。その翌日、リバティにまた行ったら、今度は素晴らしいイギリス人女性がキャッシャーにいて、あれこれ喋って、いろいろ他の情報もくれたのでお礼にと思って日本の薄荷キャンディを差し上げたら、リバティのロゴが入っているボールペンを5本も頂いちゃいました。接客商売を理解しているかどうかは、国籍に関係ないんだな、と。
 勿論、当たり外れが有りますが、買い物のとき、包装してくれる店員に「面白いアクセサリーだね」とか、「そのシャツ、面白い柄じゃないですか」とちょっとコメントするだけで、一気に雰囲気が良くなることもあります。また、これこそ本当に外れる確率のほうが高いかもしれませんが、飛行機のチェックインカウンターや、登場口でフライトアテンダントのリーダーと思しき方にキャンディーの小さな袋や、日本のお菓子を差し出して、「今日は忙しい?」とか、「これ後でみんなで(もしくは女性だけで)お茶のときにでも」なんて差し出すと、ちょっといいことがある、こともあります。ちなみに、セキュリティの関係で、お菓子で席のアップグレード、というのはないです。それと、僕の経験では日本人アテンダントに差し出しても、効果は薄いです。

 先のに書いたチケットの種類について質問を頂きましたので。イギリスでは、「シニア」は60歳からです。今回、バッキンガム宮殿のツアーはオフィスで直接、ロンドン・アイはウェブから購入しましたが、年齢を証明する書類の提示は求められませんでした。旅行代理店のツアーだと、一律に大人料金、且つ手数料が加算されますので、ご自分で買ったほうがお得だと思います。学生証は、なんか言われたら押し切るしかないでしょう。
 現在、ロンドンで一番話題になっていると思われるカフェは、Sketchというレストランのカフェ。何度も、最先端のレストランとして紹介されています。ランチ・ディナーは、お財布が悲鳴を上げる程だそうです。カフェは、アフタヌーンティーを楽しめるわけじゃない上に、予約できないらしいんですが、ケーキの出来が他とはかなり違うようです。ボンド・ストリートの脇を入ったあたりです。http://www.sketch.uk.com/#
 他にも、ピカデリーの「源吉兆庵」の隣に有ったテディベアのお店がなくなり、そのあとに「WASABI」というお寿司・おにぎりのテイクアウェイの店がオープンしていたりと、結構ロンドンの変わりようを楽しみました。皆さんのご参考になれば。

そういえば、ロンドンでは、昨年(2003年)からだったか、60歳の誕生日を迎えると、ゾーン6までの公共交通機関は全て無料になりました。もう一つ、これも恐らく60歳以上だったと記憶していますが、冬に一人につき200ポンドの暖房援助費が支給されます。

ロンドン観光案内:2004年9月版

2004.09.09
 おはようございます。日本は台風の被害が大きいようですね。ロンドンは、先週後半から夏が戻ったような好天に恵まれています。それでも朝夕は、秋の気配が日に日に濃くなってきていますけど。

 ロンドンに来て4年8ヶ月、初めて家族が来てくれたので、俄かガイドを務めています。暮らしていると行かない所や、久しぶりに訪れて変わってしまった所を、まとめて。
 まずは、バッキンガム宮殿から二つ。今回直接チケット売り場にて宮殿ツアーのチケットを購入しました。窓口にシニアや学生の表示があったので、「親が来るんだけど、今、このシニアって購入できる?」、と尋ねたら問題なく購入できました。僕の分は学生料金。売り場では学生証を見せましたが、入場の際は提示を求められませんでした。明日行く予定のロンドンアイも同様。シニア料金は、国籍に関係なく適用されますので、躊躇うことなくご利用ください。バッキンガムのツアーは、セキュリティがかなり厳しくなった半面、音声ガイド(日本語あり)の出来が素晴らしく、今まで見逃していたポイントを知ることが出来て面白かったです。更に、一昨年までは禁じられていた、庭の写真撮影も出来るようになっていたので、来年また一般公開されるようでしたら、お試しのほどを。
 恐らく、ロンドンにいる間に見ることはない、と思っていた衛兵の交代式に付き合いました。つまらない。場所取りは大変ですので、見たい方は事前の日程確認と、時間つぶしの方法を考えておいたほうが。隣あったカリフォルニアからきた女性二人(恐らく70代)とあれこれイギリスについて話していてさすがアメリカ人、と思ってしまったこと。まず、ご飯が美味しくないので、毎日マクドナルドだそう。大差ないと思うんですけど。でも「ホテルの紅茶は美味しい」というので、「フォトナムでアフタヌーンティーした?」と尋ねたら、「なにそれ?」。思い出したのが、友人の知り合い(カリフォルニア在住)が、ロンドン訪問を前にホテルを尋ねてきたそうです。で、「サヴォイに泊まったら?」、に「それはどこにあるホテルなんだ?」、といわれ二の句が継げなかったそう。サヴォイって、イギリス人・日本人が思うほど有名じゃないんですかね。
 話がずれました。バッキンガムに隣接するセント・ジェームズ・パークのカフェ・レストラン「In The Park」は今年新装オープンになったばかり。ランチ・ディナーは高いですが、お茶とケーキだけならかなりリーズナブル。目の前の池を眺めながらテラスでお茶を飲んでいると、ロンドンにいるんだな、と。アフタヌーンティーはフォトナムで、と思って行ったらこれががっかり。値段は変わっていませんし、紅茶はさすがの味。が、スコーンは以前の半分くらいの大きさ、サンドウィッチのパンは湿っぽい。これが今のレヴェルなら、余りお勧めでないです。今回の発見は、ナイツブリッジにある「エンポリオ・アルマーニ」のショップ内にあるカフェ。紅茶はティー・バッグだけど、居心地は快適そのものでした。

 ロンドンの移動は、短期のオイスターカードを利用。一週間であれば、写真は必要なく、ゾーン1の場合20ポンド。ロンドンによく来られる方であれば、ずっとカードをキープできる上にその都度チャージできるので、便利だと思います。それと、実際みたわけではないんですが、リバティで免税手続きをしたとき、書類を作成してくれた方が、「ヒースローのターミナル3なら、VATの返還手続きは税関を抜ける前に出来るんだよ」、とのこと。これが本当なら、チェックイン前に手続きを済ませ、トランクに全部の荷物を入れることが出来るはず。

変わる世界

2004.09.05
親愛なる皆さん

 おはようございます。冷夏を取り戻すべく、好天続きのロンドン。今日は予報では最高気温が30度近くまで上がるらしいです。

 ちょっと身近過ぎる話題、且つ小賢しいかもしれませんが。昨日、友人の一人と久しぶりに会って、アンティーク・ショップがたくさん入っている迷路のようなビルのルーフ・テラスのカフェで話したこと。事実として。彼女は既に60代半ば、友人を通して知り合って4年くらい。最初の旦那が、60年代ブリティッシュ・ブルース・ロックの伝説的バンドのメンバーだったので、自ずとショウビズ界にも知り合いが沢山いるそうです。昨年は、亡くなったクラッシュのジョー・ストラマーの葬式に参列したり、つい先日は、ヴァニティ・フェアとBBCからそれぞれ60年代、70年代のブリティッシュ・カルチャーの特集でインタヴューを受けたそうです。マリアンヌ・フェイスフルとは、腐れ縁の友人なんだそうです。今の僕には全く興味がない世界ですけど。彼女も、通常はチャリティの裏方で忙しくしています。
 辛気くさい僕の将来の話から始まって、あれこれ。ロシアの悲劇、彼女の家族の話から共和党大会の途方もない無駄遣いへと続き、彼女が過去20年近く携わってきたチャリティへのイギリスの企業からの援助が突如として打ち切られたことへの戸惑いなどなど。今までも、何度もシリアスなことから気楽なことなど話してきましたが、昨日はちょっと印象が違いました。特に共和党大会とブッシュの話をしていたとき、「世界が大きく変わってきている。この変化は本当に悲しい。アメリカ人の友人はたくさんいるし、彼らを訪ねたい。でも、今アメリカに行ったら悲しくなるだけ」。ちなみに、彼女はアンチ・ブッシュ。
 で僕が、「でもイギリスだって変だと思うけど」、とまぜっかえすと。「そう、アメリカだけじゃないのよねー」。ロシアの悲劇然り、イギリスでは、世代に関係なく享楽的な生活に溺れる人が増えると同時に犯罪も増えつつあるようだし。
 楽しかったけど、考えさせられる会話のあと、スコットランドでは、風力発電の施設が環境を考慮せずに建設されそうだとか、自傷行為を続ける子供がイギリスでも急増しているなどの記事を読んでいて思うことは。短絡ですが、結局便利になりすぎたのかな、と。自分も他人も見えなくなっちゃったのかなと。変な例えですけど、10年前に、僕はe-mailの存在を知らなかったけど、生活できていた。でももう、戻れない、戻れそうな気もするけど、そうする勇気がない。それと、アメリカ、イギリス、それと日本の選挙を報道を観ていると、いつから選挙は国民のものから政治家のショーになっちゃったのか。

 なんてポジティヴに内省的になった後、ロンドン留学を始めた元同僚と会って、マシンガンの如くお喋り。一緒に働いていた9ヶ月間に交わした会話量を遥かに超えるお喋り。仕事を辞めてからのほうが、元同僚の方々と会話が弾む、というのは普通なんでしょうかね。生きているって、本当に面白いし、人と会うのは楽しい。そんな、何てことない、でもかなり印象深い一日でした。

 ここ最近、こちらで報道される日本関連のニュースは、ちょっと暗め。温泉の偽表示の騒ぎもしっかり報道されています。昨日のテレグラフでは、正規商品がブラック・マーケットに流れるのを防ぐ為に、パリのルイ・ヴィトンでは、日本人、および中国人顧客への購入できる商品を一人につき二つまでと制限を厳しくしているそうです。なので、どうしても欲しい日本人・中国人は、街で見ず知らずのフランス人やイギリス人に現金を手渡して「何でも良いから買ってきて下さい」、とお願いしているんだそうです。ヴィトンのやり方が正しい、という気はありませんが、なんか釈然としないです。
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ロンドンを知る方法

2004.09.02
親愛なる皆さん

 おはようございます。2004年も後4ヶ月を切ったなんて、少年老い易く学なりがたし、を実感しています。

 暫く静かだったのは、バレエ・オペラの事を書かせてもらっている「英国ニュースダイジェスト」からある特集記事を書いて欲しいとの依頼があり、それに忙殺されていました。実は専門外なんで当初はどうしようかと思ったんですが、「ライターの中で一番筆が早い守屋さんに是非」、とおだてられたのと、稼げるときに稼がないと。トピックは、今月の18日と19日でロンドンに開催されるOpen House London という催しです。www.openhouselondon.org
 何をやるかというと、ロンドン市内の、いつもは一般の人が入りづらい建物が無料で開放される、というものです。BBCのスタジオとか、ロンドンで一番新しい妙な形をしたビルディング、更には五つ星高級ホテルまで。個人的には、自分でも書いたセント・パンクラス駅の内部を見てみてみたいな、と思っています。
 
 「講釈師、見てきたように嘘を言い」だけはやりたくなかったので、先週末は幾つかの建物を見に行ってきました。ロンドンって、広いんだな、と。それと、矢張り見てきた方が書きやすかったですね。新しいビル群に関しては、「なんでこんなにガラス張りのビルだらけなんだか、地震がないからかな」、くらいの感想しかもてませんでしたが。
 それと、インターネットがあって、本当によかった。受付でもらった案内書だと細かな歴史に触れていないことが多く、古いものにこだわるイギリス人によるウェブにかなり助けられました。3ページ、約4,000字は初めての経験でしたが、これが掲載されて他からも仕事がくればな、と。ちなみに原稿料は約3万円。高いのか、安いのかは判りませんが、支払われるのは11月。それまではロンドンに居なきゃ、という動機にはなりますね。

 朝、夕、それと昼間でも日陰は涼しく感じますが、今週のロンドンは素晴らしい太陽に恵まれています。
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