LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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2005年05月の記事一覧

ロンドン・アイ、存亡の危機

2005.05.21
親愛なる皆さん、

 こんにちは、東京は、肌寒い日が続いているそうですが、ロンドンもいい天気ではないです、ここしばらく。

 2000年のオープン以来、ロンドン観光の象徴になった、テムズ川沿いにそびえる(まだ)世界一の高さの観覧車、ロンドン・アイ。以前ほどの混雑振りがなくなったとはいえ、雲ひとつない快晴の日や、美しい夕暮れ時の眺望は格別です。
 そんなロンドン・アイが、撤去の危機にさらされている、というニュースをイヴニング・スタンダードがしたのは今週の水曜日。しかもその撤去の期日が、数年後じゃないですよ、今年、2005年の7月1日。
 ロンドン・アイの脚の一つが設置されている土地の管理会社、South Bank Centreが賃貸料を、現在の56,000-ポンドから、一気に1500%アップの250万ポンド、約5億円にすると。それが払えないなら、遅くとも7月1日までに全てを撤去しろ、と。
 一読では、冗談かと思いました。が、管理会社の代理の弁護士のコメントや、ロンドン・アイが設置されてるサザック地区の保守党の国会議員のコメントが出ていたので、本当なんだ、と。神経が全く理解できません。2012年のオリンピック招致のイメージ写真にも大々的に使われ、また、開発が遅れているテムズの南側の活性化を牽引しているロンドン・アイを、元はといえば政府から1ポンドで譲り受けた土地から得る会社の利益の為だけに、撤去しろ、という神経が信じられません。前述の国会議員は、この会社のことを「Greedy(貪欲)」と表していますが、それ以上だと思います。この議員は、労働党政権の文化相がこの問題の解決を図るべきだとの、最もなコメントを出したんですが、名指しされた大臣のコメントは「(商取引では)こんなことはよくあること」、だそうです。ちなみに、この土地管理会社を牛耳っている貴族は労働党のシンパで、当然多額の寄付をしていることでしょう。
 皆さん、「状況はそんなだけど、撤去なんて現実的じゃないし」、と思われるかもしれませんが、僕は撤去もありうると、半分思っています。最近、幾つかのニュースを読んでいると、この国の道徳理念がおかしくなっているように思うし、理不尽なことがまかり通る国だと思うこともよく有ります。最近、インディペンデント紙が、「デモクラシーを取り戻そう」なんてキャンペーンを張っていますが、無理でしょう。
 ピアノマンのことは日本でも大きく報道されているようですが、ロンドン・アイのことも大きく報道されて欲しいです。ロンドン・アイ、大好きだし。添付のニュースの下半分は、日本のことはこんな風に報道されているよ、との一例です。
 そういえば、最近、特にインディペンデント紙とThe Guardianが大きく取り上げている素独パズル。日本生まれかと思ったら違うようですね。初心者レヴェルですら一度も完成できない自分が情けないです。

 閑話休題。3週間ほど前に送ったメールの中で、ヨーロッパの3王室の皇太子妃がご懐妊、とお知らせしましたが、オランダ、デンマーク、スペイン、ベルギー、そしてノルウェーの順でベビー・ラッシュだそうです。もう、Hello!マガジンの定期購読を真剣に考えています。デンマークは「できれば男子、でも女の子の世継ぎもOK」、スペインは近い将来「女王」も有りの法律に変わるとかで、もしもの話ですがデンマーク・スペイン王室の王位継承第2位に当るそれぞれの第1子が女の子だと、この5王室、次の次が全部女王。長生きする気はないんですが、もし、この5女王という状況が現実になるのなら、みてみたいな。
 モナコのキャロライン王女のお宅拝見、と言うキャプションにつられて買ってしまったHello!。モナコ王室とハノーヴァー朝がくっつくと凄いですね。ドイツに「お城」、ケニアにヴィラ、南仏にもヴィラ、ロンドン・チィエルシーに大邸宅、オーストリアのアルプスの麓に、年間2週間くらいしか滞在しないらしい大邸宅。

 来週から筆記試験です。皆さん、お元気で。
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Big Brother is watching: 1984

2005.05.18
エンタメ、もしくはロイヤル・オペラ・ハウス情報です。

 土曜日に観る予定が、子守りを頼まれた為、昨日、月曜日に今シーズン唯一の新作オペラ、ロリン・マゼール作曲の「1984」を観てきました。こちらの友人たちには、「そんなDepressingなオペラをわざわざ見なくても」と言われましたが、Depressingという感想は持ちませんでした。単に、つまらなかった。今シーズン、あと三つオペラを見る予定ですが、現時点でヴィジュアル的に駄目だったのが、「マダム・バタフライ」、音楽的に駄目だったのがこれといえるでしょう。

 ジョージ・オーウェルの原作に関しては、20年以上も前に読んだきりなので、全く覚えていませんでした。台本は比較的よくかけていた感じで、扱っている主題、管理社会への警鐘とオーウェルが予想したままの社会が今有る、という点は大変判りやすく、面白かったです。
 問題は、素晴らしい指揮者が素晴らしい作曲家になれる保証はない、ということ。確かにいいメロディーはありました。特にコーラスが管理社会の素晴らしさと、そのスローガンを歌い上げる曲は「いいじゃん」、と思いました。が、全体の9割以上が、もう一度聞きたくなるようなメロディでは無かったです。なんというか、一つでも、「この曲が、このアリアがあるからこのオペラを聞きたい」、というのがあれば良かったんですが、残念ながら無かったです。そんな曲があれば、オペラ自体の意義も感じられたのかもしれないですが、コアになる旋律がない為に、スタイルすらなかったように思えます。
 「現代オペラなんてそんなもんじゃないの?」、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも、「この旋律を伝える為に、このオペラは生み出されなければならなかった」、という意思は必要だと思うんです。変な例えになりますが、大昔、イギリスのポスト・パンクバンドで注目されていたジョイ・ディヴィジョンを初めて聞いたときに圧倒された、切羽詰ったギターの後ろに流れる、壊れそうなくらい繊細で美しいメロディと、そのメロディを奏でたいと叫ぶ魂。それが「1984」には無かったです。それと、台本を読みながら聞いていたんですが、「この心情の吐露は重要だろ」、と言う所に限って、モノローグのような単調で、抑揚のない旋律で済ませているのが、このオペラの限界をもの語っているようでした。
 セットは面白かったです。プログラムでは、「未来世紀:ブラジル」のある場面の写真が使われていましたが、それに通じる「昔体験した未来」ってな感じです。惜しかったのは、映像が多用されていた所。パリ・オペラ座の「トリスタンとイゾルデ」でも映像が重要な役割を務めたそうですが、個人的には、映像があると処理する情報量が増えて、鬱陶しいな、と。オペラの演出の伏線となるべきセットが前面に押し出される、そんな感じでした。

 で、大方の批評家が誉めていた通り、主役を務めたサイモン・キーンリサイドの素晴らしい歌唱・演技がなかったら、多分初日限りだったのではないかと思います。第2幕の拷問の場面のセットなんて、彼がいたからこそ実現したのであって、他に誰があんな不自然な体勢で歌えるんだ、と。オペラの最後、管理社会の象徴、Big Brotherへの愛を歌う彼の穏やかな無表情からは、生きていく目的を奪われてなお、生きていくことしか出来ないひとの悲しみがにじみ出ているようでした。

 閑話休題。性懲りもなく、「英国ニュースダイジェスト」の依頼で、ロイヤル・オペラ・ハウスの特集記事を書きました。好きなトピックなので書きすぎたため、6月16日の掲載時にはかなり削られるようですが、予定通りに事が進んだら、また送ります。

 もうすぐ筆記試験。今年はどうしても結果を出さないと。東京、肌寒い日が続いているそうですが、皆さん、体調を崩されないように。

Fw: 否定疑問に対する肯定の返事

2005.05.06
ドイツ語文法に関して、大学時代にお世話になった教授から指摘がありましたので。20年も前の経験をひけらかしては駄目ですな。ちょっと赤面。

 皆さん、良い週末を。

----- Original Message -----
Subject: 否定疑問に対する肯定の返事

否定疑問に対して「はい、~~しません」型の返答をするのが、英語でも聞くようになった、とのご指摘、おもしろく読みました。ただ、doch から説明すると、捩れが生じてしまうように思いました。

例文を作って見ました。a) 否定疑問に対する否定の返事。b) 同肯定の返事。

ドイツ語
Rauchst du nicht?  a) うん、吸わない。Nein, ich rauche nicht.
b) いや(、吸うよ)、でも今咽喉が痛いんだ。Doch, aber jetzt habe ich Halsschmerzen.

英語
Don't you smoke? a) No, I don't.
b) O, yes, but just I have a sore throat.

フランス語
Tu ne fumes pas? a) Non, je ne fumée pas.
b) Si, mais maintenant j'ai mal à la gorge.

フランス語の例文、文字化けするかも知れません。e accent aigu と a accent grave がそれぞれ1箇所ずつありますから。

ロイヤル・オペラ・ハウス周辺情報

2005.05.06
引越し後、最初のエンタメです。といっても、ロイヤル・オペラ・ハウスの情報ばかりになりそうですが。
 
 まず、現在ホットな話題は、今週の火曜日から始まった。指揮者のロリン・マゼールの初めてのオペラ、「1984」。ジョージ・オーウェルの小説をベースにしたものです。これに関する、先週末の報道の凄いこと。マゼールは、このオペラの為に会社を設立、しかも自身のポケット・マネーから、約8000万円を拠出。この世界初演のオペラは、ロイヤルの為に作られたのではない、ということで、作曲家としては全く未知数の指揮者の自己顕示欲の為にロイヤルは箱と歌手を用意したのか、「じゃ、金さえ出せば誰でもロイヤルのメイン舞台で世界初演のオペラを上演できるのか」とか。更にロイヤル内部からの密告で「このオペラ、屑」とか。
 実は、来週14日に行くんですが、論調がこんなだから、「まずい、この機会を逃したら一生観れないであろう超レアなオペラがキャンセルになったらどうしよう」、と危ぶんでいました。で、昨日、一昨日とレヴューが出揃ったんですが、オペラ自体はどうしようもないようです。今、キャリアのピークを更に押し進めているサイモン・キーンリサイド、コロラチューラに更に磨きがかかっているらしいディアナ・ダムラウ双方の畢竟の歌唱・演技をもってしても救えなかった、というのが共通しています。いずれにしても、14日、怖いもの見たさで凄い楽しみです。

 先週の土曜日、30日には、同じくロイヤルで、ヴェルディの「仮面舞踏会」を。素晴らしかった、シーズン初めの、ムーティがキャンセルした「運命の力」より更に感動的でした。が、それに水をさしたのが、観客。
 かつて、オペラを観始めた頃、オペラの師匠から「どんなに素晴らしいアリアでも、歌手が歌い終わっても音楽が続くなら、その最後の音が消えるまでは拍手しないように」、といわれました。で、その夜。第3幕で、アメリカ人バリトン、トーマス・ハンプソンが扮するレナートがアリアの最後を歌い終わるやいなや、天井桟敷から「おばさん」が、一際大きく「ブラヴォー」。つられてハウス中が大歓声に包まれてしまったので、余韻に浸ることも出来ず、奏でられたであろう数音も聞こえずじまい。確かに、ハンプソンにはおばさんのファンがたくさんいる。けど、好きなら、最後まできちんときかんかい、と。

 2シーズン前に、新演出で始まったプッチーニの「マダマ・バタフライ」。演出に手が加えられ、且つ歌手の皆さんのレヴェルも過去最高、と言うことで観にいったんですが、視覚がやっぱり駄目でした。男性陣が、志村けんの「ばか殿」のような白塗り。いつもは、古色蒼然としたオペラで充分といっていますが、こと日本を題材にしたものは、舞台をもっとモダンにして欲しい。イングリッシュ・ナショナル・オペラのヴァージョンや、ギルバート&サリヴァンの「MIKADO」もジョナサン・ミラーによるモダンな演出は楽しめたので。

 3年前、たった一度、リヒャルト・シュトラウスの「ダフネ」のコンサート形式の演奏会での余りの素晴らしい歌唱が今でも忘れられない、アレクサンダー・フォン・デア・ヴェルトさん。それ以来4回、ロイヤルのオペラにキャスティングされていたのに、全てキャンセル。どうしたのかな、と思っていたら、悲しいニュースが。2シーズン前、彼女が専属だったドイツのあるオペラハウスで、ベッリーニの「ノルマ」を歌ったあと、歌うことを止めてしまったそう。よく理解していない点もあるんですが、「ノルマ」というのはベル・カント・オペラを歌うソプラノにとっては、最高峰の役の一つであると。誰もが歌いたがるけど、「ノルマ」を歌ったが為にキャリアが終わってしまった歌手も少なからずいるそうで。だから時が来るまで慎重にこのオペラを避けている歌手、例えば、50代になって漸く歌ったグルベローヴァ。ゲオルジューもまだオペラでは歌っていないのではないかと。
 アレクサンダーさんに何が本当に起きたのか判りませんが、舞台芸術の遭遇は、奇蹟に近いものがあると感じます。

 で、太りすぎて、昨シーズンのロイヤルでのシュトラウスの「ナクソス島のアリアドネ」を降ろされたアメリカ人ソプラノのデボラ・ヴォイトさん。歌手生命をかけて胃を小さくする手術を受けて、成功。一般からすればまだ大きいですが、かなりスリムになっていました。
 ヴォイトさん同様大きい、カナダ人テノール、ベン・ヘップナーとヴァルトラウト・マイヤーによる、パリオペの「トリスタンとイゾルデ」。二人の歌は、まるで神が歌っているようだったとか。観たかった。いずれにしても、ヘップナーは「オテロ」、マイヤーは「ヴァルキューレ」で今シーズンのロイヤルの後半を盛り上げてくれるはず。

 アメリカ人IT長者に、アルベルト・ヴィラーという方がいます。オペラやバレエが好きで、世界中の有名なオペラハウス、バレエカンパニーに莫大な寄付を約束したのは数年まえ。ロイヤルにも45億円の寄付を約束したそうで、ロイヤル側は、感謝として飲食やイヴェントに使われるメイン・ホールと、若手歌手や識者の養成プログラムに彼の名前を冠しました。
 で、ITバブルの崩壊後、ご多分にもれず、払われない、と。ロイヤル側は、彼の名前を外すことを検討し始めた一方で、養成プログラムにはすぐさま他の支援者が現れたそう。波乱はあれど、文化を支援する人が次ぎから次に現れるなんて、恵まれているな。

 こんな寄付のどたばたがあったり、バレエでは予定されていた世界初演のプログラムの一つがキャンセルになるなど、ロイヤルも全てが順風満帆という訳ではありません。が、同じくロンドンに本拠地をおくイングリッシュ・ナショナル・オペラとバレエに比べれば、ロイヤルの一人勝ち、と言ってもいいくらい。ENOとENB双方が芸術監督を失うし、予算は逼迫している悪循環に入ってしまったのに対し、ロイヤルは、バレエは全幕・ミックスプログラムどれもがほぼ完売状態。オペラは、Royal Philharmonic Society awardで、昨シーズンの「テンペスト(世界初演)」、「ピーター・グライムズ」、「ムツェンスク群のマクベス夫人」で歌手や演出がノミネートされているそう。
 4月20日に来シーズンの演目が発表されて以来、僕にもIT長者のお友達がいてくれれば、と。

友人がベルリンに行った折、ヴェルトさんのインタヴュー記事を見つけてくれました。体調不良が長く続いたそうですが、ドイツ国内では復帰を果たしたそうです。良かった。

魚屋が泣いた日

2005.05.06
今日の夕方、イヴニング・スタンダードを読むまでは、このメールのタイトルは「モンゴルの人食い巨大昆虫」だったんですが。

 ロンドンに混雑税が導入されてから、一応交通量は減っているらしいです。が、反面、個人・家族経営の小さな、でも地域に根ざして何年も営業を続けてきた商店の売上が激減、と言うことが起きています。
 ロンドンに来た当初住んでいた、Paddington Street(Marylebone High Streetを一本脇に入った通り)に、Blagdenという創業100年のFishmongerが有りました。住んでいたフラットの真正面にあり、いつも陳列されているロブスター、モンクフィッシュ、ドーヴァー・ソール、脂ののったスコットランド産のスモーク・サーモンを物欲しげに眺めたり、時には買って友人に料理してもらったり。いつも活気があり、何度もあった閉店の危機も顧客の支持で乗り切ってきたロンドンの誇る魚屋が、混雑税のあおりで客足、売上がともに激減し、先週の土曜日、ついに廃業してしまったんだそうです。顧客も店の家族も全員、大泣きだったそう。知らなかった。あの、気のいいおっちゃんたちにさよならを言いたかった。
 未来永劫続くものなんてそう滅多にないけど、セントラル・ロンドンで暮らす人々の生活を破壊するのはそんなに楽しいことなのか、とケン・リヴィングストンに問い質したいです。
 これに限らず、最近、社会の歪み、なくても良いはずの歪みが大きくなっている気がします。一例を挙げると。日本でも同様の報道が以前あったように記憶していますが、イギリスでも未成年者間でのSTDが蔓延しているそうです。性教育への躊躇い、子供達の間にはびこる焦燥感などが絡んでいるようです。が、そうこうしている間に、とうとう14歳の少年がHIVに感染していることがわかったそうです(イギリスで現在の所、親子間の感染以外での最年少)。感染が確認されてからこの少年はこういったそうです:「HIVは、大人だけがかかるもんだったはずなのに」。
 更に今日の新聞各紙の報道では、ウェールズ在住の当時17歳の少年が、昨年e-bayを悪用し、実際に持っていない商品を出品・販売して約500万円を騙し取った挙句、全て使い果たしとのこと。大人が、マネー・ゲームや、リアリティ・ショウという人間から自分の現実を直視する気力を奪うような娯楽にうつつを抜かしている間に、坂道のくだりの角度が急になってきているような気がします。

 これとは関係なく、最近個人的に気になっていることが一つ。皆さん英語を日本で習ったとき、英語の否定疑問で、日本語の感覚で「はい、やりません」、と言う時は、「No, I don't」と応えるんだよ、と叩き込まれたと思います。自分もその一人。それが、最近、英語を母国語していない人だけでなく、若いイギリス人と喋っているとき、否定疑問を使うと、「Yes, I don't」というのに遭遇する頻度が高くなっているような気がするんです。例えば、ドイツ人とだったらわかる気がします。ドイツ語には、否定疑問に「YES」と答える為の「DOCH」が存在しますし、確かフランス語にもそんなのがあったはず。最近ロンドンに多い東欧系の人がこれをやると、「恐らく母国語の感覚なんだろうな」、と思います。が、イギリス人がこれをやるのは、解せません。

 最後に気楽な話題を二つ。先週金曜日の「Metro」の見開きトップニュースは、モンゴル・ゴビ砂漠を跋扈するDeath Wormをイギリス人冒険協会が探索。キャプションを読んでいると、昔アメリカ映画にあった「トレマーズ」や、ホラー作家のクーンツの「ファントム」を思い出しました。この協会に属する科学者は大まじめなようですが、胡散臭いというか。しかも、この協会、過去にもタイやスマトラで20メートルを超す大蛇とか、夜行性の吸血モンスターを見つけようとしたそう。勿論、成果は無し。確認する気もありませんが、一応ウェブがあります。www.deathworm.co.uk
 2週間前のイヴニング・スタンダードによると、「Neets」と分類される皆さんがいるそう。Not in education, employment or training、要するに配偶者、パートナー、親の力でセレブライフを満喫している皆さん、とのこと。その代表は、カミラ夫人、ヴィクトリア・ベッカム、プリンス・ハリー、そしてマンUのウェイン・ルーニーの婚約者コリーン。わたしゃ、コリーンになりたいっす。週給1000万円の恋人をゲットするなんて、宝くじを当てるよりさらに難しいと思うし。

 柏餅を買いにいかないと。


友人からの情報だと、全員が、ノッティングヒルにある別の高級鮮魚の店に再就職できたそうです。良かった。
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明日からの5年

2005.05.05
 どれだけ日本に影響があるのわかりませんが、明日5月5日は、イギリス総選挙の日。投票権があれば、名ばかりの「労働党」になんて絶対に投票しませんが、かといって強力なリーダーもいないし。
 今回の総選挙の争点は、病院システムの改善、年金、税金、犯罪抑止などいつもの通り多岐にわたっています。中でも、いつの間にやら大きなポイントになっていたのが、移民問題。EU圏の拡大、テロの問題などが絡まってくるので、各党首も言葉一つ一つにかなり神経を尖らせているようです。
 でも、今回、移民問題が気になり始めたのは、この総選挙でなく、デンマークらの二つのニュースでした。先週、65歳の誕生を祝ったマルガレーテ女王が、先月、「私達の反対姿勢をイスラムに見せるべき(中略)私達が寛容になれないことがある」、との発言をしたそうです。この発言はイスラム強硬派に向けての発言ですが、更に個人的に非常に驚いたニュースが The Sunday Timesに有りました。
 記事を無くしてしまったので細かい点までは思い出せませんが大筋は、(確か)23歳未満のデンマーク人は国内で外国人と結婚できない、したければ一度国外に出なければならない、と。記事では、24歳のデンマーク人女性の苦悩を紹介していました。彼女は23歳のとき、数歳歳上のニュージーランド人と結婚、国外にでなければならなかった、と。丁度コペンハーゲンで職を得たので、スウェーデンのマルメ(新しい橋があるので通勤1時間)に移住したそう。現在24歳になったからデンマークに彼女は戻れるんだけど、旦那を呼び寄せるには、彼女の年収が日本円で500万円だったか、更に140万円くらいのデポジットが必要とのこと。これは、職を得るのが難しいであろう外国人配偶者を養っていけるだけの収入があるかどうか、ということです。彼女の収入だけではその基準をクリアできないので、まだ暫くは毎日国境を越える通勤をしなければならない、とのこと。
 女王の発言は、イスラムのファンダメンタリストへの意思表示ですが、同じ記事で、デンマークは過去3年、移民に対して厳しい姿勢をとり始め、内外から批判を集めている、とありました。結婚については、全ての外国人に全く同じ姿勢でのぞんでいる、というのが感心すると同時に、なんでそうなってしまったのか。でも、この流れ、西ヨーロッパでは顕著になりつつある気がします。
 イギリス総選挙に戻ると、もう一つの関心事は、犯罪率の急上昇。先月、こんな事件がありました。Nicola Horlickという、シティきってのスーパー・ウーマンがいます。先月、サウス・ケンジントンにある彼女の自宅(10億円)の前で、強盗に襲われ1千万のサファイアの指輪を奪われそうになったけど、機転を利かして何とか奪われずに済んだ、と。殴られて流血したけど「何で、あんな連中に私の指輪を渡さなければならないのか。警察には抵抗するなんてばかげている、といわれたけど、誰かが強盗が簡単なことではない、ということを連中に判らせなければならない。警察がしないから、しただけ」、と。ちなみに、彼女、以前保守党から出馬要請があったとか。彼女の名前をイギリスの新聞の検索すると、数々の武勇伝が読めます。
 サウスケンといえば、先日もある住宅価格調査で、イギリスいち高額な住宅地だそう。にもかかわらず、犯罪率も上昇の一途。蜜があるから虫が寄ってくるんでしょうけど、個人的には、過去数年に渡って、ブレア首相が進めてきた、貧富の差を拡大させただけの経済活動の結果、という気がします。
 今朝のThe Guardian で見つけた、衝撃の記事。スコットランドでは、河川の汚染が急速に進み、ガリア戦記などにも記述されている「ヤツメウナギ」が絶滅の危機にあるとのこと。イギリスって、もっとこう、環境先進国だと思っていたのでかなり驚きました。友人には記事を送ったんですが、イギリスは現在、先進国の中でもだんとつで食べ物を無駄にしている国でもあるそうです。

 ゴールデン・ウィークが終わり、皆さんが通常の生活に戻る頃、これからの5年、イギリスがどう変わっていくかが見えるのではないかと思います。お気楽な話題も有るんですが、長くなりすぎたので。

過去一月のヨーロッパ王室情報

2005.05.02
親愛なる皆さん

 おはようございます。メールを出さないと、メールが来ない、ということを改めて実感しました。矢張り、出しつづけようと思います。

 BTのトンチキの為に引越し後2週間電話はつながらないし、そうこうしている内にカレッジは始まるしで、皆さんに送りたいことはたくさん有るんですが、時期を逃した感も否めないし。それでもやっぱり王室ねたは外せません。そういえば、2週間くらい前の愛知万博には、オランダ皇太子夫妻、デンマーク皇太子夫妻、それとエリザベス女王の次男(いつまでたっても名前を覚えられませんが、確かアンドリューだったかな)が訪れていたそうで。

 本当に4月は慶事、弔事がたくさん有って、特にヨーロッパ王室の主要メンバーは、今日はローマ、明日はロンドン、ってな感じだったことでしょう。国別に。
 まずはイギリス。既に一月近く前だし、日本でも大きく報道されたようなので今更でしょうけど、チャールズ皇太子とカミラさんの結婚の報道は結果的に面白かったです。結婚式翌日の主要全国紙を買い、Hello!を買ってカミラさんの写真をじっくり見て、「お金をかけるってこういう事なんだな」、と。もっさりした典型的な中年イギリス女性の感じの外見だから、これまで中間色のドレスを着るたびに批判されてきた彼女が晴れの日に選んだドレスの色が渋めのシルヴァーっぽい色。それが結構映えて見えてしまいました。結婚式後は、なんとなく彼女への風当たりが弱くなったかな、という気もします。が、式後1週間足らずの間に、3回も同じ洋服(赤いコートで、裏地は緑が基調のタータンチェック)を着たとか、エリザベス皇太后の遺品のブローチをさかさまにつけたとか、まぁ、有名人だから仕方ないことでしょう。
 報道では、この結婚を機に、これまでイギリスの顔として世界中を飛び回ってきたエリザベス女王夫妻の、特に長距離の外遊をチャールズ・カミラ夫婦が代わりにこなす回数が増えるだろうとのこと。女王夫妻は高齢ですから。皇太子夫妻としての外遊デビューはこの秋のアメリカ訪問だそうです。それと、ローマ法王の葬儀のために式が一日延期され4月9日になったたことで、「4月8日」の日付が入った記念品の数々がe-bayで高騰しているそう。実は、ロイヤル・メイルの記念切手を年間購入しています。今年の分を昨年末に予約したとき、当然この結婚の記念切手は予定に入っていなかったので、発売当日の消印が押された特別切手が届くとは思っていませんでした。ところが、届いたんです、しかも「4月8日」の消印入り。売る気はないけど、なくさないように。
 結婚式当日も、カミラ夫人に笑顔を見せなかったとか、最後までエリザベス女王は彼らの結婚を認めなかったと報道されていました。が、セレモニーでの女王のスピーチは、彼女も息子の再婚を祝福している、と受け取られています。女王のスピーチは、「My son is home and dry with the woman who he loves」。

 次にモナコ。引越し前に送ったメールで、王位継承者に男子の世継ぎがいない場合云々を書きましたが、なくなったレーニエ大公は既にこの点をフランスと協議していたようで、後を継いだアルバートさんが独身を通した場合、次の継承者は、キャロライン王女の長男アンドレ君だそうです。
 レーニエ大公の訃報は新聞では余り大きく報道されなかったようですが、一族にまつわる逸話には大きく紙面が割かれていました。曰く、グリマルディ家(モナコ王室の名前)では、幸せな結婚は長く続かない、という話が沢山あるそう。有名な所では矢張りグレース妃の非業の死でしょう。そんなこともあって、アルバートさんは結婚しないとか。この話に真実味が加わるのが、キャロライン王女の旦那(ハノーヴァー家の末裔で、英王室ともつながりあり)が、膵炎で緊急入院、2週間生死の境を彷徨った、と。つい最近退院して、今はオーストリアの保養地で療養中だそう。

 デンマーク。5月5日に投票日を迎えるイギリス総選挙のホットな論点の一つ、移民問題。それにあわせた訳ではないと思いますが、マルガレーテ女王がちょっと踏み込んだ発言をしたそうです。これは別の機会に。フレデリック皇太子とメアリー妃がいまだ新婚気分冷め遣らぬまま、ヨアヒム王子とアレキサンダー妃の離婚が決まったそう。アレクサンダーさんの人気はデンマーク国内では高く、Royal Highnessのタイトルはなくなるそうですが、国内に留まり二人の王子を育てていくんだそうです。

 ヴァティカン。王室ではないですが。まず、新法王の年齢を考えると、この人事は場つなぎかな、という気がしなくもないです(カソリックの皆さん、不謹慎な発言、お許しを)。イギリス国内では、ヨハネ・パウロ2世の葬儀でのブレア夫人のシャーリーさんの衣装が相応しくない、と批判されていました。前法王の葬儀、新法王の就任(?!)ミサの写真を見ていると、王室外交ってそれなりに影響力が有るんだと思います。興味が惹かれたのが、新法王のミサに出席したスペインのソフィア女王とルクセンブルク大公妃のお召し物。ベルギー皇太子妃やドイツのシュレーダー首相夫人が黒の衣装に対し、前者二人は、純白、見ようによっては花嫁の衣装にも見えなくもなし。これは、敬虔なカソリック教徒として、法王と伴に、ということなのかな、なんて。

 最後。ヨーロッパ王室は、今年ベビー・ラッシュ。デンマーク皇太子夫妻の第一子が10月、オランダ皇太子夫妻の第二子が7月、ノルウェー皇太子夫妻のところも第二子だそう。雅子さんの事が思い出されると同時に、風当たりが強くなりつつあるらしいスペイン皇太子妃のレティシアさんが同じ苦労をしなければいいな。

 長くなりました。そろそろ日本は花粉が収まり、藤や菖蒲が美しくなる頃でしょうか。
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