LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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2005年06月の記事一覧

最近起きた、幾つかのこと

2005.06.27
親愛なる皆さん

 おはようございます。日本は暑いようですね。来月戻るときは、冷夏であって欲しいです。少なくとも東京と名古屋だけでも。

 2週間ほど前、何度も皆さんにも読んでもらっている、現在2歳半の女の子の子守りを久しぶりにしました。家についたとき、丁度寝たばかり、ということで、家族が出かけたあと、「天気もいいし、起きたらリージェント・パークにいって一緒に薔薇園を歩こうかな」、と気楽に考えていたんですが。この案は、実現しませんでした。
 しばらく前から、いわゆる「反抗期」に入りつつあると感じてはいました。が、この日、起きてすぐに「ママは?パパは?」と聞いたので、「出掛けたよ」、と言った途端、この世の終わりがきたかと思うくらいに泣き始めました。更に、彼女が生まれて40分後からの付き合いなのに「Koji, go away, I don't like you!!」、と。これが初めての子守りだったら、ショックの余り彼女をほうっておいて帰っちゃったかもしれませんが、「以前にも、同じようなことを他の子に言われたな」、と冷静に受けとめて、彼女から見えないところで本を読みつつ、でも気配は気にかけつつ。
 子供のパワーって凄いし、でも賢いですよね。30分近く泣いていたのが漸く落ち着いてきた感じがしたので、部屋を覗いたら、簡易用のお手洗いに座って用足しをしていました。で、僕を見つけてまた泣くんですけど、涙が出ていなかったので、「もう平気だな」と思い部屋に。「Go away!!」、の叫びを聞き流し、拭かせて、と言ったらちゃんと聞いたので、「あ、後10分くらいだな」、と思っていたら、本当に10分後に「眠れる森の美女のヴィデオを見たい」、と。
 後はディズニーのヴィデオを一緒に見ていたんですが、これ位の年齢だと命令したがるんですかね。「Koji, you sit there, don't move!」。いい勉強になりました。それにしても、ディズニーのヴィデオは、余り感心できません。全てが、アメリカ。大体、プリンセス・オーロラがこんなんでいいのか、って言うくらい俗っぽいし。

 7月2日、ボブ・ゲルドフが中心にになって催される「Live8」。これのチケットが取れた、という話ではなく、現在、ヴォランティアとして参加しているTerrence Higgins Trustが、HIV教育啓蒙の一環として、この機会に無料のコンドームを配る。自動車会社のFordがコンドームを無料で提供してくれたんだけど、それを小さなパッケージに詰めなければならない、と。なので「時間があったら、手伝って」、とのメールが金曜日に。
 行って来ました、今日。皆さん、1万パッケージものコンドームが会議室のテーブルに山積みされている光景を想像してみてください(ちなみに、総数は8万パッケージです)。隠微とか後ろめたさなんて微塵も感じることなく、「こんなのでHIVになるのが防げるんだから、何で世の大人はしっかり子供に教えないのか」、と。
 箱詰め自体は、ノルマは一人2000個でしたが、1000個に達したところでギヴ・アップしました。楽しかったのは他のヴォランティアの皆さんとのお喋り。特に、スコットランド人のお母さんと一緒に参加していた、日系の女の子。お父さんが大阪人とのこと。ロンドン大学のキングス・カレッジで宗教社会学を学んでいるそうです。感心したのが、彼女の日本語。書くほうは余り自信がないといっていましたが、話し言葉の綺麗なこと。二十歳そこそこの日本人と話す機会なんて最近ありませんが、あんな美しい日本語、今日本に居る同世代の子は喋れるのかな、と。来月、吹田にいる家族に会いに行くのが楽しみ、と嬉しそうでした。

 先日、久しぶりに電話した元同僚から、「最近、勉強のお話がないですね」、と言われました。
 書きたいことは沢山あるんですが、昨年の失敗の影響がまだあります。が、それ以上に、カウンセリングの勉強が凄く面白い反面、この興味深い点を上手く説明できる自信がない、誤解させてしまうくらいなら言わないほうがいいのかな、と思うことがあります。
 ロンドンに来て、多くのカルチャー・ショックを経験しましたが、勉強しているサイコダイナミック・カウンセリングは一番のカルチャー・ショックです。元会社の営業職場で一緒に働いていた皆さんは覚えているかもしれませんが、当時、僕は人の話を聴かない、もらったメールは読まない、お客さんに話す機会を与えないくらい喋り倒す、そんなでした。それが今じゃ、セラピストと二人っきりで15分以上も沈黙に耐えられるようになったんですから。今まで気付かなかった些細な、でも悩みを抱えている皆さんには大きな問題にもゆっくりとですが気付き始めました。例えば、2週間ほど前でしょうか、活発な議論を引き起こしたのは、「Difficulty in saying NO」。これ、カウンセラーになる身にも大きな問題です。カウンセラーは完璧じゃないですから、時に、クライアントに「NO」といわなければならないことがあります。NOといわなければならない葛藤、NOと言われる葛藤。
 まだまだ、これからも打ちのめされることが沢山起きると思います。こうやって書き連ねたものを、何方かが読んでくれるのは、嬉しいです。

 長くなってしまいました。滞在はたった12日ですが、沢山のことをキャッチ・アップするつもりです。まぁ、食べるのが優先になりますが。皆さん、既に蒸し暑いようですが、どうかお体は大切になさってください。
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元原稿の著作権が僕にあると仮定して

2005.06.15
久しぶりに自分の書きたい分野の事を、書いた特集です。元原稿の著作権は、僕に有るんだろうとの想定のもと送ります。

 PDFファイルは、今回本当に重いので、送るのを諦めかけたんですが、元同僚から、「宅ファイル便」というサイトを教えてもらったので、普通回線のみなさにはそちらを使ってお知らせします。ちょっとフライングですが、元原稿を先に送ります。ポジティヴなフィードバックのみ受け付けます。

 これを書くことについては、本当に楽しかったです。勿論下調べもしたし、いつも新聞の文化面からトピックを拾っていたので書く内容については結構早くまとまりました。が、丁度カレッジでプレゼンが二つと筆記試験の準備を始めたときだったので早朝と就寝前に少しづつ。結果として、多分トータル24時間で書き上げた感じです。
 問題だったのは、ニュースダイジェストの編集を強化する為に就任した「編集顧問」の中年男性。「何で、この時期にロイヤルオペラハウスのことを特集記事にするのか理解できない、オペラやバレエは冬だろう」から始まって、完璧に売り切れている状況を把握せず「じゃ、グラインドボーンのほうが高級感があるからそっちを今から特集しよう」、仕舞いには、「ワーグナーとモーツァルトこそがオペラだ」なんて言い出したところで、僕のほうがぶちきれました。編集の方に電話して、「このような方が僕の原稿に手を入れるかもしれない状況があるようでしたら、この原稿なかったことにしてください」、と。もうどうでもいいやという気分だったのでこういう風に伝えたんですが、この出かたが想定外だったらしく、同じ日の夕方に「全てMoriyaさんにお任せします。顧問に口出しさせません」、との返事をもらい、ここまでこぎつけた次第です。
 東京で働いてきた経験の中で、「顧問」という役職に就いてまともな仕事をした人は居ない、ということを学びましたが、どこに行っても日本人社会は同じですね。

 愚痴はここまで。チケットをどうやって取るかとか、簡単な演目説明を一般誌向けに書いたものですからオペラ・バレエに詳しい方には物足りないでしょう。ただ、レイアウトが出来上がったページをみると、結構情報が上手くまとまって読みやすい、と自画自賛。バレエ・オペラファンの掲示板を読んでいると、好きな方は必死に外国語を勉強して何とか情報をいち早く入手しようとしているようですが、一般のファンには、英語のHPですら、どこを見れば正しい情報を入手できるかが一苦労だと思います。なんで、元の会社の文化部辺りから、マンスリーでロイヤル・オペラ・ハウス情報を書いて、なんて仕事が来ないかな、と。

 掲載ページのオペラの紹介では削られてしまったんですが、個人的に楽しみなオペラはモーツァルトの「フィガロの結婚」。オペラ初心者の頃に観て以来、舞台では観ていないんです。来シーズンのオペラへの不満は、スター歌手が余り出演しないこと。ルネ・フレミング、カリタ・マッティラ、チィチェーリア・バルトリも、男性陣ではホアン・ディエゴ・フローレスもでないし、乗りに乗っているサイモン・キーンリサイドもコンサート形式にでるのみでオペラにはでない。あと、バロック・オペラも、シュトラウスのオペラもないし。プッチーニが多すぎ。ヨーロッパの他のオペラハウスの予定を観ていると、お金さえあればすっ飛んでいきたい、と思うものがかなりあります。
 バレエの演目紹介は、ご覧いただければ判る通り、全幕もののみ。ミックス・プログラムで上演されるものでは未見のものが沢山有りますし。いつものことですが、シルヴィ・ギエムが踊る可能性がある演目が余りに少ないのがとても悲しいです。気まぐれでもいいから、「眠れる森の美女」を踊ってくれないかな、と。でもそうなると、世界中からギエムのファンが押し寄せてくるでしょうけど。
 個人的に非常に興味がある演目が一つ。バレエの最後のミックス・プログラムで上演予定の、カンパニーの創始者、デ・ヴァロワ振付けによる「The Rake's Progress」。解説曰く、ベースになっているのは、イギリス人画家ウィリアム・ホガースによる同名のシリーズの絵。日本では、「放蕩一代記」と訳されていたように記憶しています。
 実は、ホガースは大学で卒業演習として勉強しました。あの当時は、まさか自分がロンドンで暮らすだろうなんて考えたことなど全くありませんでしたし、ホガースの実績についてもそれほど理解もしていなかったはず。でも、ロンドンで暮らし始めて気がついたのは、彼の代表作の幾つかの絵は、21世紀の社会状況を風刺する状況でもよく使われているんです。先日も、ある全国紙が取り上げたイギリスの貧困層の生活の解説記事の中で、彼の代表作の連作の一つ「Gin Lane」(対になるのは「Beer Street」)が使われていました。ロンドンの歴史に興味がある方には、ホガースの絵からいろいろな事がわかります。

 いつまでロンドンに居られるか判りませんが、居る間は予算が許す限りロイヤル・オペラ・ハウスに居付きたい、と思っています。

名前は文化ですね

2005.06.12
また人様から頂いた知恵をそのまま送るのは手抜きですが。ヘンリー(英)、アンリ(仏)、エンリコ(伊)は知っていましたが、他にもあるのはしりませんでした。日本語のカタカナって、偉大だ、と思います。

 中国、韓国には行ったことないのでよく判りませんが。最近韓流が流行っているので、結構皆さんも遭遇されるのではないかと思います。



ところでご指摘について所感を。

4.固有名詞の発音。
世界史で「ヘンリー」や「ピーター」が一杯出て来ましたね。あれ、今はどうなんだろ。ハインリヒ、アンリ、エンリコ、エンリケ、ペーター、ピエール、ピーテル(オランダ)、パーヴェルなんて片仮名表記にしてるんでしょうか?ぼくは自分の書き物では、原国籍主義を採り、できるだけ(限度がありますが)それらしい片仮名を使いますけれど。

前便の誤り。ロシアの「パーヴェル」はポール、パウル、パヴロの方。ピーターに当たるロシアの名は勿論「ピヨートル」でした。ええと、それから:チャールズ、シャルル、カール、カルロス、カルロ、カレル(チェコ)。ジョン、ジャン、ヨーハン、ジョヴァンニ、イヴァーン。スティーヴン、(はて、フランスじゃあ?)、シュテファン、エステバン、イストヴァン(ハンガリー)。メアリ、マリ、マリーエ、ミリアム(中近東)、茉莉、麻里、万利、真理etc. (日本)。

日本人の名前を中国、韓国で現地発音するのを思いつきました。自分とは思えない、と複数の日本人が書いてましたっけ。表音文字の無い中国はいたしかたないかも知れませんが、ハングルのある韓国は奇妙です。



 ところで、「おかげさまで」ですが、言葉が足りませんでした。よく芸能人がインタヴューで「えー、おかげさまでなんとかよくやっています」、というとのが嫌いなんです。主格が見えない。
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ここが変だよイギリス人

2005.06.12
僕の超偏狭な意見ですので。

 今更ですが、今でもなんかこれは嫌だな、と思うこと。明確にする為に、どちらかというと、「イギリス人」ではなく、「イギリスにもとから住んでいる人」から感じる違和感です。

 1.Sorry about that:イギリスにくれば、絶対に一日に1回は耳にするフレーズ。全然Sorryなんて思っていず、更に腹が立つのは、言外に「これは自分の責任じゃないけど、一応Sorryといってあげているんだから、その点を勘違いして僕にこれ以上文句を言うのは間違いだよ」、という気分がみえみえなこと。こういう時は、彼らは絶対に視線を合わせません。イギリス人って、視線をそらす・はずす・あわせない天才だと時に思います。

 2.Not too bad:これに関しては、僕がニューロティックなんだと思いますが。どうして、「How are you?」って聞いたときに、Brilliant, Fine, Fabulousとかのポジティヴな言葉ではなくて、日本語で言うところの「悪くないよ」。何で素直に、ポジティヴな言葉で自分の気分を表現しないのか。数年前、これを多用する友人に「他の言い方出来ないの?」、と多分攻撃的に尋ねたら、もの凄く険悪な状況になってしまったことが有ります。ちなみに、日本語の「おかげさまで」も大嫌いな言葉なので、これに関しては僕の問題なんでしょう。

 3.絶対に道を譲らない:二人なんとかすれ違って通れるような細い道でも、絶対に一歩下がって片側によるとかしません。広い道でも、家族全員が道幅に広がって喋りまくっていたり。こういうときに「Excuse me」と言って通り抜けようとすると、自動的に「Sorry about that」が降りかかってきます。なんかのときに、「Sorryって言う前に、自分の行動を考えたら?」、と言って矢張り険悪になったことが何度か。日本でも同様なのかもしれませんが、どうしてエスカレーターを折りきった所、自動改札の前、出入り口の前で人は止まるんでしょう?

 4.名前:アルバイトしている会社の別の店に、スペイン人のDianaという女性がいます。彼女と直接会う前に電話で話したとき自分の名前を「ディアナ」と発音していたので、会ったときに「どういう風に君の名前を発音すればいいのかな?」と尋ねました。「聞いてくれてありがとう。イギリス人の同僚はみんなダイアナって呼ぶんだけど、私の名前はダイアナじゃなくてディアナだから、そう呼んでくれると本当に嬉しい」、と。
オランダ人とスイス人のハーフの友人にJan(男性)という方がいます。外国人同士で英語で話しているとき彼はみんなから「ヤン」と呼ばれます、それが本来の発音ですから。一人でもイギリス人の友人が加わると、そこに「ジャン(イギリスでは女性の名前)」という名前が入り込んできます。一度「気にならないの?」、と聞いたら「Koji、諦めたよ」。
 勿論、英語だけの問題ではなく、他の言語でも発音しづらい外国語はあります。僕だって、名前にRとLがあるときは失礼な発音になっていることは否定できません。それと、僕の苗字「MORIYA」が、英語の発音学上、難しいらしいということも判ってきました(大体、モラヤといわれます)。でも、せめて「こう呼んで欲しい」とお願いされたら、元の発音に近い音で名前を呼ぶ努力をしてもいいと思います。
 現在ヴォランティアとして参加しているHIV感染者の生活をバックアップするチャリティのトレーニングに参加したとき、南アフリカ出身のトレーナーからこう尋ねられました。「KOJI、君の名前のKはソフトに発音したほうがいいのかな?」。驚いて、「気にしないで。でも、こんなこと尋ねられたの初めてだよ」、と答えました。そしたら、「違う名前で呼ばれたら嫌でしょ」、と。
 先日、Respect云々のメールに、「相手の文化を共有しないと」との返事を頂きました。外国で暮らしていると、この難しさを痛感します。

 閑話休題。先日のロンドン・アイと、日本でも大きく報道された「ピアノマン」の件。その後、全く報道がないんです。まぁ、ロンドン・アイは恐らく解決したんだと思います、今でも問題なく動いているので。
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新たな絶滅危惧種

2005.06.09
親愛なる皆さん

 こんにちは、最近日照時間が長くなったのは嬉しいんですが、たまに白白と明ける午前4時の明るさに目が覚めてしまいます。

 試験期間中やコース・ワークのエッセイを書いている間は、「英語読みたくない病」が悪化し、終わった直後は「イギリスの悪口を言いたい病」が悪化します。でも、今回は、試験期間中あちこち電話して愚痴(というか弱音)を聞いてもらったので、イギリスの悪口を言うのはやめよう、と思っていたんですが。
http://observer.guardian.co.uk/international/story/0,6903,1499544,00.html

 先週の日曜日のThe Observer紙に掲載された日本に関する報道。読んでいただくと、日本のことって、こんな風に報道されているんだ、というのが判ると思います。
 タイトルは、「如何に日本人は恋愛に飽きたのか?」。内容は、日本の出生率の低下と人口減に関するもので、恐らく日本の皆さんにとっては目新しい内容ではないと思います。実際は、この記事に関しては、怒った、というよりも「こんな風に表現するのか、面白いな」、というものでした。思わず笑ってしまったのが、日本人の子供に関するところ。どんどん子供の数が減っているし、結婚をしたがらない世代(おまえはどうなんだ、と言う突っ込みがきそうですね)も増え続けているので、結果として「日本人の子供は絶滅危惧種になりつつある」、と。でも冷静に考えれば、事実だし。
 これだけだったら怒る所まで行かなかったでしょう。が、二日ほど前、Edgware Road駅からサークル・ラインの始発に乗り込んだときのこと。先頭車両には僕一人。新聞の数独パズルに没頭していたとき、いきなり「これってサークル・ライン?」との質問が飛んできました。またかと思いつつ、喉まで出かかった「自分で確かめんかい」、の言葉を飲み込んで視線を向けた先には、今僕が発車を待っているこのサークル・ラインの運転手としか思えない男性が悪びれもせずに。
 ナノセカンドの間に「これって冗談」と思いつつ、多分もの凄く嫌そうな表情をしながら「そう信じているけど」、と。先方も気がついたんでしょう慌てて、「Don't worry, I just wanted to know if you are on a right train」。うそ。絶対に、自分がどのラインに乗務するのかわかっていなかったはず。

 数週間前、ある新聞に今のイギリス人に足らないのは、「Respect」だと。政治家から、社会の歪みの根源とされる若いギャングまでが「自分達は他の人たちからRespectされるべきだ」、と。他の人からRespectされたいなら、まず自分の責任を果たしてからだろうと思うんですけどね。

 閑話休題。6月7日は、ノルウェーが完全に独立してから、100年だったそうです。

 犯罪率の上昇が目立っているロンドンですが、やっぱり6月は一番美しい季節。薔薇に囲まれてお茶を飲めるロンドンは、もうちょっと居たいな、と思います。

自分勝手な宣伝

2005.06.09
皆さん、お健やかにお過ごしのことと思います。

 この春の存亡の危機をかろうじて乗り切ったらしい「英国ニュースダイジェスト」。編集長が決まらないまま、不安定なままの編集部に付け込んだ訳ではないですが、以前からやってみたくて何度も打診していた「ロイヤル・オペラ・ハウス」の特集をこの機に乗じて書きました。来週、6月16日発行です。内容は、丁度6月28日から来シーズンのピリオド1の演目のチケットが発売開始になるので、シーズンの大まかな紹介です。
 今日、校正原稿をもらって、今まで皆さんの好意に頼って色々なことを書き散らかしてきた甲斐があった、という感じです。皆さん全てに郵送でお送りしたいんですが、それもままならないので、もし、皆さんの周りに丁度その日イギリスにいる方がいらっしゃるようでしたら、宣伝してください。チケット取り方から、一般誌向けですから、判り易く。
 来週になったらきちんとしたPDFが送られてくるはずですが、写真を沢山使っていて3ページの合計が5.3MBを超えています。下手に普通回線の方に送ろうものなら、とんでもない迷惑をかけてしまいますので、今回は会社のネットワークを使っている皆さんと、既にADSLを使っているのをお知らせしていただいた皆さんにのみ。

 カレッジでは、まだプレゼンが後二つあるんですが、筆記試験も終わったので、遅ればせながら、薔薇の香りに惹かれて初夏の美しいロンドンを楽しんでいます。皆さんも、お元気で。

家族の肖像

2005.06.02
親愛なる皆さん

 こんばんわ、日本はそろそろ蒸し暑くなってくる頃でしょうね。

 「お持ち帰り試験(Take-away Exam)はまだ終わっていませんが、下書きが終わったので、今日はちょっと別のこと、ということでメールを。いつものことですが、今回は特に極私的なことなので、不快に思われる方がいるかもしれませんし、意見も異なると思います。

 試験が始まる直前の週末、日帰りでブリュッセルに行って来ました(Oさん、ごめんなさい、連絡できませんでした。まだ帰国じゃないですよね?)。バーゲン価格でユーロスターのチケットが購入できたので(後述)、かの地の友人家族を3年半ぶりに訪ねて来ました。友人は夫婦ともフランス人。理由は聞いたことがありませんが、過去4年のうちに、中国から二人の養女を迎え入れました。
 3年半前に上の女の子(現在、5歳半)に会った時、全然僕に近づいてくれなかったんです。そのときも今回も一緒に行った友人曰く、僕の東洋人の風貌が、彼女の孤児院での記憶を刺激したんだろう、と。今回はどうかなとちょっと気を揉みつつ、初めて会う下の女の子(2歳半)が泣いちゃったらどうしようかなどと思いつつ。
 心配は杞憂でした。やっぱり最初は吃驚したようでしたし、訳わかんない言葉を喋っている(彼女達は当然フランス語のみ)これ誰だ、って感じの表情でしたが、母親が、「Kojiの頬にキスしてあげて」と促したら二人一緒に近づいてきて。言葉が通じないのは仕方ないですから、プレゼントとして買ってきた文字の少ない飛び出す絵本を差し出したら、読んで欲しいそぶりを見せたので、下の子を膝の上に、上の子が隣に座って僕が英語で「これはトド」、って英語でいうと真似たりして。今思い出すと、僕が癒されていたような感じです。この日覚えたフランス語、「サ・セ・クヮ?」。
 その後公園に一緒に行って自転車の練習に付き合って、戻ってきて一緒にお茶を飲んでいた時に友人夫婦に「幸せそうだね」、と言ったら、「幸せだし、それに考えさせられることも沢山ある」、と。上の子は既に保育園に行っていて、そこで他の子供から「君は中国人でしょ」といわれたそう。恐らく、その言った子は「中国人」の意味もわからず自分の親が言った言葉をそのまま言っただけだと思います。が、彼女にとっては大変ショックだったようで、戻ってくるなり母親に「自分は誰?赤ん坊はどうやって生まれてくるの?私はどこからきたの?」と質問したんだそうです。僕「どうやって答えたの?それと、それって5歳児の質問?」、母親「コウノトリが運ぶなんて答えられるわけないでしょ。きちんと、赤ん坊がどうやって生まれてくるかを説明したし、何故私と彼女の外見が違うのかを説明したわ」、と。
 まず思ったのは、子供が経験するpeer pressureってなんて残酷なんだ、と。母親の説明も、家族として必要だったんだろうな、と。何を今更ですが、家族の定義みたいなものを考えつつ、でもなんで家族の不幸せ、特に子供の不幸せな事件が後を絶たないんだろう、と。現在、イギリスでは家庭内で虐待される子供を救うチャリティ団体が積極的に活動していますが、家族っていびつになってしまうとこともあれば、いつまでも自分を受け入れてくれる所でもあるんだろう、と。いい人ぶる気はないんですが、楽しい一日であったと同時に、一生思い出に残る講義を受けたような一日でした。

 ユーロスター。乗るの実に久しぶり、しかもファースト・クラス。通常だったら、一番高い往復料金(変更可能な切符)は300£以上。それがなんと、往復99ポンド。どうやって購入できたかというと、The Daily Telegraphとユーロスターの共同プロモーションが有って、2週間のうちに新聞紙上で毎日発表されるキーワードを五つ集めたら、ユーロスターのウェブから特別ページに行ってチケットを購入。それだけ。
 プロモーションといっても、サーヴィスは同じ。ファースト・クラスだから、朝は朝食(スモークサーモンをチョイス)つき。友人にランチ・お茶と鱈腹ご馳走になったにもかかわらず、夜は、前菜のスモークチキン、メインの小牛肉のミートローフにギリシャ風パスタ添え、ベルギー産のブリーにデザートは無花果のタルトとラズベリー・ソース。シャンペン飲み放題、ワイン飲み放題(といっても僕はシャンペン一杯で酔ってしまいますが)で、〆てお一人様19,800円。しかも、行きは一緒に行った友人が、乗務員(全員フランス人)にターキッシュ・デライト(ぎゅうひみたいなお菓子)を1パックあげたら、お礼にフルボトルのシャンペンをもらったり。僕個人に限った話だと、行きのウォータルー駅で、フランスの出張税関にスタンプを押され、帰りもベルキーの税関、更にブリュッセルに出張しているイギリス税関にまでスタンプを押され、たった一日で、3個もスタンプをパスポートに押されてしまいました。

 試験提出まで、あと4日。
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