LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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2005年08月の記事一覧

親密さと下心(反省を込めて)

2005.08.25
親愛なる皆さん

 残暑が厳しいようですが、お健やかにお過ごしのことと思います。毎年、8月も後半になると愚痴ってしまいますが、ロンドンの夏は来ないまま終わりました。

 ひょんなことからバレエのウェブ・マガジンに寄稿することになったこともあって、副業は書くことに集中できたらな、と。そんな浅ましい気持ちがあったために経験してしまったことを。恐らくこんな失敗をするのは僕だけだとは思うんですが。

 先週、バレエの写真をどうやって効率よく集めるかを教えてもらう為に、ここ2年位親しくしてもらっているプロの音楽評論家に時間を割いてもらいました。メインの話を聞き終わったところで、「お願いがあるんだけど?」、と。
 彼のフラットは、ロンドン西部のリトル・ヴェニスの閑静な住宅街にあります。何度かお茶や夕食に招ばれたことがあり、きらびやかではないけど、よく手入れされた気持ちのいいリヴィング・ルームや本人の書斎を見るたびに、「これが、日本人が憧れるイギリスの家なんだろうな」、と漠然と思っていました。で、僕をイギリスのことに詳しいフリーランスのライターとして売り込む為に、「そうだ、よく手入れされた友人たちの家の写真をとって記事を書こう」、と思いついたんです。今こう書いていると、本当に浅はかですが、その時点では自分のことばかり。
 で、友人はにやりと笑って、「何考えているかわかるような気がするし、僕のフラットのことをそんなに誉めてもらって嬉しいけど、だめなんだ」。「言っていなかったけど、実はリヴィング・ルームに、ルネッサンスの画家のとても貴重なデッサンがあって、保険がかけてあるんだ。例え確率が低くても仮に保険会社が日本の雑誌に僕のフラットの内部の写真が掲載されているのを見つけたら、保険、解約になっちゃうんだよ」、とのこと。断るにしても、もうちょっと現実的な理由を言えばいいのに、とそのときは思いました。保険のことに関してまるで無知だったとは、このあとに気付きました。

 で、その週末、別の友人とお茶する機会があったので、彼女にこの話をしてみました。実は、この友人の家も勝手にリストに入れていました。ハイドパークの北側に位置するベイズウォーター・エリアの小さな通りにある彼女の家は、縦に細い、いわばMewsハウスのよう。日本風にいうと4階建て、各フロアに12畳位の部屋があります。家中に古書、絵画、彫刻が飾ってあり、本人曰く、「9割はただみたいなものよ」。
 彼女にまず聞いたのは、「保険会社が写真を撮らせない、なんてことあるの?」、と。で、答えは「ある」。そのとき初めて知ったんですが、彼女の家にも2ヶ月くらい前に、80代前半にして余りに官能的な女性のヌードを描いたと、新聞紙上を賑わせた有名な画家(フロイトの家系)の初期の絵があるそう。今までも、何度か「家」専門の雑誌から撮影の依頼があるけど、その保険があるから断ってきたそうです。
 でも、「まずい、失敗したかな」、と思ったのが彼女の次の言葉でした。「でも保険はひとつの言い訳。この家は、私自身をリラックスさせるプライヴェイトな空間。そんな空間を、仮にリヴィング・ルームだけとしても、全く知らない他の人に見せるは嫌なのよ。友人として親密さがもっともっと増しても、私も貴方の依頼は断るかな」。で、「もしかして、友情の一線を超えたってこと?」とちょいと不安になって更に尋ねると、「もしかしたらね。でも、その評論家の友達は貴方に正直に理由を言ったんだから、心配しなくても平気だと思うわ。私も、怒っていないからね」。
 混乱しつつも、「でも、日本では沢山イギリスの家の特集記事や本が出ているようだし、みんな見せたがっているものだとばかり思っていたけど」。「そういう人は、私から言わせればそれで商売しているようなもの。それと、貴方が大好きなHELLO!マガジンなんかで取り上げられるセレブはね、撮らせる部屋を決めてあるし、撮影するほうも了解済みよ」、なんだそうです。

 たった5年半しかロンドンに住んでいないくせに驕ったのか、文化の違いなのか、それとも単に自分が浅はかだけなのか。今は、自分が浅ましかったんだと思っています。

 お口直しに。ご存知の方も多いと思いますが、ロンドンの地下鉄の路線頭は、実際の地理からはかなり外れていて、シンプルな形にデフォルメされています。そのために、路線図をじっと見ていると、動物の絵が見えてくる、と。
www.animalsontheunderground.com
です。中にはこじつけすぎだろう、というのもありますけど面白いです。
 
 原稿書き終わったんですが、写真が集まりません。
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Oriental とAsian

2005.08.08
当然ですが、いまだに7月に起きた2回のテロの影響が色濃く残るロンドンです。

 先週、ブレア首相による演説で、今まで余りにも寛容だったイギリスの移民政策は新たな局面を迎えそうです。その前から、更なるテロを未然に防ぐ為に「Young Asian」をターゲットに尋問をするなど人種間の緊迫も高まっているように思えます。
 で、多くの皆さんに心配して頂いている「M君、警察に尋問されないようにね」は、個人的には全く心配していません。なぜかというと、イギリス人がAsianでさす人種には日本人や、韓国人など極東アジアの人種は基本的に入っていないんです。いくら他の日本人と比べるとほんのちょっとだけ外れる外見でも、流石にパキスタンやアフガニスタン系などイギリス人がAsianで括る人種に見られることはないでしょう。
 極東アジア人種をさすときに使われるのは、Orientals。僕は、最初にこの使い分けを知ったとき、強い違和感を覚えました。僕個人の感覚では、Orientalsはシルクロードの西側の文化圏のイメージが強く、日本や日本の文化をオリエンタルで表現するなんておかしいと思っていました。結局は彼らがそう使い分けているだけであって、その違いを認識すればたいした問題ではないです。が、こういった他者と自己の認識の差って、結構大きいことがあるんだな、ということを最近になって漸く気付いてきた感じです。

 無理やりのこじつけ。今日のThe Observer 紙で見つけたイタリア人男性のイメージについての記事。イタリアのビーチで、女性がイタリア人男性から声をかけられることなく歩くことが出来なかったのは60年代、70年代の話。現代イタリア男性の7割は、ビーチに行っても内気で女性に話し掛けることも出来ず、一人ビーチパラソルの影に隠れて音楽を聞いている。そんなイタリア人男性は、自分は痩せすぎ、もしくは太りすぎていると思い込み、更に日焼けが充分とは思えないコンプレックスに悩まされている、そうです。
 イタリア人男性といえば、お喋りで、ドラマティックで、生まれてきたのは女性を口説く為、なんてステレオタイプなイメージしか持っていなかったので、この調査結果を俄かに信じることは出来ません。が、記事で使われている、結構若い男性の寂しげな姿を見ていると、これもただ知らないだけなのかな、と。

 今日、一番考えらさせられたニュース。The Sunday Telegraph紙の付録雑誌に掲載されていた、ある家族のインタヴュー。あるご夫婦の子供3人は、全員がCIPA(Congenital Insensitive to Pain with Anhidrosis)という汗をかけない、さらに痛みを全く感じることができない先天的な遺伝病を患っていると。この病気については名前は知りませんでしたが、そんな病気がある、という事は知っていました。悲しく思えたことが二つ。一人目のお子さんの異常に気付いたとき、ご夫婦も検査を受けたそうです。その結果、本人達は全く知らなかったことですが、双方がこの遺伝病を発病させる遺伝子をもっていたこと。両親がこの遺伝子を持っていると、子供が発病する確率は25%。最近、このような悲しい遺伝病を防ぐ、または発病する確率を知る為に、ジーン・セラピーというのがあります。偶然巡り会い、将来の家族を思い描く二人に突きつけられるであろうジーン・セラピーの結果。人を助けるって、難しいことだと思えます。
 もう一つ。彼らの子供3人は、両親の努力があって10代半ばの今まで生き抜いてきました。今一番怖いのは、彼らのクラスメイトだそうです。長男は、今まで数え切れないくらい「痛くないんだろう」といわれてむこうずねを思いっきりけられたり、指を反対側に無理やり折り曲げられたりしているそう。本人曰く、「本当に痛くない」んだそうです。が、限定的な状況ですから一般論としてはいえないでしょうけど、「子供の敵は子供」、という言葉が思い浮かんでしまいました。

 最後にイギリスでかなり話題になっている本を。ハリー・ポッターじゃないですよ。Deborah Huttonさん、有名な女性誌の健康欄のジャーナリストだった方。40代後半だったかな。この方、煙草を20年以上も前に止めたにもかかわらず、昨秋、進行性で末期の肺がんと診断されました。以来、たくさんの親戚・友人が助けてくれようとしたそうです。そんな経験から、患者が、そして患者の家族が何を必要としているか、ということをまとめたものです。残念ながら彼女は出版の翌日になくなられたそうです。抜粋を読んだんですが、面白かったです。タイトルは「What Can I Do to Help: 75 Practical Ideas for Family and Friends from Cancer's Frontline」。

 チャコットの一回目の原稿を書きはじめなくてはならないので、しばらくはお邪魔することもないかな、なんて思っていますが。


アメリカでは、日本人はAsianといわれているようです。

我慢した甲斐がありました:食事

2005.08.08
日本に戻った朝、成田空港で真っ先にしたことの一つは、噂に聞いていた「空弁」を買ったこと。正直、これは期待がでかすぎた為に失望しましたが、後はロンドンに戻る飛行機に乗る1時間前まで日本での食事を堪能しました。

 白米と魚、種類の豊富な野菜、それとお約束のケーキ、これにつきました。日本のケーキは世界に誇れる「和食」だと思います。資生堂パーラーとグランド・ハイアットのイタリア・レストラン「フィオレンティーナ」で食べたショート・ケーキ、それとパーク・ハイアットでのオレンジ・シフォン・ケーキ、もって戻りたかった。
 魚は、鮨をのぞけば食べた種類は限られますが、鮪、鮭、なんかの白身魚、ふぐなど。むかし通いつめた赤坂にある割烹のお昼の定番の鉄火丼、赤坂の別の割烹で食べたふわふわのふぐのてんぷら、銀座でご馳走になった鮪の頬肉の竜田揚げ。日本円で考えると高いかんじですが、これがポンドで換算すれば、東京の食事の素晴らしさと言ったら。
 例えば、鉄火丼や、友人が教えてくれた恵比寿駅のそばにある「自然茶房(じねんさぼう)」でのランチ、ともに5ポンド。かたやどんぶりに大盛りのご飯にたっぷりの新鮮な鮪の刺身と蜆の味噌汁、もしくは野菜たっぷりの汁かけご飯に具だくさんの味噌汁、トマトジュース、梅干などがついて5ポンド。ロンドンでは、脂ギットリのBLTサンドイッチとコーヒーにバナナ1本で5ポンド。
 ロンドンでは、自分で作らない限り、和食は高いです。それと、水質の違いは大きいと思います。ロンドン来て1年目くらいのまだバブリーだった頃に行った結構高い和食レストランの白米は微妙に味が違っていましたから。日本に帰ることができれば、ご飯と味噌汁と焼き魚がある、そう思えばロンドンに居る間は、こちらの食べ物で生き抜いていくと。

 ロンドンで和食が高いのと似たような理由なんだと思いますが、驚いたのは紅茶の値段。どこ行ってもカップ1杯の紅茶が800円前後(4ポンド)。最たる例が、イギリスでは日常紅茶の一つ、「Yorkshire Gold of Harrogate」の値段。僕はいつもこのメーカーの赤を買っています。ティー・バッグ80入りで、
スーパー・マーケットで1ポンド99ペンス(398円)。それなのに、パーク・ハイアットでは、このGoldがポットサーヴィスとはいえ、1,500円(サーヴィスチャージ抜き)。資生堂パーラーでは、恐らく150ティー・バッグ入りの缶が3,350円(16ポンド75ペンス)。最初は、自分の暗算能力がおちたのかと思いました。そうそう、イギリス人にリプトンの紅茶をすすめると、怒りますからお気をつけください。

 どうも長々と。今回もお世話になりました。暦の上では秋でも、残暑はこれからだと思います。どうか皆さんご自愛の程を。

買い物天国(お金さえあれば)

2005.08.08
今回の帰国で最大の発見は、「免税」を受けられたこと。名実ともに外国人気分を味わいました。

 銀座三越で、ロンドンの友人から頼まれた頑丈な折りたたみ傘を購入したとき、売り場のお姉さんが丁寧な受け答えながらも、実に気さくな方だったので、丁度いいやと思って「三越では、外国人のお客さんが免税を受ける場合の条件はなんですか?」と尋ねました。答えを聞いているうちに、海外在住の日本人ももしかしたら受けられるのかな、と思いつき尋ねた所、担当部署にすぐに案内してもらい、なんと受けられると。
 その日の午後は時間がたっぷりあったので、銀座中のデパートを回り、聞きまくった所、条件は。1)海外在住2年以上、2)一時帰国後6ヶ月以内、3)パスポートの提示、4)デパートによってだけど住んでいる国で発行されたクレジットカードの提示、5)買い物の金額が消費税を含まずに10,001円以上。それと、三越、阪急、伊勢丹は購入した日でなくても日本を離れる前だったらいつでも、西武は購入した当日でないと駄目とのこと。また、購入が同じ日であればばらばらのレシートは合算できるけど、数日にまたがっての合算は駄目だそうです。
 実際に免税を受けたのは有楽町阪急と伊勢丹だけでしたが、手続きは本当に簡単でした。パスポートの今回の一時帰国の入国のはんこの確認が済んだら当人がやることは書類の2箇所にサインをするのみ。イギリスの17.5%と比べれば5%の消費税などたいしたことないように映るかもしれませんが、その場で現金で戻ってくるのは嬉しかったです。阪急と伊勢丹双方で、税関に見せなければならないのか尋ねた所、「原則ではそうなっていますが、本当に滅多に聞かれませんよ」、とのこと。変な所で運が悪いんで念のため用意しておいたんですが、尋ねられませんでした。
 この免税について思ったことは、「得をしたかったら、尋ねないと。良い話しは、待っていても来ない」。

 免税に限らずですが、本当に、お金さえあれば東京ほど楽しい街はないですね。今回は銀座、赤坂、新宿でしか買い物をしませんでしたが、過剰なくらいの品揃え、痒い所に手が届く、且つ実際使い勝手のある商品の数々。お土産の買いでがありました。
 今回ロンドンの友人たちへ買ったのは、主に「和」のもの。扇子、手ぬぐい、お線香など。これまでの経験から、説明が難しいものや、一方で使い方が限定されるようなものは避けたほうがいいかな、と。最近の手ぬぐいはデザインが綺麗ですから、イギリス人にとっては毎日使うものではなく、ちょっとした額に入れてインテリアにしたり、バンダナにしてみたり。彼らが使いたいように使えるものの方がもらう方も気楽ではないかと。
 更にサランラップ、ジップロック、ニトムズ社の「コロコロ」、クイックルワイパー(自分用)。恐らく、イギリスにも似たような商品はあると思います。何が違うかというと、イギリスの日常品は、消費者に楽をさせない。何故こんな使い辛い物に不満の声があがらないんだと不思議でなりません。以前にも書きましたが、例えばイギリス製のサランラップ、存在自体が奇蹟、と思えるくらい使えません。
 それと、かつて日本で暮らした方や、配偶者が日本人のイギリス人の友人から頼まれたのが、お風呂で使う綿のボディタオル。凄い喜ばれました。曰く「これで背中をごしごしこすると気持ちいいんだよ」。

あたかも外国人気分

2005.08.08
親愛なる皆さん

 おはようございます。皆さん、お健やかにお過ごしのことと思います。

 銀座や愛知万博で愚痴っていたあのねっとりと身体中にまとわりつくような暑さが幻想だったのかと思うほど、ロンドンは寒いです。アロハシャツやかりゆしウェアだけで外出したいのにままなりません。今月末に暑さが盛り返してくれることを願っています。

 3年半の間帰国しなかったのが長いのか短いのか、ということはおいといて、今回の帰国で面白かったのは、東京とロンドン、双方のいいところとそうでないところが鮮明に感じられとことでした。ロンドンに居ると見えていなかった、「ロンドンのこういう点、東京よりいいかもしれない」、とか。ちなみに、ロンドンでは今でも全てを円に換算していますが、東京に戻った途端全てをポンドに換算して考えていました。
 ロンドンの方がいいな、と思えたのは、東京の交通機関のシステム。昨夜偶然喋った、東京に12年住んでいたイギリス人男性が、「鉄道・地下鉄の料金はロンドンのほうが高い」、と言っていたので恐らく料金はロンドンのほうが高いんでしょう。不便に感じたのは、料金を払うシステムがばらばらなこと。ロンドンでは、例えば年間のオイスター・カードを購入すればCAP制で、購入したゾーン内なら一日のうちにバス、地下鉄に何度乗っても課金されることはありません。「観光客」としては、JR、地下鉄、バスとそれぞれ払うカード(媒体)が違い、更にいつも残額を気にしなければならないのは結構鬱陶しかったです。でも、どの交通機関も清潔で明るくて溜息が出ました。
 ついで信号。これはよくない習慣なんでしょうけど、ロンドンでは滅多に信号を守りません。というか、赤信号でも車もバスもこないなら、渡りたくなってしまって。ある日曜日の朝、広尾に行ったおり何にも走っていない道路で横断歩道を渡れないのが辛くて仕方無かったです。流石に数寄屋橋の交差点ではできませんでした。
 腹立たしかったのは、歩道を走る自転車の無礼千万なこと。日本では自転車が歩道を走るのは規定事実のようですが、それならそれで何故ベルを鳴らして歩行者の注意を促さないのか?僕はいまだに聴覚だけは誇れるので、背後から自転車が来るのはかなり離れていても判りましたが、あんな状況、小さなお子さんを連れた家族には恐怖でしかないでしょう。
 それと、気楽に他の人と喋れる雰囲気じゃないのもかなり違和感がありました。エレベーターに乗って妊婦の方や、小さなお子さんと一緒の方に話し掛けたくてうずうずすれど、そんな雰囲気微塵もないですもんね。話し掛けようとする素振りを見せた途端、雰囲気がこわばるし。前述の東京に住んでいたイギリス人男性、偶然地下鉄で隣り合った人でした。見ず知らずもいいとこ。なんで話すことになったかというと、日本人のDNAに「懐かしい」という言葉とともに刷り込まれているであろう、緑の唐草模様の風呂敷を抱えていたんです。まじまじと見ちゃいけないな、と思いつつ舌がむずむずしてしまったので、「何方からもらったんですか?」、と尋ねるとそこからは、「東京の素晴らしいランチが懐かしくていつも嘆いているよ」とか、「あの暑さは以上だね」なんて。たった数分の間でしたが、楽しかったです。でもこんなことを東京でしたら、不審人物に見られてしまうでしょうね。
 一番驚いたのは、東京の緑が思っていた以上に少ないこと。六本木ヒルズに行って最上階から東京を眺めたとき見えるのはビルばかり。ロンドンほどとは言わないまでも、もっともっと公園の緑が見えるものだと思っていたので。

 東京の何が良かったって、サーヴィス。偶に「何これ?」と思えるときも有りましたが(特にグランド・ハイアットでのいらっしゃいませの大合唱)、客を客として扱ってくれる所が本当に嬉しかったです。東京にいる間にも、何人の方にも言いましたが、感動したのが、銀座6丁目にあるお煎餅屋さん「瑞花」。東京に戻った日の午後、眠気覚ましに銀座に行きました。あの時点で24時間以上まともに寝ていなかったし、暑さでへとへと、格好はアロハシャツに短パン、マヨルカ島で購入したオレンジ色の革のサンダル。こざっぱりした印象でなかったことは確かです。こじんまりとした店内に入って、みるともなくお煎餅を眺めていたら背後から「お客様」、と呼びかけられました。「まずい、こんな格好できちゃいけなかったのかな」と思っていたところ、「お茶を淹れましたので召し上がってください。ごゆっくりなさってください」。買う気なかったんですが、買っちゃいました。そういう戦略だったのかもしれませんが、大変感動しました。
 それと、テロの直後だったということもあってか「ロンドンから戻ってきたんです」、というと結構話が弾んでこれまた楽しかったです。資生堂パーラーで見つけたイギリスのお茶が軟水用のものなのか尋ねたお姉さんと日英のケーキの話をしたり、有楽町阪急の受付のお嬢さんと免税の話で盛り上がったり。

 本当に面白い観光旅行でした。
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