LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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2007年08月の記事一覧

ロンドン地下鉄、72時間ストライキの予定

2007.08.31
おはようございます。故ダイアナ妃のメモリアル・セレモニー、すっきり簡素で、これを取り仕切った二人の王子を見直しました。誰かが手助けしたとは思いますが、ハリー王子のメッセージは、本人が若者らしい朴訥な感じながら、母親への愛情をしっかり込めて読み上げたので、心に届くものを感じました。これで、ダイアナの死が引き起こしつづけている集団ヒステリアがおさまる方向に行けばいいな、と思います。彼女の功績と悲劇の死を無理やり引っ付けていつまでも引きずることは、ダイアナさんも望まなのではないかと思います。

 で、憂鬱な話題です。

 この夏、ロンドンの地下鉄12路線のうちの、3分の2の路線の保守等を請け負っていた会社が機能不全に陥りました。ロンドン市当局は、この破産によって解雇などは生じないと明言していますが、それを「はいそうですか」、と額面とおりに受け取る労働組合ではないです。ということで、来週の月曜日、9月3日の午後6時から、二つの労働組合が連動して、合計72時間のストが予定されています。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/england/london/6971816.stm

 一応、組合が前面に出しているのは、雇用を守るという点です。が、世界一高い地下鉄をつかわざろう得ない利用者からすれば、納得のいくものではないでしょう。労働運動にシンパシーを持つ僕自身、「きちんと働いてから権利を主張しろよな」、という思いしかないです。
 仮にこの72時間のストライキが実行に移されると、ロンドン、ひいてはイギリスの公共交通機関の安全性、及び危機管理のお粗末さが世界に報道されるわけですから、行政側も何とかして回避すると期待していますが。個人的には、現在住んでいるところがゾーン2なので、ストが起きるとちょっときついかな、と。

 過去の愚痴はこちらをどうぞ。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-52.html

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-107.html
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ブラウンとブレア

2007.08.29
今日、まだまだイギリスには驚かされる、というニュースがあった。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk/6968400.stm

 全国の刑務所の係官がいっせいにストライキに突入した。報道を読むと、確かに給料は安いし、勤務もきつそう。でも、このような社会秩序の根底を揺るがしかねないことになる問題、もっと前に何とかするべきでなかったのかと思う。ちなみに、現在の住まいの近所に刑務所があることを、この出来事で知った。

 今日のストライキだけではないけど、ブレアの時代に封じ込められ、見えないところでガスが溜まっていたことが次々にはじけているように思う。添付のカトゥーン(テレグラフだったような)は、銃犯罪が悪化する前のものだけど、ブラウン首相は、ブレアが残した負の遺産の後始末で、彼が首相としてやりたいことに手をつけられていないような印象がある。
 なんか、ブラウンが首相に就任したのはとてつもなく前のことに思えるけど、ほんの数ヶ月前。その数ヶ月の間に、テロ未遂、洪水被害、口蹄疫の発生、人権問題、悪化する銃犯罪等々。改めて書き並べると、もの凄い国にいるような気がする。




 ブレアの時代に蔵相だったわけだから、ブラウン首相の責任(というべきなのか)が論じられるのは仕方ないことだろう。でも、個人的には、ブレアがしたこと、しなかったことに焦点があてられるべきだと思う。十数年後には、ブレアはイギリス社会をないがしろにした政治家としてしか語られなくなるのでは、と思っている。


[追記:8月30日]
今日のThe Guardian紙から。
http://www.guardian.co.uk/prisons/story/0,,2158608,00.html

http://www.guardian.co.uk/prisons/story/0,,2158649,00.html

 刑務所の係官の突然のストライキは、組合の幹部すら把握していなかった模様。ということは、状況はかなり深刻ではないかと想像する。ウェブには記載されていないけど、刑務所で働く係官の収入は、社会の基礎を支える他の職業、例えば看護婦、警察官、教師といった給料が安いことで知られる職業よりさらに少ないそう。ある新聞はこの係官達のことを「ignored job」と表現していた。

日英の比較3:就職するなら、QUANGOS!

2007.08.29
8月19日のThe Sunday Telegraph紙と The Observer紙は、とても面白い記事、特集が満載で大変読み応えがあるものでした。オペラ界に広がる薬物中毒とか、イラクのクルド人社会についてとか。中でも一番面白かったのは、「そうか、政治家や役人が天下るのって、何も日本ばかりじゃないんだ」、と思い知ったThe Sunday Telegraphからのこの記事です。ちょっと長いですけど、面白い記事です。
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2007/08/19/nquango219.xml
 QUANGOって、なんだかご存知の方がどれくらいいるのか判りませんが、この単語に遭遇したのは初めてです。Quasi-Autonomous Non-Governmental Organisation の頭文字をつなげて出来た造語のようです。僕が今でも使っている辞書(1987年!出版)では、「独立政府機関」と訳されています。イギリスでのみ使われているようですね。
 このQuango(s)の存在は、日本で言うと、政府の外郭団体とほぼ同じだろうと思います。国民から見ると何をしているのかが全く判らない感じもまさにです。記事によると、労働党が政権を握った当初は、このクアンゴを廃止する方針をうたったにもかかわらず、現在の総数は700以上。その700以上ものクアンゴスの維持の為に、国民の税金から払われる総額は年に£1670億、ということは38兆円。イギリス国民の辛抱強さには感心してしまいます。
 政府が政策を思いつき、それを検討し実行に移す為の機関が必要だと主張するたびに、クアンゴの数は増えているそうです。幾つかのクアンゴの名前のセンスのなさも日本とそっくり。Milk Development Council, The British Potato Council, Home-Grown Cereals Authorityなど等。名前を見ただけでは、一体、国民の生活の為に、どんな風に役立っているのかまったくわかりません。

 しかも予算を使い切るところまで日本と全く同じ。予算を毎年使い切らないと、翌年の予算を減らされてしまうからだそうです。先日書いた「Seagull Management」に通じるものがあります。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-523.html
 実生活に役立つことを考え、実践に移すのが任務であろう機関でありながら、現場に行くべき予算をこのクアンゴスに巣食うコンサルタントが使い切ってしまうのは日常茶飯事のようです。例えば、学力低下、校内暴力などで荒れる多くの学校に教師を送り出すのが使命と思われるThe Training and Development Agency for Schoolsが2006年に使い切った国民の税金は、およそ1,500億円。さらに腹立たしいのは、このクアンゴスのトップや総責任者のポストにいるのは、労働党に関係の深い人物ばかり。さらにさらにもっと腹がたつのは、一人の人物が、複数のクアンゴのトップにいることも稀ではない、という事実。記事によると、セレブリティ・シェフの一人、ジェイミー・オリヴァーが学校給食の改善を求めてメディアにでまくっていた2005年に設立されたのは、School Food Trust。その初代のトップに就任したデイムの称号を持つ女性は、その当時、 the Human Fertilisation & Embryology Authority と the Charity Commission のトップでもあったそうです。要するに、給料3倍。
 こんな美味しい職場、どうやればもぐりこめるのか、と思いますが、一般人、そして外国人には不可能のように思います。結局、労働党政権が長く続いているということで、労働党のメンバーや、党へ多額の寄付金をしたことのある既に裕福で階級もある人々が一度手にした旨味を決して手放さずに、払った寄付金と同額、もしくはそれ以上を国民から絞りとる、という構図が見えるからです。
 富裕層と貧困層の格差が広がっているのは、何も日本ばかりではないです。イギリスでも確実にその差は大きくなっています。その状況では、政治家も富裕層に属しているのであり、税金をきちんと払い、いつか社会保障や年金がきちんと支給されるという幻想を抱いて居るのは一般の国民だけ、というのも同じではないかと。
 日本もいまだにこんなことしているようですし。
http://www.asahi.com/national/update/0828/TKY200708280442.html

 このクアンゴがどれだけ国民の生活から乖離しているかを示す好例が、2012年のオリンピック。既に、the Department for Culture, Media and Sport and the Greater London Authority, the British Olympic Association, the Government Olympic Executive, the Olympic Delivery Authority, the London Organising Committee of the Olympic Games, The Olympic Board, そして the Olympic Programme Support Unitのクアンゴ群が、互いに予算をぶん取り合っていることは火を見るよりも明らか。恐らく、オリンピックが近づくにつれクアンゴの数がもっともっと増えて、オリンピックの予算が食いつぶされ、挙句にオリンピックの開催が不可能になる、という状況はあながち起こり得ないことではないと思います。尤も、オリンピックがこけるなら、それはそれで僕は嬉しいです。

世界は移民によって動いている

2007.08.28
通常、バンク・ホリデーの連休は天気が悪いイギリスですが、奇跡的に、3連休、毎日が晴天。流石にイギリスという国が、国民に申し訳なく思って、実は雨にするはずだったところを晴れにしたのだと確信しています。

 まず、添付のカトゥーンをご覧ください。このMattは、The Daily Telegraph紙に毎日掲載されるものです。8月24日の第一面にこれを見つけたとき、大笑いしてしまいました。




 これ、2重で引っ掛けてあります。まず、先週まで天気が最悪。各新聞では、「天気が悪くて当然、ここはイギリスなんだから」、と言った半ば開き直り、しかもやけになったような記事が相次いで掲載されるほど。そして、前日の8月23日に報道されたニュースは、主に「太陽」を求めて海外に移住したイギリス人の数が、2006年に20万人を超えたと。その二つを引っ掛けて、「よし、移住して他の国をイギリスのように惨めにするんだ」、ということです。

 イギリス生まれのイギリス人は、二つの大きな理由によってイギリスを離れているそうです。
http://www.guardian.co.uk/britain/article/0,,2154307,00.html
 まず、前述のように、「太陽」。そして「イギリス人」がいるかどうか。太陽はわかるとしても、二番目の理由は、僕にはとても後ろ向きな理由に思えます。結局、「イギリスは離れたくないけど、この惨めな天気はもう耐えられない。でも、フランスやスペインなら他のイギリス人がいるから言葉を心配しなくても済みそうだな。紅茶もマーマイトも、ベイクド・ビーンズもあるはずだし」、と。移住する国の文化、生活や人々に興味が有るわけでなく、単に生活の場所を変えるだけ。驕りのように感じます。ヨーロッパに住んでいる友人に聞く所によると、国によっては英語による母国語の乱れが顕著になってきている例もあるそうです。移住する国固有の生活・文化へ適応する意欲を見せないと、厄介もの扱いされてしまうことも起きるのではないかと。
 イギリス人によるイギリス脱出とは逆に、2004年以来、旧東欧圏からのイギリスへの移民の総数は、70万人を超えているとのこと。そのうちの半分以上がポーランド人。短期間の間にこれだけの外国人が移住すれば、イギリスの社会構造に変化がおきても仕方ないでしょうね。
 ポーランド人に話を絞ると、ポーランドがEUの加盟国になってどっとポーランド人がイギリスに押し寄せたとき、彼らの評判は非常に高いものでした。イギリス人がやりたがらない過酷な肉体労働や、飲食関連の仕事に就き、働きぶりもとても熱心。しかもイギリス人労働者に比べて安い賃金できちんと働く、と言うのが大方の見方でした。ところが、最近では、イギリス人の怠け癖が伝染ったのか、その評判は次第に落ちてきているようです。また、ガーディアンの記事が触れているように、帰国するポーランド人が増えているそうです。まず考えられるのは、イギリスの天気に馴染めないということもあるでしょう。が、知り合いのポーランド人によると別の大きな理由は、カチンスキー兄弟の権勢に翳りが見えてきて、将来の政情安定に展望が見えてきたことで、兄弟を嫌っていた若い世代が徐々に本国に戻りたいと考え始めていることがあるそうです。ということは、彼らにとっても、イギリスには金を稼ぐ為だけに来ただけで、永住するほどイギリスが気に入っているポーランド人は極少数なんだと思います。

 EUの拡大は、他の国でも民族移動、それに伴う別の移民を生み出しています。少し前の報道によると、現在、スロヴァキアではちょっと前のポーランドが直面していた問題が起きているとのこと。何かと言うと、働ける世代の多くがイギリスに来てしまっているという状況。その労働力不足を補う為に、スロヴァキアにはルーマニアから労働者が移住し、ルーマニアにはウクライナからの移民が流入している。ウクライナ国内の労働力不足を補うのは、どこの国になるのか?

 世界中で、ある国の社会構造の基盤を揺るがすほどの大量の移民というのは、これから起きるのではと僕は思っています。インドや中国からの移民が世界を駆け巡るのではないかと。日本もかなり移民が増えてきているそうですから、社会構造の変化は確実におきる、もしくは既に起きていることと思います。
今のイギリス人からは、世界を変えようというほどの強靭な意志は感じることはありません。にもかかわらず、これからもイギリス人は世界に散らばっていくように思います。何故なら、イギリス人が祖国を出て行く別の理由が有るように感じるからです。移民を受け入れすぎた為にイギリス人が受け継ぎ、築き上げてきた伝統、価値観をイギリスでは移民してきた外国人と共有、もしくは彼らに教えることが困難になってきている。ならば、移民した先で他のイギリス人とだけそれを「英語」で共有するほうが楽ではないかと。なんと言っても、紅茶とマーマイトさえあれば、移住した国は彼らにとって「イギリス」になるのですから。イギリスの伝統に惹かれてemigrateしてきた僕にとっても、イギリスで進む移民の事象は興味深いです。


[追記:8月30日]
 今日の朝日新聞で見つけた記事。
http://www.asahi.com/international/update/0827/TKY200708270355.html

 これは、移民でない人にはきつい措置でしょう。

ミドルトン嬢の動向、他(英王室の女性達その3)

2007.08.27
おはようございます。いつもは雨にたたられる夏のバンク・ホリデー・ウィークエンド。漸く、やっと、一日千秋の思いで待っていた夏がきました。このまま9月末まで夏が続いて欲しいです。

 ケイトさんは、実際は英王室のメンバーではないですが、今もずっと、ウィリアム王子とよりをもどすのではないか、との報道がされています。ウィリアムとハリーによるダイアナ・メモリアル・コンサートにも、カミラ夫人の60歳の誕生日パーティーにも招待されたとなれば、憶測が流れるのは仕方ないでしょうね。で、そのようなニュースがでるたびに、「ケイト、ウィリアムとよりを戻すことは、とても愚かなこと。止めなさい」、とコメントを寄せるのはいつも女性なのはどうしてかな、と。
 先月、7月に各新聞にケイトの写真(添付のもの)が大きく掲載されました。
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2007/07/26/nroyal126.xml








 これは何かと言うと、8月25日に、子供の健康に関するチャリティの為の資金援助を社会に呼びかけるために、チャネル海峡を手漕ぎのドラゴン・ボートで競争するというもの。男女対抗で、ケイトさん、女性チームへの参加を認められたそうです。決してお遊びでも、客寄せでもなく、きちんと体力検査とやる気を認められての参加だったそうです。本人のコメントは見かけませんでしたが、本人も大変楽しみに、また参加できることを誇りに思っていたようです。毎日、過酷な練習にきちんと参加していたそうです。
 ところが、パパラッチがそんな彼女を放って置くわけがなく、取材競争が激化して、練習のみならず、本番のときの彼女と彼女の仲間の安全が確保できなくなる怖れが高まりました。最終的に、どうやらウィリアムとその側近の助言を受け入れて、ケイトさんは参加を取りやめることにしたそうです。
 なんか、ウィリアム、早くどうにかしてあげたら、といいたくなりますね。

 もう一つ、最近、英王室について大きく報道されたニュースがあります。エリザベス女王の長女であるアン王女の長男、Peter Phillips(ロイヤル・タイトルなし、でも王位継承第10位)氏が婚約を発表しました。女王の孫の中で初めての結婚になるということでニュースが流れた初日はお祝い一色。ところが、一夜明けて発表されたのは、カナダ人の婚約者が敬虔なカトリック信者でこの結婚の為に彼女の信仰を捨てる気はない、と。これは大問題。というのも、エリザベス女王はアングリカン・チャーチのトップであり、王室メンバーと配偶者はそのメンバーでなければならない。つまり、彼女が信仰を変えなければ、現在の法律では、結婚は成立しないか、フィリップスさんは王位継承権を諦めるしかない、ということになるようです。
 そんな古臭い法律変えろ、という声があり尤もだと思います。一方で、確か、イギリスだけではないはず。デンマークに嫁いだメアリー・ドナルドソンさん、結婚を機にルーテル派に改宗しなければならなかったはずです。いずれにしても、女王にとっては頭痛のたねのようです。

 10年前になくなったダイアナ妃については、日本での報道のほうが詳しいだろうから書く必要もないと思ったんですが、今日、ちょっとした動きがあったので。
 まず、これは、テレグラフ紙のウェブで見つけた過去の記事のアーカイヴです。充実しています。
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/exclusions/diana/nosplit/diana.xml
 31日にバッキンガム宮殿で催されるダイアナ妃を偲ぶミサには、エリザベス女王を筆頭に、王室の主要メンバーを含めて500人が出席するそうです。彼女の理不尽な死を巡っては、王室、スペンサー家、モハメド・ファイドの3者の間に、今でも埋めがたい深い溝があるというのは事実。そのような状況で、ダイアナの息子達は、何かを変えたかったのでしょう。今回のミサに、モハメド・ファイドの二人の娘を招待したそうです。二人の王子、自分たちの生活では頓珍漢なことを時々しでかしますが、彼らの母親のことになると成熟した大人として見違えるほど思慮深い行動をとるように感じます。ミサでは、両王子によるメッセージが読まれるそうです。

 そして、今日の午後に飛び込んできたニュースは。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk/6964763.stm
 カミラ夫人、ミサへの出席を取りやめました。遅すぎると叩かれていますが、どちらに転んでも、彼女の苦悩が消え去ることはなかったことでしょう。
 ところで、今年のスケジュールをきちんと確認していませんが、毎年9月の第一土曜日は、蘇格蘭(スコットランド)にあるブレーマーという村でハイランド・ゲームが開催されます。女王夫妻をはじめ王室メンバーが出席します。これは王室メンバーが臨席する唯一のハイランド・ゲームです。車の窓越しとはいえ、僕がはじめてエリザベス女王を見たのは1994年のこのゲームででした。昨年はブレアの奥さんのシャーリーが、熱心に競技を見つめる女王の背後で両手でも隠せなかったであろうほどの大あくびをしている写真を撮られていました。
 何が言いたいかというと、9月2日の新聞が、ダイアナのミサの翌日に競技を楽しむ女王夫妻、チャールズ夫妻を叩くだろうな、と。叩かれるのも人気のバロメーターとはいえ、メディアには別の切り口を期待したいです。

イギリスが抱える歪み:銃とナイフと少年、そして人権

2007.08.24
おはようございます。もしかしたら日本では報道されない、でも、日本でだって明日にでも起こりうる悲劇がイギリス国内で続いています。

 イギリスでは2007年に入って、10代の少年少女が銃やナイフで殺される事件が続いています。被害者の数は既に20人になろうかという勢い。政府が腰を上げ、メディアが盛んに銃犯罪の低年齢化の問題を取り上げても、一向に減るようにはみえません。それどころか、逆に今週の水曜日に、リヴァプールで新たな悲劇がおきました。
http://www.guardian.co.uk/gun/Story/0,,2154497,00.html
 少年サッカーの練習が終わり帰宅途中の11歳の男の子が首を拳銃で撃たれ殺された、というものです。この悲劇が、イギリスをさらに苦悩の底に突き落としたのは、犯人がやはり14、5歳の少年だろう、ということです。
 この少年を含めて、いきなりその人生の幕を落とされた被害者は、犯人とは何の関係もないばかりでなく、犯人(銃やナイフを持ち歩く10代のギャング団)の抗争に巻き込まれて殺されました。新聞が良く使うフレーズは、「間違った時間、間違った場所にいたために、殺されてしまった」、というもの。いくつかそのように捉えることができる事件もあります。でも、特に今回の11歳の男の子は、いつもと同じ時間に、いつもと同じ帰り道を通ったばかりに命を落としてしまいました。この少年の両親の言葉が突き刺さります:「私達の息子は間違った時間に間違った場所にいたわけじゃない。こんなことが起きてはいけない、それが問題なんです」。
 これを書いている今も、アフガニスタンで、イラク、ダルフールで子供が犠牲になっているはず。だから、この少年の死だけを嘆くのはおかしい、と思う方もいることでしょう。でも、素通りしてはいけない、そう思っています。いま自分が暮らしているイギリスが、このような無軌道のことがまかり通ってしまっている社会にどうしてなってしまったのか、への憤りです。
 いずれの事件でも、犯人と目されるギャング団のメンバーは、片親であるか、マイノリティーであり、貧困にあえいでいる。そういう子供達を導く為に「ロール・モデル」が必要だ。そして、今こそ大人たちが立ち上がるときだ、と政治家は言い合っています。でもこれは、日本にも通じると思うんですけど、今の働き盛りの大人たち(僕自身も含めて)が、彼らが若い頃どれだけ大人に叱られたのか大いに疑問に思います。
 聞きかじりですけど、今日本では、「叱らない教育」というのがあるそうですね。推測するに理由は、叱られたことで子供がトラウマを持ってはならないから、なんて所ではないでしょうか。カウンセラーを目指すものとして、「トラウマ、あったほうがいいよ」なんて決して言いません。ないほうが、人生は楽だと思います。でも、カウンセリングの勉強、実際の研修を通して学んだのは、人間には、そのトラウマをコントロールできる能力がある、ということ。叱られないで生きてきた子供達が、いきなりその下の世代を叱りなさいと言われてもできるわけがないだろうし、叱られるほうだって、「何言ってんだこいつ」、という具合ではないかと想像します。
 イギリスでも同様です。ある友人が、外出した時に下のお嬢さんが聞き分けのないことをしたのでほんの少し語気を強めて諭していたら、回りから「子供いじめている」、と非難されたそうです。友人は、怒鳴ったわけでも、手を上げたわけでもなく、子供を普通に諭していたにもかかわらず「親失格」といわれた気分だったわ、と言っていました。
 悪循環、と言っていいのかな。でも、こんな悪循環の為に命を落とす子供達、我が子をいきなり失ってしまう家族がこれ以上増えて欲しくないです。綺麗事と取られるかもしれません。でも、毎朝、新聞を読むのがとても悲しいです。

 この事件でちょっとかすんでしまいましたが、今週前半から、もう一つとても考えさせられる報道があります。12年前の1995年、ある教師の方が、少年ギャングに殺されました。彼は、ギャング・グループの抗争に間違って巻き込まれてしまった生徒を守ろうとして、ナイフで刺され命を落としました。その犯人は5歳のときにイタリアからイギリスに移住してきたそうです。イギリス社会が大きく揺れているのは、来年初頭に犯人が釈放されても、EU圏内の人権規約により、イタリアに強制送還されることはない、ということです。何故なら、彼の家族は現在イギリスに住み、また犯人はイタリア語を話すことが出来ない。そんな犯人をイタリアに強制送還するのは、彼の人権が守られないことになる、という点です。
 これに真っ向から反対しているのが、なくなられた教師の奥さん。彼女のご主人の生きる権利は犯人によって奪われた。また、犯人が釈放され、イギリスに留まることによって恐怖感を抱いたまま生きていくことになる、残された家族の人権は、犯人のそれよりも劣るものなのか、と。
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2007/08/21/nlawrence121.xml

 このニュースに接して真っ先に思い出したのが、今年前半、日本から強制的に退去させられたイラン人の家族。
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000350701040001
 不法滞在とはいえ、だれかれに危害を加えることもなく、生活を営んできた。二人のお嬢さんは日本で育ち、イラン語は全く話せない。特例として、大学進学が決まった上の娘さんは日本に残ることが許された。一見、政府の温情にも見えるけど、この家族を引き裂いただけ。
 人権って、誰の為に、誰が考えることなのか。イギリスでは、もしかしたら自国に損害を与えるかもしれないであろう外国人の殺人犯の人権が先に考えられている。日本では、日本社会に溶けこんでいたであろう外国人家族の人権が、法の名のもと一顧だにされない。「間違った時代に、間違った国にいてしまった」、と言うのは簡単です。じゃ、どうすればいいの、と問われても、ここまでえらそうに書いておいてですけど、僕は答えられそうもないです。

 イギリスでの、この二つに関連する報道で幻滅したのが政治家。あの手この手で、自分たちがどれだけ労働党より、また保守党より優れているかを強調するための政争の手段にしていて、醜悪の極みです。

 長くなりました。

その3への場つなぎ:凛々しきケイト

2007.08.23
誰だか、お判りですね?!ケイト・ミドルトン嬢の勇姿。

Kate

カミラ夫人の苦悩と喜び(英王室の女性達、その2)

2007.08.22
先月、7月17日に還暦を迎えたカミラ夫人(もしくはThe Duchess of Cornwall)にとって、まだ5ヶ月ありますが、2007年は深く彼女の記憶に残る1年になると思われます。まずは、彼女の苦悩から。

 今年3月に子宮摘出手術を受けたカミラ夫人を待っていたのは、5月の、とりたてて大きなものではありませんでしたが、あるスキャンダル。退院後も体調回復のために公務を少なめにしていたとはいえ疲れきった夫人は、友人二人を伴って、昔からの知り合いの招待を受けてエーゲ海のクルーズに出かけました。チャールズは留守番。メディアが突っついたのは、カミラ夫人がその友人のプライヴェイト・ジェットで行ったこと。イギリス国内では有名な話ですが、チャールズは、CO2規制の先鋒。その夫を置き去りにした上に、プライヴェイト・ジェットで行ったことは、夫婦間に亀裂が走ったか、とメディアのかっこうの餌食になりました。
 何故、カミラ夫人が夫を置き去りにしてまでエーゲ海に行ったかというと、王室メンバーとしての暮らしに疲れてしまった、ということがあるようです。エリザベス女王や、チャールズ皇太子のように、生まれたときから王室の人間にとって、公式行事に参加することが彼らの公務、つまり存在意義ということに一点の迷いもありません。雨が降ろうが槍が降ろうが、気分が悪かろうが、悲しかろうが、何年も前から予定された公式行事には必ず出席する。イヴニング・スタンダードの記事によると、昨年、王室メンバーがこなした公務の数はアン王女(The Princess Royalとも言われます)が595でトップ、続いてチャールズが500、女王が425、そしてフィリップ殿下は400。約2ヶ月夏休みを取るわけだから、実質10ヶ月の間にこれだけこなすわけです。翻って、カミラ夫人がこなした公務の数は、はるかに少ない162。
 先に書いた通り、チャールズはこれらの公務を精力的にこなします。仮にカミラ夫人が彼に同行し、その公務の中で長時間歩こうが、足場の悪い所を突き進まなくてはならなくても、彼は彼女を気遣うことなくずんずん先に行ってしまう、と。頭では判っていても、気持ちが追いつかないカミラ夫人の不満が、チャールズの取り巻きが彼女にプライヴェイト・ジェットを使わないように、さらにできれば行って欲しくないと必死に要請したにもかかわらず、彼女はエーゲ海に駆り立てたのではないか、と。
 女王やチャールズがこなした公務の「数」だけみると、本当に、「いつ、自由な時間があるのだろう?」、と思います。開かれた王室を体現する為とはいえ、ここに飛び込む一般人の苦労の深さは計り知れないでしょう。
 さらにカミラ夫人を悩ませているのは、今月末のダイアナ妃のメモリアル・ミサへの出席。ウィリアムとヘンリーの両王子はカミラ夫人が参加することを望んでいる。また、チャールズは、彼の隣には絶対にカミラ夫人が座らなければならないと強硬に主張している、との報道。一方で、カミラ夫人に近い友人(親友ならべらべら喋らないと思うんですけどね)によると、国中がダイアナを思い出す日に表舞台に居たくない、というのが本音らしい、とか。夫、そして義理の息子達をがっかりさせたくない、でもこれ以上ダイアナと比べられたくないという気分の間で苦労しているようです。

 そんな彼女にとって、ホッとするであろうことは、イギリス国民がカミラ夫人に抱く感情がかなり柔らかくなってきていることでしょう。今でも、彼女が「女王(というか日本語の感覚だと王妃かな)」になるのは受け入れられないと思う人のほうが多いようですが、チャールズが「King」になったとき、カミラ夫人が「Queen」になってもいいのでは、という意見が増えつつあるようです。
 そんな状況にそうように、60歳の誕生日前後には、「私はQueenにはなりたくない。Princess Consortと呼ばれたい」、というカミラ夫人の希望を、彼女の友人(また)が報道機関に知らせました。その、彼女への心理的拒絶感が薄まる中で報道された事実は、法的に、また技術的に、チャールズが王になったときカミラ夫人は自動的に「Queen」になるそうです。ですから、世間が「カミラが女王だなんて冗談じゃない」、と感情的になっても、彼女が「Queen」となることに実務的な障害はないようです。
 ちょっと話ずれます。エリザベス女王の旦那、フィリップさんにはKingのタイトルはつきません。ということは、結局、階級的に見ると、KINGは常にQUEENより上に位置し、QUEENが国のトップの時は、「KING」の空位のままだということのように思います。これも、男女差別ですよね。ちなみに、フィリップさんは、Prince Consortの称号を持っていませんが、どうやら11月のダイヤモンド婚式の前後で、授与される予定になっているようです。
 で、60歳の誕生日の当日、カミラ夫人はチャールズと一緒に公務を一つこなしたあと(添付の写真)、午後に家族で祝ったそうです。また、その週末の友人たちを招いてのパーティで、エリザベス女王がカミラ夫人に王室の宝石コレクションから一つ着用を許したことは、夫人が王室のメンバーからも着実に受け入れられている証かと。このパーティには、ウィリアムとの復縁が噂されているケイト・ミドルトン嬢も招待され、出席したそうです。また、チャールズからの誕生日のプレゼントは、羊のつがい。

Camilla


 世間から叩かれようが、好かれようが、カミラ夫人は今幸せなんだと思います。10年前、ダイアナ妃が非業の死を遂げる前に、チャールズが彼女の50歳の誕生パーティを開いたときに撮影された彼女の写真が掲載されていました。「垢抜けない」という言葉以外の形容詞は絶対に使われないと確信できるほどの野暮ったさ。何がダイアナとカミラの運命を分けたのかなんて、誰にも判りません。
 さいご、王室メンバーは、着るもの一つをとっても気が抜けない、ということを知りました。もしくは、世間の目をけん制する為に気を配っているとも。カミラ夫人の誕生日の丁度1週間後にある公務に一緒に出席したチャールズとカミラ夫人の洋服は、基本は全く同じ。彼はネクタイ、ポケット・チーフとワイシャツを、彼女はアクセサリーが違う、とわざわざ社会面で指摘していたテレグラフ。更に、カミラ夫人の上下は2006年に購入されたもの、チャールズのスーツは少なくとも6年前に購入されたものだそう。誰がチェックしているのだか知りませんけど、凄い。

英王室の女性達、その1:エリザベス女王

2007.08.20
今、ロンドンに必要なものは一つだけ。それは、夏、です。

 イギリス王室は、注目のイヴェントがこれから目白押しで、メディアが扱う王室ニュースの量もかなり増えているように思います。ということで、今月31日、ダイアナ妃が非業の死を遂げてから10年を前に、「ヨーロッパ王室ウォッチャー見習いロンドン特派員」として溜めておいた報道をまとめてみようかと。ちなみに、ソースは、The Daily Telegraph、The Guardian/The Observer、The Evening Standard、Hello!です。

 考えるまでもなく、ダイアナさんが亡くなった1997年は、エリザベス女王夫妻は金婚式を迎えた年。ダイアナ妃の事故死への対応で非難された女王が、彼女自身の幸せをどのように祝ったのかを僕は知りません。が、今年は、結婚して60年のダイヤモンド婚式。昨年末に、王室ゴシップ雑誌でこの情報を知った時は、「11月20日には、世界の王室メンバーがイギリスに集まるに違いない」と期待したのですが、現在の所、仮に盛大なパーティーなどの予定があるとしても公にはなっていません。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-460.html
 即位50周年のときのように、ヨーロッパの国家君主、特に3女王の揃い踏みをまた見てみたいものです。今でもしっかり保管してあるウィンザー城の一室で撮られた写真は、ヨーロッパ現代史に残す価値のあるものだと思っています。エリザベス女王の右にマルガレーテ・デンマーク女王、左にベアトリクス・オランダ女王が座り、さらに両端にはソフィア女王(スペイン)とシルヴィア女王(スウェーデン)がにっこりと(ノルウェーのソニア女王とベルギーのパオラ女王は迫力に欠けるからこの選択は正解)。

 発表になっているのは、女王夫妻は、11月21日にコモンウェルス諸国の会議に出席する為にウガンダに赴くこと。そして、その前日の結婚記念日を含む数日は、地中海の小国、マルタで「二度目」のハネムーンを過ごすことになっていること。女王夫妻にとって、イギリス以外の国で、「第二の祖国」と感じられるのはマルタだけとのことです。何故かというと、結婚後、英海軍の将校としてマルタに赴任していたフィリップさんと一緒に2年ほど暮らしていたんだそうです。公式訪問で、恐らく世界でも屈指の旅行者として地球を飛び回った二人は、プライヴェイトの休日はほぼイギリス国内。そんな二人が珍しく海外での休日を望んでいるからそっとしておいて欲しい、というのがバッキンガム宮殿側の意向のようです。

 以前にもチラッと書きましたが、最近、イギリス国内における国民が抱くエリザベス女王への親愛度は、10年前よりも高くなっているような印象があります。おそらく、この10年間で社会の様相ががらりとかわってしまってきているイギリスにおいて、イギリス人が思い浮かべる理想の、もしくは郷愁のイギリスを体現しているのは、50年以上も国のトップとして変わらずにいる女王だけ、という意識を多くのイギリス人が抱いて居るのではないかと想像します。
 エリザベス女王の母親としての資質は疑問視する人が多いかもしれませんが、国家君主として、女王は自分の存在意義と役割を冷静に捉えていたと思わせるニュースがありました。即位して間もない1953年に、仮に「自分」に何事か起きた時には、当時4歳のチャールズが成人になるまでの間は、妹のマーガレット王女でなく、旦那のフィリップさんに摂政の立場にいて欲しいことを、時の首相、ウィンストン・チャーチルに考慮するよう求めたそうです。チャーチルは、両者ともその器にあらず、と思ったようですが。

 しかしながら、このように女王への親愛度が高まるにつれ、英王室にとって障害となりうるのが、「王室メンバーの話題がアンタッチャブルになってきている」事実ではないか、ということを今日のオブザーヴァ-紙であるコラムニストが書いていました。僕は、この「アンタッチャブル」によって王室が特別な存在になってしまうのか、それともアンタッチャブルが故に社会から乖離して人々が王室を必要としないと考え始めるのか、どちらの視点でコラムニストがこの点をあげたのかは判然としませんでした。が、この指摘は頷けるし、個人的にはアンタッチャブルになって欲しくはないですね。やっぱり、いろいろな人間ドラマを提供してもらわないと。それに、「特別視」されることによって起こりうるであろう女王や王室メンバーのプライヴァシーの侵害は、女王が最も望まないことだと思います。

 いくつか小ねたを。恐らく日本ではもしかしたらまだ知られていないかもしれませんが、宝石店の「Garrard」は、160年間保持してきた王室御用達の資格を失ったそうです。噂のようですが、どうやらGarrardが宣伝にポップ歌手のクリスティーナ・アギレラを起用したことを、王室メンバーが快く思わなかったからだとか。女王がアギレラが誰かを知っているとは思えませんけど。
 先日お知らせしたBBCの大失態。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-510.html
 BBCと番組制作会社はバッキンガム宮殿に正式に詫びを入れたそうですが、どうやら女王は自分のイメージを貶められたことを今でも快く思っていないそう。ということで、顧問弁護士に相談しているそうです。この番組、とっても楽しみにしているので、お蔵入りにだけはなって欲しくないです。

2007年8月18日のイギリスの天気図

2007.08.19
東京では、酷暑が一息ついたそうですね。

 「ロンドンに夏は来なかった」、と読まされても、「また大袈裟に書いているだけだろう」、と思われているかもしれない方のために。今日、2007年8月18日、イギリスの天気図です。本当は、The Daily Telegraph紙の本紙に掲載されていた天気図が一番笑えるのでそれを送りたかったんですが、見つけられませんでした。1枚目はイギリスの気象庁のウェブから、2枚目はBBCからです。

UKTenkizu18Aug07Met


UKTenkizu18Aug07BBC


 テレグラフでは1本の前線が、まるで山菜の薇(ぜんまい)のように、もしくは柴犬の尾のようにイギリス上空でくるりと綺麗に巻いている形をしています(気象庁のでは紫色の前線)。日本では、前線がつながって山状、もしくは谷状にというのは何度も見ていますが、今日のように見事にくるくるっ、と巻いている前線図なんて見たことありません。しかも、こんな前線が上空にあるにもかかわらず、西ウェールズには晴れの予報を出す所に、イギリスの天気予報の精度がうかがえます。
 本当に、冗談にならないくらい寒いです。8月いっぱいはアロハシャツで通そうと思っていましたけど、先日、たまりかねて上着を羽織らざろうえませんでした。ロンドンの街中では、既にマフラーを巻いている人がいますし。9月になってでもいいから、せめて3日間くらい夏日が続いて欲しいです。

 大西洋の反対側のカリブ海で、ハリケーン・ディーンが猛威を振るっているという状況では、こんな天気図は珍しくもないのかもしれません。が、天気図にまでイギリスらしさが滲み出ていると思ったのと、もしかしたら酷暑にあえぐ日本の皆さんが涼しく感じるかなと。

政治家という芸人

2007.08.18
今週、イギリスのメディアが大きく取り上げた写真の一つは、これ。

Muscle Putin


 現在、外交がギクシャクしているイギリスとロシア。優位に立てないイギリス側が、笑いものにしてやろうという意気込みで取り上げた気がする。一方で、プチン大統領の、「見てみろ、俺のこの鍛えぬいた身体を!」、という俺様気分が否が応でも鼻につく。
 
 政治家って、いつからこんなパフォーマーになってしまったんだろう。「舞台」に未練たらたらのブレアが漸く去り、小泉がいなくなり、ブッシュ劇場の千秋楽もやっと視野に入ってきた。これで漸く政治家が「政治家」に戻ると密かに期待していたけど。
 清廉な政治家って、既に絶滅したのか。それとも、もともと存在せずに、人々の間で語り継がれてきた希望にしか過ぎなかったのか。 

 それにしても、ロシアの評判はよくない。イギリスでは、オイル・リッチのロシア人が不動産を買い漁っているのが、不動産市場の異常な高騰の一因と言われている。16日付の The Daily Telegraphの報道では、イタリアのトスカナ地方でも同じことをやって、地元で顰蹙を買っているとのこと。
http://www.telegraph.co.uk/global/main.jhtml?xml=/global/2007/08/15/witaly115.xml

*プチン大統領が好きでたまらない、という方には。
http://www.guardian.co.uk/news/gallery/2007/aug/14/russia.internationalnews?picture=330565632

英語の嫌いなフレーズ

2007.08.14
最近、ロンドンでは英語が通じなくなったとおもわざろう得ない状況に頻繁に遭遇します。誤解しないでください。僕自身の英語がまるでネイティヴ・スピーカーのようになったなんて、口が裂けても言いません。最近、ネットでのコミュニケイションで初めて「地雷」を踏んでしまったので、とりあえず慎重に。

 以前にもまして様々な外国語が溢れるようになったロンドンでは、時として、ネイティヴ・スピーカーと一言も会話を交わさない日が起こりえます。そうすると、僕の性格上どうしても、「困ったな、英語が上手くならない」との不安に苛まれ、その反動により、「こんなわけ判らないフレーズがあるから英語なんか嫌いなんだよ」、と極端な方向に走ってしまいます。
 以前、こんなのを皆さんに送りつけたとき、海外に住む友人たちからは、英語に悩まされる日本人の苦悩を共有できました。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-437.html

 ロンドンで働く友人からは、"Think outside the box" "touch base" "Moving forward""Let's rock'n roll"などのOffice Buzz Wordを教えてもらいました。ビジネスの世界からは遠く離れてしまった現在、どんな状況で使われるのかは判りませんが、一見しただけで、「無意味」だと感じます。もっと外国人が英語を学ぶ為に有益なフレーズを使えよな、と。

 要するに、不定期に再発する「英語嫌い病」が、現在、猛威を振るっています。5月下旬のデイリー・テレグラフ紙で、「She literally exploded」という本の紹介を兼ねて、「イギリス人」が嫌いな英語のフレーズについての特集記事がありました。この病気が再発するときの為にとっておいてよかったです。
 例えば、「Help us to help you」。これは、デパートなどの接客業で、自分が何をするべきなのか理解していない店員が、自分の勉強不足を客側の不勉強に置き換えようとするときに多用するフレーズのようです。僕がこれをいわれたら、ぶちきれてしまうことは火を見るより明らか。それと、イギリスにも「近飯(ちかめし)族」がいることがわかったのは、「Let's do lunch some time soon」。
 幾つかの例の中で、「よかった、僕だけがこのフレーズを嫌っているんじゃないんだ」、とホッとしたのが、「Your call is important to us」。これ、銀行、BT、ガス会社、クレジット・カード会社等々、どんな業種のカスタマー・サポートに電話をしても係員につながるまでに延々と繰り返される決り文句。「そんなに重要なら、何で30分も待たせるんだ-」、と叫んでいる人がイギリスには毎日たくさんいるんです。

 で、現在の所、個人的に嫌いな言い回しは4つ。

 1)That is for sure:文法的にはあっているようですけど、最近、誰彼なく会話の中に入れてくるのがとっても鬱陶しくて。なんか、「Sure」の部分を強調して言うのがかっこいいと勘違いしているんじゃないかと感じています。

 2)The thing is:これも最近、矢鱈に耳にするもの。会話していて、自分のいっていることを相手に力づくで納得させようとするとき、もしくは相手の反論を無理やり押さえ込もうとする時に、人は使うようです。とても、乱暴に感じます。これと似たような乱暴さを感じるフレーズに、「I'll tell you what」というのもあります。これは特に東欧圏の人が使うようなので、テレヴィか何かの影響なのかもしれません。

 3)To be honest with you:僕もこのフレーズはたまに使います。でも、会話の大事な部分になると決まってこれを繰り返されると、「じゃ、普段は正直ではないんだ」、との突っ込みをひねくれ者は入れたくなります。言い換えれば、自分のいうことに自信がないのかな、と。

 そして、今最も聞きたくないフレーズは。
 4)You know what I mean?!:Blah, blah, blah, you know what I mean?!, blah, blah, blah, you know what I mean?!、と何か一言いうたびに「You know what I mean?!」を繰り返す人と不幸にも会話をせざろうえない状況に追い込まれてしまった時は、子供じみているとはいえ、「No, I don't know what you mean」、「No, I don't know what you mean」を繰り返すことにより、速攻で会話を終わらせるようにしています。友人は確実に減るでしょう。けど、こんなの会話じゃないです。相手の同意を引きだすことによって自分の発言を正当化させようとするのは姑息だと思います。

 このような言葉の流行り廃りは、どこの国でも起きているとは思うんですけど。でも、すっとした。お付き合いいただき、ありがとうございます。

[追記:8月15日]
東京在住の英語を母国語とする友人からの返信。

To be honest with you, the thing is this, "You take it too literally, for sure." You know what I mean? At the end of the day, let's do lunch sometime soon.

 こんな風に、軽く気の利いた返事を英語で返せるようになりたい。

エキセントリック・ブリテン

2007.08.13
おはようございます。ロンドンは、昼間は晴れるとかろうじて夏を感じますが、朝の冷え込みは既に初秋のようです。吐く息が白いんです。

 本題。パリ同様、イギリス国内のどの地方に行くかによって、ロンドン発の鉄道の駅が違うということは、多くの方がご存知だと思います。そのうち、イングランド北部、イースト・アングリア地方(の西側)、ケンブリッジへの鉄道が発着するキングス・クロス駅に隣接するセント・パンクラス駅の3年(だったかな)に及ぶ改修工事が終わり、この11月に再オープンします。
 ロンドンを訪れた際、両方の駅をご覧になられた方は思い出されると思いますが、セント・パンクラス駅の正面ビルは、かつてステイション・ホテルとして使われたとても優美な建築物です。以前、やっつけでロンドンの建築物について原稿を書いた時に使った情報によると、その駅ビルは何度か解体の危機があったそうです。その危機を乗り越え、建物は再び駅の一部として復活することになりましたが、そこで一つ問題が起きたそうです。往時の駅にあった巨大な時計も、オリジナルに忠実に再現しようとした所、そのデザインがわからないことに気付いたようです。もとの時計は、売りに出される際、作業員が誤って落としてしまって、こなごなに。どうしようと頭を抱えていた会社に知らせが。なんと、オリジナルの時計が復元されていると。

http://observer.guardian.co.uk/uk_news/story/0,,2147144,00.html
 今日のThe Observerの科学面の記事(なんでこれが科学なのか腑に落ちませんが)によると、引退した鉄道会社の職員が、そのこなごなになった時計を買い取って自宅のあるノッティンガムシャーに持ち帰り、18ヶ月かけてばらばらになったかけらを復元したのみならず、きちんと動くまでにしたそうです。新たに駅を管理する会社は大喜び。復元された時計に忠実なデザインで、新しい時計を作り、それは駅に設置されるそうです。
 18ヶ月もかけて壊れた時計を復元することすら僕には驚異ですが、さらに驚いたのはその修復された時計の写真。残念なことにウェブには掲載されていませんが、修理したHoggardさんの家の庭にある厩に立てかけてあります。文字盤だけで3メートル。そんなでかい時計が草の生い茂った庭に違和感なく溶け込んでいる写真は、まさにイギリス。
 Hoggardさんの熱意をエキセントリックと言い表すのが適切なのかどうか判りません。が、厩のくすんだ壁、庭、そして強大な時計の文字盤が、現実に一緒に存在する所に、イギリスをイギリスたらしめるエキセントリシティを感じました。この写真、とてもシュールなのでどうにかして見つけ出したかったんですが、駄目でした。
 イギリス人のエキセントリックな性格に、どんな功績があるのかについてはこちらを。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-66.html

 ところで、新しいセント・パンクラス駅の売りは、ユーロスターの新しい駅になること。エリザベス女王がテープ・カットするロイヤル・セレモニーは11月6日のようですが、実際に鉄道の発着が始まるのは11月14日です。既にユーロスターの乗車券は発売になっています。この日は世界中から「鉄ちゃん」が集まるでしょうね。
 ユーロスター、最近とっても強気です。というのも、パリやブリュッセルに行くのに飛行機を使うのは、今の、特にヒースロー空港の大混乱振りからすると時間の無駄。それと比べれば、パスポート・コントロールで長時間待たされることもなく、わざわざ空港に行く時間と手間を考えると、ロンドン市内からパリにいけるのは本当に手軽です。ということもあってでしょう、最近ユーロスターのプロモーション・セールスなど殆ど見かけないし、基本料金も以前と比べるとかなり高くなっているようです。日帰り£99-でファースト・クラスなんてこと、もうないでしょうね。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-399.html
 これの後半部分にユーロスターのことが書いてあります。

 日本の酷暑はまだ始まったばかりで、ひと月以上続くかと思います。皆さん、夏ばてなどされませんように。

Seagull Management

2007.08.06
ウィズリーに連れて行ってもらった友人とは、知り合って6年ほど。彼のご母堂が日本人のハーフということ、彼が子供の頃、家族で神戸に住んでいてその頃の記憶があるなど、けっこう共通の話題があって、今では彼の家族とも顔見知りです。
 ウィズリーに行った日に話し合った幾つかの話題が、個人的に興味深いものがありました。で、たまには日常の会話から垣間見えるかもしれないイギリスの現実、というのも面白いかと思いまして。

 友人はイギリス人には珍しく、外国語に堪能です。ホーム・オフィスの専門職として、知り合った頃は主に空港のパスポート・コントロールで働いていました。それが、経験が豊富ということもあって、ここ最近はオフィス・ワークにまわされるとことが多くなってきたとのことでした。ちなみに彼のポジションは、管理職では有りません。
 いろいろと職場での不満を聞いている時に、思わず耳に引っかかったのが、「Seagull Management」という言葉。「なにそれ?」と尋ねたところ、仕事はしないで、おいしい所だけ掻っ攫っていく管理職を揶揄する言葉だそうです。
 「管理職はね、半年毎に職場を替わりがたがるんだ。本来の目的を無視し、自分たちが使いたいように予算を使い切り、使い切って旨味がなくなると他の場所に移っていく。後に残るのは、彼らが引き起こした混乱とその後始末に追われる僕達だけ。まるでカモメみたいに、えさがあると見るやいなや有無を言わさずに飛んできて、ぎゃーぎゃー騒ぎまくる。そして、えさがなくなったら飛び立って、後に残るのはフンだけ。もう、こんな状況ばかりだよ」。
 このいい例が、この記事ではないかと。
http://business.guardian.co.uk/story/0,,2142238,00.html
 2週間に及ぶ、全国的な波状ストライキで混乱を引き起こしているロイヤル・メイル。その取締役の一人は、進めている郵便局の大掛かりな閉鎖計画を遂行した暁には、総額で2億5千万円もの賞与が与えられる、と。Seagull Management、いい得ているな、と。日本でも、こんな状況、官民を問わずいたるところで繰り広げられていることでしょう。また、管理職からみれば、「働かない部下」との闘争、という構図もあることでしょう。

 友人は続けて、「ダイアナ妃のメモリアル・コンサートに行ったときだけど。コンサートは楽しかったよ。でも、同じくらい感銘を受けたのが、コンサート終了後の公共交通機関の運営の素晴らしさだったよ。ウェンブリーに来ていた何万人もの観衆がいちどきに帰るわけだから、地下鉄の駅で1時間くらい足止めされるかと覚悟していたんだ。ところが、ジュビリー・ラインが次から次に来て、普段以上にスムーズに帰れたんだ。イギリスだって、こんなマネジメントが出来るはずなんだ」。
 友人曰く、結局70年代、80年代に効率重視で無駄を排除して小さな政府を目指したサッチャー女史の負の遺産ではないかと。例えば、採算が合わずに廃線に追い込まれた鉄道路線。廃線にするだけでなく、線路などのインフラまでも廃棄してしまった為、その当時の政府から見れば政策の成功かもしれない。だけど、今、その路線の必要性が再び検討され始めたとしても、線路も何も残っていなくて、復活させようにも、一から始める予算がない。現在の状況だと、どんどん郵便局が閉鎖に追い込まれている。これは、郵便局が生活の中心になっている地域では、住民の死活問題。一度閉鎖してしまったら、もう二度と復活することはないことは明らか。いつからイギリスはこんな国になってしまったのか、と。
 郵便局閉鎖の問題は、日本でも状況が似ているのではないかと思います。1991年に初めて波照間島に行ったとき、行く前は現金をどうしようかと心配でした。島のメイン・ストリートに有る郵便局のATMがなかったら最南端の島での滞在は、つまらないものになっていたかもしれません。

 言葉のプロフェッショナルなので、何かにつけて、英語について教えてもらっています。数年前、彼が送ってくれた英語に関する面白いメールを日本に転送した時はかなり受けました。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-152.html
 友人曰く、「英語は難しい言語だと思う。時代、状況によって発音や使い方は常に変わっているのに、綴り方は変わらない。これが混乱を引き起こしていると思う」。本当に、英語の綴りって、規則性がないこと甚だしいと思います。例えば、僕個人の永遠の疑問ですけど、Childrenと同じ複数形の規則を持つ単語ってあるのか?
 もう一つ考えられるのは、「大母音推移:Great Vowel Shift」による発音と表記が一致しない点。これ、大学の時に、「英文学史」か「英美術史」のどちらかで習った覚えがありました。が、記憶が曖昧だったので、今回ネットで検索してみて久しぶりに定義を読んでみて、英語が如何に複雑(批判的だと、いいかげん)な言語か、ということを改めて理解しました。ラテン語系の言葉が話される国に住む友人が、以前、こんなことを言っていました:「英語って、長文になるとどれが動詞だかわからなくなるときがある」。同感です。英語以外に唯一知っているドイツ語だと、主動詞は概ね文章の2番目の場所にあるから、例え名詞節が長くなってもどれが主動詞だか判り易かったはず。ところが英語は、長くなればなるほど、「あれ、メインの動詞はどこにあったかな?」、ということがしばしば起こります。

 最後に写真。友人は僕からするとITマニア(言い換えると、僕がアナログ過ぎ。いまだディジタル・カメラって所有したことないです)。今回、ウィズリーから彼の家にいったん戻りお茶を飲んで一息つき、さあ帰ろうかな、というところで。「20分もあれば今日撮影した写真を全部CDに落とせるから」、とのこと。半信半疑で友人のラップトップの画面を見ていると、次々と写真が編集されていきます。薔薇を上から撮った写真のところで、「まずい、足が写っちゃっているよ。でも、今消すから」、とこともなげに。何でも、「カラー・リプレイサー」という機能を使って画面の他の部分の色を上塗りしていました。
 ディジタル技術って、人を嘘つきにしますね。

[追記:8月12日]
いつもの通り、恩師からの教示ありました。教わることは、まだまだたくさんあります。

1.Childrenと同じ複数形の規則を持つ単語ってあるのか?
brother の古い複数形 brethren が浮びます。しかし、これとて厳密には同じ規則ではありません。(一見似て見えますが)。
children の方は childer でよいものを、複数っぽくない、と思ったひとがいたんでしょうね。二重にいじったわけ。

2.「大母音推移:Great Vowel Shift」
「母音大推移」とも。チョーサー(『カンタベリ物語』1400)からシェクスピア(1600頃にいろいろ書いていますが、母音推移が終わっています)の間に推移完了。
ラテン系のひとたちやドイツ人は本来「アイウエオ」ができますが、英国人は本来できないので、日本語を発音する場合、後者はより苦労することでしょう。
「マイ・フェア・レディ」でヒギンズ教授はサマンサに、「スパイン」ではなくて「スペイン」、「ライン」ではなくて「レイン」、「プライン」ではなくて「プレイン」と教え込みますが、我我から観ると、逆だい、と言いたくなりますね。

ガーデン・ウィズリーの新しい温室

2007.08.04
Royal Horticultural Societyが管理する庭の一つ、ガーデン・ウィズリーには、これまでも数回行っていますが、今回どうしても行きたかったのは、6月にオープンした新しい温室を見てみたかったからです。つまらないことを先に書くと、RHSの会員である友人に、連れて行って欲しいと7月28日を予約したのは5月下旬。以来、イギリスの天気が稀に見る酷さで天気がどうなるかはらはらしていましたが、幸運にも広大な庭を歩き回るには最適の天気になりました。

http://www.rhs.org.uk/WhatsOn/Gardens/wisley/index.htm
ウィズリーのページ。

http://www.rhs.org.uk/WhatsOn/Gardens/wisley/theglasshouse/index.htm
温室の紹介ページ。

 新しい温室が完成するまでにどれくらいの期間とお金が掛かったのかの詳細は知りませんが、期間は、ゆうに2年は掛かったはずです。恐らく、温室を管理するシステムは最新の技術を駆使しているものと思われますが、正直な所、展示のセンスはキュー・ガーデンズの温室には及ばない、というのが僕の感想です。例えば、蘭のコーナーの脇に、大きな鉢に植えられたブーゲンビリア。何ら関連性を見いだせませんでした。植物の展示というより、デパートでの鉢物植物の展示即売会のような印象を持ちました。恐らく、まだまだ新しく、試行錯誤を繰り返していると思われるので、今後、見応えがある展示に変わっていくことでしょう。
 新しい温室で特筆すべきコーナーは、Tropical Zone の下に設けられているRoot Zone。このセクションには、植物は一切展示されていません。紹介されているのは、樹木や植物の根が、自然界の中でどのような働きを担い、まだどのような恵みを人間にもたらすのか、ということをとても判りやすいヴィデオで多方面から解説しています。イギリスでは、幾つかの教育目的の展示をこれまでも何度か観てきましたが、どれもこれも、言ってみればお役所的センスに溢れ返っていて、観たいという気が起きたことなどありませんでした。
 ところがこのセクションでは、根毛が伸びる過程、もぐらやミミズの役割、雨によって地表がかき混ぜられることはどのように年成長を促進するか。また違った形質の土がもつ、それぞれのメリット・デメリット等々。更に、堆肥の創りかたまで懇切丁寧に。さすが、「園芸協会」と訳されことは有ります。僕は、堆肥を作るのに、葉物と枝物をいっしょにしてはいけないなんて知りませんでした。小学生・中学生の頃に、学ぶたびに惹かれていった植物の不思議への興味が一気によみがえった感じでした。友人と一緒に、あのヴィデオを観なきゃ、あの展示はもう一度みとかなければと嬉々として、ときに思わず唸り声を漏らしながら展示に見入ってしまいました。
 もう一つこの新しい温室に関連して面白かったのは、温室の外にあるカフェ。カフェ・テリアの割に、食事はかなりお高いお値段でした。徹底していたのが、リサイクル。使い終わった紙コップやティー・バッグの処理をあれほど細かく分けてあるのは、イギリスでは初めてみました。あまりに細かすぎて、利用者の大半はどんな意味があってあのように分類されているのか判らないのでしょう、リサイクルのごみ箱のそばには、二人の専任の係員がつきっきりでした。

 で、写真をアップしました。
http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/
 今回ウィズリーに行った目的は温室でしたが、いつ行ってもこの庭は、本当に楽しいです。今回も、歩き回ってはお茶を飲み、お茶を飲んでは再び歩き回り、間にお昼を食べてまた歩き回り。結局、約5時間飽きることなく自分のペースで歩き回り、庭の美しさを体の隅々にまで取り込んだように爽快でした。庭を出る頃には、太ももの筋肉がパンパンになっていました。もし秋に行くことが出来たら、果樹園で、赤く色づく林檎を眺めながらおにぎりを食べたいな、と。なぜなら、ウィズリーに切望する改善して欲しい問題は、レストランの食事の質。シシングハースト・キャッスル・ガーデンのレストランを見習って欲しいものです。庭園内で収穫されたオーガニック野菜を出すとか、やって欲しいものです。付け合せのにんじん、全く香りがしませんでしたから。
 写真は、友人がデジカメで撮影したものと、僕が普通のカメラで撮ったものの混合です。悔しいですけど、デジカメの性能には叶いません。例えば温室の外観で、雲がくっきり鮮明に写っているのは友人が撮影したもの。ただし、友人は僕と違って地味な色合いがすきなので、接写された薔薇以外の赤、黄色、ピンク系の花の大半は僕が撮影したものです。

 電車でいけないのが難点ですけど、行く価値は充分にあります。

播磨屋の朝日揚げ

2007.08.04
今日、帰宅すると玄関ホールになにやら箱が届いていた。すぐに何だか判った。時折、日本の甘いものを送ってくれる友人から数日前に、「播磨屋の朝日揚げを送りますねー」、とのメールが来ていたから。
 箱の中身は、恐らく30枚くらいだろうか。いや、もっとか。丁寧に紙で包まれ、以前と同じように熨斗紙つき。箱の大きさからして二段になっているのは間違いない。嬉しくて開けられない、と言うのは事実。でも、開けたら1時間も経たないうちになくなってしまいそうで開けられない、というのも真実。2年前の一時帰国の時には買いに行けなかったので、本当に久しぶり。
 
 この感激を友人に伝える為に、「そうだ、国会の前でこの箱を掲げて記念写真を」、と一瞬思った。
 駄目。
 テロ対策で厳戒態勢の警察官が常に歩き回っているロンドン中心で、なにやら判らぬ白い箱を、満面の笑みを浮かべて抱えている東洋人が歩いていたら、捕まえてください、と言っているようなもの。以前、こんな失敗もしているし。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-31.html
 でも、この喜びを、ロンドン・アイの頂上からバッキンガム宮殿に向けて叫びたい。エリザベス女王は、いまはスコットランドで夏休み中だから迷惑にならないし。

 煎餅をバリバリと音を立てて食べるのは、日本人でいる喜び。

イラクを蝕む黒い水

2007.08.02
おはようございます。イギリスは、既に秋になったそうです。
http://www.telegraph.co.uk/earth/main.jhtml?xml=/earth/2007/08/01/eautumn101.xml

 最近、政治的なことばかりですけど、今日の新聞で、戦争がどれだけ虚しいかを改めて実感しました。英語ばかりな上に、特にこのガーディアンの記事はとても長いですけど、こんなことがイラクで起きているなんて知っているのはイギリスですら極少数の人だけではないかと思います。

 今朝のThe Guardian紙のG2セクションの特集記事は、イラク戦争の裏舞台で暗躍する、アメリカのミリタリ・セキュリティ会社のことでした。
http://www.guardian.co.uk/g2/story/0,,2138878,00.html
 会社の名前は、Blackwater。主に、イラクを訪れるアメリカの政治家や要人の警護の為に、政府と契約している会社です。会社が派遣している兵士は、勿論、アメリカという「国の軍隊」には所属していません。彼らはイラクで、婦女子に狼藉を働くといった「好き勝手」なことはしていないようです。しかしながら、与えられた使命、つまりアメリカの政治家を守る為には「好き勝手」をしているようです。言い換えると、一般の兵士なら裁判にかけられるようなことをしても、一切お咎めなし。
 記事に書かれている数字によると、イラクに派遣されている、こういった「傭兵(mercenary、この単語も初めて知りました)」の人数は4万8千にも上るそうです。また、Blackwater社に代表される会社を使っているのは何もアメリカだけではなく、イギリスも同様のようです。
 著者が指摘する問題は、表向き、イラクにおける外国の軍隊の規模は縮小傾向にあると報道されている。が、実際は、こういった「民間会社」が兵士を派遣しているので、全く変わっていない。更に、今回取り上げられている傭兵の大半はアメリカ人でないので、彼らが戦場で死んでも、それは「アメリカ人」が死んだこととはみなされない。ですから、アメリカ国内向けには、何ら問題ないのではないかと想像します。傭兵の多くはチリ人だそうです。

 このイラク戦争って、誰が、何の為に、どうやって世界を騙して始めたんでしょうか?こんな戦争に日本が、韓国が、そして他の国々が加わる理由があるんでしょうか?
 アフガニスタンで誘拐された韓国の皆さんについては、気の毒としか言いようがないですし、いちにちも早い解放が実現することを祈るばかりです。しかしながら、彼らは大きな間違いをしたと思います。戦争に加わることがその利益につながる会社が暗躍している戦場は、どんなに気高い理想を抱いていたとしても、もはや一般人が赴く場所でないと思います。
 戦争をしたくて仕方がないらしい日本の政治家に尋ねたいです。「戦争に、そしてこんな戦争に、本当に、本当に国民を送り込みたいの?」。

 同じく、今日のThe Daily Telegraph紙から。
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2007/08/01/nsoldier101.xml
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2007/07/31/nsoldier131.xml
 イラクに派遣されたイギリス人の双子の兄弟の一人が、道路わきに仕掛けられた爆弾に巻き込まれ、同じ部隊にいたもう一人にみとられて24歳の誕生日に亡くなった、というニュースはイギリスでは大きく取り上げられました。正直に言って、このニュースを読んだときの想いは、「可哀相だけど、戦争だからこんなことも起きてしまうのか」、というものでした。
 が、今日の傭兵会社の記事を読みながら、「彼の死はなんだったんだ」、と思わずにはいられませんでした。Sheer waste of life!

 イギリス軍が、38年にも及ぶ北アイルランド駐留を中止することになったそうです。
http://www.guardian.co.uk/news/gallery/2007/jul/31/northernireland?picture=330305298
 僕は、イギリスの、この部分の歴史については全く何も知りません。が、世界で次々に戦争が勃発する現在の状況で、一つの戦争が終わることは、嬉しいです。

 偶然にも、今日は戦争に関連する記事にたくさん遭遇しました。これは、BBCにあった、Associated Press社が戦場で撮影してきた写真の歴史についてです。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/in_depth/629/629/6915318.stm
 僕は意気地なしですから、戦場に行くなんてできません。ですから、せめてこういった報道を記憶に留めたいと思っています。

 これに限らずですが、いつまでリンクが有効なのかは判りませんので、ご興味の有る方は印刷しておいたほうがいいかもしれません。
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