LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
Home未分類 | Dance | Sylvie Guillem | Royal Ballet | Royal Opera | Counselling | Sightseeing | Overseas Travel | Life in London(Good) | Life in London(Bad) | Japan (Nihon) | Bartoli | Royal Families | British English | Gardens | Songs | Psychology | Babysitting | Politics | Multiculture | Society | Writing Jobs | About this blog | Opera Ballet | News | Arts | Food | 07/Jul/2005 | Job Hunting | Written In English | Life in London (so so) | Speak to myself | Photo(s) of the day | The Daily Telegraph | The Guardian | BBC | Other sources | BrokenBritain | Frog/ Kaeru | Theatre | Books | 11Mar11 | Stage | Stamps | Transport | Summer London 2012 | Weather | Okinawa | War is crime | Christoph Prégardien | Cats | Referendum 23rd June | Brexit | Mental Health 

2007年11月の記事一覧

2007.11.24 空を翔けるエイ
2007.11.22 イギリス、スペイン王室の小ねた
2007.11.20 エリザベス女王夫妻のダイヤモンド婚式
2007.11.18 ワールド・ステージ・ガラ、後半(ニンバスを除く)
2007.11.18 ワールド・ステージ・ガラ:ニンバス
2007.11.18 ワールド・ステージ・ガラ前半、その2
2007.11.18 ワールド・ステージ・ガラ前半、その1
2007.11.17 ワールド・ステージ・ガラ@ロイヤル・オペラ・ハウス
2007.11.17 いとしのウィンドウズ98
2007.11.14 ジェマイマ・ハーンは主張する
2007.11.13 ロンドン・オリンピックのロゴは嫌われもの
2007.11.12 ハリー、君もか(破局かどうかは微妙)
2007.11.11 恐怖、世界の食卓に忍び寄るイギリス人の味覚
2007.11.11 スペイン国王の怒り
2007.11.10 高波の危機:イングランドとオランダ
2007.11.08 マイノタウ?、いいえ、ミノタウロ
2007.11.07 エリザベス女王夫妻の長い一日(3)
2007.11.07 エリザベス女王夫妻の長い一日(2)
2007.11.07 エリザベス女王夫妻の長い一日(1)
2007.11.05 セント・パンクラス駅のロイヤル・オープニング
2007.11.04 食品値上げはロンドンでも
2007.11.03 サドラーズ・ウェルズ劇場の春夏シーズン
2007.11.03 アニマル・コオ・ユウケイ:animaru.co.uk
2007.11.01 金持ちができること:セインズペリとハリー・ポッター

空を翔けるエイ

2007.11.24
今日、11月24日のThe Daily Telegraph紙から。自然の驚異。







 記事によると、メキシコ沿岸で撮影された、マンタ(和名はオニイトマキエイだったかな?)の親類のエイによる飛翔写真。ちょっと見、はちどりを思わせる可愛らしさを感じる。何より驚くのは、こんな平たい体のどこに、これだけの華麗な飛翔を可能にする力があるのか?!

 以下のリンクに、他の写真と解説記事があります。
http://www.telegraph.co.uk/earth/main.jhtml?xml=/earth/2007/11/23/eamobula123.xml
スポンサーサイト

イギリス、スペイン王室の小ねた

2007.11.22
ロンドンの夕刊紙、The Evening Standard紙の昨日の報道によると、エリザベス女王と共に、地中海に浮かぶ小国、マルタを訪れた旦那のフィリップさんが、いかんなくメディアに協力したそう。と言っても、ネガティヴなものではないけど、
 イギリスの独立系テレヴィ局、ITNの王室担当の女性がレポートしているのを見つけたフィリップさん、すっと彼女の背後に歩み寄っていったそう。そして彼女がレポートを終わったところで背後から、「Finished?」、と尋ねたところ、自分が喋ることに集中していた為か、彼が背後にいることに気付かなかった女性は、吃驚して飛び上がり、大笑いしてしまったそう。自分のしたことに満足のフィリップさんも笑った後に、先を歩いていたエリザベス女王にすっと歩み寄っていったとのこと。
http://itn.co.uk/news/03f787db2a26994d8daff7988c1fe64d.html

 今週号のHello!マガジンにひっそり掲載されていたのは、スペインの、ホヮン・カルロス国王の長女、エレナ王女が旦那との別居を発表したとのこと。離婚ではないそうだけど。
 既に、離婚、別離が当たり前のイギリス王室と比べて、スキャンダルとは無縁だと思っていたスペイン王室。これも、王室も現代のライフ・スタイルの変化にもまれている、ということかな。

 添付の写真は、ウースターで撮影された、イングランドの秋の風景。



エリザベス女王夫妻のダイヤモンド婚式

2007.11.20
日本でも、木枯らしが吹いたそうですね。ロンドンは、久しぶりの雨はいいんですが、寒くて湿っぽくて春が待ち遠しいです。

 今日、11月20日が、エリザベス女王とデューク・オブ・エディンバラが結婚して60年の節目の日。たくさん貼り付けたリンクからは、昨日、11月19日にウェストミンスター寺院で行われたセレモニーのことをご覧いただけます。
 幾つかの記事で目にしましがたが、ものすごい勢いで社会構造が変わりつづけているイギリスの中で、「存在」として変わらないエリザベス女王の姿は、人々に、ノスタルジーではなくて、「イギリスという国はこうあるものなのだ」、という安心感を与えているのではないかと思います。彼女の時代が終わったら、イギリスはがらっとかわってしまうのではないかと感じています。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk/7100546.stm

http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk/7100282.stm

http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk/6919542.stm

http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk/7101795.stm

http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2007/11/19/nqueen119.xml

http://www.guardian.co.uk/monarchy/story/0,,2213528,00.html

 添付の写真の1枚目は、結婚式が終わった後に訪れたマウントバッテン卿の邸宅の庭で撮影されたもの(写真は全てクリックで拡大)。



そして2枚目は、ダイヤモンド婚式を記念して同じ邸宅、同じ庭、そして同じポーズで微笑む二人。



更に、女王が胸に胸につけているブローチは60年前と同じもの。安定感とでも言うのか、それとも変わらないことの素晴らしさとでも言うのか。



メディアの対応もそれぞれ。今朝のテレグラフは、1面、2面、3面を使ってみっちり。ガーディアンは、付録のG2セクションで、日曜日の夜にチャールズの邸宅で撮影された集合写真で女王だけがカメラに目を向けていないことを突っ込んでいました。昨日のThe Timesに至っては、写真もなければ記事もなし。これは何故かというと、ルパート・マードックは王室が嫌いなんだそうです。ですから、僕はタイムズを読みません。



 女王とフィリップさんは、今日、雨が降りしきるロンドンから地中海に浮かぶ小国マルタに行き、一泊します。新婚時代に過ごした当地で、二度目のハネムーンとのこと。そして明日、21日には、コモンウェルス諸国会議出席の為に、ウガンダへ。王族もここまで働けば、偉いと思います。
 BBCの大混乱でお蔵入りしそうだった、エリザベス女王の一年を追ったドキュメンタリー番組、12月に放映されることになったそうです。また、友人に録画を頼まないと。

 他の王室ねた。イベロ・アメリカ会議で、ヴェネズエラのチャヴェス大統領を叱り付けたスペインのホヮン・カルロス国王。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-579.html
 そのときの国王の声が、アメリカの携帯電話の呼び出し音として使われて大ヒットだそうです。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/europe/7101386.stm

 更に、最近個人的に最も注目しているベルギー。この国とベルギー王室がなくなってしまうと、そのインパクトはでかいですから。で、こんなニュースを見つけました。
http://www.47news.jp/CN/200711/CN2007111901000192.html
 政治家が役に立たなければ、国民が声をあげる番。

ワールド・ステージ・ガラ、後半(ニンバスを除く)

2007.11.18
La forza del destino (Verdi)
Overture
ロイヤル・オペラ・ハウス・オーケストラ


 前半の後半、マッティラの熱唱で漸く観衆の気分も高まった所で、この選択は正解。オペラ・ハウス内の熱気が確実に高まった気がします。


Nabucco (Verdi)
Va pensiero (Chorus of the Hebrew Slaves): Act 3
The Royal Opera Chorus


 続いて同じくヴェルディの「ナブッコ」から、イタリア第2の国歌といわれている合唱。記憶違いでなければ、ロイヤル・オペラは1999年の再オープン以降、まだ「ナブッコ」を上演していないはず。ロイヤル・オペラ、チケットの売上がいいからってヴェルディを毎シーズン必ずいれていますが、ヴェルディの他の作品を取り上げて欲しい所。「ナブッコ」もそうだけど、「シチリアの夕べの祈り」や「エルナーニ」などをきちんと聴いてみたいです。

 このあとに「NIMBUS]でした。

Yumba vs. Nonino (Craig Revel Horwood)
Music; Astor Piazzola, Oswald Pugliese
Michael Nunn, Gary Avis


 予定では、バレエ・ボーイズの二人、ナンとウィリアム・トレヴィットの二人が踊る予定でしたが、どうやらトレヴィットがリハーサル中に怪我をしたようで、変わりに、急遽、ロイヤルのプリンシパル・キャラクター・アーティストのエイヴィスが踊りました。
 踊り自体は、二人の男性が、タキシードを着用し、目張りをばっちり入れた濃いーメイキャップで、熱くタンゴを踊るというもの。頬をたたきあう場面有る一方で、とてもなまめかしいシークウェンスがあるなど会場はかなり盛り上がりましたけど、個人的には、こういった演目には、残念ながら、何の感慨も湧き起りません。
 しかしながら、今回は二点、思うことがありました。僕も詳しい状況は知りませんが、ナン、トレヴィット、そしてエイヴィスは、K-バレエの設立に参加する為にロイヤル・バレエを飛び出したダンサー達。その後、トレヴィットとナンはイギリスに戻り、彼らのカンパニーを立ち上げ、また、2003年の終わりには、シルヴィ・ギエムと一緒にコヴェント・ガーデンの舞台で再び素晴らしい踊りを見せてくれました。
 一方エイヴィスは、やはりイギリスに戻った後、まず、イングリッシュ・ナショナル・バレエに所属し、2004年にロイヤル・バレエに戻ってきました。僕は、彼らを、もしかしたらロイヤル・バレエの日本公演で見ているのかもしれません。が、記憶にある範囲では、ナンとエイヴィスの共演を、コヴェント・ガーデンの舞台で見たのは初めて。もしあの時ロイヤルを飛び出さなかったら、3人とも、今のロイヤルの若手ダンサー達に伝統を教え引き継ぐ立場に共にいただろうに、と。特にトレヴィットは素晴らしい古典バレエダンサーになったであろうと思うので、いろいろと物思いに耽ってしまいました。
 もう一つは、ミュージシャンの一人。タンゴにつき物のバンドネオン奏者は女性でした。彼女のスキンヘッドと、どうにかしてイヴニング・ドレスに見せようとしたらしい、でも変に舞台で目立つアヴァンギャルドでラフなドレスが、つぼにはまりました。


The Concert (Jerom Robbins)
Mistake Waltz
マーラ・ガレアッツィ、サラ・ラム、ラウラ・モレイラ、ディードレ・チャップマン、ローレン・カスバートソン、イザベル・マックミーカン


 観たくて観たくて仕方なかった演目の一つです。これを全編通して初めて観たのは、2000年3月の、ロイヤル・バレエの「ミックス・プログラム」。その時は、バランシーンの「セレナーデ」、ウィリアム・タケットの「坩堝(世紀の大失敗作、2度と上演されないことは確実)」、そして「コンサート」でした。さらにそのときのコンサートの主演は、なんとシルヴィ・ギエム。彼女を、お笑い系(易しい踊りという意味ではありません)のバレエで観たのは、これが最初で最後。もしギエムのヴィデオが出るなら、正直な所、「マノン」や「眠り」よりこれを先に出して欲しいくらいです。
 今回上演された「ミステイク・ワルツ」は、6人のダンサーが、誰か一人が、必ず他の5人と違った踊りをしでかしてしまう、というもの。勿論簡単な踊りではありませんが、役者という点では、芸達者が多いロイヤル・バレエ、大いに笑いました。しかも、普通ならコール・ドのダンサーが踊るこの場面を、今回はガラということでプリンシパル3人、ファースト・ソロイスト3人と、通常の上演ならありえない大盤振る舞い。こういうので観ると、ガレアッツィが上手に思えてしまうから不思議なもの。


La Bohem (Puccini)
O soave fanciulla: Act 1
Liping Zhang, Joseph Calleja


 ツァングがドレスをもっとゴージャスなものに替えて出てきてくれたら。ヴィジュアルという点では、2004年のウィンター・ガラでのゲオルジューは、ガラに出るオペラ歌手の役割を充分に理解していたと思います。
 歌は、普通によかったです。今シーズンの最後にロイヤル・オペラは「ラ・ボエーム」を上演しますが、キャストはそれほど魅力的ではなかったはず。「ラ・ボエーム」はチケットを取るのが難しいので、今回もパスでしょう。カレイヤだったらロドルフォでも良いとは思いつつ、現段階で、ロドルフォを歌える「痩せている」テノールはいるのか、それが問題。


Eugene Onegin (Tchaikovsky)
Final Scene
Karita Mattila, Gerald Finley


 ここまでバレエ陣の優位に進んでいたガラですが、漸く、オペラ陣営が一矢報いることが出来たという感じです。フィンリーは、タキシードをきっちりと着こなし、マッティラはドレスに純白のショールを羽織って出てきました。
 ロシア語のオペラは、「ムツェンスク群のマクベス夫人」しか聴いたことがないので、「エフゲニー・オネーギン」をあれこれと書き散らかす知識を、僕は持ち合わせてはいません。しかしながら、マッティラ、フィンリー双方の熱のこもった歌唱、そして迫真の演技は、偏見を捨ててオネーギンを観てみるか、と思うには充分なものでした。特に、やはりというべきか、マッティラの歌唱は素晴らしかったです。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-298.html
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-502.html
 今シーズン、ロイヤル・オペラには、マッティラが出演するオペラがないのが非常に残念です。シュトラウスの、「カプリッチョ」、もしくはもう一度「アラベラ」を聴いてみたいものです。


Stars and Stripes (George Balanchine)
Pas de deux
Alina Cojocaru, Steven McRea

 最後は、お祭りガラを締めくくるにはもってこいの明るい演目。でもですね思いました。イギリスが世界に誇るオペラ・ハウスのファンド・レイジングのガラ公演、その〆の演目に、アメリカを称えるバレエをもってくるのは、変ではないかと。
 ヨハン・コボーが怪我をしたために、ロイヤル・バレエの「ロミオとジュリエット」で、さらに東京バレエ団に客演した「真夏の夜の夢(アシュトン)」でも共演したコジョカルとマックレイの動きはとても自然なものでした。でも、疲れていたのかなと感じたのは、コジョカルはヴァリエイションで足がちょっともつれ、マックレイは、前回同じ演目を踊った時に見せた難易度の高い跳躍の回数を減らしていました。


 全てが終わり、出演者が舞台に出て、カーテン・コールに応えます。ところが、この「終わり」を取り仕切る人がいなくて、ちょっと締まりのない感じでした。「NIMBUS」とロビンスの「コンサート」、マッティラの歌唱を聞くことが出来、さらにジョナサン・コープの踊りを再びコヴェント・ガーデンの舞台で観ること出来て大いに満足の夜でした。が、的の絞りきれていないガラ公演という印象が、最後まで拭いきれなかったのも事実。

ワールド・ステージ・ガラ:ニンバス

2007.11.18
このワールド・ステージ・ガラで一番の売りの演目は、2006年12月に、ロイヤル・バレエの常任振付家に任命された、ウェイン・マックグレガーが就任後初めて作った作品、「NIMBUS」の上演。このたった一夜のガラの為に創られ、僕が知る限り、今後再び上演されるかどうかもわかりません。

Nimbus (World premier, by Wayne McGregor)
Music; Franz Schubert, Impromptu in G flat, op.90 no.3.
マリアネラ・ヌニェス、セナイダ・ヤナウスキー、エリック・アンダーウッド、エドワード・ワトソン


 カーテンが上がると、舞台左手にピアニスト。ピアニストから見てちょっと右手上方に、黄色のネオン管が煌煌と光を放っている。セットいえるのはそれだけ。舞台の右手から中央にかけて、4人のダンサーが見えない四角の四隅を表すように佇んでいる。
 このとき、ヤナウスキー・ファンとしては痛恨のミスをしてしまいました。添付の写真をご覧ください。

RBC_Zenaida Yanowsky

祖父母がウクライナからスペイン領のカナリア諸島への移民だったということで、かなりくっきりとした、堀の深い顔立ち。実際の彼女は、本当に美しいんですが、カーテンが上がってから30秒くらい、彼女を4人の中から識別できませんでした。「あれー?、男性ダンサーが3人居る。ヤナウスキーはどこだ?」、と。まず、ヤナウスキーが、髪を編み上げた上に束ねていました。かつ、173センチの長身。ヤナウスキーを男性と間違えてしまいました。本当に凛々しかったんです。ファン、失格。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-563.html
 4人の衣装は、黒のタンクトップに、黒のショーツ。タンクトップの背中の真中に、黄色の線がまっすぐ描かれているという、とてもシンプルなもの。昨年の「クローマ」のコスチュームの色違いとでも言えそうなもの。

 ピアニストが弾くシューベルトにあわせてまず踊りだしたのは、ヤナウスキーとワトソン。複雑な動きで腕を絡ませ、腕を解きほぐし、上体を合わせ反らせる。すっと、ヤナウスキーがありえない状況で身体を反らしワトソンが支えた所で二人は動きを止める。同時に、ヌニェスとアンダーウッドが踊り始める。腕をからめ、ヌニェスが常人ではとても出来そうにない変形アラベスクをしたままアンダーウッドが支えたところで動きを止める、と言うのは前の二人とほぼ同じ。でも、何かが違う。
 ヌニェスがアンダーウッドに支えられてからだの動きを止めると同時に、再びヤナウスキーとワトソンが踊りだす。基本的に動きは最初とほぼ同じだけど、強調されていると感じ始めたのが、腕の複雑な動き。二人とも、腕が邪魔で仕方ない。腕があるから相手が自分を求めてくる、自分が相手を求めてしまう。一方で、相手を、そして自分の存在を拒否するようなその腕がなかったら、自分たちが幸せだった頃にもどれない。そんな感情の流れを感じました。
 そう思ってヌニェスとアンダーウッドの二人を見ていると、彼らは腕を複雑に、そして激しく動かしてからませることで、相手の事をもっと知りたい、もっともっとお互いを理解できる、そう思っているように見えてきた。ヤナウスキーとワトソンが別れる瀬戸際のカップルなら、ヌニェスとアンダーウッドは共に進んでいくエネルギーに溢れている。そのような物語が振り付けに込められているように感じました。
 語られない物語がピークに近づいてきたとき、二組は、パートナーを替えて踊りだす。ワトソンはヌニェスを振りまわすように、アンダーウッドはヤナウスキーを受け止めるように。形容しがたい緊張感が4人の間で高まり、それが臨界点を超えたと思えたとき、不意にヤナウスキーが床に仰向けに倒れ、動きを止める。驚いて彼女を見つめるワトソン。暗転。

 ウルトラ・モダンなプロットレスであろう振り付けから物語を見いだそうとするのは無意味と承知しつつ、この新作、物語バレエの範疇で語ってもいいと思われるくらい雄弁でした。勿論これを踊りこなしたダンサー、とりわけヤナウスキーとワトソンの類稀な身体能力は賞賛に値しますし、アンダーウッドとヌニェスも素晴らしかったです。この夜のバレエ演目は、非常に良いできでした。とりわけこの4人のパフォーマンスは、「世界の」という形容詞に負けないくらい、世界レヴェルのバレエだったと言えるでしょう。
 ダンサー達と同じくらい、いや彼等以上に印象深かったのは、世界でも有数の古典バレエのカンパニーと言われるロイヤル・バレエに、古典バレエの素養がないまま常任振付家に就任したマックグレガーが、既に現在のロイヤル・バレエには欠かせない存在になっている、という事実。これまでマックグレガーの作品は幾つか見てきましたが、この作品が一番「古典バレエ」の要素を色濃く出していたように思います。
 唯一このガラのレヴューを掲載したThe Evening Standard紙のクリティクは、作品のクォリティの高さに触れる一方で、マンネリに陥る危険性をはらんでいると指摘していました。確かに、「クローマ」や「エングラム」との類似性はありました。ただ、僕の中で大きく違うのは、この「NIMBUS」には、滾るような熱い血が流れていたかな、と。

*NIMBUS:a large grey rain cloud (Oxford Advanced Learner's Dictionary)

ワールド・ステージ・ガラ前半、その2

2007.11.18
La Bohem (Puccini)
Che gelida manina: Act 1
Joseph Calleja


 実は、「ラ・ボエーム」は一度も見たことも、聞いたことすらないです。何故なら、プッチーニが苦手。これまで、「西部の娘」、「マダム・バタフライ」、「トスカ」、「トゥーランドット」、そして「ジャンニ・スキッキ」を観てきました。音楽は素晴らしい旋律がたくさんあるとは思うんですが、問題は台本。全く僕の心に届きません。
 そんなこともあって、「ラ・ボエーム」はロイヤル・オペラの定番演目、ほぼ毎シーズン上演されていますが、「どうせ観るのであれば、脇役まで最高のキャストで観たい」と思っていて、未見のままです。僕にとってのドリーム・キャストはいまだに実現していません。

 恐らく、このワールド・ステージ・ガラが「ラ・ボエーム」からのアリアを聞いたはじめての夜でした。第1幕からのロドルフォのアリアを歌ったのは、マルタ出身のヨゼフ・カレイヤ。彼はこれまで、「ラ・トラヴィアータ」http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-378.htmlや、「マクベス」、そして今夏の「タイース」で観てきました。声の軽さ、体の膨らみ方はこれまでとさほど変わりありませんでした。が、声に込める感情の深さ、表情の作り方がかなり自然になっていたようにみえました。ステージ・プレゼンスにも自信が伺われて、キャリアを上手く積んでいけば、けっこう長期にわたって歌っていけるように思いました。


La Chatte metamorphosee en femme (Ashton)
Alexandra Ansanelli


 このガラ公演、終わってみれば、バレエ陣の出来が素晴らしい夜でした。その中で、全く楽しめなかったのが、フレデリック・アシュトンによるこの小品。楽しめなかった理由はただ一つ。踊ったアンサネッリが好きになれない。理不尽といわれようと、アンサネッリをロイヤル・バレエのプリンシパルと受け入れるのは、今はまだ不可能です。彼女を好きになれない理由にはこれもありますけど。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-554.html

 振り付けは、本当に他愛のないもので、猫に扮したダンサーが猫のように踊る、と。舞台の上においてある椅子の足を引っかいて爪とぎをしたり、猫の仕種をあたかも猫がするように表現する、というもの。後半になると、リモコンでかなり正確に動き回るねずみの人形が舞台をちょこまかと走り回るものだから、観客の皆さんは大受け。でも、僕はこれにもげんなりしました。オリジナルが人形を要求していたかどうかは判りませんが、プロのダンサーなら、人形に頼らずに舞台にさもねずみが走り回っている情景を自分の踊りだけで舞台につくり上げて欲しい。


Carmen (Roland Petit)
Tamara Rojo, Robert Bolle


 11月22日に亡くなったモーリス・ベジャールと同じくらいロンドンでは滅多にみることの出来ない振付家の筆頭の一人が、ローラン・プティ。ロンドンに来て以来、プティの作品を観たのは、これで漸く3作品目でした。
 音楽はビゼーのカルメンから。ロイヤル・バレエはスウェーデンの鬼才、マッツ・エックによる「カルメン」をレパートリーに持っています。今回の舞台は全編が踊られたわけではないので、単純に比較は出来ません。が、エックの「カルメン」ではカルメンとホセの間の緊張感が痛々しいほど舞台を支配している一方で、プティのは、なんというか艶やかな感がして、同じオペラから触発されても、振付家によって出来上がりがこうも違うものなのか、と。
 ロホは、エックのも踊っていますが、プティのほうが彼女の演技の質、また醸し出す雰囲気にあっているようでした。相手のボッレが長身だったこともあると思いますが、不思議なのは、ロホは舞台で観ると本当に小柄で丸みを帯びて見えてしまいます。私服のロホと何度か遭遇していますが、実際はとてもスリムな体型。舞台って、不思議な力が漂っているんだろうな、とロホを観るたびに思います。


Tosca (Puccini)
Vissi d'arte: Act 1, Karita Mattila
Te Deum: Act 1, Paolo Gavanelli


 ガラの前半の終わりは、またもプッチーニ。オペラはヴェルディとプッチーニだけじゃないだろうにとぶつくさ言いつつも、マッティラを聞けるならそれもよし。添付の写真は、先シーズンの「フィデリオ」からです。

2122ashmore0483 copy

 フィデリオではずっと男装のままだったので、当夜は、彼女の一目見たら絶対に忘れないであろうユニークな美しさを堪能しました。やっぱり、ダンサーも歌手も見た目が大事。マッティラの衣装は、落ち着いた色合いのワイン・レッドのイヴニング・ドレス。彼女のプラチナ・ブロンドの御髪とのコンビネイションは今ひとつでしたが、彼女の存在は、このガラ公演の華の一つでした。ちょっと残念だったのは、喉が充分に温まっていなかったのか、高音域の伸びがいつもより薄かった、という印象がありました。それでも、マッティラの登場で、漸くガラ公演を観に来た、という高揚感が沸いてきました。ガヴァネッリは、割愛。

ワールド・ステージ・ガラ前半、その1

2007.11.18
これまでロイヤル・オペラ・ハウスで経験した、2回のガラ公演と同じく、演目はオペラからとバレエからがほぼ交互に、という構成でした。それと、3年前のウィンター・ガラと同じく、司会役で男女の俳優二人が演目の説明をしていました。演目の周辺情報を知るのは面白かったですが、「仕事でやっています」という振る舞いで、二人がこのガラ公演を楽しんで居る雰囲気は微塵も感じられませんでした。

Homage to The Queen
Entree

 カンパニー創立75周年のときにも上演された演目の出だしの部分。「大地」、「空気」、「火」、「水」のエレメントをプリンシパル・カップルがかわるがわる踊るというもの。瞠目するような鮮やかなパ・ド・ドゥがあるわけではないですが、お祭り気分のガラの開幕としては無難な選択でしょう。個人的には、どうしてプリンシパルになれたのか、どんな奥の手を使ってプリンシパルに昇格したのか、という理由でプリンシパルとは認めたくないデイヴィッド・マハテリの存在が、本当に目障りでした。彼はいつも自分自身をみせる事に忙しいらしく、彼の踊りから他のダンサーとの協調性、演目屁の理解を感じたことはありません。この短いパートでも、マハテリの自己陶酔感、さらに緊張感のなさが本当に気に触りました。

Macbeth (Verdi)
Pieta, rispetto, amore: Act 2

 本来サミュエル・ラメイが同じくヴェルディの「アッティラ」からのアリアを歌う予定でしたが、彼のキャンセルにより、ガバネッリがこれを歌いました。声は出ているんですが、いかんせん、本人から感じる雰囲気が、底が浅いとでも言うのか。最初から最後まで眉間にしわを寄せたままで、感情の起伏が全く感じられれませんでした。あとででてくるマッティラやフィンリーの動きが雄弁だったので、それと比較すると全く平板なものでした。

La traviata (Verdi)
Ah fors'e lui: Act 1

 歌ったのは、中国人ソプラノのLiping Zhang。ドレスもそこそこ華やかだし、歌えているんですけど、声量が少ない。一瞬のうちに「場」を作り出せる技量はあるようでしたが、本人から流れ出す「華」がない感じでした。
 最近叩かれてばかりのアンジェラ・ゲオルジューですけど、ウィンター・ガラのときに感じた「私は世紀のプリマ・ドンナなのよ」、という彼女の女王オーラは、こういったガラ公演には必須です。

Requiem (Kenneth MacMillan)
Sanctus (ベンジャミンとコープ)
Pie Jesu (ベンジャミン)

 実はこのガラ公演、ギリギリまで行くのを迷っていたのですが、ある方から、「2006年に引退したジョナサン・コープが踊ることになった」、という情報を教えていただきいくことにしました。バイクの事故で、自らの引退のステージを棒に振ってしまったコープの最後のきちんとした舞台を見ることができれば、とずっと思っていましたが、彼はやはり素晴らしいダンサーであると確信しました。
 Sanctusでは、コープの役割はベンジャミンのサポートのみですが、その質の高いこと。コープのサポートに支えられてカンパニー最高齢(確か43歳くらい)のダンサーであるベンジャミンは、まるで宙を舞うかのように、重力から解放されたかのように軽やかに踊る。
 ソロ・パートのPie Jesuでは、表情、生み出される表現の全てが、舞台にいるのは童女なのかと思わせるほどの豊かな踊り。ロイヤル・バレエのプリンシパルはこうでなければ、というお手本のようでした。極端な話、この二人の踊りを観ることが出来ただけで、元は取れた感じでした。

Carmen (Bizet)
Toreador aria: Act 2

 カナダ出身のバリトン歌手、ジェラルド・フィンリーが歌いました。タキシードを着ながらも、ネクタイを外し、シャツのボタンを外し胸をはだけ、赤系のカマー・バンドをしてエスカミリョのワイルドさを出そうとしていたようですが、役自体が彼の「仁」ではなかったような。喉も温まっていなかったようでした。ガラということで選ばれた演目だと思いますが、フィンリーという歌手の特質を全開できるものではなかったように思います。

ワールド・ステージ・ガラ@ロイヤル・オペラ・ハウス

2007.11.17
これまで、ロイヤル・オペラ・ハウスで催されたガラ公演は、2回観たことがあります。一つは、2004年のこれ。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/?q=%A5%A6%A5%A3%A5%F3%A5%BF%A1%BC%A1%A6%A5%AC%A5%E9&page=1
 もう一つは、2004年の12月26日に、東南アジアで起きた大地震のときの津波被災者への寄付を集めるために2005年のイースターに行われた、「津波ガラ」。この二つは開催理由が明確だったこともあり、個人的には、とてもいいガラ公演でした。

 11月15日に、寄付金集めの為にロイヤル・オペラ・ハウスで催されたガラ公演の正式なタイトルは、「The World’s Stage at Covent Garden」。寄付金集め(ファンド・レイジング)という名目は明らかになっていました。2012年開催のロンドン・オリンピックへ巨額な予算が回されることが決まったことにより、文化事業への予算は大きく削られ、たびたび新聞等のメディアでは、劇場の芸術監督や著名な音楽家などが異議を唱えています。なかでもロイヤル・オペラ・ハウスの総支配人トニー・ホール氏は、その文化事業予算大幅削減の方針へ反対を唱える急先鋒の一人。
 今回のガラ公演に際しては、反対の声をあげつづける一方で、待っているだけでは駄目だ、自ら動いて資金を集めよう、そのような考えがあったのではないかと思います。でも正直な所、今ひとつこのガラ公演が企画された意味合いというのが、いく前はもやもやしたままでした。そして公演が終わったあとも、ダンサーと歌手の皆さんの素晴らしい舞台は存分に楽しみましたが、その気分にはあまり違いはないです。
 そんな不明瞭さは、ロイヤル・オペラ・ハウス側の担当者達の間でも無意識に共有されていたように感じました。オペラ・ハウスに着いてまずちょっと吃驚したのは、その飾り付けの安っぽさ。タイトルで「世界の」と謳っているからって、世界の国々の旗をただ集めて飾ったものは、僕には、運動会が思い出されてなりませんでした。このイメージは、僕より上の世代の日本人の間でだけ共有されて、他の国々の皆さんには、単に異国情緒があっていいのかもしれませんが。でも、プログラムの表紙を見て、安っぽいイメージは一層強くなりました。表紙のデザインは、青い地球儀の周りを世界各国の旗が縁取っているというもの。地球が表紙に空いた丸い穴のようで(実際、穴になっていました)、色づけされた砂糖でコーティングされたドーナツのようでした。今シーズンのロイヤル・オペラ・ハウスの様々な広告を見て感じるのは、ロイヤル、広告代理店の選択を誤ったな、と思います。

 出演者の予定も二転、三転して、それも、けっこう空席が目立った一因かな、と。ガラ公演の概要が発表された当初、11月13日から始まったドニゼッティの「愛の妙薬」には、メキシコ人テノール歌手のローランド・ヴィヤソンが出る予定でした。同じ時期にハウス内にいるんだから、ということでヴィヤソンもこのガラ公演に出演予定になっていました。最近のロイヤル・オペラでは抜きん出て高い人気を誇り、世界の名だたるオペラ・ハウスから引っ張りだこの彼が予定とおり出演していたら、完売していたかもしれません。ところがヴィヤソンは療養が必要ということで、シーズン開幕前に「愛の妙薬」をキャンセル。必然的にこのガラへの出演も見送り。
 バレエも、このガラ公演が発表された時には出演者の中に名前が入っていた、現在、ロイヤル・バレエのプリンシパル・ゲスト・アーティストであるカルロス・アコスタの名前がいつのまにかなくなっていました。また、これは当人達を責めるのは筋違いだと思いますが、ロイヤル・バレエが「世界に誇れるレヴェル」の男性プリンシパル・ダンサーたちが出演していませんでした。フェデリコ・ボネッリ、ヨハン・コボー、そしてヴィャチェスラフ・サモドゥロフが、恐らくいまだに怪我からの回復が思わしくなくて出演を見送ったのか。それとも、怪我とは関係なく、プログラム選定の結果、彼らが踊る必要がなかったのか。僕は前者だと思っています。というのも、熊川某と一緒にロイヤル・バレエを飛び出したウィリアム・トレヴィット(恐らくリハーサル中に怪我をしたようで、降板)とマイケル・ナンの二人が出演し(2003年以来)、ミラノ・スカラ座バレエからロベルト・ボッレが参加、そして引退したジョナサン・コープの出演がラスト・ミニットで決まるなど、舞台の裏で色々な事があったんだろうな、と思わせる出演者リストでした。僕にとってはたいした違いではありませんでしたが、アメリカ人バス歌手のサミュエル・ラメイなどは、文字通りドタ・キャンだったようです。

 「世界の」ガラですから、出演者の国籍は様々。オペラは、カリタ・マッティラ(フィンランド)、リピン・ツァング(中国)、ヨゼフ・カレイヤ(マルタ)、ジェラルド・フィンリー(カナダ)、パオロ・ガヴァネッリ(イタリア)。マッティラさんは発表当初から出演予定でしたけど、丁度バービカンでシベリウス関連のコンサートに出演していたから、スケジュール的によかったというのもあると思います。でも、今回出演した5人の歌手は、ロイヤル・オペラには常連の皆さん。ちなみに、カレイヤはヴィヤソンのキャンセルにより、またガヴァネッリは「愛の妙薬」に出演中ということで、ラメイのドタ・キャンのカヴァー。
 ダンサーは、リアン・ベンジャミン(オーストラリア)、アリーナ・コジョカル(ルーマニア)、タマラ・ロホ、セナイダ・ヤナウスキー(スペイン)、マリアネラ・ヌニェス(アルゼンチン)、コープ、エドワード・ワトソン(英国)、ボッレ(イタリア)、エリック・アンダーウッド(アメリカ)、そしてスティーブン・マックレイ(オーストラリア)など。

 公演は楽しみました。特に、バレエは概ね高いレヴェルな上に、長いこと観る機会がなかった、ジェローム・ロビンスによる大好きな「コンサート(抜粋)」や、この一夜限りのガラの為に創作された、昨年、2006年にロイヤル・バレエの常任振付家に任命されたウェイン・マックグレガーによる「NIMBUS」という目玉も。にもかかわらず、圧倒的な感動に至らなかったのは、会場のゴージャスさがあからさまに欠落していた、これに尽きます。あれだけイヴニング・ドレスとタキシードで溢れ返っていても、ロイヤル・オペラ・ハウスを支配するような決定的な豪華さを感じることはなかったです。言い換えると、オペラやバレエ演目の記憶が消えていったとしても、「そういえば、あの時のガラ公演は忘れられないほど豪華だった」、といういわば公演の格を観客に深く印象付ける「権威」が存在していなかったように思います。
 歌手の皆さん、ロイヤル・バレエのダンサー達のパフォーマンスは、存分に楽しみました。ただ、このワールド・ステージ・ガラを特別な公演に仕立て上げられなかったロイヤル・オペラ・ハウス側の最大の失敗は、この「豪華さ、華やかさ」という点を見誤ったことではないかと。ダイヤモンド婚式を迎えるエリザベス女王夫妻を、招待するべきだったと思います。

いとしのウィンドウズ98

2007.11.17
親愛なる皆さん

 こんにちは。窓の外で物欲しげにこちらを見ている栗鼠が、冬毛でもこもこしています。イギリス、寒いっす。


 ここ2週間ほど、毎朝PCを立ち上げて30分ほどすると、コンピューター・ウィルス対策としてインストールしているノートン・アンティ・ヴァイルスが動きだし、メッセージによると、「シグナチャーを更新しています」、とのこと。この頼んでいない作業が終了するまでの30分ほどは、PCの処理速度が落ちるなんてものではなく、何も出来ない状態になってしまいます。PCへの負担も大きいだろうと感じていました。
 それでも、今週の水曜日の夜までは、僕のVAIOデスク・トップ、OSはウィンドウズ98は何とか働いてくれました。新しい書く仕事も始まったし、購入して今月で9年目に突入したけど、あと2年はもってくれるだろうと思っていました。

 木曜日の朝、スイッチを入れいつものように7分掛かって、通常の画面になりました。ところが、カーソルをほんの少し動かした途端画面が真っ青になってしまい、僕も真っ青、「やめろよ、この絶妙のタイミングで、ハード・ディスクが壊れたか?!」。
 仕方ないので、「Alt」、「Ctrl」、「Delete」でシャット・ダウン。そしたら、一度画面は真っ黒になってすぐに立ち上がり始めました。「あ、よかった。ちょっとなんかおかしかっただけか」、と思いつつカーソルを画面左下の「スタート」ボタンに合わせると、いきなりシャット・ダウン、そしてまた勝手に立ち上がる。これが3回続いたあと、漸く「Safe Mode」画面になったので、なんとか電源をきちんと落とせるところまでこぎつけました。

 アルバイト先に行って、ITに詳しいポーランド人の同僚に状況を話しました。開口一番、「I told you before many times、デフラグすらしていないウィンドウズ98を使っているからには、こんなこと、いつかは起きると思っていたよ。製造されてから8年も経っている98を使っているの、世界でも君だけのはずだよ」。ひとしきりこんなことを言われたあと、彼曰く、「今晩スイッチを入れたら、スタート・ボタンはクリックしないで、画面上のマイ・コンピューターのアイコンを右クリックしてみたら」、とのこと。こわごわとやりました。落ちませんでした。ほっ。
 コントロール・パネルから、速攻でノートンを削除。替わりにデフラグ・ソフトをインストールし、CとD、それぞれ6回くらいデフラグしました。この作業がよかったのかどうかは、正直判りませんが、一つ明らかなのは、「ノートンがないと、まだきちんと動く」。
 ここで、一つディレンマが。僕の理解の範囲では、ウィンドウズ98をサポートしているウィルス・ソフトはノートンしかないんです。他の選択肢が与えられていないこの辛さ。ソフトウェア・メーカーには声を大にして言いたいです:「一般庶民は、そうそう、コンピューターを買い換えようなんて思わないんだぞ」、と。

 とはいっても、このままでは同じことが繰り返されて、結局ハード・ディスクが壊れてしまう状況なってしまうだろうと思い、インター・ネットやメールはラップトップでやって(もう、ノートンは使いません)、原稿や大学院のエッセイは、98がいってしまうまでは現在のPC(当然、これからも使い倒します)、という二本立てで行こう。今後は、データの保存は全てUSBでやらなければ。ところが、更なる問題が。知りませんでした、98ってUSBスティックをデバイスとして認識しないんだそうです。
 そんなこと予想だにせず買ってしまったUSBは、当然使えずにデータ保存の道が塞がれたか、と暗澹たる気分に。でも、このテクノロジーの時代、何か方法があるだろうと、渡英以来、何度も何度も、何度も何度も、何度も何度も助けていただいている元同僚でITスペシャリストの二人に助けを乞うて判ったのは、ドライヴァーをインストールすれば使えるようになるとのこと。
 いくらアナログの僕でも、エグゼ・ファイルをダウンロードして、走らせることは、a piece of cake。ところが、結果は駄目。どうやら、僕が購入したUSBは、98に対応していなかったようで。思わず口をついてでたのは、Oh, God! こんな失敗をするのは、僕だけ、ではないと確信しています。

 ある心優しい友人が、「あまりにも可哀相だから、誕生日プレゼントとして僕が日本から送ってあげよう」。人間って、一人では生きていけないですね。どのような状況になるかは、神のみぞ知る、です。
 一つだけよかったこと。ラップトップにBTのブロードバンド・モデムをインストールしなければならないので、どうせだから最新の物を送ってもらえないかを尋ねました。コール・センターは北アイルランド。恐らく人懐こいであろう、が繰り出される凄まじいアイリッシュ訛から理解できたのは、僕はBTブロードバンドの初期からのユーザーの一人だそうで。まぁ、ユーザーを確保しておきたいという狙いもあるのでしょうけど、基本料金を2008年の4月までそのままにしてくれました。BTのことですから、請求書が届くまでは安心できませんけど。


 先日お知らせした動物のグリーティング・カード、昨日書店に行ったら完売していました。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-571.html

 そこで見つけたのが、カレンダー。やはり、この書店はセンスいいです。
http://www.cavallini.com/calendars.html
 会社はサン・フランシスコですが、ボタニカル・アートの伝統があるイギリスの他のものと比べても遜色ない蘭や花のデザインのものはかなりいいのもでした。それとトラヴェル・シリーズは懐古趣味がくすぐられてよかったです。

 添付の写真は、ロイヤル・バレエの「くるみ割り人形」の新しいポスター。プリンシパル・ゲスト・アーティストの吉田都さんの写真が使われています。

XMAS_Nutcracker_main[1]

吉田さん、今年で3シーズン連続「くるみ」の初日を飾り、さらに新しいポスターに登用されるということは、彼女は古典バレエ・ダンサーとして、世界から優れたダンサーが集まるロイヤル・バレエにとっても比類ない存在ということでしょう。

ジェマイマ・ハーンは主張する

2007.11.14
パキスタンの国内情勢が緊迫するやいなや、有力なジューイッシュの家系の一つ、ゴールドスミス家の娘の一人、ジェマイマがメディアで政治的な発言をする機会が増えている。今日は、元旦那のイムランがパキスタン国内で逮捕されたとのニュースが流れたので、ますます、ジェマイマが政治、及び社会的なディベイトの場に出てくることが増えるのではないかと想像する。
 パーティ・ガールとして、またヒュー・グラントの恋人としてゴシップ誌の常連であるジェマイマ。一方で、チャリティ機関を創設し(現在は休眠状態らしい)、また、ムスリム女性の地位向上について積極的に活動しているらしい。彼女のように、地位も金も在る女性が、社会構造を考える為の議論に参加するのは、単純に、素晴らしいことだと思う。恐らく的外れな例かもしれないけど、ビアンカ・ジャガーの存在とちょっとだけ重なる気がしなくもない。

 添付の写真は、ロンドンの夕刊紙、The Evening Standard紙から。同紙が主催したロンドンにおけるムスリムの人たちについてのディベイトに参加したときのもの。




http://www.thisislondon.co.uk/standard/article-23420892-details/Is+Islam+good+for+London/article.do

 ゴシップ誌に掲載されていた、グラントと一緒に写っている彼女とは、別人のような鋭い表情。正直なところ、新聞で読む彼女の発言の一部には、論点が絞りきれていないと感じることもある。でも、ジェマイマのような人が、「非・政治家」として政治の舞台で自ら論を主張するということは、単純に、素晴らしいと思う。
 今再び、多くの人が政治を語り、考え、そして参加する時代になってきていると思うんだけど。

ロンドン・オリンピックのロゴは嫌われもの

2007.11.13
昨日、2012年に開催される予定らしいけど、建設が間に合うとは誰も思っていないであろう、ロンドン・オリンピックの予定地で起きた火災は、日本でも大きく報道されたよう。
 で、今朝は、またまたThe Daily Telegraph紙のMATTに大笑いさせてもらった。



 多くの読者が同意したであろう、倉庫と一緒に燃えてなくなってしまって欲しかったロゴは、これ。



 このロゴが発表された直後に書いたもの。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-484.html

 皮肉にも見慣れてきていた所だったので、今朝のカトゥーンは本当におかしかった。開催まであと4年半。その頃、どこにいるかは判らないけど、少なくともこのロゴだけは、消滅していて欲しい。

ハリー、君もか(破局かどうかは微妙)

2007.11.12
昨日、日曜日のNews of the Worldの一面に、イギリス王室の暴れん坊、ハリー王子が、ジンバブエ出身のガールフレンド、チェルシー嬢と破局、というニュースを見かけた。信用ならないタブロイド紙だから、「どうせガセだろう」と思っていた。そしたら、今夕のThe Evening Standard紙によると、「Trial Separation」とのこと。リンクはテレグラフの記事。

http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2007/11/11/nharry211.xml

http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2007/11/13/nchelsy113.xml


 どうやら、幾つか行き違いが重なり、チェルシーさんの方から切り出した模様。二十歳そこそこの若人の惚れた、はれたなんて放っておけばどうにかなるとは思うけど、今回は、どうやらはリー王子の振る舞いが、ちょっと自分勝手すぎたかな、と。彼女の22歳の誕生日のパーティーをすっぽかして、パリまでラグビーを観にいっては、言い訳の余地はないな。



 この写真は、今年の夏、ウェンブリー・アリーナで行われた「ダイアナ妃メモリアル・コンサート」でのもの。この時は、ウィリアムはミドルトン嬢とは別離期間中。が、その二人がよりを戻したんだから、ハリーとチェルシー嬢も、また桜が咲く頃には何とかなっていることだろう。

恐怖、世界の食卓に忍び寄るイギリス人の味覚

2007.11.11
2007年、まだ2ヶ月、それともあと2ヶ月。僕の今の心境は、とりあえず11月を乗り切りたい、それだけです。

 イギリス人が世界各地に行くようになって、如何にイギリスの食べ物が不味いかを自覚する機会が増えたことにより、イギリスの食べ物、美味しくなってきているかもしれないかな、と思うことも増えてきました。それでも、こんな味覚の基準で我慢できるのは、イギリス人だけだろうな、と思っていました。

 ところが、先日、The Guardian紙のG2セクションで見つけたある記事に、イギリス人が開発した食料品の数々が、世界各国で売上を伸ばしていると。余談ですが、タイトルは、イギリス人の友人に言わせると他愛もない冗談だからこそ、説明できないといわれました。下に全文をコピーしてあります。

http://www.guardian.co.uk/g2/story/0,,2205851,00.html

 出だしの説明によると、イギリスから輸出される食料品の売上高は、110億ポンドにもなるそうです。ということは、2兆円を超える売上げ。この数字自体、巨額なのかどうかは判りませんが、とりあえず俄かには信じられませんでした。が、個別の食品がどの国でどれだけ売れているかという説明を読み進むうちに、驚くやら笑ってしまうやら。
 例えば、恐らく日本でも売られているのかもしれませんが、パッケージがちょっと渋い感じのGreen & Blackというオーガニック・チョコレートがあります。



イギリスのほかのチョコレートから比べれば、確かに美味しいし、値段を少し高く設定することで差別化にも成功していると思います。それでも、嗜好の違いは有るでしょうけど、フランスやベルギーのチョコレートから見れば。
 あにはからんや。フランス、オランダ、ベルギーではイギリスの高級チョコレートの売上が伸びている、とのこと。大陸の誇りは何処に。

 カナダでは、トワイニングをはじめとするBritish Teaの今年上半期だけの売上が約1,700万ポンド(約42億円)に。一方で、鍾乳洞で有名なチェダーのチーズが、ゴーダやエダムを誇るオランダで売上を伸ばし、青かびチーズのスティルトンは、チーズ大国フランスで売上を37%も伸ばしている。
 また、ギリシアでは、朝食用のシリアルの売上が急上昇。



イギリスでは、ギリシア・ヨーグルトが健康食品としてもてはやされているのに、何でわざわざイギリスのシリアルを食べるかな。
 そしてイギリスの最も凄いところは、他国の食べ物ですらイギリス風にアレンジして、元の国や他の国に送り込んでいるところでしょう。記事の最後にあるカレー・ペーストを製造している会社は、恐らくイギリスにいるインド人によって経営されているのだと思います。でも、彼らが作るのは、インド本来のものではなく、イギリス人の味覚・嗜好にあうように変えられたもの。それをまたインドに輸出している。更に、ドイツでブームのIndian FoodはBritish Indian Foodという事実。




 こういうことをするのはイギリス人だけではないと思います。でも、イギリス人って一筋縄では行かないと思うのは、結局、世界中に彼らが食べ馴染んだものを広めて、そこにリトル・ブリテンをつくり上げる。世界の基準に自分たちを高めるのではなく、世界を自分たちのところまで下げる。ブラック過ぎるかな。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-504.html

 なんて偉そうなことを書き連ねてきましたが、一つ告白すると。先日、友人がご馳走してあげるからということで、ブリティッシュなものをリクエストしました。ポッシュなガストロ・パブなんかを期待していたのですが、連れていかれたのは、ここ。
http://www.sandmcafe.co.uk/index2.asp

 イギリス庶民の食べ物、ソーセージ&マッシュ。えーと、正直に言えば、美味しかったです。日本にいる友人・知人達には見られたくなかったです。自分の味覚がここまでイギリスに染まってしまっているとは。恐るべし、イギリス。


British aisles

Is global snobbery about British food finally in decline? If we can sell cheese to France and curry to India, we must be doing something right ... Patrick Barkham reports. Plus Graham Holliday on our cereal exports on the food blog

Patrick Barkham
Tuesday November 6, 2007
Guardian


That old cliche about shipping coals to Newcastle has cropped up a few times in recent years with the news of various extraordinary modern food ventures, from British chicken tikka masala being shipped back to Asia, to a Scottish company supplying pizzas to Italy. This year, however, the coals-to-Newcastle cliche is moving from the exception to the rule.
For decades, British food has been scorned by the superior gourmands of the world. But the reality is that food and drink exports from the UK are thriving, with a record £11bn-worth of goods set to be sold abroad this year according to Food From Britain, an export marketing consultancy funded by the government and the food industry.
British manufacturers, it turns out, have stumbled upon a new recipe to titillate foreign palates: mixing the historic appeal of classic products, such as whisky, with rebranded, upmarket versions of things that other countries should, by rights, make far more successfully.

Posh chocolate
We Brits may believe that Belgians are the ultimate purveyors of fine chocolate but increasingly, it seems, the Belgians believe that we are: exports of British chocolate to the country rose by 16% in the first half of this year. According to Chris Brockman of Food from Britain, there is a clear "premium indulgence" trend in the international food industry, and Britain is reaping the benefit chocolate-wise. The taste for upmarket and organic dark chocolate has been smartly exploited by nimble, fast-growing companies; Green & Black's, for example, is now doing a roaring trade in North America. The biggest market for our chocolate is actually Ireland, but after that come France, Holland and Belgium - all nations who like to think they can teach us a thing or two about fine confectionery.

Booze
Beef may once have been the archetypal British food export but, appropriately enough for a nation of binge-drinkers, it is now very definitely booze. Astonishingly, whisky accounts for nearly a quarter of all our food and drink exports: the trade was worth £1.1bn in the first six months of this year, a surge of 9% on the year before.
Drinks manufacturers have been rubbing their hands with glee for a while now about the thirst for cheap British spirits in Asian markets such as Japan and South Korea. This thirst is most extraordinary in Singapore, where sales of whisky rose by 118% in the first half of this year.
The Spanish also enjoy our gin, but the coals-to-Newcastle bit really comes in the burgeoning sales of ale to Ireland. Real ales from small breweries are doing particularly well (although the first-half-of-year sales of £30m are still a drop in the ocean compared with the UK's consumption of Guinness).

Tea
Britain is no longer the greatest nation of tea drinkers (Ireland downs more, per head of population) but it still makes a cuppa of quid (sorry) selling classic brands such as Twinings and Tetley around the world. British Empire-era manufacturing thrived by taking the produce of one colony and selling it to another, and that is still the model for our tea industry today: while tentative tea-growing may be occurring in parts of Cornwall, almost all the tea we export is grown abroad and only blended, packaged and branded in this country. "British" tea is doing particularly well in Canada at the moment: it bought £16.6m-worth of our dried leaves between January and June this year.

Breakfast cereal
Apart from a cup of black tea or a bowl of yoghurt and honey, the Greeks are not known for their breakfasts. But now, it seems, they have developed a hunger for a hearty British start to the day. Sales of UK cereals to Greece rose by 28% in the first half of this year, a statistic made only marginally less baffling when Brockman explains that it may in part be due to the number of British holidaymakers and expats demanding a bowl of milky cereal to scoff by the poolside every morning.
Once again, our cleverly marketed premium brands seem to be slipping down foreigners' throats particularly well - although just 27 years old, Dorset Cereals has sprung from nowhere to sell well in Europe in recent times. In China, Weetabix is popping up on the shelves of high-end "western-style" supermarkets, and is being bought by wealthy, westernised consumers.

Cheese
No word yet on the success of British clogs in Amsterdam, but cheddar cheese is certainly biting into those Dutch staples, gouda and edam. Sales of cheddar to Holland increased by 38% in the first half of this year. It is the "extra mature" cheddar market that is thriving and once again, the British appear to be masters of marketing it. "The image and reputation of cheddar was destroyed a little bit because it could be made outside the UK and it has been seen as an 'ingredients cheese'," says Brockman. "Now producers are getting it back to being a quality farmhouse product - cheese you can put on your cheeseboard rather than just melting it on your toast." But it's not just cheddar that's doing well: stilton exports to France, for example, are up 37%.

World foods
The story of Patak's selling its pickles and sauces to the Indian subcontinent has already been told; but Patak's is just the tip of the iceberg: the UK's "world food" manufacturers are among the biggest and fastest growing exporters in the country. Traditionally the pattern is of immigrant communities first cooking their food for their own folk, then selling it to their host communities before exporting new hybrids (such as chicken tikka masala) to their countries of origin. But it has gone beyond that now. The Indian, Thai and Mexican food producer Noon, for example, has successfully introduced its chilled ready meals into Germany, while Geeta's sauces and pickles are also selling well there. "Indian food in Germany is really going through quite a big boom," says Brockman - British Indian food, that is.
Perhaps the most striking illustration of the weird world of Britain's global exports is the success of Britain's Discovery Foods, which sells Mexican sauces to Denmark and Sweden. (The Swedes, curiously enough, have the biggest appetite for Mexican food per head of population in Europe.) And the next big British food export success story? Probably Polish cuisine, according to Food From Britain. "Polish food is quite big in UK supermarkets now but no one is seriously producing it in the UK yet," says Brockman. "I can imagine in a few years time it could be being produced in the UK and in a decade's time we'll probably be exporting it as a British product."

スペイン国王の怒り

2007.11.11
朝からBBCのラジオのニュースで何度も報道されているのは、南米チリの首都、サンチャゴで開かれていたIbero-American summitの会場で、ヴェネズエラのチャベス大統領の非礼に、ホヮン・カルロス国王が怒って、「Why don't you shut up?」、といったそう。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/americas/7089131.stm

 上記のリンクからは映像を見ることができる。国王は感情をあらわにしているわけではないけど、自国の前首相を「ファシスト」呼ばわりされたら、The head of the stateとしては黙っていられなかったのだろう。国王だって一人の人間だし、よほど腹に据えかねたのだろうと思う。
 数日前には、国王とソフィア女王は、モロッコにある二つの飛び地を電撃訪問して、スペインとモロッコの間の緊張が一気に高まった。なんだか、国王夫妻が政治に巻き込まれてしまっているようで、ちょっときな臭さを感じる。来週のiHOLA!マガジンは絶対に買わなくては。

 写真は昨年のクリスマス用に撮影されたもののはず。カルロス国王も2008年1月には70歳。あと何年、頑張るのだろうか。



http://www.casareal.es/index-iden-idweb.html
 スペイン王室のウェブ・サイト。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-294.html
 フェリペ皇太子夫妻の結婚式のことを書いたもの。


[追記:11月12日]
チャベス大統領は全く懲りていない様子。彼も独裁色を強めているようだから、また世界に火種が増えるのかな。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/americas/7089988.stm

高波の危機:イングランドとオランダ

2007.11.10
11月8日から9日にかけて、イングランド北東部のイースト・アングリア地方と、北海を挟んで対岸にあるオランダで、どうやら北海のどこかで起きた強力な嵐の影響によって、海面急上昇の怖れ、それに伴う洪水の危険性があったとのこと。
 イースト・アングリアの海岸地域に住む住民には避難勧告が出され、オランダでは、ロッテルダムで初めて洪水を防ぐ為のバリアが閉じられたとのこと。地球温暖化によって、気候の変動の幅が大きくなっている、という議論があるようだけど、これもその一つなのかな、と。結局はおおごとにならなかったようで、一安心。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/europe/7086175.stm#graphic

 一枚目の写真は、イースト・アングリアのどこかの海岸。写っている建物は住居ではなく、夏の間に使われる、個人利用の簡易版、海の家のようなもの。太陽と、この暴力的な波の対比は、とてもに非日常に感じられる。



 2枚目は、オランダから。何でも、この大荒れの海でトラブルにあった貨物船から巻き散らかされたバナナが、オランダ北部の海岸に大量に流れ着いたもの。塩漬けのバナナは、どんな味がするのだろう。



マイノタウ?、いいえ、ミノタウロ

2007.11.08
2007/08シーズン、ロイヤル・オペラの上演プログラムには、幾つか目玉があります。前半は、先日終わったばかりの、ワーグナーの「ニーベルングの指輪」を構成する4作の上演。新年明けて早々だと、売れっ子アンナ・ネトレプコを主役に据えての「ラ・トラヴィアータ」など。ネトレプコ、そしてアルフレードを演じるヨナス・カウフマンの人気で、二人が歌うファースト・キャストは完売状態。恐らくリターンはでないでしょう。でるとすれば、ネトレプコがキャンセルしたとき。彼女、昨シーズンの「ドン・ジョヴァンニ」の大半の日程を、体調不良でキャンセルしました。今回もそんなことになると、流石にロイヤルで歌うことが、暫くはなくなるかもしれないですね。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-540.html

 オペラに熱心でない人にはあまり強くアピールしないかもしれませんが、来年4月上演予定の「The Minotaur」もまた注目のプログラムの一つ。「そんな名前のオペラ、聞いたことない」、と思われた皆さん、ご安心ください。まだ、誰も聴いたことがありません。ロイヤル・オペラが、イギリス人作曲家のSir Harrison Birtwistleに委嘱した世界初演のオペラです。
 その資金集めのパーティーに招待され、寄付する余裕などありませんが、行ってきました。オペラに興味があるものとしては、世界初演オペラ製作の過程を知るのは、得がたい経験になると思ったからです。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-67.html

 当夜は、ロイヤル・オペラのトップのパドモア女史、作曲したバートウィッスル、脚本を書いたDavid Harsent、デザインを担当するAlison Citty、そしてこの新作オペラのタイトル・ロールを歌う予定のイギリス人バス歌手、ジョン・トムリンソンが出席していました。トムリンソン、舞台で見ると小柄に見えることが多いのですが、近くで見ると、頭、顔、横幅がとてもでかかったです。それと出席していませんでしたけど、ヒロインのアリアドネは、やはりイギリス人で、メゾ・ソプラノ歌手のクリスティーン・ライスがキャスティングされています。

 パドモアさんの司会で、このオペラの創作過程、さらに現在、上演に向けてどのような段階にあるのかなどが話されました。最も強く興味を惹かれたのは、「オペラはどこから創られはじめるのか?」、という点。バートウィッスルとハーセントはこれまで何度もいっしょに仕事をしているそうです。バートウィッスルの仙人のような浮世離れした話し方と、ハーセントのしゃきしゃきした話し方が噛み合っているような、いないような印象があったのですが、理解できた範囲では、どうやらバートウィッスルの中には、ギリシア神話の中のミノタウロとアリアドネの物語を題材にしたいという想いがずっとあったようです。ということで、今回は、先に音楽ありきと判断しました。

 パネルの中で印象に残る発言が一番多かったのは、バートウィッスルでした。例えば、物語はギリシア神話に取りながら、オペラで使われる言葉が英語という事象を、曲を創作する過程でずっと考えていた。また、ディスカッションの最後、トムリンソンが、オペラの中からミノタウロのモノローグのようなパートをピアノ伴奏で歌ったとき。バートウィッスルは以下の発言をしました。
 「このオペラの音楽は、オーケストラで演奏されることが大前提。勿論、この場で用意するのは不可能だけど、本来オーケストラが演奏するパートをピアノで演奏するのを聞くのは、実はembarrassing(当惑)に感じるんだ」、と。作曲家に限らず、一人の芸術家が、ある作品を作り出したあと、その作品が自分の手を離れ、別の形態に変化していく過程を見るのは、辛いことなんだろうか、ということを考えさせられました。
 歌われたパートは、ほんの6分ほど。その部分だけでは、上演時間が3時間になるオペラを判断することは出来ません。が、恐らく、僕の趣味ではないかな、と。でも、初日は行くつもりでいます。

 レクチャーが終わってから懇親パーティーになり、バートウィッスルと話すことができました。本当に、仙人みたいでした。ロイヤル・オペラからこのオペラ作曲の依頼を受けたのは約7年程前。で、最新の改稿をハーセントに渡したのがつい数ヶ月前、といことでした。かつて、ロッシーニは早がきで名を馳せましたけど、今の時代ではオペラを創るのって、気が遠くなるくらいの歳月、お金、ヒューマン・リソースが必要になるんだと感じました。ロイヤル・オペラが資金集めを必死にやるのは、仕方のないことなんでしょうね。
 「リング」でヴォータンを演じたトムリンソンとは、誰もが話したがっていて、ほんの数分しか喋ることができませんでした。けど、「世界初演のオペラのタイトル・ロールを歌うことをどう感じていますか?」、と尋ねたところ、トムリンソンが歌うことを前提にオペラが創られるということを、とても名誉に思っていると吠えるように話してくれました。

 前回と違って、あからさまに寄付のことを依頼されることもなく、とても内容の濃いレクチャー/パーティーでした。残念だったのは、相変わらずカナッペが不味かったこと。それと、添付の写真は、ロイヤル・オペラ・ハウスのウェブから拝借しました。

RO08_Minotaur[1]

 このメールのタイトルの意味について。英語では、Minotaurは「マイノタウ」と発音するんです。英語って、いろいろと厄介な所があります。中でも今回のように、外来語の本来の発音に英語をあわせるのではなく、外来語のスペリングを英語独自の発音で済ませようとする悪癖には、いつも混乱させられます。もう一つ判りやすい例だと、合衆国のジョージア州と、東欧のグルジア。どうしてスペルが同じだか知りませんが、紛らわしいことこの上ないです。

エリザベス女王夫妻の長い一日(3)

2007.11.07


 心なしか、お疲れの表情。



 夜のセレモニーへの出席を前に、バッキンガムでお茶でしょう。お茶はやっぱり、フォートナム・アンド・メイスンだろうな。



 夜は、新装となったセント・パンクラス駅のオープニング・セレモニーでテープ・カット。イギリスらしい帽子とかっちりしたコートではないのは、駅構内の半分がいまだに工事中だからだろう。でも、ちょっとがかっリ。



 このセレモニーが何時に終わったのかはしらないけど、朝から夜まで働きずめ。女王は81歳、フィリップさんは86歳。普通なら、この歳でこんな重労働をするなんてないだろうから、それだけで立派だと思う。お疲れ様でした。



 左側の車両が、ユーロスター。右側のは、日立が納入した、国内用の高速車両。車両が高速でも、働く皆さんが怠け者では宝の持ち腐れになるから、しっかり働いて欲しい。
 女王のスケジュールは、何年も先に決まることが多いと聞く。ということは、このセント・パンクラス駅のセレモニー出席だって、少なくとも1年前には決まっていたことだろう。ということは、セント・パンクラス駅の改装は、予定とおりの日程で進んだということになる。
 歳上のイギリス人の友人たちに言わせると、昔のイギリスは、今の時代みたいに全てが予定とおりに進まない国ではなかった、と。何事も、今回のセント・パンクラス駅の予定とおりのオープニングのように、何事も整然と進む国だったそうだ。

 おまけ。同じく11月6日に、ロイヤル・メイルからクリスマス切手が発売になった。初見では、なんとも古臭い感じがした。でも何度も見ていたら、特に1stクラス(goodwill)から、絵のタッチは全然違うけど、どことなく故有本利夫さんの絵が持っている静かな力強さを感じた。天使の羽根を背負って、カラオケで賛美歌を歌うのもいいかな、と。


エリザベス女王夫妻の長い一日(2)

2007.11.07


これは、国の王冠。「女王」という職業に付属するユニフォームの一部ともいえる。見るからに重そう。



 難しい顔。王冠が重くて、肩が凝るのかな。そう思うと、女王の白い肩飾りが、サロンパスに見えてくる。

エリザベス女王夫妻の長い一日(1)

2007.11.07
エリザベス女王と、旦那のプリンス・フィリップは、職務を果たすことが大好き。そんな二人にとっても、11月6日はかなりながったはず。BBCとThe Guardian紙からかき集めた写真で再現してみました。写真のクレジットは、PA(正しくはPAだと思うんだけど)とGetty Imagesです。



 やっぱり、掃除はしっかりしておかないと。にしても、イギリスの掃除機の形のセンスの悪さは、どうにかして欲しいもの。機能だって、お世辞にも素晴らしいなんて、口が裂けたっていいたくない。日本の掃除機メーカーは、イギリスに商機があると思う。



 今年のロンドンの秋は、天気に恵まれて、黄葉が美しい。



 到着。

セント・パンクラス駅のロイヤル・オープニング

2007.11.05
ユーロスターのロンドンでの新しい駅は、ウォータールー駅からセント・パンクラス駅になります。明日、11月6日に、2年余りの改装工事を終えた駅は、エリザベス女王を迎えてロイヤル・オープニングのセレモニー。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/england/london/7072758.stm

 ユーロスターの商業運行が始まるのは、来週から。過去ひとつき、ユーロスターの広告はもういいよというくらい新聞に掲載されていました。でも、改めて駅構内の写真を見ると、やっぱり乗ってみたくなります。写真は、BBCから拝借しました。1枚目の写真では見事に修復された時計が写っていますけど、国際列車の発着駅ににはこういう時計が、本当によく似合います。この時計の下で、たくさんのドラマが繰り広げられることでしょう。




もとの時計の写真は、こちらのポストの中で見ることが出来ます。
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-538.html

 2枚目の写真は、セント・パンクラス駅周辺の空撮写真。まだまだ開発途上という感じですけど、恐らく、2012年のオリンピックに向けて、もっと混乱の様相を呈してくるのではないかな、と思っています。セント・パンクラス駅、写真向かって左側の煉瓦色の建物は、大英図書館。反対側にある、二つのかまぼこ方のものは、キングス・クロス駅。隣り合っている駅にもかかわらず、行き先は全く違います。この近所には、ユーストン駅もあって、ロンドンの鉄道駅の違いを理解していないと、旅行者には紛らわしいことでしょう。
 更に、写真上部、キングス・クロス駅からほぼ垂直の位置にある白い大きな建造物は、サッカー・プレミア・リーグのアーセナルの本拠地、エミレイツ・スタジアムです。




 ところで、明日、6日はエリザベス女王は大忙し。このテープ・カットのセレモニーに加えて、国会でスピーチがあるそうです。今日の報道では、先週、ブラウン首相率いる労働党内閣を大きく揺さぶり、また社会のあちらこちらで大きな話題になっている「移民」問題について言及される予定らしいです。移民の一人としては、興味津津です。

[追記:11月6日]
 エリザベス女王出席にセレモニーは、夕方に。駅隣接のホテルの開業は、2009年の予定だそうです。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk/7080278.stm

食品値上げはロンドンでも

2007.11.04
ロンドンの天気、素っ晴らしいです。愚痴はただ一つ、I wish daytime were longer than now!夏にこの晴れがなければ、意味ないです。

 日本の報道機関のニュースを読んでいると、日本では、特に穀物を使っている加工食品の値上げが相次いでいるそうで。もともと、科学系のニュースは斜め読みすらしないですし、最近よく目にするバイオ燃料(biofuel)がどんな仕組みで作られるのかを知らないので、どうしてこれが食料品値上げにつながるのかが判っていませんでした。で、昨日、The Guardian紙で読んだ記事。
http://www.guardian.co.uk/environment/2007/nov/03/food.climatechange

 はっきり言って、扱っている事象が大きすぎて、これを綺麗にまとめる技量は僕にはありません。が、超簡単に要約すると、「石油価格が高騰し、それに替わる物としてバイオ燃料への注目が集まり、利益が上がる。だから、これまで穀物を作ってきたアメリカの大規模な農場が穀物から、バイオ燃料の材料となる作物にシフトしている。それによって穀物の生産量が落ちてきているにもかかわらず、インドや中国での消費量が増大して、不足感に拍車が掛かっている。
 「さらに、インド、ブラジルやアフリカでは、大規模(一千万ヘクタール、一億ヘクタール規模)開発でバイオ燃料用の農地が開墾されている。そのあおりで、貧困層の農民が土地を奪われている。これらの要因が、複雑に錯綜しながら、そして絡み合いながら気候変化と連動することにより、世界の食料供給のバランスが急速に悪化している」。
 絶対に重要なポイントを見逃していると思います。パニックにならない為にも、知っておくべきなんでしょうけど、でも気分は、「Enough, give me a break!」。

 この地球規模での食料供給の問題や値上げについて、まだ身近であまり感じないな、と思っていました。そんなところにタイミングよく今日のThe Sunday Telegraph紙で見つけたのは、イギリス国内のスタバが、「トール・ラテ」の値段を他のコーヒー・チェーンに先駆けて£2.05-にしたとのこと。
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2007/11/04/ncoffee104.xml

 僕の胃は、すでにスタバのコーヒーを受け付けなくなってしまったので直接関係はないです。でも、「あの」コーヒーを、日本円で500円以上出してまで飲みたいか、と。記事にその500円以上になったLatteの価格構造の内訳が出ています。大本のコーヒー豆の価格は牛乳より安く、アドミンに掛かる費用が小売価格の25%以上というのが、イギリスらしい間違った構造のように感じます。
 記事で取り上げられているイタリア人の方や、イタリアから意見を寄せている読者の中には、「こんなのコーヒーではない」、と不満を漏らしている方がいます。でもこれは、例えばイギリス人がアメリカ、イタリアや日本に行って紅茶を頼み、でてきたものを一口飲んで、「こんなの紅茶じゃない」、というのと同じことですから、別にたいしたことではないでしょう。

 おまけ。今日のThe Observer紙のトラベル・セクションの巻頭特集記事は、日本の東北地方についてでした。
http://www.guardian.co.uk/travel/2007/nov/04/japan.escape
 オブザーヴァー紙の旅行セクションは、けっこう日本のことを取り上げることが多く、また、公平に見てもよく書かれています。数週間前の北海道特集で、僕はニセコがオーストラリア人スキーヤーにとても人気があるということを、知りました。東北地方の記事、ちょっと長いですけど、日本の事がイギリス人の目を通してどのように書かれているかが判って、面白いと思います。

 添付の写真は、ガーディアンで見つけました。イングランド中央部西より、グロースターシャーにあるTetbury近郊の秋です。



ご存知の方もいると思いますが、僕の大好きな色の組み合わせです。

 MATTの画像は、これが書かれた背景が全く判りません。でも、「そうそう、これがイギリスだよな」、と躊躇うことなく笑えました。



サドラーズ・ウェルズ劇場の春夏シーズン

2007.11.03
サドラーズ・ウェルズ劇場から、2008年の春夏公演のチケット販売の知らせが届いた。発売は、2007年11月5日の午前9時(ロンドン時間)から。

http://www.sadlerswells.com/

サドラーズ・ウェルズ劇場と、トラファルガー広場のコリセアム劇場で上演される、普通にダンス・ファンにアピールするであろうプログラムだけを、勝手に選ぶと。

Sadler's Wells Sampled: 26,27/Jan
(これだけ、発売は12月1日)

La La La Human Steps: 30/Jan to -2/Feb

Pina Bausch: 13 to 22/Feb

Flamenco Festival London 08: -3/ to 16/Mar

New York City Ballet: 12 to 22/Mar at Coliseum

Stuttgart Ballet: 25 to 30/Mar at Coliseum

Carlos Acosta: 31/Mar to 12/Apr at Coliseum

Sylvie Guillem & Russell Maliphant: 4 to 7/Apr at Coliseum

NDT 1: 2 to 5/Apr

Random Dance: 10 to 12/Apr

Cloudgate Dance Theatre of Taiwan: 16 to 19/Apr

The Ballete Boyz: 7 to 10/May

West Side Story: 22/Jul to 31/Aug

 ラララ・ヒューマンとネザーランド・ダンス・シアターはイギリス初演となる演目を、ピナは「カフェ・ミュラー」とパリ・オペラ座バレエもレパートリーに入れている「春の祭典」をもってくる。また、ロイヤル・バレエの常任振付家に昨年任命されたウェイン・マックグレガー率いるランダム・ダンスは世界初演となる「Entity」を。ミュージカル、好きじゃないけど「ウェスト・サイド・ストーリー」は見ておいたほうがいいかな、と。

 正直な所、今は古典バレエをもっと観たいので、いいプログラムが並んでいるとは思うけど、もう一つ強く惹かれない。シルヴィ・ギエムは全部行くつもり。でも、PUSHをコリセアム劇場で観るのは、かなり辛い。

 しかしながら一番問題なのは、バービカン・ホールの2008/09のリサイタル・プログラムの会員先行発売が、11月7日にあるということ。こちらはまだ内容が判らないので、予算配分の見当がつかない。年、越せるだろうか。

アニマル・コオ・ユウケイ:animaru.co.uk

2007.11.03
最近、行く機会がなかったMarylebone High Streetに行ってきた。この通りで成功すれば、ロンドンでの成功は約束されたも同然という噂が本当かどうかは判らないけど、10年以上も開店し続けている店の数は少なくなりつつあるような気がする。
 そんな中、ハイ・ストリートの顔として、また独立系の書店としてメディアに取り上げられることの多いDaunt Books (http://www.dauntbooks.co.uk/) に立ち寄った。幸運にも、顔見知りの店員さんがいて、写真集団Magnumの設立60周年を記念して出版された新しい写真集、
http://www.amazon.co.uk/Magnum-Brigitte-Lardinois/dp/0500543429/ref=sr_1_1/026-2680065-0325207?ie=UTF8&s=books&qid=1194122588&sr=1-1
のことなどをあれこれ話し込んでいるうちに、書店で売っているグリーティング・カードの話になった。
 カードを選んでいるのは彼女で、そのセンスがよくて、ここ数年グリーティング・カードはほぼここでしか購入していない。そこで、新しいセレクションよ、と言って見せられたのがこれ。



*クリックで拡大。



*クリックで拡大。

 製造、販売はhttp://www.animaru.co.uk/index.php5?page=home。絵のセンスから、そして会社の名前のスペリングから、日本人が関係しているように思う。
 そんなことは脇において、一目で気に入った。ウェブには書店にはなかったタイプのカードも。



 このこうもりも捨てがたい魅力があるし、集団の中にあるカモノハシやトドの表情も味わいがある。大好きなカエルのもある。でも、そんな数あるキャラクターの中で一番気に入ったのは、これ。




 実際のかたつむりは、今となっては触るのも駄目だと思うけど(エスカルゴのグリル、トマトとバジルのソース和えは別)、これは是非、家族や友人に送りたいカード。
 著作権の侵害も甚だしいけど、宣伝になっているし、またすぐに大人買いするだろうから、大目に見てもらおう。

金持ちができること:セインズペリとハリー・ポッター

2007.11.01
アメリカ$に対して26年ぶりの高値になったポンドがのさばる国に来たい方がどれだけいるか判りませんが、ロイヤル・バレエの「くるみ割り人形」の初日、12月8日の吉田都さんが踊る夜公演のリターン・チケットがどっと出ました(ロンドン時間11月1日午後現在)。

 今日は、朝、バスに乗り込み、新聞の1面のトップ記事の見出しを読むやいなや、憤りで首の後ろの血管が切れたようでした。あの、イギリス国内はいうに及ばず、世界中に(大袈裟?)に大迷惑をかけたロイヤル・メイルのストライキを引き起こした張本人、ロイヤル・メイルのCEOに£150万(約3億6千万円)のボーナスが支給されるだろうとのこと。理由は、サーヴィスの切り捨て、地方郵便局の閉鎖により、ロイヤル・メイルのモダナイゼイションに成功したからだそうです。
http://business.guardian.co.uk/story/0,,2202733,00.html
ロイヤル・メイルが赤字になっているのは、競合他社との熾烈な競争に負けたからではなく、職員の年金の予算が膨らんだから。だから、CEOが会社経営に失敗したわけではない。ということで、報酬は当然である、との見事な三段論法。こういう人を「盗人猛々しい」、と言うのは日本語として正しいのかどうかわかりませんけど。
 確かに、他の大企業の経営者が享受している報酬と比較すれば少ないのかもしれませんけど、誰もがロイヤル・メイルの改革は失敗に終わったと思っているところでこの報酬は、心理的に受け入れがたいと思います。今週初め、サプ-プライム危機で赤字に陥った為にメリル・リンチを去った経営者にも日本円で150億円以上もの報酬が払われたことを受けて、やっと、納得できる表現をメディアで見つけました。それは、「reward for failure」、もしくは「failure rewarding」。つまり「失敗報酬」。こんなことがまかり通るのが資本主義社会の本質なら、僕は、資本主義社会は人を不幸にするだけの社会システム、としか思えないです。

 で、ここまで怒っていてなんですが、本題。イギリスの大手スーパー・マーケットの一つ、セインズベリの創業一族(つまり金持ち)にサイモンさんという方がいたそうです。2006年10月になくなられました。絵画のコレクターとして、また美術館に巨額の寄付をしたことでも知られていて、彼の名前はトラファルガー広場にあるナショナル・ギャラリーのセインズベリ・ウィングにその名前が残っています。週末から週明けにかけて大きく報道されたのが、そのサイモンさんの個人の絵画コレクションの中から18点、およそ250億円相当の絵画がナショナル・ギャラリー、テイト・ブリテン、テイト・モダンに遺贈されたとのニュース。添付の画像は、そのうちの一つ、ゴーガンの作品で、ナショナル・ギャラリーに行きます。




http://arts.guardian.co.uk/art/news/story/0,,2201349,00.html

http://www.guardian.co.uk/arts/gallery/2007/oct/29/art?picture=331099249

 サイモンさんの生涯のパートナーが男性だったというニュースをさらっと流し、彼からのこの贈り物がイギリス美術界にとっては計り知れないほどの価値があるということを強調するイギリスのメディアの記事を読んで思ったのは、「金持ちはこうじゃなきゃ」、と。他の収蔵品はオークションにかけられるそうですけど、僕はアンリ・ルソーによる肖像画を間近に見られる日が楽しみです。
 こんな金持ち、イギリスでは絶滅したとばっかり思っていた所に、今日は、さらにハリー・ポッター・シリーズの著者、JK・ローリングによる、「金持ちは義務を果たすべき:Rich have a duty to do good with their wealth」という発言をイヴニング・スタンダード紙で見つけました。この記事、ウェブでは見つからなかったので、今日、もう一つ彼女に関するニュースがあったのでそちらのほうを。

http://www.telegraph.co.uk/arts/main.jhtml?xml=/arts/2007/11/01/bbharry201.xml
まだ日本語訳は出ていない、ハリー・ポッターの最終巻で触れられていたという、「The Tales of Beedle the Bard」というお伽話を手書で7冊仕上げるそうです。公式に出版される予定はなく、6冊はローリングの友人に、残る1冊は12月13日にロンドンのサザビーズでオークションにかけられ、売上を慈善団体に寄付するそうです。

 多額の寄付をしたから「素晴らしい人」、と断定するつもりはないです。でも、失敗してなお他者から毟り取ることしか考えつかない人よりは、自分がおかれている「金持ち」という立場が、社会の中でどのように機能するか、何を自分にさせるのかを理解して実行に移せる人のほうが、普通の感覚を持っている気がします。

 〆の画像は、10月31日にThe Daily Telegraph紙に掲載されたMATTです。意味、判りますか?



 今、移民問題が、社会のあらゆる側面から激しく議論され始めたイギリス。特に、EUに加盟したことによりイギリスに大量に流れ込んできている東欧圏からの移民によって、社会が圧迫されているという議論が俄かに熱を帯びてきています。その中で、2007年1月にEUに加盟したルーマニアとブルガリアの国民は、当初から就業に関して厳しい規制が課せられ、その措置がさらに1年延長されることになったそうです。
 移民問題は、この画像を見て笑うことが出来なくなるような、社会を分断してしまうようなシリアスな状況が来るかもしれない、そんな状況です。

 皆さん、よい週末を。
Template by まるぼろらいと

Copyright ©LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン All Rights Reserved.