LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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2009年01月の記事一覧

ラ・バヤデール@ロイヤル・バレエ:期待のダンサーのデビュー

2009.01.29
28日に、ロイヤル・バレエの「ラ・バヤデール」を観てきました。古典バレエは大好きですが、現在、ロイヤル・バレエが上演するプロダクションは、演出者の意向で第2幕と第3幕に薄い幕がかかって見難いこと、また今シーズンは一軍プリンシパル・ダンサーの何人かが怪我や出産休暇とうで舞台に立たず、2軍プリンシパルには積極的に観たいと思うダンサーがいないこともあり、行かないつもりでした。
 そんな中28日に行ったのは、現在、飛ぶ鳥を落とす勢いでランクを駆け上り、メディアからもバレエ・ファンからも注目を集めている日本出身の女性ダンサー、崔由姫Yuhui Choehttp://www.roh.org.uk/discover/artistdetail.aspx?id=829)さんが、「ラ・バヤデール」の主役であるニキヤのデビューを飾るからでした。また、ニキヤだけでなく、ニキヤを愛する戦士ソロル役、恋敵のガムザッティ役もプリンシパル以外のランクにあるダンサーがデビューするという、ロイヤル・バレエにしてはとても珍しい舞台でした。

 ロイヤルのプロフィールにはきちんとアップされていませんが、崔由姫さんは今シーズンからプリンシパルの次のランク、ファースト・ソロイストに昇格しています。このランクでは、通常だとプリンシパルが怪我をして急遽代役で主役を踊る、なんてことがたまにありますが、出演予定の発表の時から「主役」に抜擢されるというのは、結構稀なことです。ところが、崔由姫さんはすでにコンテンポラリーの「The Lesson」、古典全幕の「くるみ割り人形」で主役(または、主役級)を踊るなどカンパニーの期待の大きさがうかがえるほどの活躍ぶり。これで注目を集めないほうがおかしいわけで、日曜紙のThe Observerの「2009年、熱い人」特集ではダンサーでただ一人だけインタヴューが掲載されたほどです。

'I can't take my eyes off her. She radiates joy in the purest sense'
http://www.guardian.co.uk/stage/2009/jan/04/hotlist-dance-yuhui-choe

 今年初め、地下のリンベリー・スタジオ劇場には行きました(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-969.html)が、メイン・オーディトリアムは久しぶりでした。超円高だし、日本人ダンサーが踊るということで、予想していた以上に日本人と思しき方がたくさん。また、知合いと話している時に脇を通り過ぎたのは、チャールズ皇太子やポール・マッカートニー、今はマドンナの離婚の代理人でもある、「イギリスで一番タフな離婚弁護士」として名を轟かせている、Fiona Shackleton女史。


(これは、上が調停に入る前。下は、調停の場で、怒り心頭の前マッカートニー夫人のヘザーに水をかけられたため)

この方、プライヴェイトの服のセンスをメディアに頻繁にこき下ろされているんですが、本当に「金だけかけてみました」という感じでした。インターヴァル中に会場をうろうろしていた所、プリンシパルのフェデリコ・ボネッリが杖をついている姿を見かけました。尋ねたところ、昨年末の「くるみ」に出演後、疲労骨折をしてしまい治療中とのことでした。次の「トリプル・ビル」での復帰は勿論駄目で、本人曰く、シーズン後半まで復帰は無理かもとのこと。キャスティングのやりくりで、マネジメントは頭が痛いことでしょう。それと個人的には、将来の書く仕事へのコネクション作りもできたりして、面白い夜でした。

 当夜の主要三役のキャストは。

Nikiya
Yuhui Choe

Solor
Sergei Polunin

Gamzatti
Hikaru Kobayashi

 主要三役の見せ場がたくさんある古典全幕バレエのその三役がすべて「役デビュー」。僕のロイヤル・バレエ鑑賞の中でも、全幕にプリンシパル・ダンサーが一人もいない舞台は、28日が初めてだったと思います。ガムザッティを踊った小林さん、踊りは以前と較べるととてもよくなっていたように感じました。以前、時折見られた「ちょっと手を力を抜いてみようかしら」という雰囲気もなく、結構見直しました。が演技面は要研鑚だと思います。例えば、第3幕、ソロルとの婚礼の場では、焦がれる男性と結ばれることへの喜びと、勝者(要するに恋敵を蹴落とした)の醜い驕りを同時に内面から感じさせて欲しかった所でしたが、踊ることでせいいっぱい、という印象が強かったです。
 ソロルを踊ったセルゲイ・ポルーニンは、ウクライナ出身。彼もまたカンパニーが期待を寄せるダンサーです。「ソロイスト」のランクで古典全幕のヒーローにキャストされることは本当に稀有なことですし、それだけ実力を認められているということでしょう。ソロルの踊り自体、超絶技巧がふんだんに盛り込まれているものではないので顎が落ちるほどの場面は有りませんでしたが、跳躍したつま先まで美しい端正な踊りからは、プリンシパルに昇格する日もそう遠くないだろうと。19歳という若さで、基本に忠実なきちんとした古典バレエを踊れるダンサーは、世界的に見ても稀少です。

 崔由姫さんは、公平にいえば、「暫くは、他のダンサーでニキヤを観るなんて考えられない!」という「一期一会」的なニキヤ、では僕にはなかったです。着実にカンパニー内のランクを上がっているし、古典からモダン・コンテンポラリーまで幅広い演目に出演しているので、存在自体にはのび盛りの勢いは感じるんですが、演技面を如何に深めていくかというのがこれからの課題かなと。較べることは無意味ですが、前回の上演時に見たヤナウスキーhttp://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-563.html)と較べると、舞台にいたのは崔由姫さんで、神に身を捧げたダンサーから、ソロルへの愛に目覚めるニキヤという印象は強くありませんでした。
 踊りは、素晴らしかったです。素晴らしいダンサーが常にそうであるように、跳躍や回転などの魅せる大技だけでなく、何気なく見える首の傾げ方、指先の柔らかい動きまで美しくコントロールされていて、古典バレエの主役ダンサーとしてのこれからに期待が膨らみました。踊りと演技がごく自然にオーヴァーラップすれば、ロイヤル・バレエを代表するダンサーになる日も遠くないと確信します。
 他に目を惹いたのは、ニキヤに恋心を燃やす大僧正を演じたエリック・アンダーウッド。普通なら、ダンサーの刺青は僕にとっては「ご法度」ですが、彼のへそ周りのタトゥー(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-945.html)は、大僧正役には合っていました。

 ロイヤル・バレエにしては珍しい、フレッシュなキャストによる古典バレエの夜。こんな舞台を観るのもたまにはいいな、と思える楽しい舞台でした。


(「眠れる森の美女」のフロリナ姫。写真はwww.ballet.co.ukから無断拝借)


[追記:2月1日]
 この舞台のレヴュー。上演予定も後半になって特に取り上げられることから察するに、イギリスのダンス・クリティックからも熱い注目を集めていたようです。

http://www.guardian.co.uk/stage/2009/jan/30/bayadere

写真のキャプションは間違いです。写っているのはガムザッティを踊った小林ひかるさん。

http://www.thisislondon.co.uk/theatre/show-23374791-details/The+Royal+Ballet%3A+La+Bayadere/showReview.do?reviewId=23631125

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Why can we not save them?

2009.01.16


As I ran I saw three of my children. All dead
http://www.guardian.co.uk/world/2009/jan/06/gaza-israel

Save Children! Do NOT kill Children!

Stop the war.

ロンドンの美術館の賑わい2:ビザンティン展他

2009.01.15
昨年書いたこれ(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-937.html)で紹介した、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツでの「Byzantium 330-1453」を2回観てきました。

Angels and demons: Scattered icons of 1,000-year empire on show at Royal Academy
http://www.guardian.co.uk/culture/2008/oct/20/byzantium-exhibition-royal-academy-sinai

 ビザンティン美術・芸術については、何も知らないまま、でも、展示の規模に惹かれてみてきました。最初の部屋に入ってすぐ左に展示されている巨大なモザイク壁の美しさ、精巧さ、高度に洗練されたデザインに圧倒されて以降、全ての展示を見終わるまでずっと考えていたのは、「人間の歴史って短いだろうけど、凄いことを成し遂げた時代があったんだな」、と。



 宗教画という点を無視しても、何かしら西と東の共通点が見られる絵画群。ある、苦悩に歪む男性の表情には、運慶・快慶の仏像の表情が重なりました。また、ある「聖母(だと思います)」の絵に描かれている指の開き具合は、弥勒菩薩のそれとの共通点を見る感じでした。書籍やコインの展示も、大変充実したものでした。
 各部屋の入り口には、展示物の歴史の概要が説明されています。とても判りやすいもので、ビザンツ帝国の歴史や文化、そして政治のことを知らなくても、展示物の理解にはおおいに役立つものでした。また、アカデミーの威信をかけたようで、展実物は、お膝元の大英図書館、大英博物館、ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館から、キエフ、アテネ、ベオグラード、パリ、ヴェネツィア、そしてエジプトから。
 特に、エジプトシナイ半島にある聖キャサリン修道院の収蔵物は、殆どラスト・ミニットで貸し出しの合意が出来たらしいそうです。修道院からのテンペラ画は、最後の部屋にまとめて展示されていますが、このテンペラ画群が醸し出す雰囲気には、なんと表現していいのかとてつもない「力」を感じました。ほの暗い照明の影響もあるとは思うのですが、何百年も前に描かれたものにもかかわらず、描かれている人物の表情が、まるで写真のような鮮やかさ。


(修道院からの一点)

 このエジプトからの絵画群について、今週のガーディアンで興味深い記事を見つけました。各方面から集めた展示の中に、肝心のトルコからの展示が殆どないことは12月に行ったときに気づいていました。その理由が、以下の記事です。

Nothing from Byzantium in the RA's big show - they can't afford the hotel bills
http://www.guardian.co.uk/science/2009/jan/14/arts-diary-byzantium

The Byzantium exhibition at London's Royal Academy of Arts - an ambitious survey of the thousand-year-long Byzantine Empire - is brimming with gleaming objects from Belgrade and Baltimore; from Moscow and Milan; from Sofia and St Petersburg. But, oddly, there are no artefacts from, well, the city of Byzantium itself - modern-day Istanbul. A recent piece in an English language newspaper in Istanbul has lamented this state of affairs, attributing it to the fact that the Turkish authorities required a museum official not only to accompany objects on their journey to London (which is normal practice), but also that that person should be put up in London, at the expense of the RA, for the five-month duration of the show (which is not).

Robin Cormack, co-curator of the exhibition, confirms this. "There are three countries who request that you have a commissar accommodated throughout an exhibition: China, Turkey and Egypt. We had to choose between Egypt and Turkey, and it was a financial choice - the RA couldn't afford both.

"It was agonising, but in the end we chose Egypt because of the objects from Mount Sinai [an array of icons from St Catherine's Monastery]," said Cormack. "We'd agreed to borrow 10 very good objects from Turkey, nine of them from the Istanbul Archeological Museum, where they are on public view. Whereas visitors, even if they go to St Catherine's, may not necessarily have access to the icons we are showing." He adds - of a show heavily supported by Greek money - "There is no ideological reason for the absence of Turkey."


 展覧会の期間中、貸し出す施設の担当者をロンドンに滞在させる条件を出したのはトルコエジプト。この両方を受け入れることは予算上できなかったので、一つを選ぶしかなかった。修道院からのテンペラ画は、修道院にいけたとしても見ることが叶わない可能性があるから、エジプトを選んだそうです。


(今回の展示の売りの一つで、キエフから)


ヴェネツィアから。実物はとても派手でキッチュ)


(確かソフィアから)


ナショナル・ギャラリーに、同様のモチーフの絵があるはず。これは、パリから)

 ロイヤル・アカデミーは、昨年の「From Russiahttp://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-715.html)」の入場者数が40万人を超えたそうで、波に乗っている印象があります。今月末からは、イタリアの建築家で、イギリスの建築史にも多大な影響を及ぼしたAndrea Palladioの展示が始まります。

Andrea Palladio: His Life and Legacy
http://www.guardian.co.uk/artanddesign/gallery/2009/jan/05/andrea-palladio-life-legacy?picture=341343092


 12月、やっと見に行ってきたのは、バーン・ジョーンズの「アヴァロンで眠るアーサー王http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-760.html)」。ラファエル前派は技術的な面では好みではありませんが、取り上げる題材には強く惹かれます。日本での展示を終えて戻ってきたロセッティミレーの絵を誰にも邪魔されなくまじまじと見たあとに、このアーサー王をじっくり見ると、「イギリスとは一体どのような文化なのか?」、ということを考えるいい機会になりました。
 先月、2009年にテイト・ブリテンで開催される興味深い展示についての報道がありました。

Tate to re-stage William Blake's 'flop' of an exhibition
http://www.telegraph.co.uk/culture/art/3812170/Tate-to-re-stage-William-Blakes-flop-of-an-exhibition.html


(展示予定の一つ、Jacob's ladder

 1809年、ウィリアム・ブレイクが個展で発表した16作品のうち、現存する11点を展示するというものです。展示されてから200年の節目の展示になるようです。イギリス絵画を大学で勉強したつもりですが、ブレイクだけは彼の画業について何も知りません。彼が描く人物の表情の幾つかは、往年のプログレッシヴ・ロックの巨人、キング・クリムゾンのデビュー作のジャケットを想起するので好きですが、宗教色が強く感じられることから、なんとなく敬遠してしまっていました。


キング・クリムゾンのデビュー作、「クリムゾン・キングの宮殿にて」)

 ブレイクは、折に触れメディアでよく取り上げられるので、イギリス美術、また社会への影響は計り知れないものがあるのだろうと思います。4月下旬から10月はじめまでと展示期間も長いので、いい機会だし見に行ってみようかと思っています。

 最後に、詳細を見つけられなかったのですが、サウス・ケンジントンにあるヴィクトリア・アンド・アルバート美術館は大規模な改修工事が終わり、展示スペイスが増えるそうです。それに伴い、これまで一般展示されていなかったV&Aの所蔵品の多くが公開されるそうです。確か、2009年の春くらいからだった筈です。

EUの結束は脆かった

2009.01.14
BBCをはじめ、イギリスのメディアがこぞって取り上げたのは、ブリュッセルEU本部ビル(?)に飾られた、「芸術」作品。

Czech EU art stokes controversy
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/europe/7827738.stm
David Cerny's EU artwork might be a hoax, but it is still art
http://www.guardian.co.uk/artanddesign/2009/jan/14/david-cerny-eu-hoax

 状況を完全に理解しているわけではないけど、これからの半年間、EUの議長国になるチェコ共和国の初日にあわせて作られたような印象がある。チェコ側は、「結束」と、これは僕の推測だけど、どうやらEU圏内におけるあらゆる意味での「多様性」をあらわすために、各国のアーティストによる競作になると思っていたらしい。ところが、結果的にチェコのアート村の「アンファン・テリブル」らしいDavid Cernyがほぼ全てを仕切ったようだ。



 テレグラフの記事で読んだけど、各国の特徴を表している「シンボル」は、全くの「ステレオタイプ」。ステレオタイプで通すなら、もっと大胆に「洗練」と「毒」を入れるべきだったのではないかと思う。小手先でいじった印象が強い。

 僕ですら「安っぽさ」を感じるくらいだから、各国はかなり過敏に反応しているようだ。特にブルガリア。日本では、「薔薇とヨーグルト」の国として自国をアピールしているブルガリアにとって、EUの本丸で「お手洗い」で表現されては黙っていられないだろう。

Map of Europe sculpture in Brussels is revealed to be a fake
http://www.telegraph.co.uk/news/picturegalleries/howaboutthat/4239911/Map-of-Europe-sculpture-in-Brussels-is-revealed-to-be-a-fake.html


ブルガリアテレグラフによると、
Bulgaria is particularly outraged at its depiction as a 'Turkish' squat toilet. "I cannot accept to see a toilet on the map of my country," Betina Joteva, first secretary for the Bulgarian office to the EU complained


オランダ。これは、オランダ国内の状況を知るすべのない国の人にはぴんと来ないだろう。要するに、移民が流入していると。今月1日に就任したロッテルダムの新しい市長は、モロッコ移民の家系の出身。オランダ初めてのことだそう。

Holland's first immigrant mayor is hailed as 'Obama on the Maas'
http://www.guardian.co.uk/world/2009/jan/11/netherlands-rotterdam-race-ahmed-aboutaleb


ポーランド。強烈な「ホモ・フォビック」カントリーとして名を馳せている。


フランス。確かに「ストライキ」はフランスのお国芸だけど、ひねりなんてこれっぽちもない。これに金を払うEUもやっぱり「お役人」なんだなと思う。

 他に、スウェーデンは「(恐らく)IKEA」、ルーマニアドラキュラで、デンマークは「レゴ」。「こんなのに、いくら払ったんだよ?」、と。
 EUに対しての反抗心を隠そうともしないイギリスが仮にずっとこのまま空白なら、それは唯一、「sense of humour」を発揮していると感じる。



EU artwork shines new light on member countries
http://www.guardian.co.uk/politics/blog/2009/jan/13/eu-artwork#

1. UK (empty space)、2. Netherlands、3. Finland、4. France、5. Sweden、6. Germany、7. Belgium、8. Czech Republic、9. Poland、10. Luxembourg、11. Slovenia、12. Bulgaria、13. Latvia、14. Italy、15. Romania、16. Slovakia、17. Estonia、18. Portugal、19. Lithuania、20. Denmark、21. Ireland、22. Hungary、23. Greece、24. Spain、25. Austria、26. Cyprus、27. Malta

アイドルの定義ってなんだろう?:GirlsAloud

2009.01.12
ここ数日、ガールズ・アラウドの露出がやけに多い。どうやら、サッカー選手の奥方でもあるシェリルなんとかさんの人気が高まっているから、というのも一因らしい。歌、一曲も知らないけど、しぶとく生き残っているのにはそれなりの理由があるのだろう。


2002年、オーディション番組で選ばれたとき。選ばれた基準が、全く見えてこない。もしかして、歌が上手いのか?


で、2009年。7年の歳月は決して短くないから、それなりの変化はあるだろうけど、違いはあきらか。アイドルが整形するのって、今では悪いことではないんだな。

http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/gallery/2009/jan/12/girls-aloud-fashion-pictures?picture=341570165
http://www.guardian.co.uk/music/2009/jan/12/girls-aloud-interview

日本経済新聞2009年1月10日夕刊

2009.01.10


著作権は、日本経済新聞社にあります。

冬のエジンバラ紀行6:エジンバラに王蟲(オーム)を見た!

2009.01.09


あの白い物体は、なんだ?


 
 王蟲だ!!巨大な純白の王蟲が、スコティッシュ・パーラメントに迫っている!!!



 すみません、つまらないですね。これはOUR DYNAMIC EARTHhttp://www.dynamicearth.co.uk/)という、ホリールードハウス宮殿の向かい側、パーラメントの隣にあるものです。
 これと、隣に有るウルトラ・モダン(言い換えれば、コンセプトがまるで判らない)なスコティッシュ・パーラメントhttp://www.scottish.parliament.uk/)の外観は、周囲からは浮いていました。

 これが、パーラメントの正面。



 一般見学では入れるのは、議場だけ。



 ガイドブック等で頻繁に紹介されている、以下の部分は建物の裏側にあり、一般見学では見にいけない。じかに見たいのであれば、ツアー(要予約)に参加しなければならないらしいです(写真はネットから)。





 まるですのこのよう。奇を衒っただけとしか思えないです。ちなみに、入場者へのセキュリティチェックは、空港並に厳しいです。

冬のエジンバラ紀行5:カールトン・ヒル

2009.01.08

ダグラス何とかさんのメモリアルからエジンバラ城方向への眺め)

エジンバラは、オールド・タウンニュー・タウンを歩き回り、その美しい、少なくとも興味深い街並みを見るだけでも十分に楽しめるはずです。が、エジンバラの地理的に面白い点は、街の中心地域に小高い丘が三つもあること:エジンバラ城、ホリールード・パーク、そしてカールトン・ヒルCalton Hill)。


カールトン・ヒルエジンバラの駅の右上の緑の部分)

 街中の高台の地域に連なる小高い場所、というのはよくあると思いますが、エジンバラの場合、3箇所ともお互い何の関係もなく丘になっているという感じがします。特にカールトン・ヒルは、北側を降りればすぐに住宅地になっているので、普段の生活のすぐ隣にこんな丘が有るのって、どんな感じだろうと思いました。

 カールトン・ヒルに登った日は、エジンバラ滞在中で一番の好天の日でした。この日は、ホテルのそばからプリンセス・ストリートまでバスを利用。そのあとロイヤル・マイルに出てまずはエジンバラ城の入り口まで。そこに至るまでに既に息がきれるほどエジンバラは起伏に富んでいます。
 踵を返して、ホリールード宮殿に向けてロイヤル・マイルを下っていきます。スコティッシュ・パーラメントクィーンズ・ギャラリーホリールードハウス宮殿を見学したあと、天気が素晴らしかったので本当はホリールード・パークに挑みたかったのですが、Valvona & Crollaでのランチがあったので(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-972.html)、カールトン・ヒルに変更しました。と言うのも、Valvona & Crollaカールトン・ヒルの北側を降りてすぐの所にあるからです。
 
 ホリールードハウス宮殿のショップの係員に、「ここからカールトン・ヒルまではどれくらいかかるかな?」、と尋ねるとすかさず、「10分もかからないよ」。確かに、地図で見ると小指の先ほどの距離しかないですが、ゆうに20分はかかりました。

 頂上につくとこんな風景が。



 普通の太陽の光ではなんてことないネルソン記念碑も、逆光になると、



なんだか、ギリシア神話の世界に見えて、はきませんね。戯言はさておき、眺望は素晴らしかったです。南を振り返れば、目前にホリールード・パークの岩が立ちはだかり、その麓には宮殿とウルトラ・モダンなパーラメントが並び立っている。西にはエジンバラの中心市街地が広がる。

 そして北に向けば、住宅地、その先には海峡と対岸が見える。このちょっとした「非日常感」が、人々を惹きつけるエジンバラの魅力なんだろうな、と。






 
 この3枚、今回撮影した中では、一番いい出来だと思っています。

冬のエジンバラ紀行4:ホリールード・パーク

2009.01.07

(これはネットで見つけたプロの写真)

エジンバラ
城からロイヤル・マイルをずっと下った突き当たりにあるのがホリールード・パークHolyrood Park)。エジンバラが形成される前からあるわけですから、「どうしてこんな巨大な岩山が市街地にあるんだろう?」という質問は的外れということは判っていても、麓から見上げる岩山(と言っても200メートルちょい)は、なんだかとても大きく見えます。


(晴れた日の正午頃の逆光の写真。頂上に人影が見えます)

 チャニングスhttp://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-971.html)のスコット君に最高地点のArthur's Seat間でどれくらいかかるか尋ねました。「そうだな、ホリールードハウス宮殿からだと15分くらいかな」。これはですね、スコットランド人にとっての15分は、一般人にはその倍以上の時間を意味します。



 アーサーズ・シートに登りたいのであれば、宮殿からだと下界を大回りしてDuddingston Lochからのルートが運動不足の僕にとっては最適だったようですが、そうとは知らずに宮殿のそばから始まる急勾配のルートを選びました。



 もう、これが僕にとっては心臓破りで、10歩ほど歩いては1分間の休憩を必要とするありさま。同じ道を使ってマラソン競技が行われているそうですが、信じられません。


(途中、ホリールードハウス宮殿を望む)

 30分くらいかかって、何とかアーサーズ・シートの麓までたどり着いたのですが、登れたとしても降りられないかもしれないと慄くほど急で、獣道並に細い登山ルートは僕が歯向かえるものではありませんでした。
 その後にアフタヌーン・ティーの予約もあったので、Volunteer's Walkを通って宮殿へ。


(なんか、四半世紀前のサントリー・オールドの、スコットランドを舞台にしたあるCMを思い出しました)


Volunteer's Walkから市街地を望む)

 ヴォランティア-ズ・ウォークには犬を連れた人が思い思いに歩き回っていました。この丘と丘に挟まれた荒地帯がまたかなり広くて、犬たちは大喜びで走り回っていました。
 
 次回、もし初夏の候にいけたら、そのときはアーサーズ・シートを踏破したいものです。

冬のエジンバラ紀行3:エジンバラは美味しい

2009.01.05
エジンバラへの途上、列車内で読んだガイド・ブックには美味そうなレストランがたくさん挙げられていました。こうなったら、入場料を払う観光施設は極力避けて、その浮いた分を食事にまわそうと。甲乙つけがたく、ほぼ時系列で。

 クリスマス・イヴの夕食とクリスマス・ディのランチはチャニングス・ホテルのレストランで。ローカルの皆さんからも利用されているだけあって、クォリティは結構良かったです。僕にとっては、クリスマス・ランチの中の一品、「Sea Bass(ハタ?)のグリル」。僕は、日本に帰ればいくらでも食べられるということで、海外で和食を積極的に食べたいと思うことはまずないし、また食事で日本を思い出すということも殆どないです。が、これは魚の鮮度と絶妙の炙り具合の双方の理由で、一切れを口にした途端、「白いご飯と醤油で食べたい」。これは、僕の中では最高の誉め言葉の一つです。

 ガイド・ブックによれば、「Arguably, the finest Italian deli in Britain」らしい、Valvona & Crollahttp://www.valvonacrolla.co.uk/)。ガイド・ブックの書くことなんて話半分だろうと思っていましたが、スコットに尋ねる否や、「行くべきだ」とのこと。彼に無理して予約してもらって、中のカフェでランチを。
 エジンバラの丘陵地帯を4時間近く歩き回ってからのランチだったので、何があるかとても楽しみでした。まずは、スープでもと思い「本日のスープ」を尋ねると、「カボチャ」。今ではイギリスでもいろいろな野菜が売られるようになりましたが、それでも普通のスーパーでなかなかお目にかかれないのが、日本ではよく見られるカボチャ。で、こちら(http://fumiemve.exblog.jp/7621263http://fumiemve.exblog.jp/7400236)のサイトで、イタリアではカボチャはよく食されると読んでいたので迷わず。目の前に置かれた深皿にたっぷりとよそわれたスープの黄色は、まごうことなくカボチャの黄色。美味かったし、おなかもほかほか。
 パスタもピザも、ロンドンのイタリアン・レストランでは遭遇したこともないようなものばかり。とりわけ、野菜が美味しくて。4時間かけて消費したエネルギーは既に充分補給していましたが、ジェラートも。この値段なら1スクープだろうと高を括っていたら、なんと3スクープ。食べましたとも。
 イタリア人コミュニティがあるのかどうかは判りませんが、結構質の高いイタリアン・レストランがしのぎを削っているようでした。スコットお勧めのもう一つは、ここ(http://www.lapiazzauk.com/index1.html)。内装はしょぼかったですが、「メニューにないものでも作ってあげるよ」という気さくさが心地よかったです。

 バルモラル・ホテルを諦めてまで行ったハワードのアフタヌーン・ティー(http://www.townhousecompany.com/the_howard/dining/afternoontea.aspx)。予約してもらっておいて正解でした。満席(と言っても6テーブルだけ)でした。テイブルとテイブルの間がたっぷり取られていて他のテイブルの話し声なんて気になりませんでした。場所は、上質なタウン・ハウスのリヴィング・ルームという雰囲気で、友達や家族と午後のひと時を過ごすにはいい感じのセッティングだと思います。で、内容は、

A selection of finger sandwiches on country white and granary bread including:
Smoked Salmon and Cucumber
Honey Roast Ham
Free range egg
Brie, Rocket and tomato

Homemade scones served with fresh cream and preserves
Mini mulled wine jellies
Homemade mini mince pies
White chocolate and orange truffles, vanilla fudge
Spiced fruit palmiers with vanilla Chantilly
The Howard carrot cake
Chocolate and chestnut choux buns
Served with a selection of Artisan loose leaf teas or freshly ground coffee


 今回お世話になった友人を招待したのでシャンペンつきのを。Mini mulled wine jelliesが準備できなかったそうなので、替りにwarming mulled wine が出されていい気分に。甘党の僕にはケイキは満足の行くものではありませんでしたが、ま、こういうのもありなのかな、と。反対に、サンドウィッチとスコーンはとても美味しく、生クリームに至っては、絶品。サンドウィッチのお替りをお願いしたらすぐに持ってきてくれるところには、スコットランドのホスピタリティの高さを改めて感じました。
 紅茶のはいつものようにラプサン・スーチョンラプサンをお好きでない方が多いのは知っていますが、いいものは本当に豊かな味わいなんです。香りは確かにウーロン茶のように感じられるかもしれないですが、上質のラプサンは口に含むとほのかな甘さが広がります。ハワードのはそんなラプサンでした。

 スコットに、エジンバラ中心地でお勧めはと尋ねたところ、即座にかえってきたのが、Grain Storehttp://www.grainstore-restaurant.co.uk/about/)。レストランが入っているビルの前にたどり着いたとき、「さすがのスコットも外したか」と思ったのは、なんとも心もとなげな看板。入り口に至る階段は、まるで工事現場にあるような緑の鉄板製。ドアにはレストランの名前さえなく、不安に駆られながら開いたドアの向うには。
 正直、サーヴィスはとってもアマチュアでした(礼を失するというものではありません)が、料理は美味しかったです。ランチもやっているそうなので、昼間行った方が見つけやすいと思います。

 参考になれば幸いです。

冬のエジンバラ紀行2:チャニングス・ホテル

2009.01.05


今回、エジンバラで泊まったのは、街の中心部からはやや離れた場所にある、Channingshttp://www.townhousecompany.com/channings/http://www.townhousecompany.com/index.html)というホテルです。Dean Villageと呼ばれる閑静な住宅街の端に位置し、5軒のタウン・ハウスを改築したタウン・ホテルで、スコットランド人が提供するホスピタリティの高さをじっくり味わうことができました。

 スコットランド人の友人が教えてくれ、且つかなり便宜を図ってくれたのとホテル側の事情もあって、チャニングスの売りの一つである、北極探検家だったアーネスト・シャックルトンErnest Shackleton)にちなんだ部屋に泊まりました。ホテルの3階にある全ての部屋は、シャックルトンの業績にちなんだ名前が付けられていて他の部屋に比べてかなり現代的です。僕自身は浸かり甲斐のあるバスタブに感動しました。


Room Enduranceのお風呂)


Room Enduranceのバス・ルームの一角)


Room Questのベッド、部屋の色は異なる)


Room Questのシャワー・コーナー、勿論バスタブは黄色

 他の階にある部屋は、概ねイギリスの同規模のホテルで見られるような家で寛いでいるような雰囲気のもので、居心地良かったです。長期滞在のゲストに人気が高いのは、ジャグジーがついていて、且つ中庭への出入りが自由な部屋とのことですが、冬場は庭に見るべきものはないです。


スタンダード・ルーム

 外観は至って普通の住宅ですが、ホテルがウェブで自慢している通り、至れり尽せり、でもお仕着せでないサーヴィスがとても気持ちいいものでした。一つ惜しかったのは、ラウンジの暖炉の火がガスだったこと。薪がよかったな、と。
 それを除けば、ラウンジでプレゼンテイション用の資料を読んでいると絶妙のタイミングで、「紅茶(勿論有料)で休まれては如何ですか?」とか、昼の長い散歩から戻って部屋で昼寝してからまた外出して戻ってみると、使ったティー・ポットやベッドが整えてあったりなど、小規模なホテル(41部屋)だからこその木目細やかさ。更に、ホテル全体でWi-Fi、及びブロードバンド接続は無料など現代の顧客のニーズにもこたえているところなど、時折耳にする、ロンドンの高いくせに何もないホテルから較べればゲストがホテルに何を求めてくるであろうか、ということを真摯に考えているように感じました。
 もう一つ感心したのは、住宅街にあるからということだと思うのですが、近隣の住民からも何かにつけ利用されている点。クリスマス・ディには、ホテルのメイン・レストランにはランチ・ディナー合計で140もの予約があったそうです。観光客だけでなく、様々な人たちのニーズを上手くホテル内で融け合わせている、そんな印象も持ちました。


(ホテルの正面のプライヴェイト・ガーデンから。ホテルには見えない)

 でも、このホテルの最大に魅力は、そこで働く人。レセプションのお姉さん、レストランのメートルの女性、バーを仕切る男性他働く全ての人が、「お客さんが望むことをかなえて挙げられるだろうか?出来ないなら、替りとなることはあるだろうか?」という姿勢。
 少数精鋭の従業員の中で、とりわけゲストからも同僚からも厚い信頼を受けていたのが、コンシェルジュのスコット君。エジンバラで生まれ育った彼の英語は、耳に柔らかく響くスコッティッシュ・イングリッシュ。本当に、エジンバラのことなら何でも知っているのでは、というくらい重宝な存在。レセプションの女性ですら、「私は知らないけど、スコットなら知っているはずよ」、と何度も。外食に関しては彼に全て手配してもらい、外れなしの快挙。加えて、普段は予約を受けないイタリアン・デリではスコット君が手配しくれたおかげで美味しく暖かい食事を待つことなく。みなさん、もしチャニングスに泊まることがあれば、彼を使い倒してあげてください。

 で、そのスコットに、「バルモラル・ホテルでアフタヌーン・ティーを予約してある」と伝えるや否や、「エジンバラで一番のアフタヌーン・ティーはハワード・ホテルhttp://www.townhousecompany.com/the_howard/)だ。それを体験して欲しいな」、と言われたので、系列のハワードに行きました。ここは、18室と更に小規模なホテルで、売りは「専任のバトラー(執事)が、お客の面倒を見る」というもの。
 てぐすね引いて待っていたバトラーに、「日本人にはバトラーを使うことって、難しいかも」というと、「いや、そんなことないよ。ここにくる日本人のゲストは全然気後れしていないよ。バトラーだからって構えることなんてないんだよ。僕らに何でも頼んでくれればいいんだから」、とその超フレンドリーなバトラーは言っていました。アフタヌーン・ティーについては別項で。

 チャニングスに話を戻すと。エジンバラの中心からは徒歩で15分ほどの住宅街にあるので、観光には不向きと思われるかもしれないですが、Dean Villageを流れるWater of Leith沿いの緑溢れる町並みは、エジンバラという街の別の側面を感じることができると思います。機会があれば、お試しください。


スコットですら何故いるのか判らないカエル)

冬のエジンバラ紀行1:美しきエジンバラ

2009.01.05
今回、友人経由でとてもありがたい機会があって、クリスマスをスコットランドの首都、エジンバラで過ごすことができました。エジンバラに行くのは、1994年に観光客として訪れて以来だったので、はじめていくような気分で楽しみでしたが、街の美しさには魅了されました。イギリス人が行きたいイギリス国内の都市第2位というのも納得です。

Telegraph Travel Awards 2008
http://www.telegraph.co.uk/travel/3520300/Telegraph-Travel-Awards-2008.html
http://www.telegraph.co.uk/travel/3520170/Telegraph-Travel-Awards-2008-the-winners.html

 ヨークhttp://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-958.html)のとき同様、今回もロンドンのキングス・クロス駅からGreat North Eastern Railway (GNER)で。宿泊先をかなり早くおさえる事が出来たので、結果としてロンドン・エジンバラの片道往復(ファースト・クラス)を保険(これは、予約した列車が何らかの理由で運休になったときのための保険)込みで£110-というのは非常にお得だと思います。勿論、普通席も片道往復でもっと安価ですが、4時間半の列車の旅ですし。
 GNERは、イギリスの会社ですから上質のサーヴィスは望みませんでしたが、均質のサーヴィスはして欲しかったです。行きはヨークの次の停車駅、ドンカスターから発車してすぐに、「これから10分間、点検の為に食堂車を閉めます」とのアナウンスがあってからエジンバラに到着するまでの約2時間、紅茶とコーヒーのサーヴィスがなくなりました。ロンドンに戻る時は、ほぼ30分ごとにきびきびと働く女性職員が、「紅茶のコーヒーのお代りは如何ですか?ビスケットは召し上がりますか?」、と。それと僕には無縁のサーヴィスですが、GNERの長距離列車は、車内でのWiーFi接続は無料です。

 クリスマス・イヴから5日間の滞在中、雨に降られることもなく、予想していたよりも寒くもなく(それでも、半袖シャツで警邏中の警察官を見たときはふるえました)、クリスマスの飾りでいっそう華やかな、それでいて静かな佇まいを感じさせるエジンバラの街を歩くことはとても楽しかったです。すすけた歴史的な建物(代表はエジンバラ城)もたくさんありますが、晴れと曇りとでは、街並みが見せる表情が一変し、一度歩き回っただけでは、街の歴史を完全に感じることは出来ないのでは、と感じました。


The Domeというバーのデコレイション。小さい写真はクリックで拡大します)


プリンセス・ストリートへ)


エジンバラ城)




(誰かの像。撮影時間はどちらも午前11時頃。曇りと晴れではこんなに違います)

 また、ロンドンがおかしいと実感したのは、街が「汚れていない」こと。例えば、ロンドンでは、目の前、数歩歩けばごみ箱があるにもかかわらず、ごみを道に巻き散らかす輩で溢れ、繁華街ではひっきりなしに清掃車が行き交う。エジンバラでは、例えば最も人通りの多いプリンセス・ストリートですら路上にごみを捨てる人を見かけませんでした。みなさん、きちんとごみ箱まで歩いてごみを捨てる。これが本来のイギリスだったんだろうな、と。
 さらに、街だけでなく、ヨークと同じく人が皆優しい。タクシーの運転手、バスのドライヴァー、ホリールード宮殿のチケット売り場のお姉さん、ナショナル・ギャラリーの案内の男性、レストランで働く皆さん全てが、話し好きな上に気遣いで。ロンドンを離れるつもりはないですが、ロンドンを基準にイギリスを判断するのは早計であると。

 個別情報は別項で。街を歩いていて意外だったのが、エジンバラのタクシーはロンドンのそれと全く同じ。驚いたことに、クリスマス・デイすら走っているタクシーが。ドライヴァーの皆さんは働かざるを得ないと言っていたので、今の経済状況を否が応でも思いました。が、利用者としては便利でした。また、ロイヤル・マイルでも25日に営業しているカシミア専門店が何店も。一様に、「閉じてなんていられないわ」、とのこと。ユーロ高を反映してか、どの店もフランス語、ドイツ語、スペイン語等が飛び交い、皆さん良質のカシミアを大量に買い込んでいました。ある店で話し込んだ女性店員は、ニュー・ジーランドの方。彼女曰く、「私はロンドンでは暮らせないけど、スコットランドなら暮らせるわ」、とのこと。やっぱり、羊がいるからでしょうね。


ロイヤル・マイルのある店先)

 クリスマス前の週末にたまたま購入したファイナンシャル・タイムズには、「エジンバラは、文化面でもグラスゴゥには引けを取らない」、という特集記事があり、美術館・ギャラリーめぐりもしたかったのですが、時間の都合でいけたのはNational Galleries of Scotlandhttp://www.nationalgalleries.org/)ともうひとつだけ。ただ、ロンドンでの展示を終えたティツィアンの「ディアナとアクテオン」が戻ってきていて、今話題の二枚の絵(http://dognorah.exblog.jp/10251701/)をナショナル・ギャラリーで同時に見ることができたのは幸運でした。

 観光した中で一つだけ外れだなと感じたのは、1997年までイギリス王室のものだったヨット、ブリタニア号の展示(http://www.royalyachtbritannia.co.uk/)。


ブリタニア号内部のリヴィング・ルーム)

王室好きの僕ですら、何とはなしに寂寞としたものしか感じられませんでした。

The Thief of Baghdad:21世紀の盗賊物語

2009.01.04
この冬、ロイヤル・オペラ・ハウスの地下にあるリンベリー・スタジオ・シアターで上演されたのは、ロイヤル・バレエプリンシパル・キャラクター・ダンサーでもあるウィリアム・タケットhttp://www.roh.org.uk/discover/artistdetail.aspx?id=357)の新作、「The Thief of Baghdad」。



 タケットの作品は、かなりの数を観ていますが(他の演目は、時間があるようでしたらチャコットをご覧ください)、

ピノッキオ 
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-424.html
兵士の物語
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-302.html
プロヴァーブ
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-234.html

振付家としては、彼の成功作・評判作はリンベリーで上演されたものが多いと感じます。もうすぐロイヤル・バレエで再演される「七つの大罪」は、僕は傑作とは言わないです。

 今回の新作のターゲットは明らかに「家族」。計画が練られていた頃はまさかこのような経済・社会状況になるだろうとはタケットも考えていなかっと思いますが、結果としてわくわく、どきどき、しんみりして温まる、そして家族と暮らせることの幸せを考えさせてくれる、とてもいい舞台でした。


The Thief of Baghdad

Imagination and adventure come to the Linbury Studio Theatre this Christmas with a brand new version of a timeless classic: The Thief of Baghdad.

Following on from the repeated seasonal successes of Pinocchio and Wind in the Willows, ROH2 presents Will Tuckett’s new dance theatre work for children and adults.

Three children caught up in the war raging in a futuristic London take shelter in a theatre, where the Stage Door Keeper befriends them and starts to tell a story. Soon they are in another world – one of fantasy and drama, based on the famous Arabian Nights tales, with the adventures of sultans and genies, princes and princesses. Thanks to development support from JPMorgan, the sounds and sights of the streets and markets in Syria today have inspired elements of Paul Englishby’s music and Tuckett’s choreography, while the set designs conjure magic carpets and caves of treasure out of rubble. From reality to fantasy is only a small step – and Christmas is the best time to take it…


 演出・振り付け:Will Tuckett
 作曲:Paul Englishby
 Designs:Jon Bausor(舞台セットとコスチュームがとても素晴らしかったです)

 主要キャラクター
 Megan(妹)、猿:Valentina Golfieri
 Bee(姉)、プリンセス:Charlotte Broom
 Callum、盗賊:Christopher Marney
 Stage door keeper, Genie(ランプの精):Christopher Colquhoun
 King of the Mountains:Matthew Hart

 戦争で荒廃したある都市。親と離れ離れになった3人の戦争孤児が、崩れかけた劇場逃げ込んでくる。劇場の片隅でランプを見つけたミーガンがそれをこすると、ステイジ・ドア・キーパーが現れ、三人に物語の役になることを促し、時間と次元を超えてバグダッドでの盗賊の物語が始まる。
 物語の最後、プリンセスの政略結婚とKing of the Mountainsの野望は回避できたけど、現実に戻ることを望み、でも現実に戻れば空腹と孤独と戦争への恐怖に苛まれることが判っている3人は、ランプの精に三つ目の、そして最後の望みを伝える。すると、彼らの背後に生き別れになった両親が現れ、3人は歩み去っていく。

 キャラクター設定は、ちょっと間抜けな妹、勝気な姉、Chavの友達とありがちなもの。また、振り付けは期待してはいませんでしたが、かなり冗長な部分がありました。更に、「家族」をターゲットにした割には、物語の中に「自分探し」の要素をそんなに入れては思春期前の子供には理解できないのでは、という印象が残りました。

 でも、こんな不満なんて結局すれた大人の感想。劇場にはたくさんの子供達。中には未就学児もいたと思います。僕の両隣りの子供達も恐らく7、8歳。始まる前は「舞台が見えない」とブーたれていた子供達が、始まれば舞台に釘付け。リンベリーは舞台と客席の距離が近いので、子供にとっては、五感を刺激される舞台だったのではないかと思います。彼らにとって、今、ガザで、そして世界で起きている戦争がどういうものなのか判っているのか、戦争が起きても「ランプの精」が助けてくれることなんてないことをここで言うのは野暮でしょう。偶然にも、エリザベス女王がクリスマス・メッセイジで強調した「家族」の大切さを、この舞台から子供達が感じたのであれば、素晴らしいことだと思います。

 舞台芸術としての精度は、世界に輸出できるほど高かったと思います。音楽、舞台セット(秀逸)、また舞台下のミュージシャンの演奏もこなれたものでした。そんな中で、だんとつの存在を示したのは、マシュー・ハート


(左にいるのが、マシュー・ハート

King of the Mountainsの最初の舞台登場は、舞台後方においてあるピアノの中から。黒いスーツに赤いシャツ、靴も赤といういでたちで、まるでオオトカゲのような動作でピアノから舞台に這いずり降り(身体の支点がどこにあるのか判りませんでした)、プリンセスに這いよっていくさまからは、「一体、今、なにものを見ているんだろう?」、というくらいの衝撃で目が離せませんでした。ダンサーとか人間というより、人間の振りをした爬虫類が踊っている。

 ちょっと体調不良でしたが、最後の親子の再会シーンに目が潤み、帰り際にマシュー・ボーンに話し掛け、「Feel good factor」に溢れたとてもいい夜でした。

英吉利は偉大だった(のかもしれない):デザインとダーウィンの記念切手

2009.01.01
2009年、ロイヤル・メイルが発行する記念切手の主題は、思うに「イギリスを見直す」とでもいう感じがする。

 1月13日に発売されるのは、イギリス発のデザインの数々。

British Design Classics
http://www.norvic-philatelics.co.uk/2009/01a-design_classics.htm



 コンコルドはもう飛ばないし、ルートマスターケン・リヴィングストン氏によって廃止された(ようなもの)し、次は電話の赤い箱か。日本同様、携帯電話の普及で、BTは公衆電話の撤去を進めている、というニュースはこれまでにも何度か読んだ。10数年前、スコットランド西岸のアイラ島の荒地を突っ切る道路脇に忽然と現れたこの赤い箱を見たときは、なんだかホッとしたことを思い出す。
 この「デザイン・クラシック」のファースト・デイ・カヴァーの消印がまた凝っているので、目当ての消印が欲しい方、早めに予約を。

 2月12日は、生誕200年と、「種の起源」の発刊150年を記念して、ダーウィンを主題にした記念切手。

Charles Darwin
http://www.norvic-philatelics.co.uk/2009/02a-charles_darwin_200.htm


 
 特に、ダーウィンの肖像を含むセットはデザインが凝っている、というか凝り過ぎのような気がする。これ、窓口で一枚づつ頼んだら、嫌がられそうだな。

For these stamps design group hat-trick incorporated a radical jigsaw design, featuring a cut out and 'peg' into each stamp, to demonstrate how the various areas of Darwin's studies interconnected with each other.


 
 この4枚組みのものは、もしかすると切り売りはないかもしれないし、渦巻き型の消印が欲しい方は、やはり早めの予約は必須でしょう。

 2009年が多くの人にとって、特別ではないけど良い一年になりますように。

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