LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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2009年02月の記事一覧

本條秀太郎、ロンドンの聴衆を熱狂させる

2009.02.27
とても精力的に活動されているので、ご存知の方もいると思いますが、三味線の本條流を創立した本條秀太郎さん。
http://www.honjoh.co.jp/
(音が出ます)

 2月21日まで、ロンドンのバービカン・シアターで上演されていた「春琴(Shun-kin)」に三味線奏者、春琴の三味線の師匠役、そして作曲家として参加されていました。


(ガーディアンから拝借。右奥が、本條秀太郎さん)

 僕が本條さんの名前と演奏を知ったのは、10年以上(もっとかな)前で、本條さんと細野春臣のコラボレイションがあったとき。祖母が弾いていたので三味線の音が身近にあったこと、またコラボレイションが当時としてはとても斬新だったので、音を聞いて面白く思い、東京にいた頃は何度か生演奏を聞いたことがあります。

 当初、バービカンの予定には入っていなかった本條さんの演奏会(無料)が19日に催されることになり、行ってきました。本條さんの活動が興味深いのは、従来の三味線のイメイジにとらわれない演奏、またオリジナルの楽曲や日本人ですら聞いたことがないであろう素晴らしい日本の唄を紹介しつづけていることです。

 舞台の明かりが灯ると、既に本條さんが正座していて、すぐに演奏が始まりました。恐らく彼のオリジナルの曲だと思いますが、三味線というと、民謡やイケメンが弾く「津軽三味線」しか思い浮かばないような人の期待を良い意味で裏切る面白い曲調でした。
 一曲目が終ると、舞台に「春琴」を演出したサイモン・マクバーニーが満面の笑みを浮かべて表れました。通訳の女性を介して三味線のあれこれを紹介するというもの。三味線が日本にきたのは16世紀、大阪の堺だったという歴史は僕も知りませんでした。ロンドンで日本の文化を学ぶというのは面白いです。 
 マクバーニー自身が本條さんの大ファンであることは彼の嬉しそうな仕種で判ったんですが、質問が長いなと思い始めたところでやっと本條さんの演奏に戻りました。まず端唄を数曲。その後確かシンセサイザーの音が流れる曲(だったかな。記憶が薄れています)。この時点で、既に聴衆の熱気はかなり高くなってきていたようですが、続く2曲で、「無料だから聞いてみるか」という聴衆の心が、がしっと鷲掴みされたように感じました。
 まず、高千穂(だったはず)に伝わる、葬儀のときに歌われる(確か)「精霊さま」という歌が無伴奏で。印象は静かなんですが、本当に不思議な歌でした。続いては、八丈島の「米つき歌」。これは、本條さん自らの手拍子だけ。この時には歌のタイトルは知らなかったのですが、こんな躍動感に満ち、且つプリミティヴな雰囲気に溢れる歌が日本にあったのか、と(ちなみにこの日、ユネスコの発表で八丈島固有の言葉が消滅の危機に瀕しているとの報道がありました)。半分くらいは現地の人たちだった聴衆の皆さんからは、歌が終るやいなや「ウォー」という感じの大歓声が。特にこの2曲は、見に来ていた日本人の若い皆さんにも驚きだったのではないかと思います。
 そのあとは、身のほど知らずも甚だしいほど耳に痛いイギリス人男性による篠笛の伴奏がなければ、「癒しの音楽」としてイギリス人にもすんなり受け入れられるであろう「月の船(オリジナル)」、深津絵里さんの故郷の歌と続きました。最後は、「春琴」で使われた「淡雪」という曲。この曲を演奏し終え、深くお辞儀をしたあと、すっと立ち上がり颯爽と舞台袖に歩み去っていく本條さんに、僕の後ろの席に座っていたイギリス人女性の二人は、「Cooooooool!」、と。会場も、暫くは拍手が鳴りやまず、というかんじでした。会場にいた日本人(特に若い皆さん)と現地の皆さん双方にとって、日本文化の見方が変わった夜だったのではないかとの印象を持ちました。

 思ったのは、日本の文化を海外に紹介するとき、迎合する必要は全くない、ということ。異文化なんだから、判ってもらえないこともあるでしょう。でも、そのときに本来の姿を捻じ曲げてまで紹介する必要などないということを、本條さんの演奏に対する会場の熱い反応を見て強く思いました。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-34.html

 「春琴」のレヴューは、各新聞でみごとに割れました。でも、聞いた所によると、日を追うごとに観客の反応が素晴らしくなっていったそうなので、結果として大成功だったようです。個人的に印象が強かったのは、舞台の中心となった「春琴」を演じた深津絵里。老成した幼い頃の春琴を、人形を操りながら声で演じ、大人になってからは他者のことなど鑑みない自分が欲するまま自由奔放に振舞う幼児のような春琴までを、違和感なく演じていたのには圧倒されました。日本公演は3月5日から東京の世田谷パブリック・シアターでありますが、ほぼ完売らしいです。

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ヴィクトリア王女に7年越しの春

2009.02.25
スゥエーデン国王の長女で、王位継承第一位にいるヴィクトリア王女の婚約が昨日、24日に発表された。

http://www.royalcourt.se/royalcourt/theroyalfamily/latestnews/2009/engagementbetweencrownprincessvictoriaanddanielwestling.5.6b0698e911fa8f90058800052.html
(王室のウェブから)
http://www.hellomagazine.com/royalty/2009/02/25/victoria-ring-daniel/
http://www.hellomagazine.com/photo-galleries.html?imagen=/royalty/2009/02/25/victoria-ring-daniel/imgs/victoria-ring1-a.jpg
Hello!マガジンから)
http://www.47news.jp/CN/200902/CN2009022401001083.html
47Newsから)

 一時、別れたとの報道があったし、イタリアでは「彼女の白馬の王子はどこに?」なんて報道があったとも聞いていたので、彼女の結婚はまだまだかなり先だと思っていたけど、貫いた、と。

 このちゃらく見える婚約者との結婚の最も大きな障害だったのは、勿論、グスタフ国王。婚約発表ということで、ま、表向きは認めたのだろうけど、複雑な心境はまざまざと表情に。


Hello!から拝借)

 口元は笑おうとしている努力が見えるけど、目の険しいこと。娘の婚約発表の公式写真で眉間にしわを寄せたままだなんて。世の父親なんて、こんなものなのかもしれないけど。
 これ(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-565.html)に貼り付けてあるような写真に、これからはカップルで写るヴィクトリアさんの笑顔を見られる日は近い。

崔由姫(ロイヤル・バレエ団)インタヴュー

2009.02.24
*著作権は、社団法人共同通信社に帰属します。引用・転載はしないでください。

崔由姫(ロイヤル・バレエ団)インタヴュー

多くのスターダンサーがしのぎを削る英国のロイヤルバレエ団の中で、現在、バレエファンと批評家の双方から熱い視線を集めている日本人ダンサーがいる。福岡県出身の崔由姫(24歳)だ。2008年秋に始まった今シーズンから、ファースト・ソロイスト(準主役クラス)に昇格した。今年1月には、古典全幕バレエの主役に抜擢され、その舞台の批評では「今一番注目されるべきバレリーナ」と全国紙で絶賛された。
 5歳からバレエを習い始めた崔が「バレリーナになりたい」と思うようになったのは、小学校4年生になってから。以来、中学3年で単身パリに留学し、17歳のときにローザンヌ国際バレエコンクールで研修賞を獲得。1年間の研修期間を経て、2003年に、ロイヤルバレエ団に正式に入団した。
ダンサーの生活は、華やかな舞台とは裏腹に、とても厳しいものだ。「朝は10時半から練習、リハーサルが始まります。舞台があるときは、ロイヤル・オペラ・ハウスを出るのは夜11時を過ぎることもあるんです」。だが崔にとって、そのような生活は苦にならない。「バレエの練習がつらいと思ったことはありません。早くに好きなことが見つかって、今ではそれが仕事になっているんですから、これほど幸せなことはないです」、と嬉しそうに言う。
 昇格したことで、崔が最も心がけているのは、「大きく踊ること」。そして、「主役を踊る私を観にきてくださるお客さんに喜んでいただくための責任感」をしっかり自覚している彼女は、すでに次のステップを見据えている。
 経験をつまなければならないことを認める一方で、崔は彼女ができることを理解している。「たとえば、幕が上がる直前に急に『主役を踊りなさい』といわれたら、私、できます。それは、私が持って生まれた強さなんです」。
 インタヴューの終わりに、「プリンシパル・ダンサー(トップランク)にはなります。タイミングをつかみ、私自身の努力で、なります」、と崔は力強くいった。その日が来るのは、そう遠くないことだろう。

世界の話題:2月24日

2009.02.24


著作権は、日本経済新聞社に帰属します。

エリザベス女王は突き進む

2009.02.14


 今週、エリザベス女王が、といったほうが良いかもしれないですがイギリス王室は、公式ウェブサイトをリニューアルしました。
http://www.royal.gov.uk

Queen relaunches Royal website with Google map tracking her movements
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-1142568/Queen-relaunches-Royal-website-Google-map-tracking-movements.html
New-look website for a very modern monarch
http://www.telegraph.co.uk/news/newstopics/theroyalfamily/4602048/New-look-website-for-a-very-modern-monarch.html

 YouTubeを活用し(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-638.html)、バッキンガム宮殿から歩いていけるほど近いGoogleを訪問(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-935.html)するなど、エリザベス女王のインターネットを使うことへの姿勢はとても80代の女性とは思えないほど。もちろん、女王が先頭に立ってウェブのデザイン変更等に直接関わっているとは思いませんが、プロジェクターの前に立って、レーザーポインターを駆使する国家君主はそうはいないでしょう。惜しむらくは、プロジェクターの左下の「エラー・メッセイジ」。グーグル、これは女王に対して失礼でしょう。

 更に、イギリス王室には、もう一つ、「伝統的」な贈り物がオーストラリアから届くそうです。



Your carriage awaits, ma'am: one man's proud gift to British history(2006年の記事)
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/australiaandthepacific/australia/1521539/Your-carriage-awaits-maam-one-mans-proud-gift-to-British-history.html
Gold inlaid carriage which may carry Prince William to wedding completed for the Queen
http://www.telegraph.co.uk/news/newstopics/theroyalfamily/4435913/Gold-inlaid-carriage-which-may-carry-Prince-William-to-wedding-completed-for-the-Queen.html

 オーストラリアから、「伝統」の技をふんだんに盛り込んだ、王室専用の馬車が贈られるそうです。本心では、こちらのほうが女王としてはより嬉しいのではないかと。女王夫妻が使うのは当然として、チャールズ夫妻が使える日はくるのかな、と。

 ただ、いいことばかりではありません。合計年齢が169歳になる女王夫妻にとって、イギリスの顔としての外交が大切とは判っていても、欧州以外の国への訪問は体力的にはきつくなっているようです。The Daily Telegraphによると、意図的に公式発表されていなかった、3月末のドバイ訪問が延期されたそうです。理由は、「too much」。

Queen cancels State visit to Dubai
http://www.telegraph.co.uk/news/newstopics/theroyalfamily/4537627/Queen-cancels-State-visit-to-Dubai.html

 不況が「大不況」になりそうなイギリスにとって、アラブ・マネーは唯一の命綱。ドバイを訪問することの意味を女王夫妻は十分に理解していたとは思いますが、戻ってから数日後にはG20サミットでイギリスを訪れるオバマ大統領を含む各国首脳との会見という超過密日程を考慮すれば、延期は必然でしょう。

 ハリーは相変わらず脇が甘くて叩かれてばかりですし、ウィリアムケイトはいつ結婚するとも判らず、カミラ夫人の人気は上がっている一方で、チャールズはまだ煙たがられているような状況では、エリザベス女王夫妻が「老後」を楽しめる日は、まだ先のことのようなきがします。

13歳の父親、ではなく15歳の別の父親だったそうで

2009.02.13


Broken Britain debate as boy, 13, becomes a dad
http://www.thisislondon.co.uk/standard/article-23641456-details/Broken+Britain+debate+as+boy%2C+13%2C+becomes+a+dad/article.do

Robert Mendick and Paul Waugh
13.02.09

A schoolboy who fathered a baby at 13 sparked a political debate today over "broken Britain".

Tory leader David Cameron said "children having children" was of huge concern while another senior Conservative described the case as "utterly tragic".

Gordon Brown also weighed into the row. The Prime Minister refused to comment directly on the case but conceded it was important that the Government did all it could to help reduce teenage pregnancies.

Alfie Patten, who is four foot and looks about eight, got his girlfriend, Chantelle Steadman, pregnant after a night of unprotected sex when he was 12 and she was only 14. Their daughter Maisie Roxanne, weighing 7lb 3oz, was born on Monday.

Alfie, who is one of nine children, said today: "I didn't know what it would be like to be a dad. I will be good though, and care for it." Asked how he would cope financially, Alfie replied in a video clip posted on YouTube: "What's financially?"

The boy admitted he was unsure how he could afford the child, revealed he did not know the cost of nappies and said that he never received pocket money.

"My dad sometimes give me £10," he added. Chantelle, who lives in a council house in Eastbourne with her parents and four younger siblings, said: "We know we made a mistake but I wouldn't change it now. We will be good, loving parents."

But the birth of Maisie provoked a debate over Britain's social decline.

Mr Cameron told the Evening Standard: "When I saw these pictures this morning, I just thought how worrying that in Britain today children are having children.

"I hope that somehow these children grow up into responsible parents but the truth is parenthood is just not something they should even be thinking about right now."

Former Tory leader Iain Duncan Smith, who runs the Centre for Social Justice think tank, said: "I don't know about these particular families, but too many dysfunctional families in Britain today have children growing up where anything goes. It's utterly tragic. It exemplifies the point we have been making about broken Britain. It's not being accusative, it's about pointing out the complete collapse in some parts of society."

Eastbourne MP Nigel Waterson said: "This case raises concerns about teaching sexual education rather than relationship education and about the over-sexualisation of society. It seems to be regarded as almost normal for children of this age to be sexually active."

Sussex Police revealed today it had investigated Chantelle and Alfie for underage sex but decided not to prosecute because it was not in the public interest.

A spokeswoman said: "Sussex Police child protection team were aware of a 14-year-old girl that had become pregnant as the result of a relationship with a 12-year-old boy.

"A joint agency investigation with East Sussex County Council children's services has taken place which has considered the needs of both individuals and there will be continued support for these two young people in the future."

Matt Dunkley, director of children's services at the council, said: "Any birth to parents this young is a cause of great concern to us and in these circumstances we will always offer substantial support to the families involved. We have worked closely with both families since the pregnancy came to light."

A family friend today accused Chantelle's parents, Steve and Penny, of allowing Alfie to stay the night in her bedroom for months before she became pregnant.

The pair had been family friends for some years in the nearby town of Hailsham but recently the Steadmans, who live on benefits, moved to Eastbourne.

Friend Sean Thomas, who lives across the street, claimed today other boys were also allowed to stay with Chantelle. He said there was talk of a DNA test to make sure Alfie was Maisie's father.


 こんなことをYouTubeに投稿することじたい、僕には理解できない。かつて日本で叫ばれた、「国民総白痴化」はイギリスにも当てはまる。
 15歳の母親は、「他の若いお母さんを助けたい」そう。あのさ、親の援助で生きている貴方ができることって何?偏見であることは承知の上で、この女の子の表情に、我が子を狂言誘拐して懸賞金を騙し取ろうとしたカレン・マシューズの面影を見る気がする。

 日本にも当てはまることだと思うけど、きちんと「性教育」をするべきだろう。寝た子は起きなければ、何も学べない。生きることヴィデオ・ゲイムじゃない。

 日本社会にとっても、他人事ではないはず。

[追記:5月19日]
 今晩のイヴニング・スタンダード紙によると、DNAテストの結果彼は「父親」ではないことが3月に証明されていたとのこと。

DNA shows Alfie, 13, is not the daddy... but 15-year-old Tyler is
http://www.thisislondon.co.uk/standard/article-23694612-details/DNA+shows+Alfie,+13,+is+not+the+daddy...+but+15-year-old+Tyler+is/article.do

白馬ばかりが何故もてはやされる?

2009.02.11
2008年のいつくらいからだろうか、草原に忽然と巨大な白馬が立っている合成写真を見るようになった。「なんかまた税金の無駄遣いしてる」と思って、全然興味が湧かなかった。そしたら今朝の新聞報道で、その巨大な白馬がケントの北部にあるEbbsfleetの丘に建てられることが決まったというニュース。

Winner at a canter: the giant white horse that will welcome visitors to England
http://www.guardian.co.uk/artanddesign/2009/feb/11/sculpture-mark-wallinger-horse

 Ebbsfleetは現在、ユーロスターの駅が有るところだけど、周囲には眼を惹くものはないらしい。そこに、200万ポンドをかけて巨大な彫刻をということらしい。「大不況」は関係ないようだ。

 逆になってしまったけど、経緯はこちらから。

Ebbsfleet Landmark proposals revealed
http://www.guardian.co.uk/artanddesign/2008/may/07/art.news
Ebbsfleet landmark: picking a winner
http://www.telegraph.co.uk/culture/art/3673190/Ebbsfleet-landmark-picking-a-winner.html

 候補作は、5作あったようだ。

The Ebbsfleet Landmark shortlist
http://www.guardian.co.uk/culture/gallery/2008/may/07/ebbsfleetlandmark?picture=333981526

 個人的に最も好きだったのは、これ。



 ギリシア神話の「ゼフュロス(西風)」を想起させる。でも、イギリスの悪名高いゲイル(西風)が吹いたらひとたまりも無いようなきはする。

 で、栄誉を勝ち取ったのは、完成した暁にはその高さ50メートルとなる「白馬」。



 これはこれで、時には風力発電の風車さえ薙ぎ倒すほど強力な西風に立ち向かえるのか疑問が残る。でも、イギリスには「白馬」の伝統があるから、アピールする何かがあったんだと思う。そして、最大の疑問は:本当に、2010年までに完成するのか?


(イングランドのWiltshireの丘に描かれている、白馬)

[追記:2月13日]
 この白馬、142万ポンドの税金をつぎ込んだ挙句に廃棄が決まったこれの二の舞にならないことをの祈るのみ。

 
B of the Bang £1.4m sculpture binned by council
http://www.telegraph.co.uk/news/newstopics/howaboutthat/4592596/B-of-the-Bang-1.4m-sculpture-binned-by-council.html
 イギリス人もたまには暴動の一つくらい起こしてもいいのでは。それに、計画を承認する前に安全基準を考えられる人間がいないって、先進国としてどうかと思う。

 これは、ガーディアンの悪戯け。


The Ebbsfleet Landmark and other animals
http://www.guardian.co.uk/artanddesign/gallery/2009/feb/11/ebbsfleet-landmark-sculpture?picture=343119028

ドイツ語の美しい響き3:ベン・ヘップナー

2009.02.08
2007年に、えらそうに書いた「ドイツ語の美しい響き」。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-475.html
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-476.html

 別にシリーズにするつもりではなかったのですが、正しいドイツ語による美しい歌を聴ける機会があればとは思っていました。昨年の11月にウィグモア・ホールでディアナ・ダムラウ(Diana Damrau)の素晴らしいリサイタルを観た後に、また、大雪でキャンセルにならなければ、2日にロイヤル・オペラでエリッヒ・コルンゴルト(Erich Korngold)の「死の都(Die tote Stadt)」を観た後にとも思っていました。楽しみにしていたのですが、他の日程が合わなくて、残念ですけど観にいけそうもありません。ちなみに、「死の都」はロイヤルとほぼ同じ時期に、ヴェネツィアファニーチェ劇場でも上演されていました。なので、ご興味のある方はそれぞれをご覧になられた方のレポを。

http://fumiemve.exblog.jp/7879156/
http://dognorah.exblog.jp/10751525/

 今度はいつドイツ語で歌われる歌を聴けるかなと思っていたところ、チケットを買ったことをすっかり忘れていた、カナダ人テノール歌手、ベン・ヘップナー(Ben Heepner)のリサイタルでその望みはかないました。


(恐らく現在の体型はこれより太め。写真は全てネットからかき集めました)

 僕がヘップナーを知ったのは偶然でした。確か2001年初頭だったか、ロイヤル・オペラ・ハウスで彼のソロ・コンサートが開かれました。彼の事は全く知りませんでしたが、ロイヤルでソロ・コンサートを開けるくらいのテノール歌手を聴いてみたいと。これが、大当たり。当時は、歌唱の技術的なことなど判りませんでしたが、ヘップナーの声が僕のつぼにはまりまくりでした。
 以来、彼がロイヤルで歌う時は、できるだけ観るようにしています。これまでは、ベンジャミン・ブリテンの「ピーター・グライムズ(Peter Grimes)」、プッチーニの「トゥーランドット」のみ。ヘップナーの声は体の割には細く、またちょっと音を外そうが本人は全く気にしていないように見えます。でも、彼の声は本当に美しいんです。それと個人的なことですが、ヘップナーの気さくな性格も好きなので。どうして気さくか知っているかというと、「ピーター・グライムズ」の上演の前は、ロイヤルではシュトラウスの「ナクソス島のアリアドネ」がかかっていました。そして「アリアドネ」を観にいった夜、セットがいうことを聞かずにインターヴァルが長くなりました(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-313.html)。
 インターヴァル中に、一緒に行った友人と食事を取るもあまりに長くなってきたので会場を歩き回っていたら、目の前に見たことのある気がする巨大な男性が。尋ねてみたらヘップナーでした。手持ち無沙汰に見えたので、「コーヒーを僕たちと一緒に飲みませんか?」と誘った所、「pleasure」とひとこと。10分くらいだったかな、彼の予定などを話してくれました。


(詳細は知りませんが、一時期こんなに痩せたことも。今は元に戻っていますけど)

 はっきり書くと、客の入りは恐らくバービカン・ホールの半分に満たなかったのではというほどのもの。恐らく、オペラ界でも太め10傑に入りそうな巨漢、50代前半とあってはあまり人気は高くないとは思いますが、会場は寂しかったです。しかしながら、リサイタル自体は大変素晴らしく、チケットを無駄にしなくて本当に良かったです。

http://www.barbican.org.uk/media/events/6785heppnerrecitalforweb.pdf
(これは当夜のプログラム。いつまでアーカイヴにあるのか全く判りませんので、ご興味のある方は早めに印刷したほうがいいと思います)

Schubert: Dem Unendlichen (To the Infinite One), Im Abendrot (In the evening glow), Gott im Frühling (God in the Spring Time), Die Allmacht (Omnipotence)
Strauss: Zueignung (Dedication), Das Rosenband (The band of roses), Du meines Herzens Krönelein (You the coronet of my heart), Befreit (Freed)
Britten: Batter my heart (from Sonnets of John Donne), The Choirmaster’s Burial (The Tenor Man’s Story) (from Winter Words), Proud Songsters (from Winter Words)
Duparc: Extase (Ecstacy), Chanson triste (Sorrowful song), Le manoir de Rosemonde (The manor of the Rosamonde), Phidylé
Bellini: Dolente immagine di Fille mia (Oh sorrowing vision)
Donizetti: Su l’onda tremola (On the trembling wave)
Verdi: Brindisi (A Toast)
Puccini: Canto D’Anime (Song of the Soul)

Thomas Muraco pianist

Few tenors have a voice which so combines power with grace, nobility with sensitivity, as has Canadian Ben Heppner.

He first come to public awareness as winner of the Canadian Broadcasting Company's Talent Festival back in 1979, and since then opera lovers have seen him explore the great tenor roles – most notably in Wagner – on the world's most prestigious stages, from the New York Metropolitan Opear to La Scala, Milan.

But it is in the more intimate world of song – no less a Heppner speciality – that we here find him, a genre that perfectly suits his warmth, sense of drama, and gifted ability to communicate emotion and to tell a story. This is his Great Performers debut appearance.

 僕にとって、リサイタルのピークは前半のシューベルトシュトラウス。後半、ピアニストもヘップナー自身も2、3回小さなミスをしましたが、前半はほぼ完璧。僕の涙腺を押しまくるヘップナーの声、清澄なドイツ語の響き、そして詩の美しさ。シューベルトの歌曲からの最後のDie Allmacht の英訳単語であるOmnipotenceは僕が勉強しているサイコダイナミック・カウンセリングの中では、とてもネガティヴな意味合いで使われますが、こういうポジティヴな言い回しができるのかと。シューベルトによる歌曲をテノールで聞いたのは久しぶりでした。
 シュトラウスからの最後のリートは、デボラ・ヴォイトのリサイタル(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-491.html)で歌われた、同じくシュトラウスによる「Lied der Frauen (Song of the women)」に通じるものがありました。歌われる物語は、死の床にある妻と彼女を優しく送り出す夫。妻への夫の最後の言葉、「O Glück!」をまったく翳りのない澄み切った声で歌いあげるヘップナー。至上の喜びを得たあとに、ブリテンは聴きたくないな、とは思いました。でも、帰らなくて正解でした。


デボラ・ヴォイトと。なんだか、ヴォイトも戻ってきているような)

 後半のブリテンプーランクは、ま、こんなものかなと。再び身を乗り出して聴き惚れたのが、ベッリーニドニゼッティヴェルディそしてプッチーニの小品。聴衆は少ないけど、熱狂的な反応に気をよくしたのか、ヘップナーの調子も最高潮になってきたようでした。ほんのちょっと音を外すこともありましたけど、そんなこと全く意に介することもなく、時に楽しげに、時に愉快そうに歌い続けるヘップナープッチーニCanto D’Anime の最後、「Tutte e sol! Tutte e sol! (Everything is right! Everything is light!)」とヘップナーが高らかに締めくくったとき、大雪による混乱も屋外の寒さも一瞬、忘れることができました。
 聴衆も少ないし、アンコールはないかなと思っていたら、3曲も。どの曲も題名は全く判りませんでしたが、最後の歌の出だしが、「Kann Ich mit Sie danzen?」、と聞こえたような。「死の都」を聞き逃したのは残念ですが、代わりに素晴らしいリートを聴くことが出来た、しばらくの間余韻に浸れるいいリサイタルでした。




(2枚とも、ヘップナーのあたり役の一つ、ピーター・グライムズから)

 閑話休題。イヴニング・スタンダード紙に音楽コラムを書いているノーマン・レブレヒトという批評家がいます。どうやら毀誉褒貶がある方のようで、ゴシップ的な面白い記事を書いています。で、彼の最新記事です。

Decca's last dance
http://www.thisislondon.co.uk/standard-home/article-23634399-details/Deccas+last+dance/article.do

 バルトリフローレスを抱えるクラシックの名門レイベル、DECCAが潰れるかもしれないとのこと。大恐慌突入が視野に入ってきたような今の時代、驚きはしませんが、仮にDECCAがどうにかなってしまった場合、あのなにものにも代え難いカタログはどうなってしまうのか、というのが心配です。

[追記:2月11日]
 今日のガーディアン紙に掲載されたレヴュー。

http://www.guardian.co.uk/music/2009/feb/10/ben-heppner-review

 後半の評価は逆だけど、前半はやっぱりヘップナーの真骨頂だったよう。

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大雪だけが、イギリスを停止できる

2009.02.02

(写真は全て、こちらから:
http://www.guardian.co.uk/uk/gallery/2009/feb/02/pictures-of-snow-in-england?picture=342683470

 今日、2月2日に大雪の警報が出ているのは知っていた。前日の日曜日から降っていたので、ある程度は積もるだろうとは予想していたけど、朝、玄関の扉を開けて吃驚。少なくとも10センチは積もっていた。
 東京同様、いや、東京よりも雪に対してはもっと脆弱なロンドン。大学院に向けて、いつもよりかなり早く家を出た。降雪量が予想をはるかに超えたと言うのは事実として認めるけど、ロンドンの全てのバスが運休(史上初とのこと)というのは、先進国の首都としてはお粗末もいいとこ。ま、この国に住む多くの人(イギリス人に限らない)に見られる、「自分に責任がないことに対しては、状況を改善しようとする行動を自ら取ることは絶対にしない」という姿勢が変わらないかぎり、大雪のたびにこの国は止まりつづける。
 早朝は、事態の酷さを把握できていなかったロンドン交通局の不手際で、オーヴァー・グラウンドは全線が不通、地下鉄もほぼ大混乱だった。いつも止まってばかりのノーザン・ラインヴィクトリア・ラインだけが順調に運行されていたのは、人の期待に背を向けるイギリスらしいというか、「怠け者の節句働き」とでも言おうか。



 大学院には余裕をもって到着。人通りの少ないロンドン中心部の景色のなんと美しいことか。白く静かに輝く、これほど美しいロンドンを見たのは、初めてだ。公園の木々に降り積もる粉雪を眺めながら、「サイコシスがどうだ、ニューロシスはああだ」という議論をするのも普段とは異なる印象で、これまた興味深かった。
 
 思わずにはいられなかった:外出せずに、家に一日中引き篭っていられたら。

 雪はやむどころか、勢いがでてきたので、午後は休講。大学院からは歩いていける距離にあるロイヤル・オペラ・ハウスへ向う。今晩は、オペラ形式としては、イギリス初演となったコルンゴルトの「死の都Die tote Stadt)」を観にいく予定だったが、上演されるかどうかを確認する。
 予想に反して、既に休演になっていた。ボックス・オフィスの担当者曰く、ロイヤル側はこの大雪を予想して準備をしていたけど、チケット購入していた客からのキャンセルが相次ぎ、結局、終演後の交通機関の運行状況が全く読めいないことから休演の決断を下したようだ。僕にとって、ロイヤル・オペラ・ハウスの舞台がキャンセルになり払い戻しになったのはこれが2回目。一回目は、2005年7月7日。ベン・ヘップナールネ・フレミングによる「オテロ」だった。今日の雪の破壊力は、あのテロに匹敵するほどであった、ということになるのだろうか。

 最新の予報によると、この雪は今週いっぱい続くらしい。ストと金融危機によって沈没寸前のイギリス。このまま、冬眠に入ったほうが事態がよくなるかもしれない、そんなことを考えてしまうほどの大雪。

http://www.telegraph.co.uk/topics/weather/4433925/Snow-Britain-Heavy-snow-forecast-for-rest-of-week.html
http://www.guardian.co.uk/uk/2009/feb/02/snow-brings-britain-travel-chaos
http://www.guardian.co.uk/uk/2009/feb/02/snow-london-travel-chaos



[追加]


(ロンドン南部のサリー県に住む友人から送られたもの)

[追記:2月3日]
 ロンドンを走る地下鉄は[Underground]と呼ばれているが、実際に地下を走っているのは、ロンドン中心部だけ。今日のガーディアン紙の囲み記事によると、全路線の45%が実際には地上を走っているとのこと。昨日は、その地上部分が雪のために運行困難な状況になり、その影響が[Underground]の部分に及んだということ。
 真っ先に止まったサークル・ラインは、意外かもしれないがトンネルとトンネルの間で地表に出る部分が結構ある。終日、順調に運行していたヴィクトリア・ラインだけが地上を走らない。

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