LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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2009年05月の記事一覧

プリンス・ハリー、初めての海外単独訪問

2009.05.30
29日金曜日から、イギリス王室、王位継承第3位のハリー王子がニュー・ヨークを公式訪問。


Prince Harry visits New York on charity mission

http://www.guardian.co.uk/uk/2009/may/29/prince-harry-visits-new-york

Solemn trip for Prince Harry as he meets firefighters at Ground Zero
http://www.dailymail.co.uk/news/worldnews/article-1189566/Solemn-trip-Prince-Harry-meets-9-11-survivors-Ground-Zero.html


(なんだか、頼もしく見えるか?!)


(判らなくはないけど、どこの国でも王室メンバーはスコップをきちんと使えなければいけないんだろうな)

 報道によると、今回のニュー・ヨーク訪問は、ハリーにとってはじめての「海外」公式「単独」訪問とのこと。アフガニスタンに派遣されたり、チャリティ活動でアフリカに行ったりしているからちょっと意外な印象をもつ。今回の訪問にかかる費用は、エリザベス女王が全て払ったそうで税金は一切使われていないことが強調されている。個人的には、腐りきった政治家の家の補修に使われるくらいなら、ハリーの今回の訪問に税金が使われたほうがましだと思う。

 それにしても、ガーディアンの記事にリンクされているアメリカのメディアのハリーへの評価はかなり手厳しい。彼ほどの有名人だと、いいことよりも悪いことの方が注目を集めてしまうのは仕方ないのかもしれないけど、世間一般の24歳に較べれば、しっかりした青年に思えるけど。

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切手2題:使いまわし防止切手、キュー・ガーデンズ250周年

2009.05.29
金曜日、29日のテレグラフ紙の、一面ながらとても小さな記事で知ったのは、あとを絶たない「使用済み切手」の使いまわしに痺れを切らしたロイヤル・メイルが新しいタイプの切手を発売するというもの。

Royal Mail launches tamper-proof stamp
http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/5400999/Royal-Mail-launches-tamper-proof-stamp.html

 アイデアは面白いと思う。でも、一般市民が届いた手紙に使われていた切手をはがして使おうと思う要因の一つは、ロイヤル・メイルがきちんと消印を押さないから。べったり消印が押されていれば、誰が「消印ついているけどはがして使えるな」、なんてことを考えるかと。
 いつも思うけど、イギリスの公的サーヴィスって、問題が起きるとその場しのぎの方法にばかり無駄な時間と金を使いまわして、問題の根本には触れないようにしている。この新しい切手の開発に予算を使い果たしたので郵便料金をまた値上げします、ってことになることだろう。



 ロンドン南西部にあるキュー・ガーデンズhttp://www.kew.org/)は今年、開園250周年。それを記念しての特別切手セット2種類が、今月中旬に発売された。



 これは、絶滅が危惧される植物らしいけど、どこにでもありそうに見えてしまう。


Leekだからねぎの一種かな



 こちらは、庭園の中にある建物を。右上の「ミレニアム・シード・バンク」はキュー本園の中にはなかったはず。






(この橋を渡るのは、思いのほか楽しい)

http://www.norvic-philatelics.co.uk/2009/05a-plants_in_danger_kew_gardens.htm

Stamp collection celebrates 250th anniversary of Kew Gardens
http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/5330327/Stamp-collection-celebrates-250th-anniversary-of-Kew-Gardens.html

 観光ガイドには必ず記載されていると思う、Newenshttp://www.theoriginalmaidsofhonour.co.uk/)。勝手な印象では、どうやらアフタヌーン・ティーばかりが強調されているようだけど、ここは食事も美味しい。開園と同時にキューになだれ込み、たっぷり歩き回ったあとに食べるパイ料理は格別。イギリス人のように、お昼にDinner(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-947.html
)というのも体験できると思う。

政治家を落選させることは出来ても、フーリガンを駆逐するのは不可能

2009.05.27

(写真は2枚とも、デイリー・メイルから借用)

 先週末、ギリシアのクレタ島に突如現れたのは、修道女の黒い衣装をまとった17人のごつい男たち。
 正体は、イングランドのあるローカル・フットボール・チームのメンバー。ビールを飲みつつ、通りでしたことはスカートをたくし上げて下半身を露出したりなどの、狼藉。当然、即逮捕。



British 'naughty nuns' face Crete court
http://www.guardian.co.uk/world/2009/may/25/british-nuns-greece-arrested-indecent-exposure

Club chairman's anger at 'horrendous' treatment of 17 naughty nun footballers arrested on tour in Crete
http://www.dailymail.co.uk/news/worldnews/article-1187362/Club-chairmans-anger-horrendous-treatment-17-naughty-nun-footballers-arrested-tour-Crete.html

 ギリシアで狼藉三昧のイギリス人の評判は、本当に地に落ちている。結果として咎めなしで終ったようだけど、チームの代表は反省するどころか、「こんな酷い扱いを、どうして受けなければならないんだ」、と。
 さらに続けて、

'It's an end-of-season celebration and tradition. We're laughing at ourselves and the other people laugh at us too. It's harmless.

 馬鹿ふざけをやるなら、国内でやって。ギリシアの人は、そう思ったことだろう。


 今晩、ローマでバルセロナとマンチェスター・ユナイテッドの試合があるそうだけど、マンUが負けたらこうなることは避けられないだろう。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-773.html

 ローマ市民の皆さんが静かな夜を過ごせることを祈ろう。

デイヴィッド・ホックニーの新作はフォトショップで作成

2009.05.26
今年、72歳になる大御所画家の新作が、フォトショップで作成され、インクジェットプリンターで印刷されるなんてこと、誰が予想しただろうか?


Rainy Night、既に完売)

 デイヴィッド・ホックニーの新作展示、かつ販売がロンドンの画廊で開かれている。

http://www.annelyjudafineart.co.uk/

 新聞で読んだときはすぐには信じられなかったけど、展示されている作品は、ホックニーがフォトショップで作成し、全てインクジェットで印刷されたもの。間近で見れば印刷されたものであることは一目瞭然だったけど、筆致(って言っていのか?)はホックニーそのもの。


Summer Road、額なしで£7,400-なり)

 画廊で販売されていたカタログには、コンピューターのスクリーンを見ながら、フォトショップで作成しているホックニーの写真が掲載されていた。


Autumn Leaves

 特に風景画の幾つかは、まじまじと見ているとパースペクティヴが歪んでいる印象のものもあった。しかしながら、ポートレイトのほうは絵から数歩下がった所からみていると、油彩といわれても信じてしまうほど完成度の高いものばかり。
 画廊は、ボンド・ストリート駅から数分の所にある建物の3階、4階。入り口はかなり判り辛いです。

 以下のリンクは最近のホックニーの言動。

http://www.guardian.co.uk/artanddesign/2009/mar/27/hockney-art-seasons-trees

http://www.guardian.co.uk/education/2009/may/15/hockney-boys-art

http://www.telegraph.co.uk/culture/art/art-news/5252020/David-Hockney-paints-with-his-iPhone.html

John Gilhooly(ウィグモア・ホール、CEO)インタヴュー

2009.05.25
*著作権等は、社団法人共同通信社に帰属します。



Mr John Gilhooly(ウィグモア・ホール、チーフ・エグゼクティヴ)


昨年(2008年)9月から始まった今シーズン、チケットの売上が前年より34%も伸びている。今のところ、クレディット・クランチの影響はウィグモア・ホールでは感じられないよ。チケット売上のこの好調が続くことを望んでいるし、続くことを確信している。何故なら、僕らの上演プログラムの質はとても高いし、それがチケット売上に反映していると自負している。

君だけではないが、多くのジャーナリストが未だに誤解しているのは、「ウィグモア・ホールはクラシック音楽だけのホール」、ということだ。更に、「クラシック音楽だけだから、聴衆も保守的」。これも大きな誤解だ。
昨年、ウィグモア・ホールを訪れた人々の半数は、40歳以下。とりわけ、ジャズのプログラムが多くの若い聴衆を惹き付けた。誤解しているジャーナリストにお願いしたいのは、「人々に間違った印象を植え付けないで欲しい」、ということ。ウィグモア・ホールは、年間400ものプログラムがある(注:これはマチネ公演があるため)。400ものプログラムを「クラシック音楽」だけでなんて、不可能だよ。
勿論、ウィグモア・ホールはチャンバー・ミュージックのホールとして広く知られている。しかしながら、伝統的にジャズのプログラムは常に人気が高い。また、ウィグモア・ホール独自の新しい音楽の創作にも意欲的に取り組んでいる。「ウィグモア・ホールは世界で最も素晴らしい音楽ホールの一つ」、と僕は誇りを持っていえるよ。

プログラムに関して言えば、僕は常にバラスをとる必要があり、そしてバランスを維持したいと思っている。そのために、また多くの人にもっとウィグモア・ホールのことを知ってもらえるように、僕らはマーケティングをとても積極的に行っているんだ。イギリスの有力新聞のウェブサイトに常に広告を出している。昨年、ウィグモア・ホールを初めて訪れた聴衆の割合は、300%を超えた。数年前と較べて、ホールの認知度はかなり高くなっていることを実感する。
僕が望むことの一つは、いつまでたっても「ウィグモア・ホールの聴衆は白髪の人ばかり」という人々にその誤解を捨てて欲しい。ウィグモア・ホールは、「音楽」のためのホールなのだから。

僕らは、イギリス国内だけに留まってはいない。ウィグモア・ホールでのリサイタルやコンサートのライブを録音したCDは、今では世界27ヶ国で販売されている。アメリカでは既にトータルで5万枚のCDが売れている。日本でも購入できる。また、アメリカでは、100を超えるラジオ局がウィグモア・ホールでのリサイタルやコンサートを放送している。

僕は、ウィグモア・ホールのこれまでの名声にどっかり座り込んでいたくない。僕たちは常に前に進んでいきたいんだ。

ロンドンは、世界でも最も音楽ホールが多い都市だ。毎日、毎晩、素晴らしいコンサートが数箇所のホールで必ず上演されている。仮に僕らが何もしなかったら、僕たちは生き残れない。ウィグモア・ホールは他のホールと同じくらい素晴らしく、そしてユニークでなければならない、そう思っている。ロンドンほどコンペティティブな都市はないね。

ウィグモア・ホールへの、アーツ・カウンシル・イングランドからの補助金は、今年は35万ポンド。大きな額ではない。だからこそ、チケットの売上、そしてファンド・レイジングは必要不可欠だ。僕は、芸術監督と同時に、ビジネスマンでもなければならない。

幸運なことに、今年はウィグモア・ホールの資金はとても健全だ。好調なチケットの売上に加えて、昨年までのファンド・レイジングが大成功に終ったからね。秋からの新しいシーズンでは、それを聴衆に還元する。10公演のチケットを一律10ポンドにする。ファンド・レイジングが成功に終ったのは、ホールを訪れてくれる聴衆のおかげだからね。でも、正直な所、ファンド・レイジング・パーティでいつも笑顔でいるのは、大変なことだよ。

これからもウィグモア・ホールを運営していくには、伝統を保持すると同時に、時代のフロント・ランナーでなければならない。そのためには、常に質の高い演目を考え、その質をさらに高める音楽家とともにいなければならない。僕たちは、常に成功する側にいなければならない。もし成功しなければ、人もお金もこなくなるからね。

ウィグモア・ホールでの素晴らしいリサイタルやコンサートを多くの人に聞いてもらう為に、これからも積極的に新しい技術を取り込んで行くつもりだ。5年後には、地球の裏側にいる人が、自宅のテレビでウィグモア・ホールでのリサイタルをライブで観ることができるようになっているかもしれない。
こういうことをいうと、反感を持つ人がいるかもしれない。でも、考えてみて欲しい。ラジオのライブ放送とどこが違うのか。ホールに直接来てくれる聴衆、ラジオで音楽を楽しむ聴衆、そして自宅でライブ放送を見る聴衆。聴衆は一つのカテゴリーではないはずだ。

昨年、ウィグモア・ホールは音楽家を選びすぎとの批判を受けた。でも僕の使命は、最良の音楽家にホールで演奏してもらうこと。
多くの音楽画家、彼等のキャリア紹介でウィグモア・ホールでのリサイタルをあげてくれているのは、とても誇らしいし嬉しい。ウィグモア・ホールは素晴らしいホールであって欲しい。そのためには、芸術監督として僕は常に判断を下して行かなければならない。


愛の妙薬:ロイヤル・オペラ

2009.05.24
23日にロイヤル・オペラ・ハウスで、ドニゼッティによる「愛の妙薬」を観てきました。「愛の妙薬」を観るのは本当に久しぶり、かつ2回目でした。一回目は、日本で観た、(恐らくメトロポリタンオペラの公演)キャスリーン・バトルルチアーノ・パヴァロッティ主演の舞台は、15年位前のこと。この舞台で覚えているのは、第一幕ネモリーノのアリアで「オブリガート」と歌うところをパヴァロッティが「アリガート」と歌ったことくらい。

 今シーズンのプログラムが発表されたとき、予定されていた指揮者は、イギリス人のリチャード・ヒッコクス氏でした。ところが、不幸なことにヒッコクス氏は急逝。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-951.html

 この不幸を乗り越えるために白羽の矢が立てられた(であろう)のは、ベル・カント・オペラのスペシャリスト、ブルーノ・カンパネッラ氏でした。ヒッコクス氏の指揮でも、今回のプロダクションは観るつもりでしたが、俄然、「この舞台は最前列で観たい!」。何故なら、カンパネッラ氏の指揮者ぶりに興味があったからです。「あれだけ熱烈なお喋りを披露してくれたカンパネッラ氏(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-461.html)だから、指揮をする姿も見ていて楽しいにちがいない」と思い、指揮者の真後ろの席を購入しました。
 ところが、舞台が始まってみると、全く真摯な指揮ぶり。パッパーノような唸り声もなく、アデスのように汗まみれになることもなく、一人だけとても分厚い楽譜を繰りながらのよどみない、かつ歌手への的確な指示の出し方に、全く正反対の意味で感銘を受けました。カンパネッラ氏の見事な指揮者ぶりに安心したので、序曲が終るやいなや、浮き浮きするような舞台を最初から最後まで存分に楽しむことができました。


(ダムラウとフィリアノーティ)

Director: ローラン・ペリー:Laurent Pelly
Conductor: Bruno Campanella

Adina: ディアナ・ダムラウ:Diana Damrau
Nemorino: ジュゼッペ・フィリアノーティ:Giuseppe Filianoti
Dulcamara: シモーネ・アライモ:Simone Alaimo
Belcore: アンソニー・マイケルズ-ムーア:Anthony Michaels-Moore
Giannetta: 中村恵理:Eri Nakamura


 物語は他愛ないものですし、ネットでいくらでも調べられるはずですから割愛。歌手の皆さんについて。

 アディーナを歌ったディアナ・ダムラウ(ドイツ)は、ロイヤル・オペラには何度も出演しています。昨年末の「ヘンゼルとグレーテル」以外は、彼女が出た舞台は全て観てきたと思います。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-396.html
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-298.html
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-313.html

 ツェルビネッタでコミカルな役をそつなくこなせることは判っていましたが、今回のアディーナもなんの心配もなく観ることができました。これから数年間、ダムラウは世界中のオペラ・ハウスで喝采を浴びつづけるだろう、そう確信できるほどすばらしい歌唱・演技でした。

 ネモリーノを歌ったフィリアノーティは、見た目がノーブルなのでちょっと抜けている役をこなせるのかと思っていました。が、そこはやっぱりイタリア人。しかも、テノール界ではとても稀有な細身の身体をフルに使って笑わせてくれました。
 心配だったのは、歌唱。数年前のこれ

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-407.html

で、最高音の所で声がひっくり返ってしまいました。それ以来のロイヤル・オペラ出演ということで、第一幕では本人もまだ気にしていたのかどうか、どうも全力を出し切っていない、そんな印象がありました。ただ、2幕になると、リラックスしたようで喉の力みが取れてとても滑らかな歌声。一度、裏返りそうになりましたが、これなら後半の有名なアリア、Una furtiva lagrimaも大丈夫だろうと。
 歌いだし、やや慎重になっている雰囲気はありましたが、声も伸びているし「よかった、今日は声がひっくり返ることなく終りそうだな」、と。ところが、最後の高音を裏声でしのいだのは聞き逃しませんでした。

 デュルカマラとベルコーレは可もなく不可もなく。でもどうせなら、前者をターフェル、後者をキーンリィサイドで観てみたいなと。このプロダクションの設定が現代風になっているので、ターフェルとキーンリィサイドのエンターテナーの素質に合うはず。でも、この二人が出ていたら、最前列なんて取れなかったことでしょう。そうそう、第2幕、デュルカマラの衣装は、鮮やかなフーシャ・ピンクのジャケットにズボン。これが欲しくてなりませんでした。

 ロイヤル・オペラ・ハウスの若手育成プログラムにシーズン初めから参加している中村恵理さんは、今回も彼女の素質の高さを発揮していました。彼女は、日本に留まることを選ばなければ、活躍の場は世界中のオペラ・ハウスに広がるのではないかと思います。

 ロイヤル・オペラ・ハウスの出たのは9時50分頃。西の空には、まだ仄かに日の名残。こんな喜びがあるから、生きていくのは面白い、そんな気分で家路につけた夜でした。

The Order of Merit:平服の偉人達

2009.05.23
世界中どこの国も同様だと思うけど、イギリスの勲章制度は複雑過ぎて、かつ最近では誰彼なく「Sir」の称号が授与されているようでなんの重みも感じなられない。実際、住宅補助制度を悪用した下院議員の何人かは既に「Sir」だけど、剥奪されるべきだと思う。

 20日に、バッキンガム宮殿で女王夫妻と皇太子を交えて、The Merit of Orderのメンバーの稿レイン記念写真が撮影された。

 The Merit of Orderとは、ウィキペディアによると、

メリット勲章(メリットくんしょう、Order of Merit)は、イギリス及びイギリス連邦の勲章で、イギリス国王もしくは女王によって授けられる。1902年、エドワード7世の時代に、プロイセン王国のプール・ル・メリット勲章に倣って制定され、軍事、科学、芸術、文学、文化の振興に功績のあった人物に送られる。軍事での勲章は、メダルの中央に2本の交差した剣の模様が入ることにより、他から区別される。この勲章の授与の決定権は国王に属し、内閣の助言は必要としない。メリット勲章は大変な名誉で、伝統的な勲章の枠組みの中にありながらも、現存する勲章の中で最も名誉なものであると言われている。

 ごくあっさりと解釈すれば、「一芸に秀でていて、それを極めた人」、と言ってもいいのか。くっきりとした写真はテレグラフ本紙には掲載されていたけど、ネットで見つけられたのは、以下のかなりぼけたものだけ。



 後列左から二人目は、ウェブの創始者(らしい)Sir Tim Berners-Lee。後列右から二人目で横を向いているのは、画家のルシアン・フロイト。過去数年の集合写真でも、フロイトは横を向いていた。前列右から3人目は、往年の名ソプラノ、ジョーン・サザランド。そのサザランドの後ろの女性は、辞任が決まったマイケル・マーティン下院議長の前任者である、Baroness Boothroyd。マーティン氏がこのメンバーに加わることはないだろう。

 興味を惹かれたのは、男性陣の服装。上の写真では鮮明に判らないけど、みな、いたって暗い色調のスーツに取り立てて派手なネクタイでもない。普通の服装。結果としてThe Merit of Orderのメンバーになったけど、それになりたくて自分の道を進んできたわけではない。そんな印象をもった。

 数年前にK夫人とした会話を思い出した。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-66.html

 こんな風に、声高に自己主張することもなく国を作り上げてきた人々がいる。一方で、身勝手に振舞った挙句「こんな制度があることの方が悪いのであって、自分は悪くない」と開き直る政治家がいる。
 イギリスという国の「過渡期」に、この国にいることを感じる。

テイト・モダンで野性を取り戻す:4日間限定

2009.05.23
昨日のイヴニング・スタンダード紙に、5月22日から25日までの4日間限定で、テイト・モダンでの特別イヴェントが紹介されていた。展示の名前は、

DO IT YOURSELF

http://www.tate.org.uk/modern/thelongweekend2009/thelongweekend2009.htm

BANK HOLIDAY SPECIAL: Adult playground launched at Tate Modern

http://www.thisislondon.co.uk/standard/article-23696952-details/BANK+HOLIDAY+SPECIAL%3A+Adult+playground+launched+at+Tate+Modern/article.do

 1971年に催されたものの再現らしい。そのときは大人たちが、went bloody madになってしまい4日で閉鎖になってしまったとのこと。

 こんなことや、


こんなこと、


楽しそう、


これは大人も我を忘れるでしょう。




  おそらく入場制限はあるでしょうけど、この週末ロンドンにいる人は、行く価値はあるのではないかと思います。


テレグラフ紙のカトゥーンに見る、英国民主政治の終焉

2009.05.22
世間を騒がしているというよりも、世界中に恥をさらし続けている英国下院議員の不正ぶりの口火を切ったのは、The Daily Telegraph紙。ある情報では、この情報を得るためにテレグラフ紙が払った金額は、6桁の数字とのこと。
 書きたいなと思いつつも、毎日毎日これでもかと出てくる議員の貪欲ぶり、不誠実ぶりに書くだけ無駄という気がしてしまう。ということで、テレグラフ紙の社説欄の風刺画を時系列で。


 テレグラフ紙がスクープを始めた8日(だったはず)の翌日のカトゥーン。この時点では、テレグラフ紙の矛先は労働党に向けられていたし、なんだかまだほのぼのとした印象。


 5月10日。ロンドン外に住む下院議員に認められている「セカンド・ホーム」登録制度を悪用したことを皮肉ったもの。香具師がブレアに見える。


 オリヴァー・ツイストを読んだことがありません。ホガースに風刺画を描いてほしい。


 これは、メラニー・クラインを崇める精神分析家からは絶賛されるのではないかと。母(議会・国民の税金)の乳房に群がり、吸い尽くすGreedyな子供(政治家)たち。


 5月16日。この前日あたりに、保守党のある議員が、自宅の濠(!)の清掃費用を請求し、受給していたことが発覚したからかな。


 日本でも大きく報道されたけど、グラスゴウの労働者階級家庭から「下院議長」まで上り詰めた、労働党のマイケル・マーティン氏。かれは、下院の魔窟ぶりの象徴のような存在だったから、解任は免れなかったでしょう。その彼の後任に指名されるであろう候補者の中から、不正請求していた議員がいることが、今日報道された。昨日は、自宅の庭にある池に浮かぶアヒル用の小屋を請求していた保守党の長老議員が引退宣言。まだまだ、終わりは見えていないよう。

ヴィクトリア・ベッカムの「バーキン(エルメス)」コレクション

2009.05.19
写真は全てこちらから。

Victoria Beckham's Hermès handbags
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/gallery/2009/may/18/victoria-beckham-hermes-handbags?picture=347519434


いい感じの紫。




クイッと上向いた右手が嫌味だ。


ドレスが先か、それともバーキンが先か?


Posh loves her Hermès handbag so much she has 100 of them
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/gallery/2009/may/18/victoria-beckham-hermes-handbags?picture=347519434

 ガーディアンによると、手に入れるまで「2年から5年待ち」のエルメスのバーキンを、ヴィクトリア・ベッカムは100個も持っているとのこと。推定総額、約150万ポンド。コレクションの中には、世界に三つしかない、8万ポンドもする、ダイヤモンドをあしらったシルヴァー・ヒマラヤンもあるらしい。

 昔、ショッパホリックだった頃、気に入ったデザインのアロハシャツや、変なスタイルのジャケットを色違いで買い漁っていた自分には批判する資格はない。けど、ヴィクトリアの存在意義はなんだろうと。ま、本人は幸せなんだろう。

サドラーズの秋シーズン:男性上位のダンス・ワールド

2009.05.13
今週の月曜日、5月11日にサドラーズ・ウェルズ劇場から、今年の秋に上演される演目(と2010年の春のコリセアム劇場公演の幾つか)が発表になった。
 
 正直なところ、個人的にはあまり興味を惹かれない。コリセアム劇場での特別公演を始めてからいわゆる「(古典)バレエ団」をそちらにシフトしてしまったようなので、サドラーズ本拠地での公演はモダン・コンテに特化してきた印象がますます強まっている印象。英国在住のフランス人をひきつけたいなら、「パリ・オペラ座バレエ学校」公演をぜひ企画してほしいところ。

 それでも、個人的に興味を惹かれるものを。


In the Spirit of Diaghilev
Sidi Larbi Cherkaoui / Javier De Frutos / Russell Maliphant / Wayne McGregor
Tuesday 13 - Saturday 17 October
Tickets: £10 - £35

To mark the Centenary of the world famous Ballets Russes company, Sadler’s Wells evokes the essence of the ground-breaking troupe, commissioning brand new work by four of today’s most exciting contemporary choreographers. Each artist, working with all or part of his own company, gives their own original response to the famous challenge that Diaghilev once issued to Jean Cocteau: “Surprise me!”

Wayne McGregor: Dyad 1909
Inspired by Shackleton's Nimrod expedition to the North Pole in 1909, the year that Les Ballets Russes was founded, Wayne McGregor creates a brand new Ballet Blanc, Dyad 1909.
Wayne McGregor | Random Dance collaborates with acclaimed artists and filmmakers Jane and Louise Wilson, lighting designer Lucy Carter and costume designer Moritz Junge.

Sidi Larbi Cherkaoui: Faun
Sidi Larbi Cherkaoui examines the animalistic nature of human movement and the power of mythology in Faun. This new duet, created for two of his company dancers, takes an alternative look at the eponymous creature from Stéphane Mallermé’s poem, Claude Débussy’s music and Vaslav Nijinsky’s choreography. With additional music by Nitin Sawhney and costumes by leading fashion designer Hussein Chalayan.

Russell Maliphant: AfterLight

Using Vaslav Nijinksy’s geometric drawings and paintings as a starting point, Russell Maliphant creates a brand new work entitled AfterLight, with three dancers from the Russell Maliphant Company plus lighting and sound design from regular collaborators Michael Hulls and
Andy Cowton.

Javier De Frutos: Eternal Damnation to Sancho and Sanchez

Olivier Award-winner Javier De Frutos’ Eternal Damnation to Sancho and Sanchez is a cautionary fable inspired by Cocteau’s scenarios and designs for Les Ballets Russes and set to Maurice Ravel’s La Valse. De Frutos joins forces with theatre designer Katrina Lindsay and lighting designer Michael Hulls.

In the Spirit of Diaghilev is a Sadler’s Wells Production


Morphoses / The Wheeldon Company WORLD PREMIERE
Mixed Bill
Wednesday 21 - Saturday 24 October
Tickets: £10 - £38

Sadler's Wells Associate Artist Christopher Wheeldon returns to Sadler's Wells. His first programme is a centenary celebration of Les Ballets Russes, inspired by the legendary company’s commitment to creating innovative, collaborative productions with seminal artists of its time. It features Christopher Wheeldon’s Commedia, which premiered at Sadler’s Wells last year to wide acclaim, plus a brand new work by Tim Harbour, one of Australia's most exciting new young choreographers, and Alexei Ratmansky’s Boléro, which was created for the Bolshoi and is set to the music of Maurice Ravel.

For Programme Two, husband and wife choreographic team Paul Lightfoot and Sol León, resident choreographers of Nederlands Dans Theater, re-choreograph one of their existing works, Softly as I Leave You, for Morphoses dancers Drew Jacoby and Rubinald Pronk. Christopher Wheeldon presents two works set to piano scores; Continuum, performed to the music of Ligeti, plus a world premiere set to Suites for Two Pianos by Rachmaninoff.


Svapnagata
SVAPNAGATA INDIA FESTIVAL
Monday 16 - Saturday 28 November

Meaning ‘dreaming’ in Sanskrit, Svapnagata is a two-week festival of Indian music and dance curated by multi award-winning artists; dancer and choreographer Akram Khan and composer Nitin Sawhney. With a wide range of events taking place in the main house and the Lilian Baylis Studio, the festival offers a dazzling array of performances from some of the finest Indian musicians, dancers and choreographers working today.


Akram Khan SVAPNAGATA INDIA FESTIVAL
Gnosis WORLD PREMIERE
Monday 16 November
Tickets: £10 - £35

Akram Khan is one of the most exciting choreographer/dancers of his generation, internationally acclaimed for his cross-cultural, cross-disciplinary work. For this new solo piece, Khan returns to his classical kathak roots in a collaboration with Gauri Sharma Tripathi and Pratap Pawar.

Gnosis is a Sadler’s Wells Commission


Nitin Sawhney SVAPNAGATA INDIA FESTIVAL
Acoustic Evening
Tuesday 17 November
Tickets: £25

Nitin Sawhney is one of today’s most influential and versatile creative talents. He is firmly established as a producer, film composer, songwriter, DJ, multi-instrumentalist, orchestral composer and cultural pioneer. A highly-trained flamenco guitarist and classical / jazz pianist, the Svapnagata Acoustic Evening will present Nitin Sawhney unplugged, performing his own music together with an exciting line-up of international musicians.

A Sadler’s Wells Commission



U Shrinivas SVAPNAGATA INDIA FESTIVAL
Wednesday 18 November
Tickets: £25

Former child prodigy U Shrinivas (who is also known as Mandolin U) is a musician in the Carnatic musical tradition of southern India. A virtuoso performer, U Shrinivas plays a tiny electric mandolin, adapted to make possible the ‘slides’ between notes necessary for Indian music. He has delighted both the classical Indian music community and Western guitarists including George Harrison. For this performance he is accompanied by his brother U Rajesh on mandolin and ghatam.


Aakash Odedra & Yuko Inoue SVAPNAGATA INDIA FESTIVAL
Thursday 19 & Friday 20 November LILIAN BAYLIS STUDIO
Tickets: £12 WORLD PREMIERE

An evening of dance from renowned kathak choreographer Kumudini Lakhia, who has created two new solo works to be performed by British-Indian kathak dancer Aakash Odedra and Japanese kathak dancer Yuko Inoue.

A Sadler’s Wells Commission


Neelam Mansingh Chowdhry SVAPNAGATA INDIA FESTIVAL
Nagamandala
Friday 20 November
Tickets: £10 - £32

Weaving together traditional folk tales, Neelam Mansingh Chowdhry’s beautiful play Nagamandala tells the story of an unhappy bride who fills her loneliness by conjuring fantasies, dreams and illusions to give meaning to her life. The meaning of creativity is explored to its fullest as fictional and real characters intermingle, and the lines between the visible and the invisible are blurred.


Aditi Mangaldas & Priyadarshini Govind SVAPNAGATA INDIA FESTIVAL
Saturday 21 November
Tickets: £10 - £32

This evening juxtaposes the two great Indian classical dance forms of the North and the South.
Aditi Mangaldas is an acclaimed kathak dancer celebrated for her dramatic interpretation of the classical vocabulary. Priyadarshini Govind is an acclaimed bharatanatyam dancer from Chennai known for her vigorous yet expressive dance.


Trilok Gurtu Orchestra SVAPNAGATA INDIA FESTIVAL
Sunday 22 November
Tickets: £25

Audiences all over the world have enjoyed Trilok Gurtu’s compositions which link subtle Indian rhythms and singing with elements of modern jazz and rock. For Svapnagata in collaboration with seven Western classical musicians he presents an eclectic mix of instruments ranging from French horn, trumpet and violin to the santoor and didgeridoo. Together they perform works including a Bach concerto and the Romanian Dances by Béla Bartók. The Western musicians in turn will perform Trilok Gurtu’s own compositions with him and renowned Norwegian Saxophonist Jan Gabarek will make a special guest appearance.


Shantala Shivalingappa SVAPNAGATA INDIA FESTIVAL
Shiva Ganga
Monday 23 November
Tickets: £10 - £32

A former dancer with Pina Bausch, Shantala Shivalingappa’s performances are acknowledged for their expression of devotion, divine beauty and grace. Shiva Ganga is a solo evening of kuchipudi dance accompanied by a traditional, live orchestra comprising singing, flute,
veena and percussion. Kuchipudi is a classical dance form originating in Andhra Pradesh, southern India.


Anoushka Shankar SVAPNAGATA INDIA FESTIVAL
Tuesday 24 November
Tickets: £10 - £32

Schooled in the Indian classical music tradition by her father, the great maestro Ravi Shankar, Grammy Award-winner Anoushka Shankar is a Sitar player who fuses East and West using both acoustic and electric instrumentation. A leading figure in world music today, she made her recording and performing debut aged just 13 and has collaborated with artists including Philip Glass, Sting, Lenny Kravitz and Herbie Hancock. The evening includes live music, and dancers including Mythili Prakash.


Sidi Larbi Cherkaoui & Shantala Shivalingappa SVAPNAGATA INDIA FESTIVAL
Adam & Eve LILIAN BAYLIS STUDIO
Gregory Maqoma & Shanell Winlock
Southern Comfort
Tuesday 24 & Wednesday 25 November
Tickets: £12

A double-bill featuring a new work-in-progress duet from Flemish-Moroccan choreographer Sidi Larbi Cherkaoui and kuchipudi dancer Shantala Shivalingappa, plus Gregory Maqoma and Shanell Winlock’s Southern Comfort.

Adam & Eve is a Sadler’s Wells Production

Akram Khan & Nitin Sawhney SVAPNAGATA INDIA FESTIVAL
Confluence WORLD PREMIERE
Thursday 26 - Saturday 28 November
Tickets: £10 - £35

The Svapnagata India Festival culminates in a new collaborative production by Akram Khan and Nitin Sawhney. Confluence fuses Sawhney’s music with Khan’s blend of classical kathak and contemporary technique. It takes the form of a conversation between two friends and artistic collaborators, looking back on personal experiences, respective influences and a productive creative partnership.

Exploring how the independent stories of these two kindred spirits converged, Confluence offers the opportunity to not only re-visit their collaborative work together (Kaash, zero degrees and bahok) but also includes a new piece of choreography by Akram Khan to a specially created composition by Nitin Sawhney. A Sadler's Wells Production.

Confluence is a Sadler’s Wells Production


Riz MC SVAPNAGATA INDIA FESTIVAL
Friday 27 & Saturday 28 November LILIAN BAYLIS STUDIO
Tickets: £12

Riz MC (aka actor Riz Ahmed) makes sonically innovative and lyrically sharp music. He has topped underground music charts and held a residency at the Southbank Centre, been banned from as well as championed on national radio, supported Mos Def, Dizzee Rascal, and Massive Attack, and played prominent slots at Glastonbury, BBC Electric Proms, and US tours.

Press night: Friday 27 November at 8pm

Carlos Acosta
Apollo and Other Works

Tuesday 1 - Saturday 5 December
Tickets: £10 - £50

Indisputably one of the greatest male dancers of his generation, Carlos Acosta follows in the footsteps of such giants as Nijinsky and Nureyev with a programme of classic and modern works exploring the nature of the male muse in classical ballet.

The evening includes George Balanchine’s Apollo set to Igor Stravinsky’s score, plus Jerome Robbins’ A Suite of Dances and Afternoon of a Faun. The programme also features a specially commissioned new work entitled Young Apollo by choreographer Adam Hougland, set to music by Benjamin Britten.

“Carlos Acosta has always appeared to dance to a more exhilarating rhythm than most; to reflect a hotter, brighter light” The Guardian


Ballet Nacional de Cuba

Swan Lake/ / Magia de la Danza SPRING DANCE AT THE LONDON COLISEUM
Tuesday 30 March - Sunday 11 April 2010
Tickets: £15 - £65

Making its long-awaited debut at the London Coliseum, Ballet Nacional de Cuba presents two programmes, which showcase the company’s unparalleled technique and extraordinary flair for invigorating Western ballets with vivid Cuban passion.

Swan Lake was the first ballet to be performed by Ballet Nacional de Cuba, when Alicia Alonso established the company in 1948. Performed with drama and style, this classic production features world-class performances from the full company of dancers. Magia de la Danza is a mixed bill which brings together extracts from seven of the company's most famous ballets including the Nutcracker, Coppélia and Swan Lake.

These performances feature a full live orchestra and four special guest appearances from international superstar Carlos Acosta, who performs with the company on 30 March and 1, 7 and 8 April. This will be the first time Acosta has ever danced with Ballet Nacional de Cuba in the UK.

 チケットは、5月18日から発売。

 発表されたプログラムの内容にいち早く反応を示したのが、ガーディアン紙。何かというと、サドラーズが招聘する演目における、女性振付家の少なさ。

Dance world 'failing to celebrate women'
http://www.guardian.co.uk/stage/2009/may/11/dance-choreographers-women-sadlers-wells

Where have all the women choreographers gone?
http://www.guardian.co.uk/culture/charlottehigginsblog/2009/may/11/dance-women

The ladies vanish
http://www.guardian.co.uk/stage/2009/may/13/dance-sadlers-wells-southbank

 振付家の「性差」については、この記事が出る前からなんとなく感じてはいた。たとえば、ロイヤル・バレエを例にすると。毎シーズン、新作をひとつは上演しようとしているRB。過去数シーズンを思い返しても、メイン・ステイジでは女性振付家による新作はひとつもないように思う。
 ウェイン・マックグレガーが常任振付家に就任してから、カンパニーで振り付けに興味・才能を示すダンサーの育成に力が入れられている。その目的は着実に成果を示しているようで、来シーズンには若手二人の新作がメイン・ステイジで上演されることが発表された。二人とも男性。

 記事の中で触れられている、「女性は子供を産み、家族の面倒云々」の議論は、的が外れているように思う。この状況がイギリスだけだとしたら、水面下に潜む問題はなんだろう。今年のダンス・アンブレラではこのことが取り上げられるらしい。

チャールズも突き進む:皇太子は熱帯雨林を救えるか?

2009.05.06

(写真はすべてデイリー・メイル紙のリンクから拝借)

 最近、いろいろなことにとにかく関わろうとしている印象があるチャールズ皇太子。昨日、京都イギリスのメディアが派手に報道したのは、約2年前に設立した「熱帯雨林を救うためのチャリティ」への注目を集めるために、ヴィデオを作成した。そのヴィデオの出演者が、自分の息子二人に始まって、ハリソン・フォード、ペレ、ロビン・ウィリアムズ、さらにダライ・ラマまで。王室コネクションって、やっぱり侮れない。



http://www.rainforestsos.org/

 出演者と共に移っているカエルは、映画「黄金の羅針盤」に携わった技術者によるもの。最初見たときは、「よく訓練されたカエルだな」、と思った程よくできている。



 マイスペイスでのレクチャーの中では、チャールズ自ら、「カエルと王子は因縁深いけど」といいつつ、「でもこのカエルは、熱帯雨林を救うための象徴だ」、と。カエルを選んだのは、カエル好きからすれば最良の選択だと思う。
 ちなみにこのレクチャー、とても判り易い。ブリティッシュ・イングリッシュを勉強したい皆さんにはいい教材になるかも。


(ピアスがなんだかとてもいやだ)



 ロビン・ウィリアムズの顔はどうなっているんだろうと思わずにはいられない。ウィリアムズは、昨年のチャールズの還暦祝いの舞台にも出演していた(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-952.html)ので、別に意外ではない。

[BBC]
Rainforest film brings out stars
http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/8033535.stm
Stars campaign for the environment
http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk/8034945.stm
Anatomy of a rainforest
http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/7127687.stm

[The Daily Telegraph]
The Princes and the Frog: William and Harry appear in YouTube video
http://www.telegraph.co.uk/news/newstopics/theroyalfamily/5277404/The-Princes-and-the-Frog-William-and-Harry-appear-in-YouTube-video.html

Prince Charles recruits William and Harry to his rainforest campaign
http://www.telegraph.co.uk/earth/environment/5278361/Prince-Charles-recruits-William-and-Harry-to-his-rainforest-campaign.html

[The Guardian]
Human race threatened by climate change, Prince Charles warns Brazilians
http://www.guardian.co.uk/uk/2009/mar/12/prince-charles-brazil-climate-change-warning

[The Daily Mail]
The Prince and the frog: Charles and Harrison Ford star in film to save the world's rainforests that needs a happy ending
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1177524/The-Prince-frog-Charles-Harrison-Ford-star-film-save-worlds-rainforests-needs-happy-ending.html

 イギリス王室は、インターネットを本当によく利用している。

Bicycling Monarchyの行方:オランダ王室

2009.05.04
日本でも報道された、4月30日にオランダで起きたベアトリクス女王を狙った事件の犠牲者は、警察官を含む6人になりました。また犯人の男性も、事件後搬送された病院で死亡しました。王室メンバーの衝撃も相当なものだと思いますが、僕は、沿道でこの悲劇を見てしまった子供たちへの影響が気にかかります。


(写真左側、赤い帽子がベアトリクス女王)

Speeding car ploughs down onlookers watching Queen Beatrix of Netherlands

http://www.guardian.co.uk/world/2009/apr/30/queen-beatrix-car-deaths
Driver kills four in attack on Dutch Royal Family at public parade
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/europe/article6200367.ece


http://www.guardian.co.uk/world/gallery/2009/apr/30/netherlands?picture=346715385
Queen Beatrix of the Netherlands escapes as car crashes into crowd in Apeldoorn
http://www.telegraph.co.uk/news/picturegalleries/worldnews/5251466/Queen-Beatrix-of-the-Netherlands-escapes-as-car-crashes-into-crowd-in-Apeldoorn.html
(写真リンク。テレグラフのほうはまさに犠牲者をはねた瞬間の写真がありますので)

 王室のある国ですし、またヨーロッパ内、そしてエリザベス女王とベアトリクス女王の親密さ(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-465.html)もあってか、イギリスでもかなり詳しく報道されました。また警護のことを考えれば、他人事ではないでしょう。

 写真を見ていただければ判るように、女王や皇太子夫妻が乗っていたバスのオープンぶりは、日本はおろかイギリスでだったそうそうありえないもの。ロンドンの夕刊紙、イヴニング・スタンダード紙はその様子を「Bicycling Monarchy」と言い表していました。それほど身近に王室メンバーはいると。

 同じ紙面に掲載されていたオランダの報道機関のロンドン在住記者のコメントでは、「Bicycling Monarchy」は事実とは異なるとの指摘がされています。

The nation's special day will be changed forever
http://www.thisislondon.co.uk/standard/article-23684413-details/The+nation%27s+special+day+will+be+changed+forever/article.do

 それなりの警護は必要だから、(恐らく警護が難しいであろう)王室メンバーが「自転車」で街中に出ることは十数年起きていない。しかしながら、ごく最近まで、ベアトリクス女王がヘイグのお気に入りのパティセリーに姿をあらわすことはあった。
 ウィンザー(イギリス王室)と違って、オランダ王室のメンバーははるかに国民に近い存在で、王室を認める割合は87%にも達している(イギリスなんて6割ちょっとだったかな)。でも、それは国民に近づく努力を王室メンバーがしている結果である。警護を必要最低限にすることによって、国民に「王室メンバーは特別ではない」ということをアピールしているから。言い換えれば、警護を厳しくしてしまえば、王室の国民の間の溝は広がってしまう。
 オランダの国会議員のコメントは、国の違いをよく表していると思いました。

You cannot imprison the royal family in a palace.

 ガーディアンの記事では、今年の記念イヴェントの前に、ベアトリクス女王が退位してウィレム-アレクサンダー皇太子に王位を譲るのではないかとの憶測が流れたそうです。ベアトリクス女王が彼女の母親、故ユリアナ女王から王位を継いだのは女王が42歳のとき(1980年)。皇太子は先週42歳になったそうで、憶測が出る下地はあったようです。
 僕は、いずれ王位は譲るにしても、もう数年先ではないかと感じています。ベアトリクス女王が王位に就いたとき、皇太子は既に13歳でした。アレクサンダー皇太子とマキシマ妃の間の第一子であるアマリア王女は今はまだ確か6歳くらい。既に何故自分が注目を集めるかは理解していても、自分のお父さんが「王」になることの意味はまだしっかりとは理解できないのではないかと。昨年、女王が70歳になった時のインタヴューだったと記憶していますが、皇太子夫妻には、「もう少し普通の家族としての生活を送って欲しい」、と答えていました。

http://www.koninklijkhuis.nl/english/
(オランダ王室の公式ウェブサイト)



友人の退院によせて:私的NHS経験その3

2009.05.03


3月12日に病院に連れて行った友人が、漸く退院しました。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-990.html

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-993.html

 上記の2回のエントリでだいたいのことは書きましたが、友人の容態が落ち着いてから僕も看護婦の皆さんからいろいろと話を聞ける余裕が持てたので、もう少し。瑣末なことかもしれませんが、医療現場の違いについてかければなと思っています。

 友人は彼の判断ミスで病院に行くのが遅れたので、命にかかわるほどのものではありませんでしたが、何回か手術を受けなければなりませんでした。最後の手術が結構時間がかかるもので、全身麻酔を施されました。手術自体は上手く進み、友人の体調の回復も医師が安心するほど安定していました。が、術後数日、友人の精神面がかなり不安定なままでした。そんな状況だったので、友人としては特定の看護婦さんに毎日会うことを期待していました。
 ところが、術後数日は毎日尋ねていましたが、友人曰く毎日違う看護婦なので、なんか落ち着かないし、信頼していた看護婦さんを怒らせてしまったのかなと気を揉んでいました。そんなことがあるかと思いつつ、日本だったら例えば「外科」の看護婦はその科に所属しているのではなかったか(コミック「研修医・ななこ」からの知識です)。
 で、一人本当に気さくなちゃきちゃきした看護婦さんと顔なじみになっていたので、ある日、彼等の勤務形態について尋ねました。曰く:1)UCLはフロアごとに看護婦チームが分かれていてフロアの移動はないけど、ある特定の科に所属することない。病棟フロアは大まかに、短期入院と長期入院フロア、それに小児フロアに分かれている。
 2)成人病棟(フロア)は、常に、男性セクション・女性セクションに分かれている。所属するフロアによって若干の違いはあるが、基本的に、女性患者エリア、男性患者エリア専任ということない。例えば、ある週は男性フロアの日勤シフトで、翌週は女性エリアの夜勤という具合。それはUCL特有のシフトなのかを尋ねたところ、大きな病院ではだいたいどこも同じような勤務形態とのこと。彼女によると、「勿論、患者さんを好き・嫌いで判断なんてしないわよ。でも、やっぱり気が合う患者さんにこのシフトは心配させてしまうのよ。私も、辛く感じるときがあるわ」、とのこと。

 二つ目のエントリの写真をご覧いただけるとわかると思いますが、UCL病院は大病院。各フロアがだいたい60床で、12フロアとして700超の病床がいつも満員状態。それほどの規模なので、エレヴェイターはいつもラッシュ・アワー並。友人が6階(日本だと7階)と7階(8階)に居た時は、あまりに込んでいたときは階段を使いましたが、さすがに9階(10階)に移ってからは階段を登るのはやめました。患者や彼等の家族・知人がエレヴェイターを使うのは仕方ないとしても、医師や看護婦の皆さんには、とりわけ下のフロアに移動するときは階段を使って欲しかったです。

 何度か食事のご相伴に与かりましたが、結構いけました。

 退院の数日前に、上級看護婦の方から聞いた話はとても印象深いものでした。長期入院していると、患者の多くは、病棟で受ける24時間の看護を特別なものとして感じられなくなり、帰宅しても同じレヴェルの看護を受けられるのが当然と思いがちになる。でも、患者の家族は「看護のプロ」ではないから、ギャップを受け入れられない患者と家族の間に軋轢がおきることもある。
 そういう状況を少しでも回避する為に、退院の数日前からソーシャル・ワーカーと今後の看護プロセスを確認し、さらに退院当日には必要であればソーシャル・ワーカーが患者の家に赴き、患者にとって家のどこが一番安全な場所かを見極めて、患者自身と家族に看護プランを提案するそうです。このようなことは、日本でも普通なことなのかどうか。
 ま、一番の驚異は、友人は一切医療費を払っていないという現実。

 何度も書いているように、これは極々限定的な見聞なので、NHSのシステム全てができることではないと思います。が、外国の医療システムのなかで、日常レヴェルで起きていることを経験することはまだ稀なことでしょうから、記録として。

初の女性桂冠詩人(Poet Laureate)の任命

2009.05.03
ばたばたしていてすっかりメイ・デイのことを忘れてしまいました。今年は、世界中で盛り上がったことでしょう。最近頻繁に聞いているのは、ソウルフラワーユニオンによる、「聞け万国の労働者」。

 5月1日に、これから10年の「桂冠詩人Poet Laureate)が政府によって任命されました。新聞報道によると、10年前、初めて任命期間が決められたこのポストに誰がつくかが取りざたされたとき、トニー・ブレアが任命に難色を示したとされる、Carol Ann Duffyが、ジョン・ドライデン以来初の女性桂冠詩人となりました。ブレアが抵抗したのは、彼女がホモセクシャルであることを公言していたからだそうです。


(Carol Ann Duffy)

 実は、昨年の秋くらいから、この「Poet Laureate」という言葉を新聞では何度も目にしていましたし、なにを意味するかは理解していました。ただ正直な所、「21世紀になって、桂冠詩人が存在する意義はあるのか?」、との無知蒙昧が先に立ち、全く追いかけていませんでした。

 でも、一応文系の端くれとしては知っておくべきかと思い調べた所、300年を超える歴史があるんですね。1998年に亡くなったテッド・ヒューズまでは、桂冠詩人が亡くなってから次の詩人が選ばれるというシステムだったようです。それが、ヒューズの死後、在任期間が10年と決められ、ヒューズの後任に選ばれたのは、Andrew Motionという方。ええ、全くしりません。

 記事をざっと読んで理解したのは、一応国から給料は出るけど、「名誉職」のようなもの。やることは、王室のイヴェントが有るたびに、書く意思があれば詩を創作するけど、強制ではないようです。でも、今回のメディアの取り上げようをみていると、イギリス文学界においてはかなり重要なイヴェントのようです。

Who will be the new Poet Laureate?
http://entertainment.timesonline.co.uk/tol/arts_and_entertainment/books/poetry/article5233078.ece

Carol Ann Duffy becomes first female poet laureate

http://www.guardian.co.uk/books/2009/may/01/carol-ann-duffy-poet-laureate

First female Poet Laureate named
http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/8027767.stm

'I still haven't written the best I can'

http://www.guardian.co.uk/books/2009/may/03/carol-ann-duffy-poet-laureate

Roll over, Wordsworth: a new generation of poets keep the art alive

http://www.guardian.co.uk/books/2009/may/03/poetry-luke-wright-dockers-mc
(イギリスの若い世代の詩人達)

 どんな詩人がこのポストを務めたのかをウィキペディアで調べた所、殆どがこれまで名前を聞いたことがない人ばかりでした。知っていたのは、ワーズワーステニスンだけ。高校、大学の頃は、背伸びして洋の東西を問わず多くの詩集を読んできたつもりだったので、ちょっとショックでした。洋の東西と言っておきながらですが、イギリスの詩人ではキーツシェリーもろくに読んでいませんが。
 個人的に興味を惹かれたのは、テッド・ヒューズ。この方の詩は全く知りませんが、先日、ヒューズに関わる悲劇が大きく報道されました。ヒューズの夫人は、アメリカ出身の詩人、シルヴィア・プラース(Sylvia Plath)。彼女は、精神を患い自殺しました。そして今年、二人の間の息子(それに娘が一人)が自らの命を絶ち、「プラースの悲劇はまだ終わらない」なんてゴシップ調でメディアは煽っていました。

 「女性」ということについて。このひと月の間に、幸運にもイギリスを代表する三つのCultural Institutionのトップの方に会う機会がありました。全員男性。彼らがその役職についたのは「男性だったから」ということはないと思います。が、文化の世界でも女性がトップの役職に就くことを阻んでいる「見えない天井」があるのかなという印象をもちました。ぱっと思いつくのは、イングリッシュ・ナショナル・オペラロイヤル・バレエくらいですね。

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