LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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2010年02月の記事一覧

スノードロップス、開花

2010.02.27
友人に、送ってくれた写真をブログにアップしたことを伝えたところ(友人は日本語を読めない)、開花した写真も送ってくれた。

Snowdrops open (1)

 昨日は、ロンドンは午後になってとても風が強くなったけど、素晴らしい夕焼けだった。今日は、陽がさしたと思ったら土砂降り、曇りと相変わらずの天気。
 こんなに酷い天気の冬を乗り越えるのだから、春は素晴らしいものになって欲しい。人が期待することを裏切るのがイギリスという国だけど、キューやウィズリーにいくのが楽しみ。


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迷走するイギリス政治:ダーリング財相の一矢

2010.02.26
日本でも報道されている、ゴードン・ブラウン首相のパワハラ。

http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010022501000573.html


 オブザーヴァー紙の記者の本をきっかけに始まったこの状況、イギリス政府だけではなくイギリス政治の末期的様相に思える。あほらしいのまったく追う気はない。笑ったのは、昨日のテレグラフ紙のカトゥーン。



 ブレア政権時ブラウンがそうだったように、まったく日の目を見ないダーリング財相が、自分もハラスメント(の様なもの)を受けたと発言したことを受けてのもの。この発言の裏には、彼のとてもパワフルな奥さんの存在があるからではとの憶測を呼んでいる。いずれにしても、国がよくなる兆候ではない。

 新聞を読んでいると、この問題が発行部数、そして生き残りをかけて新聞同士の戦いの様相も示しているように思えなくも無い。左派のガーディアンは、ダウニング街10番地の職員が、ブラウン首相からのハラスメントについて相談したとされるチャリティの代表が相談者の権利を守らなかったことを大きく取り上げている。右のテレグラフにすれば、上図のようなカトゥーンで労働党を揶揄する絶好のチャンス。個人的には、先週の日曜日から大幅に紙面を改悪したオブザーヴァーを、ガーディアン本体が切り離す可能性もありかな、と想像している。


23 Feb 2010, Nikkei

2010.02.23
*著作権は日本経済新聞社に帰属します。

日経夕刊20100223

春はもうすぐ(と思いたい):スノードロップス

2010.02.23
サリー県に住む友人が、家の前庭に姿を現したスノードロップスの写真を送ってくれた。まだ完全に開ききってはいない様だけど、いつみても可憐な花だと思う。



 例年だと、ロンドンやイングランド南東部では1月下旬ころには咲きはじめるスノードロップス。それが今年は2月中旬。ロンドンは、1月がとても寒かったから個人的にはそれほどの寒さを感じないけど、周りのイギリス人の愚痴は止まらない。愚痴どころか、泣きが入るくらいだし、イングランド北部、スコットランドでは大雪が続いているとの報道。

 それでも、日照時間は長くなっているし、朝、今では7時前には明るくなる。Although you never know about weather in the UK, 春は近いと思う、というか思いたい。

2月11日、12日、13日::食べてわかる、今の東京

2010.02.18
*食べすぎだとは、本人も充分に自覚しています。

2月11日、雨。元同僚と、昨年の夏にロンドンでお会いした方(nenrinyaのバウムクーヘンをいただく)と一緒に表参道のSoba Cuisineの「麓屋 青山http://www.fumotoya.com)へ。表参道で食べる蕎麦ってどんなものだろう思っていたけど、面白かった。蕎麦に行くまでに、サラダ、魚料理、肉料理(イベリコ豚)があってやっと蕎麦。デザートは再び「洋」に戻って五つの選択肢から三つを選べるものだった。蕎麦は、とろろそばを。ロンドンでは、とろろなんて日本食のレストラン以外ではお目にかかれるものではないし、イギリス人に説明できたとしても、何がどう旨いのかを理解してはもらえない食材のひとつだろう。イギリスでも根菜を食べる機会は結構有るけど、国が、そして風土が違うと同じ根菜というくくりでも、ここまで食材の種類が違うのはとても興味深い。なんて御託は抜きにして、とろろの粘っこさに感無量。
 ウェイターの一人は、フランス人の方。流暢な日本語、丁寧なサーヴと、日本社会も少しづつ多様化に向かっているのかなと思う。でもね、出される料理の説明は、しっかりできるようにしておきましょう。

 僕が甘い物好きであることは承知している友人は、食後に和菓子の「」を調べておいてくれた。

http://mamemame.info/index.html

 店自体は、持ち帰りのみだった。けど、引き戸を開けるなりほんわり漂ってくる暖かくて柔らかな小豆の香りがなんともいえず。京都の和菓子屋みたいだなと思いつつ、黒米のおはぎを購入。

 西新宿の日本料理屋で、10月にロンドンで予定されているある仕事について打ち合わせ。それまでロンドンで生き抜いていけるだろうかとの逡巡がある一方で、この仕事に関われることは望外の喜び。上手くいくと信じよう。料理は、僕なんぞが食べていいのかという感じだった。

12日。再び新宿。友人たちへのお土産を物色後、サザンテラスにある「広島ゆめてらす」へ。

http://www.pref.hiroshima.lg.jp/tokyo/index.htm

 今回の「食べなければリスト」の筆頭、カキフライ定食。千円で、熱々のフライが5個にお味噌汁や惣菜がついて、さらに八朔のゼリーというのは本当にお値打ち。日本のランチは地球いちだと思う。

 いったん帰宅。歯医者に行く前に、前日いただいたバウムクーヘンを一切れ。行列が出来るのも納得の美味しさだった。歯医者に行くのは好きなので、治療が食欲に影響を及ぼすことは、無い。

 営業職場で一緒だった皆さんと、青葉台の「東京土三人」へ。

http://www.geocities.jp/tokyodosanjin/

 土地勘の無いところにあるこのようなお店に行くのは楽しい。それにしても、最近の蕎麦屋というのは蕎麦だけが売りではないのだな。一品料理の充実振りに箸が止まらない。友人たちとたくさんのことを話しながらの食事は、一人で食べるのとはまったく違う楽しさ。この夜のキー・ワードは「和に戻る」。

13日。今回の帰国も残すところ後2日。どう変わってしまっているのかをもっと見てみようと、銀座へ。ぶらつく前に、竹葉亭で腹ごしらえ。うなぎの美味しさは相変わらずだったけど、不思議なことになんだか胃袋的にも、気分的にもぜんぜん満足できなかった。

 不完全燃焼のまま木挽町方面に向かって歩く。空き店舗はあるものの、小さな通りの佇まいは、表通りほどのものではないように感じる。なんか食べたりないな、でもうなぎを食べてまだ1時間弱だしなとおもいつつ歩いていると、以前、絶対になかった場所にてんぷら屋があった。「てんぷら 真」。

http://books.bunka.ac.jp/np/restaurant/rec/20091101/

 一応胃袋に尋ねたら、平気だとのことだったのでメニューを確認して店内へ。

Tempura Masa at Ginza



8席のカウンター席だけと本当に小さな店内だけど、美しく輝くテイブルに目を奪われる。ご主人のよどみない所作、給仕する若い男性の颯爽とした物腰、そして静謐な店内。目の前に出された天丼は、美味いとしか。
 開店して8ヶ月ということで、ミシュランには間に合わなかったんですね、なんてくだらないことをいってしまった。でも、お金と時間があればという条件がつくとは思うけど、これほど気軽に美味しいものに出会える東京で、ミシュランなんて必要あるのだろうか。食後のゆずのシャーベットもまた美味し。結果としてうな丼が朝のおやつになってしまった。

2月8日、9日、10日:食べつくせない東京

2010.02.17
2月8日。ようやく少し眠れるものの、何度も目が覚める。ちょっとましな格好だったので、コンラッド東京を覗いてみる。敷居、高し。元同僚の皆さんと、とんかつ屋へ。「ご飯、キャベツ、お味噌汁のお替りどうぞ」って、やっぱり日本の昼の定食の基本だと思う。その後、武蔵野茶房へ移動。自分がどの時代に居るのかわからなくなるような、不思議な雰囲気。

 腹ごなしもかねて徒歩で銀座へ。「ももいちご」のアイスクリームを試すためにハーゲンダッツ、「ラ・メゾン・ギンザ」に。HANAKOで紹介されていた、そのアイスクリームを使った数量限定のデザートをいただく。アイスクリームは確かに美味かった。でも、器に入っているほかのものは余計以外の何ものでもない。特に、一番下に入っていたイチゴのジュレだかペイストは、酸味が強すぎて「ももいちご」の余韻が消し飛んでしまった。紅茶にミルクをのたんだら、またも熱いミルク。
 不満が残ったからではないけど、異質に感じたのは、過剰な、というよりも不必要なほどの対応。たかがといっては失礼かもしれないが、カフェの2階に行くだけのエレヴェイターの前で従業員の方がお客が見えなくなるまで深々とお辞儀したままって、どんな意味があるのだろう。それに、エレヴェイターに乗っているお客の姿を見ることが出来ないほどのお辞儀って、言い換えれば客に何かが突然起きても気づかない、といえるのでは。今回の帰国中に、日本のサーヴィス過剰を何度も感じたし、それを友人たちに伝えた。友人たちによると、それほど過剰なサーヴィスでも、文句を言う人は一向に減らないらしい。
 帰国するたびに思うけど、日本人全員が、政府が負担して3年くらい海外で生活してみるといいのではと考える。どう感じ、何を発見するかは人それぞれだろうけど、日本の生活水準の高さを実感できると思う。

9日。まだまだ時差ぼけ。友人と外苑前でお昼。行ったのは、「礼華 青らん居http://www.rai-ka.com/)」。あまりの繁盛ぶりに、日本は本当に不況の真っ只中なのか?、と。エビチリ定食、これまたご飯が進む。食後は隣のパティセリー、「TAKAGIhttp://www.lplctakagi.jp/top.html)」に移動。僕個人としては、ケイキを食べられる店はケイキ屋と表現したいところだが、パティセリーという単語はもう定着しているようだし。ショートケイキともうひとつを試す。いくつも店舗があり名の知れたパティセリーのようだけど、僕が望む味とはちょっと違う。また熱いミルクが出されたので、冷たいものに換えてもらう。
 さすがに食べ過ぎを体中で感じたので、天気もよかったし赤坂方面へ歩き始める。うまい具合に小腹が空いたら、ニューオータニの個数限定のショートケイキを試したいという魂胆があったのはいうまでもない。が、赤坂見附に到達しても全然隙間が無かったので、諦めて溜池方面に歩を進める。とても暖かい日で、散歩には最適の天気だった。当夜のバレエ公演の前のおやつとして、和菓子の「塩野」で草もちをひとつ購入。
 仕事がらみで大手町に移動。初めて新丸ビルに。ちょうどランチが終わったころあいだったけど、結構な人出だった。Tokyo Soup Stockでビーフ・カレーを試す。打ち合わせ後、五反田へ。日本のスタバには、ペパーミント・ティーが無いことを知る。

10日。やっと熟睡。今回は、夜に行けそうもないことが判っていたので、せめて昼の定食を食べに「烹月」へと逡巡したけど、やっぱりこれを食べずして東京を離れることは出来ないので、赤坂の「和知」へ。

http://r.tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13024362/

 ここのお昼は鉄火丼のみ。値段も、働いていたころからずっと変わらないまま。席に着くまでは「今回は普通盛りにすべし」と言い聞かせていたにもかかわらず、ご主人の「どうしましょ?」に、すかさず「大盛りで」と。ここの酢飯、本当に美味しいし。ロンドンに支店を開いて欲しい。ふらふらと、再び「塩野」に。豆大福と桃山を購入。

 神楽坂が面白いと友人から勧められたこともあり、それならHANAKOが推していたアグネスホテル東京のパティセリー、「ル・コワンヴェール」にいってみようと。

http://r.tabelog.com/tokyo/A1309/A130905/13058480/

 ちょっと道に迷ったものの、無事に到着。店内に入ってみると、すでに幾つかのケイキは売り切れか、残りひとつという具合。中でも、ひとつしか残っていなかったヴィオレがとても美味しそうだったので、店に居た男性の方に絶対に取っておいて欲しいと頼んでからホテル一階のティー・ラウンジに。そのヴィオレフレザリア(ショートケイキ)にレコルト(アプリコットを使った半円形のもの)を食す。ここに来るまでは、「HANAKO、あてにならないな」と思っていたけど、ここは大当たり。ショートケイキは僕の嗜好のど真ん中。



ヴァイオレットはクリームの組み合わせが生み出す味わいが、なんとも形容しがたいほど絶妙。本当に、日本のケイキは素晴らしい。レコルトはケイキの土台部分にお米のパフを使いその上にアプリコットのクリームを乗せて外側はクリームで覆われているというもの。最初の一口では美味しいかどうかが判らず。なので、アプリコットの部分とパフの部分を分けて食べてみると、ぜんぜん物足りない。で、改めてアプリコットの部分とパフの部分を一緒に口にすると一口目では感じられなかった美味しさが口の中に広がる。なんとも不思議な遭遇だった。食後、再び店に戻ると、パティシェの上霜さんが居たのでちょっと話すことが出来た。ティー・ラウンジの雰囲気もよく、今回のスウィーツ探訪をここで終えてもいいかなと思う。

 久しぶりに会う友人と汐留で会ってから再び赤坂へ。福井料理の「若狭http://r.tabelog.com/tokyo/A1308/A130802/13034848/)」で松尾文夫http://homepage.mac.com/f_matsuo/blog/fmblog.html)さんと一緒に、元同僚3人と。カニやブリ大根、さらに鯨の竜田揚げと和食のうまさ、素晴らしさを隅から隅まで楽しみつつこんな不況の時代にこれは許されるのだろうかと本気で思ったのが、最後の鰤しゃぶ。こんな分厚い鰤、あり?!



ここまで食べまくっている自分にそんなことを言う資格はないけど。

2月6日、7日:京都と名古屋も美味しい

2010.02.17
2月6日。新幹線で京都へ。途中、米原付近の大雪で徐行運転。運休にならないだけずっとましだと思うけど、文句を言っている人多数。車窓から見える雪景色は、美しかった。
 
 京都では、元会社の大先輩に会って、一緒にお昼。行ったのは、四条烏丸の美濃吉。ここは名前は知っていたけど、入ったのは初めて。ランチだから瞠目するようなメニューではないけど、使われている器や、料理の見せ方が素晴らしい。ゴマ豆腐の舌触りが最高。でもこのランチの目的は、大先輩に会うこと。ずっと会っていなかったけど、いろいろなことを話すことが出来てよかった。かなり気分が楽になった。

 夜に備えて、腹ごなしのために南禅寺へ。



昔、ほぼ毎年のように通っていた京都だけど、南禅寺には行ったことがなかった。そんな理由だけで何も調べずに行ったのは間違いだった。落胆。方丈を見るのに入場料、山門に登るのにも別に料金と、拝観料金を取りすぎだと思う。これなら清水寺に行っていたほうがよかった。
 裏通りから八坂を抜けて祇園へ。街中を歩いていると、次回の帰国時には東京ではなく京都に滞在するのも良いかなと思い始める。雪の降りが強くなってきたので、清水寺を諦めてホテルへ。

 夜は、寺町今出川にある、「御所雲月」。

http://r.tabelog.com/kyoto/A2603/A260302/26007453/

 そうだろうなと思っていた通り、「できるだけ宣伝しない」という方針の下、ウェブはなし。本当は、北区鷹峰にあるここの本店に十数年ぶりに行きたかったけど、本店は料亭で一人客は取らない。ということで、カウンター席があるこちらへ。 ま、本店は夜に行ったら僕ごときが払える金額ではなかっただろうとも思う。
 席に着くと、調理主任と思われる男性が出てきて、まずは朱色の杯にお酒をいただく。予約した際、コースを選んでおいたので、その後は次々に料理が運ばれてくる。先付けから始まり、全部で8品くらいだろうか。器や料理の盛り方は華美ではないけど、理に叶った(料理の盛り付けにこんな表現はありだろうか?)もので好ましかった。魚は、男性がカウンターの向こう側に小さな七輪(のようなもの)を運んできて、目の前でとても肉厚なうなぎを炙ったもの。プレゼンテイションは決して派手なものではないけど、使われる食材の旨さを舌だけでなく、目でも存分に味わえる。ちなみに、足元は床暖房になっていて、心地よかった。
 とてもおいしかったのは、野菜の炊き出しの中に入っていた大根。使われただしの味付けもさることながら、大根そのものの味が、なんとも柔らかくてちょっと言葉を失う。青菜の上に載っていた山椒がこれまた良い塩梅。熱々の鴨鍋を食べ終わるころにはすでに充分。



にもかかわらず食事の〆の鯛ご飯もすっかり完食。果物、有名な蕨もちと続き、今晩の食事の選択は間違っていなかった。

 食事の合間に調理主任から女性一人客は結構いるけど、男性の一人客はとても珍しいとおそわった。来たかった理由を伝える。今ではどの媒体だったかは思い出せないけど、雲月のことを知ったのは、大女将のインタヴューを読んだからだった。女将は、かつて相国寺の典頭(字、これであっているか自信なし)だったとのこと。写真では、ミッソーニのセーターをすっと着こなし、背筋をきりっと伸ばして座っている。京都の老舗料亭の女将でありながら、洋装というそのイメイジのアンバランスに興味を惹かれ、ちょうど親族が京都に住んでいたころだったので、お昼を2度試したことがある。そのいずれも、京都の老舗料亭のお昼の充実振りとリーズナブルな値段(確かどちらも一人5,000だったような)に大満足だったので、今回久しぶりに京都に来ることになったのでどうしてもまた来たかったというと、嬉しそうだった。大女将は、昨年の秋に亡くなられたそうだ。
 インターネット上での評価では給仕の仕方がいまひとつという意見が少なからずあるけど、僕は、それほど目くじらを立てるほどのものかと。料理について質問があれば尋ねればいいだけだし。実際、尋ねたら丁寧に答えてくれた。いち観光客として残念だったのは、その夜に出された食事の品書きがなかったこと。当日に入手した食材によって変更があるにしても、調理主任が墨と筆ですっと書いたものが想い出ように欲しかったな。

2月7日。ホテルで朝食。じゃこがうまくてご飯が進む。京都駅に早めに着いたので、ホテル・グランヴィアのカフェ、「ル・タン」でショートケイキとモンブラン。可もなく、不可もなく。紅茶にミルクを頼んだら熱いのが出てきた。何故?

 順序が逆だろうと自分で突っ込みを入れながら、京都の観光ガイドブックを物色。写真満載だし、情報も充実しているけど、あることに気づいた。昔、通いつめたお寺のことを掲載しているガイドブックがほぼ皆無。辛うじて常照皇寺は一冊が掲載していたけど、雲ケ畑の志明院大悲山峰定寺について書いているガイドブックは見つけられなかった。特に後者は、冬場と雨の日は入山できない上に、現在はどうなっているかは判らないけど十数年前は寺へ行けるバスの運行が日に4本だけと条件が厳しいから万人向けとは言いがたい。でも、そのような寺を紹介してこそ、京都観光の楽しさをもっと伝えられると思う。

 名古屋へ移動。名古屋では、知らない人はいないほどよく知られているらしい、台湾料理の「味仙」へ。何もかもが美味かったけど、とりわけラーメンの辛さは絶品だった。駅弁は、総じて水準がかなり下がっているように感じた。

2月5日:美味しい東京

2010.02.17
2月5日。早起きして、というかほとんど眠れぬまま、朝9時に新橋で元同僚と待ち合わせ。彼女と最後に会ったのは、10年前のブリュッセル。すぐわかるかなとちょっと心配だったけど、杞憂だった。この朝の目的は、築地市場でうまいすしを食べる。彼女の友人と一緒に3人で。 以前佃島に住んでいたにもかかわらず、築地市場に足を踏み入れるのは今回が初めて。同僚のお勧めは、大和寿司

http://r.tabelog.com/tokyo/A1313/A131301/13002389/

 到着したときには、20人くらいの行列があった。意外と表現するのは認識不足なのかもしれないが、ガイドブックを開いて待っている韓国人や中国人観光客が結構いることに驚いた。
 20分少々並んで店内へ。選んだメニューはおまかせ。オオトロから始まった握りは至福としか言いようがない。おしゃべりしつつもしっかり味わって食べている女性二人をよそに、目の前に置かれるや否や、口に運ぶ自分。食べるの早すぎとよく言われるけど、一応、自分なりに味わっているつもり。ウニもえびも、かんぱちも全て旨かった。物足りない、というよりもっともっと新鮮な魚を食べたかったので、ロンドンではめったに店先で見ることのないタコ、見かけるけど生でなんて絶対に食べる機会の無いホウボウ、そしてたらの白子。誰かが、日本語には食事の美味しさを表現する形容詞が少ないといっていたと記憶しているけど、大和寿司での至福の時間はまさにそう。「旨い!」としか言いようがない、けどそれで充分とも思う。

 まだ時間も早かったので、僕の希望で日比谷のペニンシュラ東京に移動。1階のロビーでお茶。相変わらず、日本で飲む紅茶の値段は高過ぎると思うけど、かなり濃く出ていたので味には満足。ペニンシュラが香港からということから考えると、このクラスのホテルであればイギリスでは普通のラプサン・スーチョンがメニューに無いのは意外だった。ロビーの入りは、7割強といったところ。朝食を食べている人たちの半分以上は外国からの宿泊客のようだった。僕たちの後ろに座っていた華僑系と思われる夫妻が、食後に羽織っていた毛皮の厚さに、ここは日本ではないと感じる。ランチ時間が近づくにつれて、女性客が一気に増える。ランチメニューに¥2,200と¥2,900のものがあり、これが人気らしい。

 いったん戻ってから、再び銀座へ。メイン・ストリートの荒廃ぶり、つまり変わりように悲しくなる。外堀通りを新橋方面に歩いて、新しいケイキ屋、「風と土」を発見。

http://www.kazetotsuchi.com/

 ショートケイキがとてもうまそうに見えたので、その場でどうしても試してみたかった。が、あいにく店はテイク・アウェイだけ。でも、夜はそのまま居酒屋だったので、無理にお願いして店の片隅にある、デコレイション用、且つ事務用のテイブルでショートケイキ、モンブラン、そしてイチゴを使ったタルト(の様なもの)を食す。美味しいケイキに巡り会うためなら、人の目なんて気にしない、気にならない。

Cakes at Kase to Tsuchi

 クリームは、いずれも水準高し。惜しかったのはモンブラン。周りのクリーム、ちょっと硬すぎてフォークを入れるとばらばらになってしまう。もう少ししっとり感があればよかった。新橋に向かう前に、瑞花でロンドンでのおやつを購入。

 夜は、ロンドンでお世話になった皆さんと新橋の居酒屋、「舞浜」へ。

http://r.tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13013868/


 いろいろなレヴューで書かれているように、魚や焼き鳥がとてもおいしかった。いつもは手が伸びないつくねも、香りに誘われて食べてみると、思いのほか美味かった。他に、刺身やコロッケ、新鮮な野菜を使った料理等々を腹いっぱい食べて、これ以上食べられないし、最初から飛ばしすぎてもと考えていったんは遠慮したおにぎりを、最後にしみじみ味わう。デザートは、イチゴ。最近、イギリスで食べるイチゴの味は、数年前に比べると格段によくなっている。けど、 やっぱり日本のイチゴが世界一。

 丸一日、話して、食べて、飲んでとこれまでの一時帰国のときと同じことをしているにもかかわらず、違った気分なのは、やっぱり歳の所為だろうか。食べすぎと時差ぼけでまたも眠れず。

マニュエル・ルグリの新しき世界:Bプロ

2010.02.09
いつものことだけど、忙しい事を言い訳にして演目や出演者について、さらにルグリがなぜこのプログラムに取り組むことを決めたのか知らないまま観た。だから、偏見かもしれないし、見当違いなのかもしれない。

 前半、アニエス・ルテステュがパトリック・ド・バナと踊り始めて真っ先に感じたのは、『こんなレヴェルのパートナリングでルテステュの相手をしていいのか?』、ということ。身体はバレエ・ダンサーのそれだし、踊りが下手ということではない。単に、彼自身のことしか考えていないようにしか見えなかった。

 後半、ド・バナによる振り付け『マリー・アントワネット』の幕が上がって、『このプログラムは、僕にとっては失敗だった』。そう思ったのは、ド・バナのタトゥー。左肩のものだけでも十分余計な『個人情報』なのに、衣装のすそから見えるタトゥーからは、そのタトゥーが彼の性器周辺まで施されているであろうことを読み取れてしまう。

 タトゥーを入れることは個人の判断。だから、誰が何処に入れようが全く関心はない。しかしながら、その『個人』の情報が舞台で踊られるバレエに、何の意味があるのか?たとえば、『マリー・アントワネット』創作の最大の目的が、そしてインスピレイションのきっかけが、ド・バナのタトゥーだった。そういうことはありえるだろう。何がバレエ創作のきっかけになるかなんてこと、誰にも、振付家だって予想できないことだろう。
 だけど、生ぬるい振り付けからは、ド・バナのタトゥーがそこに無ければならない意義は一切感じられなかった。ただの、雑音。
 たとえ短いモダンやコンテンポラリーでも、バレエは総合芸術。ダンサー、衣装、舞台セット、振り付け、音楽、そして照明。これらの要素をつなぎ合わせて一つだけでは作りえないものを、それ以上の何かを生み出す舞台に不必要なものを持ち出すこと、持ち出されることほど興ざめなことは無い。

 上野水香さんの踊りは初めて観た。彼女のダンサーとしてのオーラより遥かに強く、観客側から瞬時に感じたのは、「彼女の踊りに心からの拍手なんて、絶対に送るものか」という意思。上野さんが上手いのか下手なのか、疎まれているのか愛されているのかは全く知らないけど、客席のテンションが一瞬にして下がったようだった。
 上野さんのダンサーとしてのキャリアを知らないので踊りのできにはコメントしようがないけど、気になったことが二つ。回転していても、跳躍していてもなんだか膝から下が緩いというか、きちんとコントロールされていないというか。崩れているとうわけではないけど、しなやかという印象ではなかった。
 シューズは硬いのがお好きなのかな。ダンサーの好き好きだからそれは良いとして、カーテンが降りてから、上野さんが何処をどう歩いて、何処の位置にある階段をどうやって下りているかがわかってしまうほどの音を立てる歩き方、というのは一考してみてもいいのではないかと。

日本のケイキは日本が誇る和食

2010.02.05
前夜、ネットでチェック・インをしたとき、ヘルシンキ・東京間は手続きができたけど、ロンドンとヘルシンキ間のチェック・インが結果に反映されなかった。やり方を変更して出てきた情報では、ロンドン・ヘルシンキ間のステイタスがビジネスになっていて、かつ「ヒースローではBAのカウンターに行け」とのこと。
 ビジネスだったらそれはそれでラッキーと思いつつ、ヒースローへ。いってみると、なんだか知らないけど、BAとのコード・シェアになっていた。結局先方の間違いということ。ま、たった3時間のフライトだし、欧州内のBAのフライトであれば、ビジネスとエコノミーの差は、まずい食事かとてもまずい食事のどちらか、という些細なこと。
 はらはらしたのは、そのBA離陸が20分も遅れた。予定ではヘルシンキでの乗り継ぎは1時間も無かった。友人・知人いわく、ヘルシンキ空港は大きくないからとのことだけど、さすがに予定出発時刻から20分遅れになろうとしたときには、だめかなと。
 結局、偏西風が強かったようで予定の10分遅れで着陸したのはいいけど、乗り継ぎ便のゲイトが一番奥のものだったので、かなり走った。

 ヘルシンキ空港で感心したのは、降雪の処理。窓から見ると、滑走路脇の降雪は数メートルもあったようだ。にもかかわらず、飛行機が滑って転んで大惨事、なんてことからは程遠くとてもスムースなオペレイション。もちろん、環境の違いによる経験の違いということもあるけど、たった数センチの雪でうろたえるヒースロー、およびイギリス各地の空港は見習うべきだろう。

 フィンエアは、かなり良かった。正直、機内のデザインは無機質に感じられたし、キャビンクルーのサーヴィスも最小限。ある意味、BAと似たようなもので、必要以上にかまわれないという感じが個人的にはとてもよかった。BAとの大きな違いは、日本人クルーだけでなく、フィンランド人クルーを含むすべてのキャビンクルーがとてもフレンドリーということ。キャビンクルーと話して、リンゴンベリーがフィンランドでとてもポピュラーな果物であることを知った。

 東京の印象は、まるで『外国』。言葉は判るけど、些細なことでも戸惑う。この過剰なお詫び、サーヴィスに慣れてしまうと、イギリスに戻れなくなりそうな気がしてしまう。
 東京都内に入ると、景色の変わりように驚くことが増える。とりわけ秋葉原駅の変わりようといったら。東京にいたころは『帰省』という言葉から湧き上がる感情を理解することは無かったけど、帰省に伴う懐かしさと喪失感とはこんなものか。

 銀座ウロウロしていて、銀座三越で堂島ロールを購入。その後有楽町に移動してラ・メゾン・ドゥ・ショコラ(http://www.lamaisonduchocolat.co.jp/)でホットチョコレイトを試した。ねっとりした甘さに、国によって嗜好が違うことを感じる。美味しかったけど、もうちょっと量がほしかった。ヴァレンタインの狂騒を控えて、イート・インはお休み中で、テイク・アウェイのみ。三省堂書店で、HANAKOの「東京スイーツ」を購入。

 帰宅。帰国初日のお楽しみは、地元肉屋の餃子。うまかった。見計らったように、空港から送ったスーツケイスが宅配便で届く。イギリスではこんなこと、ありえない。どうしてこんなに素晴らしいことができる日本、日本人が今、元気がないように見えるのは、とても不思議だ。

 堂島ロールは、確かに美味しかった。でも、クリームの味、食感は微妙に自分の満足感からは、ずれている。お試しということで、2度と買うことはないかな。食後、HANAKOを熟読。プリンのステイタス向上、種類の豊富なことがとても新鮮。うまいショートケイキは、どこで食べられるだろう。

シルヴィ・ギエムの新しいDVD

2010.02.01
今頃、どこでどんなダンスを踊っているのかな、とふと思って久しぶりにギエムのウェブにアクセスしたら、飛び込んできた画像はこれだった。Amazon UKの情報だと発売は昨年の10月とのことだけど、まったく知らなかった。


(表紙)


(裏側)

http://www2.deutschegrammophon.com/special/?ID=sylvieguillem

 中身は、本編よりギエム自身のコレクションからのボーナスのほうが凄すぎる。

EXTRAS
Guillem over the seasons Guillem im Wechsel der Jahreszeiten · Guillem au fil des saisons
Romeo & Juliette (1998)
Sylvie Guillem 1:34

Manon (1991)
Sylvie Guillem · Laurent Hilaire 6:04

Don Quichotte (1998)
Sylvie Guillem · Nicolas Le Riche
With the voice of Ghislaine Thesmar 8:03

Don Quichotte (1999)
Sylvie Guillem 1:02

Don Quichotte (1998)
Sylvie Guillem 1:06

In the Middle Somewhat Elevated (1988)
Sylvie Guillem · Laurent Hilaire
Choreography: William Forsythe 2:10

La Belle au bois dormant (2000)
Dornröschen · The Sleeping Beauty
Sylvie Guillem · Nicolas Le Riche · Laurent Hilaire 4:43

Herman Schmerman (1994)
Sylvie Guillem · Marc Spradling
Choreography: William Forsythe 3:52


 特に最後から二つ目の「眠り」。この面子はどこで実現したんだろう。「今」のギエムのローズ・アダージョが観たいぞ!無いものねだりだけど、ロビンスの「コンサート」と、アシュトンの「田園のひと月」があれば。

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