LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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2013年01月の記事一覧

2013.01.29 スリーピング・ビューティーbyマシュー・ボーン@サドラーズ
2013.01.29 お願い、イギリスに来ないで!:迷走をするイギリスの移民政策
2013.01.28 世界を席巻する日本食:未来世紀ジパングのロンドン取材に参加して
2013.01.28 オランダのベアトリクス女王、4月30日に退位
2013.01.28 1月28日の未来世紀ジパング
2013.01.27 ブロガー、レストランでの写真撮影禁止か?
2013.01.27 イギリスの相続の取材に同行:遺言状を書いても死ぬ訳ではない
2013.01.27 猫は不眠症にはならないだろうな
2013.01.27 東京を歩く外国人、ロンドンを車窓から知る日本人
2013.01.26 ロイヤル・バレエ・ダンサーたちの美麗驚異写真
2013.01.23 撤回するなら言うな:麻生氏「さっさと死ねるように」イギリスでも報道される
2013.01.22 ニュー・ジーランドで、猫論争
2013.01.22 服を買い漁る男たち、服を買わない女性
2013.01.21 ポジティヴ・サイコロジィが見たJAL再生
2013.01.20 ブログはまだまだ廃れていない:イギリスにおけるCreative Writing
2013.01.20 ヒースロー空港は大混乱だけど、大雪のロンドンは美しい
2013.01.20 大阪市民の皆さん、立ち上がらないんですか?
2013.01.20 世界はどこに向かっているんだろう?
2013.01.18 セルゲイ・フィーリン, ボリショイ・バレエ芸術監督が襲撃受ける
2013.01.18 これは広告として正しいのか?:ヴァージン・アトランティック
2013.01.15 世界の話題:1月15日
2013.01.13 トリプル・ビル(ライモンダ他)@ロイヤル・バレエ
2013.01.13 フランスは、ドパルデューが本当に必要なのかな
2013.01.12 ロイヤル・オペラの新たな挑戦:新しいオペラをたくさん
2013.01.12 クロスワード・パズルの答えで自身の癌を発表:How British!
2013.01.12 ジミィ・サヴィルによる児童虐待の報告書が発表に
2013.01.12 キャサリン妃の初めての公式肖像画
2013.01.09 150th Anniversary of London Underground
2013.01.08 Yo!Sushi 初体験
2013.01.08 The Wind in the Willows 再び、三たび

スリーピング・ビューティーbyマシュー・ボーン@サドラーズ

2013.01.29
昨年12月から約2ヶ月のロング・ラン公演だったマシュー・ボーンの新作、「スリーピング・ビューティ」が1月26日にロンドン最終公演になりました。イギリスで最も成功している振付家というのは全く大げさではなく、マチネを含めて全公演が完売状態、且つ批評家の評価も高く、大成功でした。

 初日に最前列で観たときは、ボーンが書き直した物語がすぐに頭にはいりきらなかったのですが、最終日は舞台全体がよく見える席だったので初日に感じた違和感の説明もつき、大変楽しめる舞台でした。まずは、あらすじ。

 1890年、ある嵐の夜、カラボスが王の住まいの前に赤ん坊を置いていく。その女児はオーロラと名付けられる。

 オーロラは元気に育ち、1911年、21歳の誕生日を祝うガーデン・パーティが開かれるている。その場に、追放の地で無念の死を迎えたカラボスの息子が、手に黒い薔薇を持って現れる。庭師の青年と相思相愛のオーロラだが、その黒い薔薇の刺が刺さり命を落とす。しかし、リラの精(実際の役名は違っているかもしれないです。ちなみに、男性が踊ります)が現れ、オーロラが100年の眠りにつき、彼女が目覚めるときに庭師の青年がいられるように、彼の首に噛みつきヴァンパイアにする。

 100年後の2011年、青年は目覚めるが、彼とオーロラの間に立ちはだかるのはカラボスの息子。カラボスの息子は目覚めたオーロラを奪い去る。彼がオーロラを殺めようとする刹那、リラの精と青年が現れ、オーロラを救う。
 ベッド・インしたオーロラと青年。アポテオーズが流れる中、妖精たちに導かれて現れたオーロラと青年の間には彼らの子供が。子供の手をとり、幸せでいっぱいのオーロラと青年。

 初日の前に怒濤のように掲載されたボーンへのインタヴューを読んで、ヴァンパイアの要素がかなり盛り込まれているのは知っていたのですが、リラの精が青年の首にかぶりつく場面は、すぐには納得できなかったです。もう一つ強烈な違和感があったのは、黒い薔薇を手にして一度は意識を失ったオーロラが息を吹き返す場面は、眠りというよりも「ジゼル」の狂乱の場のようでした。

 ジュテの要素は多少ありましたが、フィッシュ・ダイヴも、ローズ・アダージョ(音楽はあり)がない割には、よくできた舞台でした。「眠りって、こんな解釈もありなのか」と感慨に耽りながら思い出したのが、ロンドン到着直後、偶然テレビで放送されていたマッツ・エクによる「眠り」。確か、オーロラが麻薬中毒のシングル・マザーという設定で、「これはバレエじゃない、バレエじゃない」と思いつつ観ていたような。今なら、エクの「眠り」を受け入れることができるかなと。

 しかしながら、この舞台の真の主役は、人形による赤ん坊。黒子三人によってまるで本当に生きているように、とても自然に操られる赤ん坊が舞台狭しと動き回るたびに、客席からは拍手。最後、親子三人の姿には、誰もが驚いたことでしょう。

 ボーンの「スリーピング・ビューティ」、いずれ日本公演もあると推測しますが、いつになるかの情報は見つかりませんでした。日本でのボーンの人気は高いようですから、それほど遠くないことだと思います。

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お願い、イギリスに来ないで!:迷走をするイギリスの移民政策

2013.01.29
昨日のガーディアンの一面下に、以下の記事が掲載された。一読、冗談かと思った。

Immigration: Romanian or Bulgarian? You won't like it here
http://www.guardian.co.uk/uk/2013/jan/27/uk-immigration-romania-bulgaria-ministers

 イギリス、およびEU加盟国に住んでいない人にはすぐには判らないかもしれないが、2013年末で、ルーマニア、およびブルガリアからのマニュアル・ワーカーのイギリスでの就労を制限していた特別期間が終了する。この制約が終わりになったとたん、両国から移民が押し寄せるのではないかと危惧するイギリス政府が、「イギリスは、あなた方が期待する様な素晴らしい国ではない」というネガティヴ・キャンペーンを展開するかもしれないというもの。

uk-yuk-001.jpg
(ガーディアンから拝借)

Negative ads about Britain: it's not as if we're short of material
http://www.guardian.co.uk/uk/shortcuts/2013/jan/28/negative-ads-about-britain

Putting people off coming to Britain: your pictures
http://www.guardian.co.uk/uk/gallery/2013/jan/29/immigration-britain-ministers-gallery

 本当に、やりそうな気がする。一方で、イギリス、将来に向けてどのように国を発展させたいのか、維持していきたいのかの根本の思想を失いつつあるようにも思える。やはりガーディアンから。

Controversial Chelsea Barracks scheme on hold as UK economy stalls
http://www.guardian.co.uk/uk/2013/jan/28/qatar-halts-chelsea-barracks-scheme

 投資目的でイギリス国内の著名な企業や土地、建物を買い漁っていたカタール資本が不透明感が急速に深まるイギリス経済を懸念して、再開発目的で取得したチェルシィの超一等地を手放すかもしれないという報道。

 自分の思い通りにならないし、来て欲しくない移民がいるからEUを脱退したいとごねる傍らで、期待を寄せていた遠方からのお金がはいって来ないかもしれない。ネガティヴ・キャンペーンをわざわざしなくても、金融立国になりたいイギリスの足もとは揺れているのではないだろうか。

世界を席巻する日本食:未来世紀ジパングのロンドン取材に参加して

2013.01.28
各方面に、自分の貢献がどれだけだったのか判らないまま騒いでいたテレビ東京の「未来世紀ジパング」が取り上げた海外の日本食事情、放送されました。と言うことで、ほぼ初めての経験だったテレビの取材を観察して体験したことを。これから書くことの主な情報は、「未来世紀ジパング」の取材に参加した過程で得たものであり、著作権はテレビ東京に帰属します。

http://www.tv-tokyo.co.jp/zipangu/backnumber/20130128/

 どうしてかかわることになったかというと、ディレクターの方がロンドンにおける日本食事情をリサーチされていたときに、このブログが目に留まったそうです。それで質問をいただいて、質問に答えるくらいならいくらでもとこれまでの経験を書いたポストを参考になるかと思って送ったところ、ロンドンで直接話を聞きたいとの依頼をいただきました。
 僕がカウンセリングに使っているオフィスで会って少し話して終わりかと思っていたのですが、都合が良ければ日本食のレストランで話を聞くことはできますかと言うことになり、結果として、面白い経験になりました。

 最初に訪問したのは、イギリス全土に展開する、YO! Sushi。正直に言うと、自分から行こうなんて思ったことは全くないです。初めての経験でどうなるかと思ったのですが、前向きなことから言うと、刺身等の素材の質はとても良かったです。特にさすがイギリス、サーモンの切り身の鮮度は自分の偏見を恥じたほど。映像で流れたようですが、握りの上に乗っかっていたマンゴー(切り身だけを食せばです)もけっこういけるものでした。
 僕がどうしても駄目だったのは、ご飯。多分、どこか海外で栽培された日本米で米自体には問題ないと思うのですが、炊き方が基本の部分で何かがおかしいと。不味い、というのではなく、これまで培って来た味覚に、僕の舌の味蕾に適合しない。友人からのメイルで、映ったようですがラーメンをも食しました。感想は、控えます。最近、ロンドンではラーメン屋の開店ラッシュなので、そちらを試した方がいいかなと。

http://miklos.asablo.jp/blog/2012/12/21/6666489

 テレビの取材を間近で見聞することはとても面白い経験でした。漏らさず多くのことをできるだけ取材するという真摯な姿勢には感心しました。また、彼らの取材がYO!Sushiで働く皆さんにも高揚感をもたらしたようでした。たいした用もないのに何度もカメラのそばを無関心な表情で行きつ戻りつする若者を観ていると、このようなテレビの取材って、今でも人の好奇心を大いに刺激するんだなと。

 まだ放送を観て居ないので取り上げられたのかどうかは判りませんが、Yo!Sushiのあとにもう一軒、面白い「日本食」のお店へ。店の名前は、Yoobi

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/8361678161/in/photostream

 このお店は、コーディネイターの方が以前から気になっていたお店とのことでした。ちなみに、コーディネイターの方の仕事も素晴らしいもの。コーディネイトを請け負うことを止めて正解でした。僕の性格ではできないとても細やかで、忍耐のいる仕事です。

 このレストランのアイデアの発祥の地は、ブラジル。取材のあとに、ブラジルと太いつながりのある友人に尋ねたところ、彼の地では手巻き寿司はとても人気があり、「TEMAKERIA」という手巻き寿司バーがたくさん有るそうです。
 このSOHOのレストランが更に面白かったのは、オーナー。20代後半のスイス人の男性で、中学から高校の頃は、東京で暮らしていたそうです。どうしてこのような情報を知ったかというと、彼がトマトを「トメイトォ」とアメリカ英語の発音だったので、「国籍、どこ?」という話をふりだしにけっこう話が盛り上がりました。東京で見聞した日本食の素晴らしさを、新しいかたちでロンドンで展開したかったのだそうです。
 昨年の5月に営業を始め、かなり評判がよいらしく、今年の初夏をめどにロンドン市内の別の地域に2店目を開店する予定だそうです。また、可能であれば年末までにアラブ首長国連邦のドバイにも開店する話があるそうです。どうして何かもがドバイに行くんだろうと思いつつ、店内にいたアラブ系の男性が話しかけて来て、その男性がドバイにおけるビジネス・パートナーとのことでした。
 店内の雰囲気はロンドン市内にある「キチン」とした他の日本食レストランとは全く違うカジュアルなもの。また、今のところ、メニューも9品目だけ。と言うことで更に質問しました。

It seems to me you would expect your customers to stay here no longer than 20 minutes. Am I wrong?

 ちょっと驚いたようですが、その通りだと。ブラジルでのテマケリアは、外出の途中でちょっとつまむものというコンセプトだそうです。

 食材、本当に新鮮で美味しかったです。試したメニューの一つが、サンドライ・トマトにクリーム・チーズを手巻き寿司でと言うもの。日本に帰国したときには絶対に試さない組み合わせと思いつつ一口食べたところ、これが思いのほか美味しかったです。素材の良さもあると思いますが、ご飯とサン・ドライトマトが口の中で良い具合に混ざり合いました。

 取材の中で伝えた僕自身の考え、特にロンドンにおける日本食レストランは、大きく二つのグループに分けられるのではないかと。YO!Sushiの様なレストランは、選択肢が多いロンドンでは日本人にアピールしないかもしれない。でも、日本に行ったことはないけど、日本食には興味があるし、気楽に体験してみたいという人には敷居が低くて体験しやすいのではないか。
 既に日本に行って和食を実体験し、その思い出をロンドンでも再現したいという人、そして日本人向けには、そのような高い期待に応える日本食レストランがロンドンには何軒もある。そんな区分けができているのではないか、と。

 昨年の夏に行って、ロンドンでもこんなに高い水準の寿司が食べられるのかと感心した、鮨徹

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1724.html

 現在も凄まじい人気ぶりで、予約は三ヶ月前に。ご主人を始め、お店の方はとても良い方ばかりですが、三ヶ月前に予約しなければならないのなら日本に帰るまで待つというのが本音。

 以前、ユーストンにあった栞寿司さんは昨年11月にベイズウォーターに移転し、本格的な京懐石メニューを始めたそうです。

http://theshiori.com/

 こちらはこちらで、以前の様な気楽に行ける金額ではないですが、近いうちに試してみたいと思っています。

 ラーメンよりも蕎麦、蕎麦よりも饂飩という僕には、KOYAの存在はとても大きいです。

http://www.koya.co.uk/

 関西出身の友人曰く、「うどん屋で待つなんて許されない」とのことですが、それだけ日本人以外にも人気が定着したということ。最近では、いつ行っても常に混んでいます。

 あと、パリのサンジェルマンにあるそばレストラン、「円」も面白かったです。2年前の夏にパリに行ったとき、アメリカ英語ばりばりのフランス人の友人と一緒に行きました。日本人女性のウェイトレスの方がフランス語でそばや天ぷらの説明をするのがとても新鮮でした。目の前にある天ぷらが、フランス語による説明で別のものに見えた気がしました。

 番組予告の説明の中で触れられている「日本食は儲かる」と言う点は僕に判断できません。でも、裾野は確実に広がっていると思います。2011年12月にマルセイユ市内に初めて宿泊したとき、繁華街の一角で回転寿司の店を見つけたときは、驚きました。はいりましたよ。そこでも、果物が握りの上にのせられていました。他方、大皿に20個以上盛られたとろの握りを一心に食べている(おそらく)フランス人男性の姿には、和食もここまで広まっているのかと感じました。

 僕のロンドン生活はたかだか10年ちょっとですが、それでも、日本食レストランの質の向上には目を見張るものがあり、日本食の魅力を正確に伝えたいという人は着実に増えていると感じます。壁は就労ヴィザですが、日本食を通じて日本の実力を世界で高めたいのであれば、国がそのような壁を切り崩す役割をしてもいいのではないかと思います。

オランダのベアトリクス女王、4月30日に退位

2013.01.28
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(ガーディアンから拝借)

報道を読むと、オランダ国内では青天の霹靂ではないようだけど、オランダのベアトリクス女王が、2013年4月30日に退位することを発表した。

ベアトリクス女王のスピーチ
https://www.youtube.com/watch?v=G75hVJiEWHU

Queen Beatrix of the Netherlands to abdicate for son
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-21237254

Queen Beatrix of the Netherlands abdicates in favour of son
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jan/28/queen-beatrix-netherlands-abdicates

Queen Beatrix of the Netherlands - in pictures
http://www.guardian.co.uk/world/gallery/2013/jan/28/queen-beatrix-netherlands

Queen abdicates in favour of her middle-aged son! (no sorry, Charles, not THAT queen, the one in Holland)
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2269665/Queen-abdicates-favour-middle-aged-son--sorry-Charles-THAT-queen-Holland.html
(チャールズさんに対して失礼なタイトル)

 僕が知る限り、3代続いた女王が途切れる。象徴とはいえ、国のシンボルの性別が変わることでオランダに何か新しいことが生まれることもあるのではないか。

 ベアトリクス女王の母親、祖母ともに自ら退位しているので、オランダ王室のことを知っている人には驚くことではないのだろう。僕が思うに、もう一つ、大きな理由があるように感じる。

Dutch coma prince 'should leave UK so he can die' in Netherlands
http://www.standard.co.uk/news/london/dutch-coma-prince-should-leave-uk-so-he-can-die-in-netherlands-8099209.html

 ベアトリクス女王の次男のフリソさんは、雪崩に巻き込まれて昏睡状態のままほぼ一年。記事は昨年の夏のものだけど、女王は可能な限り彼の見舞いのためにロンドンを訪れているとのこと。
 おそらく、彼の延命措置は終わりに近いのかもしれない。母として、息子のそばにいたいというのもあるのかなと。

1月28日の未来世紀ジパング

2013.01.28
テレビ東京が毎週月曜日に放送している「未来世紀ジパング」。

http://www.tv-tokyo.co.jp/zipangu/

 大きな事件がない限り今夜、1月28日の午後10時から放送されるであろう、海外での日本食事情。パリだけでなくロンドンでの日本食レストランについても報道されるようです。

ブロガー、レストランでの写真撮影禁止か?

2013.01.27
今日のサンディ・テレグラフを読んでいて、どきりとした記事。

Eat and then tweet, the modern way to dine out that's driving chefs to distraction
http://www.telegraph.co.uk/foodanddrink/9828766/Eat-and-then-tweet-the-modern-way-to-dine-out-thats-driving-chefs-to-distraction.html

Leading chefs have observed a rising number of customers taking photographs of their meals for social media profiles or blogs, to the irritation of other guests.

レストランで食事をしていて、運ばれて来た料理の写真を僕もたまに撮る。必ず、レストランには確認して、駄目と言われたらとらない。本文に書かれている例は、極端なもの。

“The food bloggers who are there to review the meal for their own website are the worst,” he said.

“I couldn’t believe it when one diner got out an SLR camera, put the flash on and started taking pictures of the dishes from every angle,” he said. “It was just astonishingly brash.

“They hadn’t asked our permission and the person next to them, who happened to be a regular customer, complained about it.


 これは撮影しようとした人に問題ありだと思うけど、折角作った料理の風味が変わらないうちに味わってもらいたいであろう作り手側からすると、食べないで写真を撮り、すぐさま携帯電話に没頭する客には残念に感じるだろうし、腹もたつだろう。

 僕は自分の一挙手一投足をネットにアップする気は毛頭ないけど、これは思い出として写真に残しておきたいと思う料理の写真は撮りたいかな。ただ、写真を撮るなというのであれば、行かなければいいだけなのだろう。

 記事の後半では、客が写真を撮ることを擁護、もしくは歓迎する料理人の言葉がある。これはこれでほっとするけど、やはり写真を撮る場合は、レストランに尋ねるというのは基本のマナーだと思う。

http://doraku.asahi.com/lifestyle/chotto/index.html

イギリスの相続の取材に同行:遺言状を書いても死ぬ訳ではない

2013.01.27
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2013年1月9日と16日、日本経済新聞の朝刊に、「英米流相続の知恵」という特集記事が掲載されました。

http://www.nikkei.com/

 公共の図書館で読めるかもしれないですが、ご興味のある方は、購読を検討してみては。

 この記事のロンドンでの取材に、通訳として同行することができました。元々、日常生活にかかわる経済・金融情報には興味があるので、依頼を受けてからも更に情報収集はしたのですが、結果として、とても有益な経験でした。これからは書くことは、日本経済新聞社のの取材に同行して得た情報が中心になり、原則、同社に著作権は帰属します

 コーディネイト業務は、現在、全くやりませんが、まず取材のとっかかりとして、イギリスの一般的な法律情報を上手に説明できる人に会って話を聞くことは役に立つかもしれないと考え、シティのロウ・ファームで国際弁護士として働く友人に依頼しました。

http://www.faegrebd.com/donald-stewart

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/7706584654/in/photostream/

 ドナルドの専門はEU関連でだそうですが、FTに寄稿するなど専門知識を広く伝えるという技術は卓越しているのと、余暇ではプロのヴァイオリニストして活動していて人当たりも良いので、いい人選だったとおもいます。

 ドナルドの話や、他の専門家へのインタヴューから得た情報を僕なりにまとめると、イギリスにおいては、特別なものに限らず、何かを特定の人に必ず残したいのであれば、最も効力を発揮するのは、法的に認められた「遺言」であると。

 ドナルドへのインタヴューの中で、イギリスってやっぱり変な国と思ったことの一つは、「遺言」がなく、また相続人が確定できない遺産は、Duchy of Lancasterのものになると。取材には関連なさそうだったので、あとからWikipediaで調べてみたのですが、さっぱり判らない団体です。
 
 1月9日掲載の記事にチャートで示されているように、イギリス国内で、非課税になる相続金額の上限は一個人につき32万5000ポンド。しかし、配偶者、シヴィル・パートナーシップによって認められた同性のパートナーへの非課税額はこれが2倍になります。この非課税額が2倍になることで陥りやすいのが、相続税を払わなければならないときに、資産を不動産、つまり居住している家の価格に頼り、キャッシュ・プアという状況を理解していない人がけっこういることだそうです。相続税が派生した場合、税金を納めるのが先ということを知らない人は多いようです。

 ドナルドを始め、僕が通訳として同席したインタヴューの中で多くの人が相続と同じくらい、これから多くの人考えなければならないだろうと強調していたことは、上昇を続ける学費をどのように用立てるかということ。
 2013年9月入学から、スコットランドにある大学に入学するスコットランド人の学生(彼らの学費は無料)以外の学生の学費の上限が、それまでの3倍弱の£9,000−になり、多くの親にとって、また学生にとっても高等教育を受けることは贅沢なこと、また高等教育を受けることは、学生になってすぐに大きな債務を抱えることになります。
 教育費のために、利子が非課税になるジュニアISAという金融商品があるのですが、これを始めるのは、子供が誕生してすぐにでないと賄えないのではないか、というのが多くの人が感じていることのようです。最近の日本の報道によると、日本では祖父母が孫の学費を払う場合の贈与税が免除になるとか。

 きちんとした統計は存在しないように思うのですが、遺言状の作成をネガティヴにとらえる人はイギリス国内でも多いようです。参考にした情報先です。

http://www.lawsociety.org.uk/for-the-public/common-legal-issues/making-a-will/

https://www.gov.uk/make-will/overview

http://www.bbc.co.uk/news/magazine-15368029

 「遺言状を書いたらすぐに死ぬのではないか」、また「遺言を残さなくても、家族は僕/私がどうしたいかを理解している」という反応が多いようです。しかし、先に書いたように、資産・財産の多少にかかわらず、「これは必ず、この人に残したい」ということを遺言状に書き記し、遺言から利益を得ない二人の署名とともに弁護士が法律に則って作成した遺言状だけが個人・故人の遺志を実行できるとのこと。寿命が伸びているのが主理由ではないそうですが、遺言は5年に一回書き直す、見直すのが理想だそうです。

 ある方が、相続税を家族に払わせたくないのであれば、非課税上限額だけを遺言で残し、あとはチャリティ団体に遺贈すればいいと仰ったのは、僕の中では腑に落ちることでした。というのも、日本の文化・芸術団体がどのようなことをしているか全く判りませんが、イギリスでは、規模の大小にかかわらず、遺言に「遺産を私たちに贈ることを検討してほしい」というパンフレットやメッセイジを頻繁に目にします。

 世界中で資産運用、その維持、そして増やすことに関しての法律や商品はめまぐるしく変わっていると考えます。その流れを、個人ですべてを把握するのはほぼ不可能でしょう。だからこそファイナンシャル・プラナーがいる訳ですし、イギリスの各銀行も資産運用や投資の相談には積極的です。
 2013年1月から銀行における資産運用の相談が有料になりました。これは、一つには専門家がその専門の知識を「売る」のだから当然という見方があります。しかしながら、別の視点として、有料にすることで銀行・専門家側の商品販売における「責任」を明確にすると言うことも考えられます。
 イギリスの銀行業界を大きく揺るがしたのは、LIBORの不正操作だけではないです。Payment protection insurance (PPI)を間違って売りつけたとして、現在、その損害処理に巨額の費用がまわされています。このPPIの請求を代行する業者からのスパム・メイルを目にしない日はないくらいです。やったもん勝ち、ばれなければ何をしてもいいとすら考えているのではないかと思えるイギリスの金融界を上手く使い分けるのは個人には難しいことだと考えます。

 今回の取材に同行して、一つ強く感じたことがあります。それは、イギリスから階級社会は無くならない、ということ。よい、悪いではなくイギリス国内に揺るぎなく存在している。階級社会の弊害を問いたいのであれば、現在の資本主義、金融至上主義社会を本気で変えようとしない限り、階級社会の本質は何も変わらないのではと感じました。

 興味があっても専門ではないのでいくつかの用語、状況は初めて遭遇するもの。中でも、何それと思ったのが、Power of Attorney。保険業界で働く友人によると日常茶飯事の用語らしいです。

https://www.gov.uk/power-of-attorney/overview

 日本での成年後見人制度とは、本質的に違うのかなと思います。

 この自分の考えをまとめるにあたって感じたのは、遺言の内容を考え、作成することは家族のことを考えるだけでなく、自分を見つめ直すことにもなるのではということ。人生に区切りを付けるという意味ではなく、自分が積み重ねて来たことを書き記し、それによってこれから何をしたいのか、何ができるかを考えるきっかけになるように思います。

 通訳は、今でもたまにします。勉強にもなるし、今回のように面白い経験にもなるので。ただし、高いですよ。実働時間だけでなく、事前の調査時間とか内容によっては長時間かかるので。現実として、流暢な英語をしゃべれる日本人、日本語を話せる・理解するイギリス人はたくさんロンドンにはいるはずですから、先にそのような人に連絡した方がいいと思います。

猫は不眠症にはならないだろうな

2013.01.27
スクリーンショット 2013-01-27 12.09.44

どんなに疲れていても、8時間で目が覚めてしまうのは不公平だと、猫を観ていると感じる。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157632618805253/

 でも、書くことがあって、それを書く機会と手段をまだ持っていられることは、とても幸運なこと。

東京を歩く外国人、ロンドンを車窓から知る日本人

2013.01.27
昨日、慌ただしい朝を過ごしていて、外出から戻ってから気がついたガーディアンの記事。

Walking Tokyo: from Mount Takao to the megacity
http://www.guardian.co.uk/travel/2013/jan/26/walking-tokyo-mount-takao-megacity

Our new weekly series kicks off in the biggest city of all, with Marcel Theroux taking a 40-mile walk across Tokyo, revelling in its mix of modernity and tradition, and meeting some of its 30 million residents

 どうやら、ガーディアンが土曜日の旅セクションで新しく始めたらしい、「世界の巨大都市を歩く」企画の第一弾に選ばれたのが東京。高尾山から歩いて、3泊して日本橋に到達するって、僕なら考えもしない。でも、読んでみるととても面白かった。読者フォーラムへの書き込みに書いたように、以下のパラグラフがいい観察だと思う。

No one greeted me, no one tried to talk to me, no one ripped me off, and I never ate a bad meal. It seemed perfectly natural for a gaijin (literally, an outside person) with no Japanese and a big backpack to be yomping through the drizzle.

 この人、帽子をかぶっていたら、すぐに外国人とは見分けがつかないかなと思う。他の人がフォーラムに書いているように、日本には暴力が存在しない、というのは現実ではない。でも、やっぱり、日本を訪れる人には、記憶に長く残る様な体験をしてほしい。書き込みにリンクした築地市場の写真。

場外
http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157629801290185/


http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157629801295073/


 朝、慌ただしかったのは、天気がよかったのでオーヴァーグラウンド(地上鉄)の周回路線を試したかったから。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1830.html

 ウィルスデン・ジャンクションからシェパーズ・ブッシュへの車窓からの眺めは、一時住んでいた周辺を上から眺めることができて面白かった。地上鉄が整備されて、ハムステッド周辺の住んでいる人たちにとって、ロンドン西部へのアクセスが便利になったように感じた。

 クラッパム・ジャンクションからペカム地域の車窓は、僕にとっても新しい眺め。遠くにシャードは見えるけど、路線脇にあるのは普通の住宅街。古い町並みの中に突然現れる崩れそうなビルの隣に、斬新なデザインのマンション。ロンドンが変化しているのは中心地だけではないことを知る。

 慌ただしい日程の方にはお勧めのロンドン体験ではないけど、大都市の多様性に興味がある人には地上鉄でのロンドン周遊は面白いかもしれない。

 お知らせ。テレビ東京が毎週月曜日に放送している「未来世紀ジパング」。

http://www.tv-tokyo.co.jp/zipangu/

 大きな事件がない限りおそらく放送されるであろう、海外での日本食事情。パリだけでなくロンドンについても報道されるようです。

ロイヤル・バレエ・ダンサーたちの美麗驚異写真

2013.01.26
RoyalballetYanowsky.jpg
(セナイダ・ヤナウスキィby Rick Guest、イヴニング・スタンダード紙から拝借)

会員向けのロイヤル・オペラ・ハウスの雑誌に告知があったのだけど、すっかり忘れていた写真展。昨晩のイヴニング・スタンダードに掲載されたので観て来た。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/8416272461/in/photostream
(会場の入り口)

http://gallery.thehospitalclub.com/default/artists/now-is-all-there-is?artist=102#.UQOQm-ji1aV
(価格が出ています。表記の金額にVATが加算されると思う)

Royal Ballet dancers the subjects of new photography exhibition
http://www.roh.org.uk/news/royal-ballet-dancers-the-subjects-of-new-photography-exhibition

Power and beauty: Ballet stars’ strength in motion is captured by photographer
http://www.standard.co.uk/news/london/power-and-beauty-ballet-stars-strength-in-motion-is-captured-by-photographer-8466732.html

The stars of the Royal Ballet are athletes more “hardcore” than Olympians and football’s biggest names, according to sports photographer Rick Guest.

Guest said he was bowled over by the physical prowess of dancers including Zenaida Yanowsky, above, Edward Watson, top right, and Johannes Stepanek, right, who he captured in motion for a new exhibition.

He found the dancers more impressive than his normal subjects such as Cristiano Ronaldo. “When they’re right in front of you doing something, it’s such an experience. To say I’m smitten barely covers it,” he said. “They don’t look like athletes because their job makes it look effortless.

But the reality is they’re hardcore athletes. There are girls who look so tiny that if you touch them you’ll break them and they do things no burly rugby player would dream of. They are breathtaking.”

Guest, 45, has spent his career photographing Manchester United stars, the England rugby team and athletes from diver Tom Daley to Jessica Ennis for advertising campaigns. Dancers, he says, “can repeat their moves time and time again in a way footballers can’t because they’ have no 3D visual awareness of what they’re doing.”


 あまりにもいじりすぎている写真には全く興味を惹かれなかったが、上に挙げたヤナウスキィの写真のように、ダンサーの動きをなんとか映し出した様な写真は美しかった。ヤナウスキィからは、シンメトリィとア・シンメトリィが交錯しながら調和していて、次元が違う「美」を観ているよう。会場で配られていたパンフレットによると、この写真の価格は£2,500−、プラスVAT。既に売約済みの印がついていた。

 会場には、「メタモルフォーシィス:変身」とタイトルが付けられたエドワード・ワトソンの写真もあった。背骨があるにもかかわらず、無脊椎動物の様な姿を捉えた写真。これは、3月にリンベリィで上演予定のダンス作品に関連している。この作品、先シーズンに上演されて、大絶賛の嵐。3月のチケットはあっという間に売り切れ。コンテンポラリィ・ダンス、そして何よりワトソンの驚愕のパフォーマンスを観たい方は、毎日リターンを狙ってみる価値はあるかも。僕も前回観られなかったので、どのような舞台なのかは判らない。楽しみ。

MetamorphosisWatson.jpg
(前回の舞台写真)

 写真展は明日まで。ロンドンにいるバレエ、ダンス・ファンの方には面白い展示だと思う。

撤回するなら言うな:麻生氏「さっさと死ねるように」イギリスでも報道される

2013.01.23
麻生氏「さっさと死ねるように」 終末医療で発言、その後撤回
http://www.47news.jp/CN/201301/CN2013012101001752.html

麻生太郎副総理は21日午前の社会保障制度改革国民会議で、高齢者などの終末期医療に関し「いいかげん死にたいと思っても『生きられますから』なんて生かされたんじゃかなわない。しかも政府の金で(高額医療を)やってもらっていると思うと寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらわないと」と述べた。

 発言について、麻生氏は午後「公の場で発言したことは適当でない面もあったと考える。当該部分については撤回する」とのコメントを発表。「一般論ではなく、個人的なことを言った。終末医療のあるべき姿について意見したのではない」と記者団に釈明した。


この発言、先週、性差別報道で大失態を犯して挽回に励むガーディアンが掲載。

Taro Aso: the Japanese politician who wants older people to 'hurry up and die'
http://www.guardian.co.uk/world/shortcuts/2013/jan/22/taro-aso-japanese-politician-hurry-die

 麻生氏も、首相時代よりも注目を集めて満足だろう。

 政治家の質は何も変わっていない。選んだのは僕たち。


[追記]
 共同通信の記事の下の読者フォーラムを読んでかなりひいた。Hate commentばかり。尊厳死について提起する様なコメントがあると思ったのだけど、なかった。

ニュー・ジーランドで、猫論争

2013.01.22
New Zealand cat lovers pounce on eradication campaign
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jan/22/new-zealand-cat-lovers-campaign
Gareth Morgan provokes anger after urging cat owners to neuter their 'killer ball of fluff' to save country's bird population

ペットは無闇に捨てないように。

 大家の猫は、完璧なindoor cat。

スクリーンショット 2013-01-23 7.57.20

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157632581613327/

 僕の飼い猫ではないけど、猫のいる生活は面白い。ちなみに、大家の出費は半端ではないので、ペットを飼うこと自体、贅沢なことになりつつあるように思う。

服を買い漁る男たち、服を買わない女性

2013.01.22
社会を動かす様な大きなニューではないが、今月上旬に掲載された消費に関するニュースで面白い記事を二つ読んだ。

The neo dandies: what does it take to be a modern man about town?
http://www.guardian.co.uk/fashion/2013/jan/06/new-dandies-mens-fashion

 洋服を買い漁るイギリス男性のことをまとめた記事。日本の実家に、袖を通したことのないジャケットやシャツが今でもある自分の身を振り返ると、他者のことをどうこう言う資格はない。それに、ファッションに無頓着と言われ続けて来たイギリス男性諸氏が、身なりをスマートにと言うのは、見た目向上甚だしい。
 他方、記事を読むと、イギリスって本当に大不況のまっただ中なのかと疑問に思わずには居られない。次々と倒産する大手小売り企業のニュースとはまるで別世界のよう。

 偏見があることは承知で、消費にかかわるニュースは、イギリスでも大方は女性が主役。女性たちが消費を牽引することで、経済が動くという印象は常にある。しかしながら、消費に振り回される生活に「Enough!」と声を上げた、ある女性の一年間の取り組みを紹介する記事。

How I gave up retail therapy and learned to love mending
http://www.guardian.co.uk/money/2013/jan/04/how-gave-up-retail-therapy

 新しい洋服、下着だけでなく、チャリティ・ショップのセカンド・ハンドの商品を含めて、2012年の1年間、いっさい洋服や携帯品を買わないと決めた女性の取り組み。
 大前提として、無駄なお金を使わない、使えないという理由はある。買わないだけなら多くの人ができるだろうが、筆者のように傷んだ洋服を自分で繕える人は少ないだろう。この点は簡単には真似できないように思う。

 でも、取り組みとして面白い。彼女一人の変化ではなく、家族や友人たちが、当初は懐疑的だった態度から、次第に彼らなりの変化を見いだしていく。

As well as being life-changing, the last year has helped my bank balance. I've saved at least £100 a month, while my fashion-conscious daughter, soon to be 15, remarked that when we go shopping I have more time to spend on her. But, unusually for a teenager, she has been taking the message on board, even though she needs new clothes as she is growing at a rate of knots.

Meanwhile I have been discovering new pleasures, such as finding items (things like mohair sweaters and velvet tops) in storage which are so old they are back in fashion again. I admit I am lucky not to have changed in size over the years.


 同じ様なことをして、筆者が書いている様ないいことばかりがあるとは限らない。でも、試してみても害があるとも思えない。ものに踊らされることを良しとしない人が増えたとき、キャピタリズムにも変化の波が押し寄せるか。

 上記の文脈からは飛躍するかもしれないが、イギリスのチャリティの一つ、オックスファムが先週末に発表した世界規模の貧富の差の報告書。

Annual income of richest 100 people enough to end global poverty four times over
http://www.oxfam.org/en/pressroom/pressrelease/2013-01-19/annual-income-richest-100-people-enough-end-global-poverty-four-times

The $240 billion net income in 2012 of the richest 100 billionaires would be enough to make extreme poverty history four times over, according Oxfam’s report ‘The cost of inequality: how wealth and income extremes hurt us all.’ It is calling on world leaders to curb today’s income extremes and commit to reducing inequality to at least 1990 levels.

The richest one per cent has increased its income by 60 per cent in the last 20 years with the financial crisis accelerating rather than slowing the process.


 この不均衡、不公平の始まりはいつ、どこだったんだろう。

ポジティヴ・サイコロジィが見たJAL再生

2013.01.21
先に書いておくと、タイトルは僕の本意からは少し距離があります。でも、日本の企業をヨーロッパ人はどうとらえるか、という一例として紹介。

 以下のポストを送ってくれたのは、ポジティヴ心理学に傾倒するイギリス人の友人。彼は心理学者ではないが、ポジティヴ心理学を牽引するアメリカの心理学者の大ファン。

Beer and Philosophy: Engagement Japanese Style
http://positivepsychologynews.com/news/bridget-grenville-cleave/2013010725067

By Bridget Grenville-Cleave

In the UK business community there is a growing interest in the topic of employee engagement, sparked by a government-commissioned report in 2009, Engaging for Success: Enhancing Performance through Employee Engagement. In November 2012 the report’s authors, David MacLeod and Nita Clarke, established a group called Engage for Success (EfS) which describes itself as a “movement committed to the idea that there is a better way to work, a better way to enable personal growth, organizational growth and ultimately growth for Britain by releasing more of the capability and potential of people at work.”

Anything linked to higher performance, productivity and profit (and making companies more recession proof) is going to interest business leaders. Not surprisingly, how to engage staff in the workplace is making waves in many organizations big and small. It’s also becoming an important topic in positive psychology (for example see the work of Wilmar Schaufeli at the University of Utrecht or the chapters devoted to employee engagement in the Oxford Handbook of Positive Psychology and Work).

But are we over-intellectualizing engagement?

As is the case with many management-related topics, much has been written about employee engagement by various gurus, consultants and HR practitioners which isn’t necessarily evidence-based. A recent discussion in the EfS LinkedIn Group started with the question, “Are we intellectualizing employee engagement too much?” Perhaps, it was suggested, it’s a management capability that some managers ‘get’ because they’re naturals at people-related stuff. And maybe there are other managers who just don’t get it, no matter how compelling the business case?

The question was prompted (not entirely tongue-in-cheek I believe) by a BBC article about the turnaround of Japanese Airlines Company (JAL), which had filed for bankruptcy in 2008 with debts of $25bn, yet by 2012, was back in profit and relisted on the Tokyo Stock Exchange. How had it re-engaged employees and achieved this remarkable turnaround in such a short space of time?

JAL’s remarkable recovery, it seems, is to a great extent attributable to the actions of its Chairman, Kazuo Inamori, who was appointed in late 2009. Leaving aside the fact that, had JAL been a Western company, Inamori would never have got the job on account of his age (80 years old) and lack of aviation experience (prior to joining JAL, he had precisely none), I’m not sure his management techniques would have been endorsed by many Western leaders either. According to several news reports, what Inamori did to re-engage employees and lead JAL back into the black was to insist on compulsory philosophy sessions for all staff, washed down with free beer.

I was so intrigued by this story that I wanted to delve a bit deeper. Having recently stumbled on Honda’s connection with positive psychology, I hoped Kazuo Inamori’s business philosophy might yield some positive psychology gems too.

In a section on his website entitled ‘philosophy keywords’ Inamori outlines his approach to running a business with employee happiness at its heart. Although he doesn’t use positive psychology language, there is a great deal which is based on its principles, for example:

Passion and Meaning

In a section called ‘aim high’, Inamori talks about the need for passion, keeping energy levels high, and having a cause at work to elevate us. Whilst not referring explicitly to flow or strengths, this section captures the essence of performing meaningful work, which we now know is linked to increased well-being.

Optimism and Pessimism

For effective business planning he recommends the following: “Conceive optimistically, plan pessimistically, and execute optimistically“. According to Inamori, it’s essential that we master the ability to switch viewpoints, from optimism to pessimism, and back again to optimism. I really liked this advice; it reminded me of Philip Zimbardo and Ilona Boniwell’s research into time perspectives which suggests that a balanced time perspective (the ability to move between future, past and present orientations) is linked to greater well-being.

Leading a Wonderful Life

In a section on elevating our minds, Inamori suggests the following behaviors:

Having an open mind
Being humble, thankful and cheerful
Acting with a loving, sincere, and harmonious heart

Again, although there’s no overt reference to positive psychology, what springs to mind are the VIA character strengths of open-mindedness, humility, gratitude, optimism and love.

It All Comes Down to Employee Happiness

In an interview earlier this year Inamori told the Wall Street Journal:

When I first came to JAL, I told executives that we have to state the management’s philosophy and share that with everyone at the company. I also told them we don’t need many statements. One thing we need to say is that the management’s goal is to pursue the happiness of all employees, both physically and mentally…That was what it all came down to.

It wasn’t for shareholders, and it wasn’t for executives. It was for all the employees working at the company. We put that at the very beginning of our philosophy statement. ‘This is your company, and its goal is to make all of you happy.’

To share the idea that the company’s goal is to make all employees happy is a prerequisite, before sharing any other ideas. The whole philosophy wouldn’t work without this prerequisite.


Going back to the Engage for Success question about whether we’re over-intellectualizing employee engagement, positive psychology’s answer is definitely ‘no’. Although positive psychology didn’t exist as a science for the larger part of Kazuo Inamori’s career, the roots of much of what he recommends can be found in its research and evidence base.

I’ve no idea how many of the UK’s business leaders will read Inamori’s management philosophy, ask their managers to study it or apply it to their companies, but they probably should. They might opt for handing out free bottles of beer though. Despite some considerable time searching, I’m afraid we still don’t know what brand he supplied.


 
 面白い試みだと思って読み始めたけど、僕にはとてもぬるい内容に思える。日本理解の参考になるとは感じられない。それに、著者自身のリサーチが全く欠落しているので、どうしてこれを書きたかったのかが見えない。心理学関連の論文やエッセイで「research and evidence base」がでてくると、統計で得られたのであろう数字と推測を一般論として「事実」とする姿勢には詭弁を感じる。

 欧米が日本を見ている一例として。

ブログはまだまだ廃れていない:イギリスにおけるCreative Writing

2013.01.20
今朝、オブザーヴァ紙を読んでいたら、以下の広告が目にとまった。


Blogging for absolute beginners
Think you might want to start a blog, but baffled by the jargon and stuck on where to start? This masterclass is for you

 ガーディアン/オブザーヴァだけかどうかは判らないが、ガーディアンは積極的に「マスター・コース」を読者に売り込んでいる。それに対して別に反対意見はないのだが、初めて目にした「ブログ初心者コース」の詳細を観て、ちょっと驚いた。

Blogging for absolute beginners
http://www.guardian.co.uk/guardian-masterclasses/beginners-blogging-course-february

Think you might want to start a blog, but baffled by the jargon and stuck on where to start? This Masterclass may well be for you.

A blog is a website where you can easily publish text, images, video and audio. During this weekend course, you'll build a new blog from scratch – learning how to change the design and styling, upload your content, and maintain the site yourself rather than relying on somebody else.

The course will be be taught using WordPress. This is a free to use piece of software – which means everything you learn on the course can be used later, without any expensive software.

This Masterclass is for beginners, so no prior knowledge is required.

Topics covered will include:
- Jargon and terminology
- Twitter, Facebook and social media basics
- Creating a new website with a custom domain name
- Publishing text, images and multimedia
- Changing the style and design of your site


 ここまではいい。

Date: Saturday 23 and Sunday 24 February 2013
Times: 10am-5pm
Location: The Guardian, 90 York Way, King's Cross, London, N1 9GU
Price: £300 (inclusive of VAT, booking fees, lunch and refreshments)
Maximum class size: 16


 ブログをどうやって始めるかを学ぶために£300−?!ガーディアン、マーケティングをきちんとしたのか?ブログの人気が陰っていると言われている日本で、これからブログを始めたい人がこれほどの授業料を払うのか。

 と驚く一方で、何となく納得するのは、イギリスで暮らす人のコンピューター知識の差の大きさ。コンピューターを利用できること自体が贅沢・高価になっている現代、コンピューターが一家に一台なんて時代ではないのかもしれないと感じることがある。

 僕は、イギリスに来た当初、寂しさを紛らわすために日常で感じたこと、見つけたことを書き始めた。それをまとめてブログにした程度なので、教えられる様な、誇れる様な書く技術は持っていない。
 
 ずっと書き続けて来て考えるのは、書くことで自分を知ることができるということ。

 年末のガーディアンにこんな記事が掲載された。

Writing exercises help jobseekers find work, claims government's nudge unit
http://www.guardian.co.uk/politics/2012/dec/30/jobseekers-dole-nudge-unit-psychology

From then on, each time they went to the centre they were encouraged to write down what they hoped to achieve the following week, rather than justifying their previous performance in applying for jobs.

A source said: "We asked them to write these commitments in a way that is supported by the behavioural literature, making the commitments specific, including a 'how', 'what', and a 'when'."


 長く職に就いてない人たちに、認知行動心理学を元にして何を成し遂げたいのかを「書く」ことで、就職率を向上させているというニュース。認知行動心理学が万能という気はないが、「書く」ことによって自分が何をしたいのかが理解できる、というのは興味深い。

 イギリスでは、Creative writingやCritical writingのコースの人気が高い。僕はそのようなコースに参加したことはないけど、たまに、「クリティカル・ライティング」を「批判すること」に集中しているととらえる人がいることを聞く。
 僕個人の考えにすぎないが、「クリティカル」というのは自分に向き合うことだと思う。なぜ自分がある主題について書きたいのか、なぜ批評したいのか、その批評はどこに向けられているのか。そのようなプロセスを経て、自分の思考が更に見えてくる、そのような書き方だと思っている。

 ブロガーの皆さん、書き続けましょう。つぶやきの後塵を拝するなんてつまらない。それに、それこそほんのたまにだけど、興味深い経験ができることもあり得る。

ヒースロー空港は大混乱だけど、大雪のロンドンは美しい

2013.01.20
スクリーンショット 2013-01-20 16.38.07
(2013年1月20日、バッキンガム宮殿の前)

金曜日から断続的に雪が降り続けているロンドン。金曜日と土曜日は降ったり止んだりだったけど、日曜日の今日は、朝からずっと降り続けている。たまに一気に雪が降って交通網が大混乱、もしくは不能に陥るロンドンだけど、週末だからか、ロンドン中心は至って普通だった。

 こんな機会は滅多にないだろうということで、カメラを携え、雪のロンドンを散策。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157632570081916/

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157632570092464/

 ヒースロー空港はたった5センチの雪で大混乱という体たらく。

Severe weather in London
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-london-21106718

 リージェント・パークからバス(453)でピカデリィまで下って、バッキンガム・パレスへと約2時間の散歩。予想していたよりも多くの観光客、雪道の散歩を楽しむ人でにぎわっていたロンドン。

 ロンドンを美しいと思うのも今日だけかな。雪の予報は今日まで。明日、月曜日の朝のラッシュ・アワーには何が起きるのだろう。

大阪市民の皆さん、立ち上がらないんですか?

2013.01.20
17日の記者会見で橋下市長は「(桜宮高は)子どもを迎えられる態勢ではない」などと述べ、「(それでも反対なら)選挙で僕を落とす手段が与えられている」と話した。
(読売新聞、2013年1月18日の記事から引用)

大阪市民の皆さん、立ち上がらないんですか?これ、皆さんが選んでしまった、選ばれることにしてしてしまった公僕から、「リコールしたければすればいいけど、ふぬけの大阪市内の選挙民はそんな勇気も行動力もない」、と言われていると思う。ここまで見下されてなお、この人でいいんですか?

受験生罪ない…募集中止要請に抗議続々
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20130118-OYT8T00245.htm

大阪市立桜宮高校の2年男子生徒(17)が体罰を受けた翌日に自殺した問題を巡り、橋下徹市長が同高体育系2科の募集中止を市教委に求めたことに対し、「無関係の受験生を巻き込むのはおかしい」などの抗議が相次いでいる。

 橋下市長は17日も持論を曲げず、教育現場の困惑がますます広がっている。

 市教委によると、橋下市長が今春入試での募集中止の意向を表明した15日以降、113件のメールや電話があり、うち95件が「受験生には罪がない」「子どもの夢を摘むのか」などの反対意見だった。市のホームページなどにも意見が200件近く寄せられた。

 17日の記者会見で橋下市長は「(桜宮高は)子どもを迎えられる態勢ではない」などと述べ、「(それでも反対なら)選挙で僕を落とす手段が与えられている」と話した。

 さらに、橋下市長は、市教委が2科の募集中止を拒否した場合、対抗措置として「予算執行権をきちんと行使する」と述べ、市立高の今年度の入試関連予算の残り約130万円を支出しない可能性に言及した。

 あわせて要求している、桜宮高の全教員約70人の異動についても「最低限、体育会系のクラブ活動顧問の入れ替えが必要だ。春に顧問が残っているようなら、体育教師分の人件費を出さない」と述べた。市教委によると、同高で運動部に関わる教員は56人を数え、人件費は年間約3億9000万円にのぼるという。

 市立中学の校長会は17日午前、「影響は非常に大きい」として、2科の募集実施を求める要望書を市教委に提出した。橋下市長は、こうした動きについても、「そういう校長はいりません」と、ばっさり。受験生の声をくみ取ったものでは、との記者の質問にも、「一番重要なのは亡くなった生徒のこと。(受験生は)生きてるだけで丸もうけ。またチャンスはある」と反論した。
(2013年1月18日 読売新聞)


>生きてるだけで丸もうけ
 多くの人が今回の悲しい出来事に戸惑いつつも、前進しようというときに、何をどう考えればこのような卑しい言葉が出てくるのだろう。

世界はどこに向かっているんだろう?

2013.01.20
gas-pistol-bulgaria-dogan-008.jpg
(ガーディアンから)

Gas pistol pointed at Bulgaria party leader
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jan/19/bulgaria-gas-pistol-politican

 マリ北部のイスラム過激派に刺激されたのではないかとの推測があるアルジェリアでのテロだけでない。イギリスで、日本で、世界の多くの国で社会の中の様々な不均衡による事件が続発している。

 世界はどこに向かっているのか?

 マリという国については何も知らないに等しい。でも、書きたいことが一つあるので時間を見つけてかければなと。

セルゲイ・フィーリン, ボリショイ・バレエ芸術監督が襲撃受ける

2013.01.18
What's is going on in the Bolshoi Ballet?

ボリショイ芸術監督が襲撃受ける 顔に酸性液、怨恨か
http://www.47news.jp/CN/201301/CN2013011801000917.html

【モスクワ共同】バレエの世界最高峰の一つ、ボリショイ・バレエ団のセルゲイ・フィーリン芸術監督が17日深夜、モスクワの自宅近くで何者かに強酸性とみられる液体を顔に掛けられ、やけどを負って入院した。インタファクス通信などが関係者や警察の話として伝えた。

 ボリショイ内部に詳しい筋は、フィーリン氏はダンサーの配役や昇進を強引に進めたため一部で不満が高まり、ボリショイを離れるダンサーが相次ぐ異例の事態になっていたと話し、事件は怨恨が引き起こした可能性があると指摘した。

 同関係者は、フィーリン氏はたびたび正体不明の人物から脅迫を受けていたと述べた。

2013/01/18 10:42 【共同通信】


Bolshoi ballet director Sergei Filin severely injured in acid attack
http://www.guardian.co.uk/stage/2013/jan/18/bolshoi-ballet-sergei-filin-acid-attack

Doctors fighting to save eyesight of former dancer after assailant threw acid in his face outside central Moscow home

これは広告として正しいのか?:ヴァージン・アトランティック

2013.01.18
先週くらいからヴァージン・アトランティックが大きく展開している広告。

スクリーンショット 2013-01-18 6.02.01

 この「モデル」の皆さんに実際に会えると期待する利用者はいないと思うけど。でも、いいのか、これ?ミス・リードじゃないのか?

世界の話題:1月15日

2013.01.15
*著作権は、日本経済新聞社に帰属します。

日経夕刊2013年1月


トリプル・ビル(ライモンダ他)@ロイヤル・バレエ

2013.01.13
昨年秋に観に行ったリサイタルやバレエ公演を書いていないのですが、先に、ロイヤル・バレエによるフォーキンの「火の鳥」、ジェローム・ロビンスの「In the night」、そして「ライモンダ・アクト3」のトリプル・ビルの感想を。

 監督が代わったご祝儀感、もしくは期待感なのか、今シーズン、ロイヤル・バレエの人気がとても高く、定番の「白鳥の湖」や年末恒例の「くるみ割り人形」だけでなく、これまでだったらチケットが売り切れるなんてことの少ないトリプル・ビルまで完売状態が続いています。このトリプル・ビルは「ライモンダ」を観たことがなかったのでどうしても観たいと思いつつ、なかなかリターンが出ませんでした。が、大晦日の夜に当てもなく画面を開いたら平土間最前列ど真ん中がぽつんと。

 プリンシパルのマーラ・ガレアッツィとロベルタ・マルケスのファンの方、読まない方が良いです。

The Firebird
Chreography: Mikhail Fokine
Music: Igor Stravinski
Design: Natalia Goncharova

The Firebird: Mara Galeazzi
Ivan: Edoward Watson
Tsarevna: Christina Arestis
The immortal Kostchei: Alastair Marriott


 「火の鳥」を最後に観たのがいつだか思い出せないのですが、だいたい吉田都さんとリアン・ベンジャミンが交代で踊ることが多く、ダンサーの性格の違いはあれども「不死鳥」という火の鳥の一面である、「次元を超えた存在」という趣を鮮烈に発していました。
 長い産休明けにもかかわらず、12月中に踊った舞台の評価が高かったガレアッツィ。そこそこの踊りは観られるだろうと言うネガティヴな気持ちで居た僕の勝手な思い込みが問題とは思いますが、ある意味、物の怪であろう「火の鳥」の近寄り難さを全く表現できていませんでした。バレエ・ダンサーが火の鳥の衣装を着て踊っている、それだけでした。

 久しぶりに観て、ロイヤル・バレエのこの舞台の面白さを再び認識できたので、次の機会を待ちます。

In the night
Choreography: Gerome Robbins
Music: Fryderyk Chopin
Costume design: Anthony Dowell

Emma MaGuire : Alexander Campbell
Zenaida Yanowsky : Nehemiah Kish
Roberta Marquez : Carlos Acosta


 この演目の物語については、先にご覧になられた方のレポがとても判りやすいと思います。

http://miklos.asablo.jp/blog/2012/12/29/6675773

 僕の感想は、ヤナウスキィとアコスタが組んでくれればよかったのに。キッシュは上手だとは思うのですが、彼の踊りをそれほど観ている訳ではないので判断できません。ヤナウスキィは、「仮に彼女が引退してしまったら、ロイヤル・バレエで誰を観れば良いんだろう」と思わずには居られないほど満足のいくもの。プロダクションとしてはあまり好きではないロイヤル・バレエの「ラ・バヤデール」ですが、ヤナウスキィがニキヤを踊る予定になっているので、思案中です。今年の7月に、ロイヤル・バレエは日本に行きます。ヤナウスキィは「アリス」のハートの女王にキャスティングされていて、必見です。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-563.html

 酷かったのはマルケス。女性バレエ・ダンサーが痩せていなければならない、なんてことは言いません。また、アコスタと一緒に踊れていたのだから、バレエ・ダンサーであることは事実。でも、あの体型は酷いのではないかと。マルケスとアコスタのペアの最後の部分にリフトがあったのですが、アコスタの腕の中に落ちてくるとき、「どさっ」という音が聞こえて来たようでした。日本公演の「白鳥」で、マックレーはマルケスをリフトできるのかどうか。

Raymonda Act III
Production: Rudolf Nureyev
Choreography: Rudolf Nureyev after Marius Petipa
Music: Alexander Glazunov

Raymonda: Alina Cojocaru
Jean de Brienne: Steven McREA


 「ライモンダ」は全幕はおろか、この第3幕すら観たことがありませんでした。パリ・オペラ座で上演される話を聞くたびに、敵役のアブデラマンを踊ったロラン・イレールの凄さを読んだり、また、2003年にはギエムがこれをロイヤルで踊ったという事実に、どうして観に行かなかったんだろうと。今回、コジョカルとマックレーのパ・ド・ドゥを観て、大昔、パリ・オペラ座日本公演のプログラムに掲載されていた(と記憶が美化している)エリザベット・プラテルジャン・イヴ・ロルモーの写真と同じ場面を観ることができて、ぶつぶつ言いながらもバレエを観ていてよかったなと思える舞台でした。

 個別に。ファースト・ヴァリエイションを踊った躍進著しいメリッサ・ハミルトン。彼女が古典を踊るとどうして印象が薄いのかが判りました。肩のラインの動きが非常に固い。指先や肘の動きは柔軟にもかかわらず、肩はまるで衣紋掛けがはいったままと言う印象でした。セカンド・ヴァリエイションを踊ったエマ・マグワイアは、イン・ザ・ナイトのときよりもとても良い踊りでした。サード・ヴァリエイションを踊ったクレア・カルヴァートについては、僕には彼女がどうして評価が高いのか全く判りません。ヴァリエイション自体、リハーサルをして来たとは思えない踊りでした。

 マックレーは立派なプリンシパル。片手リフトも危なげなく。交換スキームとかで、今年アメリカン・バレエ・シアターに客演することが決まっているそうです。
 コジョカルを敬遠していたのは、眉間のあの深い、深いしわ。嬉しいときも、悲しいときも深々と刻まれるあの眉間のしわ。でも、このライモンダではコジョカルの古典バレエ・ダンサーとしての美しい踊りを堪能できました。

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 ヌレエフによるこのプロダクションは、「古典バレエはこうあるべき」という輝き、きらめきにあふれていました。群舞の部分もスピードと美しさが良い具合にシンクロしていて、「これがロイヤル・バレエで観たかったバレエだ」と思いを強く持ちました。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157632479661191/

 噂では、来シーズンには本当に久しぶりの「ドン・キホーテ」が上演されるらしいとか。「白鳥」と「くるみ」はもういいので、「ジゼル」、「ドンキ」、そして「眠り」の素晴らしい舞台を観たいです。

フランスは、ドパルデューが本当に必要なのかな

2013.01.13
フランスの左派政権が押し進めたい富裕層への高額課税に反発してフランスを代表するらしい俳優、ジェラール・ドパルデューがプチンにのせられてロシア国籍を取得したニュースは多くの人が知るところ。

 世界各国で所得税、法人税増額の議論が持ち上がるたびに、「そんなに課税するならこの国から出て行く」と脅す個人、企業。

 出ていてもらって良いのではないかと思う。

 彼、彼女、驕り昂った企業が出て行ってくれたあとに、新しい才能、企画、商品、そして社会が構築されていく可能性がないなんて、誰にも判らない。リスクは伴うだろうし、不安定な時期が続くかもしれない。でも、税金を払いたくないと言ってごね得する個人や企業に社会のリソースを無駄にされるよりもずっと生産的だと感じる。

 イギリス国内で法人税を何食わぬ態度できちんと収めていなかったスターバックスへの強風、それに伴う、決して大きな流れではないけど、コミュニティ回帰への動きの報道を読むたびに、税金を払いたくないとごねる企業や個人に出て行ってもらった方が、今の停滞した社会が動き出すのでは、と言うのはオプティミスティックかもしれないが。

Swiss bank Wegelin to close after US tax evasion fine
http://www.bbc.co.uk/news/business-20907359

ロイヤル・オペラの新たな挑戦:新しいオペラをたくさん

2013.01.12

(ロイヤル・オペラ・ハウスのウェブから。「アナ・ニコル」を演じるウェストブルック)

今週、ロイヤル・オペラから興味深いニュースが届いた。それは、2013年のシーズンから2020年まで、ロイヤル・オペラ独自企画を含めて、新しいオペラを意欲的に上演するというもの。

Royal Opera announces new work and relationships for 2013-2020
http://www.roh.org.uk/news/royal-opera-announces-new-work-and-relationships-for-2013-2020

The Royal Opera has announced artistic plans for more than 15 new works to be presented from 2013 to 2020, both on the Main Stage and in the Linbury Studio Theatre.

Director of Opera Kasper Holten and Music Director Antonio Pappano plan to extend the established tradition of commissioning British composers as well as work by leading international artists.

Kasper Holten commented: “New work is not and should not be at the periphery of our programme, but right at the core of what and who we are. And this is something we do, not because we must, but because it is something that we are passionate about. We hope that opera audiences will share our curiosity and come with us with open minds along this journey.”

Antonio Pappano added: “Our efforts are being focused on working with the composers who really excite us, both for the Linbury Studio Theatre and for the main stage. We have worked hard to find the composers we feel have a real flair and passion for opera, and we are very excited about being able to roll out our vision for new work on all scales.”

2012/13 will see the UK stage premiere in the Linbury for Gerald Barry’s The Importance of Being Earnest, directed by Ramin Gray, alongside the UK premiere of George Benjamin’s Written on Skin and the revival of Harrison Birtwistle’s The Minotaur.

2013/14

Next Season will see a number of productions created specially for the Linbury including Australian composer Ben Frost’s adaptation of Iain Banks’s cult novel The Wasp Factory. The composer will also direct the opera that has been commissioned by Bregenz Festival’s Art of our Times programme. It is a co-production with the Royal Opera House, Hebbel-am-Ufer Berlin, Holland Festival and Cork Midsummer Festival.

Also presented in the 2013/14 Season will be a Christmas opera for family audiences by Julian Philips and directed by Natalie Abrahami; two new pieces inspired by the Faust legend, one by British electronic composer Matthew Herbert, and the other by composer Luke Bedford and playwright David Harrower; the first UK performances of renowned Italian composer Luca Francesconi’s Quartett (a new version directed by John Fulljames and co-produced with London Sinfonietta and Opéra de Rouen after the piece’s 2010 premiere at La Scala, Milan); and the first of an annual collaboration with Aldeburgh Music and Opera North to commission first operas from young composers.

2014/15

Mark-Anthony Turnage’s Anna Nicole will return to the Main Stage, followed by a new opera in the Linbury by Philip Glass, based on Franz Kafka’s The Trial. The opera is a co-commission with Music Theatre Wales and Houston Grand Opera. Also commissioned for the Linbury is a new chamber opera by German/Danish composer Søren Nils Eichberg and librettist Hannah Dübgen. The opera is a taut thriller, which asks us to question what we can really trust – which emotions are real and which are virtual.

2015-19

Future plans include a new opera for children by Mark-Anthony Turnage and directed by Katie Mitchell in the Linbury; an adaptation of Max Frisch’s play Count Oederland by Judith Weir and librettist Ben Power, a collaboration with Scottish Opera and Oper Frankfurt; a Main Stage commission with Deutsche Oper Berlin from German composer Georg Friedrich Haas based on John Fosse’s novel Morgon og Kveld (Morning and Evening) premiering at Covent Garden in November 2015; a new opera in Spring 2017 from Thomas Adès based on Buñuel’s film The Exterminating Angel with libretto by Tom Cairns, who also directs; another major Main Stage commission in Spring 2018; and an adaptation of Alice Through the Looking Glass by Unsuk Chin and librettist David Henry Hwang for the main stage in the 2018/19 Season.

2020

The Royal Opera will challenge leading European composers Kaija Saariaho (Finland), Mark-Anthony Turnage (UK), Luca Francesconi (Italy) and Jörg Widmann (Germany) to create large scale new operas. The vision is for four distinct operas, each one in part inspired by the composer’s response to a set of questions developed in collaboration with the philosopher Slavoj Žižek: “What preoccupies us today? How do we represent ourselves on stage? What are the collective myths of our present and future?”

Other commissions include work by Chris Mayo, Sasha Siem and Soumik Datta, as well as by digital artists Kleis&Rønsholdt and Tal Rosner. The current 2012/13 Season will see composers David Bruce and Elspeth Brooke take up positions as Composers in Residence.

As well as staged work, from 2013 The Royal Opera has developed new relationships with Guildhall School of Music & Drama and Sound and Music as well as collaborating in the future with all large-scale regional companies and working with mid-scale touring companies. Covent Garden will also invest in a programme of opera development including workshops and readings, both public and in-house.


Royal Opera House announces contemporary projects
http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-20983696

Royal Opera House reveals new direction on eve of chief executive's departure
http://www.guardian.co.uk/culture/2013/jan/10/royal-opera-house-new-season

 ガーディアンの記事の最後が面白かった。

Holten and Pappano declined to comment on the ongoing appointment process for a chief executive to replace Hall when he moves to the BBC in March. In addition, Pappano said rumours he was set to replace James Levine at the helm of the Metropolitan Opera were "complete bollocks".

 オペラの監督が2011年に代わり、昨年はロイヤル・バレエの監督が代わり、3月にトニィ・ホール氏がBBCに出戻りとなるこの時期に仮にパッパーノまで離れることになったら、かなり痛手だろう。いずれパッパーノは離れるだろうけど、この噂は噂のままであってほしい。

 ロイヤル・オペラ独自の新作オペラはけっこう聴いている。

テンペスト
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-260.html

1984
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-396.html

ミノタウロ
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-767.html

アナ・ニコル
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1333.html

 「ミノタウロ」は今月再演されるが、多分、行かない。積極的に観たいと思うのは「テンペスト」と「アナ・ニコル」。後者は、2014/15シーズンに再演の予定とのこと。

 「アナ・ニコル」の作曲者、ターネイジはアデスと比べるとかなり多作の様に思う。今年の初夏にサドラーズでの再演が決まっているマックグレガー作の「Undance」の音楽もターネイジ。木管楽器の重低音がリズミカルに使われていて面白い音楽だった。踊りも素晴らしかったので、未見の方にはお勧め。

 僕自身、新しいオペラを観るには少しばかりの勇気が必要だから、人に強要はしない。それに、リスクをとることの難しさは自分も常に感じていること。でも、話題を集める新作オペラを、特に初日に観に行くとこんなおまけがあるかもしれないので、試してみる価値は少しはあるかなと。

Crowd Go Wild for 'Anna Nicole' Opera
http://www.youtube.com/watch?v=vG0g1Jrl7Yo

クロスワード・パズルの答えで自身の癌を発表:How British!

2013.01.12
今朝、台所で聞き流していたBBCのニュース番組の中で、「癌を告白」、「ガーディアンのクロスワード・パズル」と言う断片が耳にはいって来た。気になってガーディアンを取り上げてみると、一面の下にそのニュースが掲載されていた。

 ガーディアン紙のクロスワード・パズル制作者の男性が、昨日、彼が制作した1月11日のクロスワード・パズルの答えの中で、彼自身ががんを患っていることを発表したとのこと。

Crossword master Araucaria reveals in puzzle that he is dying of cancer
http://www.guardian.co.uk/crosswords/2013/jan/11/crossword-araucaria-reveals-dying-cancer

Cryptic crossword No 25,842
http://www.guardian.co.uk/crosswords/cryptic/25842

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(クロスワード・パズルとヒントはガーディアンのウェブから拝借)

 ニュース一読後の感想は、「How British!」。

 実際に楽しまれている人もいると思うが、僕にはイギリスのクロスワード・パズルはまさに暗号解読に立ち向かう様なもの。歯が立たないといのではなく、ヒント自体、何を訊いているのか判らないから解きようがない。

 この報道でクロスワート・パズルのことを考えいて思いついたのは、アガサ・クリスティが生み出した夫婦探偵、トミィとタペンス。読んだのがかなり昔なのでどのタイトルかははっきり思い出せない。が、「秘密機関」、もしくは短編集の「おしどり探偵」の中の一篇でクロスワードの中に隠された暗号を解いて盗品のダイヤモンドが見つかる、というエピソードがあったはず。
 アガサ・クリスティを読み始めたばかりの皆さん、ポアロやマープルのも良いですが、トミィとタペンスの物語はわくわく。ドキドキがあってお勧めです。何年経っても忘れないエピソードが一つ。「運命の裏木戸」の中で、二人に長年仕える男性(名前、失念)が、トミィの大叔母が密かに残した犯罪告発のメッセイジを、彼女の遺品の古い机の引き出しの中に更に隠された引き出しの中から鮮やかに見つけ出す場面。

 制作者の方の癌闘病は、彼のファンには悲しいニュースだろう。でも、悲しいけど前を向いて歩いていける、そんな気持ちになれるニュース。

[追記:2月1日]
 ミクシィのアガサ・クリスティのコミュで「おしどり探偵」の中の「牧師の娘」と教えていただいた。

ジミィ・サヴィルによる児童虐待の報告書が発表に

2013.01.12
2012年、華やかなイヴェントやニュースと対照的に、イギリスの負の面を最も強調したスキャンダル、故ジミィ・サヴィルによる自動への性的虐待の実態の報告書が、昨日、National Society for the Prevention of Cruelty to Children(NSPCC)とメトロポリタン・ポリス共同で発表になった。

The NSPCC and Metropolitan Police release report into allegations against Jimmy Savile
http://www.nspcc.org.uk/news-and-views/our-news/child-protection-news/13-01-11-yewtree-report/yewtree-report_wda93650.html
(ここから、39ペイジの報告書をダウン・ロードできます)

 報告書のタイトルは、「Giving Victims a Voice」、被害者の声を聞こう、という意味でしょう。

'Giving Victims a Voice' seeks to give comfort to those abused and prevent widespread abuse from happening again

The NSPCC and Metropolitan Police Service (MPS) have today released a report that looks into the allegations of sexual abuse made against Jimmy Savile under Operation Yewtree.

Following the documentary 'Exposure: The Other Side to Jimmy Savile' shown on ITV in early October 2012, there has been a growing number of allegations made against the former television presenter and others.

Anyone who had suffered from abuse was encouraged to call the NSPCC to seek help, resulting in a huge number of allegations against Jimmy Savile over the following months.

As Jimmy Savile died in late 2011, criminal prosecutions cannot be brought against him, nor can the testimony of his victims be challenged in the courts. Given the lack of potential justice for the victims, the report is being published in the public domain.

Approximately 600 people have come forward since the beginning of Operation Yewtree to provide information, with about 450 cases referring to Jimmy Savile.

Most of the offences were opportunistic sexual assaults, but there were other cases where grooming or planning occurred. Within the recorded crimes there are 126 indecent acts and 34 rape or penetration offences.

Jimmy Savile scandal: Report reveals decades of abuse
http://www.bbc.co.uk/news/uk-20981611

ガーディアンが報道した関連ニュースの総合リンク
http://www.guardian.co.uk/media/jimmy-savile

 このスキャンダルが大きく報道されるようになってから、積極的にニュースを追っていない。というのも、イギリスにおける児童虐待、子供への性的虐待の歴史はとても根が深く、いち外国人が何かを考えるなんて無理と感じるから。

 報告書の発表に伴い、メディア各社が要旨を掲載していて、その短い記事を読むだけでも、54年にもわたってサヴィルが犯して来た犯罪が表に出て来なかった、被害者となった子供たちの声が全く聞かれることがなかったというのは、イギリスという国にとって大きな、大きな課題になるだろう。

 視点を変えて書く。犯罪や虐待に巻き込まれた子供の話を聞くのはとても難しい。大人の視点、経験からそれは本当にあったことなのか、いつ起きたことなのか、誰に虐待を受けたのか、どのような虐待なのかを、大人の基準・立ち位置で、時に無理矢理聞き出そうとする。被害者の苦しみを早く取り除きたいという大人の焦りは、子供を追いつめることにもなりうる。児童心理学は、専門の初歩段階を終えたところで、僕には無理だと感じた。すべての人ができることではない、とても難しい領域。

 以前、何かの折に「サヴィルの様な髪型をしている人には、一歩構える」と書いた。あくまで僕個人の思い込みだが、サヴィルの様な髪型は自然になるなんてことはない。「見てごらん、僕はエキセントリックなんだよ、僕に意見すると逆に痛い目にあうよ。だから僕の言うことは聞いておいた方が良いんだよ、僕がやることには目をつぶっておいた方が君のためだよ」、とあの髪型で有無を言わせない。
 ショウビズ界を生き抜いていくためには、普通からは想像もつかない方法で生き抜いていくしかないのだろう。でも、それはエキセントリックを装って、犯罪を犯して置いて許されるなんてことはあり得ない。あってはならない。

[追記:1月13日]
 気になったので友人に訊いたところ、サヴィル自身は結婚したことはなく、彼自身の子供はいないとのこと。被害にあった人たちの苦しみが真っ先に受け止められるべきだが、サヴィルに家族がいたら彼の家族はどのような苦しみを抱えていくのかが気になっていた。

 ガーディアン紙のコラムニスト、デボラ・オー女史のコラムがとても興味深い。

Jimmy Savile played on our unwillingness to address sexual crime
http://www.guardian.co.uk/media/2013/jan/12/jimmy-savile-deborah-orr

 彼女が指摘しているように、イギリスがサヴィルの事件を「特例」としてみてしまうようなら、イギリスでの児童虐待の事実は改善しないだろう。

キャサリン妃の初めての公式肖像画

2013.01.12
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(写真はガーディアンから拝借)

昨日、ナショナル・ポートレイト・ギャラリィからダッチェス・オブ・ケンブリッジ、キャサリン妃、結婚後発の公式肖像画が公開された。

Duchess of Cambridge delights in first official portrait
http://www.guardian.co.uk/uk/2013/jan/11/duchess-of-cambridge-portrait

英妃、本物よりも老けてる? 初の公式肖像画
http://www.47news.jp/CN/201301/CN2013011201001024.html

 肖像画に賛否がわき起こるのは、いつものこと。NPGの公式文書は以下の通り。

The first official painted portrait of The Duchess of Cambridge has been commissioned by the National Portrait Gallery, where it is unveiled today Friday 11 January 2013, on show to the public from 2.30pm.

The National Portrait Gallery’s painting of its Patron was commissioned by the Gallery, and given by Sir Hugh Leggatt, in memory of Sir Denis Mahon, through the Art Fund.

The Duchess was involved in the selection process, from which artist Paul Emsley, the 2007 winner of the Gallery’s BP Portrait Award competition, was chosen by Director Sandy Nairne to paint her official portrait.

The Duchess took part in an initial meeting to talk through the process of the painting. This was followed by two sittings, in May and June 2012, at the artist's studio in the West Country, England, and Kensington Palace. Emsley later made use of a series of photographs produced during the sittings. His subjects are frequently located against a dark background and emphasise ‘the singularity and silence of the form’, while utilising a meticulous technique of thin layers of oil paint and glazes.

Paul Emsley says: ‘The Duchess explained that she would like to be portrayed naturally - her natural self - as opposed to her official self. She struck me as enormously open and generous and a very warm person. After initially feeling it was going to be an unsmiling portrait I think it was the right choice in the end to have her smiling - that is really who she is.’

Following three-and-a-half months of painting, the completed portrait was presented to the Gallery’s Trustees at their November 2012 meeting.

Catherine Elizabeth Middleton, now The Duchess of Cambridge, was born in Berkshire and attended Marlborough College. The Duchess studied at the British Institute in Florence before enrolling at the University of St Andrews in Fife to study History of Art. She married Prince William of Wales at Westminster Abbey on 29 April 2011. In January 2012, St. James’s Palace announced The Duchess’s acceptance of five honorary positions, one of which was a Patronage of the National Portrait Gallery. Her first solo public engagement was the opening of its Lucian Freud Portraits exhibition and The Duchess has shown a keen interest in portraiture and photography.

Glasgow-born Paul Emsley (b.1947) grew up in South Africa before moving to England in 1996. He won first prize in the BP Portrait Award in 2007 for his striking large-scale study of the face of his neighbouring artist Michael Simpson. His previous commissions have included the author V S Naipaul (2009) and Nelson Mandela (2010). He is represented by the Redfern Gallery of London and is associated with Brundyn + Gonsalves Gallery in South Africa. (www.paulemsley.com)

Sandy Nairne, Director, National Portrait Gallery, London, says: ‘It is an exciting moment to display the first commissioned public portrait of the National Portrait Gallery's Patron, The Duchess of Cambridge. I am grateful to The Duchess for giving time for sittings, to Paul Emsley for creating such a captivating contemporary image, and to Sir Hugh Leggatt and the Art Fund for this gift.

Stephen Deuchar, Director, the Art Fund, says: ‘The unveiling of a first official portrait of a royal sitter is always an important and intriguing moment, defining and enshrining their public image in a new way. We are delighted that Sir Hugh Leggatt chose to make this gift to the British public and the National Portrait Gallery through the Art Fund.’

HRH The Duchess of Cambridge by Paul Emsley is on display now as part of the Contemporary Collections in the Lerner Galleries, Room 36, Ground Floor, National Portrait Gallery, Admission free


 ポートレイト・ギャラリィで無料で観られるので、興味のある方は是非。おそらく、上手く事が進めば、子供が生まれる前の彼女の最初で最後の肖像画になるのかもしれない。

[追記:1月13日]

 イギリス王室のメンバーの肖像画の一例として。

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 これが公式肖像画だったかどうかは思い出せない。フィリップさんはお気に召さなかったはず。キャサリンさんはこのレヴェルを受け入れるのはまだ無理だろう。

150th Anniversary of London Underground

2013.01.09

Yo!Sushi 初体験

2013.01.08
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行った理由、感想は後日。


The Wind in the Willows 再び、三たび

2013.01.08
初日を観てやっぱり楽しくて、既に購入してあった最終日の他に大晦日にも観に行ったウィリアム・タケットによる、「The Wind in the Willows」。

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 この舞台を観たがっていたイギリス人の友人と一緒に観に行った最終日は、インターヴァルに行われるスポーツ・カーで暴走するトードを追いかける幕間劇に出演者全員が参加して、いっそう楽しいものになった。

 初日には急遽舞台に立ち、大晦日、そして最終日と劇場内で観劇していたタケット氏の姿があったので、もしかしたらほぼ全公演を観ていたのかもしれない。1月5日のよるの公演は今回の再演の最後ということで、彼も多くの知人に囲まれていて忙しそうだったけど、タイミングを計って少し質問ができた。

 「この舞台、日本にいる友人たちが観たがっているんですが、そんな話ありますか?」

 「一応、話はあるんだけどね。どうなるかな」

 「『兵士の物語』(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-302.html)の2年前の日本公演は成功したのだから、是非、実現させてください』

 「ありがとう。Keep finger crossed」

 「それと、『The Thief of Baghdad』(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-969.html)の再演、希望します。特に、マシュー・ハートさんは必ず」

 「(嬉しそうに)あれ、観たことがあるんだね。今日、マシューが来たんだよ」

 「えっ?、彼が踊ったんですか?」

 「いや、昼の公演を観に来てくれたんだ」

 初演のキャストで観たいという希望は捨てきれないですが、今回(確か3度目のリヴァイヴァル公演)はこれまでで最も充実しているとのレヴューがありました。実際の舞台を観ていても、ほとんど無駄な部分がなく、しかも観ている側の想像力を刺激してくれる上質の舞台だったと思います。

 一緒に行った友人から、「素晴らしい舞台だと思う。でも、日本人の君がどうしてそんなにこの舞台が好きなんだい?」、と訊かれたので。

 答えは、「ロンドンに来る前に思い描いていた、今のロンドンではあり得ない理想のイギリスだから」。人種偏見と思われても仕方ないですが、ロンドンに来る前の僕にとってイギリスは日本のように単一文化の国だと思っていました。
 実際に生活を始めてみると、多文化、多民族が入り交じる社会で否応もなく想像していなかった、期待していなかった、希望していなかった軋轢に直面する。
 それが嫌であれば、もうロンドンでは暮らしていなかったであろうし、結局そのような生活を楽しんでいます。でもたまに、一息つきたい、日本で暮らしていた頃に勝手に思い描いていた自分にとって理想に近いイギリスの文化に浸りたい。そのような希望を満たしてくれる舞台です。

 日本公演、実現してほしいものです。全く鮮明ではないですが、最終日のカーテン・コール。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/8361038364/in/photostream

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