LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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2013年02月の記事一覧

イェスティン・デイヴィース@ウィグモア・ホール

2013.02.28
三寒四温という言葉がしっくりとくる季節になりました。

 最近、大陸では若手のカウンター・テノールの話題が盛り上がっているようですが、イギリス人カウンター・テノールのイェスティン・デイヴィースの活躍は、最近ではイギリス国内にとどまらず、大陸、そしてアメリカに活躍の場が急速に広がってるそうです。

 今シーズン、レジデンス・アーティストになっていることで既に4、5回ほどリサイタルをしているウィグモア・ホールで、2月27日にパーセルの歌曲を中心にしたプログラムを観てきました。イェスティン君の素晴らしい歌に加えて、個人的に狂喜乱舞してしまった曲があり、楽しい夜でした。

Iestyn Davies: Countertenor
Richard Egarr: Haprsichord
Pamela Thorby: Recorder
Tebea Debus: Recorder
Bojan Cicic: Violin
Stephen Pedder: Violin
Julia Kuhn: Viola
Mark Levy: Viola da gamba
William Carter: Theorbo/ guitar


 デイヴィースが歌ったのは、主にヘンリ・パーセルによる歌曲。他に、Jeremiah Clarke, John Blow, William Croft, Pelham Humfrey。
 これらの作曲家の功績が、音楽史の中でどのような位置にあるのかはさっぱり判りません。しかしながら、それらを歌うデイヴィースの声が伝えるニュアンス、強さ、優しさ、表現力は格別。細身の体ながら、彼の声は「カウンターテノールの声なんて、ホールの後ろまで届かないのでは」という偏見を木っ端みじんに砕くほどの声の「旬」に満ちています。 
 専門ではないので、どのように評価していいのか判りませんが、デイヴィースのすごさは、そのディクションの正確さ。正確だけでなく、きちんと歌として成り立っているというのはかなり素晴らしいことなのではないかと思います。

 で、何に大興奮したかというと、歌の合間に演奏された一曲がヨハン・パッヘルベルによる「カノン」だったからです。
 戸川純さんのファン以外の皆さんには、パッヘルベルの「カノン」は「カノン」だと思います。それ以外にないでしょうから。が、戸川さんのファンにとって「カノン」はもはや「カノン」ではなく、「蛹化の女」でしかない、と断言できます。

 本編が始まる前にプログラムを読んでいて、「『カノン』がある。まずい、頭の中で『パンク蛹化の女』が鳴り響くかも」なんてたわけたことを考えていました。実際は、オリジナル編成で演奏される『カノン』の美しさに、そして強靭さに戸川純さんがこの曲を選んだ理由を改めて考えてみたり。
 プログラムで苦言が書かれていたのは、通常『カノン』が演奏されるときは、オリジナルの編成であることが稀になっているとのこと。ウィグモア・ホールでは3挺のヴァイオリンというオリジナルの編成で演奏されました。(おそらく発音は)チッチッチによる第一ヴァイオリンによるアタック音の切れの良さ、豪快さは鍵盤で弾かれる『カノン』からは感じたことのない爽快さ、そしてパンクにも通じる疾走感があり予想していた興奮とは全く違う興奮を味わうことができました。
 この素晴らしい演奏で疲れていた脳がすっきりと覚醒し、デイヴィース君の歌をいつも以上に楽しめることになりました。誉める点が違うだろうという突っ込みはあるかもしれないですが、バロック音楽と戸川純を同じように書いてあるのもいいかなと思います。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/8514502766/in/photostream

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世界の話題:2月26日

2013.02.26
*著作権は、日本経済新聞社に帰属します。

日経夕刊2013年2月

Vollmond by Wuppertal @サドラーズ・ウェルズ

2013.02.24
寒さはまだまだ続いていますが、日照時間がどんどん長くなって来ているロンドン。春はもうすぐと信じたいです。

 2月22日に、サドラーズ・ウェルズでダンツテアター・ヴッパタールによる「Vollmond (Full Moon)」を観てきました。

 昨年の「World Cities 2012」の成功を機に、サドラーズとヴッパタールの間で、今シーズンから毎年、数作品を上演していくことになったそうです。その一回目は、ともにロンドン初演だったらしい、「Two cigarettes in the dark」と「満月」。タバコの方はどうやら踊りが少ないらしいとの情報を得ていたのでパス。「満月」は、ヴィム・ヴェンダースによるピナ・バウシュを追った映画で大きく取り上げられたとのことで人気が高く、発売数日後には売り切れとなる人気ぶりでした。

 昨年ロンドンで上演された舞台はすべて世界の都市に触発されて創作された物で舞台の世界には入りやすかったと思います。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1679.html

 今回の「満月」は、情報なしで臨みました。感想は、「狂騒」と「水」。僕が言葉で書き表せることが可能な具体的な物語は無かったと思います。どのような舞台であれ、あれほど大量の水が間断なく舞台上に降り注ぐのは観たことがありません。ダンサーの皆さん、前身ずぶ濡れの大熱演。サドラーズ側も、あの大量の流水を問題なく処理できたのはさすがとしか言いようがないほど。
 最前列真ん中の席に座っていたので、あの水をかぶることになったらどうしようと言うのは杞憂に終わりました。後半が始まってすぐ、黒いイヴニング・ドレス姿の(おそらく)ヴェテラン女性ダンサーの一人が舞台際まで来て、片手に持っていた大きなオレンジを僕にとれと言わんばかりに差し出したので立ち上がって頂きました。でも、椅子に座ろうと中腰の姿勢のときに、「I’m hungry」と言ったのでまた立ち上がってオレンジを返そうとしたら「冗談よ」と言った感じで手をひらひらさせて舞台の左に下がっていきました。会場、大受け。いただいたオレンジは、翌朝の朝食に。

 当たり外れはあるとはいえ、ヴッパタールを初め、世界から多くの興味深いダンス・カンパニィを招聘し、また、アソシエイト・アーティストとして伸び盛りの振付家やダンサーに創作の機会を提供し続けているサドラーズに少し貢献できればと願い、昨年の晩秋にメンバーシップをアップグレイドしました。
 これが素晴らしい。友人に頼まれたチケットや、自分が買い忘れたチケットの割引率が、「こんなに割り引いて、サドラーズ側は元が取れるのか?」と心配になるほど。また、他の特典が、僕のメンバーシップだと年に一回だけとの制限がつきますが、「パトロン・イヴニング」への招待。招待とは言っても、有料です。目的は、金集めでしょうから。
 で、ちょうど買っておいた「満月」の初日と、2月22日にそのパトロン・イヴニングが重なったので、参加してみました。ちなみに、22日はロイヤル・バレエのミックス・ビルの初日とも重なりました。こちらは、元ボリショイ・バレエの芸術監督、現在、アメリカン・バレエ・シアターの常任振付家であるラトマンスキィによる、ロイヤル・バレエへ初めて創作した作品の世界初演ということでサドラーズのお姉さん曰く、「こちらにどの批評家が来るのか、私たちも判らないのよ」とのことでした。

 参加費、僕には結構な値段だったのでどれくらいの「パトロン」が来るのかと思っていたら、会場となったメザニンは立錐の余地がないほどの盛況ぶり。現政権による暴力的と表現すべき文化予算切り捨ての中で、文化・芸術を維持していくために、多くの人々の関心を惹きつけるのは、舞台関係者の重要な仕事になっていることを実感しました。サドラーズのスポルディング芸術監督は会場の中で激多忙の様子でした。
 会場で供されたシャンペン、白、赤はすべて美味しく。また開演前のカナッペ、終演後、ダンサーの皆さんを交えての立食の場で振る舞われた、「かに肉のリゾット」と「ワイルド・マッシュルームとパスタ」もとても美味しく、サドラーズのホスピタリティは高水準でした。

 お腹もいっぱいになったしそろそろ帰ろうとクロークに行ったところで、「満月」の舞台で大活躍だったオリエンタル系の女性ダンサーがいたので伺ったところ、日本人メンバーの瀬山 亜津咲 (Azusa Seyama) さんでした。カンパニィに所属して12年とのこと。
 ヴッパタールは今年も多忙のようです。観に行きたいなと思っているのは、6月にパリで上演予定の「春の祭典」。今年は「春の祭典」が世界に放たれて100周年ということで、各地でたくさんの舞台があるようですが、僕としてはヴッパタールの舞台が最も観たい物です。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-722.html

 商業音楽やファッション関連のパーティーではないのでカメラが追い回す様な著名人はほとんどいませんでしたが、中で、俳優のIan McKellenがいたのには驚きました。めざとく、マシュー・ボーンを発見し、尋ねたいことがあったので他の関係者と話し込む前に突進しました。

Hello Mr Bourne, I enjoyed your Sleeping Beauty and it was really the stunning stage. My friends in Japan would like to know when you will bring your Beauty to Japan.

I would like to bring it to Japan soon, but I don’t know. Some people (from Japan) came to see the stage and actually they liked it. But, I have been told that it may take 5 years to go.

 
 彼は創作側であって、マネジメント側でないから捉え方の違いがあるのではと思います。あの面白い舞台が日本で上演されるのが5年後というのは長過ぎる気がします。「スリーピング・ビューティ」は現在、イギリス全土を縦断公演中。今年はその後、イタリア、ロシア、アメリカ、そして中国での公演が予定されているそうです。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1873.html

 今年の夏、ボーンの作品の一つ、「ドリアン・グレイの肖像」が日本で8回上演されるそうです。別のところで日本人キャストのみとの情報を得ていたのですが、ボーン氏曰くイギリス人キャストも参加する予定とのことでした。

 最後に。トニィ・ホール氏のBBC転出にあたって空席となるロイヤル・オペラ・ハウスの総支配人ポスト。3月中には後任の人の名前が発表になるようですが、有力候補の一人が、サドラーズのスポルディング氏。適任と思う反面、現在のサドラーズの成功は彼の手腕があってこそと思うので、サドラーズに残って欲しいというのも後援者として偽らざる気持ちです。

Tetbury で見つけたもの

2013.02.19
先週末、コッツウォルズの南に位置するテトベリィ(Tetbury)に行く機会があった。テトベリィと言えば、このお店は外せない。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-742.html

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/8488553238/in/photostream

 で、道路を挟んでほぼ真向かいにあるチャリティ・ショップでこんなのが売られていた。

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 大らかなのかな。僕は故ダイアナ妃には全く思い入れはないので、こんなこともあったのか、と。この様なレコードが発売されたことには、時代の違いを感じる。

見返り猫

2013.02.19
スクリーンショット 2013-02-19 6.07.04

先週の金曜日、素晴らしい天気の午前中。いつも被写体になってくれてありがとう。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157632768304339/


ウィグモア・ホールのプログラム、2013/14

2013.02.14
メイリングにすら登録していない僕にまでアナウンスが届いたので、多くの人が既に知っていると思われる2013/2014シーズンのウィグモア・ホールのプログラム。

http://www.wigmore-hall.org.uk/wigmore-2013/14-season

 高いランクのメンバーシップを払っている友人が、バトロン・メンバーを中心に招待してブログラムを披露したパーティーに参加したそうで、ウェブではまだ多くが発表になっていない日付もゲット。歌に偏って、月ごとに。

9月
7th: Bryn Terfel & Simon Keenlyside
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-801.html

引退は撤回したのかな?!
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-904.html

9th: Anne Schwanewilms (Lunch Time Concert)

10th: Roman Trekel

14th: Thomas Hampson


10月
2nd: Julian Banse

5th: Miah Persson & Florian Boesch

9th: Mitsuko Uchida

28th: Christian Gerhaher

11月
15th: Dame Felicity Lott, Wigmore Hall Farewell Recital

12月
17th: Mitsuko Uchida with the special musicians from Berlin

19th: Les Arts Florissants with William Christie
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1044.html

30th: Sonia Prina

2014年1月
7th: Matthias Goerne with Leif Ove Andsnes

13th: Sarah Connolly (Lunch Time Concert)

21st: Christoph Pregardien

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1180.html

24th: Sara Mingardo

3月(2月は、僕の興味を惹くプログラムがない)
13th: Anne Schwanewilms
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-313.html

15th: Christian Gerhaher

17th: Christian Gerhaher

23rd: Anna Lucia Richter

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1567.html

31st: Nina Stemme (Lunch Time Concert)
http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157630751912632/

4月
14th: Diana Damrau (Lunch Time Concert)

23rd: Sarah Connolly

29th: Yo Yo Ma


5月
14th: Sarah Connolly

27th: Andreas Staier (piano)


6月
3rd: Lawrence Zazzo

15th: Iestyn Davies


18th: Christoph Pregardien
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1709.html

22nd: Alice Coote

7月
3rd: Lucy Crowe

10th: L'Arpreggiata with Philippe Jaroussky


 他にもたくさん有りますが、以上が僕が行きたいなと。シーズン開幕のブリン太とキーンリィサイド、3回もあるゲルハーエル、そしてフェリシティ・ロットのウィグモアでの最後のリサイタルのチケット争奪戦に参加すべきかどうか。個人的には、プレガルディーンが2回もあるので満足です。また、全体的にみても、僕個人の嗜好によりますが、バービカンのプログラムよりずっとましな気がします。
 大陸で大盛り上がり、旬のカウンター・テナーが来ないかと願っていたのですが、3人だけというのはちょっと残念。でも、ジャロウスキィは生を聞いたことがないので、行ければいいなと。

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Hoo Ray! ロンドンの懐石料理店の「しおり」、5つ星を獲得

2013.02.13
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(イヴニング・スタンダードから拝借)

先週の土曜日、2月9日に行ったばかりの懐石料理店、「しおり」がイヴニング・スタンダード紙で5つ星、満点の評価を得た。

The Shiori - review
http://www.standard.co.uk/goingout/restaurants/the-shiori--review-8492685.html

 レヴューを書いたフェイ女史が来たばかりという話を食事中に聞いたので、単にタイミングがあっただけなのは判っているけど、ちょっと目利きになった様な気分。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1884.html

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157632728963643/

 このレヴューによって、予約がとり辛くなるかもしれないけど、「なんちゃって」ではない日本料理がイギリスできちんと評価、紹介されるのは嬉しい。個人的には、懐石料理をかしこまって食べる必要がないのは、海外にいる利点かなと感じる。
 もちろん、懐石料理を毎日、毎週食べたいとは思わない。でも、季節の移ろいを舌と胃袋で感じたいときに、このような料理店が身近にあるのは、海外で生きていける励みになるかな。

 次回、一時帰国できたときには、「雲月」に行きたい。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1151.html

ネットバンキングの落とし穴:間違った口座に送金して回収不能

2013.02.10
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(ガーディアンから拝借)

このブログで、何度か、まるで化石の様な日本の銀行界におけるインターネット・バンキングの遅れぶりへの不平をこぼしてきました。そして、インターネット・バンキングは、利用者側の「自己責任」によることが多いと、ということを改めて考える記事が、昨日のガーディアンに掲載されました。

 まず、記事に行く前に、少なくともイギリスにおける銀行間の送金の方法について。送金、もしくは入金の方法で、日本の自動引き落としに相当する手段は、Direct Debitと呼ばれます。これは毎月、半年毎、それとも一年ごとなのかは払って得られるサーヴィスの内容、また契約によって変わってきます。ダイレクト・デビットは支払いを受ける側、例えばガス会社などが送金・受け取り側が、送金のプロセス設定の主体者になります。
 もう一つの方法は、standing orderと呼ばれる方法です。これは、例えば僕がなにがしかの払いを、僕が自分の口座からネット上で指定の会社、個人にいくらを定期的に払うことを設定します。スタンディング・オーダーの情報を操作する主体は僕にあり、また受け取る側から受け取っている・いないの情報を自動的に受け取れるとは限らないと思われます。

The £26,000 banking error
http://www.guardian.co.uk/money/2013/feb/09/26000-banking-error

 長くないので読んでいただくとして、要約は、美容院を経営するある女性が、2010年に自分のビジネス口座から、夫妻の共同名義(イギリスでは可能)の別の銀行の口座に毎月送金する手続きをしたとき、口座番号を一つ間違えてしまい、同じ銀行の全く別の利用者の口座に振り込んでしまっていたことに、2年間もの間気づいていなかった。
 これは銀行側の間違いで起きたことではなく、女性が設定を間違えてしまったことなので、銀行側に全額返還を求めることはできない。また、個人情報保護の元、間違って送金していた女性の名前を知ることができない。2年間、棚ぼたで他人のお金を受け取っていた女性はすべてを使い、支払い能力がないことを理由に弁済を拒否。
 記事の最後で触れられているのは、どうして女性が2年もの間、この間違いに気づかなかったのかは、イギリスの銀行が進める残高証明のペイパーレスかによるのではないかと。

 思うに、この送金はスタンディング・オーダーだったのだと思います。「自己責任」と痛感したのは以下の箇所です。

The fact she correctly entered her surname as the intended recipient at Nationwide, alongside the correct sort code, counted for nothing. When banks transfer money, they use only the sort code and account number – it turns out that account names are irrelevant.

 女性が送金を設定するときに、受取人の名前(この場合、本人)、口座番号、ソート・コード(銀行識別番号みたいな物)を入力し、間違ったのは口座番号。銀行側は受取人の名前と口座番号のミスマッチを確認することはしない、する義務はないのではと。
 僕自身、自分の状況に応じて送金・入金をコントロールしたいということで、いくつかスタンディング・オーダーを設定しています。速攻で確認したのは言うまでもありません。

 自分の資産を守るのは、そして失うのは自分の責任だなと痛感した記事です。

Bank error in your favour? Spending it is straightforward theft
http://www.guardian.co.uk/money/blog/2013/feb/09/bank-error-your-favour-spending-it-theft

しおり:ロンドンのモスクワ通りにある日本料理店

2013.02.10
馬肉混入で大揺れのイギリスです。

Horsemeat scandal blamed on international fraud by mafia gangs
http://www.guardian.co.uk/business/2013/feb/09/horsemeat-scandal-international-fraud

 どこの国でも起こりうることかもしれないですが、イギリスという国の食品管理体制への評価は大きく揺らいでいることでしょう。

 で、そんなイギリスで懐石料理を食べました。昨年10月までユーストン駅の近くで営業していた「しおり寿司」が、12月にベイズウォーターへ移転したのを機に、より本格的な「京懐石料理」の店に。

http://theshiori.com/

 今でもコースの終わりに握り寿司が出るので、本来の懐石料理のあり方ではないのかもしれません。また、コースの値段が上がってしまったので、以前のように握り寿司だけを気楽に食べるということができなくなってしまったのは残念と言えば残念。

 でも、とっても美味しかったです。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157632728963643/

 店内は、4人がけのテイブルが3カ所、二人ようのテイブルが3つと以前よりもずっと広いです。ただ、調理されるのがご主人一人だけなので、4人のテイブルが先に予約で埋まるそれ以上はきついかもしれないとのこと。特に週末の夜は、余裕を持って予約した方が良さそうです。
 ユーストンの頃からの常連の客が今でもよく利用するということで、今でも日本人顧客の方が少ないとのこと。値段を考えると、そう頻繁に利用できる人は多くないかなと思います。でも、手抜きのない真摯な料理への姿勢は、懐石料理は日本人にしか判らないだろうなんて偏狭な見方を寄せ付けないと感じました。
 イギリスだからイギリス人がなじめるようにという小手先の変化をつけることなく、懐石料理を提供し続けることは大変な苦労があるだろうと思います。他方、食材を日本にこだわることなく、地元の食材にも手を広げれば、少し価格が下がるかな、なんて期待もあります。

 最後に。このポストのタイトルは、西原理恵子さん「パーマネント野ばら」の中のあるエピソードをまねました。

夜は別の顔:ロンドンの夜景の一例

2013.02.08
スクリーンショット 2013-02-08 19.10.48

既にリンクは紹介したけど、このポストのタイトルが浮かんだら、頭から消えないので。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157632708009521/

 場所はちょっと違うけど、青空の下のテムズはこんな感じ。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157630074063912/

テイト・モダンでクラフトワークのGIG

2013.02.07
2月6日、一部ではこの冬の最も熱いチケットらしいテクノ・ポップの草分け、ドイツ出身のクラフトワークのテイト・モダンでの8夜のギグの初日を観てきました。

 まず、チケット争奪戦についてはこちらを。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1826.html

 幸運にも3時間弱でつながったときに、「こんな貴重なコンサート(一晩につき、チケットは800枚のみ)、他にも行きたい友人がいるだろう」と思って余分に購入したのですが、僕の周囲ではHottest Ticketではありませんでした。日本を始め、世界で音楽プロモーターをしている知人に声をかけたら行きたいということでなんとか回収できました。

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 とっても寒い日で、入場前に外で凍えないように時間を調整していったのですが、開場前のたった10分間で骨の髄まで冷えてしまうほどの強風が吹き荒れる外とは対照的に、コンサート会場となったテイトのタービン・ホールでは、静かだけどとても熱い期待を感じました。会場入り口では、すわれるようにクッションを配っていましたが、僕が観ていた後方ではほとんどの人が立ったままで、60代とおぼしき一人の男性は踊りまくっていました。

 クラフトワークって、名前はずっと前から知っているけど、音楽を意識して聴いたことがないバンドの一つ。僕の場合、「声」がはいっていない音楽が主体というのはあまりアピールしません。それでも、今回はロンドンでも滅多にないであろう「美術館」でのギグ、そしてクラフトワークが、昨春、東京で催された原子力反対コンサートに参加したとのニュースを読んでいたので、楽しみではありました。

 本当に演奏されたのか、それとも流されただけなのかステイジを観ただけでは全く判りませんでしたが、流れた音楽半分以上の題名は判らなかったことを最初に。遠目からでは、メンバーが何をしているのだかさっぱり判りませんでした。

 スタート予定時間の午後9時きっかり、会場の照明が落ち、バンドの4名がステイジに現れました。最初の曲は、「The Robots」。この曲に合わせて背後に映った映像は、最近のクラフトワーク関連の情報にはほぼ必ずついてくるのですが、映像で観た方が説得力がありました。ちなみに、映像は3Dだったそうですが、僕は3Dを楽しめたことがなく、残念ながら、昨夜も始まってすぐに配られた眼鏡を使うのを止めました。

 「The Robots」が終わると、コンサートは第一夜の主題、彼らのファースト・アルバムである「Autobahn」から。音楽が流れるとすぐに、「これ、知っている」と。70年代にこの曲が発表された当時、どのような影響を及ぼしたのかは判りませんが、旋律はキャッチィで、映像を観ながら自然と体が動きだしました。

 5曲目(もしくは6曲目)で始まったのは、「Radioacitivity」。この曲は聴いたことがなかったはずですが、映像の中で「福島」、「セラフィールド」と出て来たのですぐに判りました。ちょっと、感慨に耽りました。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/8451888731/in/photostream

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 で、「あれ、今夜はアウトバーンだけじゃなかったのか?」、と思ったのですが、同行した友人曰く「アルバム1枚だけで2時間のギグなんてできるはずがない」、との指摘。一理あるということで、ギグの印象も、彼らを熱心に聞き込んで来ていない僕には、代表曲を思う存分に楽しむと言う趣旨が強まりました。
 「マン・マシーン」、「トランス・ヨーロッパ・エクスプレス」、「ツール・ド・フランス」ように各アルバムのタイトル曲の多くが披露されたようです。

 個人的に「いい曲だな」と感じたのは「トランス・ヨーロッパ・エクスプレス」。速攻でレヴューを掲載したガーディアンによると、いくつかの曲は21世紀仕様ということで手直しがされているとのこと。もしかすると、「TEE」もそのうちの一つなのかもしれなないです。
 会場の音響環境・セッティングが素晴らしく、背後からずしんと響く重低音を聞いているうちに、「ドイツのインダストリアル・ロックって、このあたりから派生しているのかもしれない」と。

 知人曰く、「一つのバンドのコンサートで£60−というのは高い」そうです。そのような理由があるからか、聴衆の若い世代の中には20代はあまりいなかったように思います。逆に、元気な中高年層がビール片手に聞き入っていました。

 あまりに寒くて、残り20分くらいのところで会場を出てしまったのですが、早い曲はとても聞き応えがありました。彼らの音楽は今の僕からはちょっと距離があるけど、クラフトワークの音楽の鮮度・影響力は、21世紀にはいってずっと力を増しているのではないかと感じました。

 夜11時に終わったにもかかわらず、今日、7日の新聞本紙にレヴューが掲載されるほど各紙の熱の入れようも凄まじく。以下のBBCのリンクから、タイムズ以外の新聞各紙のレヴューが読めます。

Kraftwerk kick off Tate Modern retrospective
http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-21315793

 会場での写真は厳禁だったはずなんですが、多くの人が撮りまくっていました。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157632707980377/

 寒風吹きすさぶ、テムズからの夜景です。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157632708009521/

セックス、ジェンダーは心の中に

2013.02.06
確か、三寒四温というのは2月に使う言葉ではないと記憶していますが、ロンドン、そしてイギリスは暖かくなったかと思えば、寒さがぶり返す日々です。

 本題に行く前に。ナショナル・ジオグラフィックによる報道。言葉にできない衝撃を受けました。

タンザニアで続くアルビノ狩り
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20130130001

 人間が、単なる商品として、消耗品として同じ人間に虐殺されているという現実に言葉を失いました。

 本題は、先月、ガーディアン・オブザーヴァ・グループを少し振動させた、トランスジェンダーに関することです。虐殺されるアルビノと比較すれば、トランスジェンダーと称される人々が直面する危険や迫害は物の数にはならないという意見があるかもしれないですが、生きる権利を認められない苦悩や周囲からの無理解という点については根底で通じるものがあると考えます。

 1月22日付けのG2に以下の記事が掲載されました。

Voices from the trans community: 'There will always be prejudice'
http://www.guardian.co.uk/society/2013/jan/22/voices-from-trans-community-prejudice

 どうしてこのタイミングでトランスジェンダーの記事なのかと思いつつ読み始めて知ったのは、1月13日のオブザーヴァ紙のあるコラムで、フェミニストとして知られる女性コラムニストがトランスウーマンを誹謗する言葉を使い、それをオブザーヴァが掲載したことで大きな抗議が寄せられた。
 迂闊にもそんなことになっていたとは全く知らずに上記の記事を読み、ウェブでこの騒動についての経緯を検索しました。オブザーヴァはコラムを掲載したことは間違った判断だとすぐに認め、コラムはウェブからは削除されたそうです。
 リベラル左派を掲げるガーディアン・オブザーヴァ・グループとしては痛恨のミスだったことでしょう。その挽回の意味合いでリンクの特集が掲載されたのだと想像します。また、何人かのコラムニストを動員してフェミニズム、そしてトランスジェンダーについての興味深いコラムを掲載しました。

 それらの中で、とても興味深く、深く掘り下げられていたのは、土曜日のガーディアンの人気コラムニスト、Deborah Orr女史によるもの。

Feminism shouldn't be about telling trans women they're not female enough
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2013/jan/19/feminism-trans-women-female-enough

 フェミズムは女性解放だけではないと展開する中で、「性」を認知する複雑な機能、そして自身の乳がんの経験から感じる「女性とは」、「男性とは」を簡潔にまとめた判りやすいコラムです。つたない訳です。

I remember, many years ago, reading about women who'd had mastectomies after breast cancer, and had been sent home with little bags of sand that they'd been told to place in their bras. It devastated them that this was considered an adequate substitute for a breast. Happily, things are different now, and every effort is made to incorporate whatever breast reconstruction is possible as an integral part of breast cancer treatment.

何年も前に、以前(乳がん等の理由で)乳房切除術を受けた女性たちが、ブラジャーに入れるように砂がはいった小さな袋を渡されて家に戻された、と言うことを読んだことがある。(当時)そのよう対処が失われた乳房の代わりになるとされたことは女性たちを深く傷つけた。幸運なことに、今では状況は全く違う。また、乳がん治療の一環として乳房の再構築術には努力がなされている。

However, delighted as I am that this is the way things are now, it wasn't what I chose for myself. I opted out of reconstruction after I'd had breast cancer. I'd had enough of hospitals, clinics and surgery. But it wasn't an easy decision. Perhaps, in the future, I will have it. But it won't be because it will help me feel more like a complete woman again.

状況が進展していることは、私も嬉しいが、私は自分の乳がん治療の中で再構築を選ばなかった。病院、診療、治療、すべてがもう充分だった。もしかしたら、将来考えることはあるかもしれない。でもそれは、(乳房を再構築することで)私自身、再び完璧な女性のように感じたいからと言う理由ではないだろう。

Frankly, if my entire body was removed, and only my head remained, somehow attached to machines that kept me alive, I'd still feel entirely female, just as I felt as a child, before my breasts had developed, before I even knew I had a vagina or a womb.

正直に言えば、頭部以外の私の体のすべてが取り払われ、機械につながって生きたとしても、私は自分が「女性」と感じるだろう。それは、子供のとき、まだ私の乳房が大きくなる前、いえ、私自身が子宮や女性器を持っていると知るずっと前から感じていたのと同じように。

I have a memory of when I was very young. I remember trying to persuade myself that perhaps little girls grew up to become men, and little boys grew up to become women. Even at that age, I knew it was impossible, that of course it didn't work that way.

私がずっと若かった頃の思い出がある。女の子が成長すると男性に、男の子は女性に育つと、自分を信じ込ませようとした。小さいながら、そんなことが起きないと判っていても。

 中略し、且つここから引用する部分はとてもデリケイトな部分なので、訳しません。頑張って読んでください。

My childhood yearning to grow up a man was transitory, a response to adult descriptions of a gender role. It had no biological roots. As I say, I know in my head that I'm female. I need no breasts, no vagina, no fallopian tubes to tell me that. If, as an adult, I'd had difficulty becoming pregnant, and doctors had examined me to find my fallopian tubes were poorly developed, or not there at all, I'd be no less a woman. That happens sometimes. Nobody's perfect.

Yet the memory of that moment of misery, that brief encounter with the helplessness of feeling my gender destiny was wrong, yet inescapable, has stayed with me. If my wish for masculinity had not been a thought that faded, but a feeling that grew, well, that would have been terrible. My male mind would have been trapped in my female body, in some sort of hideous locked-in syndrome of gender. How strong would that feeling of incarceration in gender expectation have become as I underwent puberty? It doesn't bear thinking about.

Except that some people do have to think about it. They feel female in their heads, but their bodies tell the world they should be treated as male, and should behave like males (or vice versa). Failing to conform to this sets them apart in the eyes of others. Yet conforming to it sets them apart in their own heads. What a relief it would be to learn that this is a condition called gender dysphoria, and that they can be helped to live their life in a body that more closely matches the life in their mind.

The idea that your body tells your mind what gender you are and is always, infallibly right is ridiculous. It's the other way round. Your mind tells your body, because that, biologically, is what your mind is for. Most people's minds confirm to their bodies that they are the sex their mind thinks they are. But human minds are so complex that even the most learned among us don't really comprehend how they work. Too many people report, using similar language, that the gender characteristics of their bodies don't match the gender identity they feel in their heads for such a phenomenon to be capricious, misguided or delusional. It's also possible that in the fight between brain and body, no gender identity emerges victorious. Some people aren't even sure if they have any kind of strong gender identity at all. They're pretty androgynous, and that's how they have to proceed with life.


 Orr女史がここで書いていることで最も重要、且つ判り辛く、でも、多くの人が理解すればセクシャル・マイノリティへの偏見、態度が変わっていくことへの重要な鍵は、「The idea that your body tells your mind what gender you are and is always, infallibly right is ridiculous. It's the other way round. Your mind tells your body, because that, biologically, is what your mind is for. Most people's minds confirm to their bodies that they are the sex their mind thinks they are. But human minds are so complex that even the most learned among us don't really comprehend how they work.

 ジェンダーを確定するのは体ではなく、頭、心であると。これ、発達心理学でも、カウンセリングの場でも頻繁に出てくる主題にもかかわらず、一般社会の中では深く語られていないと感じています。

 Orr女史のこのコラムは、女性だけに向けてのメッセイジではないです。すべての人々、トランスジェンダー、アルビノ、ダウンズ・シンドローム、ホモセクシャリティ、外国移民、そして女性。社会を構成する人種の半分以上を占めているであろうに、マイノリティとして生きていくことを強制される人たちが足を引っ張り合うことは止めないと。

If feminism is about anything, it's about helping others to feel as confident and supported as possible. The more difficult that is for a woman, the more she needs the help and understanding of other women who have the luxury of taking their bodily identity for granted as a perfectly comfortable match to the person their heads tell them they were born, biologically, to be.

 力つきました。でも、最初にリンクを張った、イギリスにおけるトランスジェンダーの皆さんの戦いの歴史を知るのも、イギリス社会の側面を知る面白い記事だと思います。

 今回の一連の記事を読んで、改めて、どうしてトランスジェンダーの皆さんの道のりに興味を惹かれるのか考えました。それは、人間として生きることの本能についてだから。これが宗教がらみだったら、これほどまでに興味を惹かれなかったかもしれないです。宗教に人生を決められることほど、人生に無駄な苦しみをもたらすことはない、と。人間がいなかったら、宗教なんてどこにその存在意義があるのでしょう。

猫は本当に箱が好き

2013.02.06
今朝、東京の友人が送ってくれた小包が届いた。中身をテイブルの上に広げ、空き箱を床において1秒後、どさっと物音がした。箱の方を見ると。

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世界は移民がマジョリティ2:世界をまわすのは移民と金の流れ

2013.02.03
これも、生活、経済、教育等の不均衡の一形態だろうと考えつつとても興味をかき立てられたニュースが今週あった。それは、世界中に散らばる移民によって祖国に送金される資金の総額が2012年は、$530bn(って円で幾らだ?)に達したそう。

Migrants' billions put aid in the shade
http://www.guardian.co.uk/global-development/2013/jan/30/migrants-billions-overshadow-aid

For decades it was a largely unnoticed feature of the global economy, a blip of a statistic that hinted at the tendency of expatriates to send a little pocket money back to families in their home countries.

But now, the flow of migrant money around the world has shot up to record levels as more people than ever cross borders to live and work abroad. It's known as remittance money, and in 2012 it topped $530bn (£335bn), according to the latest World Bank figures.

The amount has tripled in a decade and is now more than three times larger than total global aid budgets, sparking serious debate as to whether migration and the money it generates is a realistic alternative to just doling out aid. If remittances at the level recorded by the World Bank were a single economy, it would be the 22nd largest in the world, bigger than Iran or Argentina.


 過去10年の間に、移民がそれぞれの祖国に送金する総額は3倍になった。その総額は、国際支援活動に資金額を上回る。

 しばらく前に、フィリピンの歴代大統領は、12月になると一時帰国する移民を空港で出迎えるという報道を読んだことがある。なぜなら、世界中に散らばるフィリピン人移民が祖国に送金する資金は、政府にとって貴重な財源であるからという趣旨だったように記憶している。

 忘れてならないのは、多くの移民が祖国に送金するために必死に働き、生き抜き、そして搾取されるということ。

How migrants' money makes the world go round
http://www.guardian.co.uk/global-development/2013/jan/30/uk-migrants-money-makes-world-go

Why do Africans pay the most to send money home?
http://www.guardian.co.uk/global-development/2013/jan/30/africans-pay-most-send-money

 例えばロンドンで働いて祖国に送金するためには、もちろん仕事を見つけなければならない。そして住宅費を払い、光熱費を払い、最低限の食費を払って必死に貯めたお金を送る。
 でも、例えば、先進国のインターネット・バンキングの様なシステムがない途上国だと、必死でためた資金をそのまま送ることはできない。なぜなら、仲介業者に法外な手数料を払わなければならないから。

Fees for remitting money vary wildly between providers and countries. African migrants, who sent almost $60bn (£38bn) in remittances last year, pay the most (pdf), according to the World Bank. On average migrants sending money home to Africa lose 12% to fees. Moving money between African countries can cost much more – sending money to Tanzania from neighbouring Kenya or Rwanda, for example, costs an average of 22% (or a $44 cut on $200 transferred).

"It's horrifying," said Michael Clemens, of the Centre for Global Development, a thinktank based in Washington. "Really in a competitive environment there's no reason these things should be more than 2, 3 or 4% … There's a justice component to it, there's no doubt about it."


 最近、BBCのラジオのニュースで、イギリス国内には銀行口座を開けない人がたくさんいると聞いた。全部は聞けなかったのだけど、口座を開けない人の中には移民労働者も含まれるだろう。口座を開けなければ、おそらく小切手で支給される給与を手数料を払って現金化しなければならない。そしてその現金を送金するのに、銀行口座からできないので街中のマネー・ショップで多額の手数料を払って送る。持てるものは更に富み、持てないものは更に貧するという、今では世界中で起きている不均衡がここでも。趣旨からそれるが、日本の銀行には、インターネット・バンキングに真剣に取り組んで欲しい。これに関しては「ではの守」とそしられようとも、ほかに問題はたくさん有れども、イギリスの銀行のインターネット・バンキングを使っている今では、日本の銀行界の閉塞性をどうにかして欲しい。

 もう一つ面白かった点は、この移民による資金の流れの中で、ガーディアンは「敗者」としているが、僕は「勝者」だと思うのが、アメリカ。

Remittances: America is the big loser as France cashes in
http://www.guardian.co.uk/global-development/2013/jan/30/remittances-america-big-loser-uk-cash

Remittances: how much money do migrants send home? – interactive
http://www.guardian.co.uk/global-development/interactive/2013/jan/31/remittances-money-migrants-home-interactive

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(ガーディアンから拝借)

 アメリカ国内でも貧困に苦しむ人は急増している状況では、国外に流れてしまうお金を国内にとどめておきたいと考える人はいるだろう。そのような状況で世界が動いていくことにこれだけ貢献できるというのは、アメリカの存在価値を高めているように思う。イギリス、日本、ロシア、中国各国は、アメリカのこのような力強さから自国の立ち位置を見直すこともできるのではないだろうか。

世界は移民がマジョリティ1:ブルガリアとルーマニアからの返答

2013.02.03
2014年1月で、ブルガリアとルーマニア移民の単純労働職を制限している規制が終了することで、両国から大量の移民が押し寄せるのではないかと危惧するイギリス政府が、ネガティヴ・キャンペーンを検討しているという報道への反応が報道された。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1872.html

 読者の反応は様々だが、一応、リベラルを標榜するガーディアンの記事から。

Row breaks out between UK and Romania over targeting of migrants
http://www.guardian.co.uk/world/2013/feb/02/romania-uk-immigrants-diplomatic-row

Tories warned not to discriminate against Romanians and Bulgarians
http://www.guardian.co.uk/world/2013/feb/01/lib-dems-tories-romanians-bulgarians

Bulgarians react with dismay to British anti-immigration campaign
http://www.guardian.co.uk/uk/2013/feb/01/bulgarians-british-anti-immigration-campaign


 それぞれの記事をざっと読んだだけでも、ブルガリアとルーマニア両国の困惑、不快感を強く感じる。両国からは既に多くの国民が他のヨーロッパ諸国、特に言語が近いスペインやイタリアで働いているから、イギリスに押し寄せるなんてことはない、と。

 ただ、イタリアやスペインの経済危機を毎日知らされるイギリス側からすれば、そう簡単なことではないだろう。経済危機に喘ぐスペインやイタリアに見切りを付けてイギリスにと考えるのは自然な流れだと考える。

 一つ恣意的に感じたのは、ルーマニア国内の反応を伝えるニュースの中で、「ロマ」について言及しているものがない。まるで、「ロマ」はルーマニアとは無関係であると言いたいのかと。イギリスだけでなく、ヨーロッパ各国で見られるであろうルーマニアへのネガティヴな印象は、「ロマ」による犯罪行為が強調されているからではないかと推察する。

 上記の3番目の記事にの最後に、考えさせれる発言がブルガリア男性から寄せられている。

"But changing negative stereotypes takes a lot longer and that is what a lot of us fear."

 これは今回に限ったことではない。世界中で、多くのマイノリティが日常的に直面している苦しみだろう。自分がしたことではないのに、まるで自分がその偏見を生み出し、増長させてしまっているのではないか、と。

 2011年に実施された国勢調査、Census、の結果が昨秋から順次発表されている。今週にはいって発表された結果は、イギリス国内で話されている言語について。そして、イングランドに限れば、英語の次、つまり2番目に多くの人によって話されている言葉は、ポーランド語。

Polish becomes England's second language
http://www.guardian.co.uk/uk/2013/jan/30/polish-becomes-englands-second-language

 これをインテグレイションと捉えるのか、それとも侵略と危惧するのかでイギリス社会の反応は大きく変わるだろうと感じる。以下のリンク、とても面白いです。是非、ご覧になってみてください。

Census 2011: the language data visualised
http://www.guardian.co.uk/uk/datablog/2013/jan/31/census-2011-language-map

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(ガーディアンから拝借)


 2006年12月に書いた、「移民」についてポスト。

海外で暮らすうえでの自分の居場所
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-50.html

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-70.html

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-71.html

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-72.html

春、遠からじ;スノードロップス開花

2013.02.03
サリィ県に住む友人から、今朝、友人宅の玄関脇にいつも咲くスノードロップスが今年は既に現れたと写真が届いた。

Snowdrops.jpg

 2週間前の大雪(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1858.html)の寒さはそのあと1週間くらい続いたが、ここ数日は冬も終わりかと思えるほどの気温。気候の変動で、もしかしたら3月、4月に寒さの戻りがあるかもしれないが、スノードロップスを見ると、春は遠くないと感じる。


写真を撮るのは難しい

2013.02.02
スクリーンショット 2013-02-02 17.29.23

昨年の一時帰国を前にデジタル・カメラを使い始めた。デジタル・カメラを使い始めたら、突然、写真のできがよくなると思ったのだけど、そんなことは起こることもなく。
 画像の鮮明さはフィルム・カメラを遠く引き離しているけど、問題は、使い方をよく理解していないということ。曇天の日の屋内、またオペラ・ハウス等の閉じられ、そして照明が限られている場所だと、途端にデジカメが言うことを聞かなくなる。

 ピカデリィにあるブーツの写真部門の顔なじみの店員によると、今でもフィルム・カメラを使っている人はかなりいるとのこと。僕も、今使っているのが壊れるまでは、まだ使うことがありそう。

フィルム・カメラによる写真
http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157632671512894/

Hungry cat
http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157632674264231/

異様に映るだろうな:イギリスでも大きく報道されたAKB48

2013.02.01
スクリーンショット 2013-02-01 21.50.11
(特に意味なし。協力KatKat)

騒動の中心になった方が更に追いつめられないことを、しっかりと彼女への精神面のサポートがあることを、回りの「大人」が真剣に考えて欲しい。「本人の意思を尊重した」という戯れ言はもはや通用しないところまで来ていると思う。

 規約なのか、掟なのか知らないけど、人間の本能であるセックスをしてしまったがために、髪の毛をそりと落としてしまった女性のことは、イギリスでも大きく、と言うか、はっきり言って「また日本の印象が曲げられてしまうのかな」と肩を落としたくなるほどの注目を集めている。

AKB48 pop star shaves head after breaking band rules
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-21299324

Japanese pop star shaves head in apology – for night with boyfriend
http://www.guardian.co.uk/world/2013/feb/01/japanese-pop-star-apology-boyfriend

 今回のことを友人が、「まるで暴走族みたい」と表現していた。僕は、「教祖様のためなら、黒を白、白を黒と信じます」という、洗脳・狂信へ抱くのと同じ不快、そして恐怖を感じる。

 運営側だけでなく、このグループを追っかけている人たち双方、性欲を持つこと、好きな相手を欲する感情は普通と言うことを忘れてしまっているのではないか。まして10代、20代なら、回りの大人が楽しいセックス、人生に喜びをもたらすセックスについて相談に乗ってあげる方がより建設的だと思う。

 不倫も許されるのかという短絡な意見を持つ人がいるかもしれない。そういうことではなく、性欲を力づくで封じ込めるのはもう止めませんか、と。たまに思う、性本能を活用することの方が、アベノミクスなんて言う素人の金融緩和より日本の勢いを高める最良の方法ではないかと。イギリスでは出生率が上昇しているらしく、昨年、破産寸前と報道されていた母子衣料専門の会社の業績がV字回復している。

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