LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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2014年01月の記事一覧

2014.01.31 ピート・シーガー:歌を信じる意志
2014.01.31 カーラとナタリアの鼻
2014.01.31 往復3万3千円で春の英国へ 航空券に英観光庁補助
2014.01.27 ロンドンの美術展、活況:ゴッホのひまわり、ヴェロネーゼ、ヴァイキング他
2014.01.26 ジゼル@ロイヤル・バレエ
2014.01.25 ラファエル前派展、東京で始まる
2014.01.22 クリストフ・ブレガルディーン@ウィグモア・ホール
2014.01.22 WSET Graduation Ceremony: ワイン学校の卒業式
2014.01.18 ドーミエ(Daumier)@ロイヤル・アカデミィ・オブ・アーツ
2014.01.18 寝起きの猫
2014.01.16 強気のロンドン3:ロンドンへの観光客数、記録更新
2014.01.15 健康な食事ができる国はオランダが1位、イギリス13位、日本は21位
2014.01.15 ブリティッシュ・ミュージアム、255周年だそうで
2014.01.12 直島に行きたいぞ!
2014.01.08 健康な食事は高いのか?
2014.01.08 イギリスを襲った嵐の凄まじさ:岩が消えた
2014.01.05 ブリティッシュ・ミュージアムでの春画展、終了
2014.01.01 世界の500人以上の作家が、国家による情報収集に反対
2014.01.01 今日、1月1日からブルガリアとルーマニアからの移民への制限が撤廃
2014.01.01 勝ち組世代なんて居るのか2:1960年以降に生まれた人々だって大変さ
2014.01.01 勝ち組世代なんて存在するのか:住宅ローンを拒否される熟年世代
2014.01.01 The Wind in the Willows at Duchess Theatre: 柳に吹く風、ウェストエンドに移動
2014.01.01 料理嫌いのダイエット料理
2014.01.01 KKとNNの新年は、鮭から

ピート・シーガー:歌を信じる意志

2014.01.31
pete seeger

既に数日経ったが、ピート・シーガーが亡くなった。

Pete Seeger obituary
http://www.theguardian.com/music/2014/jan/28/pete-seeger

Pete Seeger 1919-2014: authentically America
http://www.theguardian.com/commentisfree/2014/jan/28/pete-seeger-authentically-america

Pete Seeger: the road goes on for ever
http://www.theguardian.com/music/2014/jan/28/pete-seeger-road-goes-on-for-ever-folk-traditions

Pete Seeger: folk activist who believed music could make a difference
http://www.theguardian.com/music/2014/jan/28/pete-seeger-folk-singer-activist-music-make-difference

Pete Seeger – a life in pictures
http://www.theguardian.com/music/gallery/2014/jan/28/pete-seeger-life-in-pictures

2007年7月のポスト
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-513.html

2010年12月のポスト
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1296.html

2008年7月のポスト
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-823.html

 一度、シーガーが生で歌っている場所に居たかった。

Pete-Seeger-on-stage-rais-008.jpg

 昨年、ルー・リードが亡くなったとき、「急がないと。20世紀の歌を、彼らが退場する前に聴きたい」と。ジョニ・ミッチェル、ニール・ヤング、ライ・クーダー等々、それほど多くはないけど、聴ける機会がロンドンであるかどうか。ということで、名前だけ知っているだけで、彼女の歌すら知らないパティ・スミスを来週。

Because the night by Patti Smith


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カーラとナタリアの鼻

2014.01.31
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Fitting in hasn't always been easy for Osipova. As a young dancer at the Bolshoi she found that the very quality that made her stand our - her dynamic physicality - was also a hurdle. "I am very different from the pure classical image of a ballerina. In Russia there is a specific look for a ballerina and I didn't fit that look. It was difficult for me to dance the big classical ballets like La Sylphide and Giselle because people said they were not me. I put a lot of work into proving to everyone that I could do what they said I could not."
(1月10日のタイムズ紙に掲載されたオーシポワのインタヴューから抜粋)

 先日、メディアが大きく取り上げた、ロイヤル・バレエの「ジゼル」、そしてオーシポワの衝撃の舞台。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2140.html

 人づてだからこんな風に取り上げることはそもそも間違っているのかもしれないが、オーシポワの鼻の穴が気になってしまって、という人が居たらしい。

 僕もバレエを観始めた当初、そしてロンドンに来てロイヤル・バレエを観始めた頃は特定のダンサーの容姿を快く思わなかったことがあるので、偉そうなことは決して言えない。でも、踊りのスタイル、役への解釈が気に入らないならそれは仕方ないが、本人が変えようもない体の部分を皮肉るのは、それを気にしているかもしれないダンサー、そしてバレエ・ダンサー全員に対して良いこととは思えない。

 バレエ・ダンサーほど、自らの容姿・身体へのいわれのなプレッシャーと戦わなくてはならない職業ではないだろうか。映画「ブラック・スワン」に多くのバレエ・ダンサーが「駄目だし」したのは、全く根拠のない偏見を持ち続ける社会への抗議だったはず。

 実は、僕もオーシポワのつんと上がった鼻が誰かに似ているなとは思っていた。

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 それは、イギリス人ファッション・モデル、カーラ・デルヴィーニュ(Cara Delevingne)

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 こ気味よい鼻の上向き方が似ていると思うのだが。

往復3万3千円で春の英国へ 航空券に英観光庁補助

2014.01.31
It's not fair!!!

往復3万3千円で春の英国へ 航空券に英観光庁補助
http://www.asahi.com/articles/ASG104RHLG10ULFA015.html

ブリティッシュ・エアウェイズは2月14日まで、成田・羽田両空港からロンドン、マンチェスターなど英国の主要9都市までのエコノミークラス航空券の一部を往復3万3千円で売り出す。7日から5月末までの便が対象。正規の価格は約36万円で、差額の一部を英国観光庁が補助して安値を実現した。

http://www.britishairways.com/travel/home/public/ja_jp

 イギリスに好き好んで住んでいる日本人に気を使う必要は無い、と判っていても納得できない。無駄な抵抗ではあるけれども、現在、イギリスの気象がどれほど酷いかをアピーすることで、溜飲を下げたい。下がらないけどさ。

Floods on the Somerset Levels - in pictures
http://www.theguardian.com/environment/gallery/2014/jan/30/floods-on-the-somerset-levels-in-pictures

普段の様子
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現在の洪水
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 僕がイギリスに来てから何度めだか判らないが、今年の1月は「The Wettest January」とのこと。この10年で、何度目?

 洪水被害に苦しんでいる人々にとって、このように冗談のように書かれることは腹立たしいことに違いない。一日も早く、この被害が収束に向かうことを願う。

Military on standby as forecasters warn Somerset to prepare for more flooding
http://www.theguardian.com/environment/2014/jan/30/somerset-flooding-forecasters-warning-weather-military

ロンドンの美術展、活況:ゴッホのひまわり、ヴェロネーゼ、ヴァイキング他

2014.01.27
2013年は、個人的には、ロンドンでの美術展はオリンピック・ロスという感じで、後半の「春画展」以外に興味を惹かれる展覧会はほとんどなかった。が、今年はかなり活況。まず、ナショナル・ギャラリィでは、ゴッホの「ひまわり」2点が隣り合せで、4月27日まで展示されている。これは無料。

Identical-twins-Ella-L-an-011.jpg

http://www.nationalgallery.org.uk/whats-on/exhibitions/the-sunflowers

Two Van Gogh sunflower paintings displayed together at National Gallery
http://www.theguardian.com/artanddesign/2014/jan/24/two-van-gogh-sunflower-paintings-displayed-together-national-gallery

 同じくナショナル・ギャラリィでは、3月からヴェロネーゼの特別展。

スクリーンショット 2014-01-27 21.19.01

http://www.nationalgallery.org.uk/whats-on/exhibitions/veronese-magnificence-in-renaissance-venice

 全く聞いたことのない名前だったので、ヴェネツィア在住の友人(http://fumiemve.exblog.jp/)に尋ねた所、ティツィアーノティントレットと並ぶ16世紀ヴェネツィア派の3大巨匠の一人とのこと。だったら、「fumievとヴェロネーゼを観るロンドンツアー」を企画すればと提案したら、却下された。友人のブログを楽しみにしている読者の皆さんは参加するのではと思う。

 建築や彫刻は不得手分野だが、興味を惹かれる展覧会が続く。一つは、テイト・ブリテンで2月5日から始まるリチャード・ディーコンという彫刻家の展覧会。

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http://www.tate.org.uk/whats-on/tate-britain/exhibition/richard-deacon

 彼の名前も全く知らなかった。が、写真を見るだけでも、かなり興味を惹かれる。もう一つは、ピカデリィのロイヤル・アカデミィで始まった、「Sensing Spaces: Architecture Reimagined」。展示物の規模は2009年秋のカプール展(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1099.html)に匹敵する、もしくはそれ以上かも。

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http://www.royalacademy.org.uk/exhibitions/sensingspaces/

 ブリティッシュ・ミュージアムでは、3月6日から大規模な「ヴァイキング展」が始まる。超目玉らしい、1000年以上も前のヴァイキング船は既にロンドンに到着して組み立てが始まっている。

http://www.britishmuseum.org/whats_on/exhibitions/vikings.aspx

Mighty Viking 'war machine' takes shape for British Museum exhibition
http://www.theguardian.com/artanddesign/2014/jan/17/viking-warship-british-museum-exhibition

 全く興味のなかったパウル・クレー展。が、行ってみたらかなり面白かった。しかし、一回だけでは消化しきれない規模だったので、会期終了前にあと数回は行ければと。

http://www.tate.org.uk/whats-on/tate-modern/exhibition/ey-exhibition-paul-klee-making-visible

 どれもこれも微妙に開催時期がずれているので、日本から観に来てはと気軽には勧められないのがもどかしい所。

ジゼル@ロイヤル・バレエ

2014.01.26
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(ナタリア・オーシポワ、カルロス・アコスタ)

1月22日、ロイヤル・バレエの「ジゼル」を観てきました。「ジゼル」はバレエとしても、また使われている音楽も好きで、ロンドンで生活を始めて数年は、かなりの回数を観ました。その中には、もはや観ることは叶わないであろう、シルヴィ・ギエム演出の舞台もたくさん。でも、ジゼルで観たい、ジゼルを観たいと願うダンサーが一人、また一人ロイヤル・バレエから去り、最後に観たのはいつだったかなと記憶をたぐると、2007年に引退したダーシー・バッセルが2006年の春に踊ったとき以来。

http://www.chacott-jp.com/magazine/world-report/from-london/london0606a.html

http://www.chacott-jp.com/magazine/world-report/from-london/london0602b.html

 そのときは、「えっ?バッセル、まだジゼル踊れるのか。でも、彼女で観たことないし、記念に観ておこう」と。狂乱の場はヴィジュアル的には、バッセルはプリンセス過ぎたかなとおぼろげながら。

 で、久しぶりに観たいと思った理由は、今シーズンからロイヤル・バレエにプリンシパルとして入団したナタリア・オーシポワがキャストされていたからです。

 昨秋、入団後の最初の舞台、マクミランの「ロミオとジュリエット」で大きな話題を振りまいたオーシポワ。「ジゼル」も良い席は取れないかなと諦めていた所、今思うと、その幸運との引き換えで体調が崩れたかなというくらい幸運なことに、最前列ほぼど真ん中がとれてしまいました。しかし数ヶ月も前のことなので、オーシポワが最初に踊る日までは、けっこう気分的には冷めて居たのも事実。

 が、オーシポワとカルロス・アコスタが踊った舞台レヴューではガーディアン、テレグラフ、タイムズがすべて満点という華々しさ。

http://www.theguardian.com/stage/2014/jan/19/royal-ballet-giselle-review

http://www.theguardian.com/stage/gallery/2014/jan/20/royal-ballet-giselle-pictures

http://www.telegraph.co.uk/culture/theatre/dance/10582445/Giselle-Royal-Ballet-Covent-Garden-review.html

 タイムズはリンクできないですが、全国新聞紙の第一面にバレエ・ダンサーの写真が掲載されるなんてこと、イギリスですら滅多にないです。それほど、鮮烈な舞台だったと。

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(タイムズ紙の一面に掲載された写真)

GISELLE
Ballet in two acts

The 555th performance by the Royal Ballet at the Royal Opera House on 22nd Jan 2014

GISELLE: Natalia Oshipova

Albrecht: Carlos Acosta

Hilarion: Thomas Whitehead

Myrtha: Hikaru Kobayashi


 ロイヤル・オペラ・ハウスに着くと、ボックス・オフィスの前にはリターンを求める人の長い列。でも、何人がチケットを手にできたことか。

 今回の「ジゼル」はイギリスでは27日(日本では時差の関係で1月28日)に映画館でライヴ上映されます。カメラが入るのは27日だけかと思っていたら、22日も入っていました。ということは、DVDでの発売もあるのかなと。

 席についてざわめきを聞いていると、オペラ・ハウス内が観衆の興奮で満ちているようでした。僕の右隣は60歳をちょっと過ぎたくらいのご夫婦。彼らが他の人と話しているのを聞くともなく聞いていると、オーシポワの初日の舞台を観たらしく、あんなジゼルを観たことはない、2回も観られるなんて素晴らしい云々。しかも話を聞いていると、ロイヤル・オペラ・ハウスのパトロンらしく、一般には発表になっていない夏シーズンのバレエ演目でオーシポワが出演する舞台のチケットを既に購入してあるとか。不公平だな、と。

 観る前にあれこれ聞かされるのは嫌だなと思いつつ、第2幕、ジゼルが霊となってアルブレヒトを守る為に踊るとき、半ば目をつぶって踊る姿が凄まじいと。やっぱり期待は膨らみました。

 感情表現を観たかったので、最前列ながら、双眼鏡で踊っていないときのオーシポワの表情をじっくりと。それは、ま、出だしはこんなものかと。

 脱線します。昨夏、ボリショイ・バレエの夏公演の際、オーシポワと彼女のパートナー(なのか?今でも)のイヴァン・ワシリエフが「パリの炎」に客演した舞台を観ました。バレエとはいえあれほど荒唐無稽な物語の展開は無いだろう、とドン引きする舞台。そして二人の技術の見せ場ではまるでサーカスと感じてしまい、その時点では、オーシポワに深い感情表現を期待するのはまだ尚早なのかと思いました。

 「ジゼル」では、しかし、第1幕の物語が進むにつれて感情表現とオーシポワの突き抜けた技術が融合して、「やっぱり、今、凄い舞台を観ているんだ」という興奮をどんどん感じてくるほど。何でも無い場面でさらりと3回転を入れたのも嫌みでないし。凄かったのが「普通」の跳躍。なんだか、「えっ?もしかして宙に浮いている?」というくらい、あたかも透明なベルト・コンヴェイヤーの上を滑っているのではないかと思うほど、オーシポワの足が舞台に着く前に次の跳躍に移っているようでした。

 アルブレヒトが誰であるかを知ってしまったあとの「狂乱の場」では、「あちらの世界に行ってしまった」ようなもはや感情を失った方が楽に違いないと思わせる、それでいて悲しみだけが全身からにじみ出て来る演技。第一幕が終わった直後の観衆の熱狂は凄かったです。

 インターヴァル中、平土間で撮影していたカメラの男性と話しました。「Lucky you! Are you enjoying tonight?」。「Yes, we filmed their rehearsal too. How and why can she jump like that?」。仕事で撮影しているカメラ・クルーですらこの興奮ぶり。

 第2幕。なんと言ったら良いのか。「ジゼル」を観て鳥肌が立ったのは本当に久しぶり。半ば目を閉じている状態で踊るオーシポワの凄さは言うに及ばず、中盤、ウィリ達に挟まれた場面でのジゼルのヴァリエイションで見せた、スタイルを失うこと無く、しかしながら滑空しているような踊りの連続の場面では、あの夜、会場にたすべての人が一斉に息を止めたようでした。

カーテン・コール
http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157640055820695/

以下の三つのリンクはロイヤル・オペラ・ハウスのフリッカーから。
http://www.flickr.com/photos/royaloperahouse/sets/72157639909096704/

http://www.flickr.com/photos/royaloperahouse/sets/72157639963801185/

http://www.flickr.com/photos/royaloperahouse/sets/72157639770096653/

 友人から聞いた印象だと、オーシポワのロイヤル・バレエ入団を快く感じていないファンも居るらしいとのこと。その気持ちは判ります。が、彼女の存在は、ロイヤル・バレエの活性化にもつながるであろうと思います。

 オーシポワと踊ったのはカルロス・アコスタ。40歳で、27歳のオーシポワとは一回りも歳上。第2幕のアルブレヒトの技術的な見せ場ではややきつそうでしたが、踊ることの楽しさが伝わる彼の踊りからは、アコスタ自身、カンパニーに加わった新しい勢いに刺激を受けているようでした。

 オーシポワがロイヤル・バレエのプリンシパル・ダンサーとして総合的にどのように評価されるかは、今後、フレデリック・アシュトンの作品を踊る時だと思います。シーズン最後のミックス・ビルの中で、アシュトンの「ドリーム」を踊る予定になっています。このミックス・ビルで僕が観たいのは、ジェローム・ロビンスの「コンサート」だけ。オーシポワ効果でチケットの購入が難しくなるかなと今から心配です。

 ただ、カンパニィは、まだ安定を欠いているようです。

Royal Ballet faces new revolt from dancers over overwork
http://www.telegraph.co.uk/culture/theatre/dance/10597060/Royal-Ballet-faces-new-revolt-from-dancers-over-overwork.html

 このポーランド人のダンサーが辞めたことは、僕には大したニュースではないです。が、移籍した先が、昨年、後味の悪い退団になったヨハン・コボーが監督になるバレエ団というのが。

 心配なのは、ダンサーの皆さんの過剰労働ぶり。2月は通常、ダンサー達がシーズン後半に向けて休養をとる期間のはずですが、「ジゼル」が終わって一週間で新作を含むミックス・ビル。そして「眠れる森の美女」が続きます。バレエ・ファンにとっては嬉しいことかもしれないですが、働かされ過ぎかなという印象はあります。

 オーシポワとアコスタの舞台でバレエの楽しさを改めて魅せられたことは、僕にとっても良い刺激になりました。

[追記:1月27日]
ロイヤル・オペラ・ハウスから、インターネット上で取引されているロイヤル・オペラ・ハウスでの公演のチケットには注意を払うように警告するニュースがでている。

The real cost of buying ROH tickets through unofficial channels
http://www.roh.org.uk/news/the-real-cost-of-buying-roh-tickets-through-unofficial-channels

 年末・年始にかけて、「くるみ割り人形」、「ジゼル」、「ドン・ジョヴァンニ」と人気演目が続いているので、不幸にも損をしてしまう人がでているのだと推測する。完売していない演目だと、ロイヤル・オペラ・ハウスにリセイルを依頼しても、絶対に売れるという保証は無い。しかし、ロイヤル・オペラ・ハウスのリセイルの方法ほど、特にチケットを購入する側にとって楽な方法はない。ロイヤル・オペラ・ハウスが公認していない方法でのチケットのやり取りは、結果として損をするだけということを多くの人が知ることになれば、無駄な空席も減るだろう。ロイヤル・オペラ・ハウス側には、企業接待のためにチケットを大量に押さえるということは止めて欲しい。

[追記2:1月27日]
イングリッシュ・ナショナル・バレエから、ヴァディム・ムンタギロフがロイヤル・バレエに移籍するとの発表。

Vadim Muntagirov to join The Royal Ballet as a Principal dancer

http://www.roh.org.uk/news/vadim-muntagirov-to-join-the-royal-ballet-as-a-principal-dancer%E2%80%A8

 アンソニィ・ダウエルの頃から、外部のダンサーをプリンシパルとして受け入れてきているのだから驚くことではない。しかしながら、そろそろ、カンパニィの中からプリンシパル昇進があるべきだと思う。

ラファエル前派展、東京で始まる

2014.01.25
2012年9月に、ロンドンのテイト・ブリテンで始まった「ラファエル前派展:ヴィクトリア時代のアヴァン・ギャルド」の最後の巡回地、東京での展示が始まった。

http://prb2014.jp/

 観に行けないし、既に多くの人が知っていることだろうけど、参考になれば。

ロンドンでの初日
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1761.html

一般情報
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1845.html

アヴァロンで眠るアーサー王
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-760.html

改修工事が終わったテイト・ブリテン
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2096.html

 ロンドンのあとにワシントン、モスクワを巡回したこの特別展は海外ヴァージョンということで、ロンドンで展示されていた英国外から貸し出された幾つかの作品は展示されていないようだが、ラファエル前派のファンが多い日本向けの特別な展示もあるのかなと。東京での展示の最後の「象徴」に、プエルト・リコから「アーサー王」が来ていたら凄いことだったろうなと思う。

クリストフ・ブレガルディーン@ウィグモア・ホール

2014.01.22
昨晩、ドイツ人テノール歌手、クリストフ・プレガルディーンのリサイタルをウィグモア・ホールで。今晩のオーシポワの「ジゼル」に上書きされる前にさくっと。

Performers
Christoph Prégardien: tenor

Michael Gees: piano

Programme
Loewe: Der Nöck
Schubert: Der Zwerg
Liszt: Es war ein König in Thule
Loewe: Erlkönig
Lachner: Die Meerfrau
Michael Gees: Der Zauberlehrling
Liszt: Die Loreley


Wolf: Ritter Kurts Brautfahrt
Lachner: Der wunde Ritter
Wilhelm Killmayer: Schön-Rohtraut
Lachner: Ein Traumbild
Loewe: Edward
Schumann: Belsazar
Loewe: Tom der Reimer
Wolf: Der Feuerreiter

About this concert

Carl Loewe practically invented the art ballad, an epic vocal genre in which supernatural powers and mysterious happenings routinely determine the fate of humankind.

Christoph Prégardien’s programme conjures up the extraordinary happenings and narrative twists central to the ballad at its best, placing familiar masterworks by Schubert, Schumann and Wolf in company with rarities by Lachner and more recent works by Killmayer and Gees.


 悲しい事実として、チケットの売れ行きは非常に悪くて、会場も7割埋まったかどうかという感じでした。が、プレガルディーンの歌唱は、たとえ声の潤いがほんの数年前と比べても減ってきているとはしても、僕にとっては最高のテノール。

 チケットの売れ行きが悪かった最大要因は、プログラムだと思います。ただでさえリートは人気がないであろうに、ここまで渋い、結果として集客力の弱いプログラムも珍しいでしょう。しかしながら、プログラムの解説によるとバラードとくくることもできるようですが、プレガルディーンによって紡がれる物語の鮮烈さ、暖かさ、残酷さ、そして表現力。僕にとっての白眉は、後半の最後から2曲目、レーヴェによる歌。彼が歌い終わったとき、胸がいっぱいになりました。

 彼の熱心なファンはだいたい会場にそろっていたようで、本編終了には拍手鳴り止まず、ブラヴォーが飛び交いました。会場の入りは良くはなかったですが、プレガルディーンもピアニストのミヒャエル・ゲースも、心から嬉しそうでした。

 プレガルディーンは、ゲースとともに来月、2月20日東京のトッパン・ホールで、日本では2011年2月以来のソロ・リサイタルがあります。

http://www.toppanhall.com/concert/detail/201402201900.html

 トッパン・ホールの演目は、昨年の7月にウィグモア・ホールでも。このプログラムの構成もまた素晴らしく、できれば再び聴きたいです。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2016.html

 昨晩は、アンコール(2曲目はシューベルトの「魔王」。なので、一晩でそれぞれの「魔王」を聞くことができた)終了後、楽屋へ。自分の感想は言わないで、彼に言いたかったことは、「来月の東京でのコンサート、多くの人が待っていますから」と。

 「I am looking forward to going to Japan too. My last visit to Japan was shortly before the Fukushima disaster (と彼は言いました。ドイツは脱原発ですから). I am delighted to go back to Japan」と。トッパン・ホールのチケット、まだあるようですから、迷っている皆さん、是非。彼も50代後半、もしかしたら最後の日本公演になる可能性だってなきにしもあらずです。

 彼は6月18日に再びウィグモア・ホールで。昨晩、楽屋で支配人と一緒に楽しそうに話していましたが、あの客の入りでは今後の出演はどうなるか。友人を頼って、最前列ど真ん中を確保済みです。

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WSET Graduation Ceremony: ワイン学校の卒業式

2014.01.22
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厳冬と言われながら、やっぱり外れて暖冬のイギリス。洪水の被害はひどいですが、日本よりずっと暖かです。

 今週の月曜日、1月20日にワインとスピリットの教育機関、WSETの卒業式に出席する機会がありました。

http://www.wsetglobal.com/

日本語の情報
http://jaca.caplan.jp/wine/wineschool.html

 出席した、できた理由は1990年に沖縄で偶然知り合って以来、ずっと欧州在住の頼もしい友人である岩本順子http://www.junkoiwamoto.com/index.php)さんがWSETのレヴェル4のディプロマ・コースを終了したので、ロンドンでの卒業式に出席する、ゲストを一人連れて行けるというので誘って頂いたので。僕自身は、ワインの知識は全く持ち合わせていません。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157639979911146/

 卒業式の会場は、ロンドン中心部、セント・ポール寺院から徒歩圏内にあるギルド・ホール。建物の内部は雰囲気充分ですが、現在では様々なイヴェントを催す際、イギリスらしい雰囲気を楽しめる会場として使われているように思います。

 WSETの素晴らしさは、卒業式の進行の素晴らしさ。こんなにすべてが当初の予定通りに進むイヴェントなんてロンドンでは滅多に無い、と断言できます。

 卒業式の前は、ホールの地下部分にあるクリプトという場所で、ティオ・ペペ(シェリィ)レセプション。僕は酒の善し悪しは判りませんし、またアルコールには強い方ではありません。しかし、供されたシェリィの美味いこと。雰囲気を楽しんでいる所で、岩本さんが知人のプラジル人男性とばったり。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/12059369726/

 彼は、2年半の間に7回もロンドンのワークショップに参加して今回の卒業になったそうです。彼曰く、ブラジルではワインの人気はまだ高くない。どちらかと言えば、ビールの人気が高いそうです。ロンドンでの楽しみは、和食レストランに行くことだそうで、この日の昼間は、SOHOのKOYAで讃岐うどんを堪能したそうです。

 二人がポルトガル語で盛り上がっていると、僕たちが居るテイブルに、チリ出身の女性と彼女のイギリス人の旦那さんが加わりました。南米地域では、チリ・ワインの人気・生産が南米域の他の国より抜きん出ている、ということを改めて女性から聞きました。

 メイン・ホールで催された卒業式は3部構成。最初は、成績優秀への奨学金の授与。次に、卒業式。最後はなんだか判らないけど素晴らしい表彰。

 最初から感心したのは、WSETのこのセレモニィを通してもっとこの教育機関を世界に広めるという潔い態度。しょっぱなから、トゥイッターを通して友人達に伝えてね、と。もう一つ、中国の勢いが凄いと実感したのは、この卒業式の模様を、ライヴではないけど中国のSNSを使って中継すると高らかに宣伝していたこと。

 この卒業式に参加するまで、WSETについては全く知りませんでしたが、プログラムを見ると、本当に世界の多くの国でコースが開催されています。また、イギリス国内でみると、卒業生の半分くらいはワインの販売会社に勤める人。WSETへの協賛企業には、イギリス大手のスーパーマーケットの名前が連なっています。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/12058495745/

 ワインの消費量を上げることについて、両者の考えが一致していると言えるのではないかと思います。WSETの視野は本当に広いようで、日本酒のコースも既にあるようです。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/12058511255/

 円安傾向にある現在、日本酒を世界に正しく伝えたいと考える生産者に皆さんには、このような機会に参加するのは選択肢の一つになるかなと。

 卒業式の前に岩本さんとは、日本人が居ないようだと話していたのですが、実際は岩本さんを含めて4人が卒業されました。一人だけ参加できなかったようですが、参加された3人の姿を記念写真に。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/12058811353/

 写真右から二人目が、東京から参加された扇谷まどかさん。

http://www.theopener.jp/

 着物の女性は、大阪から来られた小原陽子さん。

http://vinicuest.com/

 美味しいシャンペンでほろ酔い気分で伺った話を思い出すと、お二人とも、日本国内での資格以上をということでこのコースに参加し、終了されたそうです。

 岩本さんを始め、ディプロマを終了した皆さんの今後のプランはそれぞれ。専門分野に特化して行くか、それともコースの途中に興味を持った分野へ更に進むとか。イギリスに限れば、専門性をどこまで高めても自分の求める仕事に巡り会えないという状況になりつつあるように思います。他方、身につけた専門性を、どのように活かしていくかによって予想していなかった展開が待っている、ということもあるように感じます。

 多くの人にとって、仕事を抱えながら3年に及ぶ勉強は大変だったと思います。どんよりした冬のロンドンで、心も体も励まされるような良い卒業式でした。

ドーミエ(Daumier)@ロイヤル・アカデミィ・オブ・アーツ

2014.01.18
スクリーンショット 2014-01-18 8.58.53
(ロイヤル・アカデミィ・オブ・アーツのサイトから無断拝借)

ピカデリィにあるロイヤル・アカデミィ・オブ・アーツでドーミエの展覧会を観てきた。

Daumier (1808-1879): Visions of Paris
http://www.royalacademy.org.uk/exhibitions/daumier/

 初めて聞く名前で、でも新聞のレヴューではとても高い評価だったのできにはなっていた。友人が、「ホガースを学んだのなら、絶対に観ておくべきだ」と強く勧めるので金曜日の夜に行った。芸術家としての彼の評価はよく判らないままだが、ドーミエの作品から彼の影響を、以降のフランス絵画・美術がどのように受けたかがよく判り、観ることがでてきよかった。

A staunch believer in the Republican cause, a freethinker and chronicler of everyday life in turbulent 19th century Paris, Honoré Daumier lived during a pivotal time in France’s history. 'Visions of Paris' sets out to explore his legacy through 130 works, many of which have never been seen in the UK before, with a concentration on paintings, drawings, watercolours and sculptures.

Daumier's work has been admired by artists both of his time such as Degas and Delacroix as well as those who followed; from Picasso and Francis Bacon to Paula Rego and Quentin Blake. Daumier made his living as a caricaturist in newspapers, observing and ridiculing the conceits of bourgeois society, reserving special criticism for dishonest politicians and lawyers; even earning himself a spell in jail for his depiction of King Louis Philippe as Gargantua.

Broadly chronological, this exhibition is the first to go beyond Daumier’s lithographs in the UK since 1961. Spanning the decades from 1830 to 1879 it will look at the range of his output, from disturbing images of fugitives from the cholera epidemics and deeply felt images of the laundresses and street entertainers living in his neighbourhood to his take on the role of spectators and collectors in judging art. In its variety and breadth, this exhibition will give visitors visions of Paris to live long in the memory.


 革命によって二転三転していた頃のパリを、新聞への風刺画、油彩や水彩で描くドーミエの作風からは、ロダンやセザンヌ、ちょっとこじつけかもしれないけどミレーへの影響が見て取れた。フランス美術史を学問として学んだことの無い僕には、貴重な経験だった。1月26日終了なので、未見の人にはお勧め。

 ロイヤル・アカデミィが会員向けのホスピタリティを向上させたのは聞いていたが、とても素晴らしい。

http://www.keepershouse.org.uk/

 レストランやカフェは、昼間は会員限定だが、夜は一般も利用できる。レストランをのぞいてみたが、隠れ家的な雰囲気で良かった。外の喧噪を逃れてレストランやバーで友人達と過ごすにはよさそう。

寝起きの猫

2014.01.18
KK
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NN
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KKの加齢が目だってきたかな。2頭とも、もうしばらく元気でね。

強気のロンドン3:ロンドンへの観光客数、記録更新

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スクリーンショット 2014-01-16 21.25.32
(Visitlondon.comから)

今晩のイヴニング・スタンダード本紙のトップ記事は、2013年7月から9月にロンドンを訪れた観光客の数が490万人を超え、記録を更新したと。

It's official: London is the most popular destination for tourists in the world
http://www.standard.co.uk/news/london/its-official-london-is-the-most-popular-destination-for-tourists-in-the-world-9063988.html

 記事のそこかしこから驕りを感じるのは穿ち過ぎだろう。でも、そんなに観光客が増えて、ロンドンは受け入れられるのか、という疑問を打ち消すこともできない。

 そんな妄言は脇に置いて、ウェブの中でロンドナーによるロンドン紹介のヴィデオの一つで、ロイヤル・バレエのプリンシパル・カップル、マリアネラ・ヌニェスティアゴ・ソアレスがロンドンの魅力を語っている。



http://www.youtube.com/watch?v=6YJOA8u8mCA

http://www.visitlondon.com/story/profile/58157-royal-opera-house

http://www.visitlondon.com/

二人が主演したロイヤル・バレエの「くるみ」
http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/11717475485/

 ソアレスの甲高い声はカルロス・アコスタを想起させる。そしてヌニェスの英語の素晴らしいこと。競争の厳しいバレエの世界で苦しいこともあっただろうけど、輝くばかりの彼女の笑顔からは、今、彼女が自分のキャリア、そして生活を楽しんでいることが伺える。

 ロンドン旅行があたるらしいコンペティションをやっているようだから、時間があれば観てあげてください。

健康な食事ができる国はオランダが1位、イギリス13位、日本は21位

2014.01.15
Dutch-Food-Hagelslag.jpg
(Dutch foodで画像検索して、上位にでてきたうちの一つ。Was ist das?)

国際的人道支援団体としては、イギリスを代表する団体の一つであろうオックスファム(Oxfam, http://www.oxfam.org/en)が、世界のどの国が健康的、且つ経済的にバランスのとれた食生活ができているかの調査結果を発表した。

Dutch beat French and Swiss to top Oxfam's new global food table
http://www.oxfam.org/en/grow/pressroom/pressrelease/2014-01-15/dutch-beat-french-and-swiss-top-oxfams-new-global-food-table#sthash.y074bcuC.dpuf

Good Enough to Eat
Where in the world are the best and worst places to eat?
(PDFで開きます)
http://www.oxfam.org/sites/www.oxfam.org/files/good-enough-to-eat-oxfam-media-brief-012014.pdf

Netherlands is country with most plentiful, healthy food: Oxfam
http://www.reuters.com/article/2014/01/15/us-food-countries-idUSBREA0E01S20140115

「健康な食事」世界1位はオランダ、日本は21位=調査
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYEA0E01M20140115

 総合1位はオランダ。そして上位20位は欧州の国々がほぼ独占。イギリスは13位、日本は総合21位という結果とのこと。

 ロイターの報道を読んでもよく判らない調査項目がある。PDFファイルの中程にある項目のうち、日本、カナダとアメリカが最良国となっている、Food Price Inflation Volatilityの意味がよく判らない。遥か昔、金融市場の世界の辺境に居た頃から、このVolatilityという単語が意味することが判らない。

 このような調査の結果は、最良に位置づけられた国の中でも問題はあるということを忘れてはならないし、今回の調査報告ではそのような点にも触れている。

The Netherlands makes top place thanks to relatively lower food prices and diabetes levels, and better nutritional diversity than its European rivals. However, the Netherlands scores poorly on the obesity measure - almost one in five of its population (19 per cent) have a body mass index of more than 30. The Netherlands is not alone. Many of the top 12 also exhibit high levels of obesity. Australia has the highest level of obesity of the top 12, scoring 37 in the indexwith 27 per cent of the population obese. Nine percent of Australians also have diabetes.

 オランダの物価はイギリス並みだと思っていたのだけど、そうではないよう。背が高い印象があるオランダ人に肥満が多いというのはかなり意外。次の抜粋は、先進国での肥満は、低所得者層に多いこととその理由。

While obesity is becoming more pronounced due to better incomes and changing diets, it is also important to note that it is a problem that affects those in poverty. For example, while the Pacific Islands are not included in the index due to a lack of data in other criteria, they have higher levels of obesity than Kuwait. The island of Nauru ranks the highest- 71 per cent of its relatively poor population is obese. In wealthier countries, obesity can often be linked to poorer sections in society. In the UK, people on low incomes eat more processed foods, which are higher in saturated fats and salt while processed, high-fat foods are often significantly cheaper than fruit and vegetables in countries such as the United States.

 毎日の食事を自分で作り始めて(そんな大層な料理ではない)スーパーで実感するのは、食材の価格が徐々に値上がりしていること。昨日、2013年のイギリスのインフレ率が低くなったのは、果物の価格が予想されたほど上がらなかったことが一因との報道があった。確かに、バナナ等の価格は冗談かと思うほど安い。翻って、自分の体に必要な食材ほど高い。

 食材の流通、そして食べるということに関しては、世界から不均衡が無くなることは難しいかなと感じる調査報告。

 健康的な食事とは直接関連しないが、今日のガーディアンが取り上げたのは、ダイエットに効くとしてインターネットで販売されている薬品による死亡事故について。

DNP victims' families lead fight to have fat-burning drug classified
http://www.theguardian.com/politics/2014/jan/14/dnp-victims-families-fat-burning-drug-reclassify

 僕はダイエットのやり方は自己流だったけど、何を食べるかを決めるには医師からもらった食材リストをじっくり読んでから決めた。ダイエットを考えている人は、まず医療機関等の専門家に相談する方が良いと思う。

ブリティッシュ・ミュージアム、255周年だそうで

2014.01.15
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(2014年1月15日のグーグルUKから、https://www.google.co.uk/

The British Museum
255th anniversary of public opening

http://www.britishmuseum.org/whats_on/255th_anniversary.aspx

On 15 January 1759, the first visitors were allowed in to view the collection of the British Museum. 255 years on we are celebrating the most successful year yet, with over 6.5 million visitors in 2013.

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ブリティッシュ・ミュージアムのウェブから無断拝借)

The Museum 255 years ago

When the Museum opened in 1759, it was housed in a seventeenth-century mansion, Montague House, in Bloomsbury on the site of today's building. Entry was free and given to 'all studious and curious persons'.

The British Museum’s 255th anniversary: from the archives
http://blog.britishmuseum.org/2014/01/14/the-british-museums-255th-anniversary-from-the-archives/


 春画展を満喫したい、自分にとっても新しい発見を友人達と共有したいということでメンバーシップを購入したブリティッシュ・ミュージアム。過去三ヶ月の間だけで、多分、少なくとも15回以上は訪れた。それまでは、何となく僕にとっては足が向かなかった博物館だけど、これから徐々に開拓して行こうかと思う。メンバーズ・ルームの居心地も良くて、友人達と会うにも良い場所。

春画展、最終日
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2129.html

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157636192315194/

春画展関連の商品
http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157637267425855/

 ブリティッシュ・ミュージアムは今年の9月から、中国の明朝の美術品・工芸品の特別展示を催すそうだ。

China's Ming dynasty golden age to be star of British Museum blockbuster
http://www.theguardian.com/artanddesign/2014/jan/08/china-ming-dynasty-golden-age-british-museum-blockbuster

 更に、2013年の来館者数が過去最高を記録した。

The British Museum celebrates 255 years with record visitor numbers
http://www.theguardian.com/culture/2014/jan/14/british-museum-record-visitor-numbers

[追記:2014年1月16日]

 春画展への観客数は、予想の倍だったとのこと。

Sex sells for British Museum
http://www.telegraph.co.uk/culture/culturenews/10572091/Sex-sells-for-British-Museum.html

the Japanese exhibition featured erotic paintings and prints, produced between 1600 and 1900. The exhibition, which closed last week, received almost 88,000 visitors in three months, more than double its 40,000 target.

直島に行きたいぞ!

2014.01.12
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(テレグラフから無断拝借。草間弥生さんの作品だろうな)

今日のサンディ・テレグラフの旅行セクションの最初の話題の一部は、瀬戸内海に浮かぶ直島。

Tales of the Unexpected: Qatar and Japan
http://www.telegraph.co.uk/travel/10563923/Tales-of-the-Unexpected-Qatar-and-Japan.html

 偶然だが、土曜日に、何度も日本を訪れているニュー・ジーランド出身の知人から、「直島に行きたいんだけど、どうやって行けるか知っていたら教えて欲しい」と訊かれたばかり。
 
 昨年の芸術祭はすっかり見逃してしまったけど、実は、直島へは僕も行きたい。記事では高松港からと書いてあるけど、以前、他の友人から岡山からの方が便が良いと聞いたような。いずれにしても、行くことにしたら、しっかり調べて行こう。最近は、東京、京都、大阪だけでなく日本各地のことがきちんと紹介されるようになって、イギリス国内で日本への興味が深まっているのではと。円安傾向だし、イギリスからの観光客を呼び込むにはいいタイミングだろう。

健康な食事は高いのか?

2014.01.08
最近のイギリスで、クッキング業界で頻繁に取り上げられている女性が居る。ジャック・モンロー(Jack Monroe)。

Jack-Monroe-008.jpg
(ガーディアンから拝借。昨年の夏に初めてガーディアンに写真がでたときと比べるとずいぶん洗練された。スタイリストがついたんだろう)

 今月から、ジェイミィ・オリヴァーに代わってセインズベリィの広告に起用されるというニュースが大きく取り上げられたのは2013年の12月。それへの批判はこちらに。

Grim news: Sainsbury's signs up Jack Monroe, the Guardian's favourite poor person
http://blogs.telegraph.co.uk/news/brendanoneill2/100250785/grim-news-sainsburys-signs-up-jack-monroe-the-guardians-favourite-poor-person/

 ライターの男性、そしてテレグラフ読者のガーディアンへの批判が笑える。「レフティはケンプリッジやオックスフォードを卒業しているはずが無い」ともとれる批判は、「左派=清貧」という印象は世界共通なんだな。

 モンローさん、オリヴァーと違って自分でレストランを切り盛りしている訳ではなく、彼女のブログが多くの人の注目を集めて、今の人気、特にガーディアンでの重宝ぶりにつながっているようだ。彼女のブログ。

http://agirlcalledjack.com/page/2/

 メディアの情報を簡単にまとめると、シングル・マザーとしてどのように食費をかけずに、というかけられない状況で体にいい食事を彼女の子供と彼女自身に提供するかというのブログの始まりのようだ。

 で、今日のガーディアンのG2のトップはモンローさんによるレディ・メイド食品に一工夫して、経費をかけずに健康(かもしれない)食事のレシピの特集。

Jack Monroe's ready-meal challenge
http://www.theguardian.com/lifeandstyle/2014/jan/07/jack-monroe-ready-meal-challenge

 料理が苦手な僕には、どんなレシピですら読む気力は無いが、記事の出だしが興味深い。

Late last year, I watched a woman sitting on a breakfast TV show sofa tell the nation that her children were obese because it was cheaper to buy ready meals than prepare food.

It's easy to criticise, but I understand where that kind of thinking comes from – despite the widespread obsession with food these days, we're in a weird situation where cooking is alien to a large part of the UK population. Home economics hasn't been a compulsory part of the curriculum for years, kitchens are designed to be smaller because "nobody cooks" and supermarket shelves are filled with rectangular things that just need stabbing with a fork and pinging in a microwave. Indeed, with ready-made supermarket lasagnes setting you back just 75p in some cases, you could be forgiven for thinking it was the cheapest way to eat. I did.


 10月からダイエットを始めて判ったことの一つは、たとえ簡素な料理でも、毎日調理するのは労力もさることながら、値段としては安価な訳ではない。連立政権は躍起になってイギリス国内の経済は回復しているというが、賃金が物価に対して下がり続けている状況では、多くの人が食費を削る、つまり安価な出来合いの食品を食べ続けて塩分や脂肪を取りすぎてしまうことになりかねない、と。

 モンローさんがイギリスの食生活改善の旗手になるかどうかは、テレグラフの読者が持つ偏見が消えなければ、けっこう難しいかもしれない。

[追記:1月14日]
GPと会った際、体重を測ったら、3ヶ月で10キロの減量を達成。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2123.html

イギリスを襲った嵐の凄まじさ:岩が消えた

2014.01.08
年末・年始にイギリスに来ていた人たちは実際に体験したであろう、イギリスの嵐。各地で甚大な洪水被害が起きていて、毎日のニュースで被害の規模を知らせる写真をメディアは多く掲載している。その中で、今日、1月8日のガーディアンが掲載したドーセットの海岸にあった岩が嵐で崩れ去った写真は、嵐の規模がどれほどだったかを明瞭に説明している。

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(健在の頃)

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(嵐のあと。仮に、これがデジタル処理のまやかしだったらガーディアンは大変だろうな)

Sirens heralded storm that changed the shape of Chesil beach
http://www.theguardian.com/uk-news/2014/jan/07/uk-floods-chesil-beach-sirens

UK storms and flooding: your pictures
http://www.theguardian.com/uk-news/gallery/2014/jan/07/uk-storms-flooding-large-waves-your-pictures

 天気予報によると、どうやら明日からは穏やかな天気に戻るらしい。嵐の影響なのか、これまでは気温が高めだが、これから寒くなるのかもしれない。

ブリティッシュ・ミュージアムでの春画展、終了

2014.01.05
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(買ってしまった。外で使えるかどうか)

2013年10月にブリティッシュ・ミュージアムで始まった「春画展」が、今日、1月5日に最終日を迎えた。今日は、歩行が困難な友人と一緒に観に行った。車いすを予約しておいて大正解。開館直前に着いて、係の人に訊いたら今日は車いすの予約が一杯だとのことだった。
 
 事前にウェブでチケットの予約状況を調べたら、最終日からだろう、ほぼ完売状態。混雑する前に車いすの友人がじっくり観る時間と空間があってよかった。午前11時半を過ぎた頃には会場内の展示の前には、説明をじっくり読み、そして春画や浮世絵をじっくり観る人の列がほとんど動かない状況。更に入り口には、チケットを購入できなかったけど、なんとしても観たいので空席を待つ人の行列がでてきていたほど。

 連れて行った友人すべてが楽しんだ訳ではない。嗜好は人それぞれだし。友人達に共通する感想は、「性交の場面には、正直、何枚も観ていたら飽きた。でも、デザインの斬新さ、素晴らしい技術、そしてユーモア。日本文化への興味がかき立てられた」、というもの。この素晴らしい展示が日本に巡回できないなんて、まさに文化的損失。

 今回の展示では、素晴らしい説明から多くのことを学んだ。この展覧会についての最後のポストなので、一つ、会場の奥に掲げられていた、春画がどのようなものかを17世紀の説明を引用しておく。

(春画が新婚の奥さんに義母から送られる習慣があり)These (shunga) are essential. If we ask why this is the case, the answer is that sex is essential to give pleasure to one's heart. Yohsida Hanbei, Genji on iro-asobi, 1681.

 2013年の流行言葉の一つらしい、「おもてなし」。恥ずかしく思うことなんて、全くない。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2068.html

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2073.html

世界の500人以上の作家が、国家による情報収集に反対

2014.01.01
月曜から金曜のガーディアン本紙の真ん中見開き面は、通常は「目撃」というタイトルの元イギリス国内だけでなく、世界各地で起きた深刻な事件や観る人に微笑みをもたらす写真が大きく掲載される。

 2013年12月10日、その見開き全ペイジにわたって、世界各国を代表する(であろう)作家達の写真が掲載されていた。目的は、スノーデン氏の告発によって露見したイギリス、アメリカを始め国主導で個人情報を電話やインターネットから盗んでいたことへの反対表明。

World's leading authors: state surveillance of personal data is theft
http://www.theguardian.com/world/2013/dec/10/surveillance-theft-worlds-leading-authors

More than 500 of the world's leading authors, including five Nobel prize winners, have condemned the scale of state surveillance revealed by the whistleblower Edward Snowden and warned that spy agencies are undermining democracy and must be curbed by a new international charter.

The signatories, who come from 81 different countries and include Margaret Atwood, Don DeLillo, Orhan Pamuk, Günter Grass and Arundhati Roy, say the capacity of intelligence agencies to spy on millions of people's digital communications is turning everyone into potential suspects, with worrying implications for the way societies work.


International bill of digital rights: call from 500 writers around the world
http://www.theguardian.com/world/2013/dec/10/international-bill-digital-rights-petition-text

A stand for democracy in a digital age

In recent months, the extent of mass surveillance has become common knowledge. With a few clicks of the mouse the state can access your mobile device, your email, your social networking and internet searches. It can follow your political leanings and activities and, in partnership with internet corporations, it collects and stores your data, and thus can predict your consumption and behaviour.

The basic pillar of democracy is the inviolable integrity of the individual. Human integrity extends beyond the physical body. In their thoughts and in their personal environments and communications, all humans have the right to remain unobserved and unmolested.

This fundamental human right has been rendered null and void through abuse of technological developments by states and corporations for mass surveillance purposes.

A person under surveillance is no longer free; a society under surveillance is no longer a democracy. To maintain any validity, our democratic rights must apply in virtual as in real space.

* Surveillance violates the private sphere and compromises freedom of thought and opinion.

* Mass surveillance treats every citizen as a potential suspect. It overturns one of our historical triumphs, the presumption of innocence.

* Surveillance makes the individual transparent, while the state and the corporation operate in secret. As we have seen, this power is being systemically abused.

* Surveillance is theft. This data is not public property: it belongs to us. When it is used to predict our behaviour, we are robbed of something else: the principle of free will crucial to democratic liberty.

WE DEMAND THE RIGHT for all people to determine, as democratic citizens, to what extent their personal data may be legally collected, stored and processed, and by whom; to obtain information on where their data is stored and how it is being used; to obtain the deletion of their data if it has been illegally collected and stored.

WE CALL ON ALL STATES AND CORPORATIONS to respect these rights.

WE CALL ON ALL CITIZENS to stand up and defend these rights.

WE CALL ON THE UNITED NATIONS to acknowledge the central importance of protecting civil rights in the digital age, and to create an international bill of digital rights.

WE CALL ON GOVERNMENTS to sign and adhere to such a convention.


 この二つ目の記事の下方に、今回の表明に参加した作家の一覧がある。悲しいという言葉を使って差し支えないと思うが、日本から加わったのはたった一人、Uji Toshihiko。多分、宇治敏彦さんだと思う。

 国が隠し事を堂々とできることになってしまった日本からどうしてこのような動きに参加が無いのだろう。言葉の壁、コミュニケイションのハードルを突き破って、孤立しないで欲しい。
 
 世界の作家達が国家の隠し事に対して立ち上がった焦燥の理由の一つは、民主主義が直面する崩壊への危機感ではないかと想像する。

 思想家の内田樹さんには迷惑かもしれないが、彼の指摘をずっと考えている。

「街場の憂国論」号外のためのまえがき
http://blog.tatsuru.com/2013/12/11_0921.php

政権がこれほど強権的に法案採択を強行したのは、まさにこのようなものごとの進め方そのものがこれからデフォルトになるということを国民に周知させるためだったからです。

 反対の声を上げなければ、政治家を選ぶ権利を持つ国民がその権利の存在の危うさに気づかなければ、国家は暴走する。日本、イギリス、アメリカだけではない。世界の多くで、同様な不安定さが確実に勢いを増しているように思う。

 そのような時に、日本国内だけにとどまらないで欲しい。今の時代の喜びと不安を書き表せる作家の皆さんには、是非、世界とつながって欲しい。

今日、1月1日からブルガリアとルーマニアからの移民への制限が撤廃

2014.01.01
Multicultureという項目があるのをすっかり忘れていた。

 今日、2014年1月1日から、ブルガリアとルーマニアからの就職目的の移民の規制が期限を迎え、両国から、フランスやドイツ、そしてイギリスへの渡航への障害が無くなる。

 他のヨーロッパ諸国と比べると、賃金が他界の安定した生活を求め、そして英語という「世界共通語」を学べる機会だし、社会福祉を受けるためだけの目的でイギリスへ両国からの移民が急増することを恐れるイギリス政府は、ヨーロッパ圏からの移民でも、イギリスに到着してすぐに生活保護の申請や、NHSでの無料医療サーヴィスにすぐにアクセスできないようにしたりと、社会の不安を払拭するのに躍起になっている。
 
 EU圏からの移民を良しとしないメディアの筆頭であるデイリィ・メイルなどは、読者の不安を煽る記事を掲載している。

This worryingly crowded isle: England is officially Europe's most densely packed country
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2530125/This-worryingly-crowded-isle-England-officially-Europes-densely-packed-country.html

 キャメロン首相の言動に対して、国連やブルガリア大統領から直接の非難の声が上がっている。

Bulgaria issues fierce rebuke to David Cameron over migrants
http://www.theguardian.com/uk-news/2013/dec/21/bulgaria-rebuke-david-cameron-migrants

UK immigration bill could create 'climate of ethnic profiling' – UNHCR
http://www.theguardian.com/uk-news/2013/dec/26/uk-immigration-bill-climate-ethnic-profiling-unhcr

 ずっと以前、移民の一人として感じることを書いたことがある。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-50.html

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-70.html

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-71.html

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-72.html

 先に移民できてしまった僕としては、これから増えるであろう、英語を話すことのできない、また話す必要も無いと思っているような、そして受け入れる社会へとけ込もうとしない人たちが大挙して押し寄せるかもしれないということには不安を感じる。これは、正直な感情。

 ここに来て、全く個性の違う国だけど、イギリスと日本両国が周囲から孤立して行くのが加速しているように感じる。先般の特定秘密保護法の成立や、首相の参拝へ国連だけでなくEUからも懸念が表明された日本。
 今回の、移民してきても即座に社会福祉にアクセスできないようにしたり、国内の食料危機状態へのEUからの申し出を拒否し、また昨秋、ベッドルーム・タックスへの国連の調査に政府を上げて反発したイギリス。

 日本はこのまま孤立して過去の過ちを繰り返すのかどうか判らないが、イギリス国内の雰囲気もまた、孤立してもやっていけるさ、という驕りにもにた集団ヒステリア状態に陥りつつあるようにも感じる。

 人々の動きを止めることはできないだろう。無理に止めれば、そこに生じる軋轢がどのような状況を導きだすのか、不安を煽っているメディアも判らないだろうし、誰も判らないこと。

 人が生きて行くことの難しさを改めて感じる2014年の初日。

勝ち組世代なんて居るのか2:1960年以降に生まれた人々だって大変さ

2014.01.01
2013年12月中旬、連立政府がこれからの経済政策を発表したのと同じ時期に、経済系のシンクタンクから発表された調査の結果は、1960年代、70年代に生まれた人の多くは、彼ら・彼女達の親の世代が享受した生活レヴェルに到達できない、というもの。自分、当てはまるじゃないか!

 経済関連は相変わらず苦手なので翻訳は参考程度に読んでください。

Born after 1960? Then you're probably poorer than your parents
http://www.theguardian.com/society/2013/dec/17/living-standards-survey-institute-fiscal-studies

The political row over falling living standards was stoked on Tuesday as it emerged that earnings-squeezed and pension-poor Britons born in the 1960s and 70s need inherited wealth to be better off in retirement than people born in earlier decades.

収入が減り、年金受給額が少ない60年代、70年代生まれは親の世代から資金が必要となるだろう。

Andrew Hood, a research economist at IFS and an author of the report, said: "Since the second world war, successive cohorts have enjoyed higher incomes and living standards than their parents. Yet the incomes and wealth of those born in the 1960s and 70s look no higher than the cohorts who came before them. As a result, younger cohorts are likely to have to rely on inheritances to be better off in retirement than their predecessors."

Hood said the IFS had not yet studied what sort of retirement might be expected by those born in the 80s and 90s, but there was nothing to suggest the outlook had improved.


60年代、70年代以降に生まれた人々の収入は、彼らより先の世代より良くはならない。結果、60年代、70年代に生まれた人たちは、退職後の生活安定のために、先の世代の富を受け継ぐ必要がある。

The main findings of the IFS report were: • Since the war, steady growth has meant each generation had higher incomes and living standards than the one before.

Those born in the 60s and 70s are less likely to own a home.

• The trend stalled in the past decade, with individuals born in the 60s and 70s having the same take-home pay as workers born a decade earlier.

• The children of the 60s and 70s had higher incomes during early adulthood than their predecessors but spent the extra.

Compared with those born in the 40s and 50s, they are likely to have smaller private pension pots and will find that the state pension replaces a smaller slice of their earnings prior to retirement.


 イギリスに生活の拠点を移す前から、個人的には「年金」が気のするとは信じていなかったので、死ぬ数日まで働け、と言われなくても働くつもりで居る僕のような人間にとっては驚くことではないですが、今必死で働くのは年金を受け取るためと思っている皆さんへの衝撃は大きいのではないかと。

The IFS said: "The main conclusion is that individuals born in the 60s and 70s are likely to be reliant on inherited wealth if they are to be any better off in retirement than their predecessors. Many more people in younger cohorts expect to inherit wealth; but expected inheritances are distributed unequally and are higher for those who are already wealthier. The results suggest that the rapid improvement in economic outcomes across birth cohorts that we have seen in recent decades may be coming to a halt."

若い世代は、親の世代の資産を受け取ることを期待しているが、遺産の分配は、(社会において)公平に分配されることは無く、既に審査を持っている人たちほど、多くの資産を受け取る。

After strong growth in the 80s and 90s, real incomes are no higher now than they were a decade ago and were growing only weakly even before the financial crash. Over the same period, companies have made a rapid switch from final salary pension schemes to less generous defined contribution schemes in which younger workers have been accumulating less private pension wealth.

1980年代、90年代の強力な(経済の)成長以降、実収入は増えておらず、金融危機の前からその成長は弱かった。その時代の中で、多くの企業はそれまでの年金システムから受給率の低い制度に急激に変換して行った。

 もう一つの記事は年金と不動産価格の比較から、世代ごとの苦境に焦点を当てています。

Property and pensions, the roadblocks on living standards
http://www.theguardian.com/society/2013/dec/16/living-standards-property-pension

It's telling that 1967 was the year that pensions peaked in Britain. That year, 8.1 million workers in the private sector saw money put in to a pension scheme by their employer. Mostly, the money went into final salary-based schemes, which have paid out generously to those in retirement today. By 2012, the number of private sector workers with decent pensions had collapsed. Only 2.7 million had employers paying into a scheme in 2012, the latest year the Office of National Statistics has data on.

1967年、イギリス全土の企業で年金のために雇用主が資金をプールしていた雇用者数は810万人。2012年までに、その数は270万人まで落ち込んでいる。

Property is the other factor that separates the generation born in the 1950s to those born in the 1970s and 1980s. When Halifax started its price index in 1983, the average cost of a home in Britain was £29,696, while last month it was £174,910. In real terms, prices have nearly doubled, moving from just over three times typical income to just under five times. An earlier generation needed one salary to finance a home purchase, today's generation need two. Unsurprisingly, home ownership has gone into reverse gear, in the capital especially so.

不動産価格の比較、変異を考察するには多くの要素を多角的に分析する必要があると判っていても、この価格の変動には驚く人が多いのではないかと考えます。

 ガーディアンだからこのような論調なのかは判りません。しかしながら、改めて「勝ち組」、「負け組」というくくりの空虚さを痛感します。

勝ち組世代なんて存在するのか:住宅ローンを拒否される熟年世代

2014.01.01
2014年、皆さんにとって喜びがあふれる一年になるように。

 と言いつつ、2013年中に書けなかったことの一つが、僕が知る限り、イギリスでもひっそりと取り上げられた、老年世代が住宅ローンを借り換える時に、拒否されることが増えているという報道。

Older home owners struggle to switch to new mortgage
http://www.telegraph.co.uk/finance/personalfinance/borrowing/mortgages/10339926/Older-home-owners-struggle-to-switch-to-new-mortgage.html

 イギリスでも日本でも、苦労する世代として頻繁に取り上げられるのは若い世代。でも、とりわけ日本では注目を浴びる傾向にある「裕福な年金世代」も、おそらくごく限られた人数だけだろうと思っていました。

 テレグラフの記事はイギリスでの不動産ローン(モーゲイジ)に特化しているので、日本国内の状況とどれくらいシンクロするのか判りません。しかしながら、社会からはじき出される状況に居るのは若い世代に限らないという点で、とても興味深いです。

Older home owners are finding it increasingly difficult to remortgage or move house as more lenders cap the maximum age on new home loans.

Experts have accused lenders of "ageism" by imposing age limits, just as lending surges to younger borrowers at the bottom of the property ladder.


 老年に入った住宅保持者が、不動産ローンを借り換えるのが難しくなっている。理由の一つは、大手の金融機関が、不動産ローン利用の年齢の上限を下げているから。

Over the past month, three building societies have slashed their age caps on mortgage lending: Leeds Building Society last week reduced its maximum age to 75 from 80; Skipton Building Society made an identical move in August; and Newcastle Building Society introduced a cap at age 75 whereas it previously had no limit. It followed West Bromwich Building Society reducing its maximum age to 70 from 80 in May.

Restricting lending to older borrowers is a recent development. As well as blocking the over-seventies, it also hits customers in their fifties who want to remortgage when a fixed-rate deal ends.


For instance, if a 55-year-old approaches a lender with an age restriction of 75, he or she will only be offered a 20-year term. This means annual repayments will be higher than on a 25-year term – although the debt will clear more quickly, cutting the overall cost.


 不動産ローンを利用する際の年齢制限に直面しているのは、70代の自宅保持者だけではない。50代半ばのローン利用者も、返済時期を短縮しなければならず、長期で観れば返済額は減るが、毎月の返済額が(予想異常に)高くなる。

Home owners with an interest-only mortgage have been hit particularly hard by the changes, he added. "Older borrowers who are coming to the end of an interest-only deal and cannot repay the capital are struggling to remortgage," Mr Strutt said. "Many are being forced to sell other assets – or their homes – in order to pay off the debt because they can't get a mortgage with a long enough term to make the repayments affordable."

There are four million people in Britain with an interest-only mortgage. Many are over the age of 50, and increasingly unable to secure a new loan on moving house, at the end of a fixed-rate period or if the term has expired and they are unable to clear the remaining debt.

Many firms have stopped issuing interest-only loans altogether, trapping borrowers with their existing lender. In some cases, the only option is to move to a repayment basis. If an older borrower is unable to extend the term of the mortgage past age 75, for example, monthly repayments will increase many times over, making the debt unaffordable.


 日本に同様の不動産ローンがあるかどうか知りませんが、イギリスにはローンの利息部分だけを返済する「interest-only mortgage」というのがあります。元本が全く減らずにローン借り換えの時期が老年に達していると、金融機関側は回収の危機を考えて不動産ローンの借り換えに消極的になっているという状況です。

Securing a mortgage later in life is a growing problem. Many have delayed buying a home due to house prices steaming ahead of wage growth. The average age of first-time buyers is currently 30, up from 25 in the early Seventies. This is expected to keep on rising – some predict it will reach 41 by 2025.

 この部分に書かれている課題への取り組みが重要になってくると思います。ロンドンだけでなく、イギリスの大都市圏では、住宅を購入するための貯金年数が昔に比べて格段に伸び、初めて住宅を購入できる年齢が、毎年、上昇しています。

 現在に限れば、多くの人にとって所得の上昇が望めず、教育費の高騰、食費や交通費、そして燃料費も上昇を続ける中でやっと住宅購入の資金をためても、モーゲイジ取得・返済の年齢が足かせになることもある。そんな時代に、勝ち組世代なんて居るのだろうか、とこの記事を読んで考えました。

The Wind in the Willows at Duchess Theatre: 柳に吹く風、ウェストエンドに移動

2014.01.01
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(プログラムの表紙)

これまでの十数年、ロイヤル・オペラ・ハウスでは数々の名演や名場面に遭遇する経験をしている。本当に幸運なことだと思う。しかしながら、作品として最も好きなのは、ウィリアム・タケット演出の、「The Wind in the Willows」。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1844.html

 今シーズンも再演が決まり喜んだのだが、ロイヤル・オペラ・ハウスの作品として始めてウェスト・エンドの劇場の一つ、ダッチェス・シアターでの公演となった。

http://www.roh.org.uk/news/wind-in-the-willows-to-transfer-to-west-end-for-christmas

 演出のタケット、ロイヤル・オペラ・ハウスにとっては良い試みなのかもしれないが、ウェスト・エンドには全く馴染みのない僕には、最初から不安がつきまとっていた。最初の不安は、チケット代の高騰。リンベリィの最前列ど真ん中、噛りつきの席が£20−位だったのが、その倍以上。
 
 とりあえず、プレヴューの初日に劇場に行って唖然としたのは、そのうらぶれた雰囲気。こんな施設にこの値段はおかしいのではないかと。更に、手数料と払いたくなかったので、チケットはロイヤルのウェブ系由で予約した。その際、ロイヤル側のウェブでは最前列は売りにだされ居なかった。

 最前列が売りにだされていなかったのは、結果として幸運だった。というのは、舞台がかなり高くて、最前列だと出演者の姿がかなり見切れてしまう。最前列に座った親子連れは子供が舞台を観られなくて大変そうだった。

 という不満をイギリス人の友人に愚痴ったところ、「君はね、ロイヤル・オペラ・ハウスにスポイルされているからだよ。ウェスト・エンドの劇場なんてどこも同じだけど、施設を向上させる費用をまかなうことは大変なんだ。ロイヤル・オペラ・ハウスは、彼らももちろん独自の努力をしているけど、国からの予算や、寄付金集めのイヴェントを行う企画・運営部門の規模は、ロンドンだけでなく、イギリス国内で最高・最良なんだ。そのオペラ・ハウスとウェストエンドを比較しては公平ではないな」、と。

 で、そんな会話の数日後に起きた事故。

Apollo theatre collapse injures more than 80 people in London's West End
http://www.theguardian.com/uk-news/2013/dec/19/apollo-theatre-london-balcony

 劇場への不満は全く解消されないが、舞台は本当に楽しい。激戦のクリスマス時期にあって、更に値段が上がったにもかかわらず、クリスマス前はほぼ完売状態。リンベリィのときと比べ一つ素晴らしいのは、プログラムの内容がとても充実している。

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 それでも、次回の再演は是非、リンベリィに戻して欲しい。リンベリィで感じた舞台との親近感はダッチェスでは全く感じられない。

 柳は2月1日まで。土曜日のチケットはかなり売れているが、平日はまだたくさん残っているので、未見の皆さん、是非。

 で、今年のクリスマス時期のリンベリィでは、家族向けを歌った新しいオペラ。

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http://www.flickr.com/photos/royaloperahouse/sets/72157638311931833/

 酷かった。リンベリィの空間を新しいやり方で作り上げた舞台セットは記憶に残るものだが、肝心の音楽が最低。これもまた、再演されずに記憶の彼方に消え去る作品だと思う。

料理嫌いのダイエット料理

2014.01.01
年末・年始、胃を酷使している人も多かろうということで、誰にも参考にならない余計なお節介を。

 昨年の10月中旬、腹部と胸部の中央に起きた猛烈な痛みは、胆石と診断された。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2065.html

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2066.html

 医師にあった時に渡された食品リストを熟読して決めたのは、「ロウ・ファット・ダイエットを、今晩から実行する」。僕のこれまでの人生において、「調理する」、「調理を学ぶ」というのは選択してとして下位にあり、ダイエットを決意しても、「じゃ、こうしよう」という方法は全くなかった。また、料理本を読んだりするという選択もなし。時間がもったいない。

 ということで始めたのは、全くの自己流。料理が得意な人からすれば料理ではないと思われるかもしれない。基本として、毎夕食は少量のパスタに、繊維質を多く含んでいるであろうと勝手に思い込んでいる野菜を大量に摂るということにした。その夕食からほぼ毎日、そして今日の元日も、トマト、アスパラガス、セロリ、大豆とパスタ。そして2ヶ月目に入る頃から加えた、バルガー・ウィーツ。プロテインは主に鮭か小エビ。味付けは一切しないから、本当に素材の味だけ。
 朝、昼は当初は白米だけだったが、スーパーで購入できるワイルド・ライスやバルガー・ウィーツを入れた簡素なもの。ただし、朝、昼、夕食のどれ一つとして食べる「量」を極端に減らすことは無く、むしろ夕食はフラットメイトが驚くくらい、一皿の量は多い。

 ダイエットを始めて、普通ギヴ・アップする目安であろうひと月が終わる頃、ベルトの穴が一つ動いた。これが大きなモチヴェイション、つまり「このプランは自分に合っている、間違っていない」と。

 途中、歯医者に通うことになったのも、良い意味でダイエットに集中できる環境だったかもしれない。

 大きな変化の一つは、スーパーで食品を手に取る度に、食品のイングレディエンツをじっくり読むようになったこと。今まで全く気づかずに居た脂肪の量、塩分等に驚いたり、呆れたりしている。

 現在、ベルトの穴は二つ目に移動している。相変わらず医師の診察の予約を取るのが大変で、それでもあと2週間でどのような結果になるか。

 体重が減っていることを実感するのはベルトの穴だけではない。風呂につかるとこれまで湯がこぼれていたお湯の量でもお湯が無駄にならない。目的地が決まっていれば、1時間ほどであれば休むこと無く歩いても全く苦にならない。

 自画自賛であることは認めるが、自分のself-disciplineが良いレヴェルで維持されていることを感じることもまた挫折しない要素かもしれない。

 もちろん、甘やかすことも必要。胆石の痛みを感じないためにケイキを我慢するのはできるけど、甘い物を全く口にしないという苦行をずっと続けるのは不可能。ということで、毎週、ロンドン中心部にある源吉兆庵で小豆系の菓子を購入できることは幸運。

 手術を避けられるならばそうしたいし、その想いがあってこそここまで来たのかとも思う。課題は、健康に不安を抱えたとき、例えばこのブログへの集中力が明らかに殺がれている点。新しく取り組まなければならないことが始まったとき、生活の中で何にプライオリティを置くか、すべてを同じレヴェルで維持する方法はあるのか。このブログは、僕のロンドン生活の中では大きな位置を占めているので、焦らず進めて行ければ良いなと。

KKとNNの新年は、鮭から

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食べ終わると2頭ともすぐさまお互いを無視するから、先はまだまだ。

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