LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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2016年09月の記事一覧

日経「味な地球儀」9月20日:イギリスのサーヴィス・ステイション

2016.09.27
*著作権は、日本経済新聞社に帰属する。

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https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/albums/72157674348422896

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会計監査は、新作バレエの再演回数を精査する:パリオペラ座バレエの場合

2016.09.18
ここ数年、揺れている印象のあるパリ・オペラ座バレエについてのニュースが昨日、ガーディアンで報道された。

Paris Opera Ballet lambasted by auditors for €90,000 taxi bill
https://www.theguardian.com/world/2016/sep/16/paris-opera-ballet-lambasted-auditors-taxi-meals-bill-france-millepied

 今年の始め、突然(という印象を否めない)、就任して1年足らずの芸術監督を辞任したベンジャマン・ミルピエがオフィスに居た頃の会計監査の結果、破格なタクシィ代金、高額なランチが明らかになったそうだ。

 そんなことは日本の政界でも、イギリスの政界でも起きることだが、意表をつかれたのが、会計監査がバレエ団の為に振付けられた新作バレエの再演回数の少なさ、言い換えると、莫大な制作費をつぎ込んだ新作が再演されないのは、投資した資金を回収できていないといわれているのと同じだろう。何故だか判らないが、ガーディアンのウェブヴァージョンからは削除されている、本紙に掲載された部分。

Auditors recognised that the company had taken steps to bring its spending "in line with its financial restraints."But it called for it to increase the number of productions in order to bring the POB back on an even keel.

"Too many new productions, notably lyric ones, do not have another run (40%) or only a single subsequent performance (26%)," the auditors pointed out in their reports.

"Given the high cost of productions ... The Opera cannot allow this to continue and must better manage its productions over time," they said.


 この新作に関する部分が、バレエだけなのか、それともオペラ座全体への批判なのかが判り辛いので削除されたのかもしれない。しかし、それを差し引いても、「新作に失敗は許されない。上演までにかかった投資、費用を回収し、しかも更なる利益を得る為に、再演、再々演されなければならない」と言われているようのものだろう。

 会計監査でこのようなことを指摘されても不思議ではないが、こんなことを言われると、世界中のバレエ団、そしてオペラ・カンパニーは新しい作品の制作を躊躇ってしまうだろう。
 
 ロイヤル・オペラ、ロイヤル・バレエは新作、もしくは新しい演出で、その後に再演されないプロダクションは死屍累々。思いつく限りで、「Castle in nowhere」、「プロヴァーブhttp://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-234.html)」、昨年のシェヒターの新作も再演されることは無いだろうと断言。更に、前監督のモニカ・メイソン女史の引退記念のトリロジー(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1708.html)も、「マキナ」以外が再演されるとはとても思えない。

 オペラでは、「ソフィーの選択」、「1984」(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-396.html)、2003年の「ルチア」(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-239.html)、「湖上の美人」(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1944.html、これは再演したくても歌手をそろえるのが困難だと思う)。

 ロイヤル・オペラは2013年に新しい試みに関して以下の発表をしている。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1851.html

 舞台芸術とお金は切っても切れないつながりだが、利益率、資金回収の可能性が念頭にあっては、新作は生み出されなくてなってしまうと思う。

アガサ・クリスティが「スタイルズ荘の怪事件」を書いて100周年の切手

2016.09.15
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(画像は全てガーディアンからスクリーンショット。左上から時計回りに「オリエント急行の殺人」、「スタイルズ荘の怪事件」、「アクロイド殺し」、「そして誰もいなくなった」)

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(ミス・マープルの「予告殺人」。今でも覚えているのは「甘美なる死」というケイキ)

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(これは読んだ記憶が無い)

 今日、9月15日にロイヤル・メイルからアガサ・クリスティが最初の推理小説を執筆して100周年を記念する切手を発売した。

Agatha Christie Special Stamps
http://www.royalmail.com/agathachristiestamps?iid=PROMO_H1_AGATHA_CHRISTIE

Marking 100 years since Agatha Christie wrote her first crime novel

We're celebrating the life and work of the Queen of Crime on the centenary of her writing her first published novel and the creation of Hercule Poirot.

This exceptional set of Special Stamps depict key scenes and characters from six iconic novels including Murder on the Orient Express.

• Gift the Agatha Christie Stamp Souvenir
• Collect the Presentation Pack written by Mathew Prichard, Agatha Christie's grandson
Discover the mysterious elements hidden in the six Special Stamps


New Agatha Christie stamps deliver hidden clues
https://www.theguardian.com/books/2016/sep/15/new-agatha-christie-stamps-deliver-hidden-clues

The six stamps are devoted to classic Christie mysteries, including her debut The Mysterious Affair at Styles, which Christie began writing 100 years ago at the age of 26, and another Hercule Poirot mystery, Murder on the Orient Express – appropriately enough a first class stamp. Each design includes microtext, UV ink and thermochromic ink. These concealed clues can be revealed using either a magnifying glass, UV light or body heat and and provide pointers to the mysteries’ solutions.

 それぞれの切手には、幾つかの趣向が凝らしてある様だ。クリスティの作品は全部は読んでいない。でも、「ゼロ時間へ」とか、「蒼褪めた馬」とか、「ねじれた家」とか、「親指のうずき」とか、「復讐の女神」とかも入れて欲しかったかなと。

 日本では以下のサイトで購入できる様だ。趣向の内容が全て書かれているので知りたくない人は要注意。

http://www.bopa.jp/shop/products/detail.php?product_id=4122

Stamps    Comment(0)   ↑Top

おやつ、頂戴:猫が上目遣いをするとき

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この熱い視線に抗える猫飼いが居るだろうか、いや、居ない。

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Cats    Comment(0)   ↑Top

メイ首相、ヒンクリィ・ポイントC建設に合意

2016.09.15
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(ガーディアンのサイトのスクリーンショット)

7月末、調印当日の朝にメイ首相がストップをかけたヒンクリィ・ポイントでの新しい原子力発電所建設計画。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2724.html

 様々な政治的駆け引きがあったのだろうと思う。昨夕から、メイ首相が合意するらしいという憶測ニュースが流れていた。そして今朝、建設にゴー・サインがでたとの報道。

Hinkley Point C nuclear power station gets go-ahead
https://www.theguardian.com/uk-news/2016/sep/15/hinkley-point-c-nuclear-power-station-gets-go-ahead

 地図で見ると、ヒンクリィ・ポイント原子力発電所は海岸沿い。イギリス人でも覚えている人はそれほど居ないかもしれないが、ヒンクリィ・ポイントの西側にあるマインヘッドからちょっと先にある小さな漁港の村Lynmouthは、大雨による鉄砲水で壊滅的な被害を受けたことがある。

Lynmouth Flood
https://en.wikipedia.org/wiki/Lynmouth_Flood

 半世紀以上も前のこと、また平地(ヒンクリィ・ポイント)と川から港への狭い土地(リンマス)という違いはあるのでヒンクリィ・ポイントの安全性が疑わしい、ということにすぐにはならないだろう。でも、日本のように自然災害から被害を受けることは無い、とは言えないとも思う。

 先週、発電所内見学ツアーで訪れたサイズウェルB原子力発電所

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2748.html

 ツアー中に聞いた話、そしてヒンクリィ・ポイントCついての報道を読んで考えていること。それは、発電所内で働く人達は、多少の差はあれども、「安全性」を確保しながら自分たちの仕事を全うする。発電所の外に居る人達、つまり政治家や企業にとって最も重要なのは、「政治的駆け引き」で勝ち抜くこと。

 ヒンクリィ・ポイント、遠いけど、観に行きたいな。

BBC、グレイト・ブリティッシュ・ベイク・オフの放送権を失う

2016.09.13
初回は観ていないが、2シリーズ目からは昨年までパソコンで観ていたグレイト・ブリティッシュ・ベイク・オフ

https://www.theguardian.com/tv-and-radio/the-great-british-bake-off

 9月1日からTVライセンスの規約が厳しくなってしまったようで、iPlayerで観られなくなってしまい今回の7シリーズ目は未だに観ていない。初回、1000万人が観たそうだ。

 BBC、そして多くの視聴者はこの番組がBBCを離れるなんてことが起きるとは考えたことなど無かったかもしれない。しかし、BBCと番組制作会社の間での交渉がまとまらず、来シーズンからは(日本風に言うと)民放に移ることになった。

Great British Bake Off moves to Channel 4 as BBC negotiations collapse over fee
https://www.theguardian.com/tv-and-radio/2016/sep/12/bbc-loses-great-british-bake-off

 最新のニュースは、この番組の魅力を支えてきた出演者のうち、進行役の2人の女性は新しいシーズンには出演しないという報道。

Sue Perkins and Mel Giedroyc to leave Great British Bake Off
https://www.theguardian.com/tv-and-radio/2016/sep/13/sue-perkins-and-mel-giedroyc-to-leave-great-british-bake-off

 日本だと、NHKの「のど自慢」が民放に移ってしまうかも、という感じかな。テレビの存在意義が薄れているという議論が増えているが、この番組ほど視聴者に好まれている番組は無いのではないかと思う。製作サイドや番組のフォーマットは同じでも、出演者の変更がどのような状況をもたらすのか、興味津々。

チューリッヒ、シュヴァルツェンベルク

2016.09.13
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(チューリヒ中央駅)

シューベルティアーデでのプレガルディャン父子のリサイタルを観に行く計画を立てたのは、今年の初め。飛行機はマイレイジで、シュヴァルツェンベルクのホテルの宿泊は8ヶ月も前に先払い、リサイタルのチケットも無事に郵送され、残りの出費はチューリッヒでのホテルと移動で利用する鉄道とローカル・バスだけだから、上手く行くだろうと思った。誤算は、イギリスの欧州連合離脱決定による£の暴落、そしてリサイタル当日の雷雨。

写真
https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/collections/72157672685011042/

 スイス・フランを購入しにマークスへ行った。弱い£は判っていたものの、交換レイトの悪さに購入を止めた。必要であればチューリッヒで€から交換すれば良いだろうと。

 チューリッヒ空港の案内所で市内までの鉄道の切符を購入。€で払えて、御釣りはスイス・フラン。レイトは1:1。チューリッヒ国立美術館の入館料も€で払えて、御釣りはスイス・フラン。交換レイトは1:1。スイスを訪れる予定は無いので、スイス・フランで葉書を購入。とても短い滞在時間で判断するのは良くないことだが、チューリッヒは僕には退屈な街と感じる。

 7月にミュンヒェン空港でSバーンの切符を購入した際、手痛い失敗をしたこと、そして日を追うごとに弱くなるポンドの下落ぶりに、チューリッヒ・オーストリア間の鉄道の切符は先に購入することにした。

http://www.sbb.ch/en/home.html

 チューリッヒから途中駅までファースト・クラス、片道2時間弱の鉄道料金が、交換・返金なしの特別価格で往復£54−はイギリスではあり得ないほど割安。行きのファースト・クラスでは食堂車から従業員の皆さんが注文を訊きにきて、更に席まで運んでくれる。そして車掌からは無料の新聞(ドイツ語新聞なので丁重に辞退)。ただ、チューリッヒへの戻りの時は、残り1時間強の走行だからか、誰も来なかった。

 行きは、偶然にもパノラマ車両。チューリッヒ湖の素晴らしい景観の写真を撮れたことだろう、天気が良かったら。前日の晴天が幻だったと思えるほど、ピンポイントで雷雨。スイスの湖で観る稲光というのもまた貴重な体験なのかもしれないが。

 シュヴァルツェンベルクへの最寄りの鉄道駅からのローカル・バスへの接続は、シューベルティアーデ事務局が事前に時刻表をメイルで送ってくれたので迷うことは無かった。しかし、雷が轟き、目の前の霧が濃くて対向車が見えないのに何事も無いようにスピードを出す運転手のハンドルから目を離せなかった。

 シュヴァルツェンベルクで最も高いらしいホテルは、かなり不満が残った。忙しい受付の女性が鳴りまくる電話の対応におわれるのは仕方ないとして、宿泊客にウェルカム・ドリンクをあてがって40分もほったらかしにするのはあの宿泊費を払う意味は無いかなと。

 雨がやみ、雷雲が遠ざかったので散歩コースがあるので歩いてみようかと思っても、落ち着いて質問できる余裕を受付の女性からは感じられなかった。朝食はコンチネンタル・スタイル。飲み物は食堂の右端、ハム等は隣の部屋の左の角、と言う具合に食事や飲み物の場所があちこちに散らばっていた。歴史のある格式というイメイジと、ホスピタリティは必ずしも一致しないという見事な例だと思う。

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(ロンドンに戻る前、30分だけ広がった青空)

 シュヴァルツェンベルクへ鉄道等の公共交通機関を利用していくのは予想していたほど難しいことではなかった。時間がかかるだけ。再び訪れるかどうかは判らないが、再訪する時は、スイス経由ではなくてザルツブルク、もしくはインスブルック経由で試そうかと思う。

 チューリッヒ市内から空港に戻る時は、時間に余裕を持って路面電車で移動した。中央駅の案内所の女性が、「路面電車だと40分ほどかかるのよ。鉄道だと10分よ。本当に路面電車で良いのね?」と。鉄道は地下だから、町並みを眺めながらの空港への移動は思いのほか楽しいものだった。

プレガルディャン父子@シューベルティアーデ

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(パパ・プレガルディャン)

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(ユリアン・プレガルディャン)

オーストリアの山奥の村で毎年開かれる「シューベルティアーデ」に行ってみるかと思い至ったのには幾つかの理由。まず、ロンドンのブログ仲間のレポに興味をかき立てられた。

シューベルト祭のアンゲリカ・カウフマン・ホール in Austria
http://ameblo.jp/peraperaopera/entry-11917699303.html

 クリストフ・プレガルディャンの「イドメネオ」を観にインゴルシュタットへいくのなら(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2718.html)、同じドイツ語圏だし、オーストリアは初めての海外旅行以来、訪れたことが無いから行ってみるかと。そして、昨シーズと今シーズン、ロンドンのウィグモア・ホールがシューベルトの歌曲全曲制覇という企画(https://wigmore-hall.org.uk/news/schubert-the-complete-songs)をやっているが、シューベルティアーでに行けば滅多に歌われることがない曲も聴けるだろうとの期待。

2016年8月29日@シュヴァルツェンベルク
http://www.schubertiade.at/produktionen/sophie-karthaeuser-christoph-prgardien-julian-prgardien-michael-gees.html/

Sophie Karthäuser: Soprano
Christoph Prégardien: Tenor
Julian Prégardien: Tenor
Michael Gees: Piano

FRANZ SCHUBERT (1797–1828)

The Complete Songs, Programme #39

Des Fräuleins Liebeslauschen (Schlechta), D 698 *°^

Don Gayseros (Fouqué), D 93 *°^

Lebenslied (Matthisson), D 508 ^

Alte Liebe rostet nie (Mayrhofer), D 477 °

Der Traum (Hölty), D 213 *

Der Gott und die Bajadere (Goethe), D 254 *°^

Sprache der Liebe (A. W. v. Schlegel), D 410 *

Wiedersehn (A. W. v. Schlegel), D 855 ^

Fülle der Liebe (F. v. Schlegel), D 854 °

Der Vater mit dem Kind (Bauernfeld), D 906 *

Erlkönig (Goethe), D 328 *°^

– Intermission –

Prologue
Die drei Sänger (Bobrik), D 329 *°^
(fragment, completed by Julian Prégardien)

The First Singer °
An die Leier (Bruchmann), D 737
Gruppe aus dem Tartarus (Schiller), D 583
Strophe aus »Die Götter Griechenlands« (Schiller), D 677

The Second Singer ^
Des Sängers Habe (Schlechta), D 832
Der Rattenfänger (Goethe), D 255
Der Geistertanz (Matthisson), D 116

The Third Singer *
An die Sonne (»Sinke, liebe Sonne«) (Baumberg), D 270
Lied der Mignon (»Nur wer die Sehnsucht kennt«) (Goethe), D 877/4
Wehmut (M. v. Collin), D 772

Epilogue
Nachtstück (Mayrhofer), D 672 *°^
arranged for three voices by Julian Prégardien


* Sophie Karthäuser

° Christoph Prégardien

^ Julian Prégardien


 聴いたことのある歌曲はおそらく2曲だけであとは初めての曲ばかりでとても楽しめた。ただ、ゾフィ・カルトホイザー(ベルギー出身だから発音は違うかも)の声は、僕にはかなり軽く聞こえた。それと「魔王」。この曲を3人でわけて歌うのは無理があるのではなかろうかと思った。で、終わった直後の印象は散漫。プログラムの流れでこの曲が入るのは理解できるのだが、3人で「魔王」を歌い分ける意味は無かったように思う。

 初めて聴くカルトホイザーは、上手いのだがプレガルディャン父子と較べてしまうと声がどうしても軽い。アンコールの一曲目で歌われた、「グラツィエ」で終わるモーツァルトの歌曲が彼女の声に最もあっていた。

 ユリアン、「イドメネオ」の時にも同じことを感じた、どうしたんだこの好調ぶりは、と言うくらい素晴らしい歌唱。2年前、ウィグモアでの父子競演の時(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2369.html)の時から一段上に確実に到達した印象。彼は2017年1月11日に、東京の紀尾井ホールで「冬の旅」を歌う予定。

http://www.kioi-hall.or.jp/20170111k1900.html

 パパ・プレガルディャンが若い人と歌う時の傾向は、一歩下がる。手を抜くということではない。これまで、短いながらも何度か話をしてきて、彼の性格では自分がでる舞台で手を抜くなんてこと考えたこともない人だろう。既に還暦になり、マスター・クラスをやっているということがあるからかもしれないが、若い人を引き立てようとする姿勢を感じる。ということで、彼の声や解釈を味わうにはやや薄いリサイタルだった。ただ、終演後ホワイエで聴衆と語る彼らの表情はとても充実していた。歌い甲斐のあるリサイタルだったのだと思う。

 閑話休題。ウィグモアでのリーダー・アーベントで、2017年の初夏に興味深いプログラムがある。何を歌ってもチケット争奪戦が厳しいクリスティアン・ゲルハーエルがブラームスの「麗しきマゲローネ」を歌う。昨シーズン、マーリス・ペテルゼンのリサイタルの時、ロイヤル・オペラで「タンホイザー」に出演していたゲルハーエルが来ていたので、どうしてこのプログラムにしたのか尋ねた。「ウィグモア・ホールからのリクエストだよ」とのことだった。

 プレガルディャン中心とはいえ、ウィグモアの歌曲プログラムを、在ロンドンの日本人の中では僕はけっこう聴いている方だと思う。それでも、「マゲローネ」を聴いたのは一度だけ。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-475.html

 是非、聴いてみたいのだけど、チケットを取れるかどうか。

バターナット・スクウォッシュ・ヌードルズ (Butternut squash noodles)

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(セインズベリィズの商品)

イギリスだけではないと思うが、「健康」に良い食生活を目指す人達の間で定着しているお題目は「クリーン・イーティング」。僕の解釈は食べる必要の無いものはあえて食べない。クリーン・イーティングに異を唱える人も増え始めた様だが、僕としてはそのような意識の変更があったからこそ開発されたのかなと思うのが、最近、友人に教えてもらった、「バターナット・スクウォッシュ・ヌードルズ

セインズベリィズ
http://www.sainsburys.co.uk/shop/gb/groceries/sainsburys-butternut-squash-noodles-300g

 ウェイトローズも販売しているが、価格と量ではセインズベリィズの方がちょっとお得。イギリス人にとって「野菜」とはドレッシングに浮いている葉もの野菜か、形が無くなるほど煮くずれた根菜という印象がある。自分では作れない、シャキシャキした歯ごたえの野菜はとても新鮮、且つ「野菜を食べている」という感覚を持てる。

 セインズベリィズのバターナット・スクウォッシュ・ヌードルズはおそらく味覚調整の為だろう、砂糖を添加しているのが気になる。ま、調理する前にさっと水を通せば気になるほどではない。イギリス人がここまで食と健康に取り組むようになるなんて、イギリスに来た時には予想すらしていなかった。

[追記]
友人が、ヴェジタブル・ヌードル・カッターなるものが人気だと教えてくれた。

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今年、最高の天気の日曜日に輝くウィズリィを歩く

2016.09.11
ことしの夏、ロンドンの天気は素晴らしく安定しているし、ロンドン基準では「夏日」の25度を超える日もかなり有った。にもかかわらず、ここぞという日に限って天気に恵まれていなかったのだが、今日、ウィズリィ・ガーデンは今年最良の天気の日になった。

写真
https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/collections/72157672527956160/

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 7月、日本で勤めて居た会社の写真部門の大先輩が著書を出版し、わざわざ送って頂いた。その本を読んで、「そうか、写真を撮る時には露光を測るのは必要なのか」ということを初めて学んだ。悪戦苦闘をしているが、以前より、ほんの少し写真の出来上がりが良くなっていると思いたい。

ENB/アクラム・カーンの「ジゼル」

2016.09.11
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イングリッシュ・ナショナル・バレエのペイジのスクリーンショット)

9月27日、マンチェスターで世界初演になるイングリッシュ・ナショナル・バレエの「ジゼル」。特設ペイジも日を追うごとに内容が増えている。

http://giselle.ballet.org.uk/

 アクラム・カーンによる「ジゼル」という古典バレエの再構築、もしくは全く新しい「ジゼル」がどうなるかはバレエ・ファンの多くが知りたいことだろうと思う。で、物語が発表された。

http://giselle.ballet.org.uk/the-story

The Story

Act I

Giselle is one of a community of migrant workers cast out of their jobs in a condemned garment factory. They seek entry to the place where the factory Landlords live, beyond a high Wall built to exclude them.

Giselle is in love with Albrecht, a member of the privileged class, who has disguised himself as an Outcast in order to woo her. When the Landlords arrive, expecting to be entertained by the Outcasts, Albrecht recognises his fiancée Bathilde among them, and tries to hide. But he is challenged as an impostor by Hilarion, an Outcast who also loves Giselle, and the two men fight. Bathilde’s father confronts Albrecht and he is forced to choose between the two women. When he submits and returns to Bathilde, Giselle is driven to madness. The Outcasts encircle Giselle, and when they move apart, her lifeless body is revealed. The Landlords retreat to safety beyond the Wall.

Act II

In the wrecked and abandoned factory where Giselle and her female co-workers have labored, and many have died, Albrecht confronts and condemns the Landlords. But he flees at the appearance of Myrtha, Queen of the Wilis (ghosts of the factory workers who seek revenge for the wrongs done to them in life). Myrtha summons Giselle into the realm of death and into the company of the Wilis.

Hilarion enters the factory to mourn Giselle. The Wilis surround him, demanding retribution for her death, and he is brutally killed.

Albrecht returns, and the lovers are reunited on the threshold of life and death. Breaking the cycle of violence, Giselle forgives Albrecht and saves him from the vengeance of Myrtha. Giselle departs into death with the Wilis, and Albrecht, now an outcast from his own community, is left to carry the burden of his wrongdoing.


 数年前にバングラデシュで起きた、多数の死者を出した工場火災・崩壊の事件を想起させる内容。ここまで変えるなら、「ジゼル」や「アルブレヒト」の名前にこだわる必要があるのかなとは思う。

 僕の知る範囲では、古典の「ジゼル」はバレエ団による特色の違いはあるのだろうけど、振り付けに関してはあまり大きな変更は無いはず。このカーンの「ジゼル」が成功となった時に、サドラーズ・ウェルズ劇場に試してもらいたいことがある。古典「ジゼル」、マッツ・エクの「ジゼル」、そしてカーンの「ジゼル」を日替わりで観たい。

日本は今でもExoticな国なのかな

2016.09.10
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今日のFT Weekendの通常の付録雑誌の中に、日本特集が組み込まれていた。稲田防衛相やコンビニ・ショップのことなが取り上げられていて、「sushi, geisha, Fujiyama」のレヴェルではないのはさすがにFTだからだと思う。にもかかわらず、「日本ってやはり理解できない国」という思い込みをそこかしこで感じる。

How Japan’s convenience stores are so... convenient
https://www.ft.com/content/59ea07da-7482-11e6-b60a-de4532d5ea35

 そんな思いで読みつつ、役に立ったのは、英語ですっきり説明するのが難しい単語を日本をよく知る外国人が自分の言葉で説明しているところ。

Q&A: Quintessentially Japanese
https://www.ft.com/content/30717f76-7484-11e6-b60a-de4532d5ea35

 例えば、

Most useful Japanese expression … 
I like the compliment O-tsukaresama-desu, which means: you are honourably tired. It implies respect for hard work and success in whatever you’re doing, whether in the office, at home or in your personal life.


 とか、

Most useful Japanese expression … 
Natsukashi — “Wow, I’ve really missed that!” It evokes memories and yearning.


 この部分を読むと、世界を相手にする時の日本の将来は、好きであれ嫌いであれ日本のことを母国語できちんと理解できる、説明できる外国人を迎え入れることではないかと感じる。

Lost in Translation (Book)
http://ellafrancessanders.com/lost-in-translation

翻訳できない世界のことば
http://www.sogensha.co.jp/booklist.php?act=details&ISBN_5=70104

 イギリスの食料品小売りの中では日本の食材をけっこう紹介する印象のあるマークス・アンド・スペンサーでこんなのが売られていた。

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 これを天ぷらとは言って欲しくないな。どちらかと言えばフリッターだと思うのだが、このように紹介してくれるだけでも良しとするべきなのかもしれない。

Sizewell B原子力発電所見学ツアーに参加して知った福島第一が世界にもたらした衝撃

2016.09.07
今日、9月7日、イースト・アングリアのサフォーク県にあるSizewell B(以下サイズウェル)原子力発電所の見学ツアーに参加した。参加しようと思ったきっかけはイギリスと中国の間の、ヒンクリィ・ポイントC原子力発電所建設を巡る政治駆け引き。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2724.html

 最初は話題沸騰中のヒンクリィに行こうかと考えた。一日で戻って来ることは可能だが、運賃が高いのとサマセットまで行ってがっかりしたくないなという気分が勝り、他を探した。距離的にはロンドンを南に下るダンジネスが近いのだが、その近辺が故郷の友人曰く、車でないときついとのこと。消去法だが、他方、見学ツアーが最長で3時間とあるサイズウェルなら時間をかけていく意義があると思い、申し込んだ。

https://www.edfenergy.com/energy/power-stations/sizewell-b

 サイトの情報では、サイズウェルはイギリスで唯一の「加圧水型原子炉」。現在イギリス国内で稼働する原子炉の中で最も新しい。原子炉の廃棄処分は2035年となっているが、幾つかの情報を読むと流動的らしい。

 イギリス人ではないので、申し込みと同時に、書類による身元調査を受けなければならなかった。検査にはパスし、その上で見学当日にもパスポートの持参は必須だった。見学センターで、ツアー中に得た情報を第三者には渡しません、という誓約書に署名しなければならなかったので見学ツアーの詳細を書くことは控える。

 ガイドの話を聞いて感じたのは、プラント内の全てがロジカル。安全対策も、完璧なんてことは無いことは判っているから、何かが起きた時の保全策は3歩くらい先を見据えて計画、そして実行される。僕はこれまで原子力発電所をみたことが無かったので、機会があるのであれば体験したかっただけ。しかし、この見学ツアーは、人事担当者や、組織を見直したい管理職が参加しても得るものがあるだろうと思う。

 これくらいは書いても良いだろう。ガイドが話してくれた中で印象に残ったこと。「例えば、コントロール・ルームで3人が働いている。そのとき最も経験の長いエンジニアが気づかずに間違いをし始めた。その時に、若いエンジニアがそれは間違っているのではないか、と声を挙げることができる強さがこの職場では大切な」ことである。

 もう一つ鮮明に印象に残ったのは、場の雰囲気。ガイドと一緒に歩いていて働いている人たちが前から歩いて来ると、彼らはとても朗らかに挨拶を交わす。その挨拶が終わると同時に場を覆うのは、触ろうと思えば触れるような緊張感、もしくはシリアスネス。まるで、冗談を言ってはいけない、なぜなら、ここで働くことはファンタジィではなく、安全を維持することが至上の目的だから。巧く表現できないが、自分たちの仕事の到達点を知っている、そしてそこへ到達することの難しさを理解している、そんな緊張感。

 僕が日本人であるから、自ずとガイドの話の4割ほどは福島第一が絡んできた。で、これまで全く知らなかったのは、福島の事故を受けてイギリスの原子力発電所がとった改善策。その名称は、Japanese Earthquake Response Programme (JER)

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EDF Energy response to the Fukushima nuclear accident
https://www.edfenergy.com/content/edf-energy-response-fukushima-nuclear-accident

PDFファイル、200ペイジ
https://www.edfenergy.com/sites/default/files/japanese_earthquake_response_programmes_final_report_to_the_onr.pdf

Fukushima and the UK nuclear industry
http://www.onr.org.uk/fukushima/

Japanese earthquake and tsunami: Implications for the UK nuclear industry(PDF、315ペイジ)
http://www.onr.org.uk/fukushima/final-report.pdf

Fukushima Daiichi
http://www.niauk.org/fukushima-daiichi

 日本の原発情報は日本語でしか読んでいないので、このような政策がイギリスに存在することを知らなかった。貰った資料を斜め読みしただけだが、日本のような地震が起きることはほぼ無いと判っていても、更に福島の事故を教訓に安全性を高める。ツアー終了後に貰った資料のあるペイジでは、フロー・チャートの展開でどの部門の安全対策の向上の進捗状況をシンプル、且つ判り易く強調している。

 ロンドンへ戻る間に考えていたことは、結局ヒンクリィ・ポイントを巡る最大の論点は原子炉本体の安全策ではない。なぜなら、イギリスの原子炉は「安全」だという立ち位置は揺るがない。重要なのは、国家の機密の保全であると。

 イギリス人の友人曰く、「見学ツアーに参加するからといって、原子力発電所のすべてが判る訳ではないからね」とはまさにその通り。ただ、原子力発電所、そして原子力全般の話題に参加するなら、原子力発電所がどのようなものなのかを観ておいても良いだろうと考え、その考えは僕自身には正しかった。ちなみに、原子力発電所に反対の人が見学ツアーに申し込んで来ることはあまり多くないそうだ。

 イギリスに居住していなくても、日本からイギリスに来る日程にあわせて見学ツアーに参加することは可能だそうだ。ただし、イギリス国外からの申込者の身元調査は6週間以上かかることもあり得るので、興味がある人は2ヶ月前をめどに問い合わせをした方が良いだろう。また、資料を読むと、イギリスの原子力発電所の見学センターは、9/11の時に閉鎖されたらしい。それが再開されたのは、福島の影響で社会が発電所への誤解を深めないようにということがある様だ。サイズウェルの見学センターが再開されたのは2012年後半。なので、何かが起きたらまた閉鎖される可能性はなきにしもあらず。

 今日、サイズウェルを体験して、ますますヒンクリィ・ポイントも観てみたくなった。そして、上に張り付けた最後のリンクの中で書かれているように、福島以降の日本の援助の為に協力しているのがセラフィールド

http://www.sellafieldsites.com/

Sellafield 'riddled with safety flaws', according to BBC investigation
https://www.theguardian.com/environment/2016/sep/05/sellafield-nuclear-plant-riddled-safety-flaws-according-bbc-panorama

 ヒンクリィは自力で見学ツアーに参加できるだろう。でも、セラフィールドは個人ではほぼ無理。どこかのメディアが僕を送り込んでくれないだろうか。

 サイズウェルを見学して、原子力発電所の存在を良し、とはしない。誰も答えたくない質問はたくさん有る。他方、見学ツアーという「疑似空間」での体験だとしても、少なくとも原子力発電所がどのように管理されているかの一端を知ることができたのは有意義だった。

3人のジャコメッティ:チューリッヒ国立美術館

2016.09.06
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(作品に関する全ての著作権は、Kunsthaus Zurichに帰属する)

8月最後の週末、バンク・ホリディの連休を利用してオーストリアのシュバルツェンベルクで催される「シューベルティアーデ」のリサイタルを観てきた。車を運転できない僕には着けないことも無いが、ロンドンから無理してリサイタル当日に移動するのはリスクが高く思えたので、前日、チューリヒに宿泊。チューリッヒで観たかったのは、Kunsthaus Zurich(チューリッヒ国立美術館)。

http://www.kunsthaus.ch/en/

 スイスの国民的画家であるらしいフェルディナント・ホドラー、何故だか判らないが常に興味を惹かれるレジェ、シャガールの暗い側面を知ることができる幾つかの絵画と、予想以上に面白い美術館だった。

 中でも自分にとって遅い発見だったのが、芸術家のジャコメッティが、少なくとも3人居たという事実。

https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/albums/72157670197268233

 最も知られているアルベルト・ジャコメッティ、彼の父ジョヴァンニ、ジョヴァンニの従兄弟のアウグスト。作風や目指した芸術は違うのだとは思うが、ひとまとめにしてみるとなんだか共通する雰囲気を見いだせるような気がしてくる。

 これまでずっと観ないまま敬遠してきたアルベルト・ジャコメッティの作品をコペンハーゲンのルイジアナ近代美術館で遭遇し、今回チューリッヒで観たことで、敬遠してきた気分が溶けてきた。間違っているのだろうけど、日本の古い木彫、特に如来像等の立像から感じる雰囲気を見いだせるよう気がした。

猫から貰う幸せ

2016.09.04
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予想していたよりかなり忙しかった2週間が終わり、次の2週間も立て込んでいる合間の日曜日。猫達の食事を済ませてのんびりしていたらTan Tanが来た。

https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/albums/72157673292160866

 猫達に幸せにしてもらいたくて保護団体から引き取っている訳ではない。でも、たまにしかないこんなひと時は、やはり嬉しい。

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