LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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メディアの影に蠢く権力、金、うそ、そしてごみ

2009.10.27
10月13日のThe Guardianの一面に小さく、以下の記事が掲載されていました。

Guardian gagged from reporting parliament
http://www.guardian.co.uk/media/2009/oct/12/guardian-gagged-from-reporting-parliament

 タイトルが眼に飛び込んできたとき、「gag」の意味をすぐに理解できなかったので、まったく逆のことを考えてしまいました。しかしながら、記事を読むとガーディアン紙が下院で話される内容を報道できないように法的手段が行使された、というものです。記事自体、奥歯に何かが詰まったような一度読んだ限りでは何がどうなっているのかまったく判りませんでした。が、いち新聞が国会報道を差し止められるとは何事?という疑問は持ちました。

 翌日、14日の一面トップは。

Trafigura drops bid to gag Guardian over MP's question

http://www.guardian.co.uk/media/2009/oct/13/trafigura-drops-gag-guardian-oil

Trafigura: A few tweets and freedom of speech is restored

http://www.guardian.co.uk/media/2009/oct/13/trafigura-tweets-freedowm-of-speech

 新聞本紙では、会社名の替わりに「Oil firm」となっていました。このTrafiguraがコート・ジヴォワールの海岸で起こした人災をガーディアンがしつこく報道していて、その事故について下院で話されるときにガーディアンにはいてほしくなかったので、メディア専門の法律事務所を使って取材させないようとした、というのが僕の理解です。正直、ガーディアンやメディアにとっては勝利でも、後味のすっきりしない記事です。
 記事を読んで21世紀らしい、言い換えると、今後のメディアの行方を左右するであろう事実が書かれています。このガーディアン締め出しを図った権力を追いやった大きな力のひとつが、トゥイッター:Twitterであったこと。僕自身は、いちいち呟きをネットに書き込むほどの暇なんてない、というスタンスなので使いませんが、インターネット上の誰ともわからない個々人の力が集まったことにより、権力を追いやった、メディアの自由を死守したというのは、「今」を象徴している気がします。

 このことで殊勝になるようなガーディアンではないことを証明したのが、15日の一面トップ。

Tabloids lured by celebrity plastic surgery hoax

http://www.guardian.co.uk/media/2009/oct/15/starsuckers-celebrity-cosmetic-surgery-hoax

 イギリスのタブロイド紙が如何に記事の信憑性に気を配っていないかが、あるドキュメンタリー映画の引っ掛けによって暴露されたというものです。記事によっては、まんまと引っかかったタブロイドのみならず、ニュー・ヨーク・ポストやインドの新聞が二次使用するというおまけつき。メディアの誇り、というのはタブロイドにはないのかもしれないです。

 10月12日より無料になったロンドンの夕刊紙、イヴニング・スタンダードhttp://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1101.html)。記事の変化(悪い意味で)、スター・コラムニストの流出等々、無料化によるさまざまな変化が見て取れますが、僕が感じる最も悪い変化は、読み終わった本紙がところかまわず捨てられて、ロンドンの醜悪化を加速させていること。
 たしか、EU加盟国の首都の中で、ロンドンは最もごみにあふれた都市。有料新聞のときは、わずか50ペンスといえども地下鉄車内に捨てられたスタンダード紙を見ることはめったになかったです。それが無料になったことにより、人々のモラルをさらに低下させることに手をかしてしまった。メディアのありようが、その国の現状を、そして人々のありようを写している、そのような印象が強くなっているこのごろです。

 真実、ってなんだろうと思わず考えてしまう。

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Comment

- Fumie

相変わらず、上のほうの英語のリンクは読んでません、あしからず。

無料新聞が、ごみの増大化につながっている点には、そういえば気がつきませんでした。

こちらでは、電車の中で新聞を読んでいると、読み終わったとたん、あるいはそのときに読んでいない別冊だのほかの新聞だのを「いいですか?」といって拝借されることがあります。それでおもむろにサッカー面だけを開いて、食い入るように読んでいたりすると、たかが1ユーロなんだからそのくらい自分で買えば・・・と思ったりしますが、まあ、そんなことがあるので、読み終わった新聞で不要なものは、私は今まで車内にあえて置いてきていました!
(日本では確か、さすがに新聞はないけど、週刊誌やマンガ誌の読み捨てを再販してる人がいませんでしたっけ?)

でもそうですよね、確かに古新聞は最終的にはやっぱりゴミになるのだから、ゴミ箱に捨てるべきなんでしょうね?
2009.10.27 Tue 21:42 URL [ Edit ]

- 守屋

Fumieさん

 大丈夫です。今回のガーディアンの記事、本当に読みにくいです。ガーディアンは毎日購読していますが、たまに、その文体が鼻につきます。

 座席においてあるならまだしも(これも褒められることではないと思いますが)、通路に捨てる不届きものの多さは、ロンドンはぬきんでていると思えてなりません。
 日本では「高級紙」といまだに呼ばれることのある全国紙(テレグラフ、インディペンデント、ガーディアン、ザ・タイムズ)、さらにFTが地下鉄の車内におかれようものなら、我先にと人は群がります。逆に言えば、それだけ新聞紙が高いということです。週末のFTなんて、£2.5-ですから。
2009.10.27 Tue 23:12 URL [ Edit ]

イギリスのマスコミの不思議さ - イレーヌ・ジョリオ

守屋様、こんにちは。

さて、イギリスのマスコミって「超」不思議ですよね?
その代表的な例として、高級紙の「ザ・タイムズ」と大衆紙の「ザ・サン」「ニュース・オブ・ザ・ワールド」の持ち主が同じ、という事。あの有名なマードック氏である。
これって、どう説明したらいいのだろうか?こちら日本にいる者にとっては全然理解しがたいものなんです。
でも、こちら日本でも段々新聞の売り上げが落ちてきていますし、昨日かな、アメリカでは新聞の売り上げが10%も落ちた、とNHKのニュースで言っていました。
いよいよ、ネットニュースを無視できない、そういう時代になってきた、というべきでしょうね。
2009.10.28 Wed 04:35 URL [ Edit ]

- 守屋

イレーヌ・ジョリオさん

 こんにちは。不思議がどうかは判りませんが、面白いですよ。特に付録がたくさんつくのがたまに楽しいです。一例を挙げると、この夏、ガーディアンは2週間にわたって語学テキストを毎日付録でつけました。第一週はイタリア語、第2週はスペイン語でした。それと、たまに最新の映画のさわりを集めたDVDなんかもあります。が、これが規格の違いで日本ではうまく動かないようです。

 マードック氏は、経営者であって報道する立場ではない、というのが僕の見方です。

 アメリカに限ったことではないですが、特に衰退が目立つのが有力地方紙らしいですね。これはイギリスも同様なようで、アガサ・クリスティが自作で取り上げていたような歴史のある地方紙が、発行頻度を下げることを余儀なくされたり、休刊に追い込まれるということが報道されています。僕は、個人的には紙のほうが好きです。
2009.10.28 Wed 22:29 URL [ Edit ]

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