LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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「崖の上のポニョ」、イギリスで一般上映へ

2010.01.07
宮崎駿監督の「崖の上のポニョ」が、やっとイギリスでも一般上映されることが決まりました(2月12日)。実は、昨年の11月下旬に、バービカン・シネマで一回だけ上映されたときに観てきました。観客に占める日本人の割合は思っていたほど多くなかったと記憶しています。

 一緒に連れて行った、スコットランド人の友人のお嬢さん二人は、日本語の響きに戸惑いながらも(英語字幕ヴァージョン)かなり楽しめていたようなので、日本のアニメイションの質の高さと親しみやすさを改めて実感しました。が、僕自身が楽しめたかと尋ねられれば、ちょっと、間があきます。

 偏見といわれても仕方ありませんが、ディズニー等に比べると、映像技術は素晴らしいと思います。幾つかの、しかも何てことないような場面の映像に想像力を掻き立てられました。たとえば、ポニョが大波に乗って宗助が乗っている車を追いかける場面から伝わる力には圧倒されました。同じくアニメイションの「幻魔大戦」で、敵役が溶岩の上をすべるように飛んでくる場面を見たときと同じくらい鮮烈な印象を持ちました。さらに、ポニョのお母さんが現れるときの海と一体化した彼女を表現するための色彩は、「桃色浄土(坂東眞砂子)」のクライマックス場面がアニメ化されたらこんなだろうなと思いながら画面に見入っていました。

 でも、距離を感じてしまったのも事実。ひとつは他愛もないこと。どうして所ジョージを使ったんでしょうか?下手すぎるのにもほどがあるはず。

 最大の困惑要因は、宮崎監督作品にはいつもあることだと思うのですが、「ポニョ」に限ると、語られていないことが多すぎる、と感じてしまったこと。なにがどうと過去の作品の特定の場面を思い出すことは難しいですし、宮崎監督のほかの作品でもたくさん、「語られないまま」の話があったと思います。でも、今回は、「この語れないままの話は、語られるべき話なのではないか」、と感じる場面が何度かありました。自分でも些細な点で引っかかっているとは思うのですが、ポニョのお母さんと宗助の母親、リサが話し合っている場面から感じた違和感。話すことは当然なんだとは思います。人間になることをポニョが選んだら、世話をするのはリサですから。でも、話し合っている内容ではなく、二人が話し合うことにどうして同意したのか、という説明が端折られたことに納得できません。

 ぶつくさ言いつつも、日本人としては、イギリスでどのように評価されるかをしるのは楽しみです。上映は、英語字幕とアメリカで作成された吹き替え版の2パターンらしいです。

 以下のリンクは、テレグラフの記者が、ヴェネツィア映画祭を訪れた宮崎監督にインタヴューしたものです。公判で語られる宮崎監督の環境問題等への想いは大変興味深いです。

Hayao Miyazaki: drawn to perfection
http://www.telegraph.co.uk/culture/film/6911264/Hayao-Miyazaki-drawn-to-perfection.html


 偶然だとは思いません。1月2日にBBC2で「千と千尋の神隠し」が放映されました。面白かった。これと「もののけ姫」がイギリスで商業的に大成功にならなかったのは、本当に残念です。

 ちなみに、放映されたヴァージョンはこれまたアメリカン・イングリッシュ版。市場の規模を考えれば、アメリカ英語になるのは致し方ないことなのでしょう。でも、英語のせりふはネイティブ・スピーカーに作ってもらって、吹き替えは日本人の声優がその英語を読む形にしたほうがより自然な感じがすると思ったしだいです。

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Comment

所ジョージ - bunny

あけましておめでとうございます!

所ジョージの件ですが、
日本にいる私でさえ距離を感じました。(笑)酷すぎるにもほどがあるだろうと。
英語バージョンを先に見ていたので
余計見るのが辛かったです。
映像が素晴らしかったので、今までの宮崎アニメのように掘り下げずファンタジーのままで心に置いとこうと思った作品でした。私の周りのジブラー(ジブリの熱狂的ファン)達はイマイチだったようです。そのことに触れると過去との作品を対比しながら熱く長時間語るので、作品名さえ口することは最近はないです。紅白では歌ってましたけどね相も変わらず。
2010.01.08 Fri 10:54 URL [ Edit ]

- 守屋

bunnyさん

 おめでとうございます。

 >酷すぎるにもほどがあるだろうと
 やはり、あれはひどいですよね。素のまま(演技しないと同意)でと演技できないというのは違うと思います。

 「ポニョ」、映像は本当に素晴らしかったと思います。それと、新潮社のPR雑誌の「波」に掲載されていた、生物の進化をたどる連載でカンブリア期とかデヴォン期のことを読んでいたので、あの古代魚が出てきたときには、ちょっと驚きました。
2010.01.09 Sat 20:23 URL [ Edit ]

- Fumie

宮崎監督のことで、何かコメントしようと思っていたのですが、なんだったか忘れました。

↑の幸せのハードル、同感です。
日本ってなんでも便利で快適だし、おいしいもののいっぱいありますが、発展途上国手前なイタリアにいて、シンプルなことが一番うれしかったり、おいしかったりします。
2010.01.12 Tue 20:43 URL [ Edit ]

- 守屋

Fumieさん

 宮崎監督、描写の仕方が変わらない点がひとつありますよね。ポニョがハムを食べるシーン、思わずハイジが熱々のチーズを、コナンが巨大な肉切れにかぶりつくシーンと重なりました。

 Simple is bestとは言いませんが、betterです。
2010.01.13 Wed 06:46 URL [ Edit ]

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