LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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Dancing for the children@サドラーズ・ウェルズ

2010.03.07
2月28日に、ロイヤル・バレエのプリンシパル・ダンサー、マーラ・ガレアッツィが主催するチャリティ団体のファンド・レイズィングのためのガラ・パフォーマンスがサドラーズ・ウェルズで催されました。簡単に感想を。



Track 12
Mara Galeazzi
Kristen McNally(振付)

 トップは、ガレアッツィが踊る、世界初演となるコンテンポラリー。世界最終上演といっても差し支えないであろう、退屈な振り付けでした。マックナリーは、同じくロイヤル・バレエのダンサーで、ロイヤル・オペラ・ハウス内での新作を集めたデモンストレイションですでに他の振付も何度か観ていますが、何を伝えたいのかまったく判りません。
 このガラでは、男女の司会者がプログラムの解説・進行をしていました。司会の男性がジュード・ロウが来られなくなったと伝えたとき、会場のどこからも落胆のため息が出なかったことを記しておきます。

Swan Lake Act 2 PDD
Marianela Nunez & Thiago Soares
Marius Petipa

 プログラムでは第三幕のPDDでした。今日、3月7日のオブザーヴァー紙でインタヴューが掲載されていたヌニェスソアレス。まだ結婚していないようです。

Marianela Nuñez and Thiago Soares: a classic Latin love affair
http://www.guardian.co.uk/stage/2010/mar/07/marianela-nunez-profile

 彼らの踊りを観るのは久しぶりでした。パートナーと言うことも有るのでしょう、完全に息の合った、自然な印象の良い踊りでした。インタヴューにあるように、ヌニェスの性格が陽性なので、ジュリエットやオディールで積極的に観たいとは思いませんが、モダンや明るいバレエで観る彼女の踊りは、プリンシパルになりたてのころと比べると、輝いていると思います。
 今回も、手ごろな価格と言うだけで購入した最前列でしたが、目の前数メートルのところでオデットが踊られるのを観られるのは本当に幸福なことでした。

Saving my love
Ella Kenion & Edward Watson
Vanessa Fenton(振付)
Sylive Lewis(音楽)

 舞台に最初に出てきたのは、ロイヤル・バレエのイギリス人プリンシパル、エドワード・ワトソン。軽快な音楽に乗って、彼にとってはさして難しくないであろうシンプルな振付を軽やかに。ついで、舞台に踊り出てきたのは、テレヴィで活躍しているらしい、コメディエンヌのエラ・ケニオン。お世辞にもダンサーの体型どころか、とてもプロのバレエ・ダンサーと一緒に踊れることを許されるとは思えないふくよかな体型。それでも笑顔を必死に絶やさずに踊り続けていく。ワトソンのサポートがまた立派。彼は、昨年の舞台でもオペラ歌手とPDDを披露しています(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1007.html)。音楽が終わると同時にケニオンさんは仰向けに倒れこみましたが、無理ないです。楽しい演目でした。

Limen PDD
Sarah Lamb & Eric Underwood
Wayne McGregor(振付)

 ロイヤル・バレエの常任振付家のウェイン・マックグレガーの最新作、「リーメン」のメインPDDを、昨年の初演時に踊ったラムアンダーウッドhttp://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1114.html)。PDDの見た目はとても静かなものですが、二人の荒い息遣いを聴いていると、難しい振付なんだろうなと感じました。

Alpha
Ballet Boyz (of the next generation, possibly)
Paul Roberts(振付)
Keaton Henson(音楽)

 まず。本来のプログラムでは、ここはウィリアム・トレヴィットマイケル・ナンによる「Yumba vs Nonino」のはずでした。ところがナンが病気のためキャンセル。2年ほど前のロイヤル・オペラ・ハウスのガラでも同じ演目が踊られるはずが、そのときはトレヴィットが怪我で降板(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-593.html)。
 で、急遽代役に抜擢されたのが、歳を取ったオリジナルのバレエ・ボーイズが「次のバレエ・ボーイズ」を育て上げる目的で集めた若者8人。その若者たちに文句を言う気はありません。数ヶ月前までは、舞台で踊ることなど想像もしていなかったであろう皆さんですから。
 音楽と振付がまるでお遊戯。急いで作られた経歴紹介によると、振付のロバーツはポップ音楽畑でかなり振付をしているようです。が、今回のAlphaマリファントマックグレガー、そして古きよき時代のウィリアム・フォーサイスの振付を寄せ集めて、数倍に薄めてみましたという印象のもの。ダンサーがいきなりスウィッチが入ったかのように舞台に集まる、踊り終わったダンサーたちが意味無く袖に下がっていく様子からは、フォーサイスの「In the middle, somewhat elevated」が振付業界に及ぼした影響を垣間見たようでした。

Romeo and Juliet Balcony Scene
Galeazzi & Watson
Kenneth Macmillan

ガレアッツィのジュリエット、怖いなと危惧していましたが、思いのほかよかったです。全幕で観たらまた印象が違うかもしれませんが。

インターヴァル

Lieder
Galeazzi & Gary Avis
Alastair Marriott(振付)
Brahms

 このガラでは、世界初演の振付が6作品披露されました。これもそのひとつで、ロイヤル・バレエのキャラクター・アーティストのマリオットによる振付です。昨年末の「女帝の靴(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1122.html)」でも感じたことですが、マリオットは下手にナラティヴ・バレエを作ろうとするよりも、古典、新古典の様式、構築に則った振付のほうが美しい踊りを作れるのではないかと言うこと。この振付の後半部分で入れられていた難度の高いリフトの形と、そのリフトを組み入れた絶妙のタイミングには、マリオットを見直しました。

Bollywood
Four Poofs
 ギャグなので、コメントはありません。

Fantasie-Impromptu
Laura Morera & Ricardo Cervera
Liam Scarlett(振付)
Chopin

 ロイヤル・バレエの若手の中で、振付家候補としては一頭地抜きん出ている印象のスカーレット。この新作では、女性(モレイラ)と男性(セルヴェラ)が同じ振付をシンクロして踊るという、言ってみればとても簡素な振付。ところが、そのシンプルな振付が、ダンサーの動きや技を鮮やかに浮かび立たせるものでした。僕の嗜好が古典バレエに偏っていることを差し引いても、完成度の高い振付だったと思います。スカーレットは、5月にロイヤルのメイン・ステイジ用としては初めての作品を披露します。ウィールドンマッツ・エックに挟まれてプレッシャーはあると思いますが、一気に花開く可能性はあるかもしれません。

Somthing different
Steven McRea(踊り&振付)
Benny Goodman

 ロイヤルの若きプリンシパル、スティーヴン・マックレイがローザンヌでタップ・ダンスを踊ったことはバレエファンの間では広く知られていますが、僕は見たことがありませんでした。今回、まさしく僕の目の前で踊られた彼のタップは、プロそのもの。「リーズの結婚」でマックレイが踊る日に行きたいけど、リーズがマルケスというのが。

Le Corsaire(海賊)PDD
Yuhui Choe & Sergei Polunin
Petipa

 実は、海賊って未だに全幕で見たことがありません。ロイヤルがやるとは思えないので、今年の夏のボリショイ・バレエで観られればと。さんとポルーニンの若いエネルギーに満ちたステイジ・プレゼンスは古典バレエを踊るダンサーとして最良の姿に見えました。もちろん踊りも素晴らしく、PDDが終わって二人が袖に下がったときは、「ヴァリエイション無しで終わりなんて、そんな残酷な」。
 もちろん、ヴァリエイション、ありましたとも。ポルーニンは彼だけが足をかけられる空の階段を使ったかのように飛翔し(空中であの体勢を取れるのは、他にアコスタしか思いつきません)、さんは軽やかにステップを刻み、ステイジを春風のように艶やかに駆け抜ける。この二人が古典全幕を踊るなら、週に3回観ても飽きることはないでしょう。

O magnum mysterium

Ensemble WC2E
Morten Lauridser(作曲?)

 なんだかいわれのわからない、厳かなコーラス。

 コーラスが終わると、プログラムの進行順に出演者が舞台に出てきました。ヌニェスラムの私服姿、まるでモデルのようでした。最後にガレアッツィが現れ、出演者、裏方、そして聴衆への感謝を伝え、今後もチャリティ活動を続けていくことを語りました。
 プログラムの構成や進行は、彼女がこれまで実際に経験してきたロイヤル・オペラ・ハウスの資金集めガラ公演のフォーマットを踏襲したようです。もちろん、規模も違うし運営上の不備も幾つかありました。しかしながら、プリンシパル・ダンサーという、普通ではなれない立場にいる彼女の影響力を駆使して社会になにかしらを還元していくガレアッツィの活動は、賞賛されるべきだと思います。

http://www.dancingforthechildren.com/home.html

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