LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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HIV支援チャリティと異文化への偏見

2010.04.27
吉田都さんの感動的な舞台のあとに、HIV感染者の支援団体でのヴォランティア活動というのもロンドンならではと思います。1年半前のこれ(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-943.html)に書いたように、今でもHIV感染者を支援するチャリティ、テレンス・ヒギンス・トラストhttp://www.tht.org.uk/)で、トラストのヴォランティア・ポストのひとつ、コミュニティ・サポート・ヴォランティアを希望する人たちへのインタヴューを、細々と続けています。ちなみに、THTへの参加の経緯はこちら(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-50.html)を。
 昨年はなかなか都合がつかずに、2回しか貢献できなかったので、先週の土曜日でやっと3回目。この程度では、自分がどれほど貢献できているのかとはまったく判断できませんが、何度やってもインタヴューは難しいです。質問はリストを読みながらなのでまったく簡単ですが、緊張しているインタヴューイーが質問を聞き返してきたときに、1)質問が理解されなかったのは僕の英語の問題か、2)インタヴューイーの英語の問題か、3)インタヴューイーがTHTが望むことをまったく理解していないか、をその場で表情に出さずに判断しなければならず、そして自分の判断は適切なのかどうか。そういう迷いを話し合うために、インタヴューアーは二人います。
 今回、最初の3人へのインタヴューは順調に進んだのですが、最後の一人で僕はつまずきました。広域な意味でのアジア系移民家族出身のイギリス人男性。とてもフレンドリーであったし、要求されるであろうヴォランティア活動へのコミットメントなどへの理解も十分。何が引っかかったかというと、その男性の人種的、文化的なバックグラウンドを僕がまったく知らなかった。知らなかったことで、僕が彼を理解しようとする代わりに無自覚の偏見で彼を排除しようと思ってしまったこと。
 この最後のインタヴューが終わり、もう一人(最も経験のあるヴォランティアの一人)に即座に、「彼はだめじゃないかな」と伝えると、まず彼は「何がだめだったのかを話してみてくれないか?」、と。そこで、気になっていたコミュニケイションの差異を話したところ、「Believe me, I know the culture and society that he comes from and belongs to。君が挙げた疑問点については僕も同じだからこれからのトレイニングの経過しだいという条件付ということにするけど、あれが彼の文化なんだよ」。
 とても複雑な気分でした。自分自身が他者を区別できる側に入ってしまったとたんに、それ以前、僕が批判をしていた側の人々がやっていたことと同じじゃないのか、とか。僕自身が知りたくない、知る必要など無い、知ろうとする時間が惜しいと考える文化に対しての僕自身のかたくなな態度等々。総選挙の争点のひとつが移民問題なのも影響していることは確実です。

 今回のインタヴューは、THTの本部ビルで行われました。珍しく、ヴォランティア統括部門のマネイジャーがいたので、インタヴューの前になんか知っておく必要があることはあるかどうかを尋ねました。いわく、「今、本っっ当に人手が足りないんだ。次のインタヴューをできるだけ早く設定するから、次もよろしく」。ヴォランティア希望者は多いものの、THTのように精神的・身体的弱者を支援するチャリティ団体の多くが恐れていたように、昨年秋から導入されたISAhttp://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1080.html)が壁になって必要なヴォランティアの数になかなか到達できないようです。

 僕自身、久しぶりに本部ビルに行ってよかったことは、HIV感染防止や、感染後のサポート体制などをまとめたリーフレットがずいぶんとアップデイトされていて、最新の情報を目にすることができたこと。ずいぶん前から試されていたようですが、今回、HIV感染を防げるかもしれない投薬治療手段、PEP(Post Exposure Prophylaxis)というのがあることを初めて知りました。感染の危険があるとわかった性行為のあと、72時間いないに、すでにHIVに感染している人と同様な投薬治療(コンビネイション・セラピー)をはじめることができれば、HIVが完全に感染することを防げる「かも」しれないというものだそうです。THTの最新のリーフレットによると、HIVに関しては、「完璧な治癒、完璧な投薬」というのは無いのはPEPでも同じだし、ひと月の投薬期間中に起こるであろう副作用もとても厳しいもののようです。古いですが、ネットで以下の情報を見つけました。

http://wiredvision.jp/archives/200306/2003061705.html

 HIVはホモセクシャルの人々だけの問題ではなく、ヘテロセクシャル、ドラッグ・ユーザー、母子感染、そして文化的・宗教的偏見によって存在自体を社会から抹殺される人々など、さまざまな要因を含んでいます。そこには、偏見、知ろうとしない、知りたくないというネガティヴな反応がたくさんあります。たとえば、子供への性教育の是非が問われるたびに、日本でもイギリスでも「寝た子を起こすな」という不毛な意見が他を圧倒しがち。
 でも、今、どんなに気をつけていても、たとえば親のPCをこっそりクリックすればセックスに関するあらゆる情報に子供たちがいきなり無防備なまま晒される時代。そんな時代に、適切な性教育を受ける機会を与えられなかったことで、子供たちがSTD(最近では、STIともいうようですね)に罹患することのほうが、親としての責任放棄ではないかと思うことがあります。THTへの参加を通して学んでいるのは、「知っていれば、知ってさえいれば」、ということ。

 これを書く前に、日本の状況はどうなっているのかなと探してみたところ、以下の医療機関のサイトに遭遇しました。

http://www.onh.go.jp/khac/index.html

 ざっと読んでみただけですが、けっこう充実しているように思います。このような情報が多くの人に届くといいな、と。

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