LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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インタヴュー with the Yoshida Miyako

2010.04.28
僕が吉田都さんにインタヴューしたのではなく(したかったですけど)、26日(ロイヤル・オペラ・ハウス)と27日(ジャパン・ソサエティ)に催された吉田都さんのトーク・イヴェントに行ってきました。司会は、両日ともロイヤル・バレエのアドミニストレイティヴ・ディレクターのKevin O'Hare(以下、ケヴィン)。27日は、主催が主催だから日本語だろうと期待していたのですが、会場に設置されていたスクリーンに映し出されていたものが26日とまったく同じ、且つケヴィンが出てきたところで予想したように英語で、内容もほぼ同じものでした。ただ、27日は、ロイヤル・オペラ・ハウスで見かけるバレエ・ファンはほとんどいなかったと思います。
 たった数日前にもかかわらず、すでに記憶が薄れているので、なるべく時系列を心がけつつ、箇条書き程度に。両日とも、吉田さんは5センチはあろうかというピン・ヒールでご登場。本当に細い体でしたけど、端正なたたずまいでした。

*吉田さんがバレエを始めたのは、本人いわく、ちょっと遅かった。

*そのころの日本では、バレエというとボリショイだったので、ロイヤル・バレエは観たことが無かった。

*ローザンヌで奨学金を獲得してバレエ学校を選ぶときに、ロイヤルを進めてくれたのは所属していたバレエ団(松山バレエ団?)。

*ロイヤルのバレエ学校に参加する直前の夏、モナコでサマー・スクールに参加。そのあと、9月にロンドンに移ったので、英語もよく話せないし、天気も悪くて気分が落ち込んだ。

*吉田さんが編入された最終学年の同級生であったケヴィンによると、「都のテクニックはすごかった。僕たちの誰もがやったことも無いことをやってのけたんだ」。ここで、吉田さんの技術が如何に素晴らしいかの例として、オディールの32回転のフェッテの映像。吉田さんの「白鳥」は2回しか観たことありません。そのときにも思ったことですが、回転している間に吉田さん独自の腕の動きがあって見ごたえはあるし、軸が本当にほぼまったくぶれないのは世界でもほんの数人だと思います。それとロイヤルは、かなりの映像をアーカイヴに溜め込んでいます。

*今回の「シンデレラ」、また昨年末の「ナットクラッカー」で一緒に踊ったマックレイは素晴らしいパートナー。吉田さんの体調のことをよく理解してくれているので、安心して踊れる。以前は、どのパートナーと踊ることも気にならなかったけど、ここ数年は自分からパートナーを選ぶようにしていた。というのも、吉田さんの踊りや体調を理解していないパートナーと踊るのはリスクが大きいから。

*マックレイが、吉田さんが舞台の袖で自分の出番を待ちながらどうリラックスしているかをまねている話に続けて、「今はしていないけど、数年前までは、メイキャップも終わり、しっかりチュチュを着ているにもかかわらず、本番直前に舞台袖で眠っていたわ」、とのこと。これはケヴィンもうなずいていたので、有名な話のようです。

*スクールが終わったら、日本に戻るものだと思っていた。でも、日本ではダンスでは暮らしていけないことはわかっていた。だから、サドラーズ・ウェルズ・バレエ(現バーミンガム・ロイヤル・バレエ)に参加できると判ったときは嬉しかったし、同時に東洋人にヴィザが出るとは思っていなかったので驚きもした。

*入団してすぐに最初の大きな怪我に見舞われたりと大変なこともあったけど、サー・ピーター・ライトが吉田さんをいろいろな役に就けてくれたのでとても充実していた。

*ケヴィンに、「(BRBでプリンシパルになる前に)数年間、コールドだったことはどう思う?」、と振られて「コールとして踊っていられたのはよかった。プリンシパル・ロールを踊っていても、舞台のどこでコールのダンサーたちがどう踊り、演技しているのがわかるから」。確か27日だけだったと思いますが、ケヴィンが「カルロス(・アコスタ)はコールで踊った経験がないんだよね。彼は若いころにすぐにプリンシパルになったから」似続けて、「私はコールにいることは有意義なことだと思います」、と吉田さん。

*ビントレー(新国立バレエの役職にもついているはず)の新作バレエは、自分には難しかった。(技術的にというわけではなく)自分を前面に出す(確かexposeといったような)のがどうにも難しかった。

*どのような機会でだったのかは思い出せませんが、26日、日本におけるバレエの捉えられ方についてを話していたときに、ケヴィンいわく「都が日本に初めて団員として戻るとき、日本側(誰だか明言せず)は都に踊って欲しくなかったようだったね。バレエは西洋のものだから何とか。それが、今では依頼がたくさん来るんだから。それだけ都が偉大ということだろう」。

*ロイヤルに移籍することになったのは、ライト卿がBRBを離れることもあったし、自分としても変化が必要なときと感じていた。アメリカに行こうとも考えていたときに、ライト卿に相談。彼がロイヤルを薦めたのと、それまでに何度かロイヤルに客演していたこともあり、移籍した。バーミンガムは居心地がよかったけど、ロイヤルは雰囲気がまったく違っていた。

*2007年にOBEを受賞した時(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-605.html)バッキンガム宮殿にいけなかったのが悲しかった。普段は感じていないけど、自分が外国人であることを痛感した(これは、27日にはありませんでした)。

*(ケヴィンから質問されて)日本のバレエを取り巻く環境はまだゆっくりだけど、着実に変化してきている。

*ロイヤル・バレエとの本当の最後の公演、日本で演じる「ロミオとジュリエット」はほかの踊りとはかなり違っている。古典バレエやアシュトンでは、ある意味、役を演じることが基本。でも、ジュリエットでは役と自分がかぶさる(?ちょっと自信なし)。

*本当にもっとも好きなのは、「リーズの結婚(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-383.html)」。今回、モニカ(・メイソン監督)はオファーしてくれたけど、飛んだり跳ねたりがたくさんあるので、残念だけど断りました(確かに、シンデレラでは跳躍の大技はないかな)。

*どうやら、日本での「ロミジュリ」はNHKが収録・放送する上に、DVDにもなるらしい(これは、27日のみ。ケヴィンのリップ・サーヴィスかな)。

*(映像が始まる前に)アシュトンの「バレエの情景」は、踊ってきた中で最も難しいバレエ。で、映像が始まったんですけど、どこが難しいの、としか感じられないほどの優雅なステップ。いつが最後の上演だったか思い出せませんが、コジョカルがファースト・キャスト、吉田さんがセカンドだったとき、ある批評家が、「コジョカルは自分を見せる以上の域に達していない。しかしながら吉田の踊りは、この小品の真の姿を描き出している」と褒めていたことを今でも覚えています。これ(http://www.chacott-jp.com/magazine/world-report/from-london/london0512a.html)はアシュトンの別の作品を踊ったときのもの。なんだか、昔のほうが文章が読みやすい。

*(26日に質問を受けて)イギリスでずっと踊ってこられたのは友人たちがいたから、といってケヴィンににっこり。

*27日は、トークが始まる前に、ライト卿とメイソン女史から吉田さんへのメッセイジをケヴィンが読み上げました。

 まだあったはずですが。両日とも、吉田さんは終始リラックスされていて、楽しいインタヴューでした。ケヴィンと吉田さんがスクール時代からの同級生でお互いをよく理解している、ということもあったと思います。

 26日に質問できなかったので、27日に。質問の前に、吉田さんに向けて「I wish you had decided to dance Manon」と。ここ数年ずっと思っていることですが、吉田さんがマノンを踊っていたら、吉田さんだけの比類のない「マノン」だったのではないかと。でも、どうもうまく伝えられなかったようです。で、質問は、「Both physically and emotionally, what are differences for you between classical ballets and modern ballets?」。いわく、ステップも体の動きもまったく違うし、何より古典バレエを踊りたかったんです、とのこと。吉田さんが終わってすぐに、ケヴィンが「I agree with that gentleman」と吉田さんに。吉田さんが「何?」といった感じの表情を彼に向けると、「僕も、都のマノンを観たかったよ」。吉田さん、驚いていたようでした。でもよかった、賛同者がいて。

 27日は、お寿司とドリンクが振舞われて、いけてよかったです。それと、自分の写真の出来がひどいので、素晴らしい写真をこちらで。

http://dognorah.exblog.jp/14263201/

 僕が、吉田さんのことをブログに書くのも、これが最後になるのかも。


 ところで、コヴェント・ガーデンに昨年12月にオープンした独立系のカフェがあります。

http://www.doubleshotcoffee.co.uk/index.html

 ずば抜けて素晴らしいとはいいませんが、落ち着けていいカフェです。ロイヤル・オペラ・ハウスに行く前や、コヴェント・ガーデンの狂騒から離れておいしいコーヒーを飲むには最適です。マネイジャーいわく、のんびりコーヒーを飲みたいのであれば、ぜひ、月曜にとのことです。

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Comment

- Fumie

うらやましい・・・Royal Opera HouseのHPで見て、いいな~と思ってました。
でも、全編英語だったのなら、私は行ってもあんまりわからなかったかも。

内容紹介、ありがとうございます。

2010.04.28 Wed 21:16 URL [ Edit ]

放送するらしいTV局がどこかわかってよかった - イレーヌ・ジョリオ

守屋様、こんにちわ。

さて、貴重な情報ありがとうございました。
日本では、クラシック関係の舞台・演奏を放送する局としては、NHKとスカパーのクラシカジャパンの二つが有名どころなんですが、そのスカパーとは契約していないので見れないと思っていました。
でも、守屋さんの書き込みで、NHKとわかって超嬉しいです。ありがとうございました。
今更ながら思うのですけど、守屋様のような芸術文化を愛しておられる日本の男性を心から尊敬していますよ。概して、日本男性は「芸術なんて女のするものだ」と思っていますからね。(ウフフフフ)
2010.04.29 Thu 03:04 URL [ Edit ]

- 守屋

Fumie さん

 こちらの友人と話していたのですが、このようなきちんとした引退の舞台、そしてトーク・イヴェントというのは、吉田さんが最後かも、なんて。四半世紀もの間トップとして踊り続け、且つ多くの人に愛された存在は今の若手ダンサーからは想像できません。

 吉田さんの英語、ちょっとロリっぽかったですけど、聞き取りやすい話し方でした。
2010.04.29 Thu 17:27 URL [ Edit ]

- 守屋

イレーヌ・ジョリオ さん

 こんにちは。

 あまり真剣に捉えられると困りますが、ロイヤルとNHKはけっこう良好な関係にあると聞いたことがあります。吉田さんの舞台だけでなく、たとえば日本ではあまり踊ったことがないであろうカルロス・アコスタの舞台も放送されればいいなと思っています。彼は技術ばかりが取り上げられがちですが、演技者としても素晴らしいですよ。

>日本男性は「芸術なんて女のするものだ」と思っていますから
 これついては、女性もまた、「文化はわたしたちのもの」と思われているのではないでしょうか。それに、人の好き好きにあれこれ言う資格は、僕にはないですし。
2010.04.29 Thu 17:37 URL [ Edit ]

- かんとく

興味深いレポートありがとうございました。Japan Societyの会には私も行きたかったのですが、先約があって、残念ながら行けませんでした。模様が分かって、良かったです。
2010.04.29 Thu 21:55 URL [ Edit ]

- 守屋

かんとく さん

 お役に立ててよかったです。ジャパン・ソサエティの催しには初めて参加しました。今後の催しのリストを見ましたが、けっこう面白いものもあるんですね。
2010.04.30 Fri 05:25 URL [ Edit ]

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