LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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デンマーク出身の画家の展覧会@ナショナル・ギャラリー

2010.05.05
5月の最初の連休の最後の日、5月3日にナショナル・ギャラリーで開かれているデンマークの画家、Christen Købkeの展覧会を観てきました。

http://www.nationalgallery.org.uk/whats-on/exhibitions/kobke

This is the first exhibition outside Denmark to focus on the paintings of Christen Købke (1810–1848). Emphasising his exquisite originality and experimental outlook, the exhibition focuses on the most innovative aspects of his work – including outdoor sketching, his fascination with painterly immediacy, and treatment of light and atmosphere.

The exhibition features around 40 of Købke’s most celebrated works, spanning a variety of genres. Works include landscapes, portraits of many of his family and closest friends, and depictions of Danish national monuments using his charming and unusual sense of perspective.

Købke was a pre-eminent painter in his country and arguably one of the greatest talents of Denmark’s Golden Age. With the exception of one journey to Italy, he spent almost his entire life in and around the Citadel in Copenhagen, where he found the principal themes of his art.

Købke’s work demonstrates his ability to endow ordinary people and places and simple motifs with a universal significance, creating a world in microcosm for the viewer.


 今まで存在すら知らなかった画家の凄い画業を見るたびに思うのは、世界は広く、自分の見識は狭い、ということ。全国紙でいつもはけなすことが批評と信じているのではないかと思っているクリティクたちがべた褒めだったので、逆にどれだけ無意味なものなのかを確かめに、そんな下心を持って行ったのですが、自分の無知・倣岸がはるかかなたに吹き飛ばされてしまうほど素晴らしい絵画群でした。

christen-kobke-frederiksborg.jpg
(写真はすべてアート関連のサイトから拝借。すべて、会場で展示されていたもの。この絵は、会場でもとりわけ人気が高かったようです)

 目が悪い僕には、淡い色調、自然の光の具合をキャンバスに再現することを追い求めたらしいKøbkeの幾つかは、天窓から射すロンドンの弱い光の下では、集中するのが難しいものもありました。他方、その具象の裏から浮かび上がってくる記号の意味合いを考えながら絵を見ていると、特に風景画からは現実と非現実のあわいを見ている、そんな気分にもなりました。 
 というのも、画家のお気に入りの建物を描いたある絵。細部にいたるまでキャンバスに丁寧に、まるで写真のように再現されている。しかしながら、画家の意思によって本来あったものが意図的に省かれている。そのような絵は、具象といえるのか。現実にないものであるなら(現実にあるものを排除したという意味で)、それは画家の願望を描いた、ある意味シューレアリズムではないのか。

cgfa_kobke1.jpg

 描かれているものの解釈がまったく説明されていない、という意味で上記の絵は興味深いものだそうです。画家は愛国者であったにもかかわらず、なぜ、国旗がまっすぐに描かれていないのか。二人の女性は、船を見送りに来たのか、それとも到着を待っているのか、どこかに行くのか、戻ってきたところなのか。

kobke-northern-drawbridge-citadel-copenhagen-NG6507-fm.jpg

KobkeBridge.jpg
(これは実物より色がきつめに出ています)

 画風という点では、アンドリュー・ワイエスを、特に風景画をどの視点から描くかというところでは岡 鹿之助を想起させるような印象があります。さらに特筆すべきは、この展覧会は無料。

 ついでに、もうひとつロンドンの熱い展覧会をご紹介。

This major exhibition features 100 drawings by Italian Renaissance artists including Raphael, Leonardo and Michelangelo.
http://www.britishmuseum.org/whats_on/all_current_exhibitions/italian_renaissance_drawings.aspx

 どれほど素晴らしいかを日本語でという方には、こちらを。

http://fumiemve.exblog.jp/10512600/

 さらに、来週末には、開館10周年を記念してテイト・モダンで記念イヴェントが13日、14日、15日に開かれるそうです。

http://www.tate.org.uk/modern/exhibitions/nosoulforsale/default.shtm

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Comment

イギリスの休日とは・・・・・・・・・・・・ - イレーヌ・ジョリオ

守屋様、こんにちわ。

イギリスにも5月に連休あるんですね。初めて知りましたよ。
イギリスのお休みとか祝日は、キリスト教の由来の日とか女王に関する日とかそんなものなんでしょうか?
そちらにお住まいの日本人はイギリスの祝日に準じたお休みをとっておられるのでしょうね。でも、本国の日本の祝日に準じたお休みを取る大会社の現地駐在日本人の方もおられるのでは、と想像してしまいますね。

さて、今日は英国総選挙の日ですね。守屋様はやみつきになっておられるみたいですから、夜更かししてTVを見ておられるのでは、と想像できます。私が普段見ているBBCWORLDNEWSではもうキャメロン氏をトップに扱っているみたいですけど、でも’リブデム’の当選者人数によっては、英国政界は混迷するみたいですから、海の反対側のわが国でもここ数日で、やっと、TVが取り上げ始めましたよ。
とりあえずは、この何十年間で味わった事の無い大注目の英国の総選挙ですね。

2010.05.06 Thu 01:13 URL [ Edit ]

- 守屋

イレーヌ・ジョリオ さん

 こんにちは。

>イギリスのお休みとか祝日は、キリスト教の由来の日とか女王に関する日とかそんなものなんでしょうか?
 このような情報は、ご自分で簡単に知らべられると思います。

 僕は、普段の生活ではあまりほかの日本人の方と会う機会がないので、日系の企業の業務がどれほど日本の祝日に影響されるかはわかりません。が、少なくともメイルのやり取りは減るでしょうね。

 僕はテレビを持たない生活をしているのでご心配には及びません。昨日までの投票日直前の最後の数日間、キャメロン氏とクレッグ氏は、「連立はしない」と声高に叫んでいました。これが演技なのか本気なのかの判断はつきませんが、保守党への支持が過半数に達していない現状では、波乱はあるのではないかと思っています。

 投票所は午後10時まであいているようですし、時差もありますから、日本の皆さんのほうが先に結果を知ることになるのではないでしょうか。
2010.05.06 Thu 07:58 URL [ Edit ]

ヒット! - こむを

これいいですね!6月13日までというのがちょっと厳しいですが、それまでに行けるよう考えてみます。

この画家かなり若くして亡くなったんですね。どのようなバックグラウンドの方なのかも気になりますし、ノルウェー派の自分にしてみたら19世紀頭は激動の時期なので、その時期の画家という意味でも興味をひかれます。

ご紹介ありがとうございました。
2010.05.06 Thu 09:09 URL [ Edit ]

- 守屋

こむを さん

 生没年まで気が回っていませんでした。絵だけを見ていると、とても熟達した、特別な域まで達した画家という印象が強かったです。

 北欧は、近くて遠いです。ノルウェイは、北西端にある小さな島々がイギリス人には人気の観光地のようです。
2010.05.06 Thu 09:58 URL [ Edit ]

- かんとく

守屋さん
おはようございます。この守屋さんの記事を読んで、私も先週行ってきました。この画家の技術的な素晴らししさもさることながら、柔らかで素朴な、絵全体から受ける印象がとても好きでした。
近いうちに、私も感想をアップしたいと思います。ありがとうございました。
2010.05.19 Wed 06:39 URL [ Edit ]

- 守屋

かんとく さん

 こんばんわ。素晴らしい天気でしたね。

 行こうと思うまでは絶対に有料だと思っていたのですが、あれほど充実した展覧会が無料ということに、改めてロンドンの美術館の懐の深さを感じました。

 デンマークは、いまだにまともに見て回ったことがないのですが、イギリスとは違った田園風景に惹かれます。
2010.05.19 Wed 19:59 URL [ Edit ]

- ようこ

興味深いお話しをありがとうございます。
ときどき拝見させていただいております。
この画家のことは初めてうかがいました。
大英博物館で開催されている
ルネッサンスの素描展もすばらしいですね。 
カタログだけは取り寄せたのですが。 
いまの私にはロンドンは遠くて。。。
これからもたのしみに拝見させてくださいね、
よろしくおねがいします。
2010.05.23 Sun 23:27 URL [ Edit ]

- 守屋

ようこ さん

 コメントありがとうございます。文化予算はかなり削減されていますが、おそらく2012年に向けて、各美術館・博物館は面白い展覧会を企画しているのではないかと想像しています。

 素描展は、早く自分も行かないと。
2010.05.24 Mon 05:30 URL [ Edit ]

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