LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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移民という人種1:アメリカ・ウォッチ連動企画

2010.07.22
「移民」と「人種差別」という問題、というか社会現象については、思うこと、経験することはたくさんあるのですが、いざ書こうとするとミクロからマクロ、マクロからミクロへとさまざまなことが多層的に複雑に絡まっているので結局自分の言葉にならないままで終わりそうといつも思っていました。そんなときに、「アメリカ・ウォッチ」を主催する松尾さんから、できればアメリカに関連することをロンドン発で書いてみませんかというお誘いをもらいました。

アメリカ・ウォッチ
http://homepage.mac.com/f_matsuo/blog/fmblog.html

 原稿に書いたことは、専門家から見れば点でしかないかもしれません。また、僕が書けることは、僕自身がロンドンで経験すること、見聞きすることに限られます。ということで、あくまでニュートラル、且つ僕個人の考えとして、「外国人」として生まれた国の外で暮らす生活から感じることを。また、「移民」という概念を、たとえば、イギリスで働き、暮らすすべての日本人が共有している、とはいえないと思います。会社内の異動でたまたまイギリスに赴任している人、勉強のために留学している学生たちが、彼ら自身を「移民」とみなすことはないのではないかと思います。英語にしても日本語にしても、「移民」と「外国人」という言葉の捉え方、自分自身とその意味との関連付けは、ひとつの考え方で縛られるものではないと考えます。

 「アメリカ・ウォッチ」に移民問題について書こうと思ったきっかけは、記事の後半で触れたアリゾナ州の「SB1070」です。この州法について知ったのは一般のメディアからではなく、音楽雑誌出版社のロッキング・オン社のウェブからでした。この州法に反対してロック・ミュージシャンが立ち上がったというもの。名前すら聞いたことがない人もいらっしゃるかと思いますが、「今」のアメリカを代表するロック・バンドのひとつに、Rage Against The Machineというグループがあります。

Rage Against The Machine wallpaper 1 (8)

親が子供に聞いて欲しくないロック・バンドのひとつとしても有名かもしれません。音楽的には僕の範疇からは少し外れるのですが、ここのギターが好きなんです。で、バンドのヴォーカリスト、ザック・デ・ラ・ロチャが同法の廃止のために立ち上げたのが以下のサイトです。

http://www.thesoundstrike.net/


 で、このサイト立ち上げの際にザックが寄せた文章の中で以下のものが、個人的にとても衝撃でした。

When Rosa Parks refused to give up her seat, they arrested her. As a result, people got together and said we are not going to ride the bus until they change the law. It was this courageous action that sparked the Montgomery bus boycott. What if we got together, signed a collective letter saying, "we're not going to ride the bus", saying we are not going to comply. We are not going to play in Arizona. We are going to boycott Arizona!
(同サイトのプレス・リリースより)

 21世紀も10年を過ぎて、このような文章が「自由の国、アメリカ」から発信されるとは予想もしていませんでした。でも、アメリカだけではないでしょう。移民への偏見、それに伴う新たな人種差別意識(racial profiling)が21世紀のThe Second Decadeにどのように変化していくのか、というのが僕個人にとって移民という現象のマクロ的な事象を考える発端です。

Arizona immigration battle turns bitter
http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/18/hispanics-flee-arizona-immigration-law


 日本で暮らしていたころは、「移民」という概念を自分の生活の一部として考えることは皆無でした。また、そのような機会がなかったといってもいいのではないかと思います。日本国内における「移民現象」である「出稼ぎ」を関連付けて考えることもなく、単に世界の「歴史」の一部としてしか見ることはなかったと思います。また、中学生、高校生のころに教えられたのは「人種差別」の歴史は白人と黒人のそれだけ、しかも黒人や白人も多種多様という事実を知ることはありませんでした。

 ロンドンに来てすぐに自分が「外国人」であることは実感していました。イギリスという国と、何のつながりもないわけですから。学生という身分だったころ、自分が「移民」として他者から見られることもありえることなど考え付きませんでした。そんな中で、「移民問題」を初めて自分の生活の一部として経験したのは、これだと思います。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-96.html

 ただ、このころは日本人コミュニティに属さず、また、ロンドンで知り合った友人も少なく、極端な話、社会との接点が希薄だったころなのでこれ以上のことを考えることはありませんでした。その後、カウンセリングの勉強を始め、ヴォランティア活動を続けていく中で、徐々に「ロンドンって、本当に多種多様な人種がいるんだ」という経験を積み重ねてきました。で、すでに何度も我田引水していますが、僕自身が「移民」として見られることを強烈に感じたのは、このときでした。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-50.html

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-70.html

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-71.html

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-72.html

 自分自身でこの点に行き着いたので、ショックを受けるなんてことはありませんでした。逆に、ワークショップや研修先で経験するレイシズムがもたらす影響や、どうして人は「外国人を差別するのか、するにいたるのか」を考え始めるきっかけでした。

もちろん、奇麗事だけではないです。実際は研修先で、初めて「外国人だから」と言う理由でクライアントから拒否されたときは、自分の存在って、何?、と。また、一般論としてですが、たとえば「白人VS黒人」の人種差別問題には、僕は加われません。当事者ではないのですから。石原慎太郎を倣えば、「三国人」であると感じます。同じ土俵に上がれないんですから。もう長くは表舞台にはいないであろう石原氏には、彼の人種差別発言は、回りまわって日本人にも戻ってくるということを知って欲しいものです。話しずれますが、人種差別を表す言葉といううものは、星の数ほどあるように感じた報道が、最近ありました。

Was it necessary to turn an insult involving coconuts into a criminal prosecution?
http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/crime/7862137/Was-it-necessary-to-turn-an-insult-involving-coconuts-into-a-criminal-prosecution.html

 ブリストルの黒人女性が、24年前にイギリスに移住したインド人女性のことを、「ココナット」と呼んだことが人種差別に当たると。この場合、表は有色なのに、中は白い椰子のみになぞらえて、白人ではないのに白人の振りをするという人種差別語になるそうです。僕は、人種差別というよりも、マイノリティ同士が足を引っ張り合ってどうするのか、と脱力しました。

 続きます。

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