LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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同じなのに、同じでない:エイジ、ジェンダー、セクシャリティ

2010.07.27
今年前半、英国ニュースダイジェスト誌のニュース・コラム、「ウィークリィ・アイ」を書く機会があったとき(http://www.news-digest.co.uk/news/content/view/6117/265/)に、ひとつとても興味を惹かれ、かなりの資料を集めたものの、なんとしても書けなくて諦めたものがあります。それは、ヴァチカンにまで広がった、英国国教会内部の揉め事でした。
 その揉め事とは、女性をビショップに任命するかどうか、というもの。女性ビショップ任命の動きがでるたびに、教会内のトラディショナリスト・ビショップたち(もちろん、全員男性)は猛烈に反対し続けています。今年の冬、その強硬派の中で影響力が強く、教会内の順位が高いいく人かのビショップたちは、カンタベリー大司教のウィリアムズ博士を通さずにヴァチカンと接触。アングリカンを離脱したらローマン・カソリックに受け入れてもらえるよう交渉し、法王もゴー・サインを出したとの報道でもちきりでした。
 もちろん、女性ビショップ反対派への抗議意見もきちんと報道されました。その中で僕が驚いたのは、女性信者のある意見。確かテレグラフ紙に短いコメントとして書かれていたものだったと記憶していますが、「私は、彼女たち(女性司祭)の人間性を疑っているわけではないわ。でも、ビショップは女性ではだめなのよ」、と。
 宗教が人々に心のよりどころとなる機能を果たしていることは認めるものの、僕個人は常に、「人間が先であって宗教が先ではない。宗教が人間を生み出したのではない」、という位置。もちろんこの位置づけに、学問的な裏づけはないです。それでも、どうして人間が生み出した宗教が、その人間を性別で差別するのかに対しては、言いようのない窒息感をいつも感じます。
 この話題を書こうかどうか迷っているとき、イギリス人の友人たちの意見を尋ねたところ、大体が「やめたほうがいいよ」。で、僕自身、書くのはやっぱり無理かと思いつつ、最後に研修仲間の女性(イギリス人)に、アングリカン内の性別・セクシャリティによる区別についてどう思うかを尋ねてみました。曰く、「この騒動が気になるのは、あなたが『外国人』だからでしょ。あなたが、区別について敏感になるのは判るわ。でも、上手く線引きできることではないけど、私は、私たちが生まれたときにはすでにその宗教があった、という事実が考慮されるべきだと思う」。
 そのときは彼女が言わんとすることは判ったような気がしたのですが、過去数週間、再びアングリカン内で起きた、同性愛であることを公言している男性を、あるランクの高いビショップ任命の選考リストに入れて落とすということを強硬派がしたというニュース。

Gay bishop for Southwark 'will split Church of England'
http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/05/anglican-church-bishop-southwark-gay

 渦中のジェフリー・ジョン氏の支持者は、「落とすために彼の名前をリストに加えるとはどういうことだ」、と怒りの声を挙げていますが、僕もその怒りはもっともだと。

Archbishop warns against delay over women bishops
http://www.guardian.co.uk/world/2010/jul/12/archbishop-delay-women-bishops-canterbury

Guardian12Jul10.jpg
(7月12日にガーディアンから)

 そんな区別・差別についてもやもやした気持ちでいたときに読んだ特集記事には、頭をがつん、と。

So, I had a sex change
http://www.telegraph.co.uk/relationships/7867780/So-I-had-a-sex-change.html

 性転換をした三人の方がインタヴューに応えているもの。彼ら3人の人生を、したり顔で語れるなんてことはできません。が、ひとつ、僕の目の前に常にありながら気づきたくなかったであろう、二重、三重と複雑に反転した性差別があることを気づかせてくれた言葉。

I consider having been raised as a boy to be a significant advantage in business. It has not only given me an unusual outlook, but put me at a huge advantage, because I was brought up to be confident business-wise, and technologically inclined. My schooling was completely different to my sisters’; I was pushed much harder in different areas. A lot of the women I meet who want to go into business have all the skills but lack the confidence, which is also partly why many women in IT are still disadvantaged; they are paid a staggering 23 per cent less than men in the IT sector. (By Kate)
 (今は女性だけど)男の子として育てられたのは、会社経営者としては得がたい有利なことだった。私の妹と違って、さまざまな分野でたくさんのことを経験することができた(男の子のだったから)。私の周りにいる女性会社経営者はスキルはあるものの、(会社経営者としての)自信が欠けている。

 「エー、女性でいることって、そんなに不利なのか?」、ということを選択に偏りが有ること承知の上で、ビジネスコンサルタント会社を経営するスコットランド人の友人(二人の娘の母)に言ってしまったところ、「社会心理学を専攻して、カウンセリングに従事している人がそのことをきちんと理解していなかった、というのはまだまだね」、と切り返されました。

 支離滅裂になってきましたが、もうひとつ。年齢。イギリス推理小説界の仙人、P D Jameshttp://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1133.html)。来月、90歳の誕生日を迎える彼女が、現代の技術革新の速さに高齢者は有無を言わさずに置き去りにされているのではないか、という懸念を率直に語っています。また、道徳観の変遷についても言及しています。とても平易な英語なので全文は翻訳しませんが、一箇所だけ。

PD James 'frightened' by pace of technological change
http://www.telegraph.co.uk/culture/books/ways-with-words/7884086/PD-James-frightened-by-pace-of-technological-change.html

Baroness James has admitted that she is frightened by the “horrifying” pace of technological change brought about by the internet.

Older people who struggle to use computers are being left behind by society at a time when everything from shopping to booking tickets is being moved online, she warned.
“I think what’s a bit horrifying and frightening is the speed of it. Even with my writing – I started with an old typewriter, then my secretary had a word processor and now, of course, she’s got a computer. Every week some marvel is unveiled,” she said.

“It’s awful, really, because when you get to the age of 90 you can’t really use a computer. I can check my emails but not much else. There’s a world out there and you can’t understand it, and it’s happening very quickly.

“My generation now, over and over again we are told to get online. I have a friend who was going to Yorkshire by train and went to King’s Cross to buy her ticket.

"There were posters up: ‘Silly Cecil got his ticket by coming to the station and buying it. Clever Clive bought his online and got it for half price’. Well, I don’t think there are many over-75s who can go online to do that. Why should we have to pay 50 per cent more for our ticket?”

(キングス・クロス駅にはポスターが張られていた。「愚かなセシルは、彼の切符を駅に来てから買った。賢いクライヴはオンラインで購入したので半額だった」。私は、オンラインで切符を購入する75歳以上がたくさんいるとは思わない。どうして(同じ切符を買うのに)、5割も余計に払わなければならないのか?)

Baroness James said her 1920s childhood was little different from Victorian times. “Excepting transport, generally life was very much the same. Food was eaten in season, for example. It’s entirely different now, in quite a frightening way.

“Morality hasn’t caught up with our technology. We are very clever, perhaps too clever for our own good. It’s a world where people don’t feel quite at home. Perhaps that’s why people like a nice, cosy detective novel from the 1930s, an Agatha Christie – there was a more assured morality then, where people knew the place they lived and were at home with it.”

 以前、ある友人とメイルを交わしたとき、その友人曰く、結局コインの表にいることができるのか、コインの裏側に回ってしまうのかで多くのことが変わってしまう、と。

 自分自身のままでいようとしているだけなのに、裏側になってしまう。年齢を重ねるという、今のところ誰一人として抗えない、変えることのできない体の営みの結果としていつの間にか置き去りにされる。個々人の人生を、ひとつの型に無理やり押し込めることは難しい、ということでまとめになるかどうか。

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