LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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英語に関するあれこれ1:Are you sure?

2010.09.07
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ここのところ英語に関する愚痴は控えてきましたが、最近、心のそこから大嫌いなフレイズ、と言うか厳密に言うと、そのような表現を使う人々の意識の問題によるものだと考えますが、があります。それは、「Are you sure?」。

 往来で場所や建物の所在を尋ねられたとします。幸か不幸かロンドンの中心地の地下鉄網であるとか、バス路線の効率の良い乗り継ぎを知ってしまっているので、なるべく答えるようにしています。で、答えます。「そこに行きたいのであれば、何番のバスに乗れば乗り換えなしで目的地にいけますよ」、と。すると質問者の反応は、

 「Are you sure?」

 「最近、この返答が多いな」、と気づき始めたころは、周りに信頼できる人がいないに違いない可哀相な人なのだろうからいちいち気にしないように、と自分をだましてきました。が、最近ではあまりにも多くて。ちなみに、これ、外国人観光客だけではありません。イギリス人のほうが多用しているくらいです。善意を踏みにじられていると言う大げさな気持ちではありません。質問して返ってきた答えに、感謝を伝える前に全く思考をせずに自動的に「Are you sure?」と言うその態度が大嫌いなんです。なので、最近では、

 「Are you sure」(Sureを強調します)

 「If I am not sure, I am not telling you」、と静かに且つ冷徹な口調で切り捨てます。言ってあげなければ判らないですから。で、大方はここで「しまった」と言う表情で引き下がるのですが、中には、

 「Don't take it personally」、と切り返してくるのがいるので(だいたいアラブ系)、そのようなときには、

 「Because you take it personally, why should I not take it personally?」、と。特にイラン系やイラク系(勝手な思い込みですけど)は、失礼にもほどがありますが「お前何人だ?」と迫ってきますので、絶対に答えません。

 ええ、大人げないなとは思います。でも、本当に腹が立つんです。先日もこんなことがありました。ケンジントンのオープン・カフェで友人(イギリス人)とあっていたときのこと。外のテイブルに座っていました。ベイビー・バギーを押した、60半ばくらいに見える白人女性がふと僕たちのところで止まり、「Excuse me」も「sorry to bother you」も何もなくいきなり、「このあたりは、コンジェスチョン・チャージ(混雑税)は払うのかしら?」と質問してきました。僕は全く知らないので、「知らないよ」と即座に。そこで、ローカルの友人が答えました。で、見た目ミドル・クラスのご婦人は即座に、「Are you sure?」。

 一瞬、友人と僕は「またか」と言った感じであたかも、「どっちが答える?」と言った視線を交わしたあと友人は、「Madam, you ask me and I answer you. No argument, please」。

 不安に思う気持ちはわかります。でも、尋ねられることの大半は、事前に自分たちで調べられるべきこと。自分の不手際や不安に他者をいとも簡単に巻き込むことで自分の責任をなかったものにし、他者にその責を負わせて不快な思いをさせると言うのは世界共通なんでしょうか。でも、日本で道を尋ねられて、日本語で「それは確かですか?」、とは返ってこないと思うのですが。

 閑話休題。数年前、ロンドンで知り合った日本人の友人がいます。大学院を終了し、帰国して教育現場に身を置いても、毎夏、ロンドンで英語を磨き続けています。今年の夏も研修の合間に短時間でしたけどあうことができました。

 友人が教鞭をとるのは、いわゆる進学校ではない高校。その高校での英語教育の内容を、即座には信じられませんでした。ひとしきり話を聞いたあと、「僕たちの世代って、中学で関係代名詞を習わされましたよね?英語の発音記号、中学で覚えさせられましたよね?記憶を美化していませんよね?」。

 ゆとり教育の弊害で、授業の内容はスカスカ。その反省と反動で、これから再び英語の授業が増やされるらしいとか。では、そのゆとり教育で、学ぶ機会を奪われた皆さんはどうなるんでしょうか?

 僕は受験が厳しくなってきた時代に育った世代。日本にいたころ、あの受験英語が自分の人生にどれほどの意味があるのかなんて、考えたことなかったです。でも、今、あれがあったからこそここで生き抜けて行ける、と感じます。競争で負けるのが可哀相だからと言う理由で英語教育を受ける機会を奪うより、有無を言わせず叩き込んだ英語を使える機会を増やすことが重要なのではないかなと思います。英語は素晴らしいと言う気は全くないですが、悲しいかな、英語が廃れる気配がないのも事実だと考えます。

 友人のもうひとつの指摘も、個人的に賛同します。曰く、「(英語の)語学留学を考えている日本人は、イギリスに来る前に可能であればプロフィシエンシィ・レヴェルまで到達しておいたほうが精神的に楽だと思う」、とのこと。
 これ、うなずけます。なぜなら、たとえば、英語の能力が同じアドヴァンス・レヴェルだとして、さらに日本人がちょっとだけ優れているとしても、非英語圏のEU諸国から来ている外国人学生は、彼らが間違っているはずがないという態度を絶対に崩さないので、自信を持って「君の英語のほうが間違っている」といえるくらいでないと、楽しくないのではないかなと思います。欧州語圏から来る学生の多くは、英語と同じ、またはほぼ似たようなアルファベットを共有しているという驕りがあるのだと思いますが、英語の発音を英語の発音として学んでいないことが多いようです。たとえばスペイン語圏の人だと英語の「Z」の発音を直そうという意志はないように思えますし、また英語固有と思われる「th」の発音ができない、もしくは発音が違うことを知らないラテン語圏の人は多いです。個人的に、イタリア人の英語は、まともに聞いていると、まるで首を掴まれて頭をグワングワン揺さぶられている気分になります。

 翻って、日本人は良かれ悪しかれですけど、英語のアルファベットの影響から遠い言葉を使う民族。学ぶプロセスと、学びを活かす方法が確立されれば、素晴らしい英語使い、外国語使いの国民になれるのではないかと。
 8月の終わりに、別の友人からとても興味深い話を聞きました。友人は、日本のある高等教育部門で、日本語を学ぶ外国人にどのように日本語を教えるかということに長く携わっています。どの段階に達しているのかは聞き忘れましたが、友人によると、現在、EUの各国内でばらばらの英語検定試験の基準を統一させるという動きがあるのだそうです。僕はそのような統一基準がない事実に驚きました。
 友人からはさらに、「言葉や言語に興味があるのなら、これからPlurilingualism(複言語主義)と言う言葉を覚えておいてもいいと思う」、とのことでした。

 いつまでたっても英語によるコミュニケイションがままならない、僕自身の足掻きぶりと思って読んでいただければ幸いです。

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Comment

- Fei

あはは!今日、まったく同じことが僕にも起きました。じゃ訊くなよ!っていう。ある意味胆が座ってる。
2010.09.08 Wed 18:10 URL [ Edit ]

- 守屋

Fei さん

 >じゃ訊くなよ!
 まったくです。さらに、人に尋ねて答えさせた挙句、「でも、あるウェブでは違う答えだったんだけど」、と。

 「胆が座ってる」というのは、この場合に限れば、「外からの刺激を遮断している」、と解釈できるかもしれないな、と。
2010.09.08 Wed 20:07 URL [ Edit ]

- shinobu

ひどいですね。腹の立つお気持ち、すごく分かります。
パリでは、私みたいにフランス語が全然できない、明らかな「ガイジン」を選んで質問に来るフランス人が結構多いです。一応みんな、最後は「Merci」です。でも、「知らない」と返事をした時の反応は、「チェッ」みたいな感じですけどね。
フランス人の友人に、なぜ私みたいな「ガイジン」を選んで質問して来るのか、聞いてみたら、「日本人だとちゃんとした答えが返ってくるからじゃない」との答え。「フランス人は、いい加減なこと平気で言うからね』と言ってました。本当かどうかは分かりませんが。
2010.09.09 Thu 14:13 URL [ Edit ]

- 守屋

shinobu さん

 腹も立つし、悲しくもありです。

 「日本人」って、やっぱり礼儀正しい国民と思われているんですかね。僕は、「Yes」「No」をスパッと言い過ぎるようで、驚かれます。でも、間違ったことを言うより、潔く「No」と伝えたほうが、建設的だと思います。
2010.09.09 Thu 21:09 URL [ Edit ]

- ハマちゃん

悪く受け取らないように無理矢理考えてみると

質問者は守屋さんを疑ってそう言ってるのではないのかもしれない。
英国(特にロンドンは?)では、訊かれた人が正しいことを答えても、交通機関等の方が正しく稼働してないことがもの凄く多い。

だから「あなたの情報は通常時では正しいのだろうけど、今この瞬間、そういえば今日はストだった、とか、そういうプラスαを忘れてたりはしない…ですよね?」
みたいな、機関側を疑う言葉なのかもしれない?!

私のエリアでは地区毎に郵便局の休業日が違ってて、水曜日休みのところ、木曜日休みのところ、いろいろ。

誰かに「最寄りの郵便局は」と訊かれても、その郵便局が今日は開いてるかどうかまでは把握してないので、Are you sure?と訊かれたらWell, I'm not sure...if they are open today.ですかねえ。
2010.09.10 Fri 09:54 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん

 僕も、役に立てるのであれば、そうすることに何のためらいもないです。が、「尋ねられる側のほうが、そこまで気を遣わなければならないのか?」、と疑問に思ってしまった、といった感じです。

 ハマちゃさんのコメントを読んで、誰かの創作童話だったか、はるか昔の道徳の副読本の物語だったかを思い出しました。

 帰宅時の混雑した電車の中で、女子中学生(もしくは高校生だったかも)が、1度、2度、そして3度と席を譲ります。誰も彼女にお礼の一言も言わずに座り、降りる駅がきたら何も言わずに降りていく。4度目にお年寄りが立ったとき、その女の子はうつむいて必死で気づかない振りをしていた。

 ロンドンが異常なのかもしれないです。
2010.09.10 Fri 21:57 URL [ Edit ]

- Yoshi

こんにちは。道を聞かれても方向音痴で大抵分からないので、すいません、わかりません、としか答えられない私ですが、Are you sure?と言われても何とも思わないでしょう。イギリス人は不親切でunfriendlyなのが普通、という固定観念が頭に染みついていますので。でも、言葉の不自由な外国人のおかれた状況って、どこの国でも同じようなものなのかと思います。

>可能であればプロフィシエンシィ・レヴェルまで到達しておいたほうが精神的に楽だ

これ、非現実的に聞こえます。そもそも多くの方が、プロフィシエンシィ・レベルを目標にして語学学校に行くために渡英されるわけですから。
2010.09.12 Sun 03:10 URL [ Edit ]

- 守屋

Yoshi さん

 おはようございます。いい天気ですね。

 イギリス人、というかロンドナーは不親切というよりは、ガードが堅いという印象があります。

>これ、非現実的に聞こえます
 自分で書いておきながらですが、非現実的だと思います。付け加えるなら、「目的」だと思います。
 僕個人の経験、想いですが。ロンドンに来てすぐ、語学学校が始まりました。振り分け試験で、上から3番目のクラス、upper advanceといわれていたように記憶しています。1週間で、「ここにいたら、自分が要求されているレヴェルに期間内に到達しない」と感じ、交渉して一番上、プロフィシエンシィ・クラスにねじ込んでもらいました。
 クラスを移って最初の2週間は打ちひしがれました。一回りも若い北欧からの学生たちのすらすら答えていることが、まったく理解できない。悔しかったです。
 でも、プロフィシエンシィに入れてよかったのは、やらなければならないことが見えたこと。それによって、気分が落ち着いたことです。
2010.09.12 Sun 09:13 URL [ Edit ]

- Yoshi

ふたつのコメレス、ありがとうございました。イギリスにいても、イギリス人の友達がひとりも居ない私ですので、ロンドンの人々のこと、あまりよく分かっていません。「不親切」というのは私の偽らざる印象でしたが、誤解しているだけで、失礼な判断かも知れませんね。

テストで文法等の点数が良くて上のクラスに入りすぎたと言って,もっと下のクラスに入りたいという話は聞いたことありますが、語学学校時代の守屋さまの積極的な姿勢、大変立派だと思います。
2010.09.12 Sun 12:14 URL [ Edit ]

- 守屋

Yoshi さん

 近いうちに書ければと願っているトピックに関連しますが、外国で暮らし、その社会に溶け込んでいくのは、易しくはないと思います。僕が、「ロンドンで暮らしている」と感じられ始めたのはそれほど昔のことではないです。
 ロンドンなーには、親切な人もいますけど、不親切な輩もたくさんいます。ご心配なく。

 >積極的な姿勢
 今とは別の意味合いで、生きていくのに貪欲でしたから。
2010.09.12 Sun 20:21 URL [ Edit ]

- かんとく

 いつも興味深いトピックありがとうございます。Are you sure?の件は、あまり気がつかなかったので、これからアンテナ高くしておこうと思います。自分が気づいてないだけかもしれません。
 語学は本当大変ですね。これだけ英語の世界に居てもまだこの程度かと思い、自分が一番自己嫌悪を感じるもののひとつです。でも、最後は、本当の意味でのやる気と努力なんでしょうね。「生活の瀬戸際で、英語やってますか?」で聞かれたら、Yesとは言えない。オペラ見に行っている時間があったらもっと勉強しろ、なのかもしれません。優先順位のつけ方が難しいです・・・
2010.09.15 Wed 18:40 URL [ Edit ]

- 守屋

かんとく さん

 別の機会にある方と話したときに思ったことですが、このフレイズが使われるかどうかは、どう捉えるかは状況にかなり左右されるということ。
 かんとくさんのように、職場内で働く同僚の皆さんからいつもいつも、「Are you sure?」と聞き返されたら、人間関係の崩壊にもなりかねないでしょうし、そういうことを暗黙の了解でわかっているのではと推測します。

 英語圏で暮らしている以上、僕にとって英語は「生きていくための手段」です。でも、新しい単語を覚えるのは、一苦労です。
2010.09.15 Wed 21:29 URL [ Edit ]

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