LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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Hellas紀行2:アジストリ、エギナ

2010.10.05
今回、ギリシャに行く前には、目的は何もしないということだったので、アテネのガイド・ブックは購入しましたが、ほかには何の予習もせずに行きました。ただ二つのことだけ。大学1年のとき、「古典ギリシャ語」コースを一般教養で選択しました。2ヶ月で脱落しましたが、そこで習った「エフカリスト(ありがとうの意、現代ギリシャ語ではエフハリスト)」だけはずっと記憶に残っていました。それと、ギリシャ語のアルファベットの小文字の「」はギリシャ語の発音では「」であることも、いつどこで教えられたのかは思い出せませんが、知っていました。

 ここ(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1256.html)でも書きましたが、英語の発音記号(今回の場合θδ)を叩き込まれていてつくづく良かったと思ったのは、ギリシャ語の綴りを何とか読めてしまったこと。もちろんすべてではないです。それに音として読めても、一般名詞はその意味を知らなければまったく意味を成しません。が、固有名詞、特に地名のつづりを原語で読めたのは面白かったです。数学を専攻している人にとっても、ギリシャ語のアルファベットは読みやすいのではないかと思いました。Λ(ラムダ)とかΓ(ガンマ)とか馴染みがあるでしょうから。僕は、「Γ」の小文字(γ)を認識するのにてこずりました。どれだけの人に意味を成すかわかりませんが、φ(ファイ)を見るたびに、発音するたびに思い出されたのは、「ルースターズ」。

 もうひとつ言葉で思ったことは、自分の日常が如何に英語のアルファベットにがんじがらめに影響されているか、ということ。アテネ空港に到着する前には、「英語が通じなかったらどうしよう」なんてつまらないことばかりを考えていました。実際、アテネ空港や港で目に飛び込んでくるギリシャ文字の洪水には、「The Arrivalhttp://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1260.html)」の主人公の気持ちそのもの。が、ギリシャ語の発音が英語のアルファベットの発音にどのように置き換えられるかが判り始めると、フランス語やスペイン語からは感じたことのない、「まったく新しい言葉に遭遇しているんだ」という感覚を久しぶりに持ちました。そうそう、英語の「Exodus」って、ギリシャ語の「出口」から派生しているようですね。

 アジストリは、本当に小さな島です。公式ウェブによると人口は1,000人強。キャプテンによると、750人。一応、いろいろな変化が進んでいるそうです。まず、来年春ころに、アジストリは「Municipality」に昇格して、医療センターが開設されることになっているとのこと。現在も島には医者が一人だけ常駐しているけど、センターが開設されれば急患が出たときの対応が良くなるであろうと期待されているそうです。

 それと、エコロジカル、グリーンな島を目指すということで、太陽発電のパネルの設置や島内のゴミ捨て場の徹底管理等も進めたいらしいです。自らを「ビジネスマン」と呼びつつも、絶対にロマンティストに違いないキャプテンは島の暮らしのこれらの変化が達成されることに自信を持っているようでしたが、現実的なロージィは、「私の孫の世代に実現するはずよ」、とだけ。

 人が住んでいる集落は、ミロス港を擁する「メガロチョウリ」、もうひとつの港「スカラ」、スカラの高台にある「メトチ」、そして島の反対側にぽつんとある、「リメナリア」。

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(これを眺めているだけで、ギリシャ語が読める気になるはず)

ピレアス港から高速ボートやフェリーで手軽にこられるということで、アテネから訪れる人たちで週末はかなり込んでいました。ただ、ミロスやスカラのそばの海岸は、ホテルによって置かれたおびただしい数のビーチ・ベッドで埋められていて、海は綺麗でしたけど僕は泳ぎたいとは思いませんでした。

 ロージィのホテルの海で面白かったのは、スカラ港に入港してくるフェリーを泳ぎながら見られたこと。もちろん、間近ということではないですが、フェリーが入ってくるほどの港のそばで泳げるなんてことは、とても新鮮な経験でした。気をつけなければならないのは、フェリーが着岸すると、その衝撃による結構強い波が押し寄せること。泳いでいるぶんには余り気になりませんでしたが、岩場のそばに居ると足元をすくわれそうなほどの波でした。

 小さな島ということは、自分の足で回れるであろうと思われる皆さん、それは大きな間違いです。小さな島といっても、集落が4箇所もあればそれはそれででかいんです。僕のこれまでの経験(波照間島、アイラ島、粟国島、シリー諸島のセント・マーティンズ島)で言えるのは、島に住む人が、「そこに行きたいなら、この道をまっすぐ行けばいいだけ」というのは島外から来た人にとっては「まっすぐ」ではない、ということ。島に住む人にとっては「まっすぐ」というのは、結局目的地にまっすぐに着くから「まっすぐ」であって、一本道とは限らないということ。この「まっすぐ」な道には、あちこちでわき道や曲がり角が出現するんです。今回も、メガロチョウリを抜けてリメナリアにいく道路に出るまでに何度迷ったことか。 

 リメナリアにある唯一のカフェの裏にある小道を抜けてたどり着ける「マリサ」という小さな泳ぎ場(砂浜でも、岩場でもなくはしごがあるだけでいきなり水深20m)は、もっとも水が綺麗と多くの人が認めるところ。

 で、その美しい海を見たいと思って、リメナリアに行こうとしました。メガロチョウリからリメナリアへ延々と続くなだらかな、でも自転車だと結構心臓破りな、どこまで行っても終わらないように感じてくる長い上り坂には2度、ギヴ・アップ。せみの声しか聞こえてこないアスファルトの道に一人でたたずんでいると、こんな小さな島で迷うわけもないのに、なんだか不安になってしまって。そんな僕をずんずん歩いて追い抜いていく、ギリシャ正教会のプリースト。やっと、強風が吹いたちょっと涼しい日に到達できましたが、ロージィのホテルからゆうに1時間半はかかりました。逆に、リメナリアから戻るときの、誰も居ない道路をまるで海に飛び込んでいくように走り降りていくときの爽快感は素晴らしかったです。

 そのような小さな島にあって、いろいろな場所で見かけるのが、教会。暮らしている人々の暮らしに深く根ざしているなと感じることが何度もありました。アジストリに限ったことではないですが、教会の前を通り抜けるたびに胸の前で十字を切る人々。そして、アジストリとエギナを結ぶ、「アジストリ・エキスプレス」がエギナに到着したときに、無事に海を渡れたことを静かに祈っていた老婦人。


 アジストリよりはるかに大きいエギナには、たくさんの観光名所があるそうです。中でも多くの人の目的は、教会を訪れること。キャプテンによると、ビザンティン様式を保存している教会が多いとのこと。僕はエギナをあくせく観光するつもりはなかったので、朝のマーケットを見ただけでしたが、とても楽しかったです。

 どこでも見かけた出来あがったばかりの巨大ドーナツの素朴な旨さ。まるで日本から輸入したのではと思うほどそっくりな箒を店先においている雑貨屋。「JANOME」のステッカーをウィンドウに張っている電気屋。需要よりはるかに多いであろうそこここにある女性下着店、魚屋、八百屋、薬屋、そして島の名産であるピスタチオを並べている店。そんな中でお勧めは、AΦAIAΣ(アファイアス)34にあるお菓子や。ここのチョコレイト、最高でした。ギリシャのお菓子やチョコレイトにはキロ単位の価格が表示されていますが、違った種類を二つずつ頼んで、その合計で量り売りをしてくれました。ひとつのものを1キロ買わなければならない、ということではないようです。それと、このお菓子屋のちょっと先にある肉屋で購入したヴィール・チョップをロージィのところで焼いてもらったのですが、激美味でした。

 エギナですごかったのは、スクーターやモペットの数。一生分見たと思います。移動に便利ということはわかりますが、マーケットの間の細い路地にすら入り込んでくるスクーターに生活の違いを垣間見た思いです。

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Comment

ギリシャ雑感 - レイネ

ギリシャ語のアルファベットが解読できるだけでも、かなり便利ですよね。バスの行き先なんかの表示も、子供たちと主人は中・高で古典ギリシャ語を勉強したので、ぱっと見てすぐわかり、現代ギリシャ語とは発音が少し違うだけで、けっこう通じるようです。

ゴミ捨てといえば、孤島なんかだと、ゴミ回収・処理がいいかげんらしく、どうやら海に捨ててるようで、海上を漂う一般家庭のゴミの多さに閉口。汚いだけでなく、プラスチックの袋がヨットの動力スクリューに巻きついて進めなくなってしまい、潜ってはずさざるを得なくなって危険でした。

エギナ島は、スクーターで観光するというのが一般的みたいで、貸しスクーター屋が多いですね。
2010.10.06 Wed 02:47 URL [ Edit ]

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2010.10.06 Wed 07:35 [ Edit ]

- 守屋

レイネ さん

 タクシーの運転手に、「日本で古典ギリシャ語を習っていたことがある」、といったらすごく驚いていました。地名が判ると、歩き回る楽しみが増えますね。

 アジストリは、島内のごみ集積場の管理を徹底するのが優先課題のようです。常連の一人は、海を漂っているプラスティックの容器が増えている感じがするといっていました。

 僕もモペットを試してみたかったのですが、ギリシャの交通事故の数がとても多いそうなので、やめました。
2010.10.06 Wed 19:53 URL [ Edit ]

- 守屋

コメントくださった方へ

 そうですね。仰るように、世界は英語だけでは回っていないことにはまったく同感です。

 今回の旅行の間に、コミュニケイションについていろいろなことを考える機会がありました。
2010.10.06 Wed 20:01 URL [ Edit ]

- Fumie

ことばがわからないというのは、やはり不安なものですよね。この看板を見るだけでほんとそう思います。

ですが、この地域(?)だけでしょうか、アルファベット表記を見ると、イタリア語みたいですね。ちょっと勇気がわきます。
2010.10.11 Mon 06:54 URL [ Edit ]

- 守屋

Fumie さん

 僕も、この英語表記がなかったら、理解するにはもっと時間がかかったと思います。旅するすべての国の言葉を理解するなんてとても無理でしょうけど、理解できるといっそう親近感が沸きます。

 ギリシャ人のマシンガン・トークは、イタリア人のそれと同じくらいの速さのようでした。なじみやすいかもしれないですよ。
2010.10.11 Mon 19:26 URL [ Edit ]

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