LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
Home未分類 | Dance | Sylvie Guillem | Royal Ballet | Royal Opera | Counselling | Sightseeing | Overseas Travel | Life in London(Good) | Life in London(Bad) | Japan (Nihon) | Bartoli | Royal Families | British English | Gardens | Songs | Psychology | Babysitting | Politics | Multiculture | Society | Writing Jobs | About this blog | Opera Ballet | News | Arts | Food | 07/Jul/2005 | Job Hunting | Written In English | Life in London (so so) | Speak to myself | Photo(s) of the day | The Daily Telegraph | The Guardian | BBC | Other sources | BrokenBritain | Frog/ Kaeru | Theatre | Books | 11Mar11 | Stage | Stamps | Transport | Summer London 2012 | Weather | Okinawa | War is crime | Christoph Prégardien | Cats | Referendum 23rd June | Brexit 

Yohji Yamamoto(山本耀司)展@ヴィクトリア&アルバート美術館

2011.03.12
地震、津波、そして原子力発電所の危機的状況で、着の身着のまま、命からがらの体験をいまだにしなければならない皆さんにとって「洋服なんて何の役にも立たない」と思われるでしょう。でも、日本人が持っているに違いない逞しさと優しさを信じ、エールを送れればと希望します。

 本日、3月12日より、ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館(http://www.vam.ac.uk/)で、日本人ファッション・デザイナーの山本耀司のデザインを集めた展覧会が始まりました。
 メインの開場の部屋はそれほど大きくありませんが、1981年にパリ・デビューをしてから30年の山本耀司のキャリアを、過不足なく伝える素晴らしい展示です。山本耀司というと「黒」の印象を強くもたれる方がいるかもしれません。しかし展示の中には、目にも鮮やかなピンクのコート・ジャケット、ストラップレスの黄色のドレス、さらにフェルト素材だったと思うんですが、とても複雑なカットにもかかわらず、女性の美しさを最大限に引き出すとことに疑問の余地がないシンプルな真っ赤なドレス。ファッションというと、どうしても消費文化として見られてしまうことのほうが多いのではないかと想像しますが、60を超えるドレスやジャケットをじっくりと見ていると、ファッションも芸術であることを確信します。
 この展示で見逃してならないのは、彼がデザインしたドレスが、V&Aの6箇所の常設展示室でも見ることができること。その展示エリアの主題にあわせて創作されたデザインでないにもかかわらず、選ばれたドレスやメンズ・ジャケットのすべてがまるで美術館の展示物のひとつであるかのようにまったく自然に見えました。特に、「デヴォンシャァ・ハンティング・タペストリィ」ルームにたたずむ3着のコートは、あたかもタペストリィが作られたときに同時に作られたものであるといわれても信じてしまうほど。古臭いという意味ではなく、「永遠」、もしくは「普遍」という印象です。美術館全体に散らばっているので、すべてを見て回るには時間がかかりますが、この3着のコートと、2009年に亡くなったピナ・バウシュにデザインしたドレスは、絶対に見逃されないように。

 今回の大災害発生と展覧会の初日がほぼ重なったこともあって、僕自身、日本人の創造性を考えながら観ていました。被災された方々、家族や友人が被災された皆さんにとって、今はまだ混乱と耐えがたいほどの痛みにさいなまれている段階です。でも、山本耀司が生み出し続ける「美しいもの」を見ていると、日本人そして日本のコミュニティが「立ち直る力(Resilience)」を発揮することを確信します。

関連記事
スポンサーサイト

Comment

- fumie

ああ、これ!
どこかで見て、行きたいと思ってたんですよねー。そうですか、始まったんですね。
おっしゃる通り、このタイミングというのが、さらにいいですね。
2011.03.13 Sun 23:07 URL [ Edit ]

- 守屋

fumie さん

 励まされるという言い方は適切ではないかもしれませんが、日本人が「無」から生み出した美しさに静かに圧倒されました。機会があれば、ぜひ。
2011.03.14 Mon 20:49 URL [ Edit ]

管理者にだけ表示を許可する

Template by まるぼろらいと

Copyright ©LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン All Rights Reserved.