LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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早春のハロゲイト2:ノース・ドッケンブッシュ(North Dockenbush)

2011.04.02
自分のことながら、たまに自分の記憶力、言い換えると気になったことを忘れたくないという執着はすごいと思います。2009年のある土曜日、ガーディアン紙のトラヴェル・セクションに、ハロゲイト近郊にある良さげなB&Bが紹介されていました。切り抜いておいた記事は引越しでなくしてしまったのですが、「ハロゲイト、B&B、豪勢な朝ごはん」という情報はしっかり記憶に残っていたので、あるとき検索して再び見つけたのが、ここです。

http://www.northdockenbush.co.uk/index.html


http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157626232013863/

 「ラクジャリアスB&B」と尋ねられれば、僕の答えは「Yes and No」です。閑散期だったので、一泊£65-でしたが、繁忙期の£90-だとしたら僕は予約を入れるのは躊躇すると思います。理由は、「B&B」という存在への僕の期待と、実際にノース・ドッケンブッシュ(以下、NDB)がどのように運営されているかの差によるものです。
 B&Bって、実は好きではありません。最大にして唯一の理由は、朝食に出てくるトーストがメインと一緒に出てこないことがほとんどで、メインが出てくるまでにトーストが冷めてしまうから。つまらないことだと思われるでしょう。でも、これがいやなんです。バターを塗った熱々のトーストと一緒に目玉焼き、スクランブル・エッグ、ソーセイジ等をほおばりたいと思いませんか?日本の旅館で、ご飯と味噌汁が先に出されて、焼き魚が出てきたときにはご飯が冷めてしまったというのと僕の中では同じです。いつまでたっても、さめたトーストを出し続けるイギリスの多くのB&Bが好きではなくて、7、8年くらいB&Bには泊まったことがありませんでした。
 で、NDB。トーストは先に出されました。これだけは、本当にがっかりでした。が、朝食は、これまでに経験してきたB&Bの中では、断然トップです。メインで出される食材のすべてが、NDBの直産品なので新鮮、かつ味も鮮烈。卵の黄身の色はロンドンのスーパー・マーケットで売っているオーガニック卵の黄身の色が如何に薄いかが判るほど濃い黄色。ベイコンとソーセイジは飼っている豚をつぶしてのもの。豚さん、ありがとう。ソーセイジは大きいだけでなく、とてもジュ-シィ。あまりにも評判が良いので、量産を計画しているそうです。上手くいけばロンドンでも販売したいそう。すでに卵は宿泊客が希望すれば販売しています。1ダース、£2.50-。もちろん購入しました。卵の美味しさは格別で、Bettysのパンとこの卵を買うためだけにハロゲイトに行ってもいいかなと思ったりしました。

 僕が感じた「差」は、NDBは、「B&Bなのか?」という点。経営者のオリヴァに会って鍵を受け取った後は、2泊して彼に会った時間はトータルで10分に満たなかったくらい。NDBに泊まる人は、車で来ることが必須だし日中は出かけているので経営者に会う必要もないでしょう。車を運転しない僕のほうが彼らのターゲット客ではないのかもしれません。でも、B&Bって距離は置きつつも、経営者と宿泊客の間に何らかのコミュニケイションがあると思っていた僕には、ちょっと冷めた印象が残りました。冷たいというのではなく、B&Bはオリヴァのビジネスのひとつに過ぎない、という感じが最も近いと思います。
 朝食の準備を含めて、午前中のハウス・キーピングを任されているリズとは、逆にとてもいいコミュニケイショをもてました。で、彼女に、「例えば、今週末みたいにドタキャンで部屋が空いてしまったときに、空き部屋ありなんて看板をNDBは主要道路に出さないよね」と尋ねたところ、「出さないわ。オリヴァは宿泊客が誰なのかを先に知っておきたいはずだし。それに、こんなmiddle of nowhereのB&Bに事前情報もなくて泊まりたい人もいないと思うわ」、と笑っていました。

 決してネガティヴではないつもりですが、以上の点が気になりました。それ以外は、ロケイション、最高です。ハロゲイトの駅前からタクシィに乗ったとき。印刷しておいた「how to get to us」を運転手に見せても、「こんな場所、知らないよ」といわせるほど辺鄙な場所。建物の表側はサイト上の写真で見てもらうとして、到着してまず迎えてくれたのは、鶏の集団。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/5561499086/in/set-72157626232013863

 で、周りにあるのは畑、丘、木々、そしてヨークシャアの空だけ。僕のように車を運転しなければ、まさに陸の孤島。でも、僕にはそれが最高でした。ずっと自分の目で見たい、肌で感じたいと願っていたデイヴィッド・ホックニィが描いたヨークシャアの風景が目の前にある。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-454.html

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/5560926135/in/set-72157626232013863

hockney.jpg

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/5561503426/in/set-72157626232013863


 日曜日の午後、ファウンテンズ・アビィから戻ってきてNDBの近辺を2時間ほど歩き回りました。なんてことない風景なんだろうけど、その風景の中にいる僕自身の心のガードが気づかないうちに解除されているような気分に包まれました。

 第一夜は雲が低く垂れ込めていたので、ハロゲイトの町からの光が雲に反射してすべてが靄がかかったように見えたので、懐中電灯なしでもなんとか夜道を歩いて戻ってくることができました。闇夜のカラスではないですが、数センチ先がまったく見えない。危険なことなどないとわかっている、この道の終わりにはNDBの玄関の明かりがあると判っている。にもかかわらず、どきどきしてくる心臓。恐怖は、自分自身が生み出すものなんだということを実感しました。
 日曜日は、午後から快晴になり夜も雲ひとつないまま。街灯を反射する雲がないので、窓の外は黒一色。日常生活で忙しい振りをするのは、忙しくしていることが唯一の自己存在の意義であるむなしさを認めたくない反動なのかも、なんて益体もない思考を綺麗さっぱり拭い去る真っ暗な夜。

 仮に興味をもたれた方、ぜひ、車で。でないと、とりわけ夕食が困ります。NDBからいける村にただひとつのパブ・レストランは、僕は勧めません。ロンドンに戻ってからみつけたこちらのほうが良いかもしれません。日曜日も営業しているようですし。

http://www.hareandhoundsburtonleonard.com/

 それと、3月12日のテレグラフ紙が紹介していたこちらも、NDBからだとちょっと距離はありますが、試してみたいと思いました。

http://www.yorke-arms.co.uk/

 僕が利用したのはThe Blue Room。一番人気は、The Plum Roomです。見せてもらいましたが、一番広い上に窓からの眺めもとてもよかったです。このプラムとゴールドはバス・ルームが部屋の外になります。

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Comment

- ハマちゃん

雌鳥たちが丸々としてて、
これは卵もさぞや!と思いました。
B&Bはオーナーの感覚がクッキリ出やすいのだろうと思いますが、それだけに「味」のあるコミュニケーションを期待してしまいますよね。
あまりビジネスライクだと、寂しいというか。

それにしても地平線が見えるほどの田舎の景色、素晴らしいですね。
以外と平坦な土地なんですね。
ウチの方は田舎ぶりは負けてないですが、丘が多いので、こんな風に綺麗に地平線が真っ直ぐにならないんですよ。
2011.04.07 Thu 14:52 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん

 ロンドンに戻ってから、スクランブル・エッグにして食べました。それすらとても美味しかったので、ストレス・フリーの環境なんでしょうね。

 NDBの周辺は、丘に登っても見晴らしがよくて散歩には最適でした。でも、ヨークシャア・デイルズのど真ん中辺りだと、起伏がある景色が広がるのだろうと思います。
2011.04.07 Thu 17:35 URL [ Edit ]

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