LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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英国における、クレジット・カードによる多重債務:その1

2011.04.03
2回に分けて掲載するこのポストは、どこかのメディアが採用してくれるかなと、根回しもせずに書いたもので結局採用にはいたりませんでした。でも、腐らせてしまうのは嫌だったので、メディアで活躍する友人たちに助言をもらい、ここに載せることにしました。
 専門用語や細かな数字については、採用されたら編集の方がやってくれるだろうと高をくくっていました。ブログに載せるに当たり、自分で調べましたが、もし誤った記述を見つけられた方は、ご面倒でもご教示いただけると大変助かります。


英国における、クレジット・カードによる多重債務:その1


英国では日本人を含む外国人も英国人同様にクレジット・カードを利用する生活が当たり前になっている。だが実際に利用を続けていると、負債額に加算される年率表記の判りにくさや、その年率がクレジット・カード会社の都合で突然上昇する可能性があることを知らずに、負債額が増えてしまいその負債を減らすためにまたクレジット・カードを作るという悪循環に陥る利用者は後を絶たない。外国人利用者にとって、英国人ではないが故に返済するための選択肢が極端に限られていることに気づかずに、債務返済に困難をきたして消費者支援団体へ助けを求める相談が増えているという。取材した体験談をもとに、適切な対応策について考えてみたい。
 

2011年2月、ガーディアン紙の報道によると、英国の個人負債の総額は£1兆5千(日本円でおよそ200兆円、1ポンド=135円)にまで膨れ上がっている。その多くは生活費を捻出するためのクレジット・カード負債によるものといわれている。在英邦人には無関係と思われるかもしれないが、気づかぬうちにクレジット・カードや消費者金融によって多重債務に陥ってしまった在英邦人の数は少なくない。体験談を紹介することで多重債務にどうして陥ってしまうのかの点に焦点を当てる。なお、体験談は取材したことに、英国のメディアから得た情報を加えてまとめたもので、特定の個人について述べているものではない。

 英国に来て生活を始めたばかりだと、銀行口座をすぐに開くことはできてもすぐには英国で発行されるクレジット・カードを持つことができないことが普通なので、英国と日本のカードの違いについてわからない人も多いだろう。英国におけるクレジット・カードが主な要因となる多重債務という点から見て日本人になじみが薄いと思われるのは、クレジット・カード間の負債を移動させるサーヴィス、バランス・トランスファー(Balance Transfer)だ。
 バランス・トランスファーの仕組みについての一例を挙げる。A社のクレジット・カードを利用限度額いっぱいまで使ってしまっている。返済できると思っていた毎月の最低返済額(minimum payment)を支払うと、毎日の生活が苦しくなる。インターネットで見つけたあるクレジット・カード会社は、手数料はかかるがA社の負債を移すことができる上に、その移した負債には一定期間、例えば数ヶ月から1年の間利息がかからない。負債をこれ以上増やしたくない利用者にとって、バランス・トランスファーは簡単で安全な返済方法に映る。


体験談1
 『英国で就職して数年たち仕事が順調になってきたころに、口座を開いていた銀行からクレジット・カードを作ってみてはと持ちかけられました。不安はあったのですが、日本円の価値が落ちていたころでいい機会だと思って申し込んでみたところ、予想外に短期間で発行されました。
 『使い始めたころは多用しないように、また毎月の支払いも利用した分をきちんと返済するようにしていました。でも、使い勝手がいいこと、ほかの出費があるときには最低返済額さえ払っておけばペナルティが科されないので、次第に利用頻度が上がっていきました。使い始めてから1年過ぎたころには利用限度額が上限に近づき、毎月の最低返済額も生活を圧迫するほどにまでになっていました。
 『どうしようと悩んでいたときに、別のクレジット・カード会社がバランス・トランスファーを提供している新聞広告を見つけました。バランス・トランスファーの手数料が高いのが気になったのですが、1年間の利息が帳消しになるのであればと思い、すぐにオンラインで申し込みました。2週間後には新しいカードが手元に届き、最初のカードの負債の全額が新しいカードに移っていました。ほっとしたのと同時に、こんなに簡単なことなのかと拍子抜けしました』。


 クレジット・カード会社にとって、バランス・トランスファーは新規顧客をひきつける「商品」であると同時に、安定した手数料収入を得ることができる「ビジネス」であることを忘れてはならない。また、移動できる負債額の上限は顧客の収入等の条件によって差があるが、移動させる負債額が大きいほど手数料額も大きくなる。
 そのような誘導にのって負債を増やしてしまったカード利用者が一番の責任を負うべきというのはもっともな意見だ。しかし、気がつきづらい落とし穴がある。それは、負債額にかかる利息の利率だ。カード会社によっては、年率(APR、annual percentage of rate)をひと月にかかる月ごとの利率、つまり見かけ上の利率が低いように見える数字しか明細書に記載しないことがある。毎月の利率で見ればわずかだが、年率にしたときにどれほどの利息が生じるかということに気づかないのは英国人利用者も同じだ。


体験談2
 『B社のカードにA社の負債を移せたときは、本当にほっとしました。利息が加算されないうちに負債を返せると思ったからです。ところが、仕事がフルタイムからパートタイムになってしまって収入が3割も減ってしまいました。まず、家賃を減らすために引越をしました。そしてかなり出費を見直したのですが、食費や光熱費をまかなうために何度もA社のカードを使わなければなりませんでした。気がつくと、A社とB社のカードの毎月の返済額の合計がA社だけだったころの返済額よりも大きくなっていました。その上、毎月なんとかやりくりして最低返済額だけは払い続けていたにもかかわらず、負債総額が減らない、それよりも逆に増えているような気がしてきたのです。
 『そこで、明細書をじっくり読んでみたところ、ある月のA社のカードの利息額が最低返済額よりも高くなっていたことに気づきました。最低返済額が毎月の利息より低くなるなんてこと、考えたこともありませんでした。吃驚しました。パニックになってしまって、もうひとつクレジット・カードを作って負債を移して、この状況からなんとか抜け出さなければと必死でした。これを最後にと自分に言い聞かせ、すぐにC社のカードに申し込みました。これも発行され、全額ではないですがA社のカードから負債をバランス・トランスファーで移せました』。


 その2へ。

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