LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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名前は「どこ」にある?

2011.04.24
最近、すっかり日曜ブロガーになってしまっているのは、自分で蒔いた種が、とんでもないことになってしまっているからです。刈り入れられるかどうか、現在のところ、不明です。

 東日本大震災は、間接的に、僕の生活にも影響を及ぼしました。紙不足や運搬の課題で、コラム掲載の日程が変更になったことです。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1362.html

 コラムの中で言及している「Deed Poll」という制度のことは、イギリスに住んで10年にもかかわらず、まったく知らないことでした。記事を書くに当たってイギリス人の友人たちに訊いて回ったところ、大体の反応は「えっ?日本にはないの?」、というもの。それだけイギリスではいたって普通のことのようです。情報収集で参考にしたサイトです。

http://www.ukdps.co.uk/

 このポストのタイトルは、ふと「名前って、どこにあるんだろう?」と思ったからです。考えるときりがないです。もう名前を思い出せないですが、かつて「古い骨」という推理小説で知られたアメリカ人作家のデビュウ作で、アメリカ先住民のある部族では、本当の名前を他者に知られてはならないという規律があったと読んだような記憶があります。
 僕は、ブログに名前らしきものを出しています。例えば、街中で突然、「ブログをかかれている守屋さんですよね?」と尋ねられても、「違います」と言い切れるし、自分が自分の名前を知っていれば問題ないし。
 そのようなことを考えると、名前ってどこにあるんだろう、と。紙や戸籍に書かれた名前のほかに、自分の名前はどこに存在するのか。「名前」を作り出したことは人類の功績であると同時に、あらゆる意味において逃れられないものでもあるのかな、なんて思います。

 今回、Deed Pollという精度を知ったおかげで、長年気になっていたことがなんとなく腑に落ちました。かつて、「JAPAN」というイギリス出身のバンドがいました。彼らの「ブリキの太鼓」、およびそれに収録されている「Visions of China」は傑作です。
 話をバンドに。バンドのフロント・マンはデイヴィッド・シルヴィアンという名前。彼の弟でバンドでドラムを叩いていたのは、スティーヴ・ジャンセン。ミュージック・ライフかロッキング・オンのどちらかだったはずですが、あるとき日本人ライタァがシルヴィアンのパスポートを見る機会があり、てっきりステイジ・ネイムだと思っていた「シルヴィアン」という名がしっかりパスポートに記載されていたそうです。30年以上もずっと忘れずにいたこのエピソードの答えを、見つけたよう思いました。

 もうひとつ、「名前」の存在が興味深いのはファッション業界。先日、人種差別発言でディオールを解雇されたジョン・ガリアーノは、彼自身の名前を冠する「ジョン・ガリアーノ」からも解雇されました。ジョン・ガリアーノがいない「ジョン・ガリアーノ」の存在意義ってなんだろうと思いますが、ファッション業界ではこの手の話はかなりあります。数年前に身を引いたジル・サンダーは、今も存続する「ジル・サンダー」にはまったくかかわっていないはず。ケイト・ミドルトン嬢のウェディング・ドレスはここに発注したのではないかと推測されている「アレクサンダー・マックイーン」の創始者のマックイーンは既にこの世にはいない。マックイーンでない、彼の元で働いていたけど彼の家族ではない女性が彼の名前で服を作り続ける。

 もって産まれたものではないのに、名前と自分の関係、そして自分のあり方について考える面白いトピックになりました。

[追記:4月25日]
 友人によると、アメリカでも名前を変えることはできるそう。インド系アメリカ人作家、ジュンパ・ラヒリの「その名にちなんで」を勧められた。確か、新潮社クレスト・ブック・シリーズに入っているはず。

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Comment

- voyager2art

おはようございます。
名前というのは考えてみると面白いですよね。この記事を読んで、養老孟司氏が著書の中で、「仕事で会う人はみんな名刺を持ってくるけど、担当者が変わると新しい人が別の名刺を持ってくる。それでも仕事は成り立つんだから、どうせなら名刺の中央には肩書きだけを大きく書いて、担当者名は隅の方にでも小さく書いておけばいいのに」というようなことを書いていたのも思い出しました。
あとは、タイでは例えば本名が「ルワン・プラディットマヌータム」のような名前でも、日常では「レック」というような、本名と何の関係もないニックネームしか使わなかったりと、文化によっても捉え方に差があると思います。追求していくと論文が何本も書けそうな話題ですね。
2011.04.25 Mon 10:05 URL [ Edit ]

- 守屋

voyager2art さん

 おはようございます。

 引用されている部分、とても頷けます。ある一人だけしかできない仕事なんて、ほとんどあるわけないですから。「あの人が辞めたら、この仕事が立ち行かなくなる」といいつつも、そんなこと起こらないのが普通だと思います。

 本文を急いで書いたので書き忘れたことのひとつが、かつて日本人が海外の会社で働き始めた時代に、外国人が発音しづらいからと「ジョン」とか「トム」と名乗っていたという逸話。今となっては本当にあったことなのか判りませんが、仮に別の名前で呼ばれた皆さんは、どのような想いでいたのかは知りたいです。
2011.04.25 Mon 10:37 URL [ Edit ]

- Miklos

こんにちは。うちの会社では、私より上の世代で海外駐在経験のある人は、帰国後でもたいてい名刺にJohnとかTimとかKevinとかMikeとかの「英語名」を書いてますね。中には、Yから始まる名前なのにSpikeだとか、由来のさっぱり分からんケースも。皆さん英語名で呼ばれるのはまんざらでもない様子。かつてはステイタスでもあったんでしょう。私は「それってグローバルじゃなくてただのアメリカンでは」と思っているので、かたくなに本名で通しています。
2011.04.25 Mon 11:15 URL [ Edit ]

- 守屋

Miklos さん

 こんにちは。

 本当にあった、というか今でもある話なんですね。

>それってグローバルじゃなくてただのアメリカンでは
 僕もそう思います。名前を認識できるのはコミュニケイションをはかるにとっては大切なことですが、「おもねる」という印象を僕はぬぐえないです。

 先にvoyager2artさんが書かれているように、文化によってかなり違うのではないかと思います。以前、エジプト人の知人に「中東では、結婚・離婚で名前はどうなるのか?」を尋ねたとき、西洋社会とはまったく違ったシステムだといっていました。
2011.04.25 Mon 11:31 URL [ Edit ]

- voyager2art

ふと思い出しましたが、その「英語名」とやらは今でも中国で健在です。数年前にバックパックを担いで中国を旅したときに、英語を話せる中国人が「英語名」を名乗っていました。そのときは何じゃそりゃと思ったのですが、日本でも同じことをやっていたんですね。
今になって考えると、海外=特別なものという意識のある社会では、憧れや誇りをもって英語名を名乗るのも理解できるように思います。
2011.04.25 Mon 19:26 URL [ Edit ]

- Miklos

余談です。大学や会社でこれまで数多くの中国人留学生、研修生と日本で知り合いましたが、英語名を名乗っていた人は一人しか覚えてないです。ただしその人は香港出身でほとんどNative Englishのような人でした。文化や思想に相当違いはあれど、やはり中国人も日本にはアメリカ、ヨーロッパほどの「異国感」は持ってないのだろうなと思いました。
2011.04.25 Mon 23:57 URL [ Edit ]

通称 - レイネ

日本名だと発音しにくいもしくは憶えにくいので不利・不便という理由から、現地語もしくは英語の源氏名というか通称を使用した例は身近に知ってます。
まず、私自身、最初にオランダに留学したとき、大学の国際交流担当の人から「通称」は?と聞かれ、日本ではニックネーム「すーちゃん」(キャンディーズのあの方と同じ)ですが、と答えたら「それではスーね」と決められ書類に書かれそうになりました。オランダ人名は正式名が長かったりたくさんあったりする(主人の正式名は5つのラテン語名)ので、通称を書く欄が書類にはたいていあるのです。通称といっても自分で勝手に決めるのではなく、親が決めた割と正式な呼び名なのです。
そして、その後知り合った日本人駐在員の方で英語っぽい通称を使っている方もいました。ビジネス上の必要に迫られて。
また、香港出身の友人は例外なく英語名を通称にしてます。それがわたしにはなんだか植民地的発想に思えて、あえて英語っぽい通称は使うまいと決めましたが。オランダ人にどうしてそうしないの、と聞かれ、彼らにはわたしのその感覚はわかりにくいのだろうな、とも思いました。
今は、ブログなどでこだわりのあるハンドル名を使う人が多く、命名という感覚も大分変ったと思います。いずれにせよ、親からもらった名前ではなく、自分で選んだ名前なので自分の理想のアイデンティティがこめられるように思います。
2011.04.27 Wed 20:56 URL [ Edit ]

- 守屋

voyager2art さん

 こんばんわ。すっかり返信が遅くなってしまいすみません。

>日本でも同じことをやっていたんですね。
 ほんの少しだけ、世代の違いを感じました。冗談はさておき、海外への憧れというのは、「盲信」にならなければ健全な動機だと思います。新しいことへ挑戦し始めるときには、いろいろな試行錯誤があるということなのかもしれないですね。
2011.05.01 Sun 19:13 URL [ Edit ]

- 守屋

Miklos さん

 こんばんわ。香港の場合、僕には確証はありませんが、英語圏、とりわけイギリスとの関わりが深いということで小さい頃からアイデンティティの一部として英語表記の名前を持っている、なんてことがあるのかなと。
2011.05.01 Sun 19:16 URL [ Edit ]

- 守屋

レイネ さん

 こんばんわ。そちらも好天が続いているのでしょうか?

 他国での例を教えてくださってありがとうございます。名前というのは、それぞれの国の文化、そして歴史に深く根ざしていることを実感しました。

 愛国的というわけでは決してないのですが、僕は外国人に対しては正しい発音を半ば強要します。僕だって発音しづらい君たちの名前をなんとか正しく発音しようと努力しているのだから、同じ苦労をしろ、ということで。

 ブログを立ち上げてしばらくはハンドル名を使っていましたが、そんなに気を遣うことかと思ってやめました。これは、あくまで僕の性格によるものです。
2011.05.01 Sun 19:22 URL [ Edit ]

はじめまして - printemps

さつきちゃんとメイちゃんがフランス人に見えるというのに驚きました。
私の娘はイギリスに行くたびに国籍と年齢を聞かれて困っていましたが、すこしわかったような気がします。
娘の親友はさつきちゃんより、アリエッティにそっくりですが、普通に日本人に見えていますけど・・。
小児科医の主人が最近は目の大きい子供が増えていると言ってましたが、もともと結構いろんな顔があるのが、日本人だと思いますが・・

だいたい宮崎駿さん本人がアニメの中に時々いますよね?
ヨーロッパの人は日本人のイメージを浮世絵の顔とかをイメージしすぎておられるのではないかしらと思います。
突然コメントしてしまってごめんなさい。とても楽しく読ませていただいております。





2011.08.10 Wed 10:09 URL [ Edit ]

- 守屋

printemps さん

 はじめまして。コメント、ありがとうございます。

  僕も友人が「フランス人に見えることだってありえるだろう」といったとき、虚を突かれた感じでした。一方で、例えば、ディズニィの「白雪姫」がアメリカ人に見えてしまうかもという可能性。事象がどのように認識されるかは、おかれている環境、育ってきた環境にかなり影響を受けるのだと思いました。
 実際、ロンドンで暮らしていると、たまにイギリス人の友人たちに訊かれます:「どうやって、日本人とほかのオリエンタル系の人たちを外見で見分けられるの?」。
 ポケモンのキャラクターを日本人とは僕も見られませんが、仰られているように浮世絵の影響はあるのかもしれないです。以前、クリニカル・サイコロジストの女性が、「結局自分が今見ていると思っているのは、脳が目から入ってくる情報を再構築しているに過ぎない」。

>宮崎駿さん本人がアニメの中に時々いますよね?
 そうなんですか?全く知りませんでした。ヒッチコックみたいですね。
2011.08.11 Thu 05:45 URL [ Edit ]

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