LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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学習障害者のケア・ホームで入居者へ恒常的な暴行が

2011.06.01
BBCが同局の「パノラマ」という番組ですっぱ抜いた、イングランド西部、ブリストルのあるプライヴェイト・ケア・ホーム(プライヴェイトといっても政府が全額援助しているらしい)で隠し撮りした、職員によるホーム入居者への暴行。各メディアの社会面のトップ。インディペンデント紙は「犯罪」とくくっている。犯罪以外のなにものでもない。それもきわめて陰湿で酷薄な。

Government condemns 'shocking' Winterbourne View abuse
http://www.bbc.co.uk/news/uk-13617196
*BBCのiPlayerで実際の番組を見られるようです。

Panorama care home abuse investigation prompts government review
http://www.guardian.co.uk/politics/2011/jun/01/panorama-care-home-abuse-investigation-government-review

BBC Panorama care home investigation: four arrested
http://www.telegraph.co.uk/health/8549228/BBC-Panorama-care-home-investigation-four-arrested.html

http://www.independent.co.uk/news/uk/crime/hospital-abuse-prompts-review-2291712.html

 お互い多忙を極めていてずっと会っていなかったW夫人と今朝、久しぶりにお茶したとき、この番組を見てしまった彼女曰く、「Horrible, horrible, horrible」。テレビを持っていなくて良かったとつくづく思った。

 とても複雑な気分。素人なりにプライマリィ・ケアにおけるメンタル・ヘルスの質がどう変わってきているか、なんてごくごく簡素なレポートを書いたばかりだったので、学習障害のために自力では生きていけない人たちが閉じ込められた空間で、際限なく暴行を受けていたという事実に暗澹たる気分。

 BBCのペイジに書かれているように、不快に感じる映像があるそうですから、ご覧になる方はそれなりに覚悟したほうがいいかと。

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Comment

- ハマちゃん

(以下、暴行を働いた職員に対するシンパシーというわけではないです)

今ウチの双子が魔の二歳で、
やれと言った事をやらない、
ダメと言った事は絶対やる、という
タイヘンな時期ですが

時々思うんです。
「もし、これが知的障害児で、この状態が一生続いたら…」と。
力はどんどん強くなっていくのに、頭は成長しない状態だったら…

このケア・ホームで起きたような問題は、日本の老人ホームや知的障害者施設でも起きていますが、

暴行を働いた当人に「反省しろ!」というだけでは解決しないように感じます。
「ケア職員に対するケア」の部分からしっかりやっていく必要があるんじゃないのかな…。
2011.06.01 Wed 19:17 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん

 日本、イギリスにかかわらずこのような事件が起こるたびに思うことは、例えば今回暴行の対象になってしまった人たちは、自らの意思で「学習障害」になってしまったのではないということ。これって、自明のようでいて案外考えられていないことだ感じます。

>「ケア職員に対するケア」の部分からしっかりやっていく必要がある
 これはまったくその通りだと思います。
2011.06.01 Wed 21:06 URL [ Edit ]

- かんとく

BBCのニュースで垣間見ただけですが、それでも見ていられませんでした。気分が悪くなります。昔の戸塚ヨットスクールより酷ったですね。
ケア職員のケアが必要というのはもっともですが、それ以前の問題のような気がしました。
2011.06.02 Thu 05:56 URL [ Edit ]

- ハマちゃん

昨日、iPlayerで件の番組見てみました。
(長いので全部じゃなく7割くらい)

確かに、かんとくさんが仰っているように
ケア職員のケア以前の問題、というのはあるのかもしれません。
正直、「何でこんな、見るからにヤバそうなヒトをケア職員として雇うのか」と思いました。

率先して暴行を働いていた男は、首から顎にかけてビッチリ入れ墨が入っていて、頭も刈り上げていて、いかにもヤバそう、なんですよ。

そういうこと言うと、今度は「入れ墨を入れてる人に対する偏見、差別だ」とかいう話になりかねませんが…

自分の子育てを例に挙げた件、補足ですが、
自分の血を分けた子ですらも、力がついて来てなおかつ知能はまだ発達してないような状態(魔の二歳児)だと、本気で力づくで進めないとならない場面は出てきます。
本気で顔を引っ叩いてでも。
そうしないとどちらかが怪我をしかねない、という場面はあります。

ケアホームでも、だからこそ職員のトレーニングで護身術(というか格闘技のワザの一種?)を教えるわけで、暴行を働いたケア職員の女性が言っていた「やられる前にやらないと」みたいな話は、一理あります。
あのビデオは一部を捉えただけのもので、それを根拠に13人処分しました、で終わり、であってはならないと思います。
なぜそうなって行ったのか。
腐ったミカンを取り除くだけではそこの部分は置き去りになってしまう。

とにかくメンタル的にも、常人に勤まる仕事じゃないです。

身も蓋もない本音を言ってしまえば、
血を分けた親がギブアップした子たちなんだから、他人が親と同等の愛情をかけてくれるなんて思う方が、本来おかしいのだと思う。

施設に預けるということは、それくらいの不信感を持つくらいであっても良いのかもしれない…と思いました。
私も、保育園などで児ポ系の虐待が英国でもありましたので、他人を100%信頼するってことは出来ないです。

最終的には利用者がアンテナをしっかり張って、小さな異常も察知するくらいの気持ちでいないとならないのが、現状なのかもしれないです。
何かを盲目的に信用するのは、絶対ダメなんだ、と。
2011.06.03 Fri 08:28 URL [ Edit ]

- 守屋

かんとくさん、ハマちゃんさん

 コメント、ありがとうございます。返信が遅くなったのは、ひとえにストレスから開放された反動です。

 かんとくさんが指摘されている、「ケアする職員のケア」以前の問題という点については、今回のような犯罪が起きたとき、どれか一つの問題がプライオリティということではなく、すべてがプライオリティということではないかと思います。一つの問題にかかりっきになっている間に、別の問題が静かに広がり始める。そんな状況に、柔軟に対応できることが理想なんだと思いますが、その理想を現実にするのは難しいでしょう。

>入れ墨を入れてる人に対する偏見、差別だ
 「偏見だ」といわれれば偏見ですと開き直ったほうがいいのではないかと思います。先日、ロンドン中心部のある地下鉄の駅のプラットフォームにいた職員。緑に染め上げたモヒカンに、だらしなく着た制服。マイクを通してなにかを喋っているのでしょうけど、全く伝える意思を感じなやる気のない声。尋ねたかったです。「面接のときにもそのモヒカンだったんですか?」って。
  
 今回の事件で僕が最も知りたいのは、職員の身元調査は誰がしたのか、という点です。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1080.html

 上のリンクで紹介した、精神医療にかかわる人はヴォランティアといえども犯罪歴を調べられるべきはずなのに、その調査をきちんとやったのかどうか。

>やられる前にやらないと
 この点については、僕は意見を異にします。「やられる前にやらないと」という意識を持っているのであれば、またそのような感情を持ち始めたら、その時点で他者をケアする仕事からは離れたほうがいいと思います。聖人のように何もかも捨てて尽くすということでは有りません。
 僕が思うのは、思うだけで実行に移すことはとても難しいことですが、どこで「線」を引くか、ということ。「やるかやられるか」という意識はすでに「公私」の区別がつかない状況ではないかと考えます。
 「公私」の区別がつかない精神状況で他者をケアしようとするのはとても危険なことです。この点において、ハマちゃんさんが指摘された「ケア職員に対するケア」の体制をマネジメントがしっかり維持できているかどうかということは、イギリスに限らず世界のどこでも大切な課題ではないかと思います。
2011.06.05 Sun 14:06 URL [ Edit ]

- ハマちゃん

「やられる前にやらないと」の話は

暴行を働いていたランクにある職員
(資格も職歴もなくても採用されるらしい、サポート業務にあたる)であれば

陥りやすい感覚なのでは、と思いました。

「3Kみたいな職しか得られない自分」という意識が、もしごく一部の職員であっても、そういう意識があるとすれば、簡単にそういう思考に入って行くと思うんです。
一度でも職務の中で危ない目に遭ったら、そこから先は刑務所のプリズン・ガードと似たメンタリティになっていくのではないか、と。

頭が二歳児で、身体が成人って、
本人は遊んでるツモリであっても、非常に危険な場面が多くなってしまう、どちらも多少の怪我は絶えないような日常なのではと想像します。

資格を持ったナースと違って、サポートのケア職員は待遇もそんなに良くはないのでは、と想像すると、尚更プリズン・ガード的思考になっていきやすいのでは、と。

そういう職業に、長期間の間に思考がブレていかない人材を採用し続けて行く事、
継続的なトレーニングで思考を常に基本の位置に戻すようなエクササイズ(?)を続けて行く事…

大変な事なんだろうとは思います。
正直、自分がそういう職業に付いて、どこかでキレないかどうか、全く自信がありません。

そういう人材が、そんなに沢山いるものなのか。
いないから、ヘンな人を採用せざるを得ないんじゃないのか。
どこで悪循環を断てるんだろう?
そんな風に思いました…
2011.06.05 Sun 14:51 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん

 書かれていること、まさに現実だと僕も思います。奇麗事とは承知しつつ、サポート職員がいなければケアの現場は回らない、ということを組織の上にいる人たちがどれほど理解し、且つその理解をどのように現場で示すことができるのか。

 奇遇なことに、最新のポストで、70年代にアメリカで実施された「監獄実験」について触れました。これは社会心理学の基礎でほぼ必ず出てくる話です。
2011.06.05 Sun 16:05 URL [ Edit ]

- ハマちゃん

監獄実験の話、近年フランスでも行われた電気ショックの拷問ロールプレイ実験を思い出しました。
閉じられた空間での集団心理は、本来はマトモな思考だった人間をも軌道から外れさせてしまうものがある、だから組織作りや、職員のケア、が大事なんですね…

一応、前述の「やられる前に」の発言の女性に対してフェアを期して訂正しますと、
正確には「誰かが怪我をする前に」という言い方でした。

やってることは結局「やられる前にやる」なんですが、彼女がそう考えるようになったのは、「学習障害者本人」や近くにいる他の入所者、そしてケア職員、皆の危険を回避するためというところからスタートして、それが極端にエスカレートしたのではいのか、と思いました。

この施設を運営しているのが民間企業である以上、利益>倫理になりがちな体質が元々あるのだろうと思います。
日本でもコムスンの介護サービスが問題となったように。

今回内部告発をした方は、最初は会社相手に問題提起をしているにもかかわらず、会社側はそれを無視していますよね。
それが全てを物語っていると思います。

大して良くない勤務条件でも、過酷な勤務を引き受けてくれる人材(暴行を率先してやっていたような人たち)
を確保するには、多少の暴行には目を瞑った方が双方にとって便利だから、

入居者はどうせ第三者に分かる形で訴えるなんてこと出来ないのだから、表に出なけりゃそれで良い、という感覚があったのでは。

守屋さんがコメに書いて下さった
「組織の上にいる人たちがどれほど理解し」のところ、
私は組織の上の人たちは、うすうす分かっていていて敢えて放置していたとしか思えないんです。
それが、「13人処分しました」なんてのうのうと言って逃げられるようなことは許したらダメです。
上の人たちの責任を徹底追及し、どういう基準で採用してるのか、トレーニングは、職員に対する監視は、ケアは、待遇は?そういうもの全部見直さないと。
2011.06.06 Mon 08:07 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん

 先に正直に書いておくと、自分のコメントが如何に奇麗事に終始していることか。カウンセリングの現場で実地研修を始める前は、「これだけ勉強してきたんだから、どんな難しい相談でも問題なし」なんて思っていました。が、実際に始めてみると、カウンセリングの場から逃げ出したくなったこと(もちろん、逃げませんよ)も。僕は、スーパーヴァイザァに恵まれたので、本当に幸運でした。

 先週の日曜日、サンディ・テレグラフが老人ホームの問題を掲載していました。大手の老人ホーム経営会社の親会社は、シティの投資銀行。彼らにとっては、老人を介護することではなく、ビジネスを転売することによる利益だけが目的。経済危機が続く中、そんな親会社は、損をこうむる前に介護ビジネスをどこかに高く売りつけることばかりに執着しているそうです。
 そんなシステムがまかり通る社会では、介護というのは夢のまた夢と感じてしまいます。
2011.06.06 Mon 19:59 URL [ Edit ]

- ハマちゃん

守屋さんでも、やはり逃げたいと一瞬でも思ってしまう程、現場は過酷ということですよね。
それでも持ちこたえてやり通している守屋さん、さすがプロです。

老人ホーム経営の親会社はシティの投資銀行、というのは… なんだかゲンナリしてくる話ですね。
なんでもビジネスなんだ…

個人的な事情で引きこもりやニートの支援に関していろいろ見ている中でも、今や
「ニートやひきこもりは金になるビジネス」になりつつあるんだという話を読み、ゲンナリしています。

ニート・ビジネス、ニート市場…
介護ビジネス、介護市場…
って、金儲けがまず先に来てしまうという現実に。
それに気付く事が出来ずに、そこにすがってしまう利用者を思うと、哀しくなる。
2011.06.08 Wed 10:57 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん

 今週になって、老人ケア・ホーム運営の大手、サザン・クロスという会社の経営破たんが大きく取り上げられています。まず、購入した土地・建物を別の会社に売って、その建物を借りてケア・ホームを運営している、という形態が多いらしいです。で、現在の問題の一つは、資金繰りに窮して家賃が払えず、立ち退きを迫られている、という状況との報道です。利用者の存在、そして尊厳はどこにあるのだか。
2011.06.09 Thu 20:54 URL [ Edit ]

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