LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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となりのトトロ、容疑者Xの献身、女王蜂

2011.07.31
本来なら、カテゴリィ別に分けるべきなのだが、24時間の間に全く違う形態ながら日本文化に浸かったので。

 30日、バービカンで「となりのトトロ」を鑑賞。9日に観た「ナウシカ」(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1420.html)と比べると、こちらは全体を通して説明的な台詞はなかったように思う。今回久しぶりに映画館で観た「トトロ」からもっとも強く印象に残ったのは台詞が入らない田圃、夜空、森だけの場面のなんと多いこと。ピクサーやディズニィのアニメイションを多く観ているわけではないので比較としてはあやふやかもしれないけど、外国のアニメイションでこれほど静かな「間」が挿入されるとは思えない。日本独特の「間」が生み出す意味を考えた。さらに、描かれる田園風景を見ていたら、高野文子の「美しき町(「棒がいっぽん」に収録)」を読んだときに感じた懐かしさが湧き上がってきた。
 このブログで何度も登場してもらっているスコットランド人の友人、Cには二人のお嬢さんが居る。Cは数年前に体調を崩し数ヶ月の間、入退院を繰り返した。そんなバックグランドがあるので日本のことも、ジブリのアニメのことも何も知らないイギリス人よりも楽しめるのではないかと思って誘った。全員楽しんだようで、帰り際に「アリエッティ」をブッキングしていた。

Arrietty – review
http://www.guardian.co.uk/film/2011/jul/31/arrietty-the-borrowers-animation-review

Trail of the unexpected: Cartoon Japan
http://www.independent.co.uk/travel/asia/trail-of-the-unexpected-cartoon-japan-2328508.html

 でも、思わぬ指摘はCの夫、Dからだった。「おばあさん以外の登場人物、全く日本人に見えなかった。君たち日本人には、登場人物は日本人にみえるのかい?Both Satsuki and May could be seen as a French」。
 そんなこと考えたこともなかったので、苦し紛れに「高度成長期以降、西洋に追いつけ追い越せというのが日本国内の気分だったろうから、ないものねだりの気分があったのかもしれない」と。
 Dは納得していなかったので、切り口を変えてこう質問してみた。「例えば、君が仕事で日本や中国に行くとする。現地の人との親和を図るために、君の名前と全く関連のない日本風の名前や中国風の名前で呼ぶように依頼するかい?」。
 その場の雰囲気を言葉で再現することはとても難しいけど、「外国に行って、その国にあった名前をあえて使う」という発想はできないようだった。こういう、言葉になりにくい意識の差って、本当に興味深い。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1368.html

 
 Cたちが家まで送ってくれるというので、何の根拠もないままドーント・ブックスに行きたいとふと思い、マリルボーン・ハイ・ストリートまでのせてもらった。ドーント・ブックスに入ってすぐの柱は新刊紹介コーナー。真っ先に目に入ったのは、幸薄そうなオリンエタル系の女性の顔。「また、何も知らないアメリカ人が、妄想を膨らませてでっち上げた芸者の話かな」と思って通り過ぎようかと思ったのだけど、何かがひっかかった。表紙をまじまじと見て読めたのは、「The devotion of suspect X」。「容疑者Xの献身」だった。

the-devotion-of-suspect-x.jpg
(ハードカヴァー)

the-devotion-of-suspect-x (1)
(ペイパーバック)

 「容疑者Xの献身」が日本で話題になったのは覚えていたけど読んだことはない。「英語に翻訳されるくらい完成度が高いのかな?」と思い手に取り、いつものように結末の10頁を読んでみた。ちなみに、誰に言っても非難されるが、推理小説は結末10頁が面白ければたいていの場合、全体も面白いというのが僕の持論。その点から見ると、京極夏彦の「絡新婦の理」は至福だった。なんと言っても結末から始まるのだから。結末がわかった上で、「この結末はどうやって導かれたのか、どうしてこの結末に至ったのか?」というプロセスををどきどきしながら読むのは推理小説の醍醐味だと思うのだが、誰からも賛同を得たことがない。で、「The Devotion of Suspect X」の結末10頁はとてもarrestingだったので、購入した。アメリカ英語のスペルがちょっと気に障るけど、とても面白い。イギリスでは発売になったばかりのよう。すでにファイナンシャル・タイムズの書評欄が取り上げている。

 偶然に過ぎないことを書くのは本意ではないけど。日本で「ナウシカ」が初めて上映されたのは3月11日(らしい)。「容疑者Xの献身」での重要な鍵となる日付は、3月11日。2011年3月11日に大地震がおきることは、誰一人として知りようもなかった。だから、偶然と偶然をこじつけるのはやめるべき。

 最後は音楽。ロッキング・オンのサイトで、「女王蜂」というバンドがメジャー・デビューするというニュースがあった。検索してみたところ、彼らの「待つ女」という曲の映像を見つけた。昭和の歌謡曲みたいな歌を轟音で歌い上げるというのが個人的につぼ。ヴィジュアルのコンセプトを長く続けるのは難しいのではと勝手に想像するけど、CDを購入してみようかなと。

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