LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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ジョン・マーティン展:APOCALYPSE

2011.11.08
John-Martins-Apocalypse-001.jpg
(今回の展覧会の中心となった3作。The Great Day of His Wrath, 1851-3、画像はすべてガーディアンから拝借)

John-Martins-Apocalypse-002.jpg
The Last Judgement, 1853

John-Martins-Apocalypse-007.jpg
The Plains of Heaven, 1851-3

9月21日から始まったイギリス人画家、ジョン・マーティン(John Martin, 1789-1854)の展覧会をテイト・ブリテンでみてきた。各新聞のレヴューは満点ではなかったけどかなり好意的だったし、全くその名を知らなかった画家なので楽しみだったけど、期待の半分は観はじめてすぐに崩れ去ってしまった。

 展覧会のタイトルになっている「APOCALYPSE」は、まさにマーティンの画業の特異点を、でも同時に弱点をさらけ出してしまっている。旧約聖書や新約の中の物語を題材に、人間が如何に弱い存在であるかという点はその巨大な絵から見ることができる。が、そのディザスターからは何も哲学を感じない。構図は単調だし、天の怒り、自然の怒りを大仰に描いても、そこからは自然災害を滅多に経験することのない国の人が描いたもの、というところで止ってしまっている。
 もう一つどうしてだろうと思ったのは、常に絵の前面に描かれている人物と、背景に広がる自然の筆致が同じ人が描いたものとは感じられない点。構図は単調ながら、自然の描写はとても雄大。が、人物の描写、特に1820年代のはあまりに書き込みすぎてまるで日本の青年コミックの登場人物のような濃い表情。

John-Martins-Apocalypse-004.jpg
The Eve of the Deluge, 1840、これはエリザベス女王のコレクションから貸し出されたもの。いくらなんでも太陽、新月、彗星を並べるって無理がありすぎると思うな)

 活躍した時代が約1世紀違うから比較することは無理かもしれない。けど、ホガース(18世紀)の作品が21世紀のイギリス社会を描くためにごく普通に使われるのに、マーティンの画業が取り上げられないのは彼の作品の多くが宗教に縛られて普遍性を持つことができなかったからではないかと考える。

 ポジティヴなことを描くと、イギリスのゴスが好きな人はけっこうはまるかも。ミルトンの「失楽園」を基にした版画や油絵のいくつかは、ゴスの匂いが画面から強烈に感じられた。さらに、無料のパンフレットに情報によると、マーティンがいくつもの作品に描いた「神の怒り」の描写は映画界に強い影響をもたらしたとのこと。でも、「ソドムとゴモラ」やポンペイの火山噴火を描いた作品からは、現在の資本主義社会の崩壊に警鐘を鳴らすほどの道徳観がない。

 ある意味、まさにイギリスの画家であるとは思う。でも、それ以上ではないかな。

John Martin: Apocalypse – review
http://www.guardian.co.uk/artanddesign/2011/sep/25/john-martin-apocalypse-tate-review

 閑話休題。昨日のイヴニング・スタンダード紙にホガースの家が改修を終えて公開されるとのニュース。

Hogarth 'country' retreat re-opens
http://www.thisislondon.co.uk/standard/article-24006868-hogarth-country-retreat-re-opens.do

 さらに、本日のイヴニング・スタンダード紙によると、明日、11月9日からナショナル・ギャラリィで始まる「レオナルド展」の前売り券はすでに12月半ばまでの分は完売らしい。レオナルド本人が描いたとされる絵画の半数以上が集まるとあってレヴューによっては、「Once in a lifetime exhibition」なんていっている。迷っている方は、早めに行動に出ることが肝要でしょう。

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Comment

- YOSHIO

守屋様、先日はコメント欄でご教示有難うございました。

その中のレオナルド展ですが、今チケットを見たら年内は完売でした。1月中旬以降になるようです。

今回は残念ですが遅れてしまいました。ご案内いただいたのに申し訳ない気持ちの一方、まれにみる水準で非常な人気展であることを再認識いたしました。

今後ともブログ楽しみにしております。
2011.11.10 Thu 14:17 URL [ Edit ]

- 守屋

YOSHIO さん

 出先でコメントを読んですぐにナショナル・ギャラリィのサイトを見たら、なんと、全ての前売り券が売り切れていました。驚きました。前のコメントを書いたときには、まさか売り切れることなんてないだろうと高をくくっていたのでこちらこそ申し訳ないです。

 でも、ナショナル・ギャラリィの通常展示は素晴らしいので、お時間があればぜひ訪れてみてください。。美術館でランチをということであれば、隣のポートレイト・ギャラリィがお勧めです。
2011.11.10 Thu 19:00 URL [ Edit ]

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