LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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社会はHIVを忘れてしまったのだろうか

2011.12.04
気のせいかもしれないけど、先週12月1日に、ワールド・エイズ・ディに関連したポスト、http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1516.html、ノアとアクセス数が徐々に減っている気がする。話題がHIVだから?日英のメディアの取り上げ方も、まるで関心を失ってしまったかのような印象が強まる。

 でも、社会がHIVへの関心を失ってしまうのは、HIVによって奪われた多くの命と、医療関係者や政治家の努力を無に帰すことにもなりかねないので、印象に残った記事を、インディペンデント紙から紹介しておく。

Hillary Clinton: We must not waste this historic opportunity
http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/hillary-clinton-we-must-not-waste-this-historic-opportunity-6270239.html

 現在アメリカで進んでいる共和党の大統領候補選びの報道を読んでいると、前回の大統領選でオバマ氏が選ばれたことは良かったと思うけど、クリントン女史の行動を追っていると、特にこの記事を読むと、「もし」であることは判っていても、「ヒラリィ・クリントンがアメリカの大統領だったら」と思わずにはいられない。

 イギリスのメディアの中では、インディペンデント紙が最も積極的にHIVの話題を取り上げていたように思う。残念なことだけど、実質購読者数が激減しているらしいインディペンデント紙のこの記事をどれだけの人が読んだのか。

 女史が書いていることは、アメリカの視点であることは事実。他方、30年前に初めてHIV/AIDSが世に知られてからこれまで世界が取り組んできた努力がどこまで来ているかを知ることができる。

AIDS: End in sight but funding cuts will cost lives
http://www.independent.co.uk/hei-fi/news/aids-end-in-sight-but-funding-cuts-will-cost-lives-6270301.html

 HIV感染者支援をしてきた団体や、研究者が恐れるのは現在の世界経済の危機で研究費や啓蒙活動のための予算が削られること。予算が削られて、かすかに見えてきたHIV感染がなくなるというゴールが再び遠ざかることになりかねない。次の記事は、統計。

World Aids Day: Thirty-four million reasons to act
http://www.independent.co.uk/life-style/health-and-families/features/world-aids-day-thirtyfour-million-reasons-to-act-6270105.html

 最近のアサヒ・コムは、何かというと「アサヒ・デジタルではこの記事をさらに読めます」とのメッセイジばかりでうんざりだが、「患者を生きる」という医療コラムは今で読めるのでとても有益。最新のシリーズは、「HIV感染」。

感染症 HIV:3 「逃げるな」妻に諭される
http://www.asahi.com/health/ikiru/TKY201112020259.html

20代のころ、HIV感染にともなう肺炎を発症した30代男性は、約1カ月の入院を終えて自宅に戻った。退院の数日後から、抗HIV薬による治療が始まり、数種類の薬を組みあわせて飲んだ。免疫力は徐々に回復し、仕事にも復帰した。通院の回数も減っていった。

 妻は、家事も育児も、これまで通りの生活を続けていた。

 男性は、家族にうつらないように、神経をとぎすまして過ごした。HIVは、日常生活ではうつらない。頭ではわかっていても、生活の動作一つ一つに気を使った。

 入浴の前は、体に小さな傷がないか、毎日全身をくまなく調べた。体を洗うタオルを家族と共有するか、湯船に入っても大丈夫か迷った。歯ブラシの置き場所にも困った。歯磨き粉のチューブの口が歯ブラシに付かないよう、神経を使った。

 幼い我が子と遊ぶときも、爪でひっかかれないように注意した。自分専用のばんそうこうを買い置きした。

 「一人なら、ちょっとケガをしても普通に暮らせるのに」。だんだん余裕がなくなり、精神的に追い込まれていった。

 薬を飲み始めて1年が過ぎたころ、ささいなことで夫婦けんかをした。つい「もう別れよう」と口からこぼれた。

 妻は「逃げるな」と怒った。男性が家族からも病気からも、逃げようとしているように見えた。「つらい思いをしてるのは、あなただけじゃないのよ」

 妻も試行錯誤の毎日だった。事情を知らない親や、ママ友からはよく、「次の子どもは?」と聞かれた。生命保険会社の勧誘を断る時、何と言えばいいのか言葉に詰まった。家事の合間に、考えていた。

 男性は、何日か考えて、はっとした。自分だけつらいと思っていた。家族を見失っていた。「何やってんだ、おれ」

 それから、少し変わった。

 病気のことを、考えすぎるのはやめた。「大けがをしたときなんかに、きちんと処置すればいいのかなと思う」

 治療は、妻と二人三脚で続けている。食品関係の会社から転職して、いっそう仕事に精を出している。

 「薬もった?」。夜勤の日の朝は、いつも妻の声が飛ぶ。



 コラムのタイトルから想像するに、また匿名とはいえ一般の人のことだからどのような感染の経路だったのかは記されていない。しかし、日本の実際の医療の場でどのようにHIV治療が行われているかの一環を知ることができるのは素晴らしい。

[追記:12月6日]
友人から、今週金曜日、9日に立教大学であるこんなイヴェントを教えてくれた。

公開講演会「HIV/AIDSから世界を知ろう-Stop AIDS! 12月はAIDS予防月間。-」
http://www.rikkyo.ac.jp/events/2011/12/9982/

AIDSの問題は現在の日本では話題に登ることが少なくなっているが、世界に目を転じてみるといまだ変わらずにその被害は増え続け、その問題は深刻化している。海外留学や海外ボランティアに参加する学生が増えている現状も踏まえ、AIDSの基本的予防の重要さを再び考える予防教育として、またAIDSの問題を考える際に欠くことのできない貧困の問題、そしてAIDSを発症し、死に至る子どもたちの命と人権の問題など、幅広く考えを深めたい。

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