LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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嫌いな英語:win win situation 永久機関をつくれないのと同じ

2012.09.06
ぼやき漫才だと思ってください。

 過去数年、経済人はだけでなく、普通の日常生活の中でも多くの人が使い始め、使いすぎている印象を持つのが、win win situation という表現。大嫌いです。Dislikeなんてものではなく、 Hateです。

 と言うことを先日、アメリカ人の友人に、「win win situation なんてあり得ない。勝者がいれば、敗者がいるのが資本主義の根本なのだから、人がwin win situationと言い始めたら、僕はその話を信じるのはやめる」と言ったところ、友人曰く。

 「win win situationと言うのは、例えば取引の結果として双方が利益を受けることが確実な状況のことだから、間違ってはいない」。

 「もしかしたら投資銀行の巨額取引の中ではあり得るのかもしれないけど、その恩恵に預かれるのは立った一握りの人間だけ。そんな一握りの人間がwin win situationと浮かれている外にいるのは敗者だけ。目くらましにしかすぎない」。

 「なんだか、コミュニストみたいだね」。

 「違う、これはコミュニストであるとかではなくて、機会の均等性がこの社会から奪われている状況から目をそらさせているだけだと思うな。
 「例えを変えてみると。多くの科学者が永久機関を作り出すことを夢見ているけど、叶わないことは今の科学理論の中では自明のはず。確か、エントロピィがどうのこうのだったような。win win situationを言い出す心理はそれと同じだと思う。あり得ないけど、夢に踊りたい、夢で踊らせておいて現実を忘れさせる。まやかしにすぎないから、この表現は嫌いだ」。

 と言うことを話し終わってからしばらくして、世界中、どんな社会、どのような時代になっても被害が減らない「ねずみ講」、英語表現だと、pontiff schemeを考えました。覚えていらっしゃる方は今でも多いであろう著名な例だと、Bernard Madoff。メイドフが作り上げたwin win situationが虚構ではなかった、間違いではなかったと反駁できる人はいないと思います。

 最近とてもがっかりしたのがあります。けっこう面白いことを書くなといつも読んでいる新聞の人生相談の回答者が、成人した子供たちの反対を説き伏せて、年老いた母親との同居を決めた女性の不安の相談の返答の中で、同居の決断は「win win situation」になるだろうと書き記していたこと。
 励ます意味で使ったのだろうとは思うのですが、家族の暮らしの取り決めにwin win situationと言うことに強い違和感を僕は感じます。どこかに幸せな家族はいるのかもしれないですが、それなりの苦労だってあるはず。きれいごとでは済まされないのが家族という社会形態。そこにwin win situationを持ち込んでは、その時点でその社会はもはや終わっているなと思ってしまいます。お金同様、幸福は世界を巡っているように思うことがあります。いつもいつも幸福をつなぎ止めておくためにwin win situationが必要と思い込むのは、不自然に感じます。

 「win win situation」と言う表現、とても理論的な表現だと思われる方もいるのではないかと考えます。でも、僕はこれほど感情的で、発言者の心理的葛藤を隠そう隠そうとする足掻きを鮮明に感じる表現はないのではと感じます。

habit4_5dimensions.gif
(ネットで見つけた画像)

 で、そのアメリカ人の友人と話の流れでパラリンピックスについて。Disabledという形容詞の代わりに、最近、アメリカでは「differently abled」と言い表すことが増えているとのこと。友人曰く、多分にポリティカル・コレクトネスの議論に発展する表現だとは思うけど、パラリンピンアンの活躍を見ていると、differently abledはその通りだと思う、と。一理あるなと思いました。参考までに、オブザーヴァ紙に掲載された関連するであろう記事です。

Drop the word 'disabled' from Games coverage, demands Paralympics committee president
http://www.guardian.co.uk/sport/2012/aug/26/paralympics-philip-craven-disabled-disability

 パラリンピックスに出場する選手を単にdisabledとは呼ばないでほしいという趣旨なので、広義の意味では語られていません。しかし、パラリンピックスに出場している選手たちがやり遂げていることを見れば、differently abledという表現の方が、まやかしという印象はなきにしもあらずですが、「できない」と言い切るよりは的確なのではと考えます。

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Comment

- ひろし

この狭い島国で

餓えて共食いして二千年

生き延びてきた民族には

ウインウインだの不可能(笑)
2014.12.19 Fri 01:16 URL [ Edit ]

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