LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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歌の力:ロット、アレン、ディドナート、ドミンゴ、バフィ

2012.09.23
ロイヤル・オペラ・ハウスのシーズンが終わる前後に行った、コンサートの記録です。

 6月23日、ロイヤル・オペラ・ハウスはゲオルジューとアラーニャのオペラ界お騒がせカップルが「ラ・ボエーム」で共演すると言うことで、チケット争奪戦は熾烈を極めたようでした。その様子はブログ仲間の皆さんのポストで。

http://miklos.asablo.jp/blog/2012/06/23/

http://blog.goo.ne.jp/bigupset39/e/90d199747879f4d421e25bf31858b733

 元からこの争奪戦に参加する気は全くなかったものの、他に行きたいコンサートが重なってしまいました。一つは、バービカンで、60年代バーバンク・サウンドの立役者であるヴァン・ダイク・パークスがグリズリィ・ベアとフリート・フォックスのメンバーのサポートを得てコンサート。もう一つは、ウィグモア・ホールでイギリスのオペラ界の至宝、フェリシティ・ロットトーマス・アレンのリサイタル。どちらも良い席は売れてしまっていて、リターンで席がでた方に行こうと思っていたら、後者のリサイタルで最前列がとれてしまったので行ってきました。

http://www.wigmore-hall.org.uk/whats-on/productions/dame-felicity-lott-soprano-sir-thomas-allen-baritone-eugene-asti-piano-29773

 細かいところまではもはや覚えていませんが、ロットもトーマスも余裕綽々の上にオペラ歌手としての優美さを失うことは全くありませんでした。特に、ロットが英語で歌ったサン=サーンスの「チェリィ・トリィ・ファーム」は絶品。彼女は、四度も衣装を変えるなど自分に期待されていることをしっかりと。アレンも素晴らしかったのですが、寄る年波には逆らえないのか、最後のアンコールで3度も出だしを間違え、ロットがたまらず笑い出す場面も。ちなみに、このよるの聴衆の平均年齢の高さは、これまでのウィグモアでのリサイタルの中でもほぼダントツ。それに反比例するかのように、皆さんのドレス・アップをしようとする意欲のあまりの低さに唖然としました。

 最近、リターン・チケットを購入することにかけてはかなり運が強いのですが、コンサートの2日前まで全くリターンに巡り会えず、ほとんど諦めていたのが、アメリカはカンザス出身のメゾ・ソプラノ、ジョイス・ディドナートのウィグモア・ホールでのリサイタル。

http://www.theartsdesk.com/classical-music/joyce-didonato-wigmore-hall-0

Joyce Didonato: mezzo-soprano
David Zobel: piano

Programme
Vivaldi: From Ercole sul Termodonte, Onde chiare che sussrrate, Amato ben

Fauré: Cinq mélodies ‘de Venise’

Rossini: La regata veneziana

Schubert: Gondelfahrer

Schumann: From Myrthen: Zwei Venetianische Lieder

Head: Three songs of Venice

Hahn: Venezia – Chansons en dialecte vénetien

About this concert
Named as Gramophone’s Artist of the Year in 2010, DiDonato, a committed recitalist, here celebrates her love of the baroque and 19th-century bel canto, but extends it outwards in a programme themed around another of her passions, Venice.


 初日の7月4日には、開演前にボックス・オフィスによったところ、6日の分のリターンがでたばかり。迷わず購入し、同じプログラムを2回聴きました。

 内容は、2006年にウィグモア・ホールで歌って以来になるというヴェネツィアを歌った歌曲ばかりを集めたもの。ロッシーニとヴィヴァルディの曲は以前、別の歌手で聴いたことがあるものでしたが、他の曲は全く初めてでした。シューベルト、シューマン、ヘッド、そしてアーンの歌曲では、ディドナートの表現力の豊かさを存分に味わいました。
 ディドナートが明るい性格ということは知っていたのですが、一人の作曲家による歌曲が終わる旅に、あっけらかんとしたアメリカ英語で曲についての想い、音楽学校時代、初めてこれらの歌曲を歌うように指導されたときの新鮮な驚きを生き生きと語るディドナートに、ホールは笑いに包まれました。
 前半は真っ赤のイヴニング・ドレス。後半は、あとで写真のリンクを貼りますが極彩色のドレス。思わず冗談かと思ったほどのこのドレスは体にぴったりとフィットする素材だったので、オペラ歌手がどのように呼吸するかを観ることができて面白かったです。アンコールではピアノ演奏で、ロッシーニの「チェネレントラ」からあの有名アリアで見事なコロラテューラを披露して、フィール・グッド・ファクターであふれた良いコンサートでした。

舞台で骨折したときの「理髪師
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1047.html

 本当は、めっぽう評判の良かった「オテロ」の最終日のリターンを狙っていたある日、安い席のリターンがばんばん出始めたドミンゴ・ガラをふとのぞいたら、最前列、ほぼど真ん中の席が売りに出ていて、即クリック。とれちゃったので、こんな豪華なガラ・コンサートはロンドンではかなり稀なので、楽しむつもりで行ったのですが、出だしは最悪でした。というのも、ロイヤル側が読みを間違えてプログラムが売り切れてしまい、さらに当夜のプログラムはその売り切れたプログラムにしか掲載されていなかったので、前半は歌手の皆さんが何を歌うのかいっさい判らないままでした。幸い、会場で会った友人からちょっと見せてもらえたのですが、気が殺がれたのは事実。さらに、インターヴァル中に、確約はできないけど再印刷が決まったら連絡するからというので連絡先を残したものの、全くなしのつぶて。なんだかロイヤル・オペラ・ハウスへのロイヤリティが一気に失せています。で、当夜の演目は、その友人のブログで観られます。

http://ameblo.jp/peraperaopera/entry-11362212668.html

 友人が書いているように、最も輝いていたのは、カレイヤとディドナートでした。特に、ディドナートの1曲目、ロッシーニの「湖上の美人」からのアリアは、来年初夏に上演予定の同演目への期待がいっそう高まる素晴らしい歌唱でした。
 カレイヤは今年のプロムスの最終日に出演を果たすなど、飛ぶ鳥を落とす勢い。にもかかわらず、自分の声を維持することにはとても慎重なようで、ある新聞のインタヴューでは、今の彼の実力ではそれほど難しい役ではないであろう、でも本人曰く彼の声には良い経験になるとの理由で、ベッリーニの「カプレティとモンテッキ」のティボルトを歌う予定とのこと。また別のインタヴューでは、世界を飛び回るオペラ歌手の宿命として子供たちと過ごす時間が少ない。そこで、彼の子供たちは、テディ・ベアを持ち歩くことを頼み、スカイプで子供たちと話すときは必ずそのテディ・ベアを子供たちに見せているそうです。オペラ歌手とテディ・ベアと言えば、川原泉さんの「笑う大天使」。漫画の方は悲しい終わりですが、カレイヤのテディ・ベアにはぜひ、世界を何周もしてほしいものです。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157630751912632/
(ディドナートのドレスは、ウィグモアでのリサイタルと同じ)

 ドミンゴ先生は、好々爺然としていました。できれば、彼をウィグモア・ホールで聞いてみたいです。

 8月、サウス・バンクで催された「メルトダウン・フェスティヴァル」に、カナダ出身のバフィ・セント=メアリィが出演しました。僕にとっては、「プロテスト・フォーク・シンガー」としてまさに伝説の存在。まさか生を観られるとは思っていなかったので、楽しみにしていたのですが、「伝説」は「伝説」のままにしておくべきだった、そんなコンサートでした。
 楽しみにしていた「サークル・ゲイム」は歌われず、歌われた中で知っていたのは「ユニヴァーサル・ソルジャー」だけ。バフィは舞台上で、「私はフォーク・シンガーじゃないわ。シンガー・ソング・ライターなのよ」、と。僕が勝手に期待して自分で作り上げた「伝説」ではありましたが、もやもやした気分のまま帰宅の途につきました。反動で、現在、ピート・シーガーを聴きまくっています。

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