LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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旧東ドイツのとんでも日本料理店が映画に

2012.11.08
今日のガーディアン紙で、旧東ドイツ時代に営業していた「とんでも」日本料理レストランの話が映画化されヒットしているという記事を読んだ。

Film celebrates East German chef who cooked up Japanese storm in cold war
http://www.guardian.co.uk/film/2012/nov/07/film-east-german-chef-japanese

 共産圏時代の閉鎖された時代に、日本食の食材を入手することが困難を極めたという状況は容易に想像できる。でも、そんな状況でオーナーが生み出した「日本食」の描写に驚かない日本人がいるだろうか、いや居ない。

Tinned rice pudding was transformed into sushi rice, local carp was dyed to resemble salmon, a local variant of Worcestershire sauce was used instead of soy sauce, and Hungarian tokaj wine was mixed with German corn schnapps and heated, to fool diners into thinking they were drinking sake.Even may bugs fried in batter were brought into play as Anschütz started conjuring Japanese fare in the heart of East Germany.

 缶詰のライス・プディングに使われている米を「すし飯」に、地元の鯉を色付けして鮭に、ウースター・ソースが醤油(これは許せなくはないかな)。ハンガリィのトカイ・ワインを何かと混ぜて温めて日本酒。

 これほどまでして「日本食」を作り出そうとした熱意には打たれるけど、正直、こんなのが今の時代まで残っていなくてよかったという気持ちに偽りは無い。

 驚くことに、このレストランを経験した人の数は200万人に達し、予約待ちは2年だったとのこと。しかも、料理が供される前には、風呂に入るという「儀式」まで有ったとのこと。

Just under two million diners passed through his restaurant, the Waffenschmied (the Armourer), between 1966 and 1986. Diners had to wait for up to two years to get a table and paid the equivalent of half of a month's rent for the full four- or five-hour Japanese experience, which included a ritual cleansing bath for which guests had to disrobe.

"This was something of a mythical place in the heart of the communist east," said Conny Günther, recalling her one visit to Waffenschmied on New Year's Eve 1985, when the then 25-year old translator and some friends made the four-hour drive from Berlin in a Wartburg car to reach the snowy picture book forest town.

"First we were led by German girls dressed as geishas and had to descend naked into a pool, where we drank champagne, which was where all the fun started. Then in kimonos we started on a 15-course meal in a room full of Japanese decor, during which Anschütz furnished us with anecdotes and stories about Japan.


 記事から察するに、このレストランのことを知っていた日本人がいたようだ。あの時代の東ドイツにどれほどの日本人が暮らしていたのかは全く判らないが、このような「とんでも」和食でもないよりはましだったのかどうか知りたい。映画が日本で上映されたら、反応はどうなるのか。

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Comment

- Miklos

>ウースター・ソースが醤油(これは許せなくはないかな)

お、お、お、これは、ウスターソース嫌い、醤油好きの私としては、許せないですなー。

>ハンガリィのトカイ・ワインを何かと混ぜて温めて日本酒

もはや想像を絶します。梅酒、と言うならまだ理解はできますが。

ハンガリー在住時、ローカルのスーパーで何とか日本流炊飯に絶えられそうな米を一所懸命探し、豆腐(これはありました)をスライスして油で揚げて稲荷を作り、アボカドをスライスし山葵醤油を添えて刺身に見立てる、というようなことを楽しみながらやっていたのを思い出しました。ロンドンにいると何でもあたり前に手に入るので、そのころの苦労と面白みはすっかり薄れてしまいましたねー。
2012.11.09 Fri 01:18 URL [ Edit ]

- 守屋

Miklos さん

 では、ブラウン・ソースなんて全く駄目なのでは?!ロンドンで暮らして様々なイギリスの食材を試してきましたが、僕はあれは駄目です。ワインを暖めて飲むことは有りますが、トカイ・ワインを温めるなんて発想、僕だったら思いつかないと思います。

 最近では、マークスでキューピーのマヨネーズや静岡産の山葵(チューブ)を買えるロンドン。全く、20世紀は遠くなったと感じます。
2012.11.09 Fri 08:09 URL [ Edit ]

- ハマちゃん

面白そうな映画ですね!
是非是非、観てみたい。

最近、旧共産圏の国々に俄然興味が出てきてます。
それは毎週見かけるルーマニア人のビッグ・イシュー売りと先日初めて会話をしたときに
「日本って、共産国なの?」って訊かれたことがキッカケで
私らの知らない世界…を、一瞬垣間みた気がしたもので。

旧東ドイツで、日本食を提供しようと頑張ってたお店、と聞くだけでも興味津々です。
ここに書かれてる「工夫」(?)の数々を読むと、空恐ろしい内容ですが(笑)
それだけに、とても気になります。面白そう。
2012.11.12 Mon 14:55 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん

 日本は「共産圏」を目の敵にしながら、政治的にはそれほどの違いが無いのではと言うのが僕の考えです。

 ガーディアンの記事では、シェフがなぜこれほどまでに日本食の再現にこだわったのかがよくわかりませんでした。僕も、何が彼をそこまで惹きつけたのか、その炎が消えなかったほどの情熱は何だったのかを是非知りたいです。
2012.11.12 Mon 21:26 URL [ Edit ]

- ハマちゃん

日本の政治が共産っぽいかどうか、私にはよく分からないですが
日本は、一歩間違うと全体主義に陥りやすいメンタリティの国のように思えます。
それがひいては共産圏っぽい何かに、繋がるのかな?

昨夜、守屋さんがこのポストで紹介しているガーディアンの記事をじっくり読んでみて、
フェイスブックのページが出来てることを知り、イイネしました。
この映画のいろんな情報や、レストランを知る人たちが昔の写真をアップしたりしてて
ドイツ語なので読めないのが難ですけど、それでも楽しいです!
(でも英語と似てる単語も多いので、勘で…何となく分かる部分も。)
2012.11.13 Tue 16:07 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん

 メンタリティも、そして表面上の「平等」が正しいと盲信する態度も。このコメントでこのブログを初めて読む方のために、僕はコミュニズムは信じていません。言論の自由を縛るので。僕が信じたいのは民主主義。

 ウェブの最後の部分は、新聞本紙には掲載されていなかったので、見落としていました。ありがとうございます。日本で公開されたら面白いだろうなと思い始めました。2013年から2014年にかけて日本とスペインの交流400周年とのことですが、折角ですからドイツも混ぜてもらっても良いのではないかと。
2012.11.13 Tue 16:27 URL [ Edit ]

- ハマちゃん

言論の自由という点で、民主主義を信じたいのは私も同じです。
現実には結構、どこかしらでコントロールされてる部分、あったり…しがちですけどね。
自由と思ってても、それがコントロールの結果であったり。

フェイスブックのページ、覗いてみると面白いですよ。

ガーディアンの記事にも書かれてますけど
ベルリンの壁が崩壊するまでは、異国情緒というものは実に限定された、特別なものだった…
だから人々は本当にこの珍妙な日本食レストランを特別に思い、愛した。

それが西側からどっと何でも入って来るようになって
いまや異国情緒というものは特別なものではなくなって…

それでも、この映画の公開をきっかけに、当時を知る人たちが、こんなに懐かしがって、いまだに当時の写真を保存してるような人たちがFBにそれをアップしている、

なんだか、胸を打たれるものがあります。
閉ざされた世界だったからこその、イノセンス。

ある意味、今の、なんでもある、しかもそこそこ本格的なものが手に入る、そういう時代よりも
もっともっと純粋な有り難みを、その人達は感じていたのだろうな…なんて。
ウスターソースを醤油、なんて言われようが、食事の前に風呂の儀式まで付いてこようが。
2012.11.13 Tue 17:39 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん

 今の時代、誰かの手のひらで踊らされている印象は否めないですね。

 考えてみたのですが、今のドイツで旧東ドイツだった頃の都市名をあげてみろと言われても、全く浮かんで来ないです。よほど特別なつながりが無ければ、壁崩壊の前までは、多くの外国人にとってドイツは西ドイツだったのではないかと推察します。
 そのような時代に日本食を広めようとしたこの男性の熱意には感慨をもちますね。

 精神科医の男性が書かれた「日本人という鬱病」という本が有ります。その中の一部で、一般に日本人とドイツ人は似ていると思う人がいるが、それは早急な考え云々という記述が有ったと記憶しています。
 似ているのか似ていないのかは僕には判りませんが、このレストランの様なつながりは面白いです。
2012.11.14 Wed 07:15 URL [ Edit ]

- ハマちゃん

ドイツ人と日本人、似てる部分「も」あるんだろうな、という気はします。

「グッバイ・レーニン」という映画があって、
旧東ドイツの家族のお母さんが心臓発作だかで昏睡状態となっている間にベルリンの壁が崩壊し、街に一気に西の自由の風が吹いて別の世界になる。
昏睡から覚めたとき、息子は医師から「どんな刺激も、次の発作に繋がりかねない。次が起きたら死ぬ。」と警告されて

息子と友人たちは必死で「ベルリンの壁は崩壊していない」ことにしなければならず、「東」のままの環境を無理矢理維持する。
(友人と結託して、偽物のニュース番組まで制作して、そのニュースを母に見せる。)

コメディ仕立てでありながら、イデオロギーについて考えさせられたり、「東ドイツ」に西の自由さがどっと流れ込んできたことが、
みんな「素晴らしい」と諸手を上げて歓迎しているようで、実際には昔の東ドイツを懐かしんで恋しがってるヒトもいるのだろうとか
しみじみさせられる映画でした。
大好きな映画のひとつです。

この日本食レストランの映画も、私にとってそういう存在になりそうな予感。
紹介して頂いて、感謝します。
2012.11.14 Wed 14:08 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん

 面白い映画が有るんですね。レストランの映画も、とんでもない「和食」だけど、それほど日本の文化を追求してくれた熱意を観るのは楽しいかもれないですね。

 世界は広いです。その広さを知ることは個人の選択ですが、頑に拒むよりは、知るだけなら負担にはならないかなと。
2012.11.14 Wed 19:50 URL [ Edit ]

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2013.01.04 Fri 05:19 [ Edit ]

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