LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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真面目が肝心@リンベリィ・スタジオ・シアター

2013.08.11
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イギリスで暮らしながら読んでいない、読もうとも思わない作家はたくさん居るが、そのうちの一人がオスカー・ワイルド。イギリス人の友人曰く、「ワイルドはアイルランド人だから」とのことだが、ワイルドの存在がとりわけイギリスの舞台芸術にどれほどの影響を及ぼしたのかを知らないのは、痛いといえば痛い。が、どうしても本を読む気にはなれない。

 で、ワイルドがこんな作品を書いたことすら知らなかった、「The Importance of Being Earnest」をアイルランド人作曲家のジェラルド・バリィがオペラにし、初めて舞台化したものがリンベリィで6月に上演された(音楽自体は既に2012年に発表済み)。

Gerald Barry: music and libretto

Ramin Gray: Director

Simon Wilding: Lane/ Merriman
Benedict Nelson: Algernon Moncrieff
Paul Curievici: John Worthing
Stephanie Marshall: Gwendolen Fairfax
Alan Ewing: Lady Bracknell
Hilary Summers: Miss Prism
Ida Falk Winland: Cecily Cardew
Geoffrey Dolton: The Rev. Canon Chasubel, D.D.


舞台の模様
http://www.flickr.com/photos/royaloperahouse/sets/72157634125452330/

 中日と最終日に観た。観る前にあらすじと作品の周辺情報を読んでおいたので、舞台でなにごとが進んでいるのかは判った。また、要所要所で会場から湧き上る爆笑で、イギリス人がいかにこの原作に精通し、且つ好意を持っていることもよく判った。外国人の立場からだと、イギリスの「階級社会」の根深さをまざまざと感じた。

 音楽は、僕にとっては「オペラ」とは感じられなかった。旋律が現代音楽過ぎて口ずさめないからではなく、オペラというフォーマットを逸脱し過ぎなのではという点があったから。演出家の意図なのか、作曲者の意図なのか判らないが、例えば拡声器で台詞をしゃべる場面。特にこの場面では、打楽器奏者の女性が舞台左手に用意された何十枚という皿を歌手の台詞にあわせてリズミカルに叩き割るという演出もあり、視覚的には楽しいけど音楽的にはどうもという釈然としない気持ちを払拭できなかった。

 一幕では、歌手達がドイツ語で重唱する場面がある。旋律はオリジナルながら、歌っている歌詞が「歓喜の歌」の有名な alle Menschen werden bruder wo dein sanfter を繰り返しているのには笑った。

 批評家筋に受けが悪かったのは、レイディ・ブラックネルを男性に歌わせたこと。確かに違和感はあったが、僕にとってはこの舞台で初めて「真面目が肝心」を知ることになったので、芸達者な歌手でもあり、楽しめた。

 もうひとつ。この物語の最も重要な登場人物、Algernon。日本で暮らしていた時は、「アルジャーノンに花束を」もあってその発音を疑問に感じたことはなかった。が、今回の舞台、そして友人達の発音を聴いていると、「アルジャノン(強勢は最初のA)」。アメリカとイギリスでこの名前のストレスが違うのだろうか?

 全体として評価は高かったし、連日ほぼ完売のようだったので近い将来、戻ってくるだろう。笑ってはいけないことなのだが、観に行ったふた晩とも、隣に座ったそれぞれ違うカップルが休憩中に帰ってしまったこと。男性も女性も豪勢にドレス・アップしていたので、「トスカ」とか「ラ・トラヴィアータ」の様なグランド・オペラだと勘違いしたのではなかろうか。

 オペラ・ハウスで上演されるすべての演目が黴臭い演目だけではない、ということは既に多くの人が知っていることだと思っていた。

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