LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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サッカー・ワールド・カップ(そしてオリンピック)の影で奴隷のように扱われる労働者

2013.09.28
今週木曜日、9月26日のガーディアンの一面に、子供の写真を掲げて悲しみの表情を浮かべる男女の写真が掲載された。「またどこかで戦争?それともテロか?」と思った。戦争ではなかったが、死んでしまった労働者を死に追いやったのが誰なのかをすぐさま糾弾できないという点では、戦争と同じだと思う。

Qatar World Cup construction 'will leave 4,000 migrant workers dead'
http://www.theguardian.com/global-development/2013/sep/26/qatar-world-cup-migrant-workers-dead

 2022年のサッカー・ワールド・カップの主催国に選出されたカタールで、ワールド・カップの会場の工事現場で働くネパールからの移民労働者がまるで奴隷のように働かされ、何人かは生きて母国に戻れなかったというニュース。

 この最初の報道から次々に関連ニュースが報道され、FIFAや国連、多くのサッカー選手が所属する団体の反応が続々と報道されている。それらのニュースから得た情報を言葉足らずにまとめると。

 国内での若者の失業率が40%を超えるネパールでは、職を求めてワールド・カップに向けての建設ラッシュが続くカタールへ多くの若者が毎日、母国をあとにする。

 カタールで職に就くのは無料ではない。多額の斡旋料(=借金)を払って労働ヴィザを取得しなければならない。その斡旋料は、ネパール国内の賃金相場からだととても高いが、若者達、そして彼らの家族はカタールで得られるであろう賃金で借金を返済しなお、今より楽な生活ができると期待する。

 カタールに到着して彼らが直面する労働環境は、想像していたものより遥かに劣悪だ。パスポートを取り上げられ、ヴィザを没収され、国際労働法で認められている(と報道からは理解したけど)雇用主を変える権利すら与えられず、高温に晒され、且つ危険な建設現場で毎日12時間以上も働かされ、食事や水さえまともに提供されない。

 数ヶ月も賃金が未払いとなって地元の警察に訴えても何もしてくれない。あまりにも酷い環境で母国に戻りたいと訴えても、パスポートを取り上げられているのでカタールから出国することもできない。そして、カタールに到着した時には法律で認められた移民労働者だった立場が、ヴィザが失効して不法滞在者となり、死ぬまで働くか、死んで母国に戻れるかという選択しか残されない。

 ネパールからは、毎日多くの若者がより良い生活を得られると信じてカタールに向かう。他方、空港には、やはり毎日のようにカタールから棺が戻ってくる。

 ネパール政府はこのような状況に気づいている。しかしながら、長引く国内経済の不況、そして安定さを欠く内政のために、若者を守る政策に取り組めないまま。

Revealed: Qatar's World Cup 'slaves'
http://www.theguardian.com/world/2013/sep/25/revealed-qatars-world-cup-slaves

Dozens of Nepalese migrant labourers have died in Qatar in recent weeks and thousands more are enduring appalling labour abuses, a Guardian investigation has found, raising serious questions about Qatar's preparations to host the 2022 World Cup.

This summer, Nepalese workers died at a rate of almost one a day in Qatar, many of them young men who had sudden heart attacks. The investigation found evidence to suggest that thousands of Nepalese, who make up the single largest group of labourers in Qatar, face exploitation and abuses that amount to modern-day slavery, as defined by the International Labour Organisation, during a building binge paving the way for 2022.

According to documents obtained from the Nepalese embassy in Doha, at least 44 workers died between 4 June and 8 August. More than half died of heart attacks, heart failure or workplace accidents.


At 16, Ganesh got a job in Qatar. Two months later he was dead
http://www.theguardian.com/global-development/2013/sep/25/qatar-nepalese-workers-poverty-camps

 この報道は、当然なのか、遅きに失したというべきなのかは判らないが、FIFAや国連の即座の反応を引き出した。

Qatar failing on forced labour, says UN agency
http://www.theguardian.com/world/2013/sep/27/qatar-failing-forced-labour-un

Qatar told to respect rights of workers building 2022 World Cup stadiums
http://www.theguardian.com/world/2013/sep/27/qatar-exploitation-world-cup-workers

Qatar World Cup 'slaves': Fifa's UK representative 'appalled and disturbed'
http://www.theguardian.com/world/2013/sep/26/qatar-world-cup-slaves-fifa-uk

 もしかしたら、状況は劇的に改善されるかもしれない。しかし、何も変わらずこのまま2022年の大会が催されたとき、会場に赴く人は、サッカーの試合ではなくて建設現場という違法な闘技場で無駄に殺されてしまった移民労働者の悲しみの叫びを聞くことになるのではないか。

 サッカーのワールド・カップやオリンピックのような現代の大規模な国際スポーツ大会が存在する理由は、あるのだろうか。

 金(かね)。

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Comment

- とおりすがり

ちょっと驚きました。 これは酷い。
真剣に取りやめて別の国で開いた方が良いんじゃないかって感じました。 
2013.10.04 Fri 21:04 URL [ Edit ]

- 守屋

とおりすがり さん

 コメント、ありがとうございます。日本ではほぼ全く報道されていないように思います。と言っても、イギリス国内でもガーディアンだけが追っているニュースですが。

>真剣に取りやめて別の国で開いた方が良いんじゃないか
 コモン・センスがあれば誰もがそう感じると思います。でも、FIFAのトップがあの男性である限り、何も変わらないでしょう。
2013.10.05 Sat 20:03 URL [ Edit ]

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