LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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春画:日本美術における性と楽しみ@ブリティッシュ・ミュージアム

2013.10.04
メディアが大きく取り上げていたブリティッシュ・ミュージアム(以下BM)による春画展が、10月3日に始まった。BMは金曜日は夜8時30分まで開館していて、特別展もそれにあわせて見学できるので、4日の夕方に早速観てきた。

Shunga: Sex and Pleasure in Japanese Art
http://www.britishmuseum.org/whats_on/exhibitions/shunga.aspx

DSCN9448.jpg
(展示会場の入り口)

DSCN9449.jpg
(展示会場内の模様)

 僕は浮世絵についての知識を全く持ちあわせていないので、美術的価値、そして歴史的価値は判らないというのが正直な感想。しかしながら、展示会場は大きくないものの、出品されている版画や巻物の豊富さは「圧巻」。それぞれの展示にとても判りやすく、且つ的を得た説明がされていて、描かれている性行為を超えて版画に散りばめられている技術や風物についてがよく判る。BMの力の入れよう、そして真摯な取り組みは素晴らしい。

 解説を読んで日本らしいとなと感じたのは、ひと月ごとに描かれた連続もので、正月ならこの風景、春ならこの花という様に季節の移ろい、それに伴う着物の柄や背景の変化など、細部の緻密さには感心した。

 版画の解説だけでなく、会場内の数カ所におかれている春画の歴史や、当時の人気ぶり、人々がどのように春画を扱っていたかの説明も、とても判りやすい。思わず笑ったのがこれ。

馬鹿夫婦 

春画を真似て

手をくじき (作者不詳、1861年)

A foolish couple

copy the Shunga

spraining a wrist (Anon, 1861)


 この他に、会場に展示されている春画等が日本で作られていた時代、どの時代にどれほどの春画が作成されたかのグラフなどもあり、興味本位を遥かに超えたとても見応え、知り応えのある展示です。

 会場は混雑というほどではなかったですが、皆さん、熱心にそれぞれの春画をつぶさに観察し、解説を読むので、進みが遅いこと。展示物の多くはガラス・ケイスに入れられている。歌麿や北斎の展示ケイスには、熱心に観るあまり既に多くの人が額をぶつけているのがよく判った。

 会場内は、展示物だけでなく、解説の写真撮影も禁止。しかしながら、写真を撮る人が後を絶たず、係員の「Sir, not photos」や「Excuse me, no photos」が、数分おきに聞こえました。ま、撮りたくなる気持ちがわかるほど、春画が見せる「性と楽しみ」は新鮮だけでなく、楽しい驚きではないかと思う。

 16歳未満の親同伴は、実際の展示作品を観たら納得。暴力的なものはないのだが、あの性描写を、親が説明できない、子供が性行為が何かを知らないのであれば、双方にとって意味のある知の開拓にはならないかな。

 会期は2014年1月5日まで。在ロンドンの日本人だけでなく、会期中にロンドンに来られる機会のある方にはお勧め。日本にも巡回をという声はあるものの、未だに会場が決まらないとか。それに、ロンドンだったら、周りは日本人だけということはあり得ないので、周りから視線を気にせず、気にならずにじっくり観ることができるはず。実際、昨夕は華僑系の人々が多く、また、ロシア人、フランス人が多かったかな。男女を問わず、一人でじっくりと鑑賞する人、カップルが手を取り合って春画を鑑賞するなんて、ロンドンならではだろう。

http://www.flickr.com/photos/89578620@N00/sets/72157636192315194/

 日本のメディアも多く取り上げていて、中でもググると産經新聞の力の入れようが抜きん出ているような印象。

16歳未満は保護者同伴で… 大英博物館、初の春画展 「異例の展示」話題に
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131003/art13100308220004-n1.htm

大英博物館で日本の春画展 初の年齢制限、話題に
http://www.47news.jp/CN/201310/CN2013100301001915.html

 翻って、ググってもでて来ないのが朝日、読売、日経等。例えば、来年1月から東京で始まる「ラファエル前派」展を主催する朝日新聞。イギリスの美術は大きく取り上げるのに、足下の日本の文化を取り上げないのはどうしてなのかなと。

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Comment

- ハマちゃん

パネルが日本語と英語の併記になってて、
しかも日本語が上に来てるので、
日本から巡回で来たイベントなのかと思いました。
違うんですね。

季節を追った連続ものの春画、ディテールが面白そう。
春画川柳も、笑っちゃいますね。
見応えありそうです!
2013.10.08 Tue 09:26 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん
 
 見応え、知り応えのある展覧会です。今朝、時間が空いたので再び観てきました。満員ではなかったですけど、平日の午前中とは思えない盛況ぶりでした。

 描かれている性行為は、2枚くらい観ると飽きます。誇張されすぎていて、正直、パロディでしかないです。
 本文に書いたように、解説がとても素晴らしいです。例えば、先週観に行った時に人だかりで読めなかった出島を舞台にした春画の解説などは、歴史の授業では絶対に出て来ないであろうことが説明されていて、目から鱗でした。

 日本での巡回が決まらないのであれば、イギリス各地を巡回すれば良いのにと思います。
2013.10.09 Wed 15:42 URL [ Edit ]

- Miklos

こんにちは。夏にロンドンを去るにあたり、最も心残りというか、見れないのが残念だったのがこの特別展です。ええ、もちろん、興味本位ですとも。しかし、こんな大規模な春画展をお固い美術館で堂々とやるのは、日本では多分ないでしょうから。(1月までにロンドン出張・旅行の予定もないし…)

くやしいので大英博物館の売店で春画の画集(あるんです)を買おうとして、妻に阻止されました。
2013.10.12 Sat 15:12 URL [ Edit ]

- 守屋

Miklos さん

 おはようございます。暑いそうですね。今日のロンドンは嵐です。

 2回観に行ったからこそ言えるということもありますが、あの程度の描写を恐れるというのは、日本の性教育、性行為のタブー視がいかにお粗末だったかの証明のように思います。

>春画の画集
 知っています。山積みされていますから。あれ重いから、日本から購入できたとしても、輸送料はとても高額になるはず。1月上旬までに、ロンドンに来られると良いですね。
2013.10.13 Sun 09:52 URL [ Edit ]

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