LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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立身出世はお伽噺:イギリスのソーシャル・モビリティの停滞

2013.10.23
先週、主にBBCが大きく報道したニュースの中でとても興味を惹かれたのは、イギリス国内における収入の低い過程の子供が、将来、貧困から抜け出すのはとてつもなく難しくなっている報道。

Alan Milburn says child poverty 'no longer problem of the workless and work-shy'
http://www.bbc.co.uk/news/uk-politics-24553611

Bright poor 'held back for decades'
http://www.bbc.co.uk/news/education-24551446

 これは、2011年に書いた同様のポスト
http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-1323.html

 BBCの一つ目の記事の中でリンクが張られている報告書。

State of the Nation 2013
https://www.gov.uk/government/publications/state-of-the-nation-2013

 ものすごいペイジ数なのでかいつまんでの説明はできないので、本文の10ペイジ目の段落を。

Over decades British society has become wealthier but it has struggled to become fairer. Despite the figure falling significantly in recent years, 2.3 million children in the UK – one in six – live in relative income poverty, a higher rate than that of countries such as Denmark, Sweden and Germany.

Poorer children fall behind in development before the age of 3, and never catch up again. Educational attainment gaps result in low social mobility. Only one in eight children from low-income homes goes on to achieve a high income as an adult. The association between incomes of fathers and sons, a key measure of social mobility, is twice as strong in the UK as in Finland, Australia and Canada.

Social division takes many forms in our country. The UK is divided spatially, there are big divides in earnings and education by ethnicity and there is an enduring, if narrowing, gender divide, with over 60 per cent of low paid workers being female. Material disadvantage is pronounced at the bottom of society but it is experienced far more widely than people imagine. Poverty is dynamic: almost half of individuals in Britain find themselves poor at some point over a nine year period. More broadly, many children – including those from families with above average incomes - now face the prospect of having lower living standards when they become adults than their parents. These are issues that touch the whole of British society, not just some of its parts.

Tackling child poverty and low social mobility is a national imperative. Economically, Britain cannot afford to waste talent and potential that could make a major contribution to growing a sustainable economy. The cost of child poverty is estimated at £29 billion a year: the equivalent of £1,000 per taxpayer per year. Improving social mobility by raising all children to current average levels of educational attainment could contribute £56 billion a year by 2050, the equivalent of 4 per cent of UK GDP.


 全体の要約の最初の部分。本文の後半にでて来るグラフを見ると、イギリスはEU圏内で悲観するほど悪い訳では決してない。子供の貧困チャートでは良い方から数えた方が早い。問題なのは、全部読み切れていない(読み切れる分量ではない)から間違っているかもしれないが、収入の格差拡大、それにともな機会均等の格差の拡大なのかと推察する。

 上に引用した部分で、一つ意味が分からなかったのは以下の部分。

The association between incomes of fathers and sons, a key measure of social mobility, is twice as strong in the UK as in Finland, Australia and Canada.

 父と息子の収入の関連性は、一体、何を示す指標なのか?

 収入はあっても、公共虜金、学費、家賃を払ったあとに食料にまわす余裕がなくてフード・バンクを利用する家族が増えているという記事を紹介した。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-2047.html

 とうとう、イギリス国内の赤十字がこの課題に乗り出した。

Red Cross launches food aid campaign for Britain
http://www.bbc.co.uk/news/uk-24487146

 一年、2年で解決する問題ではない。21世紀になって、この歌を現実味を帯びて思い出すなんて予想もしていなかった。

労働慰安唱歌

作詞:戸川純
作曲:中原信雄

働けども 働けど 働けども 働けど
働けども 働けど 働けども 働けど
ポンプ押すてん足の女
牛車引く赤貧の男

働けども 働けど 働けども 働けど
働けども 働けど 働けども 働けど
稲穂刈り弓を引く娘
フェルト編むテントの老女

労民は寓話と奇跡を信じる
労民は寓話と奇跡を信じる


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Comment

- ハマちゃん

リンクまで追えてない状態で書き込みしてしまいますが

常々思うのは、Social Mobilityは確かに機会の平等ではあるけども、それが機能するには限度があって

仮に今のこの貧困問題が解決されたとして本当に全員が大学教育を受けて高給取りになれるポテンシャルを持てたとしたら、その中で競り負けた人が底辺の職をやることには変わりない筈。

機会は平等に与えられているべきではあるけども、それと平行して、どんな職種であっても互いにそれなりの敬意を持って受け止められる社会、
そして経済格差を税制や補助などで補う政策、をやっていかないと
健全な形には持って行けないのでは。

Social Mobilityという言葉に暗に含まれているのは「誰もが勉強すれば弁護士、医師、専門職の高給取りになれますよ」という期待で
その期待を実現する事が「幸せ」、つまり経済的成功=幸せと考えるような風潮は、本当に転換していかないとならないのでは、と思う。
記事にあるような、3歳の時点で身体の発育にもう差が出てしまいその後キャッチアップ出来ない程の貧困というのは、やはり政府である程度のサポートが出来るのが望ましいし、
そういう貧困家庭がお金の使い方の優先順位を間違わないような教育を国としてやっていくことが大事じゃないでしょうか。

経済ありき、のし上がったもの勝ち、から、方向転換するには、今までの価値観をガラリと変えないと無理です。
だけど過度にマテリアリストになってしまったこの国で、人生に本当に大事な事だけに価値観を見出そうと言っても、話が通じないような気もします。
暗澹とした気持ちになってしまいます。
2013.10.23 Wed 19:12 URL [ Edit ]

- ハマちゃん

経済性ありきの価値観が極端な方向に振れると、こういうことになるんだと思います。↓
http://getnews.jp/archives/147375

http://blogs.itmedia.co.jp/yasusasaki/2011/10/101-8236.html

人の命に関わること、今、目の前の怪我をしている人に手を差し伸べれば助かる命、も、
経済性ありきでその命は消えてしまうことになる。金勘定が先に来る。
この記事に出て来る例がもの凄く特殊な、どこか遠くの出来事と思っていられるのは、そう長くなかったりして。

方向性は違うけども、互いへの不信感ということでは、今朝も米国のネバダ州だったかどっかで13歳の男の子が銃を手放すように言われたのに従わなかったからと射殺されたというニュースをラジオでやってましたが、
その男の子の持っていた銃はホンモノではなかった、と続いていたような。
その男の子は、それでも射殺されねばならなかったわけです。
まあ、こちらはモノがなんせ「銃」ですから、同じ括りでは語れませんけどね。
2013.10.24 Thu 13:25 URL [ Edit ]

- ハマちゃん

すみません、ネバダじゃなくてカリフォルニアでした。
先にネバダで起きた乱射事件の話と絡めての判断という話だったのを地名混同。
2013.10.24 Thu 13:30 URL [ Edit ]

- ハマちゃん

【真のホームレス支援めざす美女】
(3)「自業自得だ」偏見を持つ人ほど現場を調べてない! あの釜ケ崎でモーニング喫茶…の試み

http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/131026/wec13102618000004-n1.htm

興味深い記事だったので、連投で恐縮ですが。
2013.10.26 Sat 16:12 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん

 産経の記事、とても面白いですが、なぜ、「美女」とする必要があるんでしょうね。

 僕がソーシャル・モビリティという言葉に初めて遭遇したのは、メンタル・ヘルスのワークショップ、そして文献でした。コミュニティ内でのソーシャル・モビリティが停滞することで、メンタル・イル・ヘルスの人がコミュニティの中で孤立する状況にはどのような取り組みが必要かというものでした。

 なので、本流であろう経済の場で語られると、違和感、もしくはソーシャル・モビリティと言っても、議論される環境によって方向が違ってくるのかなとも感じます。

 違和感、もしくは感覚からずれていると思う点は、経済、もしくは社会の発展という視点でソーシャル・モビリティが語られるとき、進む方向には「成功」しか内容に感じること。

 一般論として、多くの人が成功を望むはず。僕も、僕なりの成功を望みます。でも、それは多くの場合、叶わない、もしくはここまで来ればいいだろうという感じで終わりを迎えるのではないかと考えます。他方、そのような擦り合わせは、難しいこともあるでしょう。

 「成功」という視点にとらわれないでソーシャル・モビリティが議論されると、議論が内容がもう少し広がるのではないか、と素人の僕は期待します。

 一つ前のsexlessともつながる記事ですが、これもまた、家族と社会の結びつきを考察した面白い記事でした。

The worship of children brings only misery
http://www.theguardian.com/commentisfree/2013/oct/23/worship-children-brings-misery-suzanne-moore
2013.10.28 Mon 06:18 URL [ Edit ]

- ハマちゃん

The worship of children brings only miseryの記事、現代に生きてると確かに考えもしないけども、二世代くらい上の世代は信仰(あるいは記事中ではアディクト)するものが名誉だったり美徳だったり、そし神、だったのが
今は自分の子をいかにサクセスフルに育て上げるか、になってるわけですね…。

そういうのも、コミュニティが流動化した結果の産物なのかもしれない。
三世代同居とか近居がなくなってきて、それぞれが好きな場所に移住して好きな事して暮らす事が「自己実現」としてもてはやされるようになった結果、コミュニティという価値観が薄れたから…では。
コミュニティという価値観は互いを支え合うものであるのに対して、個の追求、「自己実現」の追求は互いを蹴落とし合うこと、に近くなることが多いから。

「自分なりの成功」を求めること自体が悪いのではないですが、その成功の意味が「経済的成功のみ」に向けられる場合、必ずいろんな歪みが出て来るということなのだと思います。
2013.10.28 Mon 13:37 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん

 今回、ソーシャル・モビリティと日本でのsexlessの記事を読んでいろいろ考えた中で、日本人のメンタリティ、コミュニケイション、そして社会からのプレッシャーが、Low maintenanceからHigh maintenanceになってきているからかなと。

 昔は選択肢が少なかったけど、でもその選択肢にこだわる気分は薄かった。現代では、選択肢が増え、その選択肢を全てやらなければいけないのではないか。その抑圧は大きいだろうと思います。

 メイルやメッセイジを送ってすぐに返事が来ないと不安になる、というのはハイ・メンテナンスの一例だと思います。
2013.10.30 Wed 06:49 URL [ Edit ]

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