LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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ヴァイキング展@ブリティッシュ・ミュージアム、ちょっとだけスコットランド独立

2014.03.30
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今月上旬に一般公開が始まったブリティッシュ・ミュージアムの「ヴァイキング展」にスコットランド人の友人家族と見てきた。

https://www.britishmuseum.org/whats_on/exhibitions/vikings.aspx

 10日ほど前に、別の友人と平日の午前11時に行った時に、そのタイミングで既に激混み、入場に長い行列ができていたので、日曜日はもっと混雑するのではと思っていた。が、おそらく、昨晩時計が1時間進んで夏時間になったからか、思っていたほどの激混みではなかった。

 会場に設置されているヴァイキングの説明が秀逸。とても勉強になった。現在、映画や小説の影響でヴァイキングというと好戦的な民族と思われているかもしれないが、いつもいつも侵略をしていた訳ではない。また、百戦百勝ということでもなかったとのこと。

 9世紀から11世紀に書けてスカンジナヴィア半島に住んでいた民族にとって、陸路で活動範囲を広げるのは困難だったため、陸より障害の少ない海を移動の場と選んだ、という説明はとても理に叶っている。

 ヴァイキングの歴史なんて全く興味を持ったことのない範囲だからすべてが新鮮。中でも、ヴァイキング達が当時のコンスタンティノープルやテヘランにまで到達していたという行動力には感心した。

 展示の目玉は、今世紀になって発見された戦闘船。おそらく、発掘されたヴァイキング船の中では最も大きな規模とのこと。デンマークからの出展で、他の展示もかなりデンマークからの貸し出しのようだった。

 ヴァイキングの歴史の中でもう一つ興味を惹かれたのは、宗教。ヴァイキング時代が終わるのは、デンマークが真っ先に、次いでスウェーデンとノルウェイで王族による国の統一が始まったから。その王国設立と前後して、スカンジナヴィアでもキリスト教が広まった。キリスト教が広まる前、ヴィキング達の暮らしの中に根ざしていたのは、自然崇拝とそれから派生した神話。日本の八百万の神に通じるのかなと。

 宝飾品にも珍しく興味を引かれる素晴らしいデザインが有った中で、個人的に最も面白かったのは、イングランド南部、ドーセットの海岸で発掘されたヴァイキング達の骨。人骨を至近距離で観察するのは久しぶり。若い頃、どこかの展示で人骨を見たときは心拍数が上がったが、恐怖感などみじんもなかった。人間が死ねば、こうなるんだなという事実だけ。

 スコットランド人の友人達と行って良かったのは、ヴィキングの歴史・文化を、彼らが自分たちの暮らしの中で感じることから説明できるから。

 会場で何度も目にしたヴァイキング達の痕跡を示す地図によると、ヴァイキング達はスコットランド本土、特に東海岸側にはほとんど上陸していない。逆に西海岸側、シェトランド、オークニィ、ヘブルディーズ諸島、そしてなんとマン島にまでヴァイキング達がもたらした影響が今でも色濃く残っているとのこと。解説によると、マン島は1266年まで、シェトランドとオークニィ、そしてアウター・ヘブルディーズ諸島は15世紀半ばまでノルウェイの領土だったそう。

 今、イギリス国内で最も熱い話題は、9月18日に行われる、スコットランド独立をかけての投票。既に何度か新聞報道で読んだのは、独立するにしても、スコットランド本土と諸島部にはかなり温度差があるらしいと。で、友人に、

 「オークニィとシェトランドが、独立するならスコットランドではなくてノルウェイの一部になるか、少なくともUKに残ることを選ぶのではないかと聞いている。この地図を見ると、ヘブルディーズ諸島で暮らす人たちも、スコットランド本土に住む人たちと強い絆があるとは思えないけど」。

 「最近のウェストミンスター(つまり政府)のネガティヴ・キャンペインで、逆に独立してやるという思いが高まっているから、私も今では、スコットランドが独立すると感じている。でも、オークニィとシェトランドがスコットランドに残るかどうかは判らない」。

 出口に近い最後の展示の一つは、ヴァイキング達の言葉がどのようにイギリス国内の言葉に影響を残しているかというもの。男性の声で何かを言っていて、幾つかの英語の単語は聞き分けられるのですが、全体を通して聞くとまるで別の言葉。で、友人夫妻に聞くと即座に、「スコティッシュ」だと。でも彼らの子供達は、「こんな言葉、聞いたこと無い」と。友人達によると、流されている言葉を日常で使っていた最後の世代が彼らだろうとのこと。更に友人曰く、ノルウェイ人やスウェーデン人はこの言葉を理解できるだろうと。

 ヴァイキング展は6月22日まで。

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Comment

- ハマちゃん

面白そうですね。
ヨークにもヴァイキング博物館があったと思ったけど、行かなかったなあ。

スコットランド人のお友達は、島の方ですか、それとも本土の方ですか。
スコットランドって独立とかアンチイングリッシュとかで団結してるように見えつつ、
本土内でも西と東では文化が相当違うみたいですし、ハイランドもまたなんか「うちは別」みたいな感覚を感じることがあるし
島なんてましてや。同じ文化圏という意識、無いんじゃ。と思います。

島の人たちの方が本土を見下してる感もあり、
本土は本土で島及び西部&ハイランドの「ゲール語死守派」な人たちを馬鹿馬鹿しいと笑ってたりするし。

バイキングの影響は、島に行かないと分かり辛いだろうな、と思います。
一度行ってみたいんですけどね。

スコットランド語、は、今は保護しようという動きがあるのか、先日ウォーターストーンズ書店に行ったら子供向けの絵本がいくつも「スコットランド語訳版」で出てて、ショーウィンドウを「スコットランド語版」だけで飾って盛り上げてました。
2014.04.02 Wed 10:46 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん

 友人はパース、エディンバラ出身です。彼らにとって島々の文化はたまに接するには興味深いけど、自分たちに直接つながっているとは感じないようです。

 本文に書くのを忘れたことは、スコットランド東部をすっ飛ばして、イングランド北部、ヨーク周辺まではヴァイキング達が乗り込んだそうです。なので、ヨークにヴァイキング博物館があるのは不思議なことではないでしょうね。こんな小さな島国にもかかわらず、いろいろな文化が混ざっているのがイギリスなんだなと感じます。
2014.04.02 Wed 12:58 URL [ Edit ]

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