LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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L'Ormindo (Francesco Cavalli) @ Sam Wanamaker Playhouse by ロイヤル・オペラ

2014.04.02
DSCN4849.jpg

昨春、演目発表の時に全く気づかなかったフランチェスコ・カヴァッリによる「ロルミンド」。グローブ座との提携で、今年1月にオープンしたばかりのサム・ウォナメイカー・プレイハウスで観てきた。

http://www.roh.org.uk/productions/lormindo-by-kasper-holten

 まず、幾つか愚痴。昨年末、ウェスト・エンドで上演された「柳に吹く風」同様、チケットの取り方がけっこう面倒くさい。ロイヤル・オペラ・ハウスのウェブからチケットを購入できれば最も簡単なのだが、グローブ座のチケットの購入の方法は全く親切でないし、手数料を取るのは腹が立つ。

 何より、チケット料金の設定が高過ぎ。最も高い席は£100−。舞台セットはほとんど無いに等しいし、オーケストラは10人にも満たず、上手だったけど歌手のほとんどは若手中心。仮にロイヤルがこのプロダクションをリンベリィで上演していたとしたら、このような価格設定にはなっていなかったとだろう。このような興味深い試みにこそ、幅広い年齢層を呼び込まなければだろうに、昨晩の聴衆の平均年齢はかなり高かった。

 先にこの劇場を経験した友人曰く、「これまで経験した中で、最も座り心地の悪いベンチ・シート」とのこと。全くその通りだった。僕が座ったのは、舞台真横の壁にもたれることのできる席だったが、2回の休憩を入れて約3時間は、正座より辛かった。

 チケットを購入したけど初日がいつだったかを忘れていて、ある日、レヴューがでているのに気づいた。

L'Ormindo by Francesco Cavalli review – 'An exquisite evening'
http://www.theguardian.com/music/2014/mar/26/ormindo-francesco-cavalli-opera-wanamaker-playhouse-review

 ガーディアンだけでなく、他の新聞でも軒並み激賞。

ロイヤル・オペラ・ハウスのフリッカー
https://www.flickr.com/photos/royaloperahouse/sets/72157642912931274/

Director:Kasper Holten
Costume designs:Anja Vang Kragh
Movement:Signe Fabricius

Performers

Conductor:Christian Curnyn

Ormindo:Samuel Boden
Amidas/Wind:Ed Lyon
Lady Luck/Sicle:Joélle Harvey
Music/Erisbe:Susanna Hurrell
Love/Nerillus:James Laing
Eryka/Wind:Harry Nicoll
Mirinda:Rachel Kelly
Ariadenus:Graeme Broadbent
Destiny/Osman/Wind:Ashley Riches
Orchestra:Orchestra of Early Opera Company


 物語は、以下のような感じ。プログラムに掲載されている内容を更に短く。

 Anfa(現在のカサブランカ)に二人の外国の王子、オルミンドとアミダスが、スペインと戦争をしているアリアデウス王を助けるために到着。二人とも、戦争そっちのけで、王の若い妃、エリスベにほれてしまう。アミダスは、婚約者のシクルともとのさやに戻るが、オルミンドとエリスベは結ばれないことを悲観して毒を飲む。

 が、その毒は王の側近(かな?)が気を利かして密かに睡眠薬に替えていたので二人とも目覚める。二人が深い眠りについていたとき、王はオルミンドが長い間生き別れていた自分の息子だと知り、死に追いやったことを後悔する。

 二人が目覚めると王はオルミンドにエリスベとの結婚を許し、更に領土を譲って大団円。


 バロック・オペラの物語なんてだいたいこんな調子だけど、「ロミオとジュリエット」に、「マゲローネ」の物語(http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-475.html)を足して3倍くらいに薄めた感じ。

 オペラは3幕構成。正直、レチタティーヴォが7割くらいを占める第1幕は、音楽的にはつまらなかった。しかし、第2幕、第3幕になるとアリアや二重唱があり、しかもとても美しい旋律で予想していた以上に楽しめた。

 試みとして「吉」と出たのは、歌われる英語の明瞭さ。帰宅途中で熟読したプログラムの中で、歌手の皆さんは、歌詞を歌うだけでなく、台詞を喋るように発音する練習を積んだとのこと。会場が狭いこともあるが、すべての歌詞が明瞭に聞き取れるというのは、かなり新鮮な経験だった。

 プログラムの中で、この舞台を演出したカスパー・ホルテンは、サム・ウォナメイカー・プレイハウスは「ロルミンド」が初演されたヴェネツィアの会場とは違うだろうけど、このオペラを上演するには最適な会場だと力説している。その点には、全く同意。ろうそくの火だけの照明の中でオペラを聴き、観るというのはそれほど多くの機会があるとは思えない。幻想的で、経験したことないけど薪能に近いのかなと。

 舞台が狭いので大掛かりなセットを組めないであろうとは想像できる。しかし、「ロルミンド」の成功で、更にバロック・オペラを観る機会が増えて欲しい。その際は、ふかふかのクッションと適切な価格設定を求めたい。

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Comment

羨ましい - レイネ

これはバロックオペラファン垂涎の舞台ですよ!マイナーなオペラだし、普段と異なる会場だし、蝋燭使ったりしての正統的HIP演出だから、すべての面でイレギュラーだから値段も高くなったのは仕方ないですね。映像収録されてることを望みます。(ラジオでは来週あたり聴けますが)
こういうのがロンドンでも上演されるようになったんですねえ、なんだか感無量。
来季のオルフェオもこういう路線なんでしょうね。いいぞ、いいぞ、とよそからですが応援気分です。
2014.04.02 Wed 09:37 URL [ Edit ]

リンク - レイネ

事後で申し訳ありませんが、このオペラがFBで話題になってるのでこの記事をリンクさせていただきました。ご不都合がありましたらご連絡ください。
2014.04.02 Wed 09:41 URL [ Edit ]

- 守屋

レイネ さん

 僕も、このような機会がロンドンであることには感慨を覚えます。映像、収録されているのかな。会場が本当に狭くて、カメラが入る空間を作るのはけっこう難しいように思います。

 カウンターテノールのジェイムズ君は、「リナルド」に出演する予定らしいです。背が高くて、舞台映えはしそうです。

 ラウンドハウスは、前は何度か通り過ぎたことはありますが、中に入ったことはないです。僕としては、リヒターをキャストして欲しかった。

 リンク、知らせてくださってありがとうございます。不都合はありません。
2014.04.02 Wed 10:00 URL [ Edit ]

ありがとうございます - レイネ

このオペラ、英語上演だったんですね!それはROHのプロダクションとしては珍しいのでは?(それとも台詞の部分だけ英語ってことかしら?)現代英語に直してるんでしょうか?

3月にENOで観賞した『ロデリンダ』も英訳された歌詞で、それが現代英語なのと歌手の発音が明瞭でとても聞き取りやすいのがよかったです。大概、英語の歌詞で歌われるとオペラがミュージカルっぽく安っぽく聴こえちゃうものなんですが、意外にも違和感がなくって。でも、それは意味をしっかり伝えようという意思を持って発音・歌唱してる歌手の功績が大きかったかも。(特にイエスティン君のことです)
2014.04.02 Wed 10:19 URL [ Edit ]

- 守屋

レイネ さん

 いつものように、事前に何も情報を収集うしていなくて、どのような経緯で英語上演になったのかは判りません。が、仰るように、ロイヤルでは珍しいことだと思います。とても聞き取りやすかったので、現代英語だと思います。友人が撮った会場の雰囲気です。

https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/13577143884/
2014.04.02 Wed 12:52 URL [ Edit ]

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