LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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トルコ滞在記1:ウズムル、フェティエで見聞するトルコ

2014.05.28
欧州の混乱が政治的な危機になるかどうか。

 トルコ滞在後、「再びトルコを訪れたいか?」と問われれば、答えはNoです。決してネガティヴな意味ではないです。単に、僕の中では劇的にクリックする魅力が少なかった。そんな気分が感じられる滞在記になると思います。

 元々イスラム諸国に積極的に行くつもりはありませんでした。しかし、たまに旅行を共にする友人達から、とても良い雰囲気のホリディ・ハウスを見つけたからと勧められました。確かに、ウズムルという山の麓の村にある家はとても素晴らしく、この家に泊まるだけなら戻りたい、それほど居心地のいい家でした。

 残念ながら、そのホリディ・ハウスを管理するイギリス人女性、テレサを取り巻く環境に大きな変化があり、実質僕たちが最後の宿泊客に。家が取り壊される訳ではないです。しかし、1996年からフェティエ、ウズムルに定住しているテレサでさえ今後の生活のために大きな変化を強いられる、トルコで暮らすことの不透明さを彼女から聞きました。

 フェティエはテレサが定住し始めた頃と比べて、格段に大きくなっているそうです。観光地としては、以前はドイツ人やオランダ人が圧倒的に多かったそうですが、現在のマジョリティはイギリス人。例えば、滞在したウズムルの現在の人口は2,500人。そのうち、イギリス人居住者は500人だそうです。

 おそらく、イスタンブールに行けば、トルコという国の勢いを感じることができたのではないかと想像します。しかしながら、フェティエでは、現政権が進める社会のイスラム化が鮮烈に感じられました。テレサや他の人から聞いたトルコの近代史からは、例えば19世紀頃のイスラム主義と現在のイスラム強化政策に何らかの共通点があるのだろうか、と。

 他方、僕が見聞したことは、ヨーロッパ社会の基準から。トルコにとっては余計なお世話なのかもしれないです。例えば、ある日、テレサが車でフェティエの港を一望できる高台に車で案内しくれました。眺望は本当に素晴らしいものでした。しかし、視線を作のしたに向けるとそこにはゴミが散乱したまま。眺望に高揚した気分も一気に萎れます。

 テレサ曰く、彼女のようにフェティエの観光業界に携わるイギリス人たちは観光客を増やしたいのであれば環境の整備に真剣に取り組んだ方がいいと行政側に何度も申し入れているそうです。しかし、行政側は肩を竦めるばかり。それが彼らの選択であれば、部外者が何を言っても変わることは無いでしょう。

 このような状況で、フェティエ、そしてウズムルでもコミュニティの分断が進んでいるように感じました。フェティエでは、オール・インクルーシヴの高級ホテルが増え、滞在する観光客の多くは、観光客向けのマーケットや地元で暮らす人が来れないような海岸で休暇を楽しむ傾向になっているそうです。

 ウズムルで顕著なのは、真新しい多くのヴィラ。村の中心地にはそのようヴィラは無いのですが、村の範囲が広がっているのは、増え続けるヴィラのため。そしてそのヴィラで暮らすのは、イギリス人や、普段はイスタンブールやアンカラで生活している裕福なトルコ人。村の中心の通りにある雑貨店や食品店で彼らの姿を見ることはありませんでした。

 これからは、個人的に感じたこと、体験したことを。まず、鉄道が少ない。地理的なこと、また、日本同様地震が多い国なので鉄道が普及していないとのこと。かわりに、フェティエ周辺やトルコ国内の移動の主要な手段は、長距離バス。この状況は、世界に多く存在する鉄道で広大な国を旅をしたい人にはアピールしないだろうなと。日本も原発輸出でなくて、鉄道技術を輸出すればいいのにと思います。

 エドガルン首相が怒ってトゥイッターとYouTubeを遮断したことは日本でも報道されました。その後、元に戻されたとのことでしたが、YTは滞在中、一度も再生できませんでした。
 
 ご存知の方がいるかどうかは判りませんが、トルコの評判に影をさしていることの一つは、携帯電話の取り扱い。ある知人から聞いた事実。トルコ人が海外へ出向き、運悪く携帯電話を海外の滞在先に忘れたとする。その場合、その忘れた携帯電話をトルコ国内に送り返すのは、事実上不可能。なぜなら、どのような状況であれ、トルコ国内の受け取り側が、トルコ政府が発効する「携帯電話の輸入許可書」を保持していなければならないから。

 また、僕のように海外からトルコに入国し、観光でもその滞在が2週間を超える場合には、海外の携帯電話の番号を、自分のパスポート番号とともに登録しなければならないそうです。さもないと、入国2週間後には、遮断されるとテレサから聞きました。

 食事。野菜、特にトマトはとてもおいしかったですし、前菜にあたる盛り合わせも、とりわけヨーグルトにニンニクを混ぜたものは美味しかったです。しかし、トルコ料理が世界3大美食って、誰が言い出したんですか?

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 仮にフェティエに行く方がいるとして。海沿いのプロムナードは、内陸側から観て右側の方が格段に雰囲気がいいです。小型船舶の構築に興味がある方は、フェティエの、内陸側から観て左側の道を半島に向けて進むと、広大なシップ・ヤードがあります。クラフトマンシップが素晴らしいです。

 フェティでは火曜日、金曜日、土曜日にマーケットがあります。それぞれ、場所は違います。一番大きいのは火曜日のですが、観光客向けになりつつあり、ぼられます。土曜日の方がローカル向けでのんびり食材等を選ぶことができるでしょう。また、スーパーマーケットが楽しい。食材が全く違う。

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(土曜日のマーケット)

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 ダラマン空港でトロリィを使う場合、係員に3トルコ・リラを払わなければなりません。到着早々に硬貨を持っている訳もなくですが、イギリス、及びユーロ圏からの場合、1ポンド硬貨、1ユーロ硬貨は受け付けてくれます。

 ダラマン往復は、久しぶりのEasyJet。予想を遥かに超えるとても快適な旅でしたが、スタンステッドは遠かった。もちろん、引っかかったのはイギリスに戻るとき。ダラマン空港で搭乗券とパスポートを提示し、更に言われたのは、「イギリスへの入国ヴィザはどこですか?ヴィザが無いと搭乗できませんよ」。これは予想していました。
 
 スタンステッドに戻る機内でイギリスの入国カードが必要だったのは僕だけ。もしかしてと予想していたように、外国人向けのパスポート・コントロールはガラガラ。係員の女性も微笑みを浮かべながらとても親切で、こんなに楽に入国できるなんてと思った刹那、「あら、あなたイギリス国籍を申請出来るのではないかしら?」と。

 いけない、この誘導質問に引っかかってしまっては、いけない!、とナノ・セカンドの判断で、「I don’t know」、とにっこり微笑みを返して通過。イギリスに戻る度に、この神経戦。慣れたからいいんですけどね。

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Comment

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>あなたイギリス国籍を申請出来るのではないかしら?

が誘導質問というのは、何の誘導なんですか?
これに変な回答をするとマズイことになったり、するんですか?

トルコは、私も特別行ってみたいと思ったことがなかったんですが、現地の事情とか、やはり行ってみて見えてくるものというのはありますから、こういう滞在記は面白いです。
コミュニティの分断というのは、悲しいですね。

イギリス人が特にそういう傾向があるのだとは言い切れないけども、スペインなんかもイギリスからの移住者や別荘保有者の影響でかなりそういう分断が起きている地域はあるようですし、そういうことを知るとやはりガッカリしてしまう。
ホント、言いたくはないけども、思わずにいられないのは、イギリス人はどこかに移住してもその土地をありのまま受け入れるよりも「イギリス村」を作りたがるようなイメージがあって。
その地域を「変えてしまう」外来種、みたいな。

その国の在り方とか、文化とか、そういうものが観光客や移住者ありきでガラリ変わってしまうことの哀しさ、というか。
元々の地元民にはあまり恩恵もなく、という。
(観光産業従事者は若干潤うにしても)
そういう意味では、「観光客の為に環境を整備しよう」という気がナイというのは、ある意味健全なのかもしれません。
環境を整備するとしたら、「自分たちのために」でなければ。
だからイギリス人から言われて「そうしよう」とならないのは、それはそれで良いのでは。
(内側から自分たちのコミュニティを住み易く居心地良くして行こう、となっていくのが理想)


2014.05.29 Thu 09:19 URL [ Edit ]

- ハマちゃん

すみません、先のコメント、名前が入っていませんでした、私でございます。
(久々に書き込みしたので、いつも自動で名前が入ってるのが消えてました。)
2014.05.30 Fri 18:59 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん

 そうだろうと思っていました。お知らせ、ありがとうございます。

>誘導質問というのは、何の誘導なんですか?
 被害妄想だと言われればそれまでですが、イギリス側から「国籍、申請できますよ」なんてこと、これまでの僕の見聞ではあり得ません。必ず、裏があると感じます。

 コミュニティの分断については、ローカルと外国人居住者だけでなく、もう一つあります。テレサによると、新しく建設されたホテルの中には、ガルフからの観光客を見込んで男女の宿泊を内部で分けているものがあるそうです。
 当地に住むイギリス人から聞いた話ですからバイアスがあるかもしれません。しかしながら、このようなイスラムかが進むことに戸惑う人たちもいるそうです。

 イギリス人コミュニティについては、別ポストで体験したことを書くつもりです。
2014.06.01 Sun 06:03 URL [ Edit ]

- ハマちゃん

なるほど、言われてみるとそうですね。
イギリス側から言うって、凄く不自然ですよね。(笑)
私も気を付けよう…。
(いずれにしてもイギリス国籍取る気は無いですが。二重国籍可能な国の出身だったら取ってるだろうけど、日本国籍を放棄してまでは取ろうと思わないです。)

トルコは元々イスラム国なのに、イスラム化が進む事に戸惑い、というのは、「外国人居住者目線での戸惑い」ということなんでしょうか。
とにかくイスラム国未体験なので、良く分からない事だらけです。
2014.06.01 Sun 18:34 URL [ Edit ]

- 守屋

ハマちゃん さん

 トルコは他のイスラムの国と比べると、スカーフをしていない、しない選択をする女性が多いように思います。しかしながら、現政権によって、その自由が狭められるのではないかという流れがあるらしいです。

 イスラムのことばかりよく判らないと書くと偏見を持ちすぎていると思われるかもしれません。今日、ケン・ローチ監督の新作、「Jimmy's Hall」を観てきて、宗教はなぜ、人々の間の憎しみを煽るのか、と。宗教が思想の範囲であればと思わずには居られませんでした。人間が生み出した思想に生活、そして未来を縛られるのは本末転倒。
2014.06.01 Sun 20:20 URL [ Edit ]

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