LONDON Love&Hate 愛と憎しみのロンドン

1999年のクリスマス・イヴにロンドンに。以来、友人達に送りつけていたプライヴェイト・メイル・マガジンがもと。※掲載されている全ての文章の無断引用・転載を禁じます。
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ナクソス島のアリアドネ@ロイヤル・オペラ

2014.07.16
スクリーンショット 2014-07-16 15.02.06
(ロイヤル・オペラ・ハウスのフリッカーから無断拝借。カリタ・マッティラとロベルト・サッカ)

ロイヤルのフリッカー
https://www.flickr.com/photos/royaloperahouse/sets/72157645358381974/

 7月13日、僕個人の今シーズンの最後のエンタメ、ロイヤル・オペラの「ナクソス島のアリアドネ」を観てきました。個人的に好きなオペラであることを差し引いてなお、素晴らしい舞台でした。


Director: Christof Loy
Designs: Herbert Murauer
Lighting: Jennifer Tipton
Choreography: Beate Vollack

Conductor: Antonio Pappano
Orchestra: Orchestra of the Royal Opera House

Ariadne/The Prima Donna: Karita Mattila
Bacchus/The Tenor: Roberto Saccà
Zerbinetta: Jane Archibald
The Composer: Ruxandra Donose
Harlequin: Markus Werba
A Music Master: Thomas Allen
Dancing Master: Ed Lyon
Wig Maker: Ashley Riches
Lackey: Jihoon Kim
Scaramuccio: Wynne Evans
Brighella: Paul Schweinester
Truffaldino: Jeremy White
Officer: David Butt Philip
Naiad: Sofia Fomina
Dryad: Karen Cargill
Echo: Kiandra Howarth
Major Domo: Christoph Quest


 クリストフ・ロイ演出のこのプロダクションは、2002年の初演から今回の3回目の再演まで全て観ています。前回、デボラ・ヴォイトがタイトル・ロールのときの感想。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-798.html

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-838.html

 前回の舞台を観た時に、この「ナクソス島のアリアドネ」というオペラの本質に迫ったかと思ったのですが、後半の「オペラ」でのカリタ・マッティラ(アリアドネ)とロベルト・サッカ(バッカス)のデュエットを聴き、観ているとき、まるで別のオペラを観ているようでした。

 あえてこじつけると。前回、まさにアメリカンな二人が舞台に再現した舞台には、アメリカ人的な「清く、正しく、美しく」的な雰囲気が、今思うとあったのではないかと。なので、二人の間にセクシャルな煌めきというものはありませんでした。
 
 が、フィンランド(マッティラ)とイタリア(サッカ)という大きな違いはあれど、マッティラとサッカが再現したと感じたのは人間の情欲の重さ、そして生命力に溢れた情感の交換に欧州文化圏の成熟を感じました。マッティラもサッカも確か五十路を超えているはずですが、二人のデュエットの場での絡みからは薄っぺらく言えば失楽園、踏み込んで言えばギリシャ神話が形成された頃の人間の危険な欲望の観察が生き生きと描き出されているように感じました。

 マッティラさん、前半の「プロローグ」ではろくに歌う場面がないのでどの程度歌えるのか判りませんでしたが、僕にとって最高のアリアドネ。今回、ロール・デビューということでかなりインタヴューが掲載されていて、今後はイゾルデを歌うかどうかを決めるとか。でも、僕としては「薔薇の騎士」の元帥夫人を歌って欲しいです。
 最終日だからでしょう、カーテンコールでは、共演者一人ひとりに熱烈なハグをして喜びを爆発させていました。マッティラとパッパーノの舞台は今回が2回目ですが、二人の相性はとてもいいのではないかと感じました。

 ロベルト・サッカを舞台で観たのは本当に久しぶり。2002年5月、コンサート形式の「ダフネ」と、バルトリのロイヤル・オペラ・デビュー、ハイドンの「詩人の魂」以来。そのときは、線の細いテノールと感じました。今回、老けたのは自然なこととして、歌唱の深みが増していてマッティラに引けを取っていませんでした。

 今回の唯一、最大のがっかりはツェルビネッタ。今回の方もまた、声を転がすというよりは、声を伸ばしているだけのように響きました。ツェルビネッタの最大の見せ場のアリアでは会場は大きな盛り上がりでしたが、僕のテンションはかなり下がりました。面白いことに、僕の左となりの二人もまた、全く拍手していませんでした。

 忘れてならないのは、指揮者のアントニオ・パッパーノ。オーケストラは今回は少人数、30人ほどだったので精鋭を集めたと言えるでしょう。全ての奏者の集中力が途切れることなく、パッパーノの的確な歌手への指示もあり、耳福でした。今回もまた、執念でパッパーノの真後ろの席をリターンでゲットしました。また唸り声を挙げながら元気に振るのだろうと思っていたのですが、とても静かで、彼自身がオペラ、舞台の歌手陣、オーケストラへの尊敬を鮮烈に感じていることが判る素晴らしい指揮でした。

 オペラが終わり、指揮台を降りる前にオーケストラのメンバー一人一人に労いと感謝を送るパッパーノ。指揮者に声をかけてはいけないとは判っていたのですが、思わず、「Maestro, thank you」と声をかけると、ちょっと驚いた表情はあったものの、嬉しそうにうなずきながら指揮台から去って行きました。

https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/14644056081/

https://www.flickr.com/photos/89578620@N00/14644056601/

 シュトラウスのオペラをもっと舞台で観たいですが、ロイヤルは「ザロメ」、「エレクトラ」そして「薔薇の騎士」ばかり。イギリスではオペラの舞台としてはまだ上演されたことがないらしいかなり長い間上演されていないらしい「ダナエの恋」を観たいです。

 帰宅すると、ロリン・マゼールの訃報。マゼールの指揮を経験したのはこの一回だけ。

http://loveandhatelondon.blog102.fc2.com/blog-entry-396.html

[追記:7月17日]
昨晩、FC2のメンテナンスで間違いを訂正できない間、シュトラウスのオペラについて検索した。で、ロバート・ディーン・スミスのウェブに行き着いたら、2015年の秋に、ロイヤル・オペラは「ナクソス」を上演するようだ。新しいプロダクションになるのだろうか。

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